JP6095636B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンを始動するためのエンジン始動装置に関するものである。
従来、エンジンを始動するためのエンジン始動装置は、エンジンが停止している状態でエンジンの始動動作を行う。従って、エンジン始動装置に設けられたピニオンギヤは、エンジンに設けられたリングギヤが回転していない状態で、リングギヤとの噛み合わせが行われていた。しかしながら、近年では低燃費化のためにアイドリングストップを行うシステムにおいては、エンジンの再始動性を確保するため、リングギヤの回転中でもピニオンギヤをリングギヤと噛み合わせることがある。
例えば、アイドリングストップした直後であってエンジンの回転がまだ止まっていない状態で再始動要求が入った場合、或いはエンジンの停止状態から再始動の際に時間を短縮する必要がある場合には、リングギヤの回転中に事前にピニオンギヤとの噛み合わせを行なうようにしている。このような場合にリングギヤの回転中にピニオンギヤを噛み合わせる方法として、ピニオンギヤを押し出し、ピニオンギヤとリングギヤの回転数が所定の回転数差の間にあるときに、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせるようにしている。
このような場合では、エンジンの逆回転時のピニオンギヤとリングギヤの噛み合い等は衝撃が大きくなる可能性があるため、エンジン始動装置に設けられているモータの回転開始タイミングを通常より遅らせる制御をすることが可能なスイッチを用いてモータの回転開始タイミングを遅らせ、エンジンの逆回転時に於けるピニオンギヤとリングギヤの噛み合いを避けることにより衝撃を回避するようにしたエンジン始動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、ピニオンギヤとリングギヤの噛み合いによる衝撃を緩和するために、エンジン始動装置の減速機構部分に衝撃緩和機構を設けることで、ピニオンギヤとリングギヤの噛み合いによる衝撃を緩和するようにしたエンジン始動装置も提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−031819号公報 特許第5272879号公報
前述の従来のエンジン始動装置のように、ピニオンギヤとリングギヤの噛み合いによる衝撃を緩和する機構を減速機構部に設けるようにした従来のエンジン始動装置の場合、ピニオンが受けた衝撃は、オーバーランニングクラッチ部とヘリカルスプラインを通じてトルクがリングギヤに伝達されたときに発生するため、ヘリカルスプラインの損傷等が発生してしまう。また、エンジンの逆回転による大きな衝撃トルクによりリングギヤ等が摩耗して変形する等の異常が発生することがあり、その結果、エンジン始動装置のヘリカルスプラインやピニオンギヤ等も含めて大きく損傷する可能性がある。
このようなリングギヤ側からの衝撃トルクによるヘリカルスプラインやピニオンギヤの損傷は、アイドリングストップに於けるリングギヤの逆回転中での衝撃トルクに起因するのみならず、アイドリングストップ搭載車に於けるキー始動時やリングギヤが完全に停止した後に再始動する場合であっても、何かの異常により、ピニオンギヤの回転停止であるロックが発生すると、異常に大きい衝撃トルクがヘリカルスプラインやピニオンギヤに与えられ、特許文献2に記載の従来の衝撃緩和構造ではヘリカルスプラインやピニオンギヤが大きく損傷することは避けられない。更に、ピニオンギヤにロックが発生し異常に大きい衝撃トルクがヘリカルスプラインやピニオンギヤに与えられる場合は、アイドリングストップ非搭載車であっても起こり得るものである。
この発明は、このような問題を解決するためになされたもので、リングギヤ側からピニオンギヤ側に異常なトルクが加わった場合に、エンジン始動装置の内部に設けられたギヤや機構の保護を可能にしたエンジン始動装置を得ることを目的とする。
この発明によるエンジン始動装置は、
モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤが前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤが、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギヤに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギヤへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記出力軸は、出力軸側ヘリカルスプライン部を備え、
前記ピニオン移動体部は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部を備え、
前記出力軸側ヘリカルスプライン部は、噛合い部と、前記噛合い部に対して前記出力軸の軸方向の反モータ部側に間隔を介して対向するように設けられたストッパ部とを備え、
前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部は、前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記噛合い部に噛合う歯部を備え、
前記ピニオン移動体部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部が前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記ストッパ部に当接することにより、前記リングギヤ側への軸方向の移動が規制されるように構成されており、
前記遮断機構部は、軸方向に対して垂直な面で対向する一対の伝達部材と、前記一対の伝達部材を前記軸方向に押圧するバネ部材とを備え、
前記一対の伝達部材は、夫々軸方向に垂直な面に対して所定の角度を有するトルク伝達面と、前記軸方向に垂直な面に対して前記所定の角度より小さくなだらかな角度に設定された滑り面を備えている、
ことを特徴とするものである。
この発明によるエンジン始動装置によれば、リングギヤ側から異常なトルクが発生した場合に、トルク伝達する方向に対してトルク伝達を遮断する機構部がピニオン移動体部に設けられているため、エンジン始動装置内部のギヤおよび機構を、異常な衝撃から保護することができる。
又、ピニオン移動体部の軸方向を規制するストッパを出力軸に設けることで、リングギヤ側から異常なトルクが加わった際の、遮断機構部の動作性を向上させることができる。
更に、ピニオン移動体部の軸方向を規制するストッパを出力軸に設けることで、リングギヤ側から異常なトルクが加わった際、ピニオンとリングギヤの噛み合い代を増加させることができるため、歯のダメージを抑制することができる。
この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の断面図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側の伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオンギヤ側の伝達部材の斜視図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の断面図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の動作イメージ図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側ヘリカルスプライン部を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側ヘリカルスプライン部とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部との組付け手順を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のオーバーランニングクラッチ部の構成図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸の斜視図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置を図に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の分解斜視図である。図1に示すこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置は、モータ部10、出力軸20、ピニオン移動体部30、ソレノイドスイッチ部40、プランジャ50、レバー60、ブラケット70、止め輪80、及び減速ギヤ部90により構成されている。プランジャ50とレバー60は、押し出し機構部を構成する。
モータ部10は、エンジンを始動するための回転力を発生する。出力軸20は、モータ部10に減速ギヤ部90を介して結合されている。ピニオン移動体部30は、出力軸20とヘリカルスプライン結合され、出力軸20の周面を出力軸の軸方向に摺動することができる。出力軸20には、第1のヘリカルスプライン部としての出力軸側ヘリカルスプライン部21が形成されているが、この出力軸側ヘリカルスプライン部21の詳細については後述する。
ソレノイドスイッチ部40は、車両のキースイッチがオンされたとき、若しくはエンジン制御装置(以下、ECUと称する)からエンジン始動装置にオン指令が発動されたときに内部に設けられた後述する吸引コイルに電流が流れ励磁されることにより、プランジャ50を吸引する。レバー60は、ほぼ中央部が回動自在に支持され、一端がプランジャ50に係合され他端がピニオン移動体部30に係合されている。プランジャ50が吸引コイルに吸引されてソレノイドスイッチ部40側に移動すると、レバー60の一端はプランジャ50と共に移動し、レバー60の他端に係合されているピニオン移動体部30を反ソレノイドスイッチ部40部側に押し出す。ブラケット70は、モータ部10、出力軸20、及びピニオン移動体部30からなる夫々の部品をエンジン側に固定している。
図2は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の断面図であって、エンジンに取り付けた状態を示している。図2に於いて、エンジンの始動を行う場合は、車両のキースイッチをオンとするか、或いはECUからエンジン始動装置のオン指令を発動する。これにより、ソレノイドスイッチ部40の吸引コイル41に電流が流れて、プランジャ50が吸引コイル41に吸引される。プランジャ50が吸引コイル41に吸引されると、レバー60の一端がソレノイドスイッチ部40側に引き込まれて、レバー回転軸中心61を中心として図2の反時計方向に回転する。
レバー60が反時計方向に回転すると、レバー60の他端がピニオン移動体部30を図2の右側つまり反モータ部側に押し出し、その結果、出力軸20の周面に設けられている第1のヘリカルスプライン部としての出力軸側ヘリカルスプライン部21に沿って、出力軸20にスプライン結合したピニオン移動体部30が回転しながら図2の右方へ押し出される。更にプランジャ50が吸引コイル41に吸引されて接点軸42の端部に当接し、この接点軸42がバネ45を圧縮しながら図2の左方へ押し込む。これにより、接点軸42に設けられている移動接点部43が一対のモータ接点44aと44bを橋絡し、モータ部10への通電が開始され、モータ部10のモータが回転する。
図3は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の分解斜視図である。図3に於いて、ピニオン移動体部30は、リングギヤ100に噛み合ったピニオンギヤ34がエンジンによって回転されて出力軸20の回転数よりも大きくなった際には空転するオーバーランニングクラッチ部31と、クラッチカバー32、モータの回転によるトルクを伝達する方向に対して、そのトルクが後述する所定の条件にあるときそのトルクの伝達を遮断する後述する遮断機構部33、ピニオンギヤ34、レバー60と係合するレバーかかり部品38、及びレバーかかり部品38を止めるレバーかかり部品用のとめ部品37で構成される。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35(後述の図4参照)は出力軸側ヘリカルスプライン部21(前述の図1参照)に噛み合わされている。
図11は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のオーバーランニングクラッチ部の構成図である。図11に於いて、オーバーランニングクラッチ部31は、図11に示すとおり、クラッチアウタ311、クラッチインナ312、クラッチローラ313、及びクラッチローラ313を押圧付勢するクラッチバネ314で構成される。
図4はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側伝達部材の斜視図、図5はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオンギヤ側伝達部材の斜視図、図6はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置のピニオン移動体部の断面図である。遮断機構部33は、図4に示す第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材331と、図5に示す第2の伝達部材としてのピニオンギヤ側伝達部材332と、図6に示す皿バネ36と、皿バネカバー361とにより構成される。
第1の伝達部材としての出力軸側伝達部材331は、図4に示すように、その内周面に、出力軸側ヘリカルスプライン部21と噛み合わされる前述のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35を備えている。又、出力軸側伝達部材331は、その軸心の延びる方向に対して直交する平面部に爪部331cを備えている。この爪部331cは、出力軸側伝達部材331の前記平面部から前記軸心の延びる方向に突出するトルク伝達面331aと、このトルク伝達面331aから漸次前記平面部からの高さが減少する傾斜面に形成された滑り面331bとから構成されている。実施の形態1では、図4に示すように爪部331cは軸心の周りに所定の角度間隔で4個設けられている。
第2の伝達部材としてのピニオンギヤ側伝達部材332は、図5に示すように、オーバーランニングクラッチ部31のクラッチアウタ311と一体に構成されており、その軸心の延びる方向に対して直交する平面部に爪部332cを備えている。この爪部332cは、ピニオンギヤ側伝達部材332の前記平面部から前記軸心の延びる方向に突出するトルク伝達面332aと、このトルク伝達面332aから漸次前記平面部からの高さが減少する傾斜面に形成された滑り面332bとから構成されている。実施の形態1では、図5に示すように爪部332cは軸心の周りに所定の角度間隔で4個設けられている。
図6に示すように、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332は、夫々の爪部331cと332cとが対向するように配置され、出力軸側伝達部材331の爪部331cのトルク伝達面331aと、ピニオンギヤ側伝達部材332の爪部332cのトルク伝達面332aとが当接して、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが、一方から他方へ回転トルクを伝達することができるように構成されている。
皿バネ36は、出力軸側伝達部材331の軸方向端面部と皿バネカバー361の内壁部との間に挿入されている。皿バネカバー361は、その外周面部に形成された溝部361aにクラッチカバー32の端縁をかしめることでクラッチカバー32と一体に固定されている。皿バネカバー361と出力軸側伝達部材331との間に挿入されている皿バネ36は、後述するように、所定の初期荷重Fk1で常に出力軸側伝達部材331をピニオンギヤ側伝達部材332の方向に押圧している。
また、皿バネ36の組付け方向を、皿バネ36の内径側形状と出力軸側伝達部材331が接するようにすることで、皿バネ荷重による出力軸側伝達部材331と、皿バネカバー361が受けるせん断応力を低減することができる。前述の皿バネ36の組付け方向とすることにより、皿バネ荷重の作用点と出力軸側伝達部材331の支点、および皿バネ荷重の作用点と皿バネカバーの支点の距離を小さくでき、各々にかかる負荷を低減することができる。
モータ部10からのトルクは、出力軸20に設けられた出力軸側ヘリカルスプライン部21からピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35を通じて、ピニオン移動体部30へ伝達される構造となっている。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35に伝達されたモータ部10からのトルクは、出力軸側伝達部材331のトルク伝達面331aからピニオンギヤ側伝達部材332のトルク伝達面332aへ伝達され、オーバーランニングクラッチ部31のクラッチアウタ311とクラッチローラ313とクラッチインナ312を介してピニオンギヤ34に伝達される。ピニオンギヤ34に伝達されたモータ部10からのトルクは、エンジンのリングギヤ100に伝達され、エンジンを始動させる。
逆にエンジン側から逆回転でトルクが発生すれば、エンジンの逆回転によるトルクは、上記とは逆の経路で出力軸20へ伝達される。その際の遮断機構部33の動作イメージを図7に示す。即ち、図7はこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の説明図であって、エンジン側から逆回転でトルクが発生した場合の遮断機構部33に於けるピニオンギヤ側伝達部材332と出力軸側伝達部材331に加わる力の関係を示している。
図6及び図7に於いて、皿バネ36は、皿バネカバー361と出力軸側伝達部材331との間に組み込まれるときに、出力軸側伝達部材331の軸心の延びる方向(以下、軸方向と称する)の初期荷重Fk1を出力軸側伝達部材331に与えるように設定されている。
ここで、
初期荷重Fk1=K×S
但し、Kは皿バネ36のバネ定数、Sは皿バネ36の初期たわみ量、である。 尚、図7は、後述するように皿バネ36が初期設定時よりも更に圧縮されて初期たわみ量S以上にたわみ、初期荷重Fk1より大きい荷重Fkを出力軸側伝達部材331に与えている状態を示している。
エンジンのリングギヤ100が逆回転してトルクTがピニオンギヤ34及びオーバーランニングクラッチ部31に加われば、当接しているトルク伝達面331aとトルク伝達面332aに垂直な力Fが働く。ここで、トルク伝達面331aとトルク伝達面332aは、夫々出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の軸心に対してθの傾きを備えている。従って、トルク伝達面331a、332aを通じて前述のエンジンの逆回転によるトルクTは、実際にはFcosθとして発生し、ピニオンギヤ側伝達部材332から出力軸側伝達部材331に伝達される。このとき、トルク伝達面331a、332aには軸方向反力Fsinθが働く。
ここで、皿バネ36による初期荷重Fk1と軸方向反力Fsinθとの関係が、
Fk1<Fsinθ
となったときに、皿バネ36は初期設定時よりも更に圧縮されてたわむ。従って、トルクTが大きくなり軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk1よりも大きくなると、皿バネ36が初期たわみ量Sから更にたわみ始めることになる。
図8は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の遮断機構部の動作イメージ図である。図8の(a)は、前述の軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk以下であり、エンジンの逆回転によるトルクによりエンジンのリングギヤ100からピニオンギヤ34に伝達されたトルクが、ピニオンギヤ側伝達部材332から出力軸側伝達部材331へ伝達される状態を示している。
次に、エンジンの逆回転によるトルクTが所定値以上大きければ、軸方向反力Fsinθが皿バネ36の初期荷重Fk1よりも大きくなり、前述したように皿バネ36は初期圧縮量Sから更に圧縮されてたわむことになるが、そのたわみ量がトルク伝達面331aとトルク伝達面332aが噛み合っている軸方向のストロークLよりも大きくなると、図8の(b)に示すように、出力軸側伝達部材331のトルク伝達面331aと、ピニオンギヤ側伝達部材332の332aとが噛み合わなくなり、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332は空転することになる。
即ち、図8の(b)に示す出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332の空転時には、皿バネ36による荷重Fk2は、
Fk2=K×(S+L)
となる。そして、皿バネ36のたわみ量が、(S+L)に達したときの皿バネの荷重Fk2と軸方向反力Fsinθとの関係が、Fk2<Fsinθとなったときに、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転することになる。
図8の(b)に示すように出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが空転を開始したあとは、図8の(c)に示すように、出力軸側伝達部材331の滑り面331bとピニオンギヤ側伝達部材332の滑り面332bとが当接して滑りながら空転し、次のトルク伝達面331a1がトルク伝達面332aに噛み合ってトルクを伝達する。従って前述の空転は、図8で模式的にいえば、出力軸側伝達部材331の次のトルク伝達面331a1が、ピニオンギヤ側伝達部材332のトルク伝達面332aに当接するまで出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転することになる。
この空転している時間は、爪部331c、332cの数で決定される。この発明の実施の形態1では出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332に夫々設けられている爪部331c、332cの数は夫々4つであるから、90°空転したあとに再びトルクを伝達する。従って、エンジンの逆回転によるトルクTが所定の値よりも大きければある一定時間空転することを繰り返す。
尚、以上は、エンジンが逆回転してエンジン側からピニオンギヤ側にトルクが加わった場合について説明したが、例えばエンジン側がロックしてリングギヤに噛み合っているピニオンギヤがロックした場合にも、前述と同様に、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とは空転する。
前述のように一定の角度毎に爪部を備えることで、爪部の数で空転時間を設定することができる。又、滑り面331b、332bの傾きは任意に設定することができる。例えば、傾斜面の角度をなだらかな角度にすれば、出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332とが空転しているときの摩擦力は大きくなるため、その摩擦力が熱エネルギーに変換されるため、ピニオンギヤに加わる衝撃のエネルギーの吸収量が大きくなる。従って、この場合、単に大きな衝撃を受けた際に空転するだけでなく衝撃吸収効果がある。
又、エンジン始動時に於いて、エンジンの脈動による衝撃トルクによりトルク伝達面331a、332aに発生する前述の軸方向反力Fsinθが、皿バネ36の初期荷重Fk1以上で、且つ皿バネ36が初期たわみ量Sから更にストロークLまでたわんだ時の皿バネ36の荷重Fk2以下であれば、トルク伝達面331aと332aとが摺動するのみで出力軸側伝達部材331とピニオンギヤ側伝達部材332が空転することはない。そして、エンジンのクランキング時にエンジンが脈動しても、皿バネ36がたわむことでピニオンギヤとリングギヤから発生する衝撃音を低減させることができる。
以上述べたように、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、リングギヤ側から異常なトルクが発生した場合、例えばリングギヤの逆転中にピニオンギヤ34とリングギヤ100を噛み合わせた際にリングギヤ100から受けるトルクの衝撃によって、ピニオン移動体部30の内部で空転が発生する。このようにピニオン移動体部30の内部で空転を発生させる構成に於いては、ピニオンギヤ34から近い位置に空転させ得る機構である遮断機構部を備えているため、減速ギヤ部90にトルク衝撃が伝達する前に空転が発生して出力軸側ヘリカルスプライン部21、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン35等を損傷させることがなく、又、ピニオンギヤとリングギヤの衝突による衝撃音を小さくすることが可能となる。
尚、前述の遮断機構部の構成は、リングギヤが逆転した場合だけでなく、エンジン側がロックしたときにも同様の機構で空転するため、逆回転以外の異常な状態が発生したときにもこの機構によって内部の機構の破壊を抑制することができる。
この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、例えば、従来の惰性回転中でエンジンが逆転中にピニオンギヤとリングギヤを噛み合わせる際に過大な衝撃トルクが発生するような場合であっても、ピニオン移動体部30で空転して衝撃を吸収するため逆回転数が大きくても噛み合わせることが可能となる。
又、同様にエンジンの逆回転とモータ回転力とが衝突した際にもよりピニオンギヤ側のピニオンギヤ34に近い位置で空転することで衝撃と過大なトルクを緩和および空転できるので、モータ回転を遅らせる制御などをしなくてもヘリカルスプラインなどを傷めずに十分に噛み合いが可能となる。したがって、再始動時間が早くなるだけでなく、ピニオンギヤの押し出しとモータ回転を連続で実施できる一体型スイッチを使用することが可能となり低コストと小型化が可能となる。
又、爪部でトルクを伝達し、皿バネの荷重で空転できる荷重を設定できるため、従来できなかった空転トルクの値の設定が容易となる。即ち、オーバーランニングクラッチ部31のクラッチローラ313が動力伝達方向の回転の時に逆転時のトルクやモータ回転のトルクを伝達することになるが、この部分で衝撃トルクを吸収するような構造にした場合、摩擦係数が安定せず、経年変化によるばらつきも大きくなる。しかし、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば遮断機構部33が空転するトルクの量産時のばらつきも抑制できる。更に、前述したようにクランキング時の騒音低減するための荷重設定も容易に行うことが可能となる。
次に、第1のヘリカルスプライン部としての出力軸側ヘリカルスプライン部21について説明する。図1に於いて、出力軸20に設けられた出力軸側ヘリカルスプライン部21は、ピニオン移動体部30の出力軸側伝達部材331に設けられたピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35と噛合する噛合い部21aと、ピニオン移動体部30の反モータ部側への軸方向の移動を規制するストッパ部21bとで構成されている。図12は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸の斜視図である。
図9は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側ヘリカルスプライン部を示す説明図であって、噛合い部21aとストッパ部21bの構成を模式的に示している。図9に示すように、噛合い部21aは、複数の歯部21a11、21a12、21a13と、歯部21a11と歯部21a12との間に形成された歯間部21a21、歯部21a12と歯部21a13との間に形成された歯間部21a22とにより構成されている。夫々の歯部21a11、21a12、21a13は、その長さ方向が出力軸20の軸心Xに対して所定角度だけ傾斜するように形成されている。
ストッパ部21bは、複数のストッパ21b11、21b12と、ストッパ21b11とストッパ21b12との間に形成されたストッパ切欠部21b2とにより構成されている。複数のストッパ21b11、21b12と、ストッパ切欠部21b2とは、軸心Xと直交する方向に出力軸20の周面を取り巻くように、直列に整列して配置されている。ストッパ部21bのストッパ切欠部21b2は、噛合い部21aの歯間部21a21の延びる方向に一致するように配置されている。この実施の形態1では、ストッパ切欠部21b2の幅寸法は、歯間部21a21の幅寸法と同一に形成されている。ストッパ部21bのストッパ21b11、21b12は、噛合い部21aの歯間部21a22に対向する位置に配置されている。
噛合い部21aに於ける複数の歯部21a11、21a12、21a13・・、及び、ストッパ部21bに於ける複数のストッパ切欠部21b2・・は、ピニオン移動体部30のピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35のスプライン形状に対応したギヤ諸元によるスプライン形状となっている。又、ストッパ部21bに於ける複数のストッパ切欠部21b2・・は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の複数の歯部に夫々対応する位置に形成されている
次に、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35と、出力軸側ヘリカルスプライン部21との組付けについて説明する。図10は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置の出力軸側ヘリカルスプライン部とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部との組付け手順を示す説明図である。ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35と、出力軸側ヘリカルスプライン部21とを組付けるには、先ず、出力軸20の反モータ部側の端部から、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35を出力軸側ヘリカルスプライン部21のモータ部側の端部まで挿入する。
具体的には、図10の(a)に示すように、出力軸側ヘリカルスプライン部21のストッパ部21bに於ける複数のストッパ切欠部21b2に、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部を破線で示すように挿入し、次に、出力軸側ヘリカルスプライン部21の歯間部21a21と歯間部21a22との間の歯間部21a21に、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部を挿入して矢印で示すように実線で示す位置まで移動させる。実線で示すピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部の位置は、出力軸側ヘリカルスプライン部21の噛合い部21aのモータ部側の端部を通り越した位置に存在する。
次に、図10の(b)に示すように、出力軸側ヘリカルスプライン部21とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35とを、出力軸20の軸心の周りに相対的に回転させて、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部を、破線で示す位置から実線で示す位置まで噛合い部21aの1歯分だけ回転させる。実線で示すピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部は、出力軸側ヘリカルスプライン部21の噛合い部21aの歯間部21a22に対応した位置に存在する。
次に、図10の(c)に示すように、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35を、フロント方向に移動させて出力軸側ヘリカルスプライン部21の歯間部21a22内に若干挿入する。そして、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35のモータ部側(リヤ方向)への移動を規制するための止め輪80を、出力軸20の周面に固定する。このとき、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部と出力軸側ヘリカルスプライン部の噛合い部21aが軸方向に対してラップするように止め輪80の位置が設定されている。
以上述べた手順により、出力軸側ヘリカルスプライン部21とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35とを容易に組み付けることができる。又、出力軸側ヘリカルスプライン部21とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35とは、前述と逆の手順により、容易に分離することができる。
前述のように、出力軸側ヘリカルスプライン部21とピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35とが構成されているので、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35の歯部の反モータ部側の端部が出力軸側ヘリカルスプライン部21のストッパ部21aに於けるストッパ21b12に当接することで、ピニオン移動体部30の反モータ部側への移動を規制する。従って、従来の装置が出力軸の反モータ部側の先端部に設けていたストッパ部材を廃止することができる。
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、リングギヤ側から異常なトルクがエンジン始動装置に加わった際の、遮断機構部の動作性を向上させることができる。
即ち、リングギヤ側から異常なトルクがエンジン始動装置に加わると、皿バネ36がたわみ、出力軸側伝達部材331の爪部331cのトルク伝達面331aと、ピニオンギヤ側伝達部材332の爪部332cのトルク伝達面332aとの噛合いが外れる。このとき、プランジャ50とレバー60により構成される押し出し機構部によって、ピニオン移動体部30が反モータ部側に力が加えられているため、レバーかかり部品38、皿バネカバー361、ピニオンギヤ側伝達部材332、クラッチローラ313、クラッチインナ312を介して、ピニオンギヤ34が反モータ部側、即ちリングギヤ側に移動することになるが、従来の出力軸の先端部にストッパ部材が配置されている構造の場合、ピニオンギヤ34のピニオンギヤ側への移動が規制されてしまうため、出力軸側伝達部材331の爪部3
31cとピニオンギヤ側伝達部材332の爪部332c噛合いを外し、ピニオンギヤ34をリングギヤ側へ押し出そうとする力と、出力軸の先端部に設けられたストッパ部材によりピニオンギヤ34のリングギヤ側への移動を規制する反力とが働き、遮断機構部33の動作性が悪くなってしまう。
しかし、従来の出力軸の先端部に設けていたストッパ部材を、この発明の実施の形態1のように出力軸20と一体化させて出力軸側ヘリカルスプライン部21にストッパ部21bとして設けることで、ピニオン移動体部30の反モータ部側即ちリングギヤ側への移動は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部35と出力軸側ヘリカルスプライン部21のストッパ部21bとが当接することで達成され、ピニオンギヤ34が反モータ側即ちリングギヤ側への移動が規制されることが無くなり、遮断機構部33の動作性を向上させることができる。
又、リングギヤ側から異常なトルクが加わり、遮断機構部33の爪部331cと爪部332cの噛合いが外れる際、ピニオンギヤ34が爪部の噛合い高さL分だけリングギヤ側に移動するため、リングギヤ100とピニオンギヤ34の噛合い代が増加し、面圧を低減させることができる。つまり、リングギヤ100から異常トルクが加わり、最もピニオンギヤ34に負荷がかかる瞬間、噛合い代が増加し、歯のダメージを抑制することができる。
以上述べたように、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置によれば、トルク設定が容易に小型で実施することができ、エンジンの逆回転時だけでなく摩耗によってピニオンギヤとリングギヤ同士がロックしたときにも容易に保護が可能となる。又、遮断機構部33は爪部でトルクを伝達する構造であり、且つピニオン移動体部30のヘリカルスプライン部の外周側で、オーバーランニングクラッチ部31と遮断機構部33をクラッチカバー32で連結するようにしているので、大型化することなく安定したトルク衝撃による空転と伝達を実施することが可能となる。
尚、以上の説明では、アイドリングストップでリングギヤが惰性回転中にピニオンギヤとリングギヤを噛み合わせる場合のエンジン始動装置について記載したが、アイドリングストップでリングギヤが完全停止してから噛み合わせる場合や、アイドリングストップ非搭載車用のエンジン始動装置であっても、ギヤが摩耗した場合にロックすることでモータ回転が開始されれば異常な衝撃トルクが発生することによって、通常エンジン始動装置でも起こり得るので、本発明を適用すれば効果がある。
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
以上述べたこの発明の実施の形態1によるエンジン始動装置は、下記の発明を具体化したものである。
(1)モータ部と、
エンジン側に設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤが前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
を備えたエンジン始動装置であって、
前記ピニオン移動体部は、
前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤが、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギヤに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギヤへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
を備え、
前記出力軸は、出力軸側ヘリカルスプライン部を備え、
前記ピニオン移動体部は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部を備え、
前記出力軸側ヘリカルスプライン部は、噛合い部と、前記噛合い部に対して前記出力軸の軸方向の反モータ部側に間隔を介して対向するように設けられたストッパ部とを備え、
前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部は、前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記噛合い部に噛合う歯部を備え、
前記ピニオン移動体部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部が前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記ストッパ部に当接することにより、前記リングギヤ側への軸方向の移動が規制されるように構成されており、
前記遮断機構部は、軸方向に対して垂直な面で対向する一対の伝達部材と、前記一対の伝達部材を前記軸方向に押圧するバネ部材とを備え、
前記一対の伝達部材は、夫々軸方向に垂直な面に対して所定の角度を有するトルク伝達面と、前記軸方向に垂直な面に対して前記所定の角度より小さくなだらかな角度に設定された滑り面を備えている、
ことを特徴とするエンジン始動装置。
(2)前記出力軸側ヘリカルスプライン部に於ける前記噛合い部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部と係合するスラストスプライン形状の歯部を備え、
前記出力軸側ヘリカルスプライン部に於ける前記ストッパ部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部に対応する位置にストッパ切欠部と、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部に当接し得るストッパとを備えている、
ことを特徴とする上記(1)に記載のエンジン始動装置。
)前記トルク伝達面は、回転方向に複数個設けられている、
ことを特徴とする上記(1)から(3)のうちの何れか一つに記載のエンジン始動装置。
)前記エンジン始動装置は、
前記押し出し機構部と前記スイッチ部を作動させて、前記エンジンが停止する過程の減速期間中に前記エンジンを再始動させるエンジン始動装置であって、
前記ソレノイドスイッチ部は、
前記押し出し機構と前記スイッチ部とを作動させるコイルを1つのコイルで構成し、前記ピニオンギヤを、前記押し出し機構部のプランジャを前記コイルに引き込む動作の過程で押し出しつつ、前記プランジャが更に前記コイルに引き込まれたときに前記モータ部の主回路を閉路し前記モータ部の駆動を開始するように構成されている、
ことを特徴とする上記(1)から(4)のうちの何れか一つに記載のエンジン始動装置。
)前記バネ部材は皿バネであって、前記ピニオン移動体部ヘリカルスプライン部の外周側に設けられている、
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のエンジン始動装置。
)前記皿バネは、その内径側が前記遮断機構部の前記一対の伝達部材をリングギヤ側に押圧するように構成されている、
ことを特徴とする上記(5)に記載のエンジン始動装置。
)前記皿バネにより前記一対の伝達部材を前記軸方向に押圧する初期荷重は、通常始動時に前記エンジンの出力が立ち上がっていく場合のトルクにより前記軸方向に発生するトルクでは前記トルクの伝達を遮断しない荷重に設定されている、
ことを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のエンジン始動装置。
10 モータ部、20 出力軸、21 出力軸側ヘリカルスプライン部、21a 噛合い部、21a11、21a12、21a213 歯間部21a21、21a22 歯間部、21b ストッパ部、21b11、21b12 ストッパ、21b2 ストッパ切欠部、30 ピニオン移動体部、31 オーバーランニングクラッチ部、311 クラッチアウタ、312 クラッチインナ、313 クラッチローラ、314 クラッチバネ、32 クラッチカバー、33 遮断機構部、331 出力軸側伝達部材、331a、331a1、332a トルク伝達面、331b、332b 滑り面、331c、332c 爪部、332 ピニオンギヤ側伝達部材、34 ピニオンギヤ、35 ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部、36 皿バネ、361 皿バネカバー、361a 溝部、37 レバーかかり部品のとめ部品、38 レバーかかり部品、40 ソレノイドスイッチ部、41 吸引コイル、42 接点軸、43 移動接点部、44a、44b モータ接点、45 バネ、50 プランジャ、60 レバー、61 レバー回転軸中心、70 ブラケット、80 止め輪、90 減速ギヤ部、100 リングギヤ。

Claims (7)

  1. モータ部と、
    エンジン側に設けられたリングギヤに噛み合い得るピニオンギヤを備え、前記モータ部の出力軸にヘリカルスプライン結合され軸方向に移動可能に形成されたピニオン移動体部と、
    前記ピニオン移動体部を前記ピニオンギヤが前記リングギヤと噛み合う位置に移動させる押し出し機構部と、前記モータ部への通電電流をオン/オフするスイッチ部とを有するソレノイドスイッチ部と、
    を備えたエンジン始動装置であって、
    前記ピニオン移動体部は、
    前記リングギヤと噛み合った前記ピニオンギヤが、前記リングギヤを介して前記エンジンにより駆動され前記出力軸の回転よりも高速で回転する場合に、空転するオーバーランニングクラッチ部と、
    前記オーバーランニングクラッチ部が前記モータ部の回転によるトルクを前記リングギヤに伝達する方向に対して前記トルクの値が所定の条件のとき、前記リングギヤへの前記トルクの伝達を遮断する遮断機構部と、
    を備え、
    前記出力軸は、出力軸側ヘリカルスプライン部を備え、
    前記ピニオン移動体部は、ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部を備え、
    前記出力軸側ヘリカルスプライン部は、噛合い部と、前記噛合い部に対して前記出力軸の軸方向の反モータ部側に間隔を介して対向するように設けられたストッパ部とを備え、
    前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部は、前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記噛合い部に噛合う歯部を備え、
    前記ピニオン移動体部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部が前記出力軸側ヘリカルスプライン部の前記ストッパ部に当接することにより、前記リングギヤ側への軸方向の移動が規制されるように構成されており、
    前記遮断機構部は、軸方向に対して垂直な面で対向する一対の伝達部材と、前記一対の伝達部材を前記軸方向に押圧するバネ部材とを備え、
    前記一対の伝達部材は、夫々軸方向に垂直な面に対して所定の角度を有するトルク伝達面と、前記軸方向に垂直な面に対して前記所定の角度より小さくなだらかな角度に設定された滑り面を備えている、
    ことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記出力軸側ヘリカルスプライン部に於ける前記噛合い部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部と係合するスラストスプライン形状の歯部を備え、
    前記出力軸側ヘリカルスプライン部に於ける前記ストッパ部は、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部に対応する位置にストッパ切欠部と、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の前記歯部に当接し得るストッパとを備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動装置。
  3. 前記トルク伝達面は、回転方向に複数個設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
  4. 前記エンジン始動装置は、
    前記押し出し機構部と前記スイッチ部を作動させて、前記エンジンが停止する過程の減速期間中に前記エンジンを再始動させるエンジン始動装置であって、
    前記ソレノイドスイッチ部は、
    前記押し出し機構と前記スイッチ部とを作動させるコイルを1つのコイルで構成し、前記ピニオンギヤを、前記押し出し機構部のプランジャを前記コイルに引き込む動作の過程で押し出しつつ、前記プランジャが更に前記コイルに引き込まれたときに前記モータ部の主回路を閉路し前記モータ部の駆動を開始するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載のエンジン始動装置。
  5. 前記バネ部材は皿バネであって、前記ピニオン移動体側ヘリカルスプライン部の外周側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン始動装置。
  6. 前記皿バネは、その内径側が前記遮断機構部の前記一対の伝達部材をリングギヤ側に押圧するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のエンジン始動装置。
  7. 前記皿バネにより前記一対の伝達部材を前記軸方向に押圧する初期荷重は、通常始動時に前記エンジンの出力が立ち上がっていく場合のトルクにより前記軸方向に発生するトルクでは前記トルクの伝達を遮断しない荷重に設定されている、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のエンジン始動装置。
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