JP6111991B2 - 金属ナット付き樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱インサート溶着によって金属ナットが取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品に関する。
上記のような金属ナット付き樹脂成形品では、金属ナットのインサート時に、熱溶融した樹脂が漏れ出して、樹脂成形品の表面にバリが形成されてしまうことがある。そこで従来、特許文献1には、そうしたバリの形成を防止するための構造を有した金属ナット付き樹脂成形品が提案されている。
図21に、同文献に記載の金属ナット付き樹脂成形品の断面構造を示す。金属ナット50が取り付けられる樹脂成形品51には、金属ナットインサート用の下孔52がその表裏を貫通して設けられている。金属ナット50のフランジ50aと、このフランジ50aと対向する樹脂成形品の上表面との間には、オーリング55が介設されている。
一方、下孔52における図中下方の端には、孔空き円板形状に形成されるとともに、内径に図中上方に立設された立ち上り部54を有するストッパー53が設けられている。そして、金属ナット50のインサート時に溶着面から漏出した溶融樹脂を、この立ち上り部54で堰き止めることで、樹脂成形品の下面側へのバリのはみ出しを抑えている。
特開2003−71931号公報
こうした従来の金属ナット付き樹脂成形品では、金属ナット50は、下孔52の内周面に接触されているが、軸方向においてはオーリング55を介して弾性支持されているだけである。そのため、特に経時劣化によってオーリング55が永久変形したときなどには、外部からの荷重によって、金属ナット50がガタついてしまい易くなる。
また、金属ナット50の圧入時には、樹脂成形品51の上面側にも溶融樹脂がはみ出してバリとなることがある。そして、そうしたバリによって樹脂成形品51の上面や金属ナット50のフランジ50aからオーリング55が浮いてしまい、金属ナット50のガタつきや傾きが生じることがある。しかしながら、上記従来の金属ナット付き樹脂成形品では、樹脂成形品51の下面側へのバリのはみ出しがストッパー53により抑えられているだけで、金属ナット50のガタつきや傾きを生じさせる樹脂成形品51の上面側へのバリのはみ出しについては特に対策されていない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、金属ナットをより好適に固定することのできる金属ナット付き樹脂成形品を提供することにある。
上記課題を解決する金属ナット付き樹脂成形品は、樹脂成形品に設けられた下穴に、フランジを有する金属ナットが加熱インサートによって取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、前記下穴の開口周囲の部分に、前記フランジと接触する複数の突起を周方向に配列したことを特徴としている。
上記構成では、樹脂成形品に取り付けられた金属ナットは、その側周と下穴内周との接触を通じての径方向の支持に加え、フランジと突起との接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナットに加わった外力を径方向、軸方向の双方で受けることが可能となり、外力による金属ナットのガタつきが抑えられる。また、金属ナットの圧入時に、下穴の内周面と金属ナットの側周面との接触部分から漏れ出た溶融樹脂の多くが突起間に形成されたクリアランスに溜まるため、フランジと突起との接触部分には溶融樹脂が入り難くなる。そのため、フランジと突起との接触部分に形成されたバリによる金属ナットのガタつきや傾きについても好適に抑えられる。
なお、前記下穴の開口部分に、内径が拡大された拡径部を設け、その拡径部に突起を設けるようにすれば、樹脂成形品からの金属ナットの突出が抑えられて、意匠性が高められる。
上記課題を解決する金属ナット付き樹脂成形品は、樹脂成形品に設けられた下穴に、加熱インサート溶着によって金属ナットが取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、前記下穴の内周には、前記金属ナットの挿入方向における同金属ナットの端面と接触する複数の突起を周方向に配列したことを特徴としている。
上記構成では、樹脂成形品に取り付けられた金属ナットは、その側周と下穴内周との接触を通じての径方向の支持に加え、その挿入方向側の端面と突起との接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナットに加わった荷重を径方向、軸方向の双方で受けることが可能となり、荷重による金属ナットのガタつきが抑えられる。また、軸方向支持のための接触面が金属ナットの挿入方向側の端面となっており、樹脂成形品の上面側にはみ出したバリでそうした接触面が浮いてしまうこともない。そのため、バリによる金属ナットのガタつきや傾きについても好適に抑えられる。
なお、上記複数の突起を、下穴における端面の位置から同下穴の底面まで同下穴の軸方向に延伸するようにすれば、型抜き性が良好となって、製造が容易となる。
上記課題を解決する金属ナット付き樹脂成形品は、樹脂成形品に設けられた下穴に、加熱インサート溶着によって金属ナットが取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、前記金属ナットの挿入方向における同金属ナットの端面に、前記下穴の内周に設けられた段部と接触する複数の突起を周方向に配列したことを特徴とする。
上記構成では、樹脂成形品に取り付けられた金属ナットは、その側周と下穴内周との接触を通じての径方向の支持に加え、その挿入方向側の端面に設けられた突起と下穴の内周に設けられた段部との接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナットに加わった荷重を径方向、軸方向の双方で受けることが可能となり、荷重による金属ナットのガタつきが抑えられる。また、軸方向支持のための接触面が金属ナットの挿入方向側の端面となっており、樹脂成形品の上面側にはみ出したバリでそうした接触面が浮いてしまうこともない。そのため、バリによる金属ナットのガタつきや傾きについても好適に抑えられる。
本発明によれば、金属ナットの固定をより好適に行うことができるようになる。
合成樹脂製シリンダーヘッドカバーの部分正面図。 第1実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の分解斜視図。 図2の金属ナット付き樹脂成形品に設けられたボスの平面図。 同ボスの側面断面図。 金属ナット取付後の同ボスの平面図。 金属ナット取付後の同ボスの側面断面図。 図5の7−7線に沿った断面図。 図5の8−8線に沿った断面図。 第2実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の分解斜視図。 図9の金属ナット付き樹脂成形品に設けられたボスの平面図。 同ボスの側面断面図。 金属ナット取付後の同ボスの平面図。 金属ナット取付後の同ボスの側面断面図。 第3実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の分解斜視図。 第4実施形態の金属ナット付き樹脂成形品に設けられたボスの平面図。 同ボスの側面断面図。 同ボスの下穴内表面の斜視図。 金属ナット取付後の同ボスの平面図。 金属ナット取付後の同ボスの側部断面図。 第5実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の分解斜視図。 従来の金属ナット付き樹脂成形品の金属ナット取付部分の側面断面図。
(第1実施形態)
以下、金属ナット付き樹脂成形品の第1実施形態を、図1〜図8を参照して詳細に説明する。この実施形態においては、樹脂成形品としての合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7に、ハーネス8を固定するための金具9が締結される金属ナット10が取り付けられたものとなっている。
図2に示すように、合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7に取り付けられる金属ナット10は、その一端にフランジ11を有する略円筒形状となっている。また、金属ナット10には、軸心に沿って貫通するネジ穴10aが形成されている。この金属ナット10は、加熱された状態で、合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7に一体のボス12に空けられた下穴13に、そのフランジ11が設けられた側と反対側の端面を先頭としてインサートされて、加熱溶着される。なお、金属ナット10の側周には、溶着の強度を高めるため、例えばローレット加工によって凹凸が形成されている。
前記ボス12は、円筒形状に形成され、合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7の外表面から垂直に突き出すように設けられている。ボス12の頂面からは、下穴13が軸心方向に穿たれている。下穴13は、その開口部分の内径が、金属ナット10のフランジ11を除く部分の外径よりやや小さくされるとともに、奥に向うほど内径が徐々に小さくなるテーパ穴とされている。
また、下穴13の開口部分には、内径が拡大された2段の拡径部14a,14bが形成されている。1段目の拡径部14aは、フランジ11の外径とほぼ等しい内径を有し、2段目の拡径部14bは、フランジ11の外径よりも大きい内径を有する。
図3、図4に、ボス12の平面構造、側面断面構造をそれぞれ示す。これらの図に示されるように、下穴13の開口周囲の部分に形成された拡径部14a,14bには、複数(同図では6つ)の突起15が、周方向に等間隔に配列されている。各突起15は、拡径部14aの内周から拡径部14bの外周に至るまで径方向に延びるリブ状に形成されている。また、突起15の頂面の位置は、ボス12の頂面よりも、下穴13の奥側に若干下った位置とされている。
図5、図6に、金属ナット10が取り付けられた状態のボス12の平面構造、側面断面構造をそれぞれ示す。これらの図に示されるように、金属ナット10は、そのフランジ11が各突起15の頂面に接触する位置まで、下穴13にインサートされた状態でボス12に取り付けられる。
図7に、金属ナット10の取付後のボス12の図5の7−7線に沿った側面断面構造を示す。金属ナット10は、その側周において下穴13の内周と接触されるとともに、周方向における突起15の形成位置では、同図に示すように、フランジ11の裏面において、その突起15の頂面と接触される。それらの接触面は、インサート時の金属ナット10の熱で溶着される。
図8に、金属ナット10の取付後のボス12の図5の8−8線に沿った側面断面構造を示す。同図に示すように、周方向において、隣り合った2つの突起15の間の位置では、フランジ11と拡径部14aの底面との間にクリアランスが形成される。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品に設置された金属ナット10は、その側周面と下穴13の内周面との接触を通じての径方向の支持に加え、フランジ11と突起15との接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナット10に加わった外力を、径方向、軸方向の双方で受けられるようになり、外力による金属ナット10のガタつきや傾きが抑えられる。
また、下穴13の内周面と金属ナット10の側周面との接触部分から下穴13の開口側にはみ出した溶融樹脂の多くが、隣接する突起15間に形成されたクリアランスに溜るため、突起15とフランジ11との接触部分には溶融樹脂が入り難くなる。そのため、それらの接触部分に形成されたバリによりフランジ11が突起15から浮いて、金属ナット10がガタついたり、傾いたりすることが抑えられる。
以上説明した本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)金属ナット10が径方向に加え、軸方向にも支持されるため、外力による金属ナット10のガタつきや傾きを抑えることができる。
(2)下穴13への金属ナット10のインサート時に、下穴13の内周面と金属ナット10の側周面との接触部分から下穴13の開口側に漏れ出た溶融樹脂の多くが突起15間に形成されたクリアランスに溜まるため、突起15とフランジ11との接触部分には溶融樹脂が入り難くなる。したがって、フランジ11の接触面に形成されたバリにより、金属ナット10にガタつきや傾きが生じることが抑えられる。
(3)軸方向支持のために追加した接触部分がフランジ11と突起15との接触面に限定されているため、接触部分の追加によるバリの発生量の増加が抑えられる。
(4)下穴13の開口部分に設けられた拡径部14a,14bに突起15が設けられるとともに、突起15の頂面がボス12の頂面から落ち込んで位置しているため、樹脂成形品からの金属ナット10の突出が抑えられて、意匠性が高められる。
(第2実施形態)
次に、金属ナット付き樹脂成形品の第2実施形態を、図9〜図13を参照して説明する。なお、本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品にも、第1実施形態と同様の金属ナット10用いられる。ただし、この金属ナット10がインサート溶着される合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7のボス12に空けられた下穴113は、第1実施形態のものとは、若干異なる形状とされている。すなわち、第1実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の下穴13は、その開口部分に2段の拡径部14a,14bを有していたが、本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品の下穴113の開口部分の拡径部114cは、1段となっている。
図10、図11に示すように、拡径部114cは、金属ナット10のフランジ11の外径外径よりも大きい内径を有する。そして、この拡径部114cには、複数(同図では6つ)の突起115が、周方向に等間隔に配列されている。各突起115は、拡径部114cの内周からその外周に至るまで径方向に延びるリブ状に形成されている。また、突起115の頂面の位置は、ボス12の頂面よりも、下穴113の奥側に若干下った位置とされている。
図12、図13に示すように、金属ナット10は、そのフランジ11の裏面が各突起115の頂面に接触する位置まで、下穴113にインサートされた状態でボス12に取り付けられる。このときの金属ナット10は、その側周において下穴13の内周と接触されるとともに、そのフランジ11の裏面において、各突起15の頂面とも接触される。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属ナット10は、その側周面と下穴113の内周面との接触を通じての径方向の支持に加え、フランジ11と突起115との接触を通じての軸方向の支持も受けられる。そのため、金属ナット10に加わった外力を、径方向、軸方向の双方で受けられるようになり、外力による金属ナット10のガタつきや傾きが抑えられる。
また、下穴113の内周面と金属ナット10の側周面との接触部分から下穴113の開口側にはみ出した溶融樹脂の多くが、隣接する突起115間に形成されたクリアランスに溜るため、突起115とフランジ11との接触部分には溶融樹脂が入り難くなる。そのため、それらの接触部分に形成されたバリによりフランジ11が突起115から浮いて、金属ナット10がガタついたり、傾いたりすることが抑えられる。
以上のように本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品でも、第1実施形態と同様の作用が生じる。したがって、本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、金属ナット付き樹脂成形品の第3実施形態を、図14を参照して説明する。なお、本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1および第2実施形態では、金属ナット10のフランジ11と接触する複数の突起15,115を、下穴13,113の開口周辺に周方向に配列し、それらの突起15,115とフランジ11との接触を通じて金属ナット10を軸方向に支持していた。本実施形態では、そうした突起を金属ナット側に設けるようにしている。
図14に示すように、本実施形態に用いられる金属ナット110も、第1および第2実施形態のものと同様に、軸心に沿って貫通するネジ穴110aが形成されるとともに、その一端にフランジ111を有する略円筒形状を呈している。ただし、そのフランジ111の裏面には、複数(同図では6つ)の突起215が、周方向に等間隔に配列されている。各突起215は、フランジ111の内周からその外周に至るまで径方向に延びるリブ状に形成されている。
一方、この金属ナット110がインサート溶着されるボス12の下穴213には、第2実施形態のものと同様に、フランジ111の外径よりも大きい内径を有した拡径部214がその開口部分に設けられている。ただし、この下穴213の拡径部214には、突起は設けられておらず、その金属ナット110の挿入方向における端面214aは、平面とされている。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、インサート溶着時に金属ナット110は、そのフランジ111に設けられた各突起215が下穴213の拡径部214の端面214aと当接する位置まで、下穴213に挿入される。そして、側周面と下穴213の内周面との接触部の溶着、およびフランジ111の各突起215と拡径部214の端面214aとの接触部の溶着により、金属ナット110がボス12に固定される。
こうした本実施形態においても、金属ナット110は、その側周面と下穴213の内周面との接触を通じての径方向の支持に加え、フランジ11に設けられた複数の突起215と下穴213の拡径部214の端面214aとの接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナット110に加わった外力を、径方向、軸方向の双方で受けられるようになり、外力による金属ナット110のガタつきや傾きが抑えられる。
また、下穴213の内周面と金属ナット110の側周面との接触部分から下穴213の開口側にはみ出した溶融樹脂の多くが、隣接する突起215間に形成されたクリアランスに溜るため、突起215とフランジ111との接触部分には溶融樹脂が入り難くなる。そのため、フランジ11の接触面に形成されたバリにより、金属ナット110がガタついたり、傾いたりすることが抑えられる。
以上のように本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品でも、第1実施形態と同様の作用が生じる。したがって、本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品によっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
次に、金属ナット付き樹脂成形品の第3実施形態を、図15〜図19を参照して説明する。なお、本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1〜第3実施形態では、樹脂成形品(合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7)に対する接触部分をフランジ11に追加するようにしていた。しかしながら、フランジと樹脂成形品との間にオーリングなどが介設されていて、フランジを樹脂成形品に直接接触させられない場合や、金属ナットにフランジが設けられていない場合などには、こうした構成は採用できない。そこで、本実施形態では、下穴の内周に複数の突起を設け、挿入方向における金属ナットの端面に接触部分を追加することで、上記のような場合にも採用を可能としている。
図15、図16に、本実施形態の樹脂成形品に設けられたボス20の平面構造、側面断面構造をそれぞれ示す。本実施形態においても、ボス20は、円筒形状に形成され、合成樹脂製シリンダーヘッドカバーの外表面から垂直に突き出すように設けられている。また、ボス20の頂面からは、テーパ穴とされた下穴21が、ボス20の軸心方向に穿たれている。さらに、下穴21の開口部分には、内径が拡大された2段の拡径部22a,22bが形成されている。
図17に下穴21の内周形状を示す。同図に示すように、下穴21の内周には、その中腹から底面までの部分に、複数(ここでは6つ)の突起23が形成されている。各突起15は、下穴21の軸心方向に延びるリブ状に形成されており、下穴21の周方向に等間隔に配列されている。
図18、図19に、金属ナット24が取り付けられた状態のボス20の平面構造、側面断面構造をそれぞれ示す。本実施形態に採用される金属ナット24は、フランジを有しておらず、軸心に沿って貫通するネジ穴24bが形成された略円筒形状に形成されている。なお、金属ナット24の側周面には、例えばローレット加工によって凹凸が形成されている。そして、金属ナット24は、その挿入方向における端面が、下穴21の開口側における各突起23の端面に接触する位置まで、下穴21にインサートされた状態でボス20に取り付けられる。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属ナット24は、その側周面に加え、挿入方向の端面24aにおいても、合成樹脂製シリンダーヘッドカバー7と接触されている。すなわち、金属ナット24は、その側周面と下穴21の内周面との接触を通じての径方向の支持に加え、その挿入方向の端面24aと突起23との接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナット10に加わった外力を、径方向、軸方向の双方で受けられるようになり、外力による金属ナット10のガタつきや傾きが抑えられる。
また、端面24a全体が接触されていないため、軸方向支持のための接触部分の追加による溶融樹脂の量の増大が抑えられる。しかも、インサート溶着時に、金属ナット24の側周面と下穴21の内周面との接触部分から下穴21の奥側に漏れ出た溶融樹脂の多くは、隣接する突起23の間の部分に逃れるため、ネジ穴24bには進入し難くなる。
なお、金属ナット24のインサート時には、その側周面と下穴21の内周面との接触部分から下穴21の開口側に溶融樹脂が漏れだして、下穴21の開口周辺にバリが形成されることがある。そうした場合にも、軸方向支持のための接触面が挿入方向の端面24aに設けられているため、そのバリにより金属ナット24がガタついたり、傾いたりすることはない。
以上説明した本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)金属ナット24が径方向の支持に加えて、軸方向の支持も受けられるようになり、外力による金属ナット24のガタつきや傾きが抑えられるため、金属ナット24の固定をより好適に行うことができる。
(2)軸方向支持のための接触面が金属ナット24の挿入方向における端面24aに設けられているため、下穴21の開口周辺にバリが形成されても、金属ナット24がガタついたり、傾いたりしないようになる。
(3)追加した接触部分が端面24aと突起23との接触面に限定されているため、接触部分の追加によるバリの発生量の増加が抑えられる。
(4)金属ナット24のインサート時に、端面24aと突起23の接触部分からはみ出た溶融樹脂の多くが、隣接する突起23の間の部分に逃れるため、ネジ穴24bへのバリの進入が抑えられる。また、ネジ穴24bへのバリの進入を抑制するための格別な構造を追加する必要がなくなって、部品形状をより簡易とすることができるようにもなる。
(5)各突起23が、下穴21における上記端面24aの位置から同下穴21の底面まで同下穴21の軸方向に延伸されているため、型抜き性が良好となって、製造が容易となる。
(第5実施形態)
次に、金属ナット付き樹脂成形品の第5実施形態を、図20を参照して説明する。なお、本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第4実施形態では、金属ナット24の挿入方向における同金属ナット24の端面24aと接触する複数の突起を下穴21の内周に周方向に配列し、それらの接触を通じて金属ナット24を支持していた。本実施形態では、そうした突起を金属ナット側に設けるようにしている。
図20に示すように、本実施形態に採用される金属ナット224も、軸心に沿って貫通するネジ穴224bが形成された略円筒形状を呈している。ただし、その金属ナット224の挿入方向の端面224aには、複数(同図では6つ)の突起223が、周方向に等間隔に配列されている。各突起223は、端面224aの内周から外周に至るまで径方向に延びるリブ状に形成されている。一方、この金属ナット224が挿入される下穴221は、その中腹から底面までの部分の内径が一段小さくされており、その内径の変化位置には、段部221aが形成されている。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、インサート溶着時に金属ナット224は、その挿入方向の端面224aに設けられた各突起223が、段部221aに当接する位置まで下穴221に挿入される。そして、側周面と下穴213の内周面との接触部の溶着、および各突起223と段部221aとの接触部の溶着により、金属ナット224がボス12に固定される。
こうした本実施形態においても、金属ナット224は、その側周面と下穴221の内周面との接触を通じての径方向の支持に加え、その挿入方向の端面224aに設けられた複数の突起223と下穴221の段部221aとの接触を通じての軸方向の支持も受ける。そのため、金属ナット224に加わった外力を、周方向、軸方向の双方で受けられるようになり、外力による金属ナット224のガタつきや傾きが抑えられる。
また、端面224a全体が接触されていないため、軸方向支持のための接触部分の追加による溶融樹脂の量の増大が抑えられる。しかも、インサート溶着時に、金属ナット224の側周面と下穴221の内周面との接触部分から下穴221の奥側に漏れ出た溶融樹脂の多くは、隣接する突起223の間の部分に逃れるため、ネジ穴224bには進入し難くなる。
なお、金属ナット224のインサート時には、その側周面と下穴221の内周面との接触部分から下穴221の開口側に溶融樹脂が漏れだして、下穴221の開口周辺にバリが形成されることがある。そうした場合にも、軸方向支持のための接触面が挿入方向の端面224aに設けられているため、そのバリにより金属ナット224がガタついたり、傾いたりすることはない。
以上のように本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品でも、第4実施形態と同様の作用が生じる。したがって、本実施形態の金属ナット付き樹脂成形品によっても、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
(変更例)
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1および第2実施形態では、下穴13の開口部分に形成された拡径部14a、14b、114cに各突起15を設けるようにしていたが、金属ナット10のフランジ11のボス12からの突き出しが問題とならないのであれば、ボス12の頂面における下穴13の開口周囲の部分に各突起15を設けるようにしても良い。
・第4実施形態では、各突起23が、下穴21の底面まで延伸されるように形成されていたが、下穴21の底面側への各突起23の延伸を下穴21の途中までに留めるようにしても良い。
・第4および第5実施形態では、フランジ無しの金属ナットを用いていたが、フランジ付きの金属ナットを用いるようにしても良い。そうした場合にも、フランジを樹脂成形品に密接させずとも金属ナットを軸方向に支持することが可能なため、バリのため、フランジを樹脂成形品に密着させられなくなったとしても、金属ナットのガタつきや傾きが生じないようにすることができる。
・上記実施形態ではそれぞれ、6つの突起を設けるようにしていたが、それらの数は適宜変更しても良い。
・上記実施形態では、各突起を、下穴の周方向において等間隔で配列していたが、不等間隔で配列するようにしても良い。また、金属ナットへの外力の加わり方に偏りがある場合には、あえて突起を不等間隔に配列することで、より好適に金属ナットを支持できるようになることがある。
・上記実施形態では、下穴は、非貫通とされていたが、それらを貫通孔としても良い。
・上記実施形態では、合成樹脂製シリンダーヘッドカバーに具体化した場合を説明したが、同様の金属ナットの取付構造は、それ以外の樹脂成形品、例えばインテークマニホールド等にも適用できる。
・上記実施形態では、樹脂成形品の外表面から突き出すように形成されたボス12,20に下穴を形成するようにしていたが、金属ナットが取り付けられる部分の樹脂成形品の厚さが十分であれば、樹脂成形品にボスを設けず直接、下穴を形成するようにしても良い。
7…合成樹脂製シリンダーヘッドカバー、8…ハーネス、9…金具、10…金属ナット、10a…ネジ穴、11…フランジ、12…ボス、13…下穴、14a…拡径部、14b…拡径部、15…突起、20…ボス、21…下穴、22a…拡径部、23…突起、24…金属ナット、24a…端面、24b…ネジ穴、25…凸部、50…金属ナット、50a…フランジ、51…樹脂成形品、52…下孔、53…ストッパー、54…立ち上り部、55…オーリング、110…金属ナット、110a…ネジ穴、111…フランジ、113…下穴、114c…拡径部、115…突起、213…下穴、214…拡径部、214a…端面、215…突起、221…下穴、221a…段部、223…突起、224…金属ナット、224a…端面、224b…ネジ穴。

Claims (5)

  1. 樹脂成形品に設けられた下穴に、フランジを有する金属ナットが加熱インサートによって取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、
    前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、
    前記下穴の開口周囲の部分に、前記フランジと接触する複数の突起を周方向に配列した、ことを特徴とする金属ナット付き樹脂成形品。
  2. 前記下穴の開口部分には、内径が拡大された拡径部が設けられ、前記突起は、その拡径部に設けられる、請求項1に記載の金属ナット付き樹脂成形品。
  3. 樹脂成形品に設けられた下穴に、加熱インサート溶着によって金属ナットが取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、
    前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、
    前記下穴の内周に、前記金属ナットの挿入方向における同金属ナットの端面と接触する複数の突起を周方向に配列した、
    ことを特徴とする金属ナット付き樹脂成形品。
  4. 前記複数の突起は、前記下穴における前記端面の位置から同下穴の底面まで同下穴の軸方向に延伸されてなる、
    請求項に記載の金属ナット付き樹脂成形品。
  5. 樹脂成形品に設けられた下穴に、加熱インサート溶着によって金属ナットが取り付けられた金属ナット付き樹脂成形品において、
    前記金属ナットの側周面は、前記下穴の内周面と接触し、
    前記金属ナットの挿入方向における同金属ナットの端面に、前記下穴の内周に設けられた段部と接触する複数の突起を周方向に配列した、
    ことを特徴とする金属ナット付き樹脂成形品。
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