JP7118569B2 - 車両用燃料タンク - Google Patents
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同文献に記載の車両用燃料タンクは、ブロー成形による樹脂製のタンク本体部を備えている。このタンク本体部は、互いに対向する上壁部および下壁部の外周縁部が接合され、かつその内側領域どうしは、上下に離間して対向しており、それらの相互間には、燃料収容用の空間部が形成されている。このような構成によれば、車両用燃料タンクの構成をシンプルなものとし、全体の軽量化、および製造コストの低減化を図ることが可能である。
すなわち、後述する本発明の実施形態の説明からよく理解されるように、タンク本体部が温度上昇に起因して膨張する際には、第1および第2の壁部には、所定の膨張中心を中心として第1および第2の壁部の各部を拡大させようとする力(膨張中心を中心とする放射方向の力、およびこれとは交差する周方向の力など)が発生する。また、第1および第2の壁部をこれらの対向方向において離間させようとする力も発生する。これに対し、スタンドオフ部の突出部は、第1および第2の壁部の対向方向視において、前記膨張中心を略中心とする円弧状であるため、前記した力に対する抵抗力を効果的に発揮することとなる。その結果、スタンドオフ部の突出部をさほど大きなサイズに形成しなくても、タンク本体部の熱膨張、ひいてはタンク本体部の温度変化に起因する膨張・収縮の変形を適切に抑制することが可能となる。スタンドオフ部をさほど大きなサイズに形成する必要がないため、スタンドオフ部の存在に起因してタンク容量が大きく減少する不具合も適切に解消される。また、車両用燃料タンクの重量の増大や、高コスト化も抑制することができる。
さらに、スタンドオフ部の突出部が前記したような円弧状であると、車両走行時にタンク本体部内の燃料が大きく揺れ動くことを抑制する効果も優れたものとすることが可能である。
この車両用燃料タンクAは、後述する上壁部10Aおよび下壁部10Bなどに対応する筒状の樹脂パリソンを原材料とするブロー成形を経て製造されたものであり、樹脂製のタンク本体部1、およびこのタンク本体部1に一体的に繋がった一対のスタンドオフ部3を備えている。
図3および図4によく表れているように、上壁部10Aは、下向き開口の碗状であり、下壁部10Bは、上向き開口の碗状である。これら上壁部10Aおよび下壁部10Bは、上下高さ方向において対向し、かつこれらの外周部11は、互いに繋がった平面視ループ状である。上壁部10Aおよび下壁部10Bのうち、外周部11よりも内側の領域は、上下高さ方向に間隔を隔てて対向しており、それらの相互間領域は、燃料収容用の空間部2となっている。
図面においては、上壁部10Aおよび下壁部10Bの各所が滑らかな面の壁部として示されているが、これとは異なり、上壁部10Aおよび下壁部10Bの略全域あるいは一部を、凹凸面状の壁部として形成し、強度向上を図ってもよい。凹凸面状の壁部の一例としては、たとえば特許文献1に記載されているように、比較的小さいサイズの角錐状の壁部が複数繋がった形態の壁部が挙げられる。
は高く、これらのスタンドオフ部3によってタンク本体部1の全体の強度が高められているため、まずこのことにより、前記した熱膨張を抑制する効果が得られる。加えて、本実施形態によれば、次のような効果がさらに得られる。
これに対し、各スタンドオフ部3の突出部30A,30Bは、上壁部10Aおよび下壁部10Bと比較して剛性が高く、既述したように、平面視(底面視も含む)において、膨張中心Oを略中心とする円弧状であって、前記した力F1,F2の向きに対応した形状である。このため、力F1,F2のそれぞれに対応する抵抗力(反力)が的確に発揮されることとなり、力F1,F2に起因する上壁部10Aおよび下壁部10Bの変形は効果的に抑制される。また、突出部30A,30Bは、上壁部10Aおよび下壁部10Bを上下に離間させる力F3(図3を参照)に対する抵抗力も的確に発揮することとなる。
同図に示す実施形態におけるスタンドオフ部3Aは、タンク本体部1の上壁部10Aに下向きの突出部30Aを形成し、かつこの突出部30Aの先端部を、下壁部10Bに接合部31aを介して接合させている。下壁部10Bに、上向きの突出部は設けられていない。このような構成であっても、突出部30Aが平面視(または底面視)における所定の円弧状であれば、本発明が意図する作用を得ることが可能である。
本実施形態から理解されるように、スタンドオフ部を構成する突出部は、必ずしも上壁部および下壁部(第1および第2の壁部)の双方に設けられていなくてもよく、いずれか一方のみに設けられた構成とすることもできる。
ない。本発明に係る車両用燃料タンクは、たとえば上下高さ方向に起立した姿勢に設定することも可能である。この場合、タンク本体部の第1および第2の壁部は、たとえば車両前後方向あるいは車幅方向において互いに対向することとなり、本発明でいう「第1および第2の壁部の対向方向」は、上下高さ方向ではなく、たとえば車両前後方向あるいは車幅方向が該当する。タンク本体部を斜めに傾けた姿勢で車両に搭載することも可能であり、車両用燃料タンクの具体的な取付け方なども限定されない。
O 膨張中心
1 タンク本体部
10A 上壁部(第1の壁部)
10B 下壁部(第2の壁部)
2 燃料収容用の空間部
3,3A スタンドオフ部
30A,30B 突出部(スタンドオフ部の)
Claims (1)
- 互いに対向して繋がった第1および第2の壁部を有し、かつこれら第1および第2の壁部の相互間に燃料収容用の空間部を形成しているとともに、前記第1の壁部には、燃料ポンプ取付け用の開口部が設けられているタンク本体部と、
前記第1および第2の壁部の少なくとも一方から他方に向けて部分的に突出し、かつ先端部が前記他方に接合する突出部を含む一対のスタンドオフ部と、
を備えている、車両用燃料タンクであって、
前記タンク本体部が温度上昇に起因して膨張する際の膨張中心は、前記第1および第2の壁部の対向方向視において、前記燃料ポンプ取付け用の開口部の中心と略一致しており、
前記一対のスタンドオフ部の前記突出部は、前記第1および第2の壁部の対向方向視において、前記燃料ポンプ取付け用の開口部を挟んで互いに離間した対称配置にあり、かつ前記膨張中心を略中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする、車両用燃料タンク。
Priority Applications (1)
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JP2020039693A JP7118569B2 (ja) | 2020-03-09 | 2020-03-09 | 車両用燃料タンク |
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JP2020039693A JP7118569B2 (ja) | 2020-03-09 | 2020-03-09 | 車両用燃料タンク |
Publications (2)
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---|---|
JP2021139351A JP2021139351A (ja) | 2021-09-16 |
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ID=77669553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020039693A Active JP7118569B2 (ja) | 2020-03-09 | 2020-03-09 | 車両用燃料タンク |
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2020
- 2020-03-09 JP JP2020039693A patent/JP7118569B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US4453564A (en) | 1981-04-16 | 1984-06-12 | Fiat Auto S.P.A. | Fuel tank for motor vehicles |
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