JP2009275863A - 転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転時の保持器の捩れ変形を抑制することにより保持器の破損を防止することが可能な転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受を提供する。
【解決手段】転がり軸受用冠型保持器19は、円環状のリム部21と、リム部21から軸方向に突出し円周方向に所定の間隔を存して配置される複数の柱部22と、を備え、柱部22間に玉13を転動可能に保持する、玉13の直径よりわずかに大きい球面形状を有するポケット部23が形成された樹脂製の保持器本体20と、保持器本体20を補強する補強部材30とからなる。補強部材30は円環部31と、前記柱部を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された突起部32とを有し、突起部32は、貫通孔26を形成する内径側壁部27及び外径側壁部28の少なくとも一方と面接触している。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受用冠型保持器19は、円環状のリム部21と、リム部21から軸方向に突出し円周方向に所定の間隔を存して配置される複数の柱部22と、を備え、柱部22間に玉13を転動可能に保持する、玉13の直径よりわずかに大きい球面形状を有するポケット部23が形成された樹脂製の保持器本体20と、保持器本体20を補強する補強部材30とからなる。補強部材30は円環部31と、前記柱部を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された突起部32とを有し、突起部32は、貫通孔26を形成する内径側壁部27及び外径側壁部28の少なくとも一方と面接触している。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、自動車のトランスミッションにおいて、高温環境下で高速運転される転がり軸受に用いられる転がり軸受用冠型保持器及びこの転がり軸受用冠型保持器が組み込まれた転がり軸受に関する。
一般に転がり軸受で使用される樹脂製保持器としては、例えば、図9に示す冠型保持器と呼ばれる保持器101がある。この保持器101は、合成樹脂の射出成形により形成されており、円環状のリム部102と、リム部102の軸方向端面に円周方向に所定の間隔を存して複数配置される柱部103と、柱部103、103間に互いに隣り合うように形成され、複数の玉を円周方向に略等間隔で転動可能に保持するポケット部104と、ポケット部104の内周面の円周方向両端部に形成される一対の爪部105a、105bと、一対の爪部105a、105bの各先端間に形成される開口部106と、を備える。そして、開口部106から玉を一対の爪部105a、105bを押し広げつつポケット部104に押し込むことによって、ポケット部104内に玉が微小な隙間を介して転動可能に保持される。
しかしながら、従来の深溝玉軸受に組み込まれているこの冠型保持器101は、玉案内方式の保持器であり、近年の高速回転化への対応により、ポケット内径側端部が玉107と接触し摩耗することで、図10に示すように、保持器開口部側の軸方向端部108に保持器101の回転による遠心力が働き、リム側の軸方向端部109を捩れ軸とした弾性あるいは塑性変形による捩れ変形が生じ、保持器外径面が外輪内径面と接触して保持器が摩耗したり、異状発熱やトルク増大などの問題が生じるおそれがあった。
この問題に対処するものとして、特許文献1には、図11に示すように保持器内部に補強部材を埋め込んで保持器強度を強化した保持器201が開示されている。具体的に、円環状のリム部203とリム部203から柱部204の略中央まで延出する環状の金属板205が補強部材として冠型保持器に埋設している。
特開平10−9272号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の金属板205を保持器内部に埋め込んだ樹脂製保持器201は、保持器材質と金属板205の熱収縮率が異なるため成形の際に保持器201と金属板205の間に隙間ができ、密着性が低くなり金属板205による強化効果が低下したり、その隙間を起点とした亀裂が発生したりするおそれがあった。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、高速回転時の保持器の捩れ変形を抑制することにより保持器の破損を防止することが可能な転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)円環状のリム部と、前記リム部から軸方向に突出し円周方向に所定の間隔を存して配置される複数の柱部と、を備え、前記柱部間に玉を転動可能に保持する、玉の直径よりわずかに大きい球面形状を有するポケット部が形成された樹脂製の保持器本体と、前記保持器本体を補強する補強部材とからなる転がり軸受用冠型保持器であって、
前記補強部材は円環部と、前記柱部を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された突起部とを有し、
前記突起部は、前記貫通孔を形成する内径側壁部及び外径側壁部の少なくとも一方と面接触していることを特徴とする転がり軸受用冠型保持器。
(2)前記柱部に設けられた前記貫通孔から突出する前記補強部材の先端を屈曲させ、又はかしめて、前記柱部の先端と係合させることを特徴とする(1)に記載の転がり軸受用冠型保持器。
(3)外輪と内輪との間に複数の玉が円環状の保持器を介して円周方向に転動可能に配設される転がり軸受であって、
前記保持器として、(1)又は(2)に記載の転がり軸受用冠型保持器を使用することを特徴とする転がり軸受。
(1)円環状のリム部と、前記リム部から軸方向に突出し円周方向に所定の間隔を存して配置される複数の柱部と、を備え、前記柱部間に玉を転動可能に保持する、玉の直径よりわずかに大きい球面形状を有するポケット部が形成された樹脂製の保持器本体と、前記保持器本体を補強する補強部材とからなる転がり軸受用冠型保持器であって、
前記補強部材は円環部と、前記柱部を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された突起部とを有し、
前記突起部は、前記貫通孔を形成する内径側壁部及び外径側壁部の少なくとも一方と面接触していることを特徴とする転がり軸受用冠型保持器。
(2)前記柱部に設けられた前記貫通孔から突出する前記補強部材の先端を屈曲させ、又はかしめて、前記柱部の先端と係合させることを特徴とする(1)に記載の転がり軸受用冠型保持器。
(3)外輪と内輪との間に複数の玉が円環状の保持器を介して円周方向に転動可能に配設される転がり軸受であって、
前記保持器として、(1)又は(2)に記載の転がり軸受用冠型保持器を使用することを特徴とする転がり軸受。
本発明の転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受によれば、高速回転時に保持器に強い遠心力が作用する際、保持器の柱部の貫通孔に装着した補強部材が保持器の捩れ変形を抑制し、保持器のリム部に高い応力が発生するのを防ぐことができる。
また、保持器の捩れによるクリープ変形が懸念されるような高温・高速回転における長時間の運転条件下でも、高強度でクリープに強い補強部材で保持器を支持することができるので、保持器の変形や真円度の低下を抑制でき、高速回転時でも保持器が破損することなく安定して運転することができる。
また、補強部材を保持器成形後にとりつけることができるので、保持器内に補強部材を埋め込む際に問題となる熱収縮率の差による保持器と補強部材の間の隙間の問題も解消することができる。
以下、本発明に係る転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〈第1実施形態〉
本実施形態の転がり軸受10は、図1に示すように、内周面に外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12と、外輪軌道面11aと内輪軌道面12aとの間に転動可能に配設される複数の玉13と、を備える深溝玉軸受であり、複数の玉13は、本実施形態の冠型保持器14により円周方向に略等間隔に保持される。
本実施形態の転がり軸受10は、図1に示すように、内周面に外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12と、外輪軌道面11aと内輪軌道面12aとの間に転動可能に配設される複数の玉13と、を備える深溝玉軸受であり、複数の玉13は、本実施形態の冠型保持器14により円周方向に略等間隔に保持される。
冠型保持器14は、図2(a)に示す合成樹脂の射出成形により形成される保持器本体20と、図2(b)に示す保持器本体20の弾性・塑性変形を抑制するための補強部材30とからなる。
保持器本体20は、円環状のリム部21と、リム部21の軸方向端面に円周方向に所定の間隔を存して複数配置され、軸方向に突出する柱部22と、を備え、柱部22間には複数の玉13を円周方向に略等間隔で転動可能に保持するポケット部23が形成されている。ポケット部23の内周面の円周方向両端部には一対の爪部24a、24bが形成され、一対の爪部24a、24bの各先端間には開口部25が形成されている。そして、開口部25から玉13を一対の爪部24a、24bを押し広げつつポケット部23に押し込むことによって、ポケット部23内に玉13が微小な隙間を介して転動可能に保持されている。
保持器本体20の合成樹脂材料としては、例えば、ポリアミド46やポリアミド66等のポリアミド系樹脂の他に、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルサイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルニトリル(PEN)等が挙げられる。また、これらの樹脂材料に10〜50重量%の繊維状充填材(例えば、ガラス繊維や炭素繊維等)を適宜添加することにより、保持器本体20の剛性及び寸法精度を向上させることができる。
保持器本体20の柱部22にはリム部21から先端まで連続して爪部24a、24bの間に貫通する貫通孔26が設けられている。貫通孔26は、空間の径方向長さが等しく、空間の周方向長さが柱部22の形状に応じて、リム部側で長く柱部先端側では短くなるように形成されている。
補強部材30は、円環部31と、円環部31の軸方向端面に円周方向に保持器本体20の貫通孔26の形状と対応するように所定の間隔を存して複数配置され、円環部31からT字型となるように軸方向に垂直に突出する突起部32とを備える。補強部材30の突起部32は、保持器本体20の遠心力による変形を抑えるのに十分な厚みを持ち、本実施形態においては、保持器本体20に補強部材30を組み付けた際に、突起部32の内周面32a及び外周面32bがいずれも保持器本体20の貫通孔26を形成する内径側壁部27及び外径側壁部28と面接触するように一様な厚みになっている(図3参照)。
補強部材30の材料としては、保持器本体20よりも耐熱性が高く、剛性が高い金属系の材料、例えば、アルミ、軸受鋼、SPCC等が挙げられる。これらの材料は、樹脂に比べて遠心力に強く、熱膨張が少ないため、樹脂製保持器の補強部材として適している。
図3は保持器本体20と補強部材30の組み付け方法を示すものであり、初めに保持器本体20と補強部材30をそれぞれ成形した後、図3(a)に示すように、保持器本体20にリム部21側から補強部材30の突起部32を貫通孔26に挿入する。続いて、図3(b)に示すように柱部22の貫通孔26から突出した補強部材30の突起部32の先端をかしめてかしめ部33を形成し、かしめ部33が保持器本体20の先端と係合することにより保持器本体20と補強部材30を固定する。なお、保持器本体20と補強部材30との固定方法は、かしめに限らず、突起部先端を折り曲げることにより塑性変形させて固定してもよく、また、接着剤により固定してもよい。
このように構成された冠型保持器14を転がり軸受10に組み込んで冠型保持器14に遠心力が作用した状態における保持器本体20と補強部材30との関係を図4を参照して説明する。冠型保持器14に遠心力Fが作用すると、保持器本体20は、リム部21を捩れ軸として、特にリム部21とは軸方向反対側の自由端において捩れ変形をしようとするが、保持器本体20の貫通孔26を形成する内径側壁部27が補強部材30の突起部内周面32aと面接触することにより、捩れ方向の力fが保持器本体よりも剛性の高い補強部材30に受け止められる。これにより、高速回転時に冠型保持器14に強い遠心力が作用しても、冠型保持器14の捩れ変形を抑制し、冠型保持器14のリム部21に高い応力が発生するのを防ぐことができる。
また、高温・高速回転における長時間の運転条件下でも、高強度でクリープに強い補強部材30で保持器本体20を支持することができるので、冠型保持器14の変形や真円度の低下を抑制でき、高速回転時でも冠型保持器14が破損することなく安定して運転することができる。
さらに、補強部材30を保持器本体20の成形後にとりつけることができるので、従来保持器本体内に金属板を埋め込む際に問題となっていた熱収縮率の差による保持器本体と金属板の隙間の問題も解消することができる。
さらに、保持器本体20を補強部材30で補強するようにしたため、保持器本体20の材質を、比較的安価な材料で製造することができる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態の転がり軸受は、冠型保持器を構成する補強材料の形状が異なる以外は、第1実施形態の転がり軸受10と同様であるので、第1実施形態と同一の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の転がり軸受は、冠型保持器を構成する補強材料の形状が異なる以外は、第1実施形態の転がり軸受10と同様であるので、第1実施形態と同一の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
冠型保持器14’は、図5(a)に示す合成樹脂の射出成形により形成される保持器本体20と、図5(b)に示す保持器本体20を弾性・塑性変形を抑制するための補強部材40とからなる。
補強部材40は、円環部41と、円環部41の軸方向端面に円周方向に保持器本体20の貫通孔26と対応するように所定の間隔を存して複数配置され、円環部41から垂直に突出する突起部42とを備える。
円環部41は、突起部42の内径側に位置する内径側円環部41aが外径側に位置する外径側円環部41bより、保持器本体20の軸方向熱膨張分だけ薄肉に形成される。また、突起部42は、一様な厚みを有し円環部41から垂直に延出する基部43と、基部43から先端に向かって厚みを薄くしながら僅かに縮径するテーパ部44と、テーパ部44の先端から一様な厚みを有して円環部41aに垂直に延びる先端部45とを備える(図6参照)。なお、先端部45は、保持器本体20の遠心力による変形を抑えるのに十分な厚みを持ち、図7及び図8に示すように、保持器本体20に補強部材30を組み付けた際に、先端部内周面45aが保持器本体20の貫通孔26を形成する内径側壁部27と面接触するように構成されている。
図6は保持器本体20と補強部材40の組み付け方法を示すものであり、初めに保持器本体20と補強部材40をそれぞれ成形した後、図6(a)に示すように、保持器本体20にリム部21側から補強部材40の突起部42を貫通孔26に挿入する。続いて、図6(b)に示すように柱部22の貫通孔26から突出した突起部42の先端部45を内径側に折り曲げて屈曲部46を形成し、屈曲部46が保持器本体20の先端と係合することにより保持器本体20と補強部材40を固定する。
このとき、保持器本体20の貫通孔26を形成する内径側壁部27が突起部42の先端部内周面45aと面接触するとともに、保持器本体20の貫通孔26を形成する外径側壁部28がリム部21側で基部外周面43aと面接触する。また、突起部42の中間部分は基部43から先端に向かって厚みを薄くしながら僅かに縮径するテーパ部44となっていることから、保持器本体20の内径側壁部27とテーパ部44及び基部43の間に径方向の隙間aが形成されている。さらに、補強部材40の内径側円環部41aの上面41cと保持器本体20のリム部底面21aには、軸方向に保持器本体20の軸方向熱膨張分だけわずかな隙間bが確保されている。なお、本実施形態においては、補強部材40の内径側円環部41aの肉厚を薄くし隙間bを形成したが、保持器本体20のリム部底面21aの軸方向長さを小さくしてもよい。
このように構成された冠型保持器14’を転がり軸受10に組み込んで冠型保持器14’に遠心力が作用した状態における保持器本体20と補強部材40との関係を図7及び図8を参照して説明する。なお、図7(a)は常温において遠心力が作用していない状態(変形前)を示し、図7(b)は高速回転時に冠型保持器14が高温となり遠心力が作用するとともに保持器本体20が熱膨張している状態(変形後)を示す。図8は図7(a)の保持器本体20の変形前を実線で、図7(b)の保持器本体20の変形後を一点差線であわせて表した模式図である。
冠型保持器14’に遠心力Fが作用すると保持器本体20は、リム部21を捩れ軸として、特にリム部21とは軸方向反対側の自由端において捩れ変形をしようとするが、保持器本体20の貫通孔26を形成する内径側壁部27が補強部材30の突起部42の先端部内周面45aと面接触することにより、捩れ方向の力fが保持器本体20よりも剛性の高い補強部材40に受け止められる。また、保持器本体20が高温となり熱膨張すると、内径側壁部27と突起部42の内周面との隙間aはなくなり先端部内周面45aのみならず内径側壁部27全体が突起部42の内周面と密着するとともに、保持器本体20は熱膨張により軸方向に伸張し、保持器本体20のリム部底面21aと補強部材40の内径側円環部41aの上面41cとの隙間bはなくなり密着する。これにより高温条件下で保持器本体20の熱膨張が著しい場合でも保持器本体20を補強部材40により確実に固定することができる。
ここで、保持器本体20と補強部材40との位置関係を説明する。
補強部材40の円環部内径をd1、膨張前の保持器本体20の内径部外径をd2とすると、補強部材40の円環部内径d1はd1<d2となるように設定され、また、熱膨張後の保持器本体20の外径部内径をd3、補強部材の円環部外径をd4とすると、補強部材の円環部外径d4は、d4>d3となるように設定される。なお、本実施形態においては、保持器本体20の熱膨張のみを考慮したが、補強部材40の熱膨張も考慮して隙間a,bや各寸法d1、d4が設定されることが望ましい。
補強部材40の円環部内径をd1、膨張前の保持器本体20の内径部外径をd2とすると、補強部材40の円環部内径d1はd1<d2となるように設定され、また、熱膨張後の保持器本体20の外径部内径をd3、補強部材の円環部外径をd4とすると、補強部材の円環部外径d4は、d4>d3となるように設定される。なお、本実施形態においては、保持器本体20の熱膨張のみを考慮したが、補強部材40の熱膨張も考慮して隙間a,bや各寸法d1、d4が設定されることが望ましい。
これにより、高速回転時に冠型保持器14’に強い遠心力が作用しても、冠型保持器14’の捩れ変形を抑制し、冠型保持器14’のリム部21に高い応力が発生するのを防ぐことができる。また、予め補強部材40の内径側円環部41aの上面41cと保持器本体20のリム部底面21aには、保持器本体20の軸方向に軸方向熱膨張分だけわずかな隙間bが確保されているので、内径側円環部41aと屈曲部46との間に熱膨張により軸方向に過度の応力が発生するのを抑制することができる。なお、保持器本体20の外径部22bは熱膨張により軸方向に膨張するとともに、外径側にわずかに遷移するが、補強部材40により保持器本体20の内径部22aが支持されているので、保持器本体20の外径部22bが外輪11の内周部と接触することはない。
また、高温・高速回転における長時間の運転条件下でも、高強度でクリープに強い補強部材40で保持器本体20を支持することができるので、冠型保持器14’の変形や真円度の低下を抑制でき、高速回転時でも冠型保持器14’が破損することなく安定して運転することができる。
さらに、補強部材40を保持器本体20の成形後にとりつけることができるので、従来保持器本体内に金属板を埋め込む際に問題となっていた熱収縮率の差による保持器本体と金属板の隙間の問題も解消することができる。
さらに、第1実施形態の補強部材30と比べて補強部材40は突起部42が部分的に薄肉化しながら、保持器本体20の変形が大きい自由端側を支持しているため、補強部材40の装着による保持器14’の重量増加を小さくすることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
10 転がり軸受
11 外輪
12 内輪
13 玉
14 冠型保持器
20 保持器本体
21 リム部
22 柱部
23 ポケット部
26 貫通孔
27 内径側壁部
28 外径側壁部
30、40 補強部材
31、41 円環部
32、42 突起部
11 外輪
12 内輪
13 玉
14 冠型保持器
20 保持器本体
21 リム部
22 柱部
23 ポケット部
26 貫通孔
27 内径側壁部
28 外径側壁部
30、40 補強部材
31、41 円環部
32、42 突起部
Claims (3)
- 円環状のリム部と、前記リム部から軸方向に突出し円周方向に所定の間隔を存して配置される複数の柱部と、を備え、前記柱部間に玉を転動可能に保持する、玉の直径よりわずかに大きい球面形状を有するポケット部が形成された樹脂製の保持器本体と、前記保持器本体を補強する補強部材とからなる転がり軸受用冠型保持器であって、
前記補強部材は円環部と、前記柱部を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された突起部とを有し、
前記突起部は、前記貫通孔を形成する内径側壁部及び外径側壁部の少なくとも一方と面接触していることを特徴とする転がり軸受用冠型保持器。 - 前記柱部に設けられた前記貫通孔から突出する前記補強部材の先端を屈曲させ、又はかしめて、前記柱部の先端と係合させることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用冠型保持器。
- 外輪と内輪との間に複数の玉が円環状の保持器を介して円周方向に転動可能に配設される転がり軸受であって、
前記保持器として、請求項1又は2に記載の転がり軸受用冠型保持器を使用することを特徴とする転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008129511A JP2009275863A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2008129511A JP2009275863A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受 |
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JP2009275863A true JP2009275863A (ja) | 2009-11-26 |
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ID=41441480
Family Applications (1)
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JP2008129511A Pending JP2009275863A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 転がり軸受用冠型保持器及び転がり軸受 |
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JP (1) | JP2009275863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015197196A (ja) * | 2014-04-03 | 2015-11-09 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受用保持器 |
WO2021050120A1 (en) * | 2019-09-12 | 2021-03-18 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Two-piece bearing cage |
-
2008
- 2008-05-16 JP JP2008129511A patent/JP2009275863A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015197196A (ja) * | 2014-04-03 | 2015-11-09 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受用保持器 |
WO2021050120A1 (en) * | 2019-09-12 | 2021-03-18 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Two-piece bearing cage |
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