JP6111386B2 - 消臭剤の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、米ぬかを発酵させた産物から作られる消臭剤製造方法に関する。
従来、一般的かつ日常的な人間の活動空間において、塵芥や腐敗物、汗、糞尿、家畜・家禽・ペット、汚水・汚泥などに起因する不快な臭気を抑える努力がなされてきたが、多くは天然物由来の、または人工合成された強い芳香により、不快な臭気を感じにくくするものである。また、活性炭や高分子ゲル剤など固形物により臭気を吸着させる方法も使われている。
これに対して、より積極的に臭気を除去する方法としてその他、微生物を利用した悪臭低減方法も提案されており、バチルス属やエンテロバクター属等の微生物を用いた生ゴミや活性汚泥等に対する消臭剤(例えば特許文献1、2、3、4)、ラクトバチルス・ファーメンタムおよびピキア・クルイベリの醗酵産物を用いた糞尿、厨房排水、生ゴミ等に対する消臭剤(特許文献5)、キャンディダ属、イサチェンキア属またはピヒア属の微生物を用いた生ゴミ等の悪臭低減方法(特許文献6)、家畜の尿を原料として有用微生物群およびその代謝産物を含むトイレなどの消臭液(特許文献7)、乳酸菌を用いた消臭剤(特許文献8、9、10)などが提案されている。
また、酵素の利用技術に関しては、パパインやペプシンなど天然物から抽出された酵素の活性を利用し、ペプチド合成に活用するなど、実用的な利用方法も提案されている(非特許文献1〜3)。
特開平7−222789号公報 特開平7−222790号公報 特開平7−222791号公報 特開平8−59418号公報 特開平11−104222号公報 特開平11−346761号公報 特開2001−187126号公報 特表2005−512591号公報 特開2010−11782号公報 特開2011−30737号公報
有機合成化学協会誌、vo136、p195(1978) 蛋白質核酸酵素、vo126、p1979(1981) 発酵と工業、vo141、p656(1983)
しかし、強い芳香により不快な臭気を抑える方法では、臭気はそのまま存在するので根本的な解決とは言えず、また香りに関する嗜好の個人差もあるため、強い芳香そのものが不快感を与えかねないという欠点がある。また、市販の消臭剤でよく見られる活性炭や高分子ゲル剤、あるいはマイクロカプセル技術の応用に関しても、臭気をトラップするだけであり、臭気の分解除去ではないため、効果の程度・持続性にはどうしても限度がある。
また、微生物を用いる消臭効果については、臭気の原因分子を微生物が有する酵素活性により分解していると思われるが、微生物をそのまま、あるいは培養した後の培地、あるいはその両方を用いる方法がほとんどであり、そうした状態では微生物の産生する酵素の大部分は菌体内に保持されたまま、基質である該原因分子との効率的な接触が制限されるため、そうした酵素により十分な効果が発揮されているとはいいがたい。さらには、生ゴミを含む塵芥集積・処理場や家畜・
家禽の屎尿など臭気のことさら強いものに対しては、有効かつ持続性のある消臭剤が見出されていないのが現状である。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、長期にわたって高い消臭効果を持続し、動物や植物に対して毒性を持たない安全な消臭剤製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、米ぬかを有用微生物群により発酵させ、発酵させた米ぬかから採取して得られる液体から消臭剤を製造するものである。有用微生物群は、ペジオコックス属細菌、酵母細胞、バチラス属微生物、連鎖球菌およびブドウ状菌のうちの少なくとも一つである。なお、米ぬかは、脱脂米ぬかを使用するとよい。
前記液体は、アミン類の臭気に対する消臭活性を有する成分を含むものであり、例えば乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のうちの少なくとも一つの酸である。なお、臭気を発生するアミン類は、トリメチルアミン、アンモニア等である。
前記液体は、酸の臭気に対する消臭活性を有する成分を含むものであり、例えばスペルミジン,スペルミン,プトレスシン等のうちの少なくとも一つである、米ぬか由来の塩基であるポリアミンである。なお、臭気を発生する酸は、ギ酸、酢酸、イソ吉草酸等である。
前記液体は、アルデヒドの臭気に対する消臭活性を有する成分を含むものであり、例えばスペルミジン、スペルミン、プトレスシン等のうちの少なくとも一つの塩基、および/又は乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のうちの少なくとも一つの酸である。なお、臭気を発生するアルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等である。
前記液体は、酵素を含んでいるものであり、前記酵素は、例えばバチラス属微生物が産出するリパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、スクラーゼのうちの少なくとも一つ、または酵母菌が産出するセルラーゼ、ヘルセルラーゼ、キシラナーゼ、セルビアーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、リグナーゼ、アラビナーゼ等のうちの少なくとも一つである。
本発明は、酵母細胞、及びバチラス属微生物含む有用微生物群を米ぬかに混合し、40〜60℃で8〜15時間発酵させ、その後、前記温度よりも低い温度で且つ前記時間よりも長い時間発酵させ、発酵させた前記米ぬかから液体成分を分離し分離した前記液体成分を回収し、消臭剤を形成する消臭剤の製造方法である。前記液体成分を分離回収する工程は、真空乾燥機で液体成分を気化させ、気化した液体成分を液体に戻して、前記液体成分を回収してもよい
また、前記消臭剤は、前記発酵した米ぬかから得られる前記液体成分に、不要物を除去する処理を施して作るものである。不要物を除去する処理は、例えば透析、濾過、遠心分離等である。なお、オートクレーブで殺菌処理を行ってもよい。
前記消臭剤は、得られた前記液体成分の液体をpH3.0〜pH6.0に調整して製造するものでもよい。
前記液体成分は、有機酸と、米ぬか由来のポリアミンを含むものである。
本発明の消臭剤製造方法は、簡単な製造方法により有用微生物群と安価な天然成分である米ぬかを材料として作ることができ、高い消臭効果を有し、臭気成分を効果的かつ持続的に分解することができる。この発明により得られる消臭剤は、植物や動物に対して毒性がなく、いろいろな用途で安全に使用することができる。
この発明の一実施形態の消臭剤の製造方法を示す工程図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。この実施形態の消臭剤10は、水分を調整した米ぬかを有用微生物群により発酵させ、発酵させた米ぬかから採取して得られる液体を使用して作られたものである。なお、米ぬかは、脱脂米ぬかを使用する。有用微生物群は、ペジオコックス属細菌、酵母細胞、バチラス属微生物、連鎖球菌およびブドウ状菌である。
消臭剤10は、アンモニア、トリメチルアミン等のアミン類の臭気に対する消臭活性を有する成分を含むものであり、例えば、極性物質の吸着能を有する乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等の酸性物質である。また消臭剤10は、酢酸やイソ吉草酸、ギ酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等の有機酸の臭気に対する消臭活性を有する成分を含むものであり、例えば、米ぬか由来のスペルミジン、スペルミン、プトレスシン等の塩基性物質である。また消臭剤10は、塩基性物質と有機酸を含んでいることから、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の、アルデヒド類の臭気に対する高い消臭活性を有するものである。
また、消臭剤10は、脂肪やたんぱく質が発生する臭気に対する消臭活性を有する酵素を含んでいる。例えば、バチラス属微生物が産出するリパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、スクラーゼ等、また酵母菌が産出するセルラーゼ、ヘルセルラーゼ、キシラナーゼ、セルビアーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、リグナーゼ、アラビナーゼ等である。
消臭剤10は、pH3.0〜pH6.0に調整されている。なお、人体、ペット、家畜、植物に接触しあるいは摂取されても、毒性を示さないものである。
次に、この実施形態の消臭剤10の製造方法について、図1に基づいて説明する。まず、脱脂米ぬかに水を適量入れて混合し、適度な含水率(30〜40%、例えば35%程度)に調整し(s1)、そこへ有効微生物群(ペジオコックス属細菌、酵母細胞、バチラス属微生物、連鎖球菌およびブドウ状菌)を混合してさらに混合する(s2)。
この状態で、所定の室温で一定時間を発酵させる。例えば、40〜60℃で8〜15時間発酵させ、その後前記温度よりも低い温度で、前記時間よりも長い時間発酵させる。好ましくは、50℃で12時間発酵し、その後35℃で48時間発酵させる(s3)。
次に、発酵させた米ぬかを含水率が数%、例えば6%となるまで、真空乾燥機、例えばコニカル乾燥機で液体を除去する(s4)。ここで前記乾燥工程で除去された液体成分を回収し、再び液体に戻して消臭剤10とし、液体成分が除去され乾燥された米糠飼料12又は肥料として使用する。
発酵した米ぬかを処理して得た消臭剤10は、必要に応じて透析あるいは滅菌濾過、高温滅菌等を行い、培地由来の臭いや栄養物を除くとよい。消臭剤10は、そのまま希釈せずに用いてもよいが、水もしくはpHを一定に保つための緩衝液等で希釈して使用することが好ましい。希釈は、2000倍までの範囲で行うのが好ましく、より好ましくは1000倍までの範囲である。pHは、特に制限はないが、雑菌等の混入・増殖を抑制するうえでpH3.0〜6.0好ましく、pH4.5〜5.5に調製することがより好ましい。また不溶物がある場合は、透析、濾紙や限外ろ過膜等の膜による濾過、遠心分離等により除去してもよい。さらに、オートクレーブ等で滅菌処理してから用いても良い。消臭効果を阻害しない範囲で、制菌剤や防カビ剤など種々の機能性化合物や芳香性化合物等と併用してもよい。
この実施形態の消臭剤10における消臭剤成分の吸着メカニズムは以下の通りである。有用微生物群に含まれるペジオコックス属微生物は、タンパク質性の抗菌性物質であるバクテリオシンを生み出し、サルモネラ菌、大腸菌黄色ブドウ球菌などを抑制する働きを持つ。また、ピシア属微生物は、強い殺菌性を持つ酵母菌の1種であり、これらの作用により微生物の生育が押さえられ、微生物の発育により発生する悪臭を押さえる。またこれらの有用微生物群が産出する酵素により、脂肪やたんぱく質を分解し臭気物質あるいはその元となる物質を分解してアミノ酸やグリサリン等、無臭の物質にする。
さらに消臭剤10には、酸性物質と塩基性物質を合わせて含んでいるため、酸性又は塩基性物質はどちらも、酸塩基相互作用によって捕捉される。またアルデヒド類は、塩基性物質とのシッフ塩基の形成等の相互作用によって補足され、このようにして捕捉された物質は中和され、一般の極性物質も水との親和性によって、水層中に溶解することによって消臭される。これらの働きにより消臭剤10は、強力な臭気分解能を有するため広範囲な目的に使用可能である。
次に、この消臭剤10の使用方法について説明する。消臭剤10の使用方法は限定されず、いろいろな手段で使用される。例えば、スプレー容器、あるいはトリガー式などの噴霧器に充填して、臭気を含む空気中や、あるいは臭気源に噴霧する。特に、臭気源に噴霧または散布すると、短時間で消臭効果を示すだけではなく、その効果が持続する。また、布やスポンジ等に含ませて、臭気物が付着した箇所をふき取ると同時に消臭してもよい。ある程度の規模で臭気を含む空気を処理する方法として、消臭剤10中に臭気を含む空気をバブリングし、あるいは臭気を含む空気を、消臭剤10をシャワー状に散布させる処理装置中を通過させるなどして、効率的に消臭剤10と接触させて処理しても良い。
また、消臭剤10をゼオライト・不織布等に吸着させ、あるいは含水ゲルに吸収させて消臭剤10を担持し、それと臭気を含む空気を接触させて臭気を処理してもよい。消臭剤10をシリカ粒子の表面に結合させ、このシリカ粒子を液相または気相中で臭気(物質)に接触させて臭気を処理してもよい。消臭剤10を使用する場所は、冷蔵庫、トイレ、下水、排水施設、自動車の車内といった密閉的な空間だけではなく、開放空間でもよい。各種の臭気、たとえば人の活動、カビ等の微生物、動物、タバコ、生ゴミ、トイレ、布製品、化学物質等による臭気、ペット、養豚・養鶏などの家畜の排泄物による臭気などに有効である。
なお、この実施形態の消臭剤10は、タンパク質分解酵素等の影響を受けるため、タンパク質分解酵素や、あるいはタンパク質分解酵素を産生・分泌するバクテリア・カビなとの微生物の混入を避けて保管することか望ましい。また、後述する実施例による変質の確認により、2年経過した消臭剤10の消臭効果が維持されて安定していることが確認され、長く常温で保存することが可能であるが、冷暗所にて保管するのが望ましい。
この実施形態の消臭剤10の製造方法によれば、簡単な製造方法により安価な天然成分である米ぬかを材料として作ることができ、高い消臭効果を有し、臭気成分を効果的かつ持続的に分解することができる。その他、以下のような効果を奏する。例えば臭気を含む空気中に噴霧したり、または臭気源に直接噴霧あるいは散布したりする簡単な作業で、高い消臭効果を発揮することができる。短時間で消臭効果を示すだけではなく、その効果を持続させることができる。植物や動物に対して毒性がなく、pH3.0〜pH6.0であり扱いやすく、一般的なスプレー容器、あるいはトリガー式などの噴霧器によって噴霧して、いろいろな用途で安全に使用することができ、便利である。消臭効果を阻害しない範囲で、制菌剤や防カビ剤など種々の機能性化合物や、芳香性化合物つまり香料などと併用することができ、便利である。消臭剤10は、香料を付けやすいものであり、また各種の消臭センサに影響を与えることが少ない。消臭剤10は、長期間にわたって消臭効果が安定しており、また加熱処理でも失活しないことから、長く常温で保存することが可能である。いろいろな酵素を含有しているため、油脂やタンパク質、糖等の食品成分を分解することができ、消臭機能を有する有機化合物分解剤として、洗剤その他いろいろな用途に使用することができる。
なお、この発明の消臭剤は、米ぬかを発酵させて得られる液体以外に、上記の各物質の合成成分を所定の混合比で配合して作られた液体を使用してもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
以下、この発明の実施例について説明する。この発明の消臭剤10の製造方法は、以下の微生物、ペジオコックス属ペントサシュース(Pediococcus pentosaceus)、ペジオコックス属アシヂラクチシ(Pediococcus acidilactici)、ピシア属ファリノーサ(Picia farinosa)、デッケラ属ブラッセレンシス(Dekkera bruxellensis)、桿菌(バチラス属微生物)(Bacilli)、連鎖球菌(Streptococci)、ブドウ状球菌(Staphylococci)のうちの少なくとも一つを含む、12kgの土壌(soil)を、30kgの米ぬか、1kgの大豆粉末及び14lの水と混合する。その後、この混合物を50℃で12時間加熱し、その後、温度を35℃に下げ、この温度で48時間保った後、この混合物を含水率約6%まで乾燥し、保存培養物とする。
次に、500kgの米ぬかを、1.4kgの上記保存培養物と混合する。水を加えて含水率を35%に上げ、この混合物を10〜15cmの層にのばし、プラスチックフィルムで覆い、水の蒸発を防ぎ、8日間発酵させる。8日後プラスチックフィルムを除去し、容器回転式真空乾燥機(コニカルドライヤー、神鋼環境ソリューション社製)により、発酵させた米ぬかを含水率約7〜9%まで乾燥させ、このときに乾燥時に蒸発した水分等を液体成分に戻して回収した。これにより得られた液体が消臭剤10である。
得られた液体から成る消臭剤10の成分を分析したところ、液体成分が分離された固形分は、水分8.1%、総タンパク質22.7%、
総脂質3.1%、線維類11.7%、灰分(ミネラル)類14.6%、可溶性窒素非含有物質39.8%、微生物の数2×10〜3×10、エネルギー保有量11.4MJ/kg乾量であった。また、液体成分として、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等の有機酸、イソアミルアルコール等のアルコール、さらにスペルミジン,スペルミン,プトレスシン等の米ぬか由来のポリアミンを含有していた。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、臭気成分であるアンモニアの消臭力評価を、検知管法により行った。試験方法は、消臭剤10を精製水で500倍に希釈する。次に希釈した消臭剤10をシャーレに5ml注入し、5lのテドラーバッグに入れ、初期濃度100ppmのアンモニアを3l添加する。その後ガス検知管(検知管型番:No.3Laアンモニア、(株)ガステック)により経時的にアンモニアの濃度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006111386
表1によれば、本願の発明品の消臭剤10は高いアンモニア消臭力を有することが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、臭気成分であるトリメチルアミンの消臭力評価を、検知管法により行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈する。次に希釈した消臭剤10をシャーレに5ml注入し、5lのテドラーバッグに入れ、初期濃度28ppmのトリメチルアミンを3l添加する。その後ガス検知管(検知管型番:No.180アミン類、(株)ガステック)により経時的にトリメチルアミンの濃度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006111386
表2によれば、本願の発明品の消臭剤10は高いトリメチルアミン消臭力を有することが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、臭気成分である酢酸の消臭力評価を、検知管法により行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈する。次に希釈した消臭剤10をシャーレに5ml注入し、5lのテドラーバッグに入れ、初期濃度50ppmの酢酸を3l添加する。その後ガス検知管((株)ガステック))により経時的に酢酸の濃度を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006111386
表3によれば、本願の発明品の消臭剤10は高い酢酸消臭力を有することが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、臭気成分であるイソ吉草酸の消臭力評価を、ガスクロマトグラフ法により行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈する。次に500ml三角フラスコに希釈した消臭剤10を直接注入し、規定の初発濃度38ppmとなるようイソ吉草酸のエタノール溶液を滴下し、封をする。2時間後シリンジによりサンプリングし、ガスクロマトグラフ(GC)測定を行う。ガスクロマトグラフ法によって2時間後の空試験濃度(a)と2時間後の試料試験濃度(b)を測定し、下記の式(1)に従い減少率(%)を算出した。
減少率(%)={(a−b)/a}×100 (1)
その結果を表4に示す。
Figure 0006111386
表4によれば、消臭剤10は高いイソ吉草酸消臭力を有することが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、臭気成分であるホルムアルデヒドの消臭力評価を、検知管法により行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈する。次に希釈した消臭剤10をシャーレに5ml注入し、5lのテドラーバッグに入れ、初期濃度15ppmのホルムアルデヒドを3l添加する。その後ガス検知管((株)ガステック))により経時的にホルムアルデヒドの濃度を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0006111386
表5によれば、消臭剤10は高いホルムアルデヒド消臭力を有することが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、経時的な変質の確認を官能試験により行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈した液の希釈直後(対象1)と、製造後2年経過したもの(対象2)について、パネルメンバー5名(社団法人東京食品衛生協会東京食品技術研究所)による人間の感覚による官能試験を行い、変質を確認した。
Figure 0006111386
対象1、対象2に対し、パネルメンバー5名全員が、臭気、色ともに異常を認めないと評価した。これにより、長期間にわたって、高い保存性を有することがわかった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、マウスに対する局所刺激性試験(皮膚)を行った。試験方法は、まず消臭剤10抽出液を精製水で500倍に希釈した液0.1gを滅菌精製水100mlに懸濁させ、35℃で12時間静置したものを塗布用試料とする。マウス(ddy系、雄、3匹)を用いて、塗布24時間前にマウスの腰・背部(約6cm)を剪毛する。塗布用試料を剪毛した腰・背部にガラス棒を用いて、約0.4mlの塗布を1回行う。塗布終了直後、1時間後、24時間後、48時間後、72時間後に紅班と浮腫の兆候について観察した結果、マウスの皮膚に異常(紅班および浮腫)は見られなかった。これにより、消臭剤10は、マウスの皮膚に対して毒性がないことが分かった。
次に、本願の発明品である消臭剤10について、マウスに対する急性毒性試験(経口)を行った。試験方法は、まず消臭剤10を精製水で500倍に希釈した液を投与用試料とする。マウス(ddy系、雄、5匹)を投与前4時間絶食させ、経ロゾンデ針を用いて投与用試料を胃内に1回強制投与する。投与量は体重1kg当たり投与用試料30ml相当量である。投与後、マウスの異常の有無を1週間観察したが、マウスに異常は見られなかった。これにより、消臭剤10はマウスの経口投与に対する急性毒性がないことが分かった。
10 消臭剤
12 飼料

Claims (4)

  1. 酵母細胞、及びバチラス属微生物含む有用微生物群を米ぬかに混合し、40〜60℃で8〜15時間発酵させ、その後、前記温度よりも低い温度で且つ前記時間よりも長い時間発酵させ、発酵させた前記米ぬかから液体成分を分離し、分離した前記液体成分を回収し、得られた前記液体成分の液体をpH3.0〜pH6.0に調整して消臭剤とする消臭剤の製造方法。
  2. 前記液体成分を分離回収する工程は、乾燥機で前記米ぬかから液体成分を気化させて分離し、気化した液体成分を液体に戻して前記消臭剤とする請求項1記載の消臭剤の製造方法。
  3. 前記消臭剤は、前記発酵した米ぬかから得られる前記液体成分を、滅菌濾過する処理を施して製造する請求項1記載の消臭剤の製造方法。
  4. 前記液体成分は、有機酸と、米ぬか由来のポリアミンを含む請求項1又は2記載の消臭剤の製造方法
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