JP6111227B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、インフレータおよび基布を用いて袋状に形成されてインフレータからガスを受けて膨張展開するクッションを含むエアバッグ装置に関するものである。
近年の車両にはエアバッグ装置がほぼ標準装備されている。エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、ガス圧でクッションを膨張展開させ、乗員を受け止めて保護する。エアバッグ装置には、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。例えば、主に前後方向からの衝突から運転席の乗員を守るために、ステアリングの中央にはフロントエアバッグが設けられている。また、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から各座席の乗員を守るために、壁部の天井付近にはサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグが設けられ、座席の側部には乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグが設けられている。
エアバッグ装置は、インフレータと呼ばれるガス発生装置を利用して、クッションを膨張展開させて乗員を拘束する。インフレータからのガスの噴出は極めて迅速であり、クッションの内圧は瞬時に増大する。しかし、高すぎる内圧は、クッションのバーストや乗員に与える負荷の増加などを招くことがある。そこで、例えば特許文献1のエアバッグ装置は、内圧を制御することを可能にしている。特許文献1では、通常はシール材で覆われる縫製部に対して、あえてシール材で覆われていない縫製部を設けている。シール材で覆われていない縫製部は、ガスを排出することが可能であり、クッションの内圧を抑える働きをしている。
特開2006−347342号公報
近年ではさらに、クッションによる乗員拘束の迅速さを高める一方で、クッションの内圧の過度な上昇によるクッション基布のバーストや乗員への負荷増大を防止するという、状況に応じたクッションの内圧調節をしたいという要望がある。しかしながら、多数の部材で構成される複雑なベントホール機構等を採用することは、製造コストの増大を招くため、効率的ではない。
本発明は、このような課題に鑑み、簡潔な構成でクッションの内圧の過度な上昇を防止することが可能なエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、インフレータと、基布を用いて袋状に形成されてインフレータからガスを受けて膨張展開するクッションとを含むエアバッグ装置であって、当該エアバッグ装置はさらに、クッションの基布を接合することでクッションを複数のチャンバに区画している区画部と、区画部の途中に設けられていてガスが通過可能なベントホールと、区画部から連続してクッションの基布を接合することでベントホールの内径を狭め、ベントホールにかかるガス圧に応じて接合が解消されてベントホールの内径を拡大するベントホール調節部と、を含むことを特徴とする。
上記のベントホール調節部は、ベントホールを狭めることで所定のチャンバから流出するガスの流量を減らし、そのチャンバをより迅速に膨張展開させることができる。そして、そのチャンバの内圧が十分に高まり、所定のガス圧がベントホールにかかると、ベントホール調節部は解消される。これによってベントホールの内径が拡大し、そのチャンバからベントホールを通って流出するガス流量が当初よりも増大し、そのチャンバの内圧上昇を抑えることができる。上記構成によれば、所定のチャンバの迅速な膨張展開を可能にしつつも、そのチャンバの内圧の過度の上昇を防ぎ、クッションの基布のバースト等を防ぐという、状況に応じたチャンバの内圧の調整が可能である。その他にも、例えば乗員が所定のチャンバに接触した場合に、ベントホールにかかるガス圧に応じてベントホール調節部を解消させ、そのチャンバからのガスの排出量を増やして内圧を下げ、乗員に与える負荷を減らすことが可能になる。
上記のベントホール調節部は、ガス圧に応じて破断可能な縫製によってクッションの基布を接合していてもよい。例えば、上記のベントホール調節部は、区画部から連続する円形に縫製された第1縫製部を有してもよい。これら構成によれば、ベントホール調節部を簡潔な構成で実現可能である。
上記のベントホール調節部はさらに、第1縫製部と同心で第1縫製部よりも径の大きい第2縫製部を有してもよい。この構成では、ベントホールのガス圧が高まると、まず第2縫製部が解消されることでベントホールの径が広がる。そして、ベントホールのガス圧がさらに高まると、続いて第1縫製部が解消されてベントホールの径がさらに広がる。このように、上記構成であれば、チャンバの内圧上昇の程度に応じてベントホールの径を多段的に広げ、チャンバの内圧を調整することが可能になる。
上記のベントホール調節部は、ガス圧に応じて剥離可能な樹脂材料を用いてクッションの基布を接着していてもよい。例えば、ベントホール調節部は、区画部から連続する円形に接着された第1接着部を有してもよい。これら構成によっても、ベントホール調節部を簡潔な構成で実現可能である。
上記のベントホール調節部は、区画部からベントホールの内側に向かって次第に幅細になる凸状接着部を有してもよい。凸状接着部は、先端ほど幅が細く、剥離しやすい。この凸状接着部によって実現されたベントホール調節部であれば、ベントホールにかかるガス圧に応じてよりスムーズに剥離することができる。
上記のベントホール調節部はさらに、第1接着部からベントホールの内側へ向かって次第に幅細になるよう延びる第2接着部を有してもよい。この構成によっても、ベントホールにかかるガス圧に応じて解消可能なベントホール調節部を好適に実現可能である。
上記の区画部は、隣接するチャンバの間に設けられ、ベントホールは、隣接するチャンバ同士をつなぐものであるとよい。この構成によって、所定のチャンバの迅速な膨張展開と、そのチャンバの過度の内圧上昇の防止とが可能なエアバッグ装置が好適に実現可能になる。
本発明によれば、簡潔な構成でクッションの内圧の過度な上昇を防止することが可能なエアバッグ装置を提供することが可能になる。
本発明にかかる第1実施形態のエアバッグ装置を例示した図である。 図1(b)のクッションを単独で例示した図である。 図2のベントホール付近を各方向から例示した図である。 図3(b)のベントホール調節部による基布の接合が解消される過程を例示した図である。 図3のベントホール調節部による基布の接合の変形例を例示した図である。 図5(b)のベントホール調節部が解消される過程を例示した図である。 図5(a)のベントホール調節部の変形例を例示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるエアバッグ装置を例示した図である。本実施形態の一例では、本発明にかかるエアバッグ装置を、カーテンエアバッグ100として具現化している。図1(a)は車両室内を車幅方向の車内側から見た図であって、カーテンエアバッグ100のクッション102の収納形態を例示している。本実施形態では、カーテンエアバッグ100は、車体の右側壁用として実施されている。クッション102は緊急時に膨張展開して乗員を保護する部位であって、図1(b)ではこのクッション102の膨張展開時を例示している。なお、本願において「上」と表現する場合は注目箇所から見て車両天井方向を示し、「下」と表現する場合は注目箇所から見て車両床方向を示す。
図1(a)に例示するように、クッション102は、巻回されて車両前後に長尺なロール状の収納形態となって、車体の側壁の上部(ルーフサイドレール104)に搭載される。通常、ルーフサイドレール104はルーフトリム(図示省略)で覆われる。すなわちクッション102は、ルーフサイドレール104とルーフトリムとの間の空間に収納されていて、乗員のいる車室内からは視認不能である。よって本文中に「車室内からクッション102を見る」なる説明があっても、本来車室内から視認不能なクッション102を、ルーフトリムを図示省略して可視化していることに留意されたい。なお、クッション102の収納形態は、蛇腹状の折り畳みによっても実現することができる。
カーテンエアバッグ100はガス発生装置であるインフレータ106をクッション102の上部に備えていて、クッション102はインフレータ106から供給されるガスの圧力によって膨張して乗員を拘束する。本実施形態で採用しているインフレータ106は、シリンダ型であって、長手の円筒形状を成している。現在普及しているインフレータには、ガス発生剤が充填されていてこれを燃焼させてガスを発生させるタイプや、圧縮ガスが充填されていて熱を発生させることなくガスを供給するタイプ、さらにはガス発生剤と圧縮ガスとを両方備えたタイプのものなどがある。インフレータ106としては、いずれのタイプも利用可能である。
図1(b)は、図1(a)のクッション102の膨張展開後の様子を例示した図である。車両108に側面衝突時やロールオーバ(横転)等が発生すると、まず車両108に備えられたセンサ(図示省略)が衝撃を感知し、これに起因してインフレータ106へ信号が発信される。この信号を受けることでインフレータ106は作動し、ガスをクッション102へ供給する。クッション102は、インフレータ106からのガスを受給すると、車体の側壁(図1(a)のサイドウィンドウ110等)に沿うように下方へ向かって膨張展開し、乗員を拘束する。
図2は、図1(b)のクッション102を単独で例示した図である。クッション102は、カーテンエアバッグ用のものとして、車室内の側面に沿って拡がることのできる大きな形状となっている。クッション102は、その表面を構成する2枚の基布を重ねて縫製や接着することや、OPW(One-Piece Woven)を用いての紡織などによって袋状に形成されている。
車両108への取付部位として、クッション102の上縁126付近にはタブ128が複数設けられている。タブ128は帯状であって、ボルト等を使用して、ルーフサイドレール104に取り付けられる。また、クッション102の前端には、紐状のストラップ130が設けられている。ストラップ130は、クッション102をフロントピラー105につなぐ部材であって、クッション102の膨張展開時の揺動を抑えて展開挙動を安定させ、加えてクッション102に車両前後方向への張力を与える働きを有している。
クッション102の上部中央付近には、インフレータ挿入部132が設けられている。インフレータ挿入部132は、周囲の上縁126よりも上方に突出して設けられていて、インフレータ106(図1(b)参照)が挿入して取り付けられる。インフレータ挿入部132は、その下方のダクト部134に通じていて、インフレータ106からのガスをダクト部134へと送る。ダクト部134は、クッション102の上部側にて車両前後方向に延びていて、ガスをクッション102の車両前側および車両後側へと導く。
クッション102の膨張領域は、乗員が接触し得る位置などを考慮して、複数のチャンバに区画されている。例えば、車両前側には、前部座席112(図1(b)参照)の乗員を保護することを目的としてフロントメインチャンバ114およびフロントディレーチャンバ116が設けられている。フロントディレーチャンバ116は、隣接するフロントメインチャンバ114を経由してガスを受給するため、フロントメインチャンバ114よりも遅れて膨張展開が完了する。車両後側には、後部座席118の乗員を保護するよう、リアメインチャンバ120等が設けられている。これら各チャンバの間には線状の非膨張領域である区画部122等が設けられ、各チャンバは区画部122によって区画されている。
フロントメインチャンバ114とフロントディレーチャンバ116とは、ベントホール136でつながっている。ベントホール136は、区画部122、123を結ぶ経路の途中に設けられていて、フロントメインチャンバ114からフロントディレーチャンバ116へガスを供給する。
当該カーテンエアバッグ100は、クッション102のうち所定のチャンバに対し、内圧の過度な上昇を防止することが可能になっている。特に、本実施形態では、フロントメインチャンバ114の内圧を、状況に応じて調節することが可能になっている。以下、本実施形態のクッション102の構成について、さらなる説明を行う。
図3は、図2のベントホール136付近を各方向から例示した図である。図3(a)は、図2のベントホール136付近の拡大図である。図3(a)に例示するように、ベントホール136付近には、区画部122、123から連続して、クッション102の表裏の基布を接合するベントホール調節部140、142が設けられている。ベントホール調節部140、142は、ベントホール136のガスの流量を調節する機能を有した部位である。
ベントホール調節部140、142は、クッション102の膨張展開の当初においては、ベントホール136の径を狭めてそのガス流量を減らしている。そして、ベントホール136にかかるガス圧が所定の値を超えると、ベントホール調節部140、142による基布の接合が解消され、ベントホール136を解放してそのガス流量を増やす。このように、ベントホール調節部140は、当初はベントホール136のガス流量を少なく調節し、その後においてベントホール136のガス流量を増やすよう調節する。
本実施形態では、ベントホール調節部140、142は、縫製による簡潔な構成で実現されている。ここで、本実施形態では、区画部122、123もまた、縫製によって実現されている。区画部122、123は、クッション102の膨張展開時におけるガス圧に十分に耐え得る、比較的高い強度の縫糸を用いて縫製されている。一方、ベントホール調節部140、142は、区画部122、123の縫糸よりも細い糸を用いて縫製されていて、ベントホール136のガス圧の上昇に応じて区画部122、123に比べてはるかに低い圧力で容易に破断可能になっている。
ベントホール調節部140、142は、それぞれ二つの円形の縫製によって形成されている。ベントホール調節部140、142はともに同じ構成であるため、以下では、代表してベントホール調節部140を参照して説明を行う。なお、ベントホール調節部140、142は必ずしも両方設ける必要はなく、例えばベントホール調節部140のみを設けることでもベントホール136のガス流量は調節可能である。
第1縫製部144は、区画部122に連続して設けられた、比較的径の小さい円形に形成されている。第2縫製部146は、第1縫製部144よりも径の大きい円形であって、第1縫製部144の周囲に第1縫製部144と同心に形成されている。
図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。図3(b)に例示するように、ベントホール調節部140では、区画部122に連続してクッション102の表裏の基布148、150が接合されている。これによって、ベントホール136の内径は区画部122、123間の距離に比べて狭められ、ベントホール136の流量は削減されている。したがって、ベントホール調節部140、142は、フロントメインチャンバ114(図3(a)参照)からフロントディレーチャンバ116へのガスの流量を抑え、フロントメインチャンバ114の迅速な膨張展開に資することができる。
図4は、図3(b)のベントホール調節部140、142による基布の接合が解消される過程を例示した図である。図4(a)は、図3(b)の第2縫製部146が破断した状態を例示している。本実施形態では、例えばフロントメインチャンバ114(図3(a)参照)の内圧が十分に高まった場合などにおいて、ベントホール136の基布148、150にかかるガス圧が高まると、まず第2縫製部146が破断してベントホール136の径が広がる。これによって、フロントメインチャンバ114からフロントディレーチャンバ116へのガスの排出量が増え、フロントメインチャンバ114の内圧上昇が抑えられる。
ベントホール136の基布148、150にかかるガス圧がさらに高まった場合は、図4(b)のように第1縫製部144までも破断されて基布の接合が解消され、ベントホール136の径がさらに広がる。したがって、フロントメインチャンバ114(図3(a)参照)からフロントディレーチャンバ116へのガスの排出量はさらに増え、フロントメインチャンバ114の内圧上昇はより十全に抑えられる。
このように、本実施形態のベントホール調節部140、142は、当初はフロントメインチャンバ114の膨張展開の迅速化を促すものの、フロントメインチャンバ114の内圧上昇の程度に応じてベントホール136の径を多段的に広げ、フロントメインチャンバ114の過度の内圧上昇を抑えるという、状況に応じた内圧の調整をすることができる。したがって、過度の内圧の上昇によるフロントメインチャンバ114のバースト等を防ぐことができる。その他にも、例えば乗員がフロントメインチャンバ114に接触した場合に、ベントホール136にかかるガス圧に応じてベントホール調節部140、142を破断させ、フロントメインチャンバ114の内圧を下げ、乗員に与える負荷を減らすことなどもできる。
(変形例)
図5は、図3のベントホール調節部140、142による基布の接合の変形例を例示した図である。図5(a)に例示するベントホール調節部200、202は、樹脂材料の接着によって実現されている点において、図3(a)のベントホール調節部140、142と異なっている。なお、以下において、既に説明した構成要素と同じ構造および機能を有するものについては、同じ符号を付することによってその説明を省略する。
ベントホール調節部200、202は同じ構成のため、代表してベントホール調整部200を参照して説明を行う。ベントホール調節部200は、区画部122から連続する第1接着部204を有している。第1接着部204は、区画部122の縫製のラインに沿って円形に設けられている。第2接着部206は、第1接着部204からベントホール136の内側へ向かって突出するよう設けられている。第2接着部206は、ベントホール136の内側へ向かって次第に幅細になるよう、凸状に設けられている。
図5(b)は、図5(a)のベントホール136付近のB−B断面図である。図5(b)に例示するように、ベントホール調節部200、202では、区画部122、123に連続して樹脂材料が塗布され、ベントホール136の基布148、150が接着されている。ベントホール調節部200、202に使用する樹脂材料は、ベントホール136にかかるガス圧に応じて剥離可能な接着強度のものが用いられている。
図6は、図5(b)のベントホール調節部200、202が解消される過程を例示した図である。図6(a)に例示するように、ベントホール136のガス圧が高まると、まず第2接着部206(図5(a)参照)が剥離する。図6(b)は、図6(a)のベントホール136付近のC−C断面図である。第2接着部206が剥離したことで、ベントホール136の径は広がる。これによって、フロントメインチャンバ114(図6(a)参照)からフロントディレーチャンバ116へのガスの排出量が増え、フロントメインチャンバ114の内圧上昇が抑えられる。
図6(c)は、図6(b)のベントホールの基布にかかるガス圧がさらに高まった状態を例示している。ベントホール136のガス圧が高い場合は、第1接着部204までも剥離する。図6(d)は、図6(c)のベントホール136付近のD−D断面図である。図6(d)のように第1接着部204までも剥離すると、ベントホール136の径は図6(b)の状態よりもさらに広がる。したがって、フロントメインチャンバ114(図6(c)参照)からフロントディレーチャンバ116へのガスの排出量もさらに増え、フロントメインチャンバ114の内圧上昇はより十全に抑えられる。
これらのように、樹脂材料を用いたベントホール調節部によっても、簡潔な構成でベントホールのガス流量を調節することが可能になる。ベントホール調節部200、202もまた、当初はフロントメインチャンバ114の膨張展開の迅速化を促し、続いてフロントメインチャンバ114の内圧上昇の程度に応じてベントホール136の径を広げてフロントメインチャンバ114の内圧上昇を抑えることができる。特に、接着によって実現したベントホール調節部200、202は、ベントホール136のガス圧に応じて、ベントホール136を様々な径に解放することができ、フロントメインチャンバ114の内圧をより状況に合ったものに調節することができる。これらによって、ベントホール調節部200、202は、フロントメインチャンバ114の過度の内圧によるバースト等を防ぎ、また、乗員がフロントメインチャンバ114に接触した場合にフロントメインチャンバ114の内圧を下げて乗員に与える負荷を減らすことができる。
図7は、図5(a)のベントホール調節部200、202の変形例を例示した図である。樹脂材料による接着によって実現可能なベントホール調節部は、図5(a)等に例示したベントホール調節部200、202構成に限られない。図7に例示する凸状接着部220、222のみによっても、ベントホール調節部は実現可能である。凸状接着部220、222は、区画部122、123からベントホールの内側に向かって次第に幅細になっている。言い換えると、凸状接着部220、222は、図5(a)の第1接着部204のみを利用した構成でもある。凸状接着部220、222は、先端ほど幅が細く、剥離しやすい。この凸状接着部220、222によって実現されたベントホール調節部であっても、ベントホール136にかかるガス圧に応じてよりスムーズに剥離し、ベントホール136を様々な径に解放することができる。
なお、上記説明した実施形態では、本願発明の技術的思想を実施したエアバッグ装置の例として、カーテンエアバッグ100を例示した。しかしながら、本願発明の技術的思想はカーテンエアバッグ100に限られない。例えば、シートに内蔵されるサイドエアバッグや、フロント部分のインテリアガーニッシュの内部に設置されるニーエアバッグなど、各種のエアバッグ装置において広く実施可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、インフレータおよび基布を用いて袋状に形成されてインフレータからガスを受けて膨張展開するクッションを含むエアバッグ装置に利用することができる。
100…カーテンエアバッグ、102…クッション、104…ルーフサイドレール、105…フロントピラー、106…インフレータ、108…車両、110…サイドウィンドウ、112…前部座席、114…フロントメインチャンバ、116…フロントディレーチャンバ、118…後部座席、120…リアメインチャンバ、122…区画部、126…クッションの上縁、128…タブ、130…ストラップ、132…インフレータ挿入部、134…ダクト部、136…ベントホール、140、142…ベントホール調節部、144…第1縫製部、146…第2縫製部、148、150…ベントホールの表裏の基布、200、202…変形例のベントホール調節部、204…第1接着部、206…第2接着部、220、222…凸状接着部

Claims (6)

  1. インフレータと、基布を用いて袋状に形成されて該インフレータからガスを受けて膨張展開するクッションとを含むエアバッグ装置であって、
    当該エアバッグ装置はさらに、
    前記クッションの基布を接合することで該クッションを複数のチャンバに区画している区画部と、
    前記区画部の途中に設けられていてガスが通過可能なベントホールと、
    前記区画部から連続して前記クッションの基布を接合することで前記ベントホールの内径を狭め、該ベントホールにかかるガス圧に応じて該接合が解消されて該ベントホールの内径を拡大するベントホール調節部と、
    を含み、
    前記ベントホール調節部は、前記ガス圧に応じて破断可能な縫製によって前記クッションの基布を接合していて、
    前記ベントホール調節部は、前記区画部から連続する円形に縫製された第1縫製部を有することを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記ベントホール調節部はさらに、前記第1縫製部と同心で該第1縫製部よりも径の大きい第2縫製部を有することを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  3. インフレータと、基布を用いて袋状に形成されて該インフレータからガスを受けて膨張展開するクッションとを含むエアバッグ装置であって、
    当該エアバッグ装置はさらに、
    前記クッションの基布を接合することで該クッションを複数のチャンバに区画している区画部と、
    前記区画部の途中に設けられていてガスが通過可能なベントホールと、
    前記区画部から連続して前記クッションの基布を接合することで前記ベントホールの内径を狭め、該ベントホールにかかるガス圧に応じて該接合が解消されて該ベントホールの内径を拡大するベントホール調節部と、
    を含み、
    前記ベントホール調節部は、前記ガス圧に応じて剥離可能な樹脂材料を用いて前記クッションの基布を接着していて、
    前記ベントホール調節部は、前記区画部から連続する円形に接着された第1接着部を有することを特徴とするエアバッグ装置。
  4. インフレータと、基布を用いて袋状に形成されて該インフレータからガスを受けて膨張展開するクッションとを含むエアバッグ装置であって、
    当該エアバッグ装置はさらに、
    前記クッションの基布を接合することで該クッションを複数のチャンバに区画している区画部と、
    前記区画部の途中に設けられていてガスが通過可能なベントホールと、
    前記区画部から連続して前記クッションの基布を接合することで前記ベントホールの内径を狭め、該ベントホールにかかるガス圧に応じて該接合が解消されて該ベントホールの内径を拡大するベントホール調節部と、
    を含み、
    前記ベントホール調節部は、前記ガス圧に応じて剥離可能な樹脂材料を用いて前記クッションの基布を接着していて、
    前記ベントホール調節部は、前記区画部から前記ベントホールの内側に向かって次第に幅細になる凸状接着部を有することを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 前記ベントホール調節部はさらに、前記第1接着部から前記ベントホールの内側へ向かって次第に幅細になるよう延びる第2接着部を有することを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記区画部は、隣接する前記チャンバの間に設けられ、
    前記ベントホールは、前記隣接するチャンバ同士をつなぐものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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