JP6110904B2 - 物品管理システム及び読み取り装置 - Google Patents

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本発明は、複数の棚で保管される物品を管理する物品管理システムに関する。
書類、製品その他物品を複数の棚に置いて管理する場合、物品にICタグを付け、ICタグと通信するリーダライタを棚近傍に配置することが行われてきた。リーダライタは、ICタグに記録される情報の読み書きを、非接触で行う。また、リーダライタは、コンピュータに接続される。コンピュータは、リーダライタによる物品のICタグとの通信で取得された情報を処理する。このような、ICタグ、リーダライタ及びコンピュータを用いたRFIDシステムにより、複数の棚に置かれた大量の物品を管理することが容易になる。
例えば、特許文献1には、物品が載置された物品保管棚の近傍に位置する交信アンテナを備える電子タグ読取書込装置が開示されている。この電子タグ読取書込装置は、交信アンテナを、物品保管棚に載置された物品に対して近接又は離間するよう移動させる進退移動機構を備える。さらに、電子タグ読取書込装置は、交信アンテナを物品保管棚の上下方向に移動させる上下移動機構、及び左右方向に移動させる左右移動機構を備える。これにより、物品が置かれた複数の棚それぞれの位置まで交信アンテナを移動させて、各棚に載置された物品と近接した状態で交信することができる。
特開2012−71928号公報
上記従来技術では、交信アンテナを上下、左右及び前後に移動させて、各棚に載置された物品と近接させる。これにより、読取書込処理を正確に実行することができる。しかしながら、交信アンテナの移動に時間を要するため、複数の棚の物品の情報を取得するのに要する時間が長くなる。
そこで、本願は、複数の棚に載せられた物品のICタグとの通信を迅速かつ正確に行うことができる物品管理システム及び読取り装置を開示する。
本発明の実施形態における物品管理システムは、ICタグが付された物品を載せるための棚が鉛直方向に複数並んで配置されたラックと、前記ラックに対向して設けられる読み取り装置とを備える。前記読み取り装置は、前記複数の棚の各々に対向する位置にそれぞれ配置される複数のアンテナと、前記複数のアンテナを、前記棚の幅方向における一方端から他方端に対応する範囲で前記幅方向に移動させるアンテナ移動機構と、前記複数のアンテナを介する通信により前記物品のICタグから情報を取得する通信制御部とを備える。
本願開示によれば、物品管理システムにおいて、複数の棚に載せられた物品のICタグとの通信を迅速かつ正確に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態における物品管理システムの平面図である。 図2は、図1の矢印Sの方向から見たラックの構成例を示す図である。 図3は、図1の矢印Sの方向から見た読み取り装置の構成例を示す図である。 図4は、図3のA−A線で切断した、読み取り装置及びラックの断面図である。 図5は、図4に示す1つの棚と1つのアンテナを含む部分の拡大図である。 図6は、図2に示すラック及び図3に示す読み取り装置の側面図である。 図7は、図3のB−B線で切断した読み取り装置の断面図である。 図8は、本実施形態における物品管理システムが備えるコンピュータの構成例を示す機能ブロック図である。 図9は、コンピュータ50が、ラック2における物品の情報を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態における物品管理システムは、ICタグが付された物品を載せるための棚が鉛直方向に複数並んで配置されたラックと、前記ラックに対向して設けられる読み取り装置とを備える。前記読み取り装置は、前記複数の棚の各々に対向する位置にそれぞれ配置される複数のアンテナと、前記複数のアンテナを、前記棚の幅方向における一方端から他方端に対応する範囲で前記幅方向に移動させるアンテナ移動機構と、前記複数のアンテナを介する通信により前記物品のICタグから情報を取得する通信制御部とを備える(第1の構成)。
上記構成によれば、各棚に対応して複数のアンテナが設けられる。また、各棚の幅方向の一方端から他方端までの範囲を各アンテナが移動できる。複数のアンテナにより、複数の棚に載せられた物品のICタグとの通信を同時に行うことが可能になる。そのため、複数の棚の物品のICタグとの通信にかかる時間を短くできる。上記構成では、さらに、各棚の幅方向の一方端から他方端までの範囲がアンテナにより通信可能な範囲となる。そのため、各棚におけるICタグの検出漏れが生じにくい。その結果、複数の棚に載せられた物品のICタグとの通信を迅速かつ正確に行うことが可能になる。
前記第1の構成において、物品管理システムは、前記ラックを複数備え、前記複数のラックは、前記読み取り装置に対して、前記棚の幅方向に移動可能とすることができる。これにより、より多くの物品を管理することが可能になる。
前記アンテナ移動機構は、鉛直方向に延び、前記複数のアンテナが取り付けられるアンテナ支持部材と、前記アンテナ支持部材を前記幅方向に移動させるアクチュエータとを備えることができる(第2の構成)。これにより、複数のアンテナを連動して幅方向に移動させることができる。
前記読み取り装置は、前記アンテナの移動範囲の外側に設けられる一対のガードを備えてもよい。前記一対のガードは、前記アンテナの移動方向において前記アンテナを介して互いに対向する一対の面をそれぞれ有してもよい。(第3の構成)。これにより、例えば、幅方向に移動するラックの棚から読み取り装置側へ突出した状態で置かれた物品のように、アンテナの移動範囲の外側からアンテナに対して幅方向に移動して来る物と、アンテナとの干渉を抑えることができる。なお、上記のガードを設けない場合、例えば、アンテナに近づく物を検出する光電センサを設けることにより、アンテナと物品との干渉を防ぐことができる。
前記アンテナは、前記ガードの前記一対の面より前記棚の方へ突出しないよう配置することができる(第4の構成)。これにより、上記干渉をより抑えることができる。
前記ラックは、前記読み取り装置に対して、前記棚の幅方向に移動可能であってもよい。この場合、前記棚は、前記物品を載せる載置面として、前記読み取り装置から遠ざかるにつれて高さが低くなるよう傾斜した載置面と、前記載置面の低い方に設けられ、前記載置面に載せられる物品が、傾斜によって棚から落ちるのを止めるストッパ材とを備えることができる(第5の構成)。
これにより、ラックの移動中、棚から物品が落ちにくくなる。また、上記第3又は第4の構成に、上記第5の構成を組み合わせることができる。この場合、棚に載せられた物品の一部が読み取り装置側に突出した状態で、ラックが移動した場合、突出した物品の一部は、ガイドに当たる。物品の一部が、ガイドに当たると、棚の傾斜により、物品は、読み取り装置から離れる方向へ移動する。その結果、物品とアンテナとの距離が適切になる。そのため、アンテナと物品のICタグとの通信をより正確に行うことができる。
前記ラックは、複数設けられてもよい。前記複数のラックは、環状経路に沿って循環移動可能とすることができる。前記環状経路は、前記棚の幅方向に平行な直線の経路と、曲線の経路を含むことができる。この場合、前記読み取り装置を、前記直線の経路上にあるラックに対して、前記直線に垂直な方向において対向するよう配置することができる(第6の構成)。
これにより、読み取り装置におけるアンテナの移動方向と、棚の幅方向とが互いに平行となりやすい。そのため、複数のラックが環状経路上を移動する構成において、アンテナと物品のICタグとの通信をより正確に行うことができる。
前記物品管理システムは、前記通信制御部とデータ通信可能な情報処理部をさらに備えてもよい。前記情報処理部は、データ取得部と、物品情報取得部と、判断部とを有することができる。データ取得部は、前記棚の識別子と、前記棚に載せられるべき物品の識別子との対応を示す対応データを取得する。前記物品情報取得部は、前記通信制御部から、前記複数のアンテナが前記棚の幅方向における一方端から他方端まで移動することにより検出された前記複数の棚にある物品を示す検出データを受信する。前記判断部は、前記対応データと、前記検出データとの比較結果に基づいて、前記複数のアンテナの前記幅方向の移動を制御する(第7の構成)。
上記構成によれば、複数の棚それぞれで検出された物品と、複数の棚それぞれに載せられるべき物品との比較結果に基づいて、アンテナの移動を制御することができる。そのため、各棚の物品の検出漏れを生じにくくすることができる。
上記ラックに対向して設けられる上記読み取り装置も、本発明の実施形態に含まれる。
[実施形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
(全体構成例)
図1は、本発明の実施形態における物品管理システム100の平面図である。図1は、垂直方向において上から見た場合の物品管理システム100の構成例を示す。物品管理システム100は、環状の経路に沿って移動可能な複数のラック2と、ラック2に対向する位置に配置される読み取り装置1とを備える。ラック2は、ICタグが付された物品を乗せるための棚を有する。読み取り装置1は、ラック2の棚に載せられた物品のICタグから物品に関する情報を取得する。なお、ICタグは、RFタグ、電子タグ、無線RFタグ、無線タグ、RFIDタグ等と称されることもある。
ラック2の棚に載せられる物品は、例えば、書類のファイルとすることができる。この場合、物品管理システム100は、大量の書類を管理する書類管理システムとして利用することができる。一例として、銀行又は証券会社における債券書類又は有価証券等の書類のファイルを管理するシステムとして、物品管理システム100を利用することができる。
ラック2の上から見た形状は、長方形である。この長方形の長辺の方向がラック2の幅方向となっている。ラック2は、幅方向に移動可能となっている。ラック2の上面には、ラック2の経路を規定するガイド3が設けられる。ガイド3は、ラック2の一部に接してラック2の移動方向を制限する。ガイド3は、ラック2の幅方向に延びる2本の直線状の部分3aと、2本の直線状の部分3aの間に接続される曲線状の部分3bとを含む。
ガイド3の直線状の部分3aの一方端には、駆動部4が設けられる。駆動部4は、鉛直方向を回転軸として回転可能な回転体を含む。回転体の径方向外側の端部は、上から見て、ガイド3の曲線状の部分3bと重なる位置に配置される。回転体の径方向外側の端部は、ガイド3の曲線状の部分3bを通るラック2に掛かる。複数のラック2は、互いに連結され環状をなす。回転体の回転によって、複数のラック2がガイド3に沿って移動する。また、駆動部4は、回転体を回転させるモータ(図示せず)を有する。駆動部4は、モータの回転を制御することにより、ラック2の移動を制御する。
なお、駆動部4は、ラック2の経路の一方端のみでなく、両端に設けることもできる。すなわち、ガイド3の直線上の部分の両端に、駆動部4を設けてもよい。また、駆動部4の動力源となるモータは、上から見て回転体と重ならない位置に設けることができる。例えば、ラック2が配置される空間を他の空間と仕切る仕切り壁41をはさんで回転体と反対側、すなわち仕切り壁41の外側にモータを配置することができる。
図1に示す例では、ガイド3の直線状の部分3aの一方の端に、作業室5が設けられる。作業室5は、ガイド3の直線状の部分3aの一方の端において停止したラック2に対向する位置に配置される。作業室5のラック2に対向する壁には、窓(図示せず)が設けられる。作業室5とラック2との間は、仕切り壁41が設けられる。仕切り壁41のラック2と対向する位置には開閉可能な窓41aが設けられる。ユーザは、仕切り壁41の窓41a越しにラック2から物品を取り出し、又はラック2へ物品を入れることができる。
作業室5には、ユーザからのラック2に対する操作の指示を受け付ける入力装置6が設けられる。入力装置6は、例えば、ボタンやタッチパネル等の入力デバイスと、ユーザからの入力に基づいて、ラック2の移動を制御する制御装置(図示せず)に指示を送るコンピュータ又は回路を備えることができる。ラック2の移動を制御する制御装置は、入力装置6等から受信する指示に基づいて駆動部4を制御するコンピュータ又は制御回路を備えることができる。
この例では、ラック2の経路の直線部分の一方端に、作業室5が設けられる。また、作業室5に、入力装置6が備えられる。これにより、ユーザは、所望のラック2を作業室5の前まで移動させることができる。ユーザは、所望のラック2へアクセスするために、ガイド3の直線状の部分3aに沿って移動する必要はない。そのため、ラック2への物品の出し入れのための作業通路スペースが不要になる。また、仕切り壁41の窓41aによりユーザのラック2の物品へのアクセスを制限又は管理することができる。これにより、不正使用の防止、及び、物品のラック2への出し入れの履歴管理が容易になる。さらに、仕切り壁41を設けることにより、物品を保管する空間と作業場所等その他の空間とを分けることができる。これにより、火事による物品の焼失のリスクを減らすことができる。
(ラックの構成例)
図2は、ラック2の正面図である。図2は、図1の矢印Sの方向から見たラック2の構成例を示す。図2において、ラック2の幅方向をX方向、奥行き方向をY方向、高さ方向(鉛直方向)をZ方向とする。ラック2の読み取り装置1と対向する面は、物品の出し入れが可能な開放面である。ラック2の幅方向は、開放面から見た場合の横方向である。
ラック2は、幅方向両側に、支柱となる側面フレーム21a、21bを有する。側面フレーム21aの下端と、側面フレーム21bの下端との間を接続する下フレーム22が設けられる。側面フレーム21aの上端と、側面フレーム21bの上端との間を接続する上フレーム23が設けられる。
ラック2は、鉛直方向(Z方向)に配置された複数の棚24a〜24hを有する。すなわち、棚24a〜24hは、幅方向両側の側面フレーム21a、21bの間において、鉛直方向に並んで配置される。棚24a〜24hは、物品を載せる面が幅方向において水平になるようラック2に固定される。棚24a〜24hは、例えば、板状の部材又は網状の部材で形成することができる。棚24a〜24hの上には、一例として、書類Dが入ったファイルボックスBを載せることができる。以下、棚24a〜24hを、特に区別しない時は、棚24と総称する。
ラック2の下フレーム22には、車輪201が取り付けられる。車輪201は、ラック用レール31の上に回転可能な状態で載せられる。車輪201の回転軸は水平方向(Y方向)である。ラック2の上フレーム23には、鉛直方向(Z方向)を回転軸とする車輪202が設けられる。ラック2の上には、ラック2の経路を規定するガイド3が設けられる。ガイド3は、経路に沿って延びる2つの壁とすることができる。ガイド3を構成する2つの壁の間にラック2の車輪202が回転可能に配置される。車輪202は、ガイド3の内壁に接した状態で回転する。ガイド3は、ラック2の上下方向(すなわちZ方向)に延びる支柱(図示せず)により支持される。ラック2を支持する支柱は、例えば、レール31とガイド3を接続する構成とすることができる。なお、ラック2の案内機構は、上記のガイド3、ラック用レール、及び車輪201,202を用いた構成に限られない。
(読み取り装置の構成例)
図3は、図1の矢印Sの方向から見た読み取り装置1の構成例を示す図である。読み取り装置1は、X方向すなわちラック2の幅方向に並ぶ2本の支柱11a、11bを有する。図3では図示されていないが、支柱11a、11bとラック2との間にそれぞれ支柱が設けられる。すなわち、読み取り装置1は、4本の支柱を有する。4本の支柱の下端は、下フレーム12に接続される。下フレーム12には、脚部13が取り付けられる。脚部13は、床と下フレーム12との間に設けられ、読み取り装置1を支える。
X方向に並ぶ2本の支柱11a、11bの間には、水平に延びる複数の横材14〜17が取り付けられる。複数の横材14〜17のうち少なくとも1つに、アンテナ支持部材18が、X方向に移動可能な状態で取り付けられる。図3に示す例では、横材14及び16にアンテナ支持部材18が取り付けられる。アンテナ支持部材18は、ラック2の各棚24a〜24hにそれぞれ対向する複数のアンテナ(図3では図示せず)が取り付けられる。アンテナの取り付け位置については、図5を参照して後述する。アンテナは、アンテナ支持部材18に固定される。アンテナ支持部材18をX方向に移動させることで、複数のアンテナが連動してX方向へ移動する。読み取り装置1には、複数のアンテナをX方向へ移動するアンテナ移動機構が設けられる。
次に、アンテナ移動機構の構成例を説明する。横材16には、アンテナ支持部材18をX方向に直線運動可能とする案内機構111が設けられる。案内機構111は、横材16に固定され、横材16と同じ方向(X方向)に延びるレール111aと、レール111aに取り付けられる移動ブロック111bを有する。移動ブロック111bは、レール111aに沿って直線運動可能な状態で、レール111aに取り付けられる。レール111aと移動ブロック111bとの間に転動可能なボールを配置して、転がり軸受を構成することができる。移動ブロック111bに、アンテナ支持部材18が、取り付け板18aを介して取り付けられる。
横材16には、移動ブロック111bをレール111aに沿ってX方向に移動させるアクチュエータが設けられる。アクチュエータとして、移動ブロック111bを貫通するボールねじ軸9aと、ねじ軸を回転させるギヤモータ9が設けられる。ボールねじ軸9aは、移動ブロック111bのねじ穴に挿入される。移動ブロック111bのねじ穴とボールねじ軸9aは同軸であり、ボールねじ軸9aとねじ穴の間にはボールが配置される。
アンテナ支持部材18の可動範囲(ストローク)Wは、X方向(棚24の幅方向)において、棚24の幅と略同じとすることができる。すなわち、棚24の幅方向一方端から他方端までの範囲に対応する範囲を、可動範囲Wとすることができる。なお、可動範囲Wは、棚24の幅と必ずしも同じでなくてもよい。例えば、アンテナ8の特性等に応じて、可動範囲Wで移動するアンテナの通信可能な範囲が、棚24の幅方向全域となるよう、可動範囲Wを設定することができる。これにより、アンテナ支持部材18が、可動範囲Wを移動することにより、棚24にある全ての物品のICタグとアンテナとの間で通信が可能になる。
図示しないが、横材16に、アンテナ支持部材18又は移動ブロック111bの通過を検出するセンサ(例えば、光センサ)を配置することができる。例えば、可動範囲Wの一方端と他方端におけるアンテナ支持部材18又は移動ブロック111bの通過を検出するセンサを配置してもよい。センサは、アンテナ支持部材18又は移動ブロック111bが移動して可動範囲Wの端に達するのを検出する。センサの検出を契機として移動ブロック111bの移動を停止するよう制御することができる。可動範囲Wは、例えば、移動ブロック111bの可動範囲を限定するためのセンサの位置の調整により、調整することができる。なお、可動範囲Wの設定は、上記のセンサを用いた例に限られない。
(アンテナの配置例)
図4は、図3のA−A線で切断した、読み取り装置1及びラック2の断面図である。図4に示す例では、複数の棚24a〜24hの各々に対向する位置に、複数のアンテナ8a〜8hが、それぞれ配置される。すなわち、1つの棚に対して、1つのアンテナが設けられる。アンテナ8a〜8hは、Z方向(鉛直方向)に延びるアンテナ支持部材18に取り付けられる。アンテナ8a〜8hは、Z方向に並んで配置される。以下、アンテナ8a〜8hを特に区別しない場合は、アンテナ8と総称する。
各アンテナ8a〜8hが配置される位置の床からの高さは、各棚24a〜24hの位置の床からの高さに対応する。例えば、アンテナ8aは、対向する棚24aの物品を載せる面と、その上の棚24bの物品を載せる面との間の高さに配置される。より具体的には、アンテナ8aは、対応する棚24aの物品を載せる面と、その上の段の棚24bの物品を載せる面との間の空間がアンテナの交信可能範囲となる高さに設けられる。
図5は、図4に示す1つの棚24と1つのアンテナ8を含む部分の拡大図である。図5に示すように、棚24は、物品を載せる載置面24−1と、載置面24−1に接続される背面24−2とを有する。載置面24−1は、読み取り装置1から遠ざかるにつれて高さが低くなるよう傾斜している。背面24−2は、載置面24−1の読み取り装置1とは反対側から斜め上方向に延びて形成される。背面24−2は、載置面24−1に載せられる物品が、傾斜によって棚28から落ちるのを止めるストッパ材となる。載置面24−1と背面24−2との角度は、例えば、90度程度にすることができる。
アンテナ8は、X方向(幅方向)から見て(以下、側面視と称する)、上部より下部の方がラック2から遠くなるよう傾いて配置される。アンテナ8は、平板状の筐体を有する。ここでは、アンテナ8の筐体の表面のうち最も大きな面の傾きをアンテナ8の傾きとする。アンテナ8は、取り付け具81に取り付けられる。取り付け具81は、アンテナ支持部材18に固定される。取り付け具81は、アンテナ8を、上記のように傾いた状態で、アンテナ支持部材18上で保持する。
アンテナ8の傾きは、棚24の載置面24−1の傾きに対応する。例えば、側面視において、アンテナ8の筐体の最大面と、Z軸(鉛直方向の軸)との角度θ2を、棚24の載置面24−1の水平面に対する角度θ1と略同一とすることができる。これにより、アンテナ8の交信可能範囲を、棚24の載置面24−1と、その上の棚24の載置面との間の空間に合わせることができる。そのため、棚24に載せられた物品のICタグ101とアンテナ8との交信をより正確にすることができる。
再び、図4を参照して、アンテナ支持部材18は、X方向に延びる横材16及び14に、X方向に移動可能な状態で、取り付けられる。横材16には、上述したとおり、案内機構111が設けられる。案内機構111は、横材16に固定されたレール111aと、レール111aに、X方向に直線運動可能な状態で取り付けられる移動ブロック111bを有する。移動ブロック111bには、ボールねじ軸9aが貫通する。移動ブロック111bに、取り付け板18aが取り付けられる。取り付け板18aにアンテナ支持部材18が取り付けられる。取り付け板18a及びアンテナ支持部材18は、移動ブロック111bとともに、X方向に直線運動する。
アンテナ支持部材18は、ローラピン18cを介して、横材14に、移動可能な状態で取り付けられる。具体的には、アンテナ支持部材18には、側面視で断面L字形状の取り付け板18bが取り付けられる。取り付け板18bのアンテナ支持部材18から水平方向に突出する面には、鉛直方向を回転軸とする一対のローラピン18cが設けられる。一対のローラピン18cは、Y方向に並んで配置される。一対のローラピン18cの間には、横材14に固定されたガイド板14aが配置される。ガイド板14aは、XZ面に平行な面を有する。アンテナ支持部材18がX方向に移動する時、ローラピン18cのローラは、ガイド板14aに接した状態で回転する。
このように、少なくとも2箇所において、アンテナ支持部材18を横材14、16に取り付けることで、各棚24a〜24hと各アンテナ8a〜8hとの距離が等しい状態を保ったまま、アンテナ8a〜8hをX方向に移動させることができる。これにより、アンテナ8a〜8hと、各棚24a〜24hの物品のICタグ101との通信が安定する。
(通信制御部の構成例)
アンテナ支持部材18には、アンテナ8の他、アンテナに接続される通信制御部19a、19b(以下、区別しない場合は、通信制御部19と総称する)が取り付けられる。通信制御部19は、アンテナ8を介したICタグ101との無線通信を制御する制御回路である。通信制御部19は、アンテナ8がICタグ101に送信する信号を提供し、アンテナ8がICタグ101から受信した信号を受け取る。通信制御部19は、アンテナ8から受け取った信号によりICタグ101の情報を取得する。通信制御部19は、取得したICタグ101の情報を、外部のコンピュータ(図示せず)へ送信する。通信制御部19は、コンピュータから、ICタグ101との通信の命令を受け、通信結果を、コンピュータに返す。通信制御部19は、ICタグ101のリーダライタと称することができる。通信制御部19とアンテナ8によりICタグ101の読取部が構成される。
通信制御部19は、アンテナ8とケーブル(図示せず)により接続される。1つの通信制御部19は、複数のアンテナ8に接続することができる。図4に示す例では、アンテナ支持部材18の下部に配置されたアンテナ8a〜8dは、下部の通信制御部19aに接続され、上部に配置されたアンテナ8e〜8hは、上部の通信制御部19bに接続される。また、通信制御部19は、読み取り装置1から離れた場所にある外部のコンピュータと有線又は無線により接続することができる。図4に示す例では、通信制御部19は、ケーブルにより外部のコンピュータと接続される。なお、図4及び図3において、ケーブルの図示は省略している。
図3及び図4に示す例では、読み取り装置1は、2台のリーダライタ(通信制御部19)を有する構成であるが、リーダライタの構成及び台数はこれに限られない。例えば、アンテナハブを介してアンテナ8a〜8hと通信制御部19とを接続することで、1台のリーダライタ(通信制御部19)に全てのアンテナ8a〜8hを接続することができる。
アンテナと通信制御部19とを接続するケーブルは、アンテナ支持部材18に敷設される。通信制御部19と外部のコンピュータとを接続するケーブルは、アンテナ支持部材18からケーブルガイド110を伝って、横材15に引き出される。図3を参照し、ケーブルは、さらに横材15から、支柱11a又は11bを伝って床又は天井へ引き出される。
ケーブルガイド110は、一方端がアンテナ支持部材18に接続され、他方端が横材15に接続される。ケーブルガイド110は、内部にケーブルを収容する空間を有する。ケーブルガイド110は、ケーブルを収容した状態で、アンテナ支持部材18の移動に伴って弾性変形する。このように、ケーブルをアンテナ支持部材18、ケーブルガイド110、横材16及び支柱11a、11bを伝わせる構成とすることができる。この構成により、アンテナがX方向の移動を繰り返すことによってケーブルが断線又は低抵抗化することを抑えることができる。なお、通信制御部19に接続されるケーブルの他、アクチュエータであるギヤモータ9に接続されるケーブル等も、同様に、読み取り装置1に設けることができる。
(ガードの構成例)
図3に示すように、読み取り装置1は、アンテナの移動方向すなわちX方向において、アンテナの両側に設けられる一対のガード7La〜7Lh、7Ra〜7Rh(以下、特に区別しない場合は、ガード7と総称する)を備える。ガード7は、アンテナの移動範囲すなわち可動範囲Wの外側に設けられる。一対のガード7は、アンテナの移動方向の一方の延長線上に配置されるガード7La〜7Lh(以下、区別しない場合は、ガード7Lと総称する)と、他方の延長線上に配置されるガード7Ra〜7Rh(以下、区別しない場合は、ガード7Rと総称する)を有する。一方のガード7Lと、他方のガード7Rとは、アンテナをはさんで互いに対向する位置に設けられる。
図6は、図2に示すラック2及び図3に示す読み取り装置1の側面図である。図6では、アンテナ支持部材18の図示を省略している。図6に示すように、読み取り装置1は、側面のフレームとして、Y方向に並ぶ複数の支柱11a、11cを有する。これら複数の支柱11a、11bのうち、ラック2に最も近い支柱11cの幅方向外側の側面に、ガード7La〜7Lhが取り付けられる。なお、ガード7を取り付ける位置は上記例に限定されない。例えば、支柱11cの4つの側面のうちいずれかに、ガード7を取り付けることができる。
ガード7La〜7Lhの各々は、アンテナ8a〜8h(図4参照)の各々と同じ高さに設けられる。すなわち、側面視において、各ガード7La〜7Lhは、各アンテナ8a〜8hと重なる位置に設けられる。本例では、各ガード7La〜7Lhは、側面視で、各アンテナ8a〜8hの筐体全体と重なる面を有する。すなわち、図6に示すように、X方向から見た場合、ガード7La〜7Lhの面によりアンテナ8a〜8hが隠されて見えない。すなわち、側面視において、ガード7La〜7Lhの面は、アンテナ8a〜8hよりも棚24の方へ突出するよう形成される。
ガード7Lの面は、側面視で、上部が下部よりラック2側へ突出する形状を有する。すなわち、ガード7Lは、アンテナ8の筐体の傾きに対応した形状となっている。また、各ガード7Ra〜7Rhも、各ガード7La〜7Lhと、側面視で、同じ形状で同じ位置に設けられる。
図7は、図3のB−B線で切断した読み取り装置1の断面図である。図7に示すように、一対のガード7L、7Rは、アンテナ8の移動方向(X方向)の両側に配置される。ガード7L、7Rは、アンテナ8の移動範囲すなわち可動範囲Wの外側に設けられる。一対のガード7L、7Rは、アンテナ8を介して互いに対向する一対の面7L1、7R1を有する。一対の面7L1、7R1は、読み取り装置1から棚24(ラック2)へ向かって延びて形成される。図7に示す例では、一対の面7L1、7R1は、アンテナ8の移動方向に垂直な面である。なお、一対の面7L1、7R1は、移動方向に垂直な面に対し傾いていてもよい。
このように、一対の面7L1、7R1を有するガード7L、7Rを備えることにより、アンテナ8に対して、ガード7L、7Rの外側から移動方向に近づく物品と、アンテナ89とが接触し、互いに干渉するのを抑制することができる。
ガード7L、7Rは、面7L1、7R1から、アンテナ8から離れる方向へ向かって延びる延長部分7L2、7R2を有する。すなわち、ガード7L、7Rは、読み取り装置1から棚24へ向かって延び、途中で折れ曲がって、アンテナ8から離れる方向へ延びる板状部材で形成される。
例えば、棚24の物品の一部が読み取り装置1の方へ突出した状態で、ラック2がX方向へ移動し、読み取り装置1へ近づいて来た場合、棚24の物品の一部が、ガード7L、7Rの延長部分7L2、7R2にまず接触する。物品は、延長部分7L2、7R2に接触しながら、棚24の方へ押し戻される。そのため、物品に急激に力を加えることなく、物品をなめらかに棚24へ押し込むことができる。
また、ガード7L、7Rの延長部分7L2、7R2は、アンテナ8から離れるに従って棚24(ラック2)から遠ざかるよう形成される。これにより、X方向に移動する棚24の物品の一部が、ガード7L、7Rの延長部分7L2、7R2にぶつかった場合、物品は、延長部分7L2、7R2に接触しながらなめらかに、棚24の方へ押し戻される。
アンテナ8は、一対の面7L1、7R1よりも棚24(ラック2)の方に突出しないように配置される。すなわち、アンテナ8からの移動方向(X方向)の延長線上に一対のガードの面7L1、7R1が配置される。これにより、アンテナ8と物品との干渉の抑制効果を高めることができる。例えば、棚24から突出した物品の一部がアンテナ8に接触するのを防ぐことができる。
(システム構成例)
図8は、本実施形態における物品管理システムが備えるコンピュータの構成例を示す機能ブロック図である。図8に示す例では、コンピュータ50が、読み取り装置1に接続される。コンピュータ50は、上位システム60及び制御盤70にも接続される。
上位システム60は、ラック2に保管された物品のデータを、収集、保存及び処理することができるコンピュータシステムである。上位システム60は、物品の情報を利用した種々のアプリケーションプログラムを実行することができる。上位システム60は、例えば、複数のラック2に保管された物品に関する情報の取得をコンピュータ50に対して要求する。
制御盤70は、ガイド3に沿ってラック2を移動させる駆動部4を制御する。制御盤70は、コンピュータ50から、読み取り装置1の前に移動させるべきラック2の指示を受け付けることができる。制御盤70は、受け付けた指示に基づいて、駆動部4を制御し、指示されたラック2を読み取り装置1の前に移動させる。
コンピュータ50は、読み取り装置1の通信制御部19及びアンテナ8を移動させるアクチュエータと接続される。コンピュータ50とアクチュエータとは、例えば、読み取り装置1に設けられた制御盤(図示せず)を介して接続することができる。すなわち、コンピュータ50は、通信制御部19及びアクチュエータ又はその制御盤と通信可能である。なお、コンピュータ50と、通信制御部19及びアクチュエータとの通信は、無線通信であってもよい。
コンピュータ50は、通信制御部19に、ICタグとの通信の命令を送信し、通信制御部19から通信結果を受信する。また、コンピュータ50は、アクチュエータに動作命令を送信し、アクチュエータから動作結果を受信する。コンピュータ50は、通信制御部19への通信命令送信と、アクチュエータへの動作指示を同期させることができる。これにより、アンテナ8が、棚24の幅方向の一方端から他方端まで移動させる間に、アンテナ8と、棚24に載せられた物品のICタグとの通信を行うことができる。
上記のとおり、アンテナ8a〜8hは、ラック2の棚24a〜24hそれぞれに対応して設けられるので、アンテナ8a〜8hを、幅方向に一方端から他方端まで一度移動(以下、1回の走査と称する)させる間に、ラック2の全ての棚24a〜24hに載せられた物品のICタグと通信することができる。そのため、通信制御部19は、一回の走査で、棚24a〜24hに載せられた物品の情報を取得することができる。
コンピュータ50は、データ取得部51、物品情報取得部52、判断部53、及びメモリ54を備える。データ取得部51は、ラック2の各棚24a〜24hの識別子(ID)と、各棚24a〜24hに載せられるべき物品の識別子(ID)との対応を示す対応データを取得し、メモリ54に格納する。データ取得部51は、例えば、上位システム等の外部のシステム又は内蔵の記録装置から、対応データを取得することができる。物品情報取得部52は、通信制御部19から、複数のアンテナ8a〜8hの一回の走査で検出された、複数の棚24a〜24hにある物品を示す検出データを受信する。検出データは、メモリ54に格納される。判断部53は、メモリ54に格納された対応データと、検出データとの比較結果に基づいて、複数のアンテナ8a〜8hの幅方向の移動を制御する。判断部53は、例えば、上記比較結果に応じて、アンテナ8a〜8hによる走査を再度実行するか否かを判断する。
コンピュータ50のデータ取得部51、物品情報取得部52、判断部53の動作は、例えば、コンピュータ50が備える1又は複数のプロセッサが、所定のプログラムを実行することで実現できる。データ取得部51、物品情報取得部52、及び判断部53を構成するコンピュータ50は、複数台であってもよい。また、コンピュータ50の設置場所は特に限定されない。例えば、読み取り装置1から離れた場所にコンピュータ50を設置してもよいし、読み取り装置1にコンピュータ50を設置してもよい。また、コンピュータ50は、通信制御部19と一体的に構成することもできる。
(動作例)
次に、コンピュータ50の動作例を説明する。ここでは、一例として、コンピュータ50が、上位システム60から、複数のラック2に保管された物品全ての情報を取得する命令を受信した場合について説明する。
コンピュータ50は、上位システム60から命令を受けると、制御盤70に対して、読み取り装置1の前に移動させるべきラック2の指示を送信する。制御盤70は、駆動部4のモータを制御して、指示されたラック2が読み取り装置1の前に移動するように回転体を回転させる。これにより、環状に連結された複数のラック2が、ガイド3に沿って回転する。指定されたラック2が、読み取り装置1の前に配置されると、回転体の回転が終了する。制御盤70は、コンピュータ50へ回転の正常終了を通知する。
コンピュータ50は、回転の正常終了を制御盤70から受信すると、読み取り装置1に、ICタグ読み取り命令を出す。具体的には、読み取り装置1のアクチュエータに、アンテナ8a〜8hの移動を指示し、通信制御部19にICタグの読み取りを指示する。読み取り装置1では、アクチュエータが、アンテナ8a〜8hを、棚24a〜24hの幅方向に移動させると同時に、通信制御部19が、アンテナ8a〜8hを介してICタグと通信する。これにより、通信制御部19は、ラック2の全ての棚24a〜24hのそれぞれに載せられた物品のICタグから情報を読み取る。通信制御部19は、読み取った情報を、コンピュータ50へ送信する。コンピュータ50は、読み取った情報を、メモリ54に記録する。この時、コンピュータ50は、通信制御部19から取得したデータを基に、読み取り装置1におけるアンテナ8の移動を制御することができる。この制御については後述する。
コンピュータ50は、上記のラック2の移動指示、アンテナ8の移動指示、及び読み取り指示、及び読み取り結果受信の処理を、環状に連結された複数のラック2の各々について繰り返す。これにより、全てのラック2の物品のICタグから読み取られた情報が、コンピュータ50のメモリ54に記録される。コンピュータ50は、ICタグから読み取られた情報を、上位システム60へ送信する。これにより、上位システムは、全てのラック2における物品の情報を得ることができる。この情報は、例えば、ラック2で保管される物品の棚卸に用いることができる。
(読み取り装置の制御例)
図9は、コンピュータ50が、ラック2における物品の情報を取得する処理の一例を示すフローチャートである。図9は、ある特定の1台のラック2を対象とし、その対象のラック2に保管される物品の情報を取得する場合の処理例を示す。
図9に示す例では、まず、データ取得部51は、対応データを取得し、メモリ54に格納する(S1)。対応データは、例えば、対象のラック2の各棚24のIDと、各棚24に保存されるべき物品のIDを含む。データ取得部51は、複数のラック2の各棚24のIDと、物品のIDとが対応付けて記録されたデータベースへアクセスし、対象のラック2の各棚のIDと、各棚に対応する物品のIDを取得することができる。このデータベースは、上位システム60等、コンピュータ50の外部のコンピュータシステムのデータベースであってもよい。
なお、データ取得部51は、データベースにアクセスする代わりに、メモリ54に格納されたファイルにアクセスして対応データを取得することもできる。このようなファイルは、例えば、上位システム60が棚卸指示ファイルとしてメモリ45に格納することができる。
物品情報取得部52は、走査回数を数えるための変数であるカウンタnを初期化(n=0)する(S2)。物品情報取得部52は、対象のラック2の棚24a〜24hの走査及びICタグとの通信を読み取り装置1に指示する(S3)。この時、カウンタnに、1を加算する(S4)。物品情報取得部52は、読み取り装置1から、ICタグとの通信結果として、検出データを受信する(S5)。具体的には、物品情報取得部52は、通信制御部19に対して、ICタグのデータ読み取り命令を出し、アクチュエータにアンテナ8a〜8hの移動の開始を指示する。物品情報取得部52は、通信制御部19によるICタグの読み取りとアクチュエータによるアンテナ8a〜8hの移動のタイミングを制御する。これにより、アンテナ8a〜8hを介したICタグのデータ読み取りが開始されると、アンテナ8a〜8hが棚の幅方向の移動が開始されるよう制御することができる。複数のアンテナ8a〜8hの移動に伴って、物品のICタグのデータ読み取りが、複数の棚24a〜24hにおいて同時に行われる。
これにより、物品情報取得部52は、棚24a〜24hに対する1回の走査においてアンテナ8a〜8hを介した通信で読み取られたICタグのデータを、通信制御部19から受信することができる。ICタグのデータには、そのICタグが付された物品のIDが含まれる。すなわち、各アンテナ8a〜8hを介する通信で取得された棚24a〜24hの各々に載せられた物品のIDが得られる。物品情報取得部52は、棚24a〜24hの各々に載せられた物品のIDを、棚24a〜24hのIDと対応付けて、検出データとして、メモリ54に記録する。
カウンタnが、予め決められた上限値MAXに達している場合(S6でYES)、対象のラック2についての処理は終了する。すなわち、アンテナ8a〜8hによる棚24a〜24hの走査の回数が上限の回数に達すると処理を終了する。
カウンタnが上限値MAXに達していない場合(S6でNO)、判断部53は、メモリ54に格納された、対応データと検出データとを比較する(S7)。判断部53は、各棚24a〜24hについて、対応データの物品のIDと検出データの物品のIDとを比較する。例えば、判断部53は、対応データにおける棚24aに対応付けられた複数の物品のIDと、検出データにおける棚24aに対応付けられた複数の物品のIDとを比較する。これは、棚24aに載せられるべき物品のIDと、棚24aに実際に載せられている物品のIDを比較することに相当する。判断部53は、上記比較によりさらなる走査の要否を判断する。
全ての棚24a〜24hにおいて、対応データの物品のIDと検出データの物品のIDが一致する場合(S7でYES)、判断部53は、さらなる走査は不要と判断し、対象のラック2の処理を終了する。棚24a〜24hのうち、対応データの物品のIDと検出データの物品のIDが一致しない棚がある場合、S3〜S6の処理が再度実行される。このようにして、対応データと検出データの物品IDが各棚24a〜24hにおいて一致するか、又は、走査回数が上限に達するまで、アンテナ8による棚24の走査及びICタグのデータの読み取りを繰り返す。これにより、ICタグの読み取りミスによる物品の検出もれを少なくすることができる。
上記動作では、1回の走査で、全ての棚24a〜24hにおける物品のIDの検出結果を取得できる。そのため、1つのラック2に格納される全ての物品のIDを迅速に取得することができる。また、各棚24a〜24hのアンテナ8a〜8hにより、物品のICタグのデータが読み取られるため、棚24a〜24hそれぞれに載せられた物品の情報を取得することができる。すなわち、棚24a〜24hそれぞれの棚IDに対応する物品のIDを検出データとして取得することができる。そのため、判断部53は、1回の走査で得られた検出データに基づき、複数の棚24a〜24hのそれぞれにおける読み取り状況を判断することができる。
なお、判断部53による判断は、上記例に限られない。例えば、対応データと検出データとで一致しない物品のIDの数に基づいて、さらなる走査の要否を判断してもよい。また、対応データにあるが検出データにはない物品のIDの有無又は数に基づき、さらなる走査の要否を判断することもできる。また、判断部53は、走査を複数回実行した場合、それぞれの走査において取得された検出データを比較することもできる。例えば、1回目の走査で取得された物品のIDと、2回目の走査で取得された物品のIDとが異なる場合、さらに走査をするよう決定することができる。また、判断部53は、さらなる走査の要否だけでなく、アンテナ8の移動速度、移動時間、又は移動範囲等を判断することもできる。
以上、本発明の一実施形態を説明した。上記の実施形態によれば、各棚24a〜24hに対応して複数のアンテナ8a〜8hがそれぞれ設けられる。これにより、複数の棚24a〜24hに対して、同時に走査することができる。すなわち、複数の棚24a〜24hのICタグ読み取りが同時にできる。そのため、棚24a〜24hの物品のICタグの読み取りを、効率的に(迅速に)実行することができる。また、各棚24a〜24hの幅方向の一方端から他方端までの範囲を各アンテナ8a〜8hが移動できる。そのため、各棚24a〜24hにおいてICタグの検出漏れが生じにくい。その結果、正確な読み取りが可能になる。
また、複数の棚24a〜24hの物品のICタグと通信するためにアンテナ8a〜8hを鉛直方向に移動させる必要はない。そのため、読み取り装置1の複雑化が抑えられる。その結果、装置の複雑化を抑えながらも、複数の棚24a〜24hに載せられた物品のICタグとの通信を迅速かつ正確に行うことが可能になる。
上記実施形態では、対応データとして、各棚24a〜24hのIDと対応付けられた物品のIDが用いられる。各棚24a〜24hは、各アンテナ8a〜8hとそれぞれ対応している。そのため、対応データを用いることで、各アンテナ8の通信で取得された物品のIDの検査処理が容易になる。また、上記構成によれば、各棚24a〜24hに載せられた全ての物品のICタグと通信が可能になる。そのため、例えば、ある特定の棚に本来あるべき物品が、誤って他の棚に収納されていた場合に、その行方不明になった物品を探すことが容易になる。
[変形例]
本発明に係る物品管理システムは、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、読み取り装置1及びラック2のフレーム形状は、本実施形態の形状に限定されない。棚24、アンテナ8及びガード7の形状や個数は、一例であり、本実施形態のものに限定されない。
また、アンテナ8の移動機構も、上記例に限られない。例えば、各アンテナ8a〜8hそれぞれに、案内機構とアクチュエータを設けることでもきる。これにより、各アンテナ8a〜8hの移動を、それぞれ独立して制御することができる。
また、読み取り装置1には、上記の構成要素の他に、ラック2の位置を検出するセンサ、アクチュエータに電力を供給するインバータ、又は、制御盤等、必要に応じて構成要素を追加することができる。
上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 読み取り装置
2 ラック
3 ガイド
7La〜7Lh、7Ra〜7Rh ガード
8a〜8h アンテナ
24a〜24h 棚
100 物品管理システム

Claims (7)

  1. ICタグが付された物品を載せるための棚が鉛直方向に複数並んで配置されたラックと、
    前記ラックに対向して設けられる読み取り装置とを備え、
    前記読み取り装置は、
    前記複数の棚の各々に対向する位置にそれぞれ配置される複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナを、前記棚の幅方向における一方端から他方端に対応する範囲で前記幅方向に移動させるアンテナ移動機構と、
    前記複数のアンテナを介する通信により前記物品のICタグから情報を取得する通信制御部と
    前記アンテナの移動範囲の外側に設けられ、前記アンテナの移動方向において前記アンテナを介して互いに対向する一対の面をそれぞれ有する一対のガードとを備え、
    前記ガードの一対の面のそれぞれに、アンテナから離れる方向へ延び、アンテナから離れるに従って棚から遠ざかるように形成された延長部分が設けられている、物品管理システム。
  2. 請求項1に記載の物品管理システムであって、
    前記アンテナ移動機構は、鉛直方向に延び、前記複数のアンテナが取り付けられるアンテナ支持部材と、前記アンテナ支持部材を前記幅方向に直線運動可能とする案内機構と、前記アンテナ支持部材を直線運動させるアクチュエータとを備える、物品管理システム。
  3. 請求項に記載の物品管理システムであって、
    前記アンテナは、前記ガードの前記一対の面より前記棚の方へ突出しないよう配置される、物品管理システム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記ラックは、前記読み取り装置に対して、前記棚の幅方向に移動可能であって、
    前記棚は、前記物品を載せる載置面として、前記読み取り装置から遠ざかるにつれて高さが低くなるよう傾斜した載置面と、前記載置面の低い方に設けられ、前記載置面に載せられる物品が、傾斜によって棚から落ちるのを止めるストッパ材とを備える、物品管理システム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記ラックは、複数設けられ、
    前記複数のラックは、環状経路に沿って循環移動可能であり、
    前記環状経路は、前記棚の幅方向に平行な直線の経路と、曲線の経路を含み、
    前記読み取り装置は、前記直線の経路上にあるラックに対して、前記直線に垂直な方向において対向するよう配置される、物品管理システム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の物品管理システムであって、
    前記通信制御部と通信可能な情報処理部をさらに備え、
    前記情報処理部は、
    前記棚の識別子と、前記棚に載せられるべき物品の識別子との対応を示す対応データを取得するデータ取得部と、
    前記通信制御部から、前記複数のアンテナが前記棚の幅方向における一方端から他方端まで移動することにより検出された前記複数の棚にある物品を示す検出データを受信する物品情報取得部と、
    前記対応データと、前記検出データとの比較結果に基づいて、前記複数のアンテナの前記幅方向の移動を制御する判断部と有する、物品管理システム。
  7. 物品を載せる棚が垂直方向に複数配置されたラックに対向して設けられる読み取り装置であって、
    前記複数の棚の各々に対向する位置にそれぞれ配置される複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナを、前記棚の幅方向における一方端から他方端に対応する範囲で前記幅方向に移動させるアンテナ移動機構と、
    前記複数のアンテナを介する通信により前記物品のICタグから情報を取得する通信制御部と
    前記アンテナの移動範囲の外側に設けられ、前記アンテナの移動方向において前記アンテナを介して互いに対向する一対の面をそれぞれ有する一対のガードとを備え、
    前記ガードの一対の面のそれぞれに、アンテナから離れる方向へ延び、アンテナから離れるに従って棚から遠ざかるように形成された延長部分が設けられている、読み取り装置。
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