JP6110368B2 - ポリアミド及びフルオロエラストマーを含む複合材料 - Google Patents

ポリアミド及びフルオロエラストマーを含む複合材料 Download PDF

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Description

本開示は、フルオロエラストマー−ポリアミド複合材料、それを製造する方法、及びそれを含有する成形物品に関する。
フルオロエラストマーは、燃料に曝露される物品においてシール又はシール構成要素として広く使用されているゴム様材料であるが、それは、これらの化合物に対するその耐化学性が高いためである。
シール物品が、例えば、自動車部品の構成要素として、機械的な力に耐えなくてはならない用途において、又は安全性の理由から例えば、燃料用貯蔵装置の構成要素として、フルオロエラストマー要素が金属部品に固定されることがある。かかる複合材料は、可撓性の、したがってシールする部品を提供するためのフルオロエラストマーと、剛性の構成要素を提供するための金属と、を含む。しかしながら、金属部品は、複合材料の重量を増加させる。これは、特に、重量が燃料消費及び/又は輸送費用を増大させる輸送分野において、不利益となり得る。
したがって、剛性の構成要素としての金属部品の代替を提供する必要性がある。ポリアミドは、その機械的特性のため、金属に取って代わる好適な候補である。極めて高い値の熱変形温度(HDT)によって表される非常に高い温度安定性を有するポリアミド等級が、市販されている。代替材料は、フルオロエラストマーと強い結合を形成する必要がある。
米国特許第5,656,121号では、低分子量ジアミン化合物を含有するコーティングを使用して、構成要素間に強い結合を生成することによって、他の熱可塑性樹脂を伴うフルオロポリマーの複合材料が調製され得ることが記載されている。しかしながら、経済的理由から、複合材料が、追加の処理工程及び材料費を回避するために、接着剤又はタイ層及びプライマーなどの結合添加剤を必要とすることなく、弾性構成要素と剛性構成要素とを組み合せることによって直接形成されることが望ましい場合がある。
米国特許第6,162,385号では、フルオロエラストマーとポリアミドポリマーとの間に強い直接結合を有する複合材料が記載されている。実施例の項で使用されるフルオロエラストマーは、商品名VITON A、VITON B651C、及びDAI EL G 651 Cの市販のフルオロエラストマーである。これらのポリマーは、ビスフェノール硬化性であり、供給者の情報によると−18℃、−16℃、及び−13℃の回復温度(TR−10)を有する。
上述の文書は、耐久性、具体的にはフルオロエラストマーとポリアミドとの間の結合の熱安定性については述べていない。しかしながら、熱安定性結合は、特に、複合材料が、摩擦などの機械的な力によって生成される熱であるか、又は燃料燃焼によって生成される熱であるか、あるいはその双方による、熱に供される可能性がある用途に対して、極めて望ましい。
驚くべきことに、本発明者は、フルオロポリマーとポリアミドとの間の強い直接結合が、低回復温度(TR−10)を有する過酸化物フルオロポリマーを使用することによって形成され得ることを見出した。これらの材料間の結合は、熱老化に対する改善された耐性も示す。同様に、かかるフルオロポリマーを使用することによって、熱老化に耐性である強い結合が、強化材料の高配合(例えば、最大50重量%の強化材料の配合)によって形成され得ることも見出された。これは、より安価な強化材料の量を増大して、より高価なポリアミド樹脂の量を低減することによって、かなりの費用の節約を可能にする。
したがって、以下では、第2の構成要素に直接結合される第1の構成要素を含む複合材料であって、第1の構成要素が、ASTM D 1329に従って測定されたときに−19℃以下の温度反射(temperature reflection)TR−10を有する過酸化物硬化フルオロエラストマーを含み、第2の構成要素が、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂を含む、複合材料が提供される。
別の態様では、上述の複合材料を含む成形物品が提供される。
更なる態様では、複合材料を製造する方法であって、
i)
a)−19℃以下のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーを含み、少なくとも1つの過酸化物硬化剤を更に含む、第1の構成要素、
b)ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂を含む、第2の構成要素、を提供する工程と、
ii)第1の構成要素を第2の構成要素と接触させ、フルオロエラストマーを硬化させることによって、第1の構成要素と第2の構成要素との間に直接結合を形成する工程と、を含む、方法が提供される。
また別の態様では、フルオロエラストマーである第1の構成要素と、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂である第2の構成要素との間の結合の熱安定性を増大させるための、ASTM D 1329に従って測定されたときに−19℃以下の温度反射(temperature reflection)TR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーの使用が提供される。
本開示の実施形態を詳細に説明するのに先立ち、本開示はその用途において以下の説明文に記載される構成の細部及び要素の配列に限定されない点が理解されるべきである。本発明には他の実施形態が可能であり、本発明は様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点が理解されるべきである。
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「特徴とする(characterized by)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はこれらのあらゆる変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、構成要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれらの構成要素のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない、又はかかるプロセス、方法、物品、若しくは装置に本来備わっている、又はそれらと等価の他の構成要素が含まれ得る。前述の用語の制限のない意味と対照的に、用語「からなる(consisting of)」は、本明細書で使用するとき、限定的であることを意味する。例えば、構成要素のリストからなるプロセス、方法、物品、又は装置は、これらの構成要素のみに限定されることを意味するが、なおかかるプロセス、方法、物品、又は装置に本来備わっている、又はそれらと等価の構成要素を含む。
更に、そうでないことが明示されていない限り、「又は(or)」は包含的論理和を指すものであって、排他的論理和を指すものではない。
「a」又は「an」の使用は、「1つ以上」を包含することを意味する。
本明細書中に引用されている何らかの数値範囲は、指定された終点、更にその範囲内の全ての整数および分数を含み、また具体的に開示するものとする。例えば、1%〜50%の範囲は省略形であり、1%及び50%の値、また1%と50%との間の値、例えば2%、40%、10%、30%、1.5%、3.9%などを明示的に開示することを意図する。
本明細書の上記及び下記で使用される場合、用語「コポリマー」とは、明示的に記載されていない他のモノマー由来の他の反復単位が存在する選択肢を除外することなく、記載されるコモノマー由来の反復単位を含むポリマーを意味する。
更なるモノマーの存在が除外される場合、用語「バイオポリマー」は、2つの異なるモノマーのみによって作られるコポリマーを示すために使用され、用語「ターポリマー」は、3つの異なるモノマーのみによって作られるコポリマーを示すために使用される。
本明細書の上記及び下記で使用される場合、ポリマーの「末端基」という用語は、ポリマー主鎖の末端位にある基に関して使用される。ポリマーの「側基」という用語は、ポリマーの主鎖から懸垂している基を指すのに使用される。
本明細書の上記及び下記で使用される場合、用語「ペルフルオロ化」とは、全ての水素原子がフッ素原子に置換されている、炭化水素から誘導される基又は化合物を意味する。しかしながら、ペルフルオロ化化合物は、依然として、酸素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子、及びニトリル基のような、フッ素原子及び炭素原子以外の原子を含有し得る。「ペルフルオロ化」化合物と対照的に、本明細書で使用するとき、「部分フッ素化」化合物は、少なくとも1個の水素原子が依然として存在するように、全ての水素原子がフッ素原子に置換されてはいない炭化水素から誘導される化合物である。部分フッ素化化合物は、O原子及び他のハロゲン原子のような、F、C、及びH原子以外の原子も含有し得る。例えば、FC−基は、ペルフルオロ化メチル基であるであろう。FHC−又はFHC−基は、部分フッ素化メチル基であるであろう。FC−O−FC−残基は、ペルフルオロ化残基であるであろう。FHC−O−CF−残基は、部分フッ素化残基であるであろう。ポリマーに関連して、用語「ペルフルオロ化」は、ポリマー主鎖がペルフルオロ化されていることを意味し、部分フッ素化ポリマーは、部分フッ素化モノマーから誘導される反復単位を含有すると理解すべきである。これは、部分フッ素化ポリマーが、1つ以上のH原子を含有する反復単位を含有することを意味する。
第1の構成要素
第1の構成要素は、複合材料に関して少なくとも1つの過酸化物硬化フルオロポリマーを含む。複合材料が未だ製造されていない態様に関して、第1の構成要素は、複合材料の構成要素間の結合が概してフルオロエラストマーを硬化することによって生成されるため、少なくとも1つの過酸化物硬化性フルオロポリマーを含む。過酸化物硬化性であるために、ポリマーは、好ましくは、より詳細に後述するように、過酸化物硬化剤又は過酸化物硬化系(即ち、1つ以上の過酸化物硬化剤と少なくとも1つの硬化共架橋剤)に反応性の基を含有する。
本明細書で提供されるフルオロエラストマーは、−19℃以下、好ましくは−25℃を下回る、又は更には−35℃を下回る、又は最も好ましくは少なくとも−40℃以下の回復温度(TR−10)を有する。「回復温度」(TR−10)は、フルオロエラストマーの粘弾性挙動を説明する。ASTM D 1329に従って行われる回復温度(TR−10)試験では、エラストマーは、−70℃で100%伸張される。TR−10温度は、伸張の10%が失われる温度である。TR−10温度は通常、ガラス転移温度と同じ範囲にある。
フルオロエラストマーは、典型的には、1〜150単位、好適には2〜100単位のムーニー粘度(120℃にて、ML1+10)を有する。分子量分布は、単峰性であってよく、加えて双峰性又は多峰性であってもよい。フルオロエラストマーは、典型的には、25℃未満のガラス転移温度(Tg)を有するフルオロポリマーである。フルオロエラストマーは、典型的には非晶質ポリマーである。典型的には、それらは融点を有さない。
本明細書において提供されるフルオロエラストマーは、部分的又は完全にフッ素化された主鎖を有してもよい。後者の場合、ポリマーは、ペルフルオロ化ポリマーと称される。好ましくは、フルオロエラストマーは、少なくとも30重量%のフッ素、より好ましくは少なくとも50重量%のフッ素、最も好ましくは少なくとも65重量%のフッ素を含有する。好ましくは、フルオロエラストマーは、50重量%〜最大69重量%のフッ素を含有する、即ち、これらはいわゆる低フッ素又は中フッ素エラストマーである。
本明細書で提供されるフルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン(VDF、CF)から誘導される反復単位を含有してもよい。かかるフルオロエラストマーは、部分フッ素化フルオロポリマーである。フルオロエラストマーは概して、例えば、高レベルのVDFで得ることができ、例えば、フルオロエラストマーは、VDFから誘導された又はVDFで調製された50〜80モル%の単位を含有してもよい。VDFに加えて、フルオロポリマーは、後述で「コモノマー」と称される他のモノマーから誘導される単位を含有してもよい。かかるコモノマーは、ペルフルオロ化、部分フッ素化、又は非フッ素化オレフィンから選択され得る。かかるオレフィンは、典型的には2〜20個の炭素原子を含有し、それに加えてCl原子及び/又は酸素エーテル原子を含有してもよい。
ペルフルオロ化オレフィンの特定の例には、テトラフルオロエテン(TFE)及びヘキサフルオロプロペン(HFP)が挙げられるが、それらに限定されない。その他の例には、クロロトリフルオロエテン(CTFE)及び2−クロロペンタフルオロプロペンが挙げられる。
フルオロエラストマーは、ビニルエーテル又はペルフルオロ化アリルエーテルなどのペルフルオロ化オレフィンエーテルから誘導される、共重合された単位を更に含んでもよい。
有用なペルフルオロ化オレフィンエーテルの例には、式:
Rf−O−(CF−CF=CF
に対応するものが挙げられ、式中、nは1(アリルエーテルの場合)又は0(ビニルエーテルの場合)であり、Rfは、1つ以上の酸素原子によって中断されてよい、又はされなくてもよい、アルキル残基を表す。
特に好ましいペルフルオロ化エーテルは、式:
CF=CF−(CF−O−(R O)(R O)
に対応し、式中、R 及びR は、1〜6個の炭素原子の、特に2〜6個の炭素原子の異なる直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキレン基であり、m及びnは、独立して0〜10であり、R は、1〜6個の炭素原子のペルフルオロアルキル基であり、dは1又は0である。ペルフルオロ化ビニルエーテルの特定の例には、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−メトキシエチルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、及びCF=CFOCFCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFが挙げられる。
部分フッ素化ポリマー中のペルフルオロ化コモノマーから誘導される単位は、存在する場合、概して5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%の量でフルオロエラストマー中に存在し得る。
上述のオレフィンから誘導される単位の代わりとして、又は追加として、部分フッ素化フルオロエラストマーはまた、非フッ素化オレフィンから誘導される単位を含有してもよい(「非フッ素化コモノマー」)。例としては、2〜8個の炭素原子を含有するオレフィンが挙げられ、また、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エテン(E)、及びプロペン(P)が挙げられるが、これらに限定されない。フルオロエラストマー中の非フッ素化コモノマーの量は、存在する場合、一般に1〜30モル%である。
しかしながら、フルオロエラストマーは、ペルフルオロ化されていてもよい。その場合、フルオロポリマーは、水素原子を含有しないモノマーで作られる。かかるモノマーには、TFE及びHFPが挙げられる。これらのモノマーに加えて、上述のように、ペルフルオロ化ビニルエーテル又はアリルエーテルが使用されてもよい。エーテルの典型的な量には、5〜45モル%が挙げられる。他の好適なモノマーには、典型的に使用されるものではないが、CTFEなどの塩素及びフッ素を含有するモノマーが挙げられる。
1つの特定の実施形態では、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエテン、及び上述されるような任意追加的な1つ以上のフッ素化又はペルフルオロ化オレフィンエーテル、好ましくは本明細書に記載される過酸化物硬化部位モノマーのうちの1つ以上から選択されるフッ素化モノマーから誘導される反復単位を含む、コポリマーである。
別の実施形態では、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロペン、又はビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、及びテトラフルオロエチレン、並びに上述されるような任意追加的な1つ以上のペルフルオロ化オレフィンエーテル、好ましくは本明細書で記載される過酸化物硬化部位モノマーのうちの1つ以上から誘導される反復単位を含む、コポリマーである。
また別の実施形態では、フルオロエラストマーは、TFE及びHFP、並びに上述されるような任意追加的な1つ以上のペルフルオロ化オレフィンエーテル、好ましくは本明細書で記載される過酸化物硬化部位モノマーのうちの1つ以上から誘導される反復単位を含む、コポリマーである。本実施形態によるフルオロエラストマーは、典型的にはペルフルオロ化フルオロエラストマーである。
(部分的又は完全にフッ素化された)フルオロエラストマーは、過酸化物硬化系を使用して硬化され得る、即ち「過酸化物硬化性」である。過酸化物硬化性フルオロエラストマーは、架橋反応を受けて架橋フルオロエラストマーを形成するように過酸化物硬化剤に反応性である基を含む、1つ以上の硬化部位を含有する。過酸化物硬化剤に反応性の基には、ニトリル基、及びヨウ素又は臭素から選択されるハロゲンが挙げられる。好ましくは、フルオロエラストマーは、臭素硬化部位を含有する。
硬化部位は、ポリマー鎖に沿って分布してよく、及び/又はフルオロポリマーの末端基内に含有されてもよい。典型的には、臭素及び/又はヨウ素などの、フルオロポリマーに含有される硬化部位の量は、フルオロポリマーの総重量に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2.5重量%である。
硬化部位を鎖に沿って導入するために、フルオロポリマーの塩基性モノマーの共重合が、好適なフッ素化硬化部位コモノマーで実行され得る(例として、欧州特許第02110251号、米国特許第4831085号、及び米国特許第4214060号を参照)。かかるコモノマーは、例えば、以下から選択されることができる:
(a)次式を有するブロモ−又はヨード−(ペル)フルオロアルキル−(ペル)フルオロビニルエーテル:
ZRf−O−CX=CX
式中、各Xは同一であっても異なっていてもよく、H又はFを表し、ZはBr又はIであり、RfはC〜C12(ペル)フルオロアルキレンであり、任意に塩素及び/又はエーテル酸素原子を含有する。好適な例には、BrCF−O−CF=CF、BrCFCF−O−CF=CF、BrCFCFCF−O−CF=CF、CFCFBrCF−O−CF=CFが挙げられる。
(b)次式を有するもののようなブロモ−又はヨード−(ペル)フルオロオレフィン:
Z’−(Rf’)−CX=CX
式中、各Xは独立してH又はFを表し、Z’はBr又はIであり、Rf’はC〜C12ペルフルオロアルキレンであり、任意に塩素原子を含有し、rは0又は1である。具体的な例には、ブロモトリフルオロエチレン、4−ブロモ−ペルフルオロブテン−1、又は例えば1−ブロモ−2,2−ジフルオロエチレン及び4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1などのブロモフルオロオレフィンが挙げられる。
(c)臭化ビニル、4−ブロモ−1−ブテン、及び4−ヨード−1−ブテンなどの、非フッ素化ブロモ及びヨード−オレフィン。
ポリマー鎖に沿って分布する硬化部位の代わりに、又はそれに加えて、フルオロポリマーは、欧州特許第101930号に記載されるように、好適な反応開始剤から誘導される、又はポリマー調製中に反応媒質中に導入される好適な連鎖移動剤から誘導される、1つ以上の硬化部位構成要素を末端位に含有することができる。好適な連鎖移動剤の例には、式RfPを有するものが挙げられ、式中、PはBr又はIであり、Rfは、C1〜C12の炭素原子を有するx価の(ペル)フルオロアルキルラジカルであり、任意に塩素原子を含有し、xは1又は2である。例として、CFBr、Br(CFBr、Br(CFBr、CFClBr、CFCFBrCFBr、I(CFI、I(CFIが挙げられる(好適な連鎖移動剤の更なる例は、米国特許第4000356号、欧州特許第407937号、及び米国特許第4243770号に開示される)。連鎖移動剤の更なる例には、ジ−ヨードメタン又はジ−ブロモメタンなどの、非フッ素化連鎖移動剤が挙げられる。
有用な反応開始剤の例には、n=1〜10である(XはBr又はIである)X(CFSONaが挙げられる。更に、反応開始及び/又は重合は、フルオロポリマーの末端位にハロゲン化物を導入するために、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム又は塩化アンモニウム、及びヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムを含む、金属ハロゲン化物又はハロゲン化アンモニウムなどの、ハロゲン化物塩の存在下で実施されてもよい。
加えて、フルオロポリマー中の硬化部位構成要素は、ニトリル含有モノマーから誘導されてもよい。使用され得るニトリル含有モノマーの例は、次の式のうちの1つに対応する:
CF=CF−CF−O−Rf−CN、
CF=CFO(CFCN、CF=CFO[CFCF(CF)O](CFOCF(CF)CN、CF=CF[OCFCF(CF)]O(CFCN。
式中、rは2〜12の整数を表し、pは0〜4の整数を表し、kは1又は2を表し、vは0〜6の整数を表し、uは1〜6の整数を表し、Rfは、ペルフルオロアルキレン又は二価ペルフルオロエーテル基である。ニトリル含有フッ素化モノマーの具体的な例としては、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF=CFO(CFCN、及びCF=CFO(CFOCF(CF)CNが挙げられる。
典型的には、過酸化物硬化性フルオロエラストマーを含む第1の構成要素は、通常は有機過酸化物である過酸化物硬化剤も含有する。好適な有機過酸化物は、硬化温度でフリーラジカルを生成するものである。50℃を超える温度で分解するジアルキル過酸化物又はビス(ジアルキル過酸化物)が特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素原子に結合した第三級炭素原子を有するジ第三級ブチル過酸化物を使用することが好ましい。この種のペルオキシドで最も有用なものは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級ブチルペルオキシ)ヘキシン−3及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級ブチルペルオキシ)ヘキサンである。他の過酸化物は、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、第三級ブチル過安息香酸、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、及びジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートなどの化合物から選択することができる。一般に、フルオロポリマー100部あたり約1〜5部の過酸化物が使用される。
過酸化物硬化性フルオロエラストマーを含む第1の構成要素はまた、1つ以上の共架橋剤を含んでもよい。典型的には、共架橋剤は、過酸化物と協働して有用な硬化を提供することのできる多価不飽和化合物である。共架橋剤は、フルオロポリマー100部あたり0.1〜10部、好ましくはフルオロポリマー100部あたり2〜5部の量で添加されてよい。有用な共架橋剤の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリ(メチルアリル)イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリル−ホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホラミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド(tetraallyl inalonamide)、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリル−フタレート、及びトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートが挙げられる。トリアリルイソシアヌレートが特に有用である。他の有用な共架橋剤には、欧州特許第0661304号及び欧州特許第0769521号に開示されているビス−オレフィンが挙げられる。
本明細書に記載されるフルオロエラストマーは市販されているか、又はフルオロポリマーを製造するための既知の重合方法のいずれかに従って製造することができる。かかる方法には、限定はされないが、水性乳化重合、懸濁重合、及び有機溶剤中での重合が挙げられる。
1つの特定の実施形態では、フルオロエラストマーは、1つ以上の追加の硬化系によって硬化されることができ、即ちフルオロエラストマーは「二重硬化性」である。二重硬化系中の硬化組成物は、典型的には、上述のような過酸化物硬化系と組み合せて、ポリヒドロキシ系硬化系(「ビスフェノール硬化系」とも称される)を含む。ポリヒドロキシ化合物に加えて、ポリヒドロキシ硬化系は一般に、1つ以上の有機オニウムアクセラレータも含む。二重硬化系に有用な有機オニウム化合物は、典型的には、少なくとも1つのヘテロ原子、即ち、例えば、有機又は無機部分に結合されるN、P、S、Oなどの非炭素原子を含有し、また例えばアンモニウム塩、ホスホニウム塩、及びイミニウム塩を含む。本発明にて有用な四級有機オニウム化合物の1つの部類は、相対的に陽及び相対的に陰のイオンを広く含み、リン、ヒ素、アンチモン、又は窒素は一般に陽イオンの中心原子を含み、陰イオンは有機又は無機アニオンであり得る(例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、水酸化物、アルコキシド、フェノキシド、ビスフェノキシドなど)。二重硬化系に有用な有機オニウム化合物の多くが記載されており、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第4,233,421号(Worm)、同第4,912,171号(Grootaertら)、同第5,086,123号(Guenthnerら)、及び同第5,262,490号(Kolbら)、米国特許第5,929,169号を参照されたい。代表的な例には、以下の個々に列挙される化合物及びその混合物が挙げられる。
塩化トリフェニルベンジルホスホニウム
塩化トリブチルアリルホスホニウム
塩化トリブチルベンジルアンモニウム
臭化テトラブチルアンモニウム
塩化トリアリールスルホニウム
8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド
ベンジルトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライド
ベンジル(ジエチルアミノ)ジフェニルホスホニウムクロライド
有用な有機オニウム化合物の別の部類には、1つ以上のペンダントフッ素化アルキル基を有するものが挙げられる。概して、最も有用なフッ素化オニウム化合物が、Coggioらによって米国特許第5,591,804号に開示される。
使用され得るポリヒドロキシ化合物は、例えば、米国特許第3,876,654号(Pattison)、及び同第4,233,421号(Worm)に開示されているポリヒドロキシ化合物などの、当該技術分野において架橋剤又はフルオロエラストマーに対する共硬化剤として機能することが知られているこれらのポリヒドロキシ化合物のうちの任意のものであってよい。代表的な例には、芳香族ポリヒドロキシ化合物が挙げられ、好ましくは、ジ−、トリ−、及びテトラヒドロキシベンゼン、ナフタリン、及びアントラセン、並びに次の式:
Figure 0006110368
のビスフェノールのうちのいずれか1つが挙げられ、式中、Aは1〜13個の炭素原子の二官能性脂肪族、脂環式、若しくは芳香族ラジカル、又はチオ、オキシ、カルボニル、若しくはスルホニルラジカルであり、Aは任意に少なくとも1つの塩素又はフッ素原子で置換され、xは0又は1であり、nは1又は2であり、ポリヒドロキシ化合物の任意の芳香環は、任意に塩素、フッ素、臭素のうちの少なくとも1つの原子で、又はカルボキシル若しくはアシルラジカル(例えば、式中、RがH、又はC1〜C8のアルキル、アリール、若しくはシクロアルキル基である−COR)、若しくは例えば、1〜8個の炭素原子を有するアルキルラジカルで置換される。上述のビスフェノール式から、−OH基が、いずれかの環中の任意の位置(1番以外)に結合され得ることが理解されるであろう。これらの化合物の2つ以上のブレンドも使用されてよい。
上述の式の芳香族ポリフェノールの特定の有用な例は、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピルイデニル(hexafluoroisopropylidenyl)ビスフェノールを含み、より一般的にはビスフェノールAFとして既知である。更に有用な例には、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールSとしても既知)及び4,4’−イソプロピルイデニルビスフェノール(ビスフェノールAとしても既知)が挙げられる。
好ましくは、フルオロエラストマーを含む第1の構成要素は、1つ以上の酸受容体を更に含有する。かかる酸受容体は、無機酸受容体、又は無機酸受容体と有機酸受容体とのブレンドであることができる。酸受容体の好ましい例は、金属酸化物であり、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛が挙げられる。他の好適な酸受容体には金属水酸化物が挙げられ、具体的には、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、及びハイドロタルサイト、又は炭酸バリウム及び炭酸カルシウムなどの炭素塩が挙げられる。有機受容体には、エポキシド、ステアリン酸ナトリウム、及びシュウ酸マグネシウムが挙げられる。特に好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛が挙げられる。酸受容体の混合物も同様に使用することができる。酸受容体の量は、一般に、使用する酸受容体の特性により異なる。典型的には、使用される酸受容体の量は、フルオロポリマー100部あたり0.5〜5部である。
硬化性フルオロエラストマーを含む組成物は、例えば、安定剤、可塑剤、潤滑剤、充填剤(例えば、カーボンブラック及びその種々のタイプなど)、及び意図される使用条件に適切な安定性を有しているという条件で、フルオロポリマー配合に通常利用される加工助剤などの、更なる添加剤を含有してもよい。
第1の構成要素は、硬化性フルオロエラストマーと、少なくとも1つの過酸化物硬化剤と、存在する場合は他の添加剤とを、従来のゴム加工設備内で混合して、固体組成物(いわゆる「化合物」)を製造することによって調製され得る。かかる設備には、ゴム用ミル、Banburyミキサなどの内部ミキサ、及びフルオロエラストマー配合の技術分野にて既知の混合押出機が挙げられる。硬化が開始され得る温度は避けるべきである。
第2の構成要素
第2の構成要素は、少なくとも1つの脂肪族又は芳香族熱可塑性ポリアミド樹脂を含む。樹脂は、結晶質であっても非晶質であってもよい。ポリアミド樹脂は、脂肪族及び/又は芳香族アミドを含有する反復単位を有するポリマーを含む。
例として、一般式:
−NH−(CH−NH−CO−(CH−CO−の反復単位を含むポリマーが挙げられる。
かかる単位は、ヘキサメチレンジアミン(HN−(CH−NHとアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)とのアミド形成縮合反応の反応生成物であってよい。かかる例には、PA 6.6として当該技術分野において既知のポリマーが挙げられる。
ポリアミドの他の例は、式:
−NH−(CH−CO−の反復単位を有するポリマーを含む。
かかる単位は、例えば、ε−カプロラクタムの開環重合によって得ることができる。かかるポリマーの例には、PA 6として当該技術分野において既知のポリアミドが挙げられる。
更なる例には、一般式:
−NH−(CH−NH−CO−(CH−CO−による反復単位を含むポリマーが挙げられる。
かかる単位は、例えば、テトラメチレンジアミン(HN−(CH−NH)とアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)とのアミド形成縮合反応の反応生成物から得ることができる。かかるポリマーの例には、PA 4.6として当該技術分野において既知のポリアミドが挙げられる。
芳香族ポリアミドの例には、例えば、フタルアミド単位などの芳香族アミドを含有する反復単位を含有するポリマーが挙げられ、脂肪族及び芳香族アミド単位の組み合せを有するポリマーを含み、また芳香族ポリアミド、又は芳香族及び脂肪族ポリアミドの配合物を含む。芳香族ポリアミドの具体的な例には、ポリフタルアミド(PPA)が挙げられる。脂肪族及び芳香族アミドの組み合せの反復単位を有するポリマーの例には、ポリアミドPA−6−T及びPA 6−3−Tが挙げられる。
ポリアミドは、熱可塑性材料である。それらは可逆的に成形可能であり、即ち、十分な熱を適用することによって成形及び非成形され、熱を低減することによって再成形される。
後述の実施例の項に示すように、低いTR−10値、即ち−19℃以下のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーを使用することによって、極めて高い熱変形温度(HDT)を有するポリアミドと強力で熱安定性の結合が形成され得ることが見出された。
熱変形温度は、成形された材料が、特定の力(負荷)を受けたときにその形状をその温度まで維持する温度を測定する。当該技術分野では2つの試験法が存在し、材料のHDTを決定するために、それぞれ0.45MPa及び1.8MPaの異なる負荷を使用する。したがって、HDTは、成形物品に使用される熱可塑性材料の供給温度に関する目安である。
極めて高いHDTを有するポリアミドに強力で熱安定性の結合を提供することは、様々な利益をもたらす。過酸化物硬化性フルオロエラストマーは、硬化を提供するために高温を要する。典型的な硬化温度は、170℃〜190℃の範囲である。エラストマーを成形するために、圧力が同時に適用されてもよい。多くの用途において、フルオロエラストマーは、第2の硬化工程、いわゆる後硬化に供され、それは典型的には、200〜230℃の温度にて、通常は周囲気圧(1大気)にて実施される。高いHDTを有するポリアミドは、かかる温度範囲においてもその形状を維持することができ、いわゆるオーバーモールド処理に使用されることができる。これは、フルオロエラストマーが、成形されたポリアミド上に硬化され得ることを意味する。それに加えて、かかる条件は、エラストマー及びポリアミドが結合されかつ同時に成形されることを可能にする。それに加えて、高いHDTを有するポリアミドは、物品が高温及び機械的な力への曝露に耐えなくてはならない環境、即ち、結合の熱安定性が望ましい状況においても適用され得る。かかる材料は、金属と同様の温度においてその形状を維持するため、金属の代替として特に好適である。
したがって、第2の構成要素は、好ましくは、0.45MPa(66lb.psi)の負荷にて少なくとも130℃、より好ましくは少なくとも150℃、及び最も好ましくは少なくとも190℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミドを含む。
特に有用なポリアミドには、1.8MPaの応力下にてASTM D 648に従って測定されたときに、1.8MPaの負荷にて85℃を上回る、好ましくは100℃を上回る、より好ましくは120℃を上回る、又は最も好ましくは130℃を上回るHDTを有する樹脂が挙げられる。
好ましくは、ポリアミドは、フタルアミド、及びテトラエチレン、ペンタエチレン、又はヘキサメチレン単位(それらの組み合せを含む)によって分離されるアミド基から誘導される反復単位を含むポリアミドであり、それらのアルキル置換誘導体を含み、即ち、アルキレン単位が、メチル鎖又はエチル鎖などの1つ以上のアルキル鎖を担持し得る。フタルアミド単位を有するポリアミドの例には、ポリフタルアミド(PPA)が挙げられるが、それに限定されない。テトラエチレン単位によって分離されるアミド基を含有するポリアミドの例には、PA 4.6が挙げられるが、それに限定されない。ペンタメチレン単位によって分離されるアミド基を含有するポリアミドの例には、PA 6が挙げられる。ヘキサメチレン単位によって分離されるアミド基を含有するポリアミドの例には、PA 6.6が挙げられる。ポリアミドの他の例には、PA 6.66及びPA 66.610が挙げられる。
好ましいポリアミド樹脂には、PA 6、PA 6.6、及びPA 4.6が挙げられ、PA 4.6が最も好ましい。用語PPA、PA 4.6、PA 6、及びPA 6.6などを使用することによって、他のモノマーを含有する、又は修飾されているが依然としてPA 4.6、PA 6、PA 6.6、及びPPA単位を、それぞれ、50モル%を超える、又は75モル%を超える、又は90モル%を超える量で含有する樹脂が含まれることを意味することが理解される。
同様に、本明細書に記載されるフルオロエラストマーを使用することによって、熱安定性結合が、強化ポリアミドとさえ、例えば、最大33重量%、又は33重量%以上の量などの高レベルの強化材料とさえも調製され得ることも見出された。典型的な量としては、25重量%〜最大55重量%の強化材料が挙げられる。強化材料をポリアミドに添加することによって、典型的にはポリアミド及び強化材料のマトリックスを生成することによって、材料のHDTが増大され得る。したがって、第2の構成要素は、強化ポリアミドを含有してもよい。強化ポリアミドは、対応するポリアミドを含有し、また1つ以上の強化材料又は強化材料の組み合せを更に含有するポリアミドである。強化材料の例には、ビーズ又は繊維、特に無機ビーズ又は無機繊維が挙げられる。特別な例としては、ガラスビーズ及びガラス繊維が挙げられる。
したがって、一実施形態では、第2の構成要素は、1.8MPaの負荷下にて少なくとも190℃、又は少なくとも210℃、好ましくは少なくとも230℃のHDTを有する。この種類の第2の構成要素は、強化又は非強化の形態で、即ち上述のような強化材料を伴って、又は伴わずに、上述のポリアミドを含有してよい。
この種類の好ましい第2の構成要素は、nが4、5、又は6であるテトラメチレン(−(CH−単位によって分離される、反復フタルアミド単位及びアミド単位を含む1つ以上のポリアミドを含有する。上述の例としては、ポリフタルアミド(PPA)及びポリアミドPA 4.6が挙げられるが、それらに限定されない。第2の構成要素は、これらのポリアミドを、上述したもののように強化材料を伴って、又は伴わずに含有してよい。
ポリアミドは、非晶質であっても結晶質であってもよい。結晶質ポリアミドは、好ましくは230℃を超える融点を有する。
ポリアミドに加えて他の官能部分を含有するポリマーも、同様に有用である。例としては、ポリエーテルアミド及びポリアミドイミドが挙げられるが、それらに限定されない。ポリエーテルイミドも企図される。
ポリアミドは、当該技術分野において既知のように調製されてもよく、又は市販されている。変性ポリアミドの調製の例は、例えば、米国特許第6,172,178号に記載されている。
上述のポリアミドは、多くの場合、「NYLON」の商品名でDuPontから市販されている。脂肪族ポリアミドPA6、PA 11、PA 12、及びPA 612は、例えば、米国ペンシルバニア州のDuPont又はEnsinger/PennFibreから市販されている。
ポリアミドPA 4.6は、STANYLの商品名でDSMから入手可能である。
ポリエーテルイミドは、例えば、ULTEMの商品名でSabic Innovative Plasticsから市販されている。ポリフタルアミドは、AMODELの商品名でSolvay Advanced Polymersから、又はVESTAMIDの商品名でEvonik Industriesから市販されている。ポリアミド−イミドは、TORLONの商品名でSolvay Advanced Polymersから市販されている。ポリアリールアミドは、IXEFの商品名でSolvay Advanced Polymersから市販されている。非晶質ポリアミドNDT/INDTは、ポリアミド6−3−Tとしても既知であり、EvonikからTROGAMIDの商品名で市販されている。ポリエーテル含有ポリアミドは、PEBAXの商品名で(Atochem North America,Philadelphiaから)市販されている。
フルオロエラストマー−ポリアミド複合体を製造するプロセス
複合材料は、上述のような過酸化物硬化性フルオロエラストマーを含有し、上述のような過酸化物硬化剤及び添加剤を更に含有する第1の構成要素を、上述のような第2の構成要素と接触させ、フルオロエラストマーを硬化に供することによって、形成される。これは、通常、上述及び後述の熱及び圧力処理を伴う。したがって、フルオロエラストマーは、第2の構成要素上に硬化され、強い結合を生成する。その結果、本プロセスは構成要素間に直接結合の形成をもたらす。熱安定性結合を生成するために、接着剤、プライマー、コーティング、又はタイ層を追加する必要はない。したがって、上述のような過酸化物硬化性フルオロエラストマーは、例えば、上述のようにフルオロエラストマーを第1の構成要素及び第2の構成要素として含む複合材料といった、フルオロエラストマー−ポリアミド境界面を有する複合物品における結合の熱安定性を増大するために使用され得る。
好ましくは、第2の構成要素、又はフルオロエラストマーに接触する第2の構成要素の少なくとも表面は、フルオロエラストマーに接触しフルオロエラストマーを硬化する前に、高温にされる。より好ましくは、第2の構成要素、又は硬化性フルオロポリマーに接触する表面は、フルオロエラストマーを硬化するために使用されるものとおよそ同じ温度にされ、好ましくは硬化中、その温度に維持される。好ましくは、温度は、第2の構成要素が依然として固体である温度である。典型的には、温度は(1.8MPa又は0.45MPaの負荷にて)第2の構成要素のHDTを下回る。典型的には、第2の構成要素は、少なくとも約100℃、好ましくは少なくとも130℃、及び最も好ましくは少なくとも160℃にされる。典型的には、第2の構成要素は、硬化性フルオロポリマーと接触する前、及び接触する間、170℃を上回るが230℃を下回る温度にされる。ポリアミド樹脂全体ではなく、第2の構成要素の表面を上述の温度にすることで十分であり得る。
結合は、硬化反応中に構成要素の接触を通じて直接生成されるため、接着材料、コーティング、又はプライマーが、結合が生成される構成要素又は構成要素の表面に追加される必要はない。接着剤又はプライマー及びコーティングの例には、同種のエポキシ樹脂又はモノマー、アクリル樹脂又はモノマー、同種の液体(25℃、1バール)又は固体のアミン若しくはポリアミン(典型的には、2,000モル未満の分子量を有する)、液体又は固体リン酸塩が挙げられ、リン酸塩添加ポリマーが添加される必要がある。これは、経済的利点をもたらす。
複合体は、同じ形状付与装置にて一段階プロセスで調製されてもよく、又は同じ形状付与装置にて、又は例えば、圧縮型、注入型、若しくはそれらの組み合せなどがあるがそれらに限定されない型など、異なる形状付与装置にて、2工程又は複数工程のプロセスで調製されてもよい。例えば、ポリアミドは、型内で成形されてよく、次にフルオロエラストマーが、成形されたポリアミドに移され、次にその上に硬化されてよい。これは、同一の型又は異なる型で実行され得る。第1の構成要素及び第2の構成要素を接合し、第1の構成要素を硬化しながら、第1の構成要素及び第2の構成要素を同時に成形することも企図されるが、これは経済的利点を提供する。
しかしながら、構成要素は、事前成形され、次に硬化を受けてもよい。
硬化後、複合体は更なる成形工程に供されてもよい。
結合された複合体は、好ましくは、例えば、約4〜約24時間の期間、例えば、熱風炉又は窒素炉内で、200℃〜260℃の温度に供することによって、後硬化処理に供される。
物品
複合材料は、物品へ、又は成形物品の構成要素へ成形され得る。好ましくは、物品は燃料又はその煙霧に曝露される。燃料は典型的には、例えば、車、航空機、船舶、又は飛行機などの動力車の燃焼機関用燃料である。例としては、液体炭化水素、又は同様のケロシン、ガソリン、ディーゼルなどの、炭化水素混合物が挙げられる。他の例としては、液化プロペン、ブタン、又は液化天然ガスなどの、液化炭化水素が挙げられる。
かかる物品は、通常、シール又はシールの構成要素を含む。好ましくは、かかる物品のフルオロエラストマー構成要素は、燃料又はその煙霧に曝露されているか、又は曝露されるようになる。
かかる物品の例には、シール及びベアリングが挙げられるが、それらに限定されない。シールの例には、シャフトシール、具体的にはカムシャフトシール、バルブステムシール、吸気連結管、又はターボ充電筐体シール及び連結器、油冷却器シール及び連結器が挙げられる。油&ガスの処理又は貯蔵における使用のための物品には、例えば、ケーシングシール、海中安全バルブパック、パッカー、クリスマスツリーシール、電線部品、ガスチェックバルブシール、熱交換器ガスケット、ベアリング、バルブステム、ライザパイプ接続、及び噴出防止装置が挙げられる。
複合材料は、酸、塩基、H2S、原油;メタン、プロパン、ブタン、水素、空気、塩素、アンモニア窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、例えばLNG、SNG、LPG、CNGなどの天然ガス及び液化ガスなどの気体;メタノールなどの溶媒;メチル第三級ブチルエーテル;蒸気;水;掘削土、並びに仕上流体に曝露されるシールに使用され得る。
材料:
フルオロエラストマー:
E−19789:−19℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマー、ドイツ、BurgkirchenのDyneon GmbHから市販。
Dyneon(商標)LTFE−6400:−40℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマー、ドイツ、BurgkirchenのDyneon GmbHから市販。
FC−2144:−18℃のTR−10を有するビスフェノール硬化性フルオロエラストマー、ドイツのDyneon GmbHから市販。このポリマーは、後述のC−FKM−3において成されるようにそれに過酸化物硬化系を添加することによって、二重硬化性にすることができる。
E−20586:−17℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマー、ドイツ、BurgkirchenのDyneon GmbHから入手可能。
ポリアミド:
TPR−1:DSM製STANYL TW 241F6(PA 4,6、30%のガラス繊維で強化)
TPR−2:DSM製STANYL TW241F10(PA4,6、50%のガラス繊維で強化)
TPR−3:DSM製STANYL TW300、PA 4,6、非強化
TPR−4:Solvay Advanced Polymer製AMODEL A−1133HS(ポリフタルアミド、33%のガラス繊維で強化)
TPR−5:Solvay Advanced Polymers製TORLON 4230L(ポリアミドイミド)
添加剤:
Ca(OH):水酸化カルシウム、Rhenofit CF、Rhein Chemieから入手可能
カルナバワックス:Flora(商標)202、Int.Wax & Refining Coから入手可能
Trigonox(商標)101 50D:有機過酸化物、AKZOから入手可能
TAIC:トリアリル−イソシアヌレート、Nippon Kaseiから入手可能
CaO:酸化カルシウム、Rhenofit F、Rhein Chemieから入手可能
SRF N−774:半強化ファーネスカーボンブラック、Degussaから入手可能
MT N−990:カーボンブラック、Cancarbから入手可能
FEF N550:カーボンブラック、Cabot Corporationから入手可能
ZnO:酸化亜鉛
MgO:酸化マグネシウム
Aerosil(登録商標)R972V:疎水性ヒュームドシリカ、Evonikから入手可能
Armeen(登録商標)18D:オクタデシルアミン、Akzo Nobelから入手可能
試験方法
硬化レオロジー:
硬化レオロジー試験を非硬化試料上で、ローターレスレオメーターに関するASTM D 5289−93aに従って、Moving Die Rheometer(MDR)Model 2000E Monsantoを使用して、177℃にて8gの試料上で行った。予熱は適用しなかった。100cpm及び0.5°アークのオシレータ周波数を使用した。
最小トルク(ML)、最大トルク(MH)、及びMHとMLとの間の差異(デルタトルク)を報告した。Ts2(MLからのトルクの2単位分の上昇までの時間)、Tc50(MLをデルタトルクの50%分上回ってトルクを増大するまでの時間)、及びTc90(MLをデルタトルクの90%分上回ってトルクを増大するまでの時間)も同様に報告した。
ムーニースコーチを、ASTM 1664、Part C(予備加硫特性の測定)に従って121℃にて測定し、最小粘度(Mmin)、T3(スコーチまでの時間=Mmin+3単位)、及びT18(硬化までの時間:Mmin+18単位)を測定した。
機械的特性:
機械的特性(破断点引張強さ、破断点伸び、ショアA硬度、及び100%伸びにおける応力)を、177℃の型温及び6.9MPaの圧力にて7分間圧縮及び加硫処理した後、230℃にて約16時間、空気循環炉内で後硬化処理を施した150×150×2mmシート上で決定した。
破断点引張強さ、破断点伸び、及び100%伸びにおける応力を、Instron(商標)機械試験機を使用し、1kNのロードセルでDIN 53504(S2 die)に従って決定した。全ての試験は、200mm/分の一定のクロスヘッド変位速度で5回行った。報告値は5回の試験の平均であった。
ムーニー粘度:100℃におけるムーニー粘度(ML 1+10)を、ASTM D1646−06 Type Aに従って測定することができる。
ガラス転移温度(Tg)は、温度変調DSCによって測定することができる。次の測定条件を適用して、Texas Instruments Q200変調DSCを使用できる:2℃/分で150℃から50℃、60秒間で+1℃/分の振幅変調。
温度反射(temperature reflection)温度(TR−10)は、ASTM D 1329に従って測定することができる。
結合強度:
2層間の接着(境界面の強度)を、Instron(登録商標)機械試験機を使用して、「T剥離」試験として一般に既知であるASTM D−1876に従って評価した。クロスヘッド速度は、50mm/分であった。結合は、そのゴム引き裂きの割合によって調べた。ゴム引き裂きは、結合がエラストマーより強いことを示す。これは、破損した結合部上に残るエラストマーの量によって決定し得る。破損した結合部の表面がエラストマーにより完全に覆われている場合、ゴム引き裂きの割合は100%である。構成要素が完全に剥離する場合、結合部にエラストマーは残らず、ゴム引き裂きは0%である。ゴム引き裂きの割合は、目視検査によって、又は撮像ソフトウェアを使用することによって数値的に決定することができる。以下の実施例に示されるゴム引き裂きの割合は、目視検査によって決定した。報告値は、3回の試験の平均である。
熱老化:
硬化後試料を、160℃、180℃、及び200℃で、500、1,000、及び1,500時間、熱風炉内に入れることによって、熱老化に供した。
(実施例):
表1に示す化合物を混合することによって、硬化性フルオロエラストマー組成物を2ロールミル上で製造した(量は、硬化性フルオロエラストマー100重量部あたりの重量部(phr)として与えられる)。
Figure 0006110368
上述の方法に従って、組成物をその硬化レオロジー及び機械的特性に関して試験した。結果を表2に示す。
Figure 0006110368
表2の結果は、全ての実施例において、良好な物理的特性を有する硬化フルオロエラストマーが得られたことを示す。
複合体の調製:
ポリアミドと硬化性フルオロエラストマー組成物との種々の複合材料を調製した。ポリアミドのシート(寸法:75mm×25mm×2.9mm)を、5.82cmの容積を有する型に挿入し、180℃にて30分間予熱した。型を充填するのに適切な量で、フルオロエラストマーシートを追加した。ポリエステルフィルムの細いストリップを縁部で2つのシートの間に挿入し、接着試験装置の各つかみ具内へ挿入するための2つのタブを形成した。型を、2つの加熱したプレートの間で177℃で30分間、50バールにて加圧した。C−FKM−2及びC−FKM−3を含有する得られた積層体を、230℃で16時間、後硬化した。他の積層体は、TPR−5を使用した積層体を除いて、210℃で16時間、事後硬化した。これらの積層体で使用される熱可塑性材料は、プラスチックの特性を最適化するために、イミド化反応を完了するためのプロセスを受ける必要がある。TPR−5熱可塑性材料の硬化条件は、プラスチックの厚さに依存する。種々の厚さに対するこれらの硬化条件は、TPR−5型熱可塑性材料の供給者であるSolvay Advanced Polymerから得ることができる。次のように熱処理を使用した:149℃にて1日、その後191℃にて1日、204℃にて1日、218℃にて1日、232℃にて1日、243℃にて1日、252℃にて1日、及び260℃にて10日。温度は、+/−3℃異なっていてもよい。したがって、イミド化プロセスの合計サイクルは17日間を要した。この熱処理は、プログラム可能な熱風炉内で行った。
室温まで4時間冷却した後、積層体を、1〜2cmの幅を有するストリップに切断し、上述の結合強度試験及び熱老化試験に供した。結果を表3に示す。
Figure 0006110368
表3は、−17℃以下のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーは、異なるポリアミドと良好な結合を提供することを示す。
熱老化
複合体を、空気中で150℃の温度に1000時間曝露することによって、熱老化に供した。室温まで4時間冷却した後、結合強度を再び評価した。結果を、以下の表に示す。
Figure 0006110368
表4は、−17℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーとの結合は、熱処理後に容易に剥離されること、及び熱老化後のゴム引き裂きが無いことを示す(CFKM−1)。熱安定性は、より低いTR−10(−19℃のTR−10(FKM−1)及び−40℃のTR−10(FKM−2))を有するフルオロエラストマーを使用することによって、大きく改善された。
Figure 0006110368
表5は、−19℃のTR−10(FKM−1)を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーで製造した複合材料は、−17℃のTR−10(C−FKM−1)を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーと比較して、様々なレベルの強化材料において、複合材料の熱安定性を改善することを示している。
表5と表4との比較は、−40℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーが、50%のレベルの強化材料に対してさえも劣化を示さなかったことを示す(TPR−1とFKM−2、及びTPR−1とFKM−1の組み合せ)。
極めて低いTR−10の過酸化物硬化性フルオロエラストマーの異なるポリアミドとの複合体を、異なる熱老化レジームに供し、−17℃のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーとの複合体と比較した。室温まで4時間冷却した後、結合強度を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006110368
表6は、異なるポリアミドに関する開示による過酸化物硬化性フルオロエラストマーの熱老化後の改善された性能を示す。
それらに対する開示を限定することを意図せずに、本開示を更に例証するために、以下の特定の実施形態のリストも提供される。
実施形態1.第2の構成要素に直接結合される第1の構成要素を含む複合材料であって、第1の構成要素が、ASTM D 1329に従って測定されたときに−19℃以下の回復温度TR−10を有する過酸化物硬化フルオロエラストマーを含み、第2の構成要素が、ポリアミド樹脂を含む、複合材料。
実施形態2.フルオロエラストマーが、−25℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態1に記載の複合材料。
実施形態3.フルオロエラストマーが、−35℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態1〜2のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態4.フルオロエラストマーが、−40℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態5.フルオロエラストマーが、VDF、TFE、及び任意追加的な少なくとも1つのペルフルオロ化オレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態6.フルオロエラストマーが、VDF及びHFP、並びに任意追加的な少なくとも1つの任意にペルフルオロ化されたオレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態7.フルオロエラストマーが、TFE及びHFP、並びに任意追加的な少なくとも1つの任意にペルフルオロ化されたオレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態8.フルオロエラストマーがペルフルオロ化されている、実施形態1〜4及び7のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態9.ポリアミド樹脂が、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも190℃の熱変形温度を有する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態10.ポリアミド樹脂が、
−NH−(CH2)6−NH−CO−(CH2)4−CO−、
−NH−(CH2)5−CO−、及び
−HN−(CH2)4−NH−CO−(CH2)4−CO−、から選択される反復単位を含有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態11.ポリアミド樹脂がポリフタルアミドである、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態12.ポリアミド樹脂が、PA 6、PA 6.6、PA 4.6、PA 6.66、及びPA 66.610から選択される、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態13.ポリアミドがPA 4.6である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態14.ポリアミドがPA 6.6である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態15.ポリアミドがPA 6である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態16.ポリアミド樹脂がポリアミドイミドである、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態17.ポリアミド樹脂が強化ポリアミドである、実施形態1〜16のいすれか1つに記載の複合材料。
実施形態18.強化ポリアミドが、繊維及びビーズから選択される強化材料を含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態19.強化ポリアミドが、無機繊維及び無機ビーズから選択される強化材料を含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態20.強化ポリアミドが、ガラス繊維及びガラスビーズから選択される強化材料を含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態21.ポリアミドが、230℃を超える融点を有する、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態22.第2の構成要素が、ASTMD 648に従って測定されたときに0.45MPa又は1.8MPaの負荷下にて少なくとも190℃の熱変形温度を有する、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態23.第2の構成要素が、ASTMD 648に従って測定されたときに0.45MPa又は1.8MPaの負荷下にて少なくとも230℃の熱変形温度を有する、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態24.第1の構成要素と第2の構成要素との間の直接結合が、過酸化物硬化性フルオロエラストマーを、過酸化物硬化剤を使用して第2の構成要素と接触させながら硬化させた結果である、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態25.第1の構成要素と第2の構成要素との間の直接結合が、過酸化物硬化性フルオロエラストマーを、過酸化物硬化剤を使用して第2の構成要素と接触させながら硬化させた結果であり、過酸化物硬化性フルオロエラストマーが臭素硬化部位を含有する、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の複合材料。
実施形態26.実施形態1〜25のいずれか1つに記載の複合材料を含む、成形物品。
実施形態27.成形物品が、炭化水素含有燃料又はその煙霧に曝露される少なくとも1つの表面を備えるベアリング及びシールから選択される、実施形態26に記載の成形物品。
実施形態28.複合材料を製造する方法であって、
i)
a)−19℃以下のTR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーを含み、少なくとも1つの過酸化物硬化剤を更に含む、第1の構成要素、
b)ポリアミド樹脂を含む第2の構成要素、を提供する工程と、
ii)第1の構成要素を第2の構成要素と接触させ、フルオロエラストマーを硬化させることによって、第1の構成要素と第2の構成要素との間に直接結合を形成する工程と、を含む、方法。
実施形態29.第1の構成要素に接触させる第2の構成要素の少なくとも表面が、工程ii)が実行されるときに、少なくとも100℃の温度に達している、実施形態28に記載の方法。
実施形態30.第2の構成要素が、工程ii)が実行されるときに、100℃〜230℃の温度に達している、実施形態28又は29に記載の方法。
実施形態31.第2の構成要素が、硬化が実行されるときに成形される、実施形態28〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32.第1の構成要素及び第2の構成要素が、工程ii)が実行されているときに成形される、実施形態28〜31のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33.フルオロエラストマーが、−25℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態28〜32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34.フルオロエラストマーが、−35℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態28〜33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35.フルオロエラストマーが、−40℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態28〜34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36.フルオロエラストマーが、VDF、TFE、及び任意追加的な少なくとも1つのペルフルオロ化オレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態28〜35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37.フルオロエラストマーが、VDF及びHFP、並びに任意追加的な少なくとも1つの任意にペルフルオロ化されたオレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態28〜36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38.フルオロエラストマーが、TFE及びHFP、並びに任意追加的な少なくとも1つの任意にペルフルオロ化されたオレフィンエーテルから選択されるモノマーの組み合せから誘導される反復単位を含む、実施形態28〜37のいずれか1つに記載の方法。
実施形態39.フルオロエラストマーがペルフルオロ化されている、実施形態28〜38のいずれか1つに記載の方法。
実施形態40.ポリアミド樹脂が、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも190℃の熱変形温度を有する、実施形態28〜39のいずれか1つに記載の方法。
実施形態41.ポリアミド樹脂が、
−NH−(CH−NH−CO−(CH−CO−、
−NH−(CH−CO−、及び
−HN−(CH−NH−CO−(CH−CO−、から選択される反復単位を含有する、実施形態28〜40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42.ポリアミド樹脂がポリフタルアミドである、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態43.ポリアミド樹脂が、PA 6、PA 6.6、PA 4.6、PA 6.66、及びPA 66.610から選択される、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態44.ポリアミドがPA 4.6である、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態45.ポリアミドがPA 6.6である、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態46.ポリアミドがPA 6である、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態47.ポリアミド樹脂がポリアミドイミドである、実施形態28〜41のいずれか1つに記載の方法。
実施形態48.ポリアミド樹脂が強化ポリアミドである、実施形態28〜47のいずれか1つに記載の方法。
実施形態49.強化ポリアミドが、繊維及びビーズから選択される強化材料を含む、実施形態28〜48のいずれか1つに記載の方法。
実施形態50.強化ポリアミドが、無機繊維及び無機ビーズから選択される強化材料を含む、実施形態28〜49のいずれか1つに記載の方法。
実施形態51.強化ポリアミドが、ガラス繊維及びガラスビーズから選択される強化材料を含む、実施形態28〜50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態52.ポリアミドが、230℃を超える融点を有する、実施形態28〜51のいずれか1つに記載の方法。
実施形態53.第2の構成要素が、ASTMD 648に従って測定されたときに0.45MPa又は1.8MPaの負荷下にて少なくとも190℃の熱変形温度を有する、実施形態28〜52のいずれか1つに記載の方法。
実施形態54.第2の構成要素が、ASTMD 648に従って測定されたときに0.45MPa又は1.8MPaの負荷下にて少なくとも230℃の熱変形温度を有する、実施形態28〜53のいずれか1つに記載の方法。
実施形態55.第1及び第2の構成要素間の直接結合が、過酸化物フルオロエラストマーを、過酸化物硬化剤を使用して第2の構成要素と接触させながら硬化させた結果である、実施形態28〜54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56.過酸化物硬化性フルオロエラストマーが、臭素硬化部位を含有する、実施形態28〜55のいずれか1つに記載の方法。
実施形態57.実施形態28〜56のいずれか1つに記載の方法によって獲得可能である、複合材料。
実施形態58.フルオロエラストマーである第1の構成要素と、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂である第2の構成要素との間の結合の熱安定性を増大させるための、ASTM D1329に従って測定されたときに−19℃以下の回復温度TR−10を有する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載される過酸化物硬化性フルオロエラストマーの使用。
実施形態59.ポリアミド樹脂が、実施形態10〜21のいずれか1つに記載される通りである、実施形態58に記載の使用。
実施形態60.フルオロエラストマーが臭素硬化部位を含有する、実施形態58及び59のいずれかに記載の使用。

Claims (6)

  1. 第2の構成要素に直接結合される第1の構成要素を含む複合材料であって、前記第1の構成要素が、ASTM D1329に従って測定されたときに−19℃以下の回復温度TR−10を有する過酸化物硬化フルオロエラストマーを含み、前記第2の構成要素が、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂を含む、複合材料。
  2. 前記ポリアミド樹脂が、PA 6、PA 6.6、PA 4.6、PA 6.66、及びPA 66.610から選択される、請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記ポリアミド樹脂がポリフタルアミド及びポリアミドイミドから選択される、請求項1に記載の複合材料。
  4. 請求項1に記載の複合材料を含む、成形物品。
  5. 前記物品が、燃料又はその煙霧に曝露される少なくとも1つの表面を備えるベアリング及びシールから選択される、請求項4に記載の成形物品。
  6. 空気中で150℃の温度に1000時間曝露して室温まで4時間冷却した後の第1の構成要素と第2の構成要素との間の結合強度が50%ゴム引き裂き以上であるように、フルオロエラストマーである第1の構成要素と、ASTM D648に従って測定されたときに0.45MPaの負荷下にて少なくとも130℃の熱変形温度(HDT)を有するポリアミド樹脂である第2の構成要素との間の結合の熱安定性を増大させるための、ASTM D1329に従って測定されたときに−19℃以下の回復温度TR−10を有する過酸化物硬化性フルオロエラストマーの使用。
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