JP6109641B2 - 部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法、及び鋼板矯正治具 - Google Patents
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Description
また、鋼板巻き立て工法でかみ合わせ継手を用いた工法もある(特許文献4参照)。
また、橋脚の耐震補強においても、鋼板巻き立て施工が困難な場合が考えられる。
橋脚や高架橋の脚柱等の柱状構造物に補強鋼板を巻き立てる鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記柱状構造物に部分的に補強鋼板を巻き立てた後、所定期間経過してから前記柱状構造物の残る部分に補強鋼板を巻き立てる部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法を特徴とする。
請求項1に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板と柱状構造物との間に充填材を充填することを特徴とする。
請求項2に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板の端部と柱状構造物との間隙に、前記充填材の漏れを防止する漏れ防止材を介設することを特徴とする。
請求項3に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記漏れ防止材として鋼材、コーキング、ゴム、パッキン材、エアホース材、チューブ材の少なくとも一つを用いることを特徴とする。
請求項1から4のいずれか一項に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板に対し、前記柱状構造物の残る部分に巻き立てる補強鋼板を、互いに固定する接続継手を用いて閉合することを特徴とする。
請求項5に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記補強鋼板の両先端部を広げまたは縮めて、前記柱状構造物に前記補強鋼板を装着することを特徴とする。
請求項6に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記補強鋼板の両先端部を広げて、前記柱状構造物に先行して前記補強鋼板を装着することを特徴とする。
請求項7に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記補強鋼板の両先端部を縮めて、前記柱状構造物の残る部分に前記補強鋼板を装着することを特徴とする。
請求項6から8のいずれか一項に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法における前記補強鋼板の両先端部を広げまたは縮める際に用いる鋼板矯正治具であって、
前記補強鋼板の表面に対し横方向に沿わせる治具本体と、
前記補強鋼板と前記治具本体との間に介在される支点部材と、
前記補強鋼板を前記治具本体に結合する結合具と、を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の鋼板矯正治具であって、
前記治具本体の中央部に前記支点部材が配置されて、前記治具本体の両端部に前記結合具が配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の鋼板矯正治具であって、
前記治具本体の中央部に前記結合具が配置されて、前記治具本体の両端部に前記支点部材が配置されていることを特徴とする。
(実施形態)
図1(a)及び(b)は本発明の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法を適用した高架下の一実施形態の構成を示すもので、1は高架橋、2は脚柱、3はフーチング、4は補強鋼板である。
このとき、脚柱2の両外面の漏れ防止材13に補強鋼板4の両内面の漏れ防止材14が突き当たって互いに当接状態となる。この状態で、左半部の補強鋼板4と脚柱2との間に充填材6を充填し固化させる。
その後、右半部の補強鋼板4と脚柱2との間にも充填材6を充填し固化させる。
図11は充填材6の漏れ防止構造1としてL形鋼材ラップタイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、脚柱2の外面の縦方向に沿ってL形鋼材31があと施工アンカー32により固定されて、そのL形鋼材31の外面に沿ってコーキング材33が塗布されている。また、補強鋼板4の内面には、縦方向に沿ってL形鋼材41が溶接により固定されている。
図12は充填材6の漏れ防止構造2としてL形鋼材溝タイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、脚柱2の外面に縦方向に沿って溝34が掘削されて、その溝34にコーキング材35が充填されている。また、補強鋼板4の内面にL形鋼材41が固定されている。
図13は充填材6の漏れ防止構造3としてL形鋼材ラップパッキンタイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、脚柱2の外面にL形鋼材31があと施工アンカー32により固定されて、そのL形鋼材31の外面にスポンジやゴム等のパッキン材36が貼付されている。また、補強鋼板4の内面にL形鋼材41が固定されている。
図14は充填材6の漏れ防止構造4としてL形鋼材エアホースタイプ1を示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、補強鋼板4の内面にL形鋼材42が固定されて、そのL形鋼材42の内面に沿って、エアを封入する前のエアホース材43を挿入する。
また、L形鋼材42をなしとして、補強鋼板4内面に沿ってエアホース材43を挿入してもよい。
図15は充填材6の漏れ防止構造5としてL形鋼材エアホースタイプ2を示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、脚柱2の外面にL形鋼材31があと施工アンカー32により固定されている。また、補強鋼板4の内面にL形鋼材42が固定されている。そして、L形鋼材31の外面とL形鋼材42の内面に沿って、エアを封入する前のエアホース材44を挿入する。
図16は充填材6の漏れ防止構造6としてL形鋼材ゴム固定タイプ1を示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、補強鋼板4の内面にL形鋼材45が固定されて、そのL形鋼材45の起立片の一面部に沿って、平板状のゴム板材46が固定プレート47で挟み込んで固定されている。
また、ゴム板材46のシール部が、脚柱2に設けたシーリング37に圧接することで、脚柱2の表面に不陸が生じた場合でも充填材6の漏れ防止に効果的に対応できる。
また、ゴム板材46をL形鋼材45の起立片の他面部に沿って固定プレート47で挟み込んで固定してもよい。
図17は充填材6の漏れ防止構造7としてL形鋼材チューブタイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、補強鋼板4の内面にL形鋼材48が固定されて、そのL形鋼材48の先端部に沿って保持溝材49が固定されて、この保持溝材49に、充填材を充填する前のチューブ材51が嵌め込まれている。
また、保持溝材49はどのような断面形状でもよい。
図18は充填材6の漏れ防止構造8としてL形鋼材ゴムパッキンタイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、補強鋼板4の内面に固定されたL形鋼材52の起立片部に沿って、ゴムパッキン材53が貼付されている。
また、ゴムパッキン材53のシール部の形状は任意である。
図19は充填材6の漏れ防止構造9としてL形鋼材ゴム固定タイプ2を示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、補強鋼板4の内面に固定されたL形鋼材52の内側面に沿って、シール部を有する断面略V形のゴム材54が貼付されている。
また、ゴム材54の断面形状は任意である。
図20は充填材6の漏れ防止構造10として継手ゴム固定タイプを示すもので、補強鋼板4端部の接続継手5の内側面に沿って、断面略四角形のゴム材55が貼付されている。
また、補強鋼板4端部の接続継手5が位置する近傍において、脚柱2の外面の縦方向に沿って設けたシーリングに、ゴム材55が圧接するようにしてもよい。
図21から図23は鋼板に装着する矯正治具の構成例1を示すもので、断面略コ字状の補強鋼板4の正面部の表面に横方向に沿って上下一対の鋼板矯正治具61が装着されている。この鋼板矯正治具61は、補強鋼板4の表面に対し横方向に沿わせる治具本体62と、この治具本体62と補強鋼板4との間に介在される支点部材64と、補強鋼板4を治具本体62に結合する結合具と、を備える。
従って、脚柱2に対し補強鋼板4の幅が狭くなっていた場合でも、補強鋼板4を脚柱2にスムーズに装着することができる。
図24から図26は鋼板に装着する矯正治具の構成例2を示すもので、断面略コ字状の補強鋼板4の正面部の表面に横方向に沿って上下一対の鋼板矯正治具71が装着されている。この鋼板矯正治具71は、補強鋼板4の表面に対し横方向に沿わせる治具本体72と、この治具本体72と補強鋼板4との間に介在される支点部材74と、補強鋼板4を治具本体72に結合する結合具と、を備える。
従って、脚柱2に対し補強鋼板4の幅が広くなっていた場合でも、補強鋼板4を脚柱2に装着することができる。
また、構成例1・2の鋼板矯正治具61・71を用いることで、左右の接続継手5を容易かつ確実に接続することができる。すなわち、先行施工された補強鋼板4の接続継手5に対して、後行施工される補強鋼板4の接続継手5を外側から容易かつ確実に接続することができる。
以上の実施形態においては、高架橋の脚柱を対象としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、橋脚であってもよい。
また、実施形態では、柱状構造物の半断面を先行して施工する鋼板巻き耐震補強方法としたが、半断面に限らず、部分的に先行して施工する場合も適用可能である。
さらに、柱状構造部の断面形状や、補強鋼板及びその矯正治具の形状も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 脚柱(柱状構造物)
3 フーチング
4 補強鋼板
5 接続継手
6 充填材
7 掘削
8 あと施工アンカー
9 間隔保持ボルト
10 ナット
11 間仕切り壁
12 撤去部
13 漏れ防止材
14 漏れ防止材
31 L形鋼材
32 あと施工アンカー
33 コーキング材
34 溝
35 コーキング材
36 パッキン材
37 シーリング材
41 L形鋼材
42 L形鋼材
43 エアホース材
44 エアホース材
45 L形鋼材
46 ゴム板材
47 固定プレート
48 L形鋼材
49 保持溝材
51 チューブ材
52 L形鋼材
53 ゴムパッキン材
54 ゴム材
55 ゴム材
61 鋼板矯正治具
62 治具本体
63 通し孔
64 支点部材
66・67 結合具
71 鋼板矯正治具
72 治具本体
73 通し孔
74 支点部材
76・77 結合具
Claims (11)
- 橋脚や高架橋の脚柱等の柱状構造物に補強鋼板を巻き立てる鋼板巻き耐震補強方法であって、
前記柱状構造物に部分的に補強鋼板を巻き立てた後、所定期間経過してから前記柱状構造物の残る部分に補強鋼板を巻き立てることを特徴とする部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。 - 前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板と柱状構造物との間に充填材を充填することを特徴とする請求項1に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板の端部と柱状構造物との間隙に、前記充填材の漏れを防止する漏れ防止材を介設することを特徴とする請求項2に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記漏れ防止材として鋼材、コーキング、ゴム、パッキン材、エアホース材、チューブ材の少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項3に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記柱状構造物に部分的に巻き立てた補強鋼板に対し、前記柱状構造物の残る部分に巻き立てる補強鋼板を、互いに固定する接続継手を用いて閉合することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記補強鋼板の両先端部を広げまたは縮めて、前記柱状構造物に前記補強鋼板を装着することを特徴とする請求項5に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記補強鋼板の両先端部を広げて、前記柱状構造物に先行して前記補強鋼板を装着することを特徴とする請求項6に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 前記補強鋼板の両先端部を縮めて、前記柱状構造物の残る部分に前記補強鋼板を装着することを特徴とする請求項7に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法。
- 請求項6から8のいずれか一項に記載の部分先行施工型鋼板巻き耐震補強方法における前記補強鋼板の両先端部を広げまたは縮める際に用いる鋼板矯正治具であって、
前記補強鋼板の表面に対し横方向に沿わせる治具本体と、
前記補強鋼板と前記治具本体との間に介在される支点部材と、
前記補強鋼板を前記治具本体に結合する結合具と、を備えることを特徴とする鋼板矯正治具。 - 前記治具本体の中央部に前記支点部材が配置されて、前記治具本体の両端部に前記結合具が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の鋼板矯正治具。
- 前記治具本体の中央部に前記結合具が配置されて、前記治具本体の両端部に前記支点部材が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の鋼板矯正治具。
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