JP5980697B2 - 既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法 - Google Patents

既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法 Download PDF

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本発明は、既設建築物に設けられた杭基礎を補強するための好適な既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法に関する。
1981年建築基準法施行令の改正以前に設計施工された既設建築物の中には、現行の耐震基準を満たさない耐震補強を必要とするものが数多く存在する。阪神大震災以後、既設建築物の上部構造の補強については重点的に耐震補強が行われてきたが、既設建築物の基礎は、上部構造に比べて、工事の規模が大きくなり施工性及び経済性も悪いため、耐震補強があまり行われていないのが現状である。
しかし、東日本大震災では、杭基礎の損傷破壊が数多く報告されており、今後、杭基礎の耐震補強の必要性が増すと考えられる。こうした、杭基礎の耐震補強を行うに際し、施工性及び経済性に優れた杭基礎の耐震補強工法の確立が期待されている。
かかる杭基礎の補強方法として、従来において鋭意検討された結果、例えば、特許文献1及び特許文献2の開示技術が提案されている。例えば、特許文献1の開示技術では、既設フーチングの周囲に、複数枚の凹凸形鋼矢板を波形となるように互いに連結したものからなる鋼矢板壁を構築し、鋼矢板壁と既設フーチングとの間の地盤を掘削し、鋼矢板壁と内側谷部内の地盤に鋼管杭を打ち込み、鋼矢板壁と既設フーチングとの間にコンクリートを打設して新設フーチングを構築し、鋼矢板壁と鋼管杭と新設フーチングとを一体化する既設杭基礎の補強方法が提案されている。これは、フーチング上の構造物の中心に対して杭の位置を遠くに配置し、杭の有する軸方向剛性を有効活用している。しかし、鋼矢板と鋼管杭とは独立して施工されているため、施工性及び経済性の面で問題があった。また、既設杭の杭頭補強を含めて既設の杭自体に対して何ら補強がなされていない点で問題があった。
また、特許文献2の開示技術では、既設杭基礎と近接する位置に既設杭基礎の外側を取り囲むように設置された第一型枠と、第一型枠の外側を取り囲むように設置された第二型枠と、既設杭基礎と第一型枠との間と第一型枠と第二型枠との間にそれぞれ充填材を充填し、第一型枠の外周面と第二型枠の内周面に複数の突起がそれぞれ設けられてなる既設杭基礎の補強方法が提案されている。これは、各型枠に複数のスタッド等の突起を設けることで、既設杭基礎とその外側に充填された充填材との一体化を行い、既設杭基礎を傷つけずに補強することができる。しかし、このスタッド等の突起は、既設フーチングと第一型枠との一体性を高めるためのものであり、既設杭の杭頭補強を含めて既設の杭自体に対して何ら補強がなされていない点で問題があった。また、既設フーチングと第一型枠、第一型枠と第二型枠とはコンクリートと突起を介して固定されているものの、第一型枠と第二型枠と既設フーチングが直接固定されていないため、コンクリートが劣化した場合には、第一型枠と第二型枠と既設フーチングとの固定が解除される問題点があった。更に既設杭の杭頭補強を含めて既設の杭自体に対して何ら補強がなされていない点で問題があった。
特開2012−31679号公報 特開2010−95907号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、補強鋼板壁と既設フーチングを一体化させて固定して既設杭の杭頭補強を行うと同時に既設杭基礎自体も補強を行なえる施工性、経済性に優れた既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法は、次のように構成する。
本願第1の発明は、杭の上端にフーチングを有する既設杭基礎の補強構造であって、補強鋼板が複数連結され、前記フーチングの周囲近傍の地盤に圧入されると共に最上部の補強鋼板が接合部材を介して前記フーチングに取り付けられて形成された補強鋼板壁と、前記補強鋼板における前記フーチングと対向する面に取り付けられた補強部材と、
前記補強鋼板壁と前記既設杭基礎との間の地盤が掘削されて形成された間隙に充填された経時性硬化材とを備え、前記補強鋼板壁は、前記経時性硬化材により前記フーチングと前記接合部材と前記補強部材と前記既設杭基礎の杭頭部と一体化されて固定されていることを特徴とする。
本願第2の発明は、杭の上端にフーチングを有する既設杭基礎の補強方法であって、前記フーチングの周囲近傍の地盤を施工基面から所定深度まで掘削する地盤掘削工程と、事前に前記フーチングと対向する面に補強部材が取り付けられた補強鋼板を平面視で前記フーチングの周囲を囲むように1段毎に複数連結して形成した補強鋼板壁を前記地盤掘削工程で掘削された地盤上に組み立てると共に当該補強鋼板壁を前記フーチングの側面に取り付けた圧入装置を介して、当該地盤に圧入して補強鋼板壁ユニットを形成する補強鋼板壁ユニット形成工程と、前記フーチングの側面を削孔し、その削孔した孔に接合部材を取り付ける接合部材取付工程と、最上部の補強鋼板を前記接合部材を介して前記フーチングに取り付けると共に前記補強鋼板壁ユニットと連結して前記フーチングの周囲に補強鋼板壁を構築する補強鋼板壁構築工程と、前記補強鋼板壁と前記既設杭基礎との間隙に前記補強鋼板壁の上端から前記所定深度まで経時性硬化材を充填することにより、前記補強鋼板壁を前記フーチングと前記接合部材と前記補強部材と前記既設杭基礎の杭頭部と一体化して固定する経時性硬化材充填工程と、前記地盤掘削工程で掘削された地盤を前記施工基面まで埋め戻す地盤埋め戻し工程とを有することを特徴とする。
第1又は第2の発明によると、補強鋼板壁が経時性硬化材によりフーチングと接合部材と補強部材と既設杭基礎の杭頭部と一体化されて新設フーチングとなるため、個別の杭ごとの補強ではなく、個別のフーチングごとに杭頭補強を行うことができる。これにより、杭頭の剛性と耐力が向上する。また、当該一体化で補強部材を含めた補強鋼板壁により杭を新たに増設したものと同様の効果が得られ、既設杭基礎は、地盤そのものに対する支持力が向上する。また、フーチングを補強鋼板壁で囲むことにより、地震等により杭に加わる水平力の低減に繋げることができる。
また、フーチングの側面に取り付ける圧入装置を介して補強鋼板壁を1段毎に圧入していくため、作業スペースを非常に小さくすることができ、高さ制限がある場所や非常に狭隘な場所でも施工が可能となり施工性及び経済性が向上する。また、補強鋼板が接合部材を介してフーチングに取り付けられることにより、接合部材の長さを短くすることで、補強鋼板壁とフーチングとの間の距離を短くすることができる。これにより、施工性及び経済性が向上する。更に、補強方法としても、補強鋼板に補強部材が事前に工場で取り付けられているため、補強鋼板の圧入と杭の増設とを施工現場で独立した工程として行うのではなく、同時に施工することができることになり、施工性及び経済性が向上する。
本発明を適用した既設杭基礎の補強構造の一部縦断正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強構造の図1のA−A´断面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法において施工基面から所定深度まで掘削した状態を示す正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法において既設建築物のフーチング側面に圧入装置を設置すると共に補強鋼板の連結を行う状態を示す正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法において圧入装置を介して連結された補強鋼板を圧入する状態を示す正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法における補強鋼板の圧入と組立が完了して、圧入装置を撤去した状態を示す正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法におけるフーチングにアンカー削孔し、その削孔した孔にアンカーボルト本体を挿通させた状態を示す正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法におけるフーチングと補強鋼板をアンカーボルトで締結した状態を示す一部縦断正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法におけるフーチングと補強鋼板との間に経時性硬化材を充填して一体化した状態を示す一部縦断正面図である。 本発明を適用した既設杭基礎の補強方法における地盤の埋め戻し後の一部縦断正面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る既設杭基礎の補強構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した既設杭基礎の補強構造1は、既設杭基礎34と、既設杭基礎34の周囲近傍の地盤8に圧入されると共に既設杭基礎34に接合部材5を介して取り付けられた補強鋼板壁2と、既設杭基礎34と補強鋼板壁2との間隙に充填された経時性硬化材6とを備える。更に、図1に示す既設杭基礎の補強構造1は、既設杭基礎34の上端に固定された既設建築物の柱91と、柱91間に架け渡された梁92とを備える。
既設杭基礎34は、例えば、既設建築物を支持する基礎であり、杭3と、杭3の上端に固定されたフーチング4とを有する。
杭3は、例えば、断面略円形状の杭を想定している。しかし、これに限定されることなく、杭3は、既設建築物の既設杭に使用されるものであれば、矩形等を含めて如何なる断面形状、大きさであっても良い。また、杭3は、杭の先端を支持層に到達させ、杭の先端に上向きに働く先端支持力によって荷重を支える支持杭でも、杭の先端を支持層まで到達させずに杭の側面と地盤との間に働く周面摩擦力によって荷重を支える摩擦杭のどちらであってよい。また、杭3は、鋼管杭、木杭、コンクリート杭の何れの素材の杭であってもよい。
フーチング4は、例えば、既設建築物の基礎に用いられる断面形状が略矩形のものを想定している。しかし、これに限定されることなく、フーチング4は、既設建築物の基礎に使用されるものであれば、略円形等を含めて如何なる断面形状、大きさであってもよい。
図1に示す地盤8は、例えば、梁92の上端まで覆っている。従って、床材を撤去することにより、梁92の上端を地表に露出させて、梁92の上端を施工基面8aとして掘削することができる。しかし、これに限定されることなく、地盤8が梁92の上端よりも下方にあってもよく、いずれにしても地盤8の地表に露出している面が施工基面8aとなる。また、図3に示す地盤8は、施工基面8aから所定深度まで掘削されて補強鋼板壁2の圧入が開始される面を掘削面8bとしている。
図2に示す接合部材5は、例えば、アンカーボルトを想定している。接合部材5は、フーチング4の図示しない貫通孔及び補強鋼板壁2の図示しない貫通孔に挿通されたアンカーボルト本体51と補強鋼板壁2の外側からナット52が螺着固定されている。しかし、これに限定されることなく、接合部材5は、鉄筋やスタッド等であってもよく、フーチング4に補強鋼板壁2を取り付けることができるものであれば、如何なる形状、大きさ、素材であってもよい。
補強鋼板壁2は、フーチング4の周囲を略矩形に囲むように設けられた補強鋼板壁本体21と、補強鋼板壁本体21におけるフーチング4と対向する面に取り付けられた補強部材22とを有する。
補強鋼板壁本体21は、平板状の単体の補強鋼板20が地盤8に圧入されると共に補強鋼板20が溶接等によりフーチング4の周囲及び圧入方向に複数連結されて形成されている。また、補強鋼板壁本体21の最上部の補強鋼板20aが接合部材5を介してフーチング4に取り付けられる。この補強鋼板20は、地盤8の掘削面8b上に平面視でフーチング4の周囲を囲むように1段毎に溶接等により複数連結され、フーチング4の側面に取り付けられた圧入装置7を介して掘削面8bから地盤8内に圧入される。
ここで、補強鋼板20が地盤8に圧入される際に使用する圧入装置7について説明する。圧入装置7は、フーチング4の側面に取り付けられた反力用鋼板71と、反力用鋼板71に取り付けられたベース部材72と、ベース部材72の両端近傍に鉛直方向に立設して上方に延長された一対のブラケット73と、一対のブラケット73の間に取り付けられたジャッキ76と、ジャッキ76の下端に必要に応じてスペーサー78を介して取り付けられた加圧部材77と、ブラケット73の上端側の側面近傍に取り付けられた一対のアーム74と、一対のアーム74の先端に取り付けられると共にフーチング4の側面に固定された支圧板75とから構成される。
反力用鋼板71は、正面視で略矩形状であり、フーチング4の側面に固定された図示しない帯状鋼板と、帯状鋼板の略中央に固定された図示しない厚肉鋼板とからなる。この帯状鋼板と厚肉鋼板は、フーチング4の側面にボルト等で固定されている。
ベース部材72は、反力用鋼板71の厚肉鋼板と面接触状態で当接されて、側面視で当該厚肉鋼板を囲むように断面略コの字形状に形成されている。
ブラケット73は、ベース部材72の略中央に間隔を置いて取り付けられ、その上端近傍に図示しない貫通孔に貫通されて固定された図示しない支軸支承用の部材を有している。
ジャッキ76は、ブラケット73の支軸支承用の部材の溝にジャッキ76のシリンダ側の各支軸が嵌合載置されて上方に延長されている。または、ジャッキ76は、伸縮式であり、その下端にピストン79を有している。
スペーサー78は、略短柱状のブロックであり、ジャッキ76の直下に必要に応じて直列に複数連結されることにより、掘削面8bから地表に組み立てられた補強鋼板20の上端と加圧部材77との間の距離を繋ぐ役割を果たしている。
加圧部材77は、ウェブ部の両端にフランジ部を有する断面コの字形状であり、そのウェブ部の上端にあるフランジ部がピストン79に取り付けられている。加圧部材77は、補強鋼板20を掘削面8bから下方に地盤8内に圧入していく際に補強鋼板20に直接当接させるための部材である。
アーム74は、ブラケット73の当該支軸支承用の部材が取り付けられたブラケット73にある貫通孔の周囲に図示しない更なる貫通孔があり、当該貫通孔にボルト等が挿通されて固定され、側面視で略L字形状に上方に延長されている。
支圧板75は、アーム74の先端に取り付けられた反力用鋼板71よりも上方のフーチング4の側面に溶接等により固定されている。アーム74の先端に支圧板75を有することにより、ジャッキ76の伸縮により補強鋼板20を圧入する場合に作用する曲げモーメントをアーム74及び支圧板75により受けてフーチング4に伝達することができる。
図2に示す補強部材22は、例えば、断面H形鋼を想定している。補強部材22は、各補強鋼板20に設計条件に応じて事前に工場等で複数取り付けられ、補強鋼板20を圧入方向に連結することにより、補強鋼板壁本体21におけるフーチング4と対向する面に対して圧入方向全体に取り付けられる。しかし、これに限定されることなく、補強部材22は、T字型のリブ等、補強鋼板壁2におけるフーチング4と対向する面に取り付けられて必要とされる補強剛性を有していれば、いかなる形状、素材であってもよい。なお、補強部材22は、補強鋼板壁2が略円形状に形成されていれば、特に補強鋼板壁2に設けなくても補強鋼板壁2の補強剛性を確保できる場合もある。
経時性硬化材6は、例えば、モルタルやコンクリート等を想定している。経時性硬化材6は、狭い場所であればモルタルが望ましく、広い場所であればコンクリートが望ましい。品質面からは、狭い場所の場合は、コンクリートであると骨材等により密実に充填できない可能性がある。一方、モルタルは、骨材等がなくコンクリートと異なり狭い場所でも密実に充填できる。広い場所の場合は、コンクリートでもほぼ密実に充填できる。また、施工性の面からは、広い場所であれば、コンクリートを打設する配管やホース等が通るが、狭い場所であれば、コンクリートを打設する配管やホース等が通らないため、モルタルが使用される。更に、経済性の面からは、コンクリートは、モルタルに比べて経済的であるので、広い場所の場合は使用される。更に、経時性硬化材6が、最上部の補強鋼板20aの上端とフーチング4の間隙から注入されることにより、補強鋼板壁2と既設杭基礎34の間隙が補強鋼板壁2の上端から掘削面8bまで充填される。
柱91は、フーチング4の上端に固定された既設建築物の柱を想定している。また、梁92は、既設建築物の柱91間に架設されると共にフーチング4に固定された梁を想定している。
次に、本発明を適用した既設杭基礎の補強構造1における既設杭基礎の補強方法について図3〜図10を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すとおり、既設杭基礎の補強方法は、まず既設建築物にフーチング4の周囲に近隣構造物等があり作業スペースがない場合は床を必要に応じて撤去して、梁92の上端を地表に露出させる。次に、地盤8の施工基面8aから掘削面8bまでの所定深度を掘削して掘削孔8cを構築する。掘削面8bは、一般的にフーチング4の下端から1m程度下方の位置にある。これにより、柱91、梁92、杭3の上端近傍及びフーチング4を地表に露出させる。
次に、図4に示すとおり、フーチング4の側面に反力用鋼板71を取り付けてその反力用鋼板71に圧入装置本体を取り付けて圧入装置7を設置する。また、掘削孔8cに作業員94が入り、掘削面8b上でフーチング4を囲むことのできるように複数の補強鋼板20を作業員94が溶接等を行いながら連結させて組み立てる。なお、この補強鋼板20は、フーチング4と対向する面に補強部材22を事前に工場で取り付けた状態で施工現場に運搬されている。
次に、図5に示すとおり、圧入装置7を介して複数連結された補強鋼板20を掘削面8bから地盤8内に圧入していく。
次に、図6に示すとおり、図4に示す補強鋼板20の溶接及び組み立てと、図5に示す補強鋼板20の圧入を繰り返しながら、補強鋼板20の圧入を完了させて補強鋼板壁ユニット23を完成させる。その後、フーチング4の側面に取り付けられた圧入装置7を撤去する。
次に、図7に示すとおり、フーチング4の側面にアンカー削孔を行い、その削孔された孔にアンカーボルト本体51を挿通してエポキシ樹脂等で接着して固定する。
次に、図8に示すとおり、最上部の補強鋼板20aの図示しない貫通孔にアンカーボルト本体51を挿通させて最上部の補強鋼板20aの外側からナット52を螺着固定すると共に最上部の補強鋼板20aの下端と補強鋼板壁ユニット23の上端とを図示しない作業員による溶接等で連結して、補強鋼板壁2を完成させる。これにより、補強鋼板壁2を接合部材5を介してフーチング4に固定する。
なお、図1〜図10に示す既設杭基礎の補強構造及び既設杭基礎の補強方法では、補強部材22が補強鋼板20に取り付けられた場合を示しているが、設計条件によっては、補強部材22が補強鋼板壁2に取り付けられていない場合もある。
次に、図9に示すとおり、最上部の補強鋼板20aとフーチング4の間隙から経時性硬化材6を注入することにより、補強鋼板壁2と既設杭基礎34との間隙に対して最上部の補強鋼板20aの上端から掘削面8bまでの間を経時性硬化材6を充填させる。この経時性硬化材6により、補強鋼板壁2は、フーチング4と接合部材5と補強部材22と既設杭基礎34の杭頭部と一体化されて固定される。
次に、図10に示すとおり、掘削された地盤8を施工基面8aまで埋め戻して復旧させ、既設杭基礎の補強構造1が完成する。
この既設杭基礎の補強構造1は、補強鋼板壁2が経時性硬化材6によりフーチング4と接合部材5と補強部材22と既設杭基礎の杭頭部と一体化されて新設フーチングとなるため、個別の杭ごとの補強ではなく、個別のフーチングごとに杭頭補強を行うことができる。これにより、杭3の杭頭の剛性と耐力が向上する。また、当該一体化で補強部材22を含めた補強鋼板壁2により杭を増設したものと同様の効果が得られ、既設杭基礎34は、地盤8そのものに対する支持力が向上する。また、フーチング4を補強鋼板壁2で囲むことにより、地震等により杭3に加わる水平力の低減に繋げることができる。
フーチング4の側面に取り付けられた圧入装置7を介して補強鋼板壁2を圧入していくため、作業スペースを非常に小さくすることができ、高さ制限がある場所や非常に狭隘な場所でも施工が可能となり施工性及び経済性が向上する。また、補強鋼板20が接合部材5を介してフーチングに取り付けられることにより、接合部材5の長さを短くすることで、補強鋼板壁2とフーチングとの間の距離を短くすることができる。これにより、施工性及び経済性が向上する。更に、補強方法としても、補強鋼板20に補強部材22が事前に工場で取り付けられているため、補強鋼板20の圧入と杭3の増設とを施工現場で独立した工程として行うのではなく、同時に施工することができることになり、施工性及び経済性が向上する。
上述の既設杭基礎の補強方法は、既設建築物の全てのフーチングに対して実施することもあれば、既設建築物のフーチングのうち、間引きして必要に応じて必要な箇所だけ実施することもある。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたって具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 既設杭基礎の補強構造
2 補強鋼板壁
3 杭
4 フーチング
5 接合部材
6 経時性硬化材
7 圧入装置
8 地盤
8a 施工基面
8b 掘削面
8c 掘削孔
20 補強鋼板
20a 最上部の補強鋼板
21 補強鋼板壁本体
22 補強部材
23 補強鋼板壁ユニット
34 既設杭基礎
51 アンカーボルト本体
52 ナット
71 反力用鋼板
72 ベース部材
73 ブラケット
74 アーム
75 支圧板
76 ジャッキ
77 加圧部材
78 スペーサー
79 ピストン
91 柱
92 梁
94 作業員

Claims (2)

  1. 杭の上端にフーチングを有する既設杭基礎の補強構造であって、
    補強鋼板が複数連結され、前記フーチングの周囲近傍の地盤に圧入されると共に最上部の前記補強鋼板が接合部材を介して前記フーチングに取り付けられて形成された補強鋼板壁と、
    前記補強鋼板における前記フーチングと対向する面に取り付けられた補強部材と、
    前記補強鋼板壁と前記既設杭基礎との間の地盤が掘削されて形成された間隙に充填された経時性硬化材とを備え、
    前記補強鋼板壁は、前記経時性硬化材により前記フーチングと前記接合部材と前記補強部材と前記既設杭基礎の杭頭部と一体化されて固定されていること
    を特徴とする既設杭基礎の補強構造。
  2. 杭の上端にフーチングを有する既設杭基礎の補強方法であって、
    前記フーチングの周囲近傍の地盤を施工基面から所定深度まで掘削する地盤掘削工程と、
    事前に前記フーチングと対向する面に補強部材が取り付けられた補強鋼板を平面視で前記フーチングの周囲を囲むように1段毎に複数連結して形成した補強鋼板壁を前記地盤掘削工程で掘削された地盤上に組み立てると共に当該補強鋼板壁を前記フーチングの側面に取り付けた圧入装置を介して、当該地盤に圧入して補強鋼板壁ユニットを形成する補強鋼板壁ユニット形成工程と、
    前記フーチングの側面を削孔し、その削孔した孔に接合部材を取り付ける接合部材取付工程と、
    最上部の補強鋼板を前記接合部材を介して前記フーチングに取り付けると共に前記補強鋼板壁ユニットと連結して前記フーチングの周囲に補強鋼板壁を構築する補強鋼板壁構築工程と、
    前記補強鋼板壁と前記既設杭基礎との間隙に前記補強鋼板壁の上端から前記所定深度まで経時性硬化材を充填することにより、前記補強鋼板壁を前記フーチングと前記接合部材と前記補強部材と前記既設杭基礎の杭頭部と一体化して固定する経時性硬化材充填工程と、
    前記地盤掘削工程で掘削された地盤を前記施工基面まで埋め戻す地盤埋め戻し工程とを有すること
    を特徴とする既設杭基礎の補強方法。
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