JP6579902B2 - トンネル補強構造 - Google Patents
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また、トンネルの施工後に地下水位の低下や地殻変動等が生じると、トンネルへの外力の作用状況が変化する場合もある。
外力の作用状況が変化すると、トンネル覆工の作用応力状態が変化し、トンネル覆工に変形が生じるおそれがある。
また、老朽化に起因するトンネル覆工の変形も懸念されている。
また、本出願人は、特許文献1に示すように、断面コ字状の鋼材を開口面がトンネル覆工側になるように配置するとともに、この鋼材とトンネル覆工とにより形成された空間にゴムチューブを配置しておき、このゴムチューブ内に充填固化材を加圧注入する方法を開発した。
ところが、前記従来の補強方法は、トンネル覆工の内面を全体的に補強するものであるため、インバートを有するトンネルには適用が難しかった。
ところが、炭素繊維シートによる補強構造は、コンクリートの剥落防止としての効果は得られるものの、トンネル覆工の補強効果は小さい。
また、トンネル内へ支柱や梁等の支保材を設置すると、支保材がトンネル内空を横断するため、道路トンネルや鉄道トンネル等には採用することができない。
また、トンネル覆工を部分的に補強することで、トンネル内空への影響を最小限に抑えることができる。
また、充填固化材の注入時の反力を弦材で受けることができるため、所望の補強効果を得ることができる。さらに、弦材を使用することで、アーチ状鋼材の大断面化により耐力を確保する場合に比べてトンネル補強構造の軽量化を図ることができる。
また、充填固化材は、前記アーチ状鋼材と前記トンネル覆工との間に形成された空間に配設されたチューブ材に加圧注入してもよい。
さらに、前記アーチ状鋼材は、トンネル上部に設けてもよいし、トンネル側部に設けてもよい。
本実施形態のトンネル補強構造2は、図1に示すように、断面円形のトンネル1の頂部(上部)に設けられており、アーチ状鋼材3と、充填固化材4(図2参照)と、弦材5とを備えている。
本実施形態のアーチ状鋼材3は、覆工11の周方向に対して、トンネル1の頂点から左右に中心角が25°(計50°)の範囲に設けられている。また、アーチ状鋼材3は、両端部において覆工11に接合されている。なお、アーチ状鋼材3を設置する範囲(アーチ状鋼材3の長さ)は限定されるものではない。
本実施形態のアーチ状鋼材3は、図2および図3に示すように、一対の主桁31,31と受圧板32と、取付板33とにより構成されている。
図3(a)に示すように、主桁31の端部には、弦材5を固定するための固定部31aが形成されている。本実施形態の固定部31aは、主桁31の端部の面積を広げることで形成されている。なお、固定部31aの構成は限定されるものではない。
また、アーチ状鋼材3の構成は限定されるものではなく、例えば、H形鋼や溝形鋼等の所定の断面形状を有した鋼材により構成してもよい。
取付部材6は、アーチ状鋼材3の両端部にそれぞれ設けられている。
本実施形態の取付部材6は、図3(a)および(b)に示すように、アンカー61と、ベース部材62と、摺動部材63と、回転部材64と、ピン65とを備えている。なお、取付部材6の構成は、アーチ状鋼材3の端部を覆工11に接合可能であれば限定されるものではない。
なお、アンカー61を構成する材料や、アンカー61の数および配置は限定されるものではない。また、アンカー61のベース部材62への固定方法も限定されない。
溝62aは、覆工11側の幅広部分と、幅広部分よりも小さい幅でトンネル内空側に開口している開口部分とを備えている。溝62aは、トンネル周方向に沿って形成されており、摺動部材63のレールとして機能する。
なお、ベース部材62を構成する材料や、ベース部材62の形状等は限定されるものではない。
本体部63aは、図3(a)に示すように、回転部材64の回転を妨げることがないように、トンネル軸方向から望む外形がアーチ状を呈している。また、本体部63aの中央部にはピン65を挿通するための貫通孔63cが形成されている。
突起63bは、本体部63aの地山側の面に突設されており、幅広部分と幅広部分よりも小さい幅の幅狭部分とにより断面T字状を呈している。
突起63bの幅広部分は、溝62aの断面積も小さい断面積を有しているとともに、溝62bの開口部分よりも大きな幅を有している。
また、突起63bの幅狭部分は、開口部分よりも小さな幅を有しているとともに、開口部分よりも大きな高さ(トンネル内外方向の長さ)を有している。
突起63bはベース部材62の溝62b内に挿入されている。突起63bと溝62aとの間には、摩擦低減材が介設されていて、突起63bが溝62a内を移動可能に設けられている。
このように、摺動部材63は、ベース部材62に対して摺動可能に設けられているとともに、突起63bの幅広部分により溝62aからの抜け出し(ベース部材62からの落下)が防止されている。
取付板64aは、図3(a)に示すように、アーチ状鋼材3の取付板33に、重ね合わせた状態でボルト接合されている。取付板33のアーチ状鋼材3と反対側の面には、一対の脚板64bが固定されている。
一対の脚板64bは、摺動部材63の本体部63aを挟んで対向している。脚板64bには、本体部63aの貫通孔63cに対応して、貫通孔64cが形成されている。
回転部材64は、ピン65を中心に、摺動部材63に対して回転する。
すなわち、本実施形態の取付部材6は、摺動部材63がベース部材62の溝62aに沿ってトンネル周方向にスライドするとともに、回転部材64がトンネル軸と平行な軸を中心に回転する、ピンスライド支承を構成している。
例えば、摺動部材63は、必ずしもベース部材62の溝62aに沿ってトンネル周方向にスライドする必要はなく、図4(a)および(b)に示すように、ベース部材62に固定されていてもよい。このとき、摺動部材63の貫通孔63cが長穴であれば、回転部材64が貫通孔63cに沿ってトンネル周方向にスライドするとともに、トンネル軸と平行な軸を中心に回転するピンスライド支承となる。
充填固化材4を構成する材料は限定されるものではないが、本実施形態ではセメントミルクを使用する。
また、チューブ41を構成する材料は、充填固化材4を加圧注入することで圧縮応力を蓄える材料であれば、限定されるものではないが、本実施形態ではゴムチューブを使用する。
また、チューブ41に代えて、外縁がアーチ状鋼材2に固定されたゴム板に充填固化材4を加圧注入してもよい。また、アーチ状鋼材2と覆工11との間に形成された空間に充填固化材4を注入した際に、充填固化材4が漏出するおそれがない場合には、チューブ41等は省略してもよい。
弦材5の両端は、アーチ状鋼材3の端部に固定されている。弦材5をアーチ状鋼材3に固定する方法は限定されるものではないが、本実施形態では、図3(a)に示すように、ボルトにより主桁31の固定部31aに固定する。
本実施形態では、弦材5をH形鋼により構成するが、弦材5を構成する材料は限定されるものではなく、例えば溝形鋼やL形鋼等を使用してもよい。
図5(a)に示すように、老朽化の進行または外荷重の変化によりトンネル頂部において内側引張の曲げモーメントM0が大きくなると、トンネル1に縦方向につぶれが生じる。
一方、トンネル補強構造2によれば、図5(b)に示すように、トンネル頂部で外側引張の曲げモーメントM1を発生させることができるので、トンネル頂部の曲げモーメントを軽減させることができる。
また、弦材5に充填固化材4の加圧注入時の反力を弦材5で受けることができるため、所望の補強効果を得ることができる。すなわち、充填固化材4を加圧注入することによってアーチ状鋼材の端部に作用する内向きの力に対しては、弦材5が対向する。
また、弦材5を使用することで、アーチ状鋼材3の大断面化により耐力を確保する場合に比べてトンネル補強構造の軽量化を図ることができる。
アーチ状鋼材3の覆工11への接合構造としてピンスライド支承を採用しているため、充填固化材4を加圧注入する際にアーチ状鋼材3と覆工11との接合部の負担を軽減させることができる。
充填固化材4をチューブ41に加圧注入することで、充填固化材の漏出を防止し、覆工11に確実に圧力を作用させることができる。
また、充填固化材4をチューブ41に加圧注入すると、充填固化材4の圧力によって直ちに効果が得られるため、既設のトンネル1の補強効果を早期に得ることができる。
前記実施形態では、断面円形のトンネル1について説明したが、トンネル1の断面形状は限定されるものではなく、例えば馬蹄形であってもよい。
また、前記実施形態では、トンネル補強構造2をトンネル1の頂部に設置する場合について説明したが、トンネル補強構造2の設置個所は限定されるものではなく、例えば、トンネルの側壁に設置してもよい。
前記実施形態では、アーチ状鋼材の端部を、ピンスライド支承を介して覆工11に接合する場合について説明したが、アーチ状鋼材の端部の接合構造は限定されるものではない。例えば、アーチ状鋼材の端部を剛結合した場合(図6(a)参照)、ピン支承を介して接合した場合(図6(b)参照)、または、スライド支承を介して接合した場合(図6(c)参照)であっても、外側引張の曲げモーメントを発生させることによりトンネル頂部の曲げモーメントを軽減させることができる。
11 覆工(トンネル覆工)
2 トンネル補強構造
3 アーチ状鋼材
4 充填固化材
41 チューブ
5 弦材
6 取付部材(ピンスライド支承)
61 アンカー
62 ベース部材
63 摺動部材
64 回転部材
65 ピン
Claims (2)
- トンネル覆工の内面に沿って設けられたアーチ状鋼材と、
前記アーチ状鋼材と前記トンネル覆工との間に形成された空間に充填された充填固化材と、
前記アーチ状鋼材の一方の端部から他方の端部に至る弦材と、
前記アーチ状鋼材の端部を前記トンネル覆工に接合するスライド支承と、を備えるトンネル補強構造であって、
前記アーチ状鋼材は、前記トンネル覆工の周方向に対して部分的に設けられているとともに、両端部が前記トンネル覆工に接合されていることを特徴とするトンネル補強構造。 - トンネル覆工の内面に沿って設けられたアーチ状鋼材と、
前記アーチ状鋼材と前記トンネル覆工との間に形成された空間に充填された充填固化材と、
前記アーチ状鋼材の一方の端部から他方の端部に至る弦材と、
前記アーチ状鋼材の端部を前記トンネル覆工に接合するピンスライド支承と、を備えるトンネル補強構造であって、
前記アーチ状鋼材は、前記トンネル覆工の周方向に対して部分的に設けられているとともに、両端部が前記トンネル覆工に接合されていることを特徴とするトンネル補強構造。
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