JP2001317298A - トンネル覆工部の補修用板材および該板材を用いたトンネル覆工面の修復構造 - Google Patents
トンネル覆工部の補修用板材および該板材を用いたトンネル覆工面の修復構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 トンネル覆工面部の欠損部分または割落が予
測される部分を強度的に安定的に補修を可能にする。 【解決手段】 板材1に板本体と該本体の両サイドに本
体より厚肉の厚肉部1a、1bを設けて、この厚肉部1
a、1bにアンカーボルト貫通用孔2を設ける。
測される部分を強度的に安定的に補修を可能にする。 【解決手段】 板材1に板本体と該本体の両サイドに本
体より厚肉の厚肉部1a、1bを設けて、この厚肉部1
a、1bにアンカーボルト貫通用孔2を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルのコンク
リート覆工面を補修するのに用いるトンネル覆工部の補
修用板材およびトンネル覆工面の修復構造に関する。
リート覆工面を補修するのに用いるトンネル覆工部の補
修用板材およびトンネル覆工面の修復構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道や道路のトンネル覆工面からコンク
リートが割落する事故が多発しており、一つ間違えると
大事故につながりかねない。このため、今日では、赤外
線や超音波を利用した調査を行ない、調査の結果、コン
クリートのひび割れ、覆工面での漏水、浮き上がりなど
により、コンクリート表面の割落が予測された場合に
は、そのひび割れ部分や予測部分をはつって、欠損部分
を被うようにして補修用鋼板をアンカーボルトで固定し
ている。このときその欠損部分には、裏込め材として接
着用樹脂やグラウトが充填される。
リートが割落する事故が多発しており、一つ間違えると
大事故につながりかねない。このため、今日では、赤外
線や超音波を利用した調査を行ない、調査の結果、コン
クリートのひび割れ、覆工面での漏水、浮き上がりなど
により、コンクリート表面の割落が予測された場合に
は、そのひび割れ部分や予測部分をはつって、欠損部分
を被うようにして補修用鋼板をアンカーボルトで固定し
ている。このときその欠損部分には、裏込め材として接
着用樹脂やグラウトが充填される。
【0003】そして、前記欠損部分を被う補修用鋼板
は、補強に必要な強度や、欠損部分に充填される接着用
樹脂やモルタルなどの充填材と自身の重量とをアンカー
ボルトなどで支持するために必要な厚さを保つようにし
て全体が均等な厚肉のものを用いていた。しかし、この
鋼板ではコンクリート覆工面に固定するボルト貫通孔の
強度が十分でなく、さらに板本体も含めて全体的に強度
を増大する必要がある。
は、補強に必要な強度や、欠損部分に充填される接着用
樹脂やモルタルなどの充填材と自身の重量とをアンカー
ボルトなどで支持するために必要な厚さを保つようにし
て全体が均等な厚肉のものを用いていた。しかし、この
鋼板ではコンクリート覆工面に固定するボルト貫通孔の
強度が十分でなく、さらに板本体も含めて全体的に強度
を増大する必要がある。
【0004】本発明はこれらの欠点に注目してさらに改
良せんとするものであり、その目的は全体の強度の増大
を図りながら、一番強度が必要な板材の長手方向に補強
リブを設けることで全体として強靭な補修用板材を用い
て、トンネル覆工面の欠損部分を安定的に補修できるト
ンネル覆工部の補修用板材と、この補修板材を用いたト
ンネル覆工面の修復構造を提供することにある。
良せんとするものであり、その目的は全体の強度の増大
を図りながら、一番強度が必要な板材の長手方向に補強
リブを設けることで全体として強靭な補修用板材を用い
て、トンネル覆工面の欠損部分を安定的に補修できるト
ンネル覆工部の補修用板材と、この補修板材を用いたト
ンネル覆工面の修復構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的に鑑み
て、特にトンネル覆工部の補修用板材が充填材や自重な
どで最もストレスを受けるところはアンカーボルトで支
持する箇所にあることに着目したもので、その要旨とす
るところは、トンネルのコンクリート覆工面の割落を修
復する板材であって、該板材が修復部を被う板本体と、
該本体片面の長手方向両側に形成し、同一肉厚で同一幅
のアンカーボルト貫通用孔を設ける前記板本体より厚肉
の補強リブ部とからなるトンネル覆工部の補修用板材に
ある。
て、特にトンネル覆工部の補修用板材が充填材や自重な
どで最もストレスを受けるところはアンカーボルトで支
持する箇所にあることに着目したもので、その要旨とす
るところは、トンネルのコンクリート覆工面の割落を修
復する板材であって、該板材が修復部を被う板本体と、
該本体片面の長手方向両側に形成し、同一肉厚で同一幅
のアンカーボルト貫通用孔を設ける前記板本体より厚肉
の補強リブ部とからなるトンネル覆工部の補修用板材に
ある。
【0006】この態様によれば、補修用板材の長手方向
両サイド部がこれ以外の部分より厚肉とされているた
め、中央部の板本体を比較的薄肉にしながら全体を補強
でき、前記厚肉部にアンカー貫通孔を設け、この貫通孔
とトンネル覆工部に通したアンカーボルトにより、補修
用板材自身の重量やコンクリート欠損部に充填される充
填材を安定的に支持できる。
両サイド部がこれ以外の部分より厚肉とされているた
め、中央部の板本体を比較的薄肉にしながら全体を補強
でき、前記厚肉部にアンカー貫通孔を設け、この貫通孔
とトンネル覆工部に通したアンカーボルトにより、補修
用板材自身の重量やコンクリート欠損部に充填される充
填材を安定的に支持できる。
【0007】本発明の他の要旨は、前記請求項1の補修
用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設し、該貫通孔
と別途コンクリート覆工面を修復した補復材に設けたボ
ルト孔とを貫通したアンカーボルトにより、前記補修用
板材を前記補復材間の継目に添設してなるトンネル覆工
面の修復構造にある。
用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設し、該貫通孔
と別途コンクリート覆工面を修復した補復材に設けたボ
ルト孔とを貫通したアンカーボルトにより、前記補修用
板材を前記補復材間の継目に添設してなるトンネル覆工
面の修復構造にある。
【0008】この態様によれば、見た目の悪い継目部を
隠し、これをトンネル内の修復部に沿ってガイドするこ
とができる。
隠し、これをトンネル内の修復部に沿ってガイドするこ
とができる。
【0009】また、本発明の別の要旨は、前記請求項1
の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設すると
ともに、前記補修用板材の長手方向に補強リブ部を設け
た側を内側にして湾曲形成し、前記貫通孔に貫通したア
ンカーボルトにより前記補修用板材の湾曲外面をひび割
れなど割落前のコンクリート覆工面に添設してなるトン
ネル覆工面の修復構造にある。
の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設すると
ともに、前記補修用板材の長手方向に補強リブ部を設け
た側を内側にして湾曲形成し、前記貫通孔に貫通したア
ンカーボルトにより前記補修用板材の湾曲外面をひび割
れなど割落前のコンクリート覆工面に添設してなるトン
ネル覆工面の修復構造にある。
【0010】この態様によれば、補強リブ部を設けた側
と反対側の補修用板材の平滑な面をはつることにより、
トンネル覆工面に沿うように密に当接させることができ
るため、前記コンクリート面と一体に仕上がり、事前に
コンクリートの割落を防止するとともに、水漏れや流出
を防止でき、補修面をトンネル覆工面に対して均等に仕
上ることができる。
と反対側の補修用板材の平滑な面をはつることにより、
トンネル覆工面に沿うように密に当接させることができ
るため、前記コンクリート面と一体に仕上がり、事前に
コンクリートの割落を防止するとともに、水漏れや流出
を防止でき、補修面をトンネル覆工面に対して均等に仕
上ることができる。
【0011】本発明の他の要旨としては、前記請求項1
の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設すると
ともに、前記補修用板材の長手方向の補強リブ部を設け
た側と反対側を内側にして湾曲形成し、前記補修用板材
の湾曲外面をひび割れのコンクリート覆工面に前記アン
カーボルト貫通孔に貫通したアンカーボルトで固定する
ことにより、前記補強リブ部間の溝部を導水溝としてな
るトンネル覆工面の修復構造がある。このことにより補
強リブ間の溝部を、コンクリート覆工面から出る水を導
く導水溝としての役割を果たす。
の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を穿設すると
ともに、前記補修用板材の長手方向の補強リブ部を設け
た側と反対側を内側にして湾曲形成し、前記補修用板材
の湾曲外面をひび割れのコンクリート覆工面に前記アン
カーボルト貫通孔に貫通したアンカーボルトで固定する
ことにより、前記補強リブ部間の溝部を導水溝としてな
るトンネル覆工面の修復構造がある。このことにより補
強リブ間の溝部を、コンクリート覆工面から出る水を導
く導水溝としての役割を果たす。
【0012】また、本発明の更に他の要旨としては、前
記請求項1の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を
穿設するとともに、前記板本体を貫通した充填材注入用
のソケット取付孔を設け、前記補修用板材の長手方向の
補強リブ部を設けた側と反対側を内側に湾曲形成し、前
記補修用板材の湾曲外面を割落後のコンクリート覆工面
に前記アンカーボルト貫通孔からアンカーボルトで固定
し、前記ソケット取付孔にソケットを取り付け、前記補
強リブ部間の溝部とボイドのあるコンクリート覆工面間
に充填材を充填してなるトンネル覆工面の修復構造があ
る。
記請求項1の補修用板材に前記アンカーボルト貫通孔を
穿設するとともに、前記板本体を貫通した充填材注入用
のソケット取付孔を設け、前記補修用板材の長手方向の
補強リブ部を設けた側と反対側を内側に湾曲形成し、前
記補修用板材の湾曲外面を割落後のコンクリート覆工面
に前記アンカーボルト貫通孔からアンカーボルトで固定
し、前記ソケット取付孔にソケットを取り付け、前記補
強リブ部間の溝部とボイドのあるコンクリート覆工面間
に充填材を充填してなるトンネル覆工面の修復構造があ
る。
【0013】この態様によれば、コンクリート覆工面と
板材の補強リブ部間の溝部内に充填材を充填して補修用
板材とコンクリート覆工面を一体に仕上げる。
板材の補強リブ部間の溝部内に充填材を充填して補修用
板材とコンクリート覆工面を一体に仕上げる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
について説明する。図1は湾曲前の本発明のトンネル補
修用板材(この板材は長手方向に長尺であり、必要な長
さに切断できる)であり、図2および図3はアンカーボ
ルト貫通孔を設けた湾曲後の本発明のトンネル覆工部の
補修用板材(この板材の長さや幅も各種の大きさがあ
り、湾曲はトンネル覆工面に合せる)を示す斜視図およ
び断面図であり、各図において、1は圧延した平鋼材か
らなる補修用板材である。この板材1の長手方向両サイ
ドには、厚肉部1a、1bが設けられている。従って、
これらの厚肉部1a、1b間ではより薄肉部1cの板本
体とされている。なお、この板材1としてSS400、
SM400Aなどの鋼材か、SMA400AWなどの耐
候性熱間圧延鋼材などが用いられる。
について説明する。図1は湾曲前の本発明のトンネル補
修用板材(この板材は長手方向に長尺であり、必要な長
さに切断できる)であり、図2および図3はアンカーボ
ルト貫通孔を設けた湾曲後の本発明のトンネル覆工部の
補修用板材(この板材の長さや幅も各種の大きさがあ
り、湾曲はトンネル覆工面に合せる)を示す斜視図およ
び断面図であり、各図において、1は圧延した平鋼材か
らなる補修用板材である。この板材1の長手方向両サイ
ドには、厚肉部1a、1bが設けられている。従って、
これらの厚肉部1a、1b間ではより薄肉部1cの板本
体とされている。なお、この板材1としてSS400、
SM400Aなどの鋼材か、SMA400AWなどの耐
候性熱間圧延鋼材などが用いられる。
【0015】これらの各厚肉部1a、1bにはそれぞれ
3個のボルト挿入孔2(長さ及び補強設計により孔数は
各種ある)が穿設されている。また、この補修用板材1
は厚肉部1a、1bが突設しない側の面Aが凹凸のない
平滑面とされ、トンネル覆工面に合わせて、平板状(図
1)又は平板状のものを反るように、円弧形状に成形加
工される(図2)。なお、前記円弧形状の成形加工は、
補修しようとするトンネル3のトンネル覆工面3aをは
つった形状に合わせて、厚肉部1a、1b側を内側にし
て湾曲に形成される。成形加工は、工場出荷前でも現場
施工においても適宜実施される。
3個のボルト挿入孔2(長さ及び補強設計により孔数は
各種ある)が穿設されている。また、この補修用板材1
は厚肉部1a、1bが突設しない側の面Aが凹凸のない
平滑面とされ、トンネル覆工面に合わせて、平板状(図
1)又は平板状のものを反るように、円弧形状に成形加
工される(図2)。なお、前記円弧形状の成形加工は、
補修しようとするトンネル3のトンネル覆工面3aをは
つった形状に合わせて、厚肉部1a、1b側を内側にし
て湾曲に形成される。成形加工は、工場出荷前でも現場
施工においても適宜実施される。
【0016】このようなトンネル覆工部の補修用板材1
は、図4に示すようにトンネル覆工部3のひび割れや漏
水が認められて、割落が発生すると思われるトンネル覆
工面3aをはつった部位Pを被うように、または曲面状
の部位Sを被うように、縦方向や横方向に所定枚数並べ
て添接され、さらにアンカーボルトによりトンネル覆工
部3に固定される。ここでの板材1は平滑な面A側がト
ンネル覆工面3aに当接される。なお、この補修用板材
は建築限界の面から突出しないように形成する。
は、図4に示すようにトンネル覆工部3のひび割れや漏
水が認められて、割落が発生すると思われるトンネル覆
工面3aをはつった部位Pを被うように、または曲面状
の部位Sを被うように、縦方向や横方向に所定枚数並べ
て添接され、さらにアンカーボルトによりトンネル覆工
部3に固定される。ここでの板材1は平滑な面A側がト
ンネル覆工面3aに当接される。なお、この補修用板材
は建築限界の面から突出しないように形成する。
【0017】すなわち、補修用板材1に設けられたアン
カーボルト貫通用孔2およびトンネル覆工部3に所定深
さにはつり、その中に穿設された嵌合穴に、アンカーボ
ルトを周知の方法で通してモルタルなどで締め込むこと
で、板材1は前記割落の発生が予測される部位を内側か
ら支承するように、トンネル覆工面3aに保持される。
この結果、前記ひび割れや漏水部分からコンクリートの
割落を未然に防止できる。
カーボルト貫通用孔2およびトンネル覆工部3に所定深
さにはつり、その中に穿設された嵌合穴に、アンカーボ
ルトを周知の方法で通してモルタルなどで締め込むこと
で、板材1は前記割落の発生が予測される部位を内側か
ら支承するように、トンネル覆工面3aに保持される。
この結果、前記ひび割れや漏水部分からコンクリートの
割落を未然に防止できる。
【0018】この場合において、補修用板材1は工場あ
るいは現場加工にて、前記のように平板状のものや、平
板状のものを円弧状に成形することで、トンネル覆工面
3aの形状に沿うように成形されたトンネル覆工の天端
面部や側面部に任意かつ容易に取り付けることができ
る。この場合に使用される板材1は、両サイドを厚肉部
とすることで、自身の重量およびトンネル覆工面3aか
ら受ける面圧をアンカーボルトを用いて十分に支持でき
る強度を得ることにより、両サイド以外の板本体を比較
的薄肉にしても厚肉の補強リブ部により板材1全体の強
度を高め、ローコスト化を図ることもできる。
るいは現場加工にて、前記のように平板状のものや、平
板状のものを円弧状に成形することで、トンネル覆工面
3aの形状に沿うように成形されたトンネル覆工の天端
面部や側面部に任意かつ容易に取り付けることができ
る。この場合に使用される板材1は、両サイドを厚肉部
とすることで、自身の重量およびトンネル覆工面3aか
ら受ける面圧をアンカーボルトを用いて十分に支持でき
る強度を得ることにより、両サイド以外の板本体を比較
的薄肉にしても厚肉の補強リブ部により板材1全体の強
度を高め、ローコスト化を図ることもできる。
【0019】図5は、この発明のトンネル覆工部の補修
用板材の他の形態を示す斜視図、図6は図5のソケット
取付孔13にソケット4を取り付けたときの横断面図で
ある。この図6は、前記板材1の薄肉部1cの中央部に
貫通するソケット取付孔13に、透孔4aを持ったソケ
ット4を取り付けたものである。また、各厚肉部1a、
1bには複数個のアンカーボルト貫通孔2が前記同様に
穿設されている。この板材1は、工場出荷前や施工現場
において、厚肉部1a、1bが設けられている面B側を
外側に反るように、円弧形状に成形加工されている。
用板材の他の形態を示す斜視図、図6は図5のソケット
取付孔13にソケット4を取り付けたときの横断面図で
ある。この図6は、前記板材1の薄肉部1cの中央部に
貫通するソケット取付孔13に、透孔4aを持ったソケ
ット4を取り付けたものである。また、各厚肉部1a、
1bには複数個のアンカーボルト貫通孔2が前記同様に
穿設されている。この板材1は、工場出荷前や施工現場
において、厚肉部1a、1bが設けられている面B側を
外側に反るように、円弧形状に成形加工されている。
【0020】このようなトンネル補修用板材は、既に知
られている超音波調査によって、トンネル覆工面3aに
ひび割れや漏水が認められたり、浮き上がりが存在する
ことが判明した箇所に添設するが、その前に同箇所をは
つり落した後、これにより割落してできた欠損部分Kを
被うように、図5に示すような形態の板材1を縦横に必
要枚数並べて当接する(図4)。さらに、アンカーボル
トをアンカーボルト貫通用孔2およびはつられたトンネ
ル覆工部3に穿設された嵌合穴に通して固定する。続い
て、ソケット取付孔13に設けたソケット4にホース端
(図示しない)をチャッキングして、例えば樹脂モルタ
ルとしてのエポキシ系樹脂やモルタルなどの充填材を、
ポンプによりホースを通して前記欠損部分Kに圧入す
る。
られている超音波調査によって、トンネル覆工面3aに
ひび割れや漏水が認められたり、浮き上がりが存在する
ことが判明した箇所に添設するが、その前に同箇所をは
つり落した後、これにより割落してできた欠損部分Kを
被うように、図5に示すような形態の板材1を縦横に必
要枚数並べて当接する(図4)。さらに、アンカーボル
トをアンカーボルト貫通用孔2およびはつられたトンネ
ル覆工部3に穿設された嵌合穴に通して固定する。続い
て、ソケット取付孔13に設けたソケット4にホース端
(図示しない)をチャッキングして、例えば樹脂モルタ
ルとしてのエポキシ系樹脂やモルタルなどの充填材を、
ポンプによりホースを通して前記欠損部分Kに圧入す
る。
【0021】この欠損部分Kへの充填材の圧入時は、薄
肉部1cの一端部を詰め物で封止しておき、他端部を空
気抜きとして解放して実施することもできる。このよう
にすれば、欠落部分5に隙間を生じることなく充填材が
密に充填され、その欠落部分の補修が確実に行われる。
肉部1cの一端部を詰め物で封止しておき、他端部を空
気抜きとして解放して実施することもできる。このよう
にすれば、欠落部分5に隙間を生じることなく充填材が
密に充填され、その欠落部分の補修が確実に行われる。
【0022】また、補修用板材1は、図4に示すよう
に、トンネル覆工3の天端部と地山部5との間に生じた
欠損部分であるボイド6内に、モルタルなどの充填材を
注入する場合にも利用される。この場合には、既設のト
ンネル覆工部3の前記ボイド6に対応する箇所に、モル
タルなどの充填材(裏込材)を注入するための注入孔7
や、裏込注入検査用を兼ねたボイドの上面近くまで到達
する塩ビ管などの空気抜き孔8などを設けておき、これ
らの注入孔7や空気抜き孔8を被うように必要枚数の板
材1を、トンネル覆工面3aに当接する。
に、トンネル覆工3の天端部と地山部5との間に生じた
欠損部分であるボイド6内に、モルタルなどの充填材を
注入する場合にも利用される。この場合には、既設のト
ンネル覆工部3の前記ボイド6に対応する箇所に、モル
タルなどの充填材(裏込材)を注入するための注入孔7
や、裏込注入検査用を兼ねたボイドの上面近くまで到達
する塩ビ管などの空気抜き孔8などを設けておき、これ
らの注入孔7や空気抜き孔8を被うように必要枚数の板
材1を、トンネル覆工面3aに当接する。
【0023】さらに、前記同様にして、これらの板材1
のアンカーボルト貫通用孔2およびトンネル覆工部3に
形成された嵌合孔にアンカーボルトを通して、その板材
1をトンネル覆工面3aに固定した後、前記ソケット4
に接続したホースを通して、ポンプによりモルタルなど
の充填材Lを注入孔7へ送り込み、さらにその注入孔7
からボイド6内に充填する。この充填によりボイド6内
の空気は空気抜き孔8を通じてトンネル覆工の外へ追い
出され、そのボイド6内には充填材Lが密に充満するこ
ととなる。そして、この空気抜き孔8から充填材Lが漏
れ出すのを確認して、充填を停止し、作業を終了する。
のアンカーボルト貫通用孔2およびトンネル覆工部3に
形成された嵌合孔にアンカーボルトを通して、その板材
1をトンネル覆工面3aに固定した後、前記ソケット4
に接続したホースを通して、ポンプによりモルタルなど
の充填材Lを注入孔7へ送り込み、さらにその注入孔7
からボイド6内に充填する。この充填によりボイド6内
の空気は空気抜き孔8を通じてトンネル覆工の外へ追い
出され、そのボイド6内には充填材Lが密に充満するこ
ととなる。そして、この空気抜き孔8から充填材Lが漏
れ出すのを確認して、充填を停止し、作業を終了する。
【0024】また、トンネル覆工面3aの広範囲に亘る
ひび割れなどに多数の被覆用鋼板9を覆うことでこれら
鋼板9間に継目14が生じた場合には、図7に示すよう
に、これらの鋼板9が隣接する継目14間を含む各隣接
する鋼板9の一部を被う所定範囲に、接着用樹脂10を
介して板材1を固定する。固定方法は、板材1のアンカ
ーボルト貫通用孔2と、鉄板9に穿設されたボルト孔
(図示しない)およびトンネル覆工3に形成された嵌合
孔に、アンカーボルト(樹脂アンカー)12を通して締
め込み、これらを樹脂接着材で一体固定する。また、板
材1の周縁部にシール材11を塗布する。こうすること
で、トンネル覆工面3aの広い範囲に亘るひび割れの進
行を抑えることができ、前記のようなコンクリートの割
落を未然に防止したり、既に割落している割落部を補修
できる。また、シール材11が接着用樹脂の劣化を確実
に防止し、剥落防止がさらに確実なものとなる。なお、
アンカーボルト12の頭には、必要に応じてボルトキャ
ップやシール材が被せられる。
ひび割れなどに多数の被覆用鋼板9を覆うことでこれら
鋼板9間に継目14が生じた場合には、図7に示すよう
に、これらの鋼板9が隣接する継目14間を含む各隣接
する鋼板9の一部を被う所定範囲に、接着用樹脂10を
介して板材1を固定する。固定方法は、板材1のアンカ
ーボルト貫通用孔2と、鉄板9に穿設されたボルト孔
(図示しない)およびトンネル覆工3に形成された嵌合
孔に、アンカーボルト(樹脂アンカー)12を通して締
め込み、これらを樹脂接着材で一体固定する。また、板
材1の周縁部にシール材11を塗布する。こうすること
で、トンネル覆工面3aの広い範囲に亘るひび割れの進
行を抑えることができ、前記のようなコンクリートの割
落を未然に防止したり、既に割落している割落部を補修
できる。また、シール材11が接着用樹脂の劣化を確実
に防止し、剥落防止がさらに確実なものとなる。なお、
アンカーボルト12の頭には、必要に応じてボルトキャ
ップやシール材が被せられる。
【0025】上記実施例の他に、補強リブ部1a,1b
間の溝部をトンネルの形状、例えばアーチ形に合せて添
設する(図4の1,1,1)ことにより、該溝部とトン
ネル覆工部3間を導水溝として用いることもできる。
間の溝部をトンネルの形状、例えばアーチ形に合せて添
設する(図4の1,1,1)ことにより、該溝部とトン
ネル覆工部3間を導水溝として用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トンネ
ル補修用板材の両サイドに厚肉部を設け、この厚肉部に
ボルト挿入孔を設けたので、板材全体の強度を図りなが
ら、トンネル覆工面の欠損部分に充填される接着用樹脂
やモルタルなどの充填材を長年に亘って安定的に支持す
る強度を確保できるほか、この板材を十分にコンクリー
ト覆工面に固定することができる。
ル補修用板材の両サイドに厚肉部を設け、この厚肉部に
ボルト挿入孔を設けたので、板材全体の強度を図りなが
ら、トンネル覆工面の欠損部分に充填される接着用樹脂
やモルタルなどの充填材を長年に亘って安定的に支持す
る強度を確保できるほか、この板材を十分にコンクリー
ト覆工面に固定することができる。
【0027】また、本発明は、補修用板材の前記厚肉部
を除く部位に、板材の表裏両面に貫通する充填材注入用
のソケット取付孔を突設したので、これにソケットを取
り付けてコンクリート欠損部に充填材を供給するホース
端のチャッキングが容易になり、欠損部補修作業をスム
ースかつ効率的に実施できるという利点が得られる。
を除く部位に、板材の表裏両面に貫通する充填材注入用
のソケット取付孔を突設したので、これにソケットを取
り付けてコンクリート欠損部に充填材を供給するホース
端のチャッキングが容易になり、欠損部補修作業をスム
ースかつ効率的に実施できるという利点が得られる。
【0028】また、本発明によれば、補修用板材の片面
に前記厚肉部を突設し、他面を平滑に形成したので、板
材の平滑な他面を、はつられたトンネル覆工面に沿うよ
うにこれに密に当接させることができ、この結果、補修
面をトンネル覆工面に対して並設することができるとい
う利点が得られる。
に前記厚肉部を突設し、他面を平滑に形成したので、板
材の平滑な他面を、はつられたトンネル覆工面に沿うよ
うにこれに密に当接させることができ、この結果、補修
面をトンネル覆工面に対して並設することができるとい
う利点が得られる。
【0029】さらに、本発明によれば、両サイドに厚肉
部を有する複数の板材を、前記厚肉部間の薄肉部がトン
ネル覆工の継ぎ目を被うようにトンネル覆工面に連設し
たので、継ぎ目において接合強度を保って補助できる。
部を有する複数の板材を、前記厚肉部間の薄肉部がトン
ネル覆工の継ぎ目を被うようにトンネル覆工面に連設し
たので、継ぎ目において接合強度を保って補助できる。
【0030】さらにまた、補強リブ部間の溝部に流下す
る漏水を受けて、これを既設のトンネル内側溝などに添
設することができるという効果が得られる。
る漏水を受けて、これを既設のトンネル内側溝などに添
設することができるという効果が得られる。
【図1】本発明のトンネル覆工部の補修用板材の一実施
例の斜視図である。
例の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例であるトンネル覆工部の補
修用板材を示す斜視図である。
修用板材を示す斜視図である。
【図3】図2における板材の横断面図である。
【図4】本発明によるトンネル覆工面部の補修部を概念
的に示す斜視図である。
的に示す斜視図である。
【図5】本発明の別の実施例である板材を示す斜視図で
ある。
ある。
【図6】図5にソケットを取り付けたトンネル覆工部の
補修用板材の断面図である。
補修用板材の断面図である。
【図7】本発明の補修用板材による別のトンネル覆工面
の補修構造例を示す要部の断面図である。
の補修構造例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】 1 板材 1a、1b 厚肉部 1c 薄肉部 2 アンカーボルト貫通用孔 3 トンネル覆工部 3a トンネル覆工面 4 ソケット 12 アンカーボルト 13 ソケット取付用孔
Claims (5)
- 【請求項1】 トンネルのコンクリート覆工面の割落を
修復する板材であって、該板材が修復部を被う板本体
と、該本体片面の長手方向両側に形成し、同一肉厚で同
一幅のアンカーボルト貫通用孔を設ける前記板本体より
厚肉の補強リブ部とからなるトンネル覆工部の補修用板
材。 - 【請求項2】 前記請求項1の補修用板材に前記アンカ
ーボルト貫通孔を穿設し、該貫通孔とコンクリート覆工
面を修復した補復材に設けたボルト孔とを貫通したアン
カーボルトにより、前記補修用板材を前記補復材間の継
目に添設してなるトンネル覆工面の修復構造。 - 【請求項3】 前記請求項1の補修用板材に前記アンカ
ーボルト貫通孔を穿設するとともに、前記補修用板材の
長手方向に補強リブ部を設けた側を内側にして湾曲形成
し、前記貫通孔に貫通したアンカーボルトにより前記補
修用板材の湾曲外面をひび割れなど割落前のコンクリー
ト覆工面に添設してなるトンネル覆工面の修復構造。 - 【請求項4】 前記請求項1の補修用板材に前記アンカ
ーボルト貫通孔を穿設するとともに、前記補修用板材の
長手方向に補強リブ部を設けた側と反対側を内側にして
湾曲形成し、前記補修用板材の湾曲外面をひび割れのコ
ンクリート覆工面に前記アンカーボルト貫通孔に貫通し
たアンカーボルトで固定することにより、前記補強リブ
部間の溝部を導水溝としてなるトンネル覆工面の修復構
造。 - 【請求項5】 前記請求項1の補修用板材に前記アンカ
ーボルト貫通孔を穿設するとともに、前記補修用板本体
を貫通した充填材注入用のソケット取付孔を設け、前記
補修用板材の長手方向の補強リブ部を設けた側と反対側
を内側にして湾曲形成し、前記板材の湾曲外面を割落後
のコンクリート覆工面に前記アンカーボルト貫通孔に貫
通したアンカーボルトで固定し、前記ソケット取付孔に
ソケットを取り付け、前記補強リブ部間の溝部とボイド
のあるコンクリート覆工面間に充填材を充填してなるト
ンネル覆工面の修復構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135841A JP2001317298A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | トンネル覆工部の補修用板材および該板材を用いたトンネル覆工面の修復構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135841A JP2001317298A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | トンネル覆工部の補修用板材および該板材を用いたトンネル覆工面の修復構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001317298A true JP2001317298A (ja) | 2001-11-16 |
Family
ID=18643870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000135841A Pending JP2001317298A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | トンネル覆工部の補修用板材および該板材を用いたトンネル覆工面の修復構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001317298A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7056064B2 (en) * | 2002-01-23 | 2006-06-06 | Shonan Gosei-Joshi Seisakusho K.K. | Block unit for repairing flow passage facilities and method of repairing flow passage facilities |
JP2017075459A (ja) * | 2015-10-13 | 2017-04-20 | 大成建設株式会社 | トンネル補強構造 |
CN110924997A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-27 | 中铁十六局集团有限公司 | 一种隧道二次衬砌裂缝修整加固方法 |
JP7502649B2 (ja) | 2021-03-11 | 2024-06-19 | 株式会社イノアック住環境 | トンネルの製造方法および充填構造物 |
-
2000
- 2000-05-09 JP JP2000135841A patent/JP2001317298A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7056064B2 (en) * | 2002-01-23 | 2006-06-06 | Shonan Gosei-Joshi Seisakusho K.K. | Block unit for repairing flow passage facilities and method of repairing flow passage facilities |
JP2017075459A (ja) * | 2015-10-13 | 2017-04-20 | 大成建設株式会社 | トンネル補強構造 |
CN110924997A (zh) * | 2019-12-09 | 2020-03-27 | 中铁十六局集团有限公司 | 一种隧道二次衬砌裂缝修整加固方法 |
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