JP2001295597A - 変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造 - Google Patents
変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造Info
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Abstract
しを少なくし、構造簡潔、迅速施工、建築限界の確保を
達成した補強構造を提供する。 【解決手段】 既設トンネルの覆工内面に沿って鋼構
造、鉄筋コンクリート構造、合成構造のいずれかの補強
面材を配設する。補強面材である変断面アーチ部材7a
は、トンネル周方向および軸方向に分割製作されると共
に、背面側最外縁が覆工内面形状とほぼ相似形で、ま
た、スプリングライン14周辺が比較的肉薄の面部材で
構成され、覆工頂部周辺がトンネル1の建築限界内で半
径方向に比較的厚い部材の半アーチ状セグメント7で構
成され、周方向に隣接するセグメント間は、セグメント
継手で接合され、最下段は固定手段で既設トンネル1の
コンクリート6に固定される。
Description
路トンネル等の既設トンネルにおいて、覆工コンクリー
トの崩落・剥落を未然に防止し、万一コンクリートの崩
落があった場合でも、トンネル内に剥落片が落下しない
ように保護し、更には地山の緩みあるいは塑性圧等の外
力による変状に対して補強することを目的とした変断面
アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造に関するも
のである。
ンクリートの剥落事故が、最近多く見られ、通過中の列
車に損傷を与える危険なケースも生じている。このた
め、全国規模で既設トンネルの調査・診断が精力的に行
われ、原因究明が行われている。
因は、トンネル建設時のコンクリート打設に伴うコール
ドジョイント、コンクリートの中性化、アルカリ骨材反
応等が取りざたされ、さらに他の原因として、地山の緩
みや塑性圧等の外力の変化も考えられているが、本当の
原因は分かっていない。
対策については「変状トンネル対策マニュアル」:平成
10年2月(鉄道総合技術研究所)や、「トンネル補修
・補強マニュアル」:平成2年10月(鉄道総合技術研
究所)がある。
原因に応じて十数種の対策工法が示され、適切なものを
選定するようになされている。この対策工法のうち、覆
工コンクリートの剥落の対策として適用できるのものと
しては、「当て板工法」と、「鋼板接着工法」と、
「セントル補強工」とがある。
内面に鋼板当て板(帯鋼、型鋼)を張り付け、ロックボ
ルトで覆工コンクリートにアンカーした後、裏込め材を
注入するもので、局所的に補修する場合に適用される。
い工法であって、覆工面に4.5mm標準厚の鋼板をエ
ポキシ樹脂系接着剤で張付け、覆工コンクリートにアン
カーボルトで固定するものである。アンカーボルトは7
本/m2程度に配置する。なお、鋼板の端部は隣接鋼板
と掛け渡し重ねた継手鋼板を接着材とアンカーボルトで
固定する。
覆工内面の形状と同じ形状に曲げ加工した100〜15
0mmサイズのH型鋼板を覆工内面に沿って適当な間隔
で配置し、覆工内面に適宜間隔毎にくさびで固定される
もので、当て板、金網等と併用する場合が多い。
の従来技術として、特公平3−68200「既設トンネ
ルの内張設置方法および内張設置装置」で開示されてい
る「鋼板内張工法」がある。
かに小さい相似形の内張り材(鋼板、強化プラスチッ
ク)を分割製作し、前記分割した内張り材をトンネル中
心側に引き寄せて縮径したものを特殊な台車に搭載して
既設トンネル内に搬入し、所定の位置で内張り材を拡径
してトンネル内壁に近付け、設置済みの内張り材に溶接
接合し、最後にグラウト材を充填するものである。この
内張り工法は、補修後のトンネル内空間を殆ど狭めない
特徴を有し、主とし農工水、下水トンネル等の水路トン
ネル補修工法として多くの実績がある。
道トンネルや道路トンネル等の既設トンネル覆工コンク
リート剥落に対する保護工法では、トンネル内の車両通
過の安全性を確保するため保護部材等の設置(保護構造
の厚み)は建築限界をはみ出すことが許されない。
深夜の運行休止時間帯(数時間)に限られ、さらに、給
電ケーブルや信号ケーブル等の障害物が多い等の制約条
件がある。また、道路トンネルでは、迂回路がない場
合、交通規制しながら工事する必要があり、迅速施工が
重要な課題となる。
において、トンネル内で通行する列車等の風圧、振動に
対して、保護構造の緩み等が生じないようにしなければ
ならない。特に、トンネル上部から保護構造の部材等落
下があってはならない。したがって、このような条件下
で従来技術を適用しようとすると、以下のような問題が
ある。
接着工法」は、剥落部の覆工内面に鋼製当て板(帯板、
型鋼)を張付けロックボルトで覆工コンクリートにアン
カーするため、覆工コンクリートにロックボルト用の孔
を穿孔する作業が伴い、迅速施工できない。また、劣化
した覆工コンクリートではアンカー強度が確保できない
ため健全なコンクリート面まではつる必要があり、さら
に、作業時間が長くなってしまう。
ているため、ボルトの切断・アンカー抜けがあるとボル
トが落下してトンネル内を通過中の列車、車両に損傷を
与えることも考えられる。
ネル覆工内面に大型のH型鋼セントルを配置するためト
ンネル内の空間を狭めてしまい、建築限界を確保できな
い場合は採用できない。
鋼板を溶接接合に依って組立て設置するため、トンネル
内部への張出しが少なく建築限界をクリアーできる。ま
た、ボルト等の部材を使用していないため、工事完成後
の部材落下等の心配もない。
た鋼板を現地にて周方向、長手方向に溶接接合するた
め、溶接接合時間が長く掛かり、供用トンネルにおいて
1日数時間の作業時間しか得られない工事条件下では適
用が難しい。
径、拡径が比較的自在であるが、その反面、形状を固定
しにくく、接合部を合わせにくいという欠点を有してい
る。また、鋼板背面と覆工内面との隙間にグラウト充填
する際、その充填圧の作用により、薄鋼板が変形した
り、座屈したりし易いので、トンネル内空側からの仮設
支保工を併設しなければならず、建設費の増大および作
業時間が長くかかるという課題があった。
諸問題を解消し、既設トンネルの覆工内面からの内面側
への張出しを少なくして、建築限界を確保した保護構造
体をセグメントの接合により構成したもので、かつ迅速
施工を可能とした変断面アーチ部材を用いたトンネル覆
工の補強構造を提供するものである。
め、本発明に係る変断面アーチ部材を用いたトンネル覆
工の補強構造は、次のように構成する。
沿って鋼構造あるいは鉄筋コンクリート構造あるいは合
成構造の補強面材を設置する既設トンネル覆工内面の補
強構造において、前記補強面材は、トンネル周方向およ
びトンネル軸方向に分割製作され、前記補強面材の背面
側最外縁が覆工内面形状とほぼ相似形のセグメントで構
成され、前記セグメントは、覆工のスプリングライン周
辺が比較的肉薄の面部材で構成され、覆工の頂部周辺が
トンネルの建築限界を侵さない範囲で半径方向に比較的
厚い部材で構成された変断面アーチであり、前記セグメ
ントは少なくとも周方向に隣接するセグメントと周方向
端部に設けたセグメント継手で接合され、覆工内面に隙
間を形成して組立て設置されており、両セグメントは固
定手段で既設トンネルのコンクリートに固定され、各セ
グメント背面と覆工内面の隙間には、部分的又は全面に
渡ってグラウト材が充填され、各セグメントが覆工内面
に密着されていることを特徴とする。
鋼製の変断面アーチ部材は、トンネル周方向に隣接する
一対の半アーチ状セグメントからなり、この半アーチ状
セグメントは、覆工内面のスプリングライン周辺の主構
造部材は覆工内面に沿った面に概ね平行に湾曲した曲面
鋼板15のみにより構成され、覆工の頂部周辺の主構造
部材は覆工内面に沿った面に概ね平行な前記曲面鋼板1
5とトンネル軸方向に垂直な面を持ち、当該曲面鋼板1
5のトンネル背面側あるいはトンネル内空側に垂直に固
着された変断面補強鋼板により構成されていることを特
徴とする。
て、前記曲面鋼板15の覆工内面の頂部或いは、その近
傍に略剛接合のセグメント継手を有することを特徴とす
る。
変断面アーチ部材は、トンネル周方向に隣接する一対の
半アーチ状セグメントからなり、この半アーチ状セグメ
ントは、第3発明の鋼製の半アーチ状セグメントにおけ
る曲面鋼板15および変断面補強鋼板と、継手部挿入金
物を挿入可能な継手嵌合溝を有するセグメント継手部材
とで囲まれる空間にコンクリートを充填して構成されて
いることを特徴とする。
鉄筋コンクリート構造の変断面アーチ部材は、トンネル
周方向に隣接する一対の半アーチ状セグメントからな
り、この半アーチ状セグメントは、鉄筋コンクリートに
よって、外形が第4発明の合成構造の半アーチ状セグメ
ント略同じ形状に構成され、覆工の頂部近辺に位置する
セグメント間接合端縁に沿って継手部挿入金物を挿入可
能な継手嵌合溝を有するセグメント継手部材が設けられ
ていることを特徴とする。
おいて、前記覆工の頂部近辺に位置する略剛接合または
雌雄嵌合のセグメント継手は、半アーチ状セグメントを
トンネル軸方向に移動させることで自動位置決めできる
よう、当該セグメントに形成したセグメント接合傾斜端
縁に沿って設けられけられていることを特徴とする。
おいて、前記半アーチ状セグメントの長手両側辺には、
リング間継手として、互いに嵌り合う凸状継手あるいは
凹状継手が設けられていることを特徴とする。
おいて、前記両セグメントの下端部は、スプリングライ
ンの近傍に位置してトンネル軸方向に延びる梁材8で支
持され、当該梁材8は、トンネル内空側から覆工コンク
リートを貫いて、地山に進入したロックボルトで既設ト
ンネルの内面に固着されていることを特徴とする。
おいて、前記両セグメントの下端部は、スプリングライ
ンの近傍に位置してトンネル軸方向に延びる梁材8で支
持され、当該梁材8は、トンネル床版から立上がる厚鋼
板製の支持脚22の上端で支持され、当該支持脚22
は、外側に屈曲することで上部からの荷重を覆工コンク
リートの内壁面に伝達する屈曲節点を有し、この屈曲節
点は、直接または中間プレート28を介して覆工コンク
リート内面に接していることを特徴とする。
明において、前記梁材8には高さ調整部材が設けてあ
り、この高さ調整部材を介して変断面アーチの下端部が
梁材8支持されることを特徴とする。
前記高さ調整部材は、梁材8に固着のナットに高さ調整
ボルトを螺合して構成され、前記変断面アーチ部材の下
端面は、前記高さ調整ボルトの頭部で支持されている構
成を特徴とする。
用の概要を説明する。
る。、アーチ構造とグラウト充填による既設覆工への
密着により、コンクリート剥落荷重、変状荷重に対する
大きな耐力を発現できる。、スプリングライン周辺の
建築限界余裕の狭さに対して薄肉化でクリアーする。
、天井部周辺の建築限界余裕が比較的大きい箇所の桁
高を増大させ、変断面アーチとしたので、コンクリート
剥落荷重、変状荷重等の天井部への鉛直荷重に対する大
きな耐力発現できる。、グラウト充填圧に対し、補強
構造体の変形が小さくなり、屈曲強度も向上するので、
仮設支保が不要か、最小限にできる。、更に、変断面
形状により、セグメント曲げ剛性が大きいので、セグメ
ント組立時の自重による変形が小さく、組立容易にな
る。
部材を用いることで、トンネル覆工内面の補強のために
許容される許容空隙が、建築限界として幅狭空間(最も
厳しい箇所で30〜50mm)に限定されており、しか
も、許容空隙の寸法が場所によって異なる現状におい
て、曲面鋼板15の補強必要部位(覆工頂部)のみを、
その必要度に比例して補強でき、トンネル覆工内面の補
強を円滑に行うことができる。
わずかな隙間をおいて設置された変断面アーチ部材は、
背面の充填グラウト材でトンネル覆工内面に密着され、
最下段セグメントの下端部は梁材8で既設トンネルに固
定して支持されるので、天井部はロックボルトによる覆
工コンクリートへの固定手段を必要とせずに、覆工コン
クリートの剥落荷重、更には地山の圧力増加に対して変
形を拘束され、セグメントに作用する曲げモーメントが
低減され、前記の薄肉高強度のセグメント構造特性との
相乗効果により、トンネル内建築限界内に収まる変断面
アーチ部材の薄肉化を可能としている。
ると、セグメント組立時にセグメントが電車線を大きく
跨ぐことはなく、組立が容易になると共に、セグメント
厚の厚い部分にセグメント継手を配置できるので、略剛
接合を容易に実現でき、コンクリート剥落荷重、変状荷
重等の天井部への鉛直荷重に対して大きな耐力を有する
と同時にたわみを抑えることができる。
面のスプリングライン周辺において、変断面アーチ部材
の荷重を支持する梁材8が、トンネルの地山に貫入され
るロックボルトで当該トンネル覆工内面に固定されてい
て、従来のように、補強面材を覆工内面に固着するため
に、覆工頂部やその周辺のトンネル天井部に、補強面材
を貫いて覆工コンクリートにアンカーボルトを打設しな
いので、アンカーボルトがトンネル天井部の覆工コンク
リートから脱落して、落下するような不具合がない。
介して支持する支持脚22は、荷重の一部を覆工コンク
リートの内壁面に直接または中間プレート28を介して
接する屈曲節点により、当該覆工コンクリートの内壁面
に流すので、上部から大荷重がかかっても支持脚22
は、屈曲することがない。
に噛み合うようにトンネル半径方向のズレを防ぐ凸状部
あるいは凹状部が形成されることで、リング間をセグメ
ントのトンネル軸方向挿入により容易に嵌合接合するこ
とができる。これにより、トンネル軸方向の構造連続性
が確保され、構造安全性が向上するのみならず、止水性
も向上する。
に肉薄で高強度な補強面材を実現でき、覆工コンクリー
トの崩落荷重に抵抗できるのは勿論のこと、より大きな
背面グラウト材注入に耐えることができるので、グラウ
ト材注入作業が容易に行える。
照して詳細に説明する。
護構造の実施形態1の全体概要と、その部材である鋼構
造タイプのセグメントを示す。図1、図2において、既
設トンネル1の床版部2には枕木3を介して、鉄道レー
ル4が設置され、その上を列車が走行し、建築限界9が
定められている。また、この既設トンネル1は、地山5
の内面にコンクリート6を打設して覆工内面が構築され
ており、補強前は、コンクリート6がトンネル内に露呈
している。
補強面材として、略半円状の変断面アーチ部材7aを設
置することで、当該コンクリート6の崩落を防止するも
のであり、必要に応じて、地山の緩みや塑性圧等の外力
に対し、当該コンクリート6を補強するものである。こ
の変断面アーチ部材7aは、トンネル軸に垂直な面とト
ンネル軸に概ね平行な面で切断したトンネル周方向およ
び、軸方向に分割製作された覆工内面形状とほぼ相似の
半アーチ状セグメント7で構成される。
が覆工頂部でセグメント継手13を介して接合されるこ
とで、床版部2を除き、天井部と両側を含み、トンネル
内面の上半部に渡って略半円弧状(アーチ状)に設置さ
れていて、半アーチ状セグメント7の両下端部は、スプ
リングライン14の近傍に位置している。
(A)、(B)に矢印で示すように、トンネル内で、切
羽側から坑口側へ向けて、トンネル軸方向に移動させる
ことで、覆工頂部で接合させながら、左右整列配置にセ
グメント間およびリング間が組み立てられ、かつトンネ
ル軸方向と周方向端部にセグメント継手13を介して、
かつ覆工内面に隙間10を形成して組立て設置される
(この隙間10には後述のグラウトを充填する)。
て配置される左右の半アーチ状セグメント7の接合面
は、覆工頂部に位置し、かつこの接合面はトンネル軸方
向に平行ではなく、図示のようにトンネル軸方向に対し
所定の角度傾斜している(セグメント接合傾斜端縁13
a)。これにより前述のように、後続の半アーチ状セグ
メント7をトンネル軸方向に移動して、先行のセグメン
に接合するに際し、当該半アーチ状セグメント7を所定
の押圧力でもって、未組立側から既組立側にトンネル軸
方向に押圧することで、前記傾斜した接合面に自動的に
押圧力が作用し、左右の半アーチ状セグメント7のトン
ネル軸方向の正確な位置決めが自動的になされ、それに
より、セグメント間の整列配置による接合を容易かつ確
実に行うことができる。
ト7によって、覆工内面にアーチ状(円弧状)に組立て
られたセグメント(変断面アーチ部材7a)の両下端部
(トンネル周方向の両端部)は、スプリングライン14
近傍に配置され、所定の固定手段で既設トンネルの覆工
コンクリート5に固定されたH形鋼、ボックス形鋼、溝
形鋼などからなる梁材8で支持されている。
ンネル軸方向に伸長して設置されていて、トンネル軸方
向に渡り、アーチ状(円弧状)に組立てられたセグメン
トの分布荷重を支えている。この梁材8は、トンネル軸
方向に所定間隔で配置され、覆工コンクリート6を貫通
したうえ、さらに地山5に深く(約3m前後)打設する
ロックボルト12によってトンネル内壁に固着されてい
る。
には、半アーチ状セグメント7の詳細構造を示してい
る。
は、防食処理された炭素鋼、ステンレス鋼あるいはアル
ミニュウム等の金属からなる覆工内面形状とほぼ相似形
で、かつ半アーチ状に湾曲した曲面鋼板15を主要素と
する。曲面鋼板15は、所定板厚の鋼板を切断して構成
されるもので、フラットに展開した状態において、長方
形の一方の短辺を斜めに切断した形状であり、この辺
が、トンネル周方向に隣接する半アーチ状セグメント7
を接合するセグメント接合傾斜端縁13aとなる。この
セグメント接合傾斜端縁13aには、トンネル内空側
(半アーチ状に湾曲した内側)に突出した板状のセグメ
ント継手13が溶接されている。セグメント継手13に
は、複数のボルト孔11が設けられている。
ネル軸方向に相対する面には互いに噛み合うことで、半
アーチ状セグメント7のトンネル半径方向のズレを防い
でセグメントリング間を連結するための凸状継手あるい
は凹状継手が設けられることがある(図示省略)。
断面補強鋼板17が固着されている。この変断面補強鋼
板17は、曲面鋼板15とトンネル軸方向に対して垂直
な面を持ち、かつ、湾曲した曲面鋼板15の覆工のスプ
リングライン周辺(図3、Bの中間部から下方部)で
は、この変断面補強鋼板17は殆ど突出しておらず(前
述の垂直な面がなく)、したがってこの部位では、覆工
内面に沿った面に概ね平行な当該曲面鋼板15のみで構
成され、曲面鋼板15の覆工の頂部近辺では、セグメン
ト主構造部材として十分機能するよう半径方向(トンネ
ル内空側)に比較的高く突出した部材(拡幅寸法L)が
設けられている。
メント7でトンネル覆工内面を補強するに際し、当該セ
グメント7は、トンネルの建築限界を侵さないという条
件が付けられているので、曲面鋼板15の板厚にも自ず
から制約があり、それ故に、板厚が一定の制約のもと、
例えば、板厚6〜30mm程度に構成された曲面鋼板1
5に対し、コンクリート剥落荷重、変状荷重等の天井部
への鉛直荷重を受け、比較的大きな曲げモーメントが作
用するので、この曲面鋼板15には、主桁部材による補
強が必要になる。
で補強する場合において、次の問題点があり、かつこれ
を所定の手段で解決すべきであるとの知見を得た。 (1)、曲面鋼板15を従来のセグメントと同じ主桁部
材で補強する場合、覆工内面のスプリングライン周辺に
は、列車との間に余裕空間が殆どなく、また、覆工の頂
部周辺には、トンネルの建築限界を侵さない範囲で若干
の余裕空間がある。 (2)、したがって、従来のセグメントと同様に、全長
にわたり同じ高さの主桁部材を構成すると、桁高を覆工
の頂部周辺を基準として設計した場合、覆工頂部では適
応できてもスプリングライン周辺では、余裕空間が殆ど
ないので、主桁部材を設けることができない。反対に、
桁高をスプリングライン周辺を基準として設計した場
合、この部分には殆ど余裕空間がないので、曲面鋼板1
5に主桁部材を設けることが不可能である。 (3)、他方、本発明者のさらなる研究により、覆工内
面に配置される曲面鋼板15が、コンクリート剥落荷
重、変状荷重等の天井部への鉛直荷重を受けたとき、周
方向軸圧縮力はどの位置でも概ね同じであるが、周方向
曲げモーメントは、覆工のスプリングライン周辺が低
く、覆工の頂部周辺に近づくにつれて大きくなることを
確認した。 (4)、このことは、曲面鋼板15が最も曲げ補強を必
要とする覆工の頂部周辺に建築限界を侵さない範囲で若
干の余裕空間があり、この部分には主桁部材を設けるこ
とが可能でり、他方、余裕空間が殆どないスプリングラ
イン周辺では、曲面鋼板15の曲げ補強を省略しても必
ずしも不具合は生じないことである。
板15の変断面補強鋼板17は、前記(1)〜(4)の
検討結果に基づいてなされたものである。
板17は、図示のように、スプリングライン近辺の始端
(最低部)18からセグメント継手13と接触する終端
(最高部)19にかけて概ね放物曲線を描いて徐々に半
径方向に厚く(高く)設けられていて、側面が下向き先
細り形状で、あたかも湾曲した「角」のように設けられ
ている。この場合、変断面補強鋼板17の最高部19お
よびセグメント継手13の高さは、鉄道トンネルの建築
限界を侵さない範囲でトンネル内空側へ突出させて設け
る。
トンネル軸方向にスライドして差し込み嵌合することに
より、トンネル周方向とトンネル軸方向に隣接するセグ
メントが接合される。その連結手段としては、セグメン
ト間は、セグメント継手13のボルト孔11に連結ボル
ト21を挿通しナットを締結する引張り接合で行われ
る。
ンネル軸方向に平行ではなく、図示のようにトンネル軸
方向に対し所定の角度傾斜しているが、これは前述のよ
うに、半アーチ状セグメント7をトンネル軸方向に移動
して、当該半アーチ状セグメント7を所定の押圧力でも
って、未組立側から既組立側にトンネル軸方向に押圧す
ることで、前記傾斜した接合面に自動的に押圧力が作用
し、左右の半アーチ状セグメント7のトンネル軸方向の
正確な位置決めが自動的になされ、それにより、セグメ
ント間とセグメントリング間の接合を同時に容易かつ確
実に行うことができる。
曲面鋼板15をトンネル軸方向にスライドすることによ
る、セグメント端面の単なる突合せ接合でもよいし、曲
面鋼板15の長手両側辺の端面に凸状継手あるいは凹状
継手を設けて、両者が嵌合し噛合うことにより、トンネ
ル半径方向のズレを防いでトンネル周方向に隣接するセ
グメントが接合されるようにしてもよい(図示省略)。
が組まれた後に、その背面側と既設トンネルのコンクリ
ート6の覆工内面との隙間が形成され、少なくとも、リ
ング継手近傍の各半アーチ状セグメント7の背面と既設
の覆工コンクリート6との隙間には、周方向に渡ってグ
ラウト材20(図1に示す)が充填され、前記変断面ア
ーチ部材7aが覆工内面に密着されている。
よると、トンネル覆工内面の補強のために許容される許
容空隙が、建築限界として幅狭空間(最も厳しい箇所で
30mm〜50mm)に限定されており、しかも、許容
空隙の寸法が場所によって異なる状況において、曲面鋼
板15の補強必要部位(覆工頂部)のみを、その必要度
に比例して補強でき、トンネル覆工内面の補強を円滑に
行うことができる。
部材7aの荷重は、当該変断面アーチ部材7aの両下端
が、トンネル1の地山5に深く貫入される長尺のロック
ボルト12でトンネル覆工内面のスプリングライン14
の周辺に固定された梁材8で支持されていて、補強面材
のトンネル軸方向の分布荷重を梁材8で受けてトンネル
側に伝達できる。したがって従来のように、補強面材を
覆工内面に固着するために、覆工頂部やその周辺のトン
ネル天井部の補強面材を貫いて覆工コンクリート6にア
ンカーボルトを打設しないので、このアンカーボルトが
トンネル天井部の覆工コンクリート6から脱落して、落
下するような不具合がない。また、鉄道トンネルの場
合、スプリングライン14より下の覆工コンクリート内
面には、通信ケーブル等の様々な設備が配置されてお
り、これらの設備を移設することなく、補強構造を構築
できる。
施形態2を示し、実施形態1と共通要素には共通符号を
付して重複説明を省略し、相違する点について説明す
る。
鋼板15の背面側(地山側)に変断面補強鋼板17と厚
板セグメント継手33が設けられており、この変断面補
強鋼板17の最高部19の高さは、曲面鋼板15が鉄道
トンネルの建築限界を侵さない範囲で前述の地山5側へ
突出させて設ける。 (2)、半アーチ状セグメント7は、実施形態1の連結
ボルトによる引張り結合のためのセグメント継手13を
有しておらず、これに代えて、実施形態2では雌雄嵌合
継手としたこと、 (3)、セグメントリング間の連結手段として、曲面鋼
板15の長手両側辺の端面に凸状継手26あるいは凹状
継手27を具備していること、 (4)、変断面アーチ部材7aからの荷重を梁材(ボッ
クス形鋼)8を介して覆工コンクリート6の内壁面に伝
達するべく、当該変断面アーチ部材7aを支持する梁材
8の覆工内面への固着手段が、実施形態1のロックボル
ト12であるのに対し、実施形態2では、屈曲節点を持
つ支持脚22であること、の4点である。
(1)、(2)を説明する。図5〜図8に示すように、
実施形態2では、鋼製セグメントの曲面鋼板15の両側
縁から少し内寄りの位置で、かつトンネル地山側に突出
して変断面補強鋼板17が設けられている。また、トン
ネル軸方向に対し所定の角度傾斜しているセグメント突
合せ端面(セグメント接合傾斜端縁13a)が形成され
ているが、実施形態1のセグメント継手13は設けられ
ていない。
強鋼板17の突合せ端部の一方で、かつ、傾斜端縁先端
側には、嵌合孔23を有する雌側継手板24が設けら
れ、突合せ端部の他方で、かつ、傾斜端縁基端側には、
相手側セグメントの前記雌側継手板24の嵌合孔23に
嵌合する突起状の雄側嵌合継手25が設けられている。
して配設した(既設という)半アーチ状セグメント7に
対して、後続の半アーチ状セグメント7を図示矢印方向
(周方向)に移動して近接したうえ、さらに、少し未組
立側から既組立側に向けて移動させることにより、両方
の半アーチ状セグメント7のそれぞれの雌側継手板24
の嵌合孔23と雄側嵌合継手25が嵌りあって、トンネ
ル周方向に隣合う半アーチ状セグメント7が、容易、確
実、かつ強固に結合される。
セグメントリング間の連結手段として、曲面鋼板15の
長手両側辺の端面に凸状継手26あるいは凹状継手27
を設けてある。したがって、曲面鋼板15をトンネル軸
方向にスライドすることで、凸状継手26あるいは凹状
継手27が嵌合し噛合うことにより、トンネル半径方向
のズレを防いでトンネル周方向に隣接するセグメントが
突合せ接合される。
面アーチ部材7aでは、スプリングラインの近傍に位置
して、両半アーチ状セグメント7の下端部を支え、トン
ネル軸方向に延び、ボックス形鋼からなる梁材8は実施
形態1の長尺のロックボルトの代わりに、主支持脚部材
として、トンネル床版2から立上がる厚鋼板製の支持脚
22の上端で支持される。
断面で、任意太さの鋼材で構成される。また、この支持
脚22は、外側(覆工内面側)に屈曲することで上部か
らの荷重を覆工コンクリートの内壁面に伝達する屈曲節
点22aを一点又は複数点(図では、2点)有し、この
屈曲節点22aは、覆工コンクリート内面に直接また
は、図示の中間プレート28を介して接している。
9が固着されていて、取付けプレート29のボルト孔に
挿通した固定ボルト30を、トンネル床版2にインサー
トで固着したナット部材にねじ込むことで、支持脚22
の下端がトンネル床版2に固着されている。
カーボルト31が設けられ、このアンカーボルト31
が、覆工コンクリート6にインサートで埋設固定された
ナット部材32に螺合されている。このアンカーボルト
31は、梁材8が、その配置位置で動かないように軽く
固定する機能のみを有しており、変断面アーチ部材7a
からの荷重を梁材8を介して受けるのは、専ら支持脚2
2である。したがって、アンカーボルト31には強度が
要求されず、図示のように短尺であって構わず、また、
覆工コンクリート8にインサートしたナット部材32に
も、覆工コンクリート6から剥落させるような、大きな
剥離力が作用することがない。
8を介して支持する支持脚22は、荷重の一部を覆工コ
ンクリート6の内壁面に直接または中間プレート28を
介して接する屈曲節点22aにより、当該覆工コンクリ
ート6の内壁面に流すので、上部から大荷重がかかって
も支持脚22は、屈曲することがない。
内面壁との間には、隙間をあけることが可能なので、ス
プリングライン14より下方の覆工コンクリート6の内
面壁に沿う通信ケーブル等の鉄道設備を交わして構築で
きる。
実施形態3を示し、実施形態2と共通要素には共通符号
を付して重複説明を省略し、相違する点について説明す
る。
は、(1)、実施形態1、2の変断面アーチ部材7a
が、鋼構造タイプであるのに対し、実施形態3では、
(鋼とコンクリートの)合成構造タイプの半アーチ状セ
グメント7であること、(2)、半アーチ状セグメント
7の継手構造が、実施形態1、2は、連結ボルトによる
引張り結合、または雌雄嵌合継手であるのに対し、実施
形態3では、挿入継手部材による嵌合継手であること、
したがって、セグメント継手構造が異なること、の2点
である。
梁材8が、屈曲節点22aを持つ支持脚22で固定され
る点は、実施形態2と同じであるので、重複説明は省略
する。
施形態3の半アーチ状セグメント7では、曲面鋼板15
の背面側(地山側)に変断面補強鋼板17と厚板セグメ
ント継手33が設けられている。この変断面補強鋼板1
7の最高部およびセグメント継手13の高さは、曲面鋼
板15が鉄道トンネルの建築限界を侵さない範囲で前述
の地山側へ突出させて設ける。
背面と厚板セグメント継手33と変断面補強鋼板17と
で囲まれる空間を埋めるように、たて、よこの鉄筋36
入りのコンクリート35が充填されている。この充填コ
ンクリート35の横断面形状は、変断面補強鋼板17と
同じ断面形状であり、したがって、実施形態3の半アー
チ状セグメント7の側面形状は、実施形態1、2と同
様、側面が下向き先細り形状に湾曲して、あたかも
「角」のような構成とされている。
半アーチ状セグメント7を、トンネル軸方向にスライド
させることにより、トンネル周方向とトンネル軸方向に
隣接するセグメントが接合される。その連結手段として
は、セグメント間が、相対する左右の半アーチ状セグメ
ント7の厚板セグメント継手33の左右の蟻溝状の係合
溝34が、その幅狭開口部で接続することで、中間がく
びれた略「H」形状の係合孔が形成され、この係合孔
に、長尺の中間がくびれた略「H」形状の継手部挿入金
物37を嵌合することにより、左右の半アーチ状セグメ
ント7が結合される。厚板セグメント継手33がトンネ
ル軸方向に対し所定の角度傾斜している点は、実施形態
1、2と同じである。
の実施形態4を示す。実施形態4の一部の構成は、実施
形態3と共通するので、実施形態3と共通する要素に
は、共通符号を付して重複説明を省略し、相違する点に
ついて説明する。
点は、(1)、実施形態4の変断面アーチ部材7aが、
実施形態3と同様合成構造タイプであるが、実施形態3
の変断面補強鋼板17を有さず、鉄筋入りコンクリート
38をスプリングライン14近傍では薄肉とし、覆工頂
部に行くにつれて徐々に厚肉とすることで、主桁部材を
構成していること、(2)、半アーチ状セグメント7の
下端には、鉄筋入りコンクリート38に連結筋48を介
して、溝形鋼製の下端支持部材39が固着されているこ
と、(3)、半アーチ状セグメント7の継手構造が、実
施形態と異なり、自動嵌合式のクイックジョイント40
であること、(4)、半アーチ状セグメント7の下端部
は、下端支持部材39を介して高さ調整支持具41で支
持されていること、(5)、セグメントの支持脚が、コ
ンクリート支持脚42で構成されていること、の5点で
ある。
施形態3の半アーチ状セグメント7では、複数のたて筋
33とよこ筋34で補強され、側面が例えて云えば、湾
曲した「象の鼻」のような先細り形状に構成されてい
て、鉄筋入りコンクリート38のトンネル内空側には、
補強薄板材としてエキスパンドメタル43が固着されて
いる。(なお、実施形態4では、曲面鋼板15を具備せ
ず、全体を鉄筋コンクリート構造(RC構造)としても
よい。)
のクイックジョイント40は、半アーチ状セグメント7
のトンネル軸方向に平行なセグメント接合端縁13cに
埋設固定される。クイックジョイント40は、先端に先
細テーパ部のある嵌合筒部45を具備した雌継手44
と、前記嵌合筒部45に嵌合して係止できる嵌合突起4
7を先端に具備する雄継手46とから構成されている。
したがって、左右の半アーチ状セグメント7の接合端縁
13cと突き合わせるだけで、前記、雌継手44と雄継
手46嵌り合って、自動的に結合できる。
は、変断面アーチ部材7aの最下段は、溝形鋼からなる
梁材8の上部側のウェブで支持されていて、高さ調整は
出来ない。これに対し、実施形態4では、コンクリート
支持脚42の上端にインサートされたナット49に高さ
調整ボルト50が設けてあり、高さ調整ボルト50のボ
ルト頭部51で、半アーチ状セグメント7の下端支持部
材39が高さ調整自在に支持されている。高さ調整ボル
ト50は、高さ位置固定ボルト52で固定される。
部材7aをトンネル覆工内面で組立てるとき、変断面ア
ーチ部材7aの設置位置は、セグメント製造誤差、施工
誤差によりばらつき、コンクリート覆工内面の不陸と相
俟って覆工内面との間に、無駄な空間が生じがちであ
る。この場合、変断面アーチ部材7a組立てた後、前記
高さ調整ボルト50を回して、そのボルト頭部51で変
断面アーチ部材7aの下端を持ち上げることにより、変
断面アーチ部材7aの外面を覆工内面に押付けて、前記
覆工内面との空隙を縮小し、この縮小空隙に効率よくグ
ラウト材20を充填できる。
0を充填するに先立ち、曲面鋼板15の背面に、複数の
スペーサ58を所定間隔で配設しておくことにより、曲
面鋼板15と覆工コンクリート6の間に確実に適正間隙
を形成でき、この適正間隙にグラウト材20を充填する
ことで、円滑な覆工作業ができる。
脚は、所定幅、所定厚のコンクリート支持脚42で構成
され、かつ、屈曲節点42aを具備している。このコン
クリート支持脚42は、上端に設けた高さ調整支持具4
1を介して、半アーチ状セグメント7の下端を支持す
る。
メント7の断面形状の変形例を12例示す図である。各
例に付き、共通点毎に分けて説明する。(A)〜(H)
は、鋼製セグメント構造、(I)〜(K)は、合成セグ
メント構造、(L)はRCセグメント構造の各例を示
す。(A)〜(D)では、曲面鋼板15にトンネル内空
側に向けて変断面補強鋼板17が設けられているのに対
し、(E)〜(H)では、曲面鋼板15にトンネル地山
側に向けて変断面補強鋼板17が設けられている。
の両側縁にトンネル内空側とトンネル地山側に向けて設
けられた変断面補強鋼板17の中間に、これと同方向に
向けて中間部変断面補強鋼板17aが設けられている。
に設けられる変断面補強鋼板17が、トンネル内空側に
向けて、より多く突出し、トンネル地山側に向けて、よ
り少なく突出して設けられた例が示されている。
から少しく中間寄りの位置で、かつ、トンネル地山側に
向けて、変断面補強鋼板17が設けられた例が示されて
いる。
鋼板15の両側縁にトンネル内空側とトンネル地山側に
向けて設けられた変断面補強鋼板17の先端に、対向し
てリブ53が設けられた例が示されている。
の半アーチ状セグメント7の内部空間にコンクリート3
5を充填した、合成構造の半アーチ状セグメント7の例
を示す。
構造の半アーチ状セグメント7の半アーチ状セグメント
7の内部空間に充填したコンクリート35をたて筋、と
よこ筋の鉄筋36で補強した合成構造の半アーチ状セグ
メント7の例を示す。
の半アーチ状セグメント7の内部空間にコンクリート3
5を充填した、合成構造の半アーチ状セグメント7の例
を示す。
筋36で補強したコンクリート35からなるRC構造の
半アーチ状セグメント7であって、内空側の面にエキス
パンドメタル43を装着して更に補強された半アーチ状
セグメント7の例が示されている。
状セグメント7の覆工頂部における、セグメント間継手
構造を示す。既述説明と一部重複するが、既述のものと
同一要素には、同一符号を付して説明する。
7のセグメント間突合せ端面(セグメント接合傾斜端縁
13a)に、トンネル内空側に突出してセグメント継手
13が溶接され、このセグメント継手13にボルト孔1
1が開設され、このボルト孔11に、連結ボルト21を
挿入し、ナットで締結した引張り結合の例を示す。ま
た、この例において、曲面鋼板15のセグメント間突合
せ面に形成した凹部53に止水材54が充填されてい
て、地山側からの湧水がトンネル内空側に漏出しない構
成とされている。
において、相対する左右の半アーチ状セグメント7の厚
板セグメント継手33の左右の蟻溝状の係合溝34が、
その幅狭開口部で接続することで、中間がくびれた略
「H」形状の係合孔が形成され、この係合孔に、長尺の
中間がくびれた略「H」形状の継手部挿入金物37を嵌
合することにより、左右の両セグメント7が結合され
る。また、セグメント間突合せ面に形成した凹部53に
止水材54が充填されていて、地山側からの湧水がトン
ネル内空側に漏出しない構成とされている。
で、かつ、内空側にエキスパンドメタル43を装着した
セグメントにおいて、相対する左右の半アーチ状セグメ
ント7のセグメント間突合せ端面に、トンネル内空側に
突出してセグメント継手13が固着され、その背面にボ
ルト締結用空間55が形成され、このボルト締結用空間
55において、セグメント継手13に開設されたボルト
孔11に、連結ボルト21を挿入し、ナットで締結した
引張り結合の例を示す。また、この例において、曲面鋼
板15のセグメント間突合せ面に形成した凹部53に止
水材54が充填されていて、地山側からの湧水がトンネ
ル内空側に漏出しない構成とされている。
5の両側縁から少し内寄りに位置に変断面補強鋼板17
が設けられると共に、トンネル軸方向に対し所定の角度
傾斜しているセグメント突合せ端面(セグメント接合傾
斜端縁13a)に沿って、かつ、トンネル地山側(また
は内空側でも良い)に突出してセグメント継手13が設
けられている。
強鋼板17の突合せ端部の一方で、かつ、傾斜端縁先端
側には、嵌合孔23を有する雌側継手板24が設けら
れ、突合せ端部の他方で、かつ、傾斜端縁基端側には、
相手側セグメントの前記雌側継手板24の嵌合孔23に
嵌合する突起状の雄側嵌合継手25が設けられている。
行して敷設した(既設という)半アーチ状セグメント7
に対して、後続の半アーチ状セグメント7を図示矢印方
向に(未組立側から既組立側に向けて)移動させること
により、両方の半アーチ状セグメント7のそれぞれの雌
側継手板24の嵌合孔23と雄側嵌合継手25が嵌りあ
って、トンネル周方向に隣合う半アーチ状セグメント7
が、容易、確実、かつ強固に結合される。
状セグメント7のセグメント間或いはリング間の凹凸嵌
合構造および止水構造の2例を示す。
7のセグメントまたは、セグメントリング間突合せ端面
において、トンネル内空側に突出するよう溶接されたセ
グメント継手13にボルト孔11が開設され、このボル
ト孔11に、連結ボルト21を挿入し、ナットで締結し
た引張り結合の例を示す。この例において、相対するセ
グメント継手13には、互いに嵌り合う凹状部56と突
起57が設けられていると共に、曲面鋼板15のセグメ
ント間突合せ面に形成した凹部53に止水材54が充填
されていて、地山側からの湧水がトンネル内空側に漏出
しない構成とされている。
水材54が充填された構成に代えて、曲面鋼板15のセ
グメント間突合せ面に水膨潤ゴム等の止水材54を介し
て互いに嵌り合う凹部53と凸部53aが設けられてお
り、他方、セグメント継手13の突合せ面はフラットに
構成され、連結ボルト21で引張り接合された例が示さ
れている。
が、それら以外にも、図示例の構成を、設計変更して実
施することは可能である。
により、コンクリート剥落荷重、変状荷重に対する大き
な耐力発現できる。、スプリングライン周辺の建築限
界余裕の狭さに対して薄肉化でクリアーする。、天井
部周辺の建築限界余裕が比較的大きい箇所の桁高を増大
させ、変断面アーチとしたので、コンクリート剥落荷
重、変状荷重に対する大きな耐力発現できる。、グラ
ウト充填圧に対し、補強構造体の変形が小さくなり、屈
曲強度も向上するので、仮設支保工を不要か、最小限に
できる。、さらに、変断面形状のセグメントにより、
当該セグメント組立時の変形が小さく、組立てが容易で
ある。
を用いることで、トンネル覆工内面の補強のために許容
される許容空隙が、建築限界として幅狭空間(最も厳し
い箇所で30〜50mm)に限定されており、しかも、
許容空隙の寸法が場所によって異なる現状において、曲
面鋼板の補強必要部位(覆工頂部)のみを、その必要度
に比例して補強でき、トンネル覆工内面の補強を円滑に
行うことができる。
は、スプリングライン周辺に配置の梁材で支持され、当
該梁材は、トンネルの地山に貫入されるロックボルトで
トンネル覆工内面に固定されているので、変断面アーチ
部材のトンネル軸方向の分布荷重を梁材で受けてトンネ
ル側に確実に伝達でき、従来のように、補強面材を覆工
内面に固着するために、覆工頂部やその周辺のトンネル
天井部に、補強面材を貫いて覆工コンクリートにアンカ
ーボルトを打設しないので、このアンカーボルトがトン
ネル天井部の覆工コンクリートから離脱して、落下する
ような不具合がない。
持する支持脚は、当該変断面アーチ部材のトンネル軸方
向の分布荷重の一部を、覆工コンクリートの内壁面に直
接または中間プレートを介して接する屈曲節点により、
覆工コンクリートの内壁面に流すので、上部から大荷重
がかかっても支持脚は、屈曲することがない。
ネル覆工内面の全体の概要横断面図である。
部材の平面図と側面図である。
グメントの平面図と横断面説明図である。
図、(B)、(C)は、それぞれ図3(A)のa−a,
b−b線に沿う断面説明図である。
アーチ部材の組立時の平面図と既設トンネル覆工内面の
全体の概要横断面図である。
(B)は、変断面アーチ部材の組立時の側面図である。
グメントの平面図と横断面説明図である。
図、(B)、(C)は、それぞれ図7(A)のe−e,
f−f線に沿う断面説明図である。
アーチ部材の組立時の平面図と既設トンネル覆工内面の
全体の概要横断面図である。
セグメントの平面図と横断面説明図である。
面図、(B)、(C)は、それぞれ図11(A)のg−
g,h−h線に沿う断面説明図、(D)は継手部挿入金
物の正面図と側面図である。
面アーチ部材の組立時の平面図と既設トンネル覆工内面
の全体の概要横断面図である。
(i)部拡大図と(j)部拡大図である。
る。
セグメントの平面図と横断面説明図である。
面図、(B)、(C)は、それぞれ図16(A)のk−
k,l−l線に沿う断面説明図である。
であるクイックジョイントの断面図と側面説明図であ
る。
ト主断面構造の12の変形例を示す断面説明図である。
継手構造例1の部分拡大平面図と、横断面図である。
継手構造例2の部分拡大平面図と、横断面図、(C)
は、図(A)、(B)における継手構造の接合状況を示
す縮小平面図である。
継手構造例3の部分拡大平面図と、横断面図である。
継手構造例4の部分拡大平面図と、横断面図、(C)
は、図(A)、(B)における継手構造の接合状況を示
す縮小平面図である。
ング間の凹凸嵌合構造および止水構造例1の断面図、
(B)は、同図(A)のm部の拡大図である。
ング間の凹凸嵌合構造および止水構造例2の断面図、
(B)は、同図(A)のn部の拡大図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 既設トンネルの覆工内面に沿って鋼構造
あるいは鉄筋コンクリート構造あるいは合成構造の補強
面材を設置する既設トンネル覆工内面の補強構造におい
て、 前記補強面材は、トンネル周方向およびトンネル軸方向
に分割製作され、前記補強面材の背面側最外縁が覆工内
面形状とほぼ相似形のセグメントで構成され、 前記セグメントは、覆工のスプリングライン周辺が比較
的肉薄の面部材で構成され、覆工の頂部周辺がトンネル
の建築限界を侵さない範囲で半径方向に比較的厚い部材
で構成された変断面アーチであり、 前記セグメントは少なくとも周方向に隣接するセグメン
トと周方向端部に設けたセグメント継手で接合され、覆
工内面に隙間を形成して組立て設置されており、 両セグメントは固定手段で既設トンネルのコンクリート
に固定され、 各セグメント背面と覆工内面の隙間には、部分的又は全
面に渡ってグラウト材が充填され、各セグメントが覆工
内面に密着されていることを特徴とする変断面アーチ部
材を用いたトンネル覆工の補強構造。 - 【請求項2】 前記鋼製の変断面アーチ部材は、トンネ
ル周方向に隣接する一対の半アーチ状セグメントからな
り、この半アーチ状セグメントは、覆工内面のスプリン
グライン周辺の主構造部材は覆工内面に沿った面に概ね
平行に湾曲した曲面鋼板のみにより構成され、覆工の頂
部周辺の主構造部材は覆工内面に沿った面に概ね平行な
前記曲面鋼板とトンネル軸方向に垂直な面を持ち、当該
曲面鋼板のトンネル背面側あるいはトンネル内空側に垂
直に固着された変断面補強鋼板により構成されているこ
とを特徴とする請求項1記載の変断面アーチ部材を用い
たトンネル覆工の補強構造。 - 【請求項3】 前記曲面鋼板の覆工内面の頂部或いは、
その近傍に略剛接合のセグメント継手を有することを特
徴とする請求項1または2記載の変断面アーチ部材を用
いたトンネル覆工の補強構造。 - 【請求項4】 前記合成構造の変断面アーチ部材は、ト
ンネル周方向に隣接する一対の半アーチ状セグメントか
らなり、この半アーチ状セグメントは、請求項3記載の
鋼製の半アーチ状セグメントにおける曲面鋼板および変
断面補強鋼板と、継手部挿入金物を挿入可能な継手嵌合
溝を有するセグメント継手部材とで囲まれる空間にコン
クリートを充填して構成されていることを特徴とする請
求項1記載の変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の
補強構造。 - 【請求項5】 前記鉄筋コンクリート構造の変断面アー
チ部材は、トンネル周方向に隣接する一対の半アーチ状
セグメントからなり、この半アーチ状セグメントは、鉄
筋コンクリートによって、外形が請求項4記載の合成構
造の半アーチ状セグメント略同じ形状に構成され、覆工
の頂部近辺に位置するセグメント間接合端縁に沿って継
手部挿入金物を挿入可能な継手嵌合溝を有するセグメン
ト継手部材が設けられていることを特徴とする請求項1
記載の変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構
造。 - 【請求項6】 前記覆工の頂部近辺に位置する略剛接合
または雌雄嵌合のセグメント継手は、半アーチ状セグメ
ントをトンネル軸方向に移動させることで自動位置決め
できるよう、当該セグメントに形成したセグメント接合
傾斜端縁に沿って設けられけられていることを特徴とす
る請求項3〜5の何れか1項に記載の変断面アーチ部材
を用いたトンネル覆工の補強構造。 - 【請求項7】 前記半アーチ状セグメントの長手両側辺
には、リング間継手として、互いに嵌り合う凸状継手あ
るいは凹状継手が設けられている請求項2〜6の何れか
1項に記載の変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の
補強構造。 - 【請求項8】 前記両セグメントの下端部は、スプリン
グラインの近傍に位置してトンネル軸方向に延びる梁材
で支持され、当該梁材は、トンネル内空側から覆工コン
クリートを貫いて、地山に進入したロックボルトで既設
トンネルの内面に固着されていることを特徴とする請求
項1〜7の何れか1項に記載の変断面アーチ部材を用い
たトンネル覆工の補強構造。 - 【請求項9】 前記両セグメントの下端部は、スプリン
グラインの近傍に位置してトンネル軸方向に延びる梁材
で支持され、当該梁材は、トンネル床版から立上がる厚
鋼板製の支持脚の上端で支持され、当該支持脚は、外側
に屈曲することで上部からの荷重を覆工コンクリートの
内壁面に伝達する屈曲節点を有し、この屈曲節点は、直
接または中間プレートを介して覆工コンクリート内面に
接していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項
に記載の変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強
構造。 - 【請求項10】 前記梁材には高さ調整部材が設けてあ
り、この高さ調整部材を介して変断面アーチの下端部が
梁材支持されることを特徴とする請求項2〜9の何れか
1項に記載の変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の
補強構造。 - 【請求項11】 前記高さ調整部材は、梁材に固着のナ
ットに高さ調整ボルトを螺合して構成され、前記変断面
アーチ部材の下端面は、前記高さ調整ボルトの頭部で支
持されている構成を特徴とする請求項10に記載の変断
面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000112132A JP2001295597A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2000112132A JP2001295597A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 変断面アーチ部材を用いたトンネル覆工の補強構造 |
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- 2000-04-13 JP JP2000112132A patent/JP2001295597A/ja active Pending
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