JP6109325B2 - アルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ - Google Patents

アルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ Download PDF

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Description

本発明は、往復動内燃機関に使用されるピストンリングに関する。特に、アルミニウム合金製のシリンダ(又はシリンダライナ)に対して摺動するピストンリングに関する。
燃費の向上や小型軽量化などへの対応から、自動車用エンジンの高出力化及びアルミニウム化が進んでいる。例えば、アルミニウム合金製のシリンダブロックには、AC4B(JIS-H5202)相当材やADC12(JIS-H5302)相当材、A390材などが用いられている。A390材は過共晶アルミニウム合金であり、シリンダブロックを鋳造後に、シリンダ内径部の摺動面のアルミニウムマトリクスのみを選択的にエッチングし、硬質なSi粒子を表面に露出させることで耐摩耗性を向上させている。また、従来はアルミニウム製シリンダに鋳鉄製シリンダライナを内嵌することが多かったが、近年では、硬質Si粒子をマトリクス中に析出させたアルミニウム合金製のシリンダライナを採用するエンジンが増加してきている。
ところで、自動車用エンジンなどの内燃機関において、ピストンリングとシリンダライナの摺動時に生じる摩擦損失は、内燃機関全体の摩擦損失の2〜3割程度を占めると考えられており、この摩擦損失の低減が内燃機関の性能に大きく影響する。摩擦損失の低減には、ピストンリングの摩耗を抑制して摺動面形状を保持することが必要であり、これにより、シリンダライナとピストンリングの摺動面が常時一定の面圧で摺動して燃焼ガスの燃焼エネルギーを十分にクランクシャフトに伝達することができる。又、摺動面の摩擦係数を低減させることも必要になってくる。
ピストンリング外周の摺動面の耐摩耗性を向上させるために、窒化層、Crめっき層、イオンプレーティング法による金属窒化物層などの硬質皮膜を形成することが多く行われてきた。ところが、Crを18wt%程度含有する鉄系材料からなるピストンリングの摺動面に窒化層を形成し、このピストンリングをアルミニウム合金製シリンダライナに適用すると、シリンダライナが大幅に摩耗する傾向があり、ピストンリングに適用できる材料が制約されるという問題があった。一方、Crめっき層やイオンプレーティング法などにより金属窒化物の硬質皮膜をピストンリング表面に形成した場合、シリンダライナの摩耗量が増大したり、硬質なSi粒子が脱落して摺動面に傷が発生し、更なる摩耗やスカッフが発生するという問題があった。
このため、近年では硬質炭素(DLC)皮膜が用いられるようになってきている。例えば、Si、Ti、W、Cr、Mo、Nb、Vから選ばれた1又は2以上の元素を5〜40原子%含有し、これらの炭化物が分散しているダイヤモンドライクカーボン(DLC)硬質皮膜を、ピストンリング外周面に形成して耐スカッフ性と耐摩耗性を向上させた技術が開発されている(特許文献1)。また、中間層を介して水素を含有しない非晶質硬質炭素(DLC)皮膜をAIP法により被覆したピストンリングが開発されている(特許文献2)。
一方、エンジンの燃費向上等のために燃焼温度が上昇する傾向にあり、燃焼条件が厳しくなってピストンリングが過酷な使用環境に晒されるようになってきている。特に、スチール製ピストンと比較して低温で軟化するアルミニウム合金製ピストンの場合、燃焼温度が高くなると、ピストンリングとの摺動部にアルミニウム凝着が発生しやすくなる。そして、ピストンリングの側面(上下面)にアルミニウムが凝着すると、この凝着部を基点としてピストンのリング溝の摩耗が増大し、アルミニウム凝着をさらに増大させる。そこで、ピストンリングの側面の少なくとも一方に、固体潤滑材を含有する樹脂皮膜を形成することが行われているが、樹脂皮膜は耐摩耗性が低く、初期のアルミニウム凝着を防止できるものの、長期に渡ってアルミニウム凝着を防止することは困難であった。
このようなことから、ピストンリングの少なくとも一方の側面に硬質炭素(DLC)皮膜を形成し、アルミニウム凝着を抑制した技術が開発されている(特許文献3)。また、中間層を介して水素を含有しない非晶質硬質炭素(DLC)皮膜をAIP法により被覆したピストンリングが開発されている(特許文献2)。
特開平11−172413号公報 特開2006−57674号公報 特開平11−166625号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたDLC皮膜は、相手材をアルミニウム合金としたときに摩耗量が増大すると共に、一般的なDLC皮膜(主に炭素又は炭素と水素からなる)に比べて摩擦係数が大きくなることが判明した。又、特許文献2に記載されたDLC皮膜は、水素を含有しない皮膜(ta-C)であるため、皮膜中に含まれるドロップレットにより摺動相手材のアルミニウム合金製シリンダライナの摩耗量が増大するおそれがある。
又、特許文献3に記載されたDLC皮膜は、摩耗量が多くなる場合があることが判明した。又、特許文献3に記載されたDLC皮膜は、ビッカース硬さで規定されているが、ビッカース硬さは単に皮膜の圧痕を測定しているだけであり、皮膜が硬くなると基材の影響を受けると共に、ピストンリングの側面の皮膜に掛かる引っかき力による皮膜の摩耗を再現していないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するものであり、相手材であるアルミニウム合金製のシリンダ又はシリンダライナに対する耐摩耗性に優れ、かつ相手材の摩耗も低減できるアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせを提供することを目的とする。
又、本発明は、相手材であるアルミニウム合金製のピストンに対する耐摩耗性に優れ、かつアルミニウム凝着を抑制したアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせは、アルミニウム合金製のシリンダ又はシリンダライナを相手材とし、該相手材と、外周面に単層の硬質炭素皮膜が形成されたピストンリングとの組み合わせにおいて、前記ピストンリングの前記硬質炭素皮膜が、炭化物および金属の両方の形態であるWを0.5原子%以上5原子%未満含有し、該硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが5.5〜15GPa、前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であることを特徴とする。
このピストンリングによれば、Wの含有量を0.5原子%以上5原子%未満とすることで、硬質炭素皮膜の耐摩耗性が向上する。硬質炭素皮膜中のWの含有量が0.5原子%未満の場合、皮膜が基材から剥離し易くなって耐剥離性が劣る。Wの含有量が5原子%以上になると、相手材を柔らかいアルミニウム合金としたときに耐摩耗性が劣る。
又、本発明の第2の観点に係るアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせは、アルミニウム合金製のピストンを相手材とし、該相手材と、両方の側面のうち少なくとも一方に単層の硬質炭素皮膜が形成されたピストンリングとの組み合わせにおいて、前記ピストンリングの前記硬質炭素皮膜が、炭化物および金属の両方の形態であるWを0.5原子%以上5原子%未満含有し、該硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが3.5〜10GPa、前記硬質炭素皮膜が前記ピストンリングの外周面にも形成され、前記側面に形成された前記硬質炭素皮膜のマルテンス硬さをM1、前記外周面に形成された前記硬質炭素皮膜のマルテンス硬さをM2としたとき、M1/M2が0.3〜0.8、前記外周面に形成された前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であり、 前記側面に形成された前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=5:5〜9:1であることを特徴とする。
このピストンリングによれば、Wの含有量を0.5原子%以上5原子%未満とすることで、硬質炭素皮膜の耐摩耗性が向上しつつアルミニウム凝着を抑制することができる。硬質炭素皮膜中のWの含有量が0.5原子%未満の場合、皮膜が基材から剥離し易くなって耐剥離性が劣る。Wの含有量が5原子%以上になると、相手材を柔らかいアルミニウム合金としたときに耐摩耗性が劣る。
第1及び第2の観点に係るアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせにおいて、前記硬質炭素皮膜の摩擦係数が0.10以下であることが好ましい。
前記硬質炭素皮膜は水素を10〜40原子%含有することが好ましい。
前記硬質炭素皮膜の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい
本発明の第1の観点によれば、相手材であるアルミニウム合金製のシリンダ又はシリンダライナに対する耐摩耗性に優れ、かつ相手材の摩耗も低減できるピストンリングが得られる。又、本発明の第2の観点によれば、相手材であるアルミニウム合金製のピストンに対する耐摩耗性に優れ、かつアルミニウム凝着を抑制したピストンリングが得られる。
本発明の一実施の形態に係るピストンリングの断面図である。 ピストンリングの断面斜視図である。 硬質炭素皮膜のWのXPS分析チャートを示す図である。 硬質炭素皮膜のC1sのXPS分析チャートを示す図である。 往復動摺動試験の方法を示す図である。 硬質炭素皮膜の摩耗量の算出方法を示す図である。 アルミニウム凝着試験機を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の第1の観点の実施形態に係るピストンリングは、アルミニウム合金製のシリンダ又はシリンダライナに適用されてこのシリンダ(シリンダライナ)と摺動するものである。又、本発明の第2の観点の実施形態に係るピストンリングは、アルミニウム合金製のピストンのリング溝に組み付けられて用いられるものである。
図1は、本発明の第1の観点及び第2の観点の実施形態に係るピストンリング10の断面図を示す。ピストンリング10は、基材2の外周面に硬質炭素皮膜14を形成してなる。ここで、図2に示すように、ピストンリング10の上下の板面を側面10b、10cとすると、外周面10aは側面10b、10cと隣接して該側面に交差する面である。又、外周面10aは曲面(バレル形状)を好ましく用いることができるがこの形状に限定されず、ピストンリングの外周面に適用される形状であればいずれの形状であってもよい。
又、硬質炭素皮膜14を形成したくない部分は、基材2にマスキングを施したり、基材2のうち硬質炭素皮膜を形成しない側面(基材2の表裏面)同士を重ねたりすることによって形成を防止できる。また、硬質炭素皮膜14を形成した後に研磨加工等を実施することにより、不要な硬質炭素皮膜14を除去しても良い。
基材2は例えばステンレス鋼、鉄鋼、鋳鉄、鋳鋼等からなる。
硬質炭素皮膜(ダイヤモンドライクカーボン)14は、Wを0.5原子%以上5原子%未満含有する。硬質炭素皮膜14中のWの含有量が0.5原子%未満の場合、皮膜が基材2から剥離し易くなって耐剥離性が劣るとともに、0.5原子%未満のWを含有させるのは製造上困難である。又、第2の観点のピストンリングにおいて、硬質炭素皮膜14中のWの含有量が0.5原子%未満であると、さらに、硬質炭素皮膜14は水素のみを含有するDLC皮膜(a-C:H)に近い組成となるため、ピストンリングのうち燃焼室側のリング面が高温雰囲気に曝された場合に、硬質炭素皮膜14が黒鉛化して消失し、その結果としてアルミニウム凝着が生じる。
Wの含有量が5原子%以上になると、相手材をアルミニウム合金(第2の観点の場合はアルミニウム合金ピストン)としたときに耐摩耗性が劣る。この原因は明確ではないが、Wの含有量が5原子%以上になると硬質炭素皮膜14の摩擦係数が大きくなり、相手材が鋳鉄等に比べて柔らかいアルミニウム合金の場合、このアルミニウム合金に硬質炭素皮膜14が凝着しやすくすることが考えられる。又、Wの含有量が5原子%以上になると、硬質炭素皮膜14中に金属元素であるWの含有割合が多くなることから、Wの炭化物又は金属の粒径が大きくなる傾向にある。そして、アルミニウム合金の相手材と摺動した際、大きな粒子が硬質炭素皮膜14から脱落して皮膜が粗面化し、皮膜自体の摩耗が進行し易くなると共に、脱落した粒子が研磨材となって硬質炭素皮膜14及び相手材を摩耗させると考えられる。更に、硬質炭素皮膜14の表面にWが多く存在すると、エンジンオイル中の金属微粉あるいは摺動相手材のアルミニウムと金属結合し、これによっても耐摩耗性が低下すると考えられる。
このように、Wの含有量を0.5原子%以上5原子%未満とすることで、硬質炭素皮膜14の耐摩耗性が向上する。第2の観点の場合は、さらにアルミニウム凝着が低減される。
なお、硬質炭素皮膜14の摩擦係数が0.10以下であると、耐摩耗性が向上するので好ましい。摩擦係数の測定は、図5に示す往復動摩耗試験によるものであり、詳細な測定方法は後述する。又、摩擦係数の下限は限定されないが、図5の試験法の場合、例えば0.05程度である。
硬質炭素皮膜14に含まれるWが、炭化物および金属の両方の形態であると、摩擦係数の低減効果が大きい。又、皮膜中に高融点の金属タングステンが含まれるので、熱分解されやすい硬質炭素皮膜14に耐熱性が付与され、さらに皮膜中に高硬度な炭化タングステンも存在することで、耐摩耗性が向上すると考えられる。
なお、硬質炭素皮膜14に含まれるWが、炭化物および金属の両方の形態である場合には、硬質炭素皮膜14中のWの含有量が少なくなるほど、皮膜が硬くなる傾向にあることがわかった。この理由は明確ではないが、Wが、炭化物および金属の両方の形態である場合には、Wの含有量が少なくなるほどDLCの硬さが反映され易くなるものと考えられる。
硬質炭素皮膜14に含まれるWを炭化物および金属の両方の形態とする方法は後述する。
硬質炭素皮膜14に含まれるWが炭化物および金属の両方の形態であることは、XPS(X線光電子分光)分析によって判定することができる。図3は、本発明の第1の観点及び第2の観点の実施の形態に係るピストンリングの硬質炭素皮膜のWのXPS分析チャートを示す。
XPS分析チャートであるWのスペクトルにおいて、図3の例では電子軌道が4f7/2、4f5/2、5p3/2の3カ所に明確なピークが見られる。一方、W及びWCの結合エネルギーのピーク位置(複数)はデータベース化されていて既知である。そこで、XPS分析チャートのWのスペクトルの3カ所のピークと、上述のW及びWCの概知のピーク位置(複数)とを照合し、両者のピーク位置が2カ所一致(所定の近似値以内)すれば、そのW(又はWC)の結合エネルギー(図3のW及びWCの引出し線で表したスペクトル)がXPS分析チャートに含まれるとみなす。
そして、XPS分析チャートのピークは、上述のように解析したW(又はWC)に帰属する結合エネルギーを示すスペクトルを複合したものと考えることができるので、XPS分析チャートのピークを最も良く再現するようなスペクトルが該チャートに含まれるものとして波形分離を行う。図3の例では、XPS分析チャートは、Wの結合エネルギーを示す3つのスペクトルと、WCの結合エネルギーを示す2つのスペクトルで構成されていることになる。
従って、「Wが炭化物および金属の両方の形態」である場合とは、XPS分析チャートを波形分離した各スペクトルのすべてがW(又はWC)に帰属する場合を除く、つまり、波形分離した複数のスペクトルのうち、それぞれW,WCに帰属する(結合エネルギーを示す)ものが少なくとも1つずつある場合をいう。
硬質炭素皮膜14が水素を10〜40原子%含有することが好ましい。皮膜中の水素の含有量が10原子%未満であると、成膜速度が遅くなって生産性が低下する傾向にある。一方、水素の含有量が40原子%を超えると、皮膜硬度が低下して十分な耐摩耗性が得られないことがある。さらに第2の観点の場合は、水素の含有量が40原子%を超えると、皮膜硬度が低下して十分な耐摩耗性が得られず、アルミニウム凝着が生じることがある。
硬質炭素皮膜14の水素の含有量は、RBS(Rutherford Backscattering Spectrometry)/HFS(Hydrogen Forward Scattering Spectrometry)及びSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によって評価する。詳細な測定方法は後述する。
硬質炭素皮膜14の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。硬質炭素皮膜14の厚さが0.5μm未満であると、ピストンリングの使用中に硬質炭素皮膜14が摩滅してしまい、厚さが20μmを超えると耐剥離性が低下する場合がある。
第1の観点においては、硬質炭素皮膜14のマルテンス硬さが5.5〜15GPaであることが好ましい。マルテンス硬さが5.5GPa未満であると皮膜の耐摩耗性が低下し、15GPaを超えると耐剥離性が低下する場合がある。
又、第2の観点においては、硬質炭素皮膜14のマルテンス硬さが3.5〜10GPaであることが好ましい。マルテンス硬さが3.5GPa未満であると皮膜の耐摩耗性が低下し、10GPaを超えると耐剥離性が低下したり、皮膜が硬すぎてアルミニウム凝着が生じる場合がある。
なお、マルテンス硬さは、測定対象を圧子で引っ掻き、一定深さの凹部を形成するための荷重で硬さを表しており、皮膜が硬くなっても基材の影響を受け難いと共に、ピストンリングの側面の皮膜に掛かる引っかき力による皮膜の摩耗を良く再現できる。
第1の観点においては、硬質炭素皮膜14の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であると、耐摩耗性に優れるため好ましい。ここで、sp2結合はグラファイト構造であり、sp3結合はダイヤモンド構造である。sp2結合の比率が40%未満になると、ダイヤモンド構造の割合が多くなり過ぎ、硬質炭素皮膜14が硬くなり過ぎて相手材の摩耗が顕著になるとともに、硬質炭素皮膜14が剥離し易くなることがある。一方、sp2結合の比率が80%を超えるものは、グラファイトの割合が多くなり過ぎてそもそもDLCではなく、皮膜硬度が低下して十分な耐摩耗性が得られない。
硬質炭素皮膜14中のsp2結合とsp3結合の比率を上記範囲に規定する方法は後述する。
又、第2の観点において、硬質炭素皮膜14をピストンリングの外周面10aにも形成してもよい。この場合、側面10b(又は10c)に形成された硬質炭素皮膜14のマルテンス硬さをM1、外周面10aに形成された硬質炭素皮膜14のマルテンス硬さをM2としたとき、M1/M2が0.2〜0.8であることが好ましい。
M1/M2をこのように規定すると、ピストンが上下に動作する時にピストン溝の上下面に叩かれる側面10b(又は10c)の硬質炭素皮膜14の靭性を、外周面10aの靭性よりも高くし、欠けや剥離などの皮膜欠陥の発生を防止することができる。その結果、アルミニウム凝着をさらに抑制し、ピストンリングの耐久性をより一層向上させることが可能となる。
M1/M2が0.2未満の場合、側面10b(又は10c)の硬質炭素皮膜14が柔らかくなり過ぎて皮膜の耐摩耗性が低下することがある。M1/M2が0.8を超える場合、側面10b(又は10c)の硬質炭素皮膜14の靭性が外周面の靭性と同等となってしまい、上記した効果が得られない。
なお、硬質炭素皮膜14を両側面10b及び10cに成膜した場合には、各側面のそれぞれについてM1/M2を規定することとする。
又、硬質炭素皮膜14を側面10b(又は10c)及び外周面10aに同時に成膜する場合であっても、成膜装置内の成膜冶具に多数のピストンリングを同軸に重ねて配置する際、各ピストンリングの側面同士の間隔を調整することで、M1/M2を制御することができる。
第2の観点において、側面に形成された硬質炭素皮膜14の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=5:5〜9:1であると、耐摩耗性に優れるため好ましい。ここで、sp2結合はグラファイト構造であり、sp3結合はダイヤモンド構造である。
又、第2の観点において、外周面に形成された硬質炭素皮膜14の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であると、耐摩耗性に優れるため好ましい。
硬質炭素皮膜14中のsp2結合とsp3結合の比率は、XPS(X線光電子分光)分析によって求めることができる。図4は、本発明の第1の観点及び第2の観点の実施の形態に係るピストンリングの硬質炭素皮膜のC1s(1s軌道)のXPS分析チャートを示す。C1sのスペクトルを測定する。一方、C1sのスペクトルを構成する、グラファイト、ダイヤモンドの結合エネルギーのピーク位置はデータベース化されていて既知である。そして、XPS分析チャートのピークは、上述のC1s Scan A,B,C,Dの各結合エネルギーを示すスペクトルを複合したものと考えることができるので、XPS分析チャートのピークを最も良く再現するようなスペクトルが該チャートに含まれるものとして波形分離を行う。
波形分離から得られたC1s Scan Aスペクトルは、ピーク位置がグラファイトの結合エネルギーに相当するのでsp2結合に対応し、C1s Scan Bスペクトルは、ピーク位置がダイヤモンドの結合エネルギーに相当するのでsp3結合に対応する。そこで、各スペクトルの面積比率をsp2結合とsp3結合の比率として計算する。
硬質炭素皮膜14は、例えば、反応性イオンプレーティング法、又は反応性スパッタリング法などのPACVD法(プラズマアシスト化学蒸着)によって形成することができる。具体的には、真空装置内にピストンリングの基材を配置し、必要に応じてイオンボンバードメント等によって基材を清浄化する。次いで、炭素の供給源であるメタン等の炭化水素ガスを真空装置に導入し、基材近傍をプラズマ状態に保つと同時に、WとCの各ターゲット(またはWCターゲット)を用いてPACVDを行えばよい。
そして、WとCとを別個のターゲットとし、またはWCターゲットを用い、これらターゲット中のWとCの割合を調整することで、炭化物および金属の両方の形態のWを皮膜中に含有させることができる。又、炭化水素ガスの分圧を調整することによって、Vの炭化物の割合を調整することができる。
又、硬質炭素皮膜14中の水素含有量を10〜40原子%に制御する方法としては、炭化水素ガスの種類、流量を調整することがあげられる。
硬質炭素皮膜14中のsp2結合とsp3結合の比率を上記範囲に規定する方法としては、(i) 硬質炭素皮膜14中のW含有量を高くしてsp2結合の割合を増やす、(ii) PACVD法を行う際のバイアス電圧を高くしてsp2結合の割合を低減する、(iii) 硬質炭素皮膜14成膜時のプロセスガス圧力を高くしてsp2結合の割合を増やす、等があげられる。
なお、本実施形態では、基材2と硬質炭素皮膜14との間に、基材2側から順に下地層(Cr金属層)5、中間層(WCを主成分とする化合物層)7が形成されている。これら下地層5及び中間層7は、基材2と硬質炭素皮膜14との間の密着性を向上させ、エンジン運転時の負荷に耐えうる良好な密着性を得ることができる。
下地層5は、例えば、クロム,チタン,タングステン,炭化ケイ素及びタングステンカーバイドの群から選ばれる1種又は2種以上で構成することができる。下地層5の厚さは、例えば0.1〜1.0μmとすることができる。
中間層7は、WCを主成分(50質量%以上)とする化合物層である。中間層7にCo及びNiの群から選ばれる1種以上を合計5原子%以下含有させて皮膜強度及び耐熱性を向上させてもよい。中間層7の厚さは、例えば1〜5μmとすることができる。
脱脂洗浄を行ったピストンリングの基材2(窒化処理したステンレス鋼SUS420J2相当材、呼称径:φ73mm,厚さ(h):1.2mm,幅(a):3.2mm)を、合い口隙間を埋める金属棒を備える成膜冶具にスタックし、成膜装置内の回転機構に設置した。なお、第1の観点の場合は、隣接する基材2の側面同士が接するよう重ねてスタックし、第2の観点の場合は、各ピストンリングの側面同士の間に一定の隙間を有した状態でスタックした。
成膜装置内を5×10−3Pa以下の圧力に到達するまで真空排気した後、Crターゲットを用いて基材2にイオンボンバード処理を実施して皮膜形成面を清浄化した。その後、第1の観点の場合は、膜厚が約0.6μmの金属Crからなる下地層5を基材2の外周面に形成した。一方、第2の観点の場合は、上記した下地層5を基材2の一方の側面10b及び外周面10aに形成した。
その後、成膜装置内にArガスを導入してAr雰囲気とし、超硬合金(WC−Co系)の市販ターゲットを用いて膜厚が約1.5μmのWC(タングステンカーバイト)を主成分とする化合物層からなる中間層7を、下地層5上にスパッタリングにより形成した。中間層7にはCoが5原子%以下含有されていた。
次に、成膜装置内に炭素の供給源となるメタンを導入し、メタンとArの混合雰囲気中で、上記超硬合金ターゲットおよび純カーボンターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により中間層7上に硬質炭素皮膜14を形成し、第1の観点に係る実施例1〜5、比較例4,5のピストンリング、及び第2の観点に係る実施例11〜15、比較例14,15のピストンリングを製造した。
実施例1〜5、比較例4,5、及び実施例11〜15、比較例14,15は、それぞれ硬質炭素皮膜形成時のバイアス電圧、メタンとArの混合を変えた。具体的には、実施例1の成膜条件を基準としたとき、実施例2はバイアス電圧を変え、実施例3、4および比較例4はメタンの混合割合を高くすると共にバイアス電圧も変え、実施例5はメタンの混合割合を下げつつバイアス電圧も変えた。
同様に、実施例11の成膜条件を基準としたとき、実施例12はバイアス電圧を変え、実施例13、14および比較例14はメタンの混合割合を高くすると共にバイアス電圧も変え、実施例15はメタンの混合割合を下げつつバイアス電圧も変えた。
第1の観点に係る比較例1、6は、硬質炭素皮膜形成時のバイアス電圧を実施例1より高くし、Wを5原子%以上含有させた。
第1の観点に係る比較例2は、実施例1と同様にして下地層5を形成した後、中間層7を形成せずに成膜装置内にArガスを導入してAr雰囲気とし、純カーボンターゲットのみを用いて硬質炭素皮膜を形成した。この硬質炭素皮膜はWを含有せず、水素も殆ど含まない水素フリーの皮膜であった。
第1の観点に係る比較例3は、実施例1と同様にして下地層5を形成した後、中間層7を形成せずに成膜装置内にC(アセチレン)とArガスを導入しながら、プラズマCVD法によって硬質炭素皮膜を形成した。
同様に、第2の観点に係る比較例11、16は、硬質炭素皮膜形成時のバイアス電圧を実施例11より高くし、Wを5原子%以上含有させた。
第2の観点に係る比較例12は、実施例11と同様にして下地層5を形成した後、中間層7を形成せずに成膜装置内にArガスを導入してAr雰囲気とし、純カーボンターゲットのみを用いて硬質炭素皮膜を形成した。この硬質炭素皮膜はWを含有せず、水素も殆ど含まない水素フリーの皮膜であった。
第2の観点に係る比較例13は、実施例11と同様にして下地層5を形成した後、中間層7を形成せずに成膜装置内にC(アセチレン)とArガスを導入しながら、プラズマCVD法によって硬質炭素皮膜を形成した。
なお、第2の観点に係る実施例11〜15、比較例11〜16において、成膜冶具にスタックする各ピストンリングの側面同士の間隔を調整することで、M1/M2を制御しつつ、基材2の側面及び外周面に硬質炭素皮膜を同時に成膜した。
(硬質炭素皮膜の特性)
各実施例及び比較例の硬質炭素皮膜につき、以下の特性を測定した。
(水素の含有量)
硬質炭素皮膜の水素の含有量は、上述のとおりにRBS/HFS及びSIMSにより求めた。ピストンリングの外周面に形成された硬質炭素皮膜は平坦でないので、そのままではRBS/HFS測定はできない。そこで、基準試料として、鏡面研磨した平坦な試験片(焼入処理したSKH51材ディスク、φ24×厚さ4(mm))を各基材2と同時に同様にして成膜し、硬質炭素皮膜を形成した。
そして、この基準試料の硬質炭素皮膜の組成(水素(at%))をRBS/HFSによって評価した。
次にSIMSにより、基準試料に形成された硬質炭素皮膜の水素の二次イオン強度(count/sec)を求めた。そして、上記したRBS/HFSで評価した水素(at%)の値と、SIMSで評価した水素の値との間の関係式(検量線)を、最小二乗法により二次回帰曲線で求めた。
そして、実施例と比較例の試料につき、SIMSで硬質炭素皮膜の水素の値を測定し、上記検量線によりRBS/HFSに相当する原子%に換算した。
(Wの含有量)
SEM-EDAX(電子顕微鏡(SEM)付属のエネルギー分散型X線分析装置)を用い、加速電圧15eVで硬質炭素皮膜の表面からWの定量分析を行った。
(膜厚)
集束イオンビーム(FIB)加工によって硬質炭素皮膜を含む薄片を製作し、硬質炭素皮膜の厚さ方向断面の透過型電子顕微鏡像(TEM像)から求めた。
(マルテンス硬さ)
硬さ試験機を用い、ISO14577-1(計装化押し込み硬さ試験)におけるマルテンス硬さを測定した。硬さ試験機としては、島津製作所製の超微小硬さ試験機(型番:DUH−211)を用い、圧子:Berkovich圧子、試験モード:負荷-除荷試験、試験力:19.6[mN]、負荷除荷速度:0.4877[mN/sec]、負荷,除荷保持時間:5[sec]、Cf−Ap補正あり、の条件で測定する。
なお、マルテンス硬さの測定は、14回実施し、得られた値から最も大きな値とその次に大きな値、及び最も小さな値とその次に小さな値の合計4つを除いた値から平均値を算出した。又、試験への表面粗さの影響を小さくするため、平均粒径0.25μmダイヤモンドペーストを塗布した直径30mm以上の鋼球を用いて、硬質炭素皮膜の表面近傍を球面研磨し、研磨部分を測定に供した。このとき、研磨部の最大深さを、硬質炭素皮膜の膜厚に対して1/10以下にした。
(Wの形態)
上述の通り、XPS(X線光電子分光)分析によって、硬質炭素皮膜に含まれるWが炭化物および金属の両方の形態であるか否かを判定した。
(炭素の結晶構造の結合比率)
上述の通り、XPS(X線光電子分光)分析によって、硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率(sp2結合:sp3結合)を求めた。
各実施例及び比較例の硬質炭素皮膜中のW及び水素の含有量、膜厚、マルテンス硬さ、Wの含有形態(結合比率)をそれぞれ表1(第1の観点に対応)、及び表2(第2の観点に対応)に示す。
(外周面の硬質炭素皮膜の評価)
各実施例及び比較例の各ピストンリングを用い、往復動摺動試験機にて、図5に示すようにして往復動摺動試験を行い、耐摩耗性の評価及び摩擦係数の測定を行った。まず、アルミニウム合金(A390材)製のシリンダライナ(第1の観点の場合)又はシリンダ(第2の観点)から試験片(平板)50を切り出し、その表面50aの粗さを十点平均粗さRzjis:0.9〜1.3μmに調整した。なお、十点平均粗さRzjisは、触針式粗さ測定器(株式会社東京精密製,SURFCOM1400D)を用い、測定場所や触針の移動方向を変えながら10回以上測定し平均値を採用した。測定条件はJISB0633:2001に準拠した。
次に、各実施例及び比較例のピストンリングを長さ約30mmになるよう切断してピストンリング片80を作製し、往復動摺動試験機の固定治具(図示せず)に取り付け、ピストンリング片80の外周面に形成された硬質炭素皮膜を、試験片の表面50aに垂直荷重W=40Nで押し付けた。
この状態で、ピストンリング片80を厚さ方向に往復幅50mm、摺動速度平均1.0m/sで往復摺動させて、試験を行った。なお、試験片の表面50aには潤滑油O(市販エンジン油;5W−30SM)を0.1ml/minの割合で滴下し、試験時の試験片50の温度を120℃とし、試験時間を10分とした。
試験後、硬質炭素皮膜が摩耗した場合には楕円形の摺動痕が観察された。
(外周面の硬質炭素皮膜の摩耗量)
図6(a)に示すようにして、外周面の硬質炭素皮膜の摩耗量を算出した。まず、試験後のピストンリング片80の摺動部80aを含む外周の形状を、上記触針式粗さ測定器を用いて周方向に測定した。そして、試験前のピストンリング片80の外周の曲率半径(既知)から、試験前のピストンリング片80の外縁80fを算出し、外縁80fと摺動部80aとの径方向の寸法差の最大値を摩耗量とした。
なお、図6(b)に示すように、ピストンリング片80の軸方向に沿って摺動部80aの中央付近の位置Lで、形状測定を行った。
(試験片(シリンダライナ又はシリンダ相当)の摩耗量)
試験片50の摩耗量は、触針式粗さ計を用い、測定長さの両端に未摺動部が入るようにして摺動方向に粗さ測定した。このとき、未摺動部と摺動部の差の最大値を摩耗量とした。
なお、表1に示す硬質炭素皮膜及び試験片の摩耗量は、比較例1の摩耗量を1としたときの相対値で表した。同様に、表2に示す硬質炭素皮膜及び試験片の摩耗量は、比較例11の摩耗量を1としたときの相対値で表した。
(硬質炭素皮膜の摩擦係数)
図5に示す往復動摩耗試験機により、上記摩耗試験を行い、試験片50に取り付けた図示しないロードセルによりピストンリング片80の押し付け荷重と摩擦力を計測した。ピストンリング片の1回の往復動における最大摩擦力を押し付け荷重で除した数値を摩擦係数aとし、試験終了前1分間(試験開始後9〜10分)の摩擦係数aの平均値を最終的な摩擦係数として採用した。通常、1回の往復動における最大摩擦力はピストンリング片の折り返し時となるため、本方法で測定した摩擦係数は、静摩擦係数とみなして良い。
(側面の硬質炭素皮膜の評価)
(アルミニウム凝着及び摩耗試験)
図7に示すアルミニウム凝着試験機を用いて、第2の観点に対応する各実施例及び比較例のアルミニウム凝着及び摩耗試験を実施した。ピストンを模したものとして、直径100mm,厚さ8mmのアルミニウム合金(JIS AC8A(T6))製円盤200を用意した。円盤200内に熱電対105を挿入すると共に、円盤200の上方にヒータ103を設置し、ヒータ103の出力を温度コントローラ107で制御して円盤200の温度を240℃に保持した。一方、円盤200の直下にピストンリング保持部材101が配置されており、ピストンリング保持部材101の環状溝に、外径75mmのピストンリング10を装着した。
円盤200は図示しない往復動機構によって上下に往復運動を繰り返し行ない、ピストンリング保持部材101の上面よりも突出したピストンリング10の側面10b(の硬質炭素皮膜を14)を叩くとともに、ピストンリング10がピストンリング保持部材101と共に一定回転速度で水平面内で回転運動するので、円盤200とピストンリング10が摺動する。
ピストンリング保持部材101の回転周速度をピストンリング10外周において3.3mm/sec、円盤200押しつけ時の面圧を1MPa、往復動機構の上下動(叩き速度)を3.3Hzとし、潤滑油は使用しなかった。また、叩き回数は最大100万回とし、途中でアルミニウム凝着が発生した場合は「×」、叩き回数100万回までアルミニウム凝着が発生しなかった場合は「○」とした。アルミニウム凝着の発生の有無は、ピストンリング保持部材101の回転機構に設けられた図示しない回転トルク検出機構により検出した回転トルクが、アルミニウム凝着が発生していない初期状態と比較して5倍以上に増加したときをアルミニウム凝着が発生したものと判定した。
また、叩き試験終了後の摺動面(ピストンリング10の側面)を観察して皮膜の耐摩耗性(皮膜残存度)を評価した。EDAX(エネルギー分散型X線分析)により、摺動面の成分分析(5〜10カ所)を行って硬質炭素皮膜が残存しているか否かを判定した。試験終了後の摺動面に硬質炭素皮膜が残存している場合は「○」、硬質炭素皮膜の一部が欠けや剥離により脱落してその部分で基材が露出した場合は「△」、硬質炭素皮膜の残存が認められない(硬質炭素皮膜が完全に摩耗して消失した)場合は「×」とした。
得られた結果を表1、表2に示す。
表1から明らかなように、Wを0.5原子%以上5原子%未満含有する硬質炭素皮膜が形成された各実施例の場合、相手材であるアルミニウム合金製のシリンダライナに対する耐摩耗性に優れ、かつ相手材の摩耗も低減することができた。
同様に、表2から明らかなように、Wを0.5原子%以上5原子%未満含有する硬質炭素皮膜が形成された各実施例の場合、相手材であるアルミニウム合金製のピストンに対する耐摩耗性に優れ、さらにアルミニウム凝着が発生しなかった。なお、各実施例の場合、外周面に摩擦係数が0.1以下の硬質炭素皮膜を形成したので、相手材であるシリンダの摩耗も低減することができた。
一方、硬質炭素皮膜中のWの含有量が5原子%以上である比較例1、6の場合、実施例に比べて硬質炭素皮膜の摩耗量が多くなり、耐摩耗性が劣化した。なお、比較例1、6の場合、Wが炭化物のみからなり、硬質炭素皮膜の摩擦係数が0.1を超えた。
同様に、硬質炭素皮膜中のWの含有量が5原子%以上である比較例11、16の場合、硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが3.5GPa未満に柔らかくなって、実施例に比べて硬質炭素皮膜の摩耗量が多くなり、耐摩耗性(皮膜残存度)が劣化した。なお、比較例11、16の場合、外周面に摩擦係数が0.1を超える硬質炭素皮膜を形成したので、相手材であるシリンダの摩耗量が増大した。
硬質炭素皮膜中のWの含有量が0.5原子%未満である比較例2、3の場合、実施例に比べて相手材の摩耗量が多くなり、耐摩耗性が劣化した。これは、比較例2,3の硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが15GPaを超えて硬くなったためと考えられる。
同様に、硬質炭素皮膜中のWの含有量が0.5原子%未満である比較例12、13の場合、実施例に比べて耐摩耗性が劣化し、さらにアルミニウム凝着が発生した。なお、比較例12の場合、側面の硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが10GPaを超えて硬くなり、M1/M2が0.8を超えたため、硬質炭素皮膜に欠けや剥離などが見られた。比較例13の場合、側面の硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが低下し、M1/M2が0.3未満となったため、耐摩耗性(皮膜残存度)も劣化した。又、アルミニウム凝着が発生したのは、硬質炭素皮膜が水素のみを含有するDLC皮膜(a-C:H)に近い組成となったため、アルミニウム凝着試験中に硬質炭素皮膜の一部が黒鉛化して消失したためと考えられる。なお、比較例12、13の場合、外周面の硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが15GPaを超えて硬くなったために、相手材であるシリンダの摩耗量が増大したと考えられる。
硬質炭素皮膜中の水素の含有量が40原子%を超えた比較例4の場合、硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが5.5GPa未満に柔らかくなって耐摩耗性が劣化した。
同様に、硬質炭素皮膜中の水素の含有量が40原子%を超えた比較例14の場合、硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが3.5GPa未満に柔らかくなって耐摩耗性が劣化し、さらにアルミニウム凝着が発生した。
硬質炭素皮膜中の水素の含有量が10原子%未満である比較例5の場合、実施例に比べて硬質炭素皮膜及び相手材の摩耗量が多くなり、耐摩耗性が劣化した。同様に、硬質炭素皮膜中の水素の含有量が10原子%未満である比較例15の場合、実施例に比べて硬質炭素皮膜の摩耗量が多くなり、耐摩耗性が劣化し、さらにアルミニウム凝着が発生した。なお、比較例5、15の場合、摩擦係数が0.1を超えて高く、相手材を削ると共に、その摩耗粉にて自己摩耗も進んだと考えられる。
2 (ピストンリングの)基材
5 下地層
7 中間層
10 ピストンリング
10a ピストンリングの外周面
10b、10c ピストンリングの側面
14 硬質炭素皮膜

Claims (5)

  1. アルミニウム合金製のシリンダ又はシリンダライナを相手材とし、該相手材と、外周面に単層の硬質炭素皮膜が形成されたピストンリングとの組み合わせにおいて、前記ピストンリングの前記硬質炭素皮膜が、炭化物および金属の両方の形態であるWを0.5原子%以上5原子%未満含有し、該硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが5.5〜15GPa
    前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であることを特徴とするアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ。
  2. アルミニウム合金製のピストンを相手材とし、該相手材と、両方の側面のうち少なくとも一方に単層の硬質炭素皮膜が形成されたピストンリングとの組み合わせにおいて、前記ピストンリングの前記硬質炭素皮膜が、炭化物および金属の両方の形態であるWを0.5原子%以上5原子%未満含有し、該硬質炭素皮膜のマルテンス硬さが3.5〜10GPa
    前記硬質炭素皮膜が前記ピストンリングの外周面にも形成され、前記側面に形成された前記硬質炭素皮膜のマルテンス硬さをM1、前記外周面に形成された前記硬質炭素皮膜のマルテンス硬さをM2としたとき、M1/M2が0.3〜0.8、
    前記外周面に形成された前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=4:6〜8:2であり、
    前記側面に形成された前記硬質炭素皮膜の炭素の結晶構造の結合比率が、sp2結合:sp3結合=5:5〜9:1であることを特徴とするアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ。
  3. 前記硬質炭素皮膜の摩擦係数が0.10以下である請求項1又は2に記載のアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ。
  4. 前記硬質炭素皮膜は水素を10〜40原子%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ。
  5. 前記硬質炭素皮膜の厚さが0.5〜20μmである請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金製の相手材とピストンリングとの組み合わせ。
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