JP6108957B2 - 電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トランジスタ等の発熱を伴う電気部品が用いられる電子装置に関し、特に、当該電気部品からの発熱を効率的に装置外部へ放熱することのできる電子装置に関する。
従来、トランジスタ等の発熱を伴う電気部品からの熱を筐体外部へ放熱することのできる装置として、電子回路を構成する電気部品と、当該電子回路を自装置外部のワイヤハーネスに接続するコネクタと、を搭載するプリント基板を備え、当該プリント基板上に形成された熱伝導パターン(吸熱用パターンと熱伝達用パターン)により、上記電気部品から発した熱を上記コネクタのコネクタピンの近傍まで伝達させる、制御機器が知られている(特許文献1参照)。
この制御機器では、熱伝導パターンはグランドに接続され、当該熱伝導パターンとコネクタピンとの間にはコンデンサが実装されている。これにより、熱伝導パターンの熱が当該コンデンサ及びプリント基板素材を介してコネクタピンへ伝達されると共に、コネクタから流入するノイズが上記コンデンサと熱伝導パターンを介してグランドラインへ除去される。そして、コネクタピンへ伝導された熱は、最終的には機器筐体外部のワイヤハーネスへ伝導され、当該機器の外部へ向かって放熱される。
しかしながら、上記制御機器における熱伝導パターンは、配線パターンとは独立に形成されているものの、グランドラインと電気的に接続され、かつ、信号ラインに接続されたコネクタピンに対しコンデンサを介して交流的に接続されていることから電気回路の一部を為している。このためグランドパターンたる熱伝導パターンの配置や構成には、プリント基板上に構成される電子回路のノイズ低減の観点から一定の制限が課されることとなる。
一般に、電子回路は、アナログ回路、デジタル回路、及び電源回路など、機能的に独立した様々な回路ブロックにより構成されている。例えば、センサからの入力に応じてアクチュエアータ等の大電流負荷を制御する制御回路は、通常、センサからの小信号入力を増幅する小信号アナログ回路と、当該増幅後のアナログ信号をデジタル信号に変換して演算処理するデジタル回路と、演算後のデジタル信号をアナログ信号に変換して上記アクチュエータを駆動するアナログ駆動回路と、により構成される。そして、これら複数の回路ブロック間での信号干渉を低減するため、プリント基板上には、通常、小信号アナログ回路用の信号用グランド(SG、Signal Ground)と、デジタル回路用のロジックグランド(LG、Logic Ground)と、アナログ駆動回路用のパワーグランド(PG、Power Ground)とが、個別に設けられている。
このため、上記のような複数の回路ブロックより成る機器に上記従来の放熱構成を適用しようとする場合には、任意の種類のグランドに接続した熱伝導パターンを、コンデンサを介して任意のコネクタピンに接続するというわけにはいかず、ノイズ低減の観点からは、熱伝導パターンが接続されたグランドの種類に応じて、当該熱伝導パターンを当該グランドの種類に応じた信号を伝送するコネクタピンに接続しなければならないこととなる(例えば、熱伝導パターンをSGに接続した場合はセンサ信号用のコネクタピンに、LGに接続した場合は論理信号用のコネクタピンに、PGに接続した場合は駆動信号用のコネクタピンに、当該熱伝導パターンを接続することとなる)。
一方、放熱の観点では、例えばデジタル回路においてはプロセッサ(処理速度が高速であればあるほど大きな発熱を伴う)の放熱が必要となり、駆動回路においてはパワートランジスタの放熱が必要となる。また、場合によっては、小信号アナログ回路においても、例えば演算アンプの特性安定化のため当該演算アンプの放熱(温度安定化)も必要となり得る。
この場合、例えば、大電流が流れる駆動回路用のPGに接続された熱伝導パターンを、プロセッサや演算アンプの放熱のために当該プロセッサや演算アンプの直近まで形成すれば、PGの電位変動により当該プロセッサや演算アンプが扱う信号にノイズが誘導される事態が生じ得る。また、SGに接続された熱伝導パターンを、駆動回路を構成するパワートランジスタの放熱のため当該パワートランジスタの近傍まで形成すれば、パワートランジスタが扱う大電流信号により、熱伝導パターンを介してSGにノイズを誘導してしまう事態が生じ得る。
このため、ノイズ低減の観点からは、グランドの種類毎に、各グランドに関連する電気部品を放熱するための熱伝導パターンをそれぞれ専用に形成する必要が生じる。
その結果、プリント基板上に形成する熱伝導パターンの数は増加し、かつ、上述したように、コンデンサを介して接続すべきコネクタピンも各熱伝導パターン毎に限定されることから、プリント基板上での配線パターンや電気部品の配置の自由度は、大きく制限されることとなる。
なお、上記のようなノイズの問題を回避すべく熱伝導パターンとコネクタピンとを接続するコンデンサを削除した場合には、熱伝導パターンからコネクタピンへの熱の流れはプリント基板素材を介した熱伝導のみに依ることとなる。その結果、熱伝導パターンとコネクタピンとの間の熱抵抗は大きく増加し、放熱効率は大幅に低下して、相応の面積を占有させてまで形成した熱伝導パターンが無意味なものとなってしまう事態も生じ得る。
特開2001−68879号公報
上記の背景より、プリント基板上に構成される回路ブロック間でのグランド電位の干渉に起因したノイズの発生を回避しつつ、任意の回路ブロックに属する任意の電気部品から発する熱を、共通の熱伝達パターンにより効率的に放熱することのできる電子装置の実現が望まれている。
本発明は、回路基板とコネクタとを備える電子装置であり、前記回路基板は、当該回路基板上に構成された前記電子回路とは電気的に独立に形成された熱伝達パターンを備えている。また、前記熱伝達パターンは、前記電子回路を構成する少なくとも一つの電気部品と熱的に接続されると共に、前記コネクタのコネクタピンに機械的に接続されている。
本発明の一の態様は、前記回路基板を収容する筐体を更に備える電子装置であり、前記熱伝達パターンは、さらに、前記回路基板を前記筐体に固定するネジと熱的に接続されるか、又は前記回路基板上の前記熱伝達パターン部分が前記筐体により把持されることにより、前記筐体と熱的に接続されている。
本発明の他の態様は、少なくとも2つの前記熱伝達パターンを備える電子装置であり、前記各熱伝達パターンは、それぞれ、前記コネクタの異なるコネクタピンに機械的に接続され、少なくとも隣接する前記各熱伝達パターンの間が、当該隣接する熱伝達パターン間を流れる電流を制限する所定の電気抵抗値をもった熱伝導性部材又は電気的絶縁性をもった熱伝導性部材により熱的に接続されている。
本発明の他の態様によると、前記熱伝導性部材は、セラミックにより構成される。
本発明の他の態様によると、前記回路基板上には、電源のグランドに接続されたグランドパターンが形成されており、前記熱伝達パターンの外周の一部と当該グランドパターンの外周の一部とが、所定の長さの区間にわたって、所定距離を隔てて並走するように形成されている。
本発明の他の態様によると、前記区間において並走する前記熱伝達パターンの外周の一部と当該グランドパターンの外周の一部とは、それぞれ互いに噛み合う鋸歯状の形状に形成されている。
本発明の他の態様によると、前記区間において並走する前記熱伝達パターンの外周の一部と当該グランドパターンの外周の一部とは、それぞれ互いに噛み合う櫛形の形状に形成されている。
本発明の他の態様によると、前記熱伝達パターンは、前記電子回路を構成する熱的に受動的な電気部品と熱的に接続される。
本発明の他の態様によると、前記熱的に受動的な電気部品は電解コンデンサである。
本発明の他の態様によると、前記電子装置は、車両の動作を制御する電子制御装置である。
本発明によれば、プリント基板上に構成される回路ブロック間でのグランド電位の干渉に起因したノイズの発生を回避しつつ、任意の回路ブロックに属する任意の電気部品から発する熱を、共通の熱伝達パターンにより効率的に放熱することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。
本電子装置10は、例えば車両に搭載され当該車両の動作を制御する電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)であり、電子回路を構成する電子部品が搭載された印刷回路基板である回路基板100と、回路基板100に実装されたコネクタ102と、回路基板100及びコネクタ102を収容する筐体104と、を有している。なお、回路基板100は筐体104内に収容されているため、筐体104の外部から回路基板100を視認することはできないが、図1においては、説明のため、筐体104の内部に収容されている部分についても実線を用いて示している。
回路基板100は、例えば、一枚の基板の表裏に回路パターンが形成される両面基板、あるいは、複数の基板が積層された多層基板とすることができる。なお、図1に示された回路基板100の面は、当該回路基板100の表面(オモテ面)であるものとする。
筐体104には、その外側面にフランジ106、108が設けられている。筐体104及びフランジ106、108は、金属(例えばアルミニウム)等の導電性材料により構成されており、筐体104は、フランジ106、108により車体110に機械的に固定されると共に、車体110に対し電気的に接続される。また、車体110には、回路基板100上の電子回路に電源を供給する電源装置(不図示)(以下、単に「電源」ともいう)のグランド端子が接続されている。
回路基板100上に実装されたコネクタ102には、当該コネクタ102に勘合する外部コネクタ112が接続される。これにより、回路基板100上の電子回路は、外部コネクタ112と当該外部コネクタ112に接続されたワイヤハーネス114とを介して、例えば電子装置10の外部に置かれた電源や他の機器と、電気的に接続される。
回路基板100上には、例えば、抵抗器118a及び118bと、レギュレータ120a及び120bと、ロジックIC122a及び122bと、プロセッサ124と、が実装されている。なお、これらの電気部品は、回路基板100上の電子回路を構成する電気部品の一例であり、当該電子回路の機能や用途等に応じて、任意の電気部品を用いることができる。
回路基板100上には、熱伝達パターン116が形成されており、抵抗器118a、118b、及びロジックIC122a、122bは、それらの外面の一部が熱伝達パターン116と接するように実装されている。また、レギュレータ120a、120bは、それぞれが備える放熱器と熱伝達パターン116とが接するように、回路基板100上に実装されている。なお、上記各電気部品と熱伝達パターン116との接触は、当該各電気部品と熱伝達パターン116とを熱的に接続するための手段の一例であり、当該熱的な接続が確立される限りにおいて、接触以外の方法(例えば、熱伝導パターン116と各電気部品との間隙部分への放熱グリスの塗布)を併用し、又は代替的に使用することができる。
回路基板100上(表面(オモテ面))の、プロセッサ124の真下部分には、図示点線の矩形で示す熱伝達パターン126が形成されており、プロセッサ124は、その下面の一部が当該熱伝達パターン126と接するように実装されている。さらに、熱伝達パターン126は、図示点線の円形で示す5つのビア128を介して、回路基板100の裏面に形成された、図示一点鎖線で示す熱伝達パターン130と熱的に接続されており、当該熱伝達パターン130は、図示黒丸で示す5つのビア132を介して熱伝達パターン116と熱的に接続されている。これにより、プロセッサ124から発した熱は、熱伝達パターン126、ビア128、熱伝達パターン130、及びビア132を介して、回路基板100の表面に形成された熱伝達パターン116に伝達される。
熱伝達パターン116は、コネクタ102の、回路基板100上の電子回路に対し電気的に独立な(すなわち、当該電子回路を構成しない)コネクタピン134と、例えばハンダ付けにより接続されている。なお、上記ハンダ付けは、熱伝達パターン116とコネクタピン134との間を機械的に結合(接続)して熱抵抗を低減し良好な熱伝達を確立するための構成の一例であり、本目的に沿う限りにおいて、他の方法(例えば、コネクタピンのバネ性を利用した押圧接触、熱伝達パターン116上に実装された金属スリーブとの嵌め合いなど)を用いることができる。
コネクタピン134には、対応する外部コネクタ112のコネクタピン(不図示)を介してリードワイヤ136が接続され、リードワイヤ136は、ワイヤハーネス114の中間部分から外部へ引き出されて、端子140を介して車体110に接続されている。
これにより、抵抗器118a、118b、レギュレータ120a、120b、ロジックIC122a、122b、及びプロセッサ124から発した熱は、熱伝達パターン116からコネクタピン134に流入した後、まず、外部コネコネクタ112の対応するコネクタピンと、ワイヤハーネス114内のリードワイヤ136とで構成される熱伝達経路(符号138が付された図示点線部分)に流れ込んで放熱される。また、リードワイヤ136に流れ込んだ熱は、最終的には車体110に向かって放熱される。
ここで、回路基板100に形成される各熱伝達パターン116、126、及び130は、回路基板100上に構成された電子回路とは、電気的に独立に形成されている。すなわち、熱伝達パターン116は、上記電子回路を構成する電気部品のいずれの電気端子とも、直接的にも間接的にも接続されておらず、かつ、直流的にも交流的にも接続されていない。換言すれば、熱伝達パターン116は、上記電子回路の直流電流経路を構成せず、かつ、交流電流経路も構成しない。
すなわち、本電子装置10における熱伝達パターン116、126、130は、上述した従来の放熱構成における熱伝達パターンのように信号ラインに接続されたコネクタピンに対しコンデンサを介して接続されて電子回路の一部を為す交流電流経路を構成するものではない。このため、本電子装置10では、回路基板100上に構成される電源回路、アナログ回路、デジタル回路、駆動回路等の、異なるグランドパターンで構成される全ての回路ブロックに対し、放熱を要する電気部品がどの回路ブロックに属するものかに関わらず、それぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を一つの共通な熱伝達パターン116(より正確には、一続きの熱伝達パターン116、126、130)により集めることができる。
なお、熱伝達パターン116は、電気的には、リードワイヤ136及び車体110を介して電源(不図示)のグランド端子に接続されるが、回路基板100上の電子回路を構成するコネクタピンや電気部品の端子とは直流的にも交流的にも一切接続されていない。このため、熱伝達パターン116は、車体110と同電位とはなるものの、上記電子回路の直流電流経路を構成してはおらず、かつ交流電流経路も構成していない。
また、本電子装置10では、上記のように、熱伝達パターン116が、コネクタピン134にハンダ付け等により機械的に接続される。すなわち、本電子装置10では、従来のように熱伝達パターンをコネクタピンの近傍まで形成し、熱伝達パターンの熱をコンデンサやプリント基板素材を介してコネクタピンへ伝達させるのではなく、熱伝達パターン116の熱を機械的接続部分を介してコネクタピン134へ直接的に伝達させ、ワイヤハーネス114のリードワイヤ136へ向かって放熱させる。このため、本電子装置10では、従来に比べて放熱効果を各段に高めることができる。
なお、本実施形態では、上記のように熱伝達パターン116が車体110に接続されて電源のグランドに接続されるものとしたが、これに限らず、熱伝達パターン116を、電源に対し電気的に独立した構造物に接続することもできる。この場合には、熱伝達パターン116が接続されるコネクタピン134は、回路基板100上の電子回路の一部を構成するものであってもよい。このような構成としても、熱伝達パターン116は、当該電子回路の直流電流経路を構成するものとはならず、交流電流経路を構成するものともならないためである。ただし、電子回路に与えるノイズを低減する観点からは、例えば入力信号が伝搬されるようなコネクタピンに熱伝達パターンを接続することは、一般的には避けることが望ましい。
また、本実施形態では、熱伝達パターン116に1本のコネクタピン134を接続する構成としたが、接続するコネクタピンの数は、1本に限らず複数とすることもできる。ただし、熱伝達パターン116が接続される各コネクタピンは、電気的には電子回路の一部を構成していないという条件を満たすことを必要とする。
さらに、本実施形態では、熱伝達パターン116、126、130を、回路基板100の表面又は裏面に設けるものとしたが、これに限らず、熱伝達パターンを回路基板の内層に形成するものとしてもよい。本実施形態のように回路基板100の表面又は裏面に熱伝達パターンを形成すれば、熱伝達パターンから空気への熱放射による放熱も行うことができるが、筐体104内部の温度を上昇させることとなる。一方で、回路基板100の内層に熱伝達パターンを設けた場合には、空気への熱放射による放熱効果は期待できないものの、筐体104内部の温度上昇を低減しつつ、筐体104外部への放熱を行うことができる。
また、本実施形態に係る電子装置10では、熱伝達パターン116、126、130により構成される一つ続きの熱伝達パターンを一つ用いる構成となっているが、これに限らず、一続きの独立した熱伝達パターンを複数用いるものとしてもよい。この場合には、複数の“一続きの熱伝達パターン”のそれぞれが、それぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を集めるものとすることができる。
この場合、上記複数の“一続きの熱伝達パターン”を、一つ又は複数のコネクタピンに共通的に接続することもできるし、上記複数の“一続きの熱伝達パターン”をそれぞれ異なる一つ又は複数のコネクタピンに接続することもできる。後者の場合には、熱伝達パターンを接続すべきコネクタピンについての制約が緩和されるので、回路基板上における熱伝達パターンの配置の自由度を向上することが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子装置について説明する。
本実施形態に係る電子装置では、独立した一つ続きの熱伝達パターンが、回路基板を筐体に固定するネジ部分にまで延在するように形成され、熱伝達パターンと当該ネジとが熱的に接続されることにより、熱伝達パターンと筐体とが熱的に接続される。これにより、熱伝達パターンに集められた熱は、コネクタピンを介してワイヤハーネスを向かって放熱されるほか、上記ネジを介して筐体に向かっても放熱され、電子装置全体としての放熱効率が向上する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。なお、図2に示す電子装置20においては、図1に示す第1の実施形態に係る電子装置10と同じ構成要素については、図1に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図1についての説明を援用する。
本電子装置20は、第1の実施形態に係る電子装置10における回路基板100に代えて、回路基板200を備える。回路基板200は、第1の実施形態に係る熱伝達パターン116に代えて、熱伝達パターン216を有する。熱伝達パターン216は、第1の実施形態に係る熱伝達パターン116と同様の構成を有するが、回路基板200を筐体104に固定するネジ242部分にまで延在している点が異なる。熱伝達パターン216に集められた熱は、当該延在部分によりコネクタピン134近傍のネジ242を介して筐体104へも伝達され、放熱効率が向上する。
なお、熱伝達パターン216は、回路基板200を固定するネジ242〜248の任意の一つ又は複数の位置まで延在するものとしてもよい。この場合には、熱伝達パターン216に集められた熱は一つ以上のネジを介して筐体104へ放熱され、さらに放熱効率を向上することができる。
また、本実施形態では、熱伝達パターン216が、ネジ242を介して筐体104と熱的に接続されるものとしたが、これに限らず、回路基板200は筐体104により把持されて固定されるものとし、回路基板200上の熱伝達パターン216の部分が筐体104により把持される(挟みこまれる)ことにより、当該熱伝達パターン216と筐体104とが熱的に接続されるものとしてもよい。このような構造は、例えば、筐体104が、回路基板200を挟む上下2つの別体(例えばケースとカバー)で構成される場合に適用することができる。
より具体的には、電子装置20は、回路基板200の外周領域の全部又は一部が、上記2つの別体で挟みこまれて(すなわち、筐体104により把持されて)回路基板200が筐体104に対して固定される構成とすることができる。この場合、回路基板200の外周領域のうち上記筐体104により把持される部分(把持部分)まで熱伝達パターン216を延在させて形成しておくことにより、当該把持部分を介して熱伝達パターン216と筐体104とを熱的に接続することができる。なお、筐体104が回路基板200を把持する力は、例えば、上記2の別体が、回路基板200の外周より外側においてネジにより締結されることにより、当該ネジの締結力により確保することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子装置について説明する。
第1の実施形態に係る電子装置10では、熱伝達パターン116、126、130により構成された一続きの熱伝達パターンを一つ用いる構成となっているのに対し、本実施形態に係る電子装置では、独立した一つ続きの熱伝達パターンを2つ用いる点が異なる。また、当該2つの独立した一つ続きの熱伝達パターンは、それぞれ電子回路を構成しない異なるコネクタピンに接続される。これにより、回路基板上に分散する複数の発熱部品からの熱を、当該部品の近傍にあるコネクタピンを介して放熱できるので、独立した一つ続きの熱伝達パターンを一つだけ用いる場合に比べ、熱抵抗を低減して放熱効率を向上できると共に、回路基板上における熱伝達パターンの配置の自由度を向上することができる。
さらに、本実施形態に係る電子装置では、2つの独立した一つ続きの熱伝達パターンの間が、当該2つの熱伝達パターンを流れる電流を制限する所定の電気抵抗値をもった熱伝導性部材又は電気的絶縁性をもった熱伝導性部材、例えばセラミックブロックにより接続されている。これにより、セラミックブロックを介して2つの熱伝達パターンの温度差を低減し、回路基板素材の熱歪を低減して機械的ストレスを低減できると共に、電気部品間の動作温度の差異を低減して電子回路の動作を安定なものとすることができる。
また、電気的絶縁体であるセラミックブロックを用いることにより、2つの独立した一続きの熱伝達パターンが、それぞれ異なるコネクタピンとリードワイヤを介して異なる2つの外部構造物(例えば、車両における車体とエンジン筐体)に接続された場合でも、当該2つの構造物間の電位差によって熱伝達パターン間に電流が流れるのを回避して、当該電流による発熱や雑音の発生を回避することができる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。なお、図3に示す電子装置30においては、図1に示す第1の実施形態に係る電子装置10と同じ構成要素については、図1に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図1についての説明を援用する。
本電子装置30は、第1の実施形態に係る電子装置10における回路基板100に代えて、回路基板300を備える。回路基板300には、その表面に2つの熱伝達パターン316a及び316bが形成されている。これらの熱伝達パターン316a及び316bは、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、回路基板300上に構成された電子回路とは電気的に独立に形成されている。すなわち、熱伝達パターン316a及び316bは、上記電子回路を構成する電気部品のいずれの電気端子とも、直接的にも間接的にも接続されておらず、かつ、直流的にも交流的にも接続されていない。したがって、熱伝達パターン316a及び316bは、上記電子回路の直流電流経路を構成せず、かつ、交流電流経路も構成しない。
このため、熱伝達パターン316a及び316bは、それぞれ、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、放熱を要する電気部品がどの回路ブロックに属するものかに関わらず、回路基板300上に構成されたそれぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を集めることができる。
また、熱伝達パターン316aは、第1の実施形態に係る電子装置10の熱伝達パターン116と同様に、コネクタ102のコネクタピン134と、例えばハンダ付けにより接続されている。これにより、熱伝達パターン316aに集められた熱は、リードワイヤ136に向かって放熱され、さらにはリードワイヤ136が接続された車体110に放熱される。
一方、熱伝達パターン316bは、コネクタ102の、電子回路を構成しない他のコネクタピン334と、例えばハンダ付けにより接続されている。コネクタピン334には、対応する外部コネクタ112のコネクタピン(不図示)を介してリードワイヤ336が接続され、リードワイヤ336は、ワイヤハーネス114の中間部分から外部へ引き出されて、車体110と異なる外部構造物、例えばエンジン筐体344に、端子340により接続されている。
これにより、熱伝達パターン316bに集められた熱は、コネクタピン334に流入した後、外部コネクタ112の対応するコネクタピンと、ワイヤハーネス114内のリードワイヤ336とで構成される熱伝達経路(符号338が付された図示点線部分)に流れ込んで放熱される。また、リードワイヤ336に流れ込んだ熱は、最終的にはエンジン筐体344に向かって放熱される。
上記構成により、回路基板300上に実装された電気部品からの発熱は、熱伝達パターン316aからコネクタピン134及びリードワイヤ136を介して車体110に至る熱伝達経路と、熱伝達パターン316bからコネクタピン334及びリードワイヤ336を介してエンジン筐体344に至る熱伝達経路の、2つの熱伝達経路により放熱されるため、第1の実施形態に係る電子装置10に比べて放熱効率が向上する。
さらに、熱伝達パターン316aと316bとは、電気的絶縁性のある熱伝導性部材、例えばセラミックブロック342により、電気的絶縁を確保しつつ熱的に接続されている。
これにより、熱伝達パターン316aと316bとの温度差が低減され、回路基板300の熱歪が低減されると共に、電気部品間の動作温度の差も減少して電子回路の安定動作が確保される。
また、上記のように電気的絶縁が確保されていることにより、熱伝達パターン316aに接続された車体110と熱伝達パターン316bに接続されたエンジン筐体344との間に電位差があった場合でも、熱伝達パターン316a及び316bに当該電位差に起因した電流は流れず、当該電流に起因するジュール熱の発生が回避される。
なお、2つの熱伝達パターン間を熱的に接続するための、電気的絶縁性のある熱伝導性部材としては、セラミックブロック342に限らず、他の部材、例えば放熱グリスを用いることもできる。また、セラミックブロック342を用いる場合には、当該セラミックブロック342として、例えばチップコンデンサを用いることができる。さらに、電気的絶縁性のある熱伝導性部材であるセラミックブロックに代えて、2つの熱伝達パターン316a及び316bを流れる電流を制限する所定の電気抵抗値をもった熱伝導性部材、例えば当該所定の電気抵抗値を持つセラミックブロック、より具体的にはチップ抵抗器とすることもできる。
ここで、上記所定の電気抵抗値としては、熱伝達パターン316aと316bとが接続される2つの外部構造物間について想定される電位差に応じ、熱伝達パターン316aと316bとに流れる電流に起因するジュール熱が、回路基板300上の電気部品から発する熱に比べて実質的に無視できる程度(たとえば数%以下)となるような抵抗値とすることができる。
上記のように、電気的絶縁性のある熱伝導性部材としてチップコンデンサやチップ抵抗を用いる場合には、当該チップコンデンサやチップ抵抗を、電子回路を構成する他のチップ部品と同様にチップマウンタや半田リフロー装置を用いて自動実装できるので、製造コストの点で有利である。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る電子装置について説明する。
本実施形態に係る電子装置では、回路基板上に構成された電子回路とは電気的に独立に形成された熱伝達パターンが、コネクタピンに対し機械的に接続されると共に、当該電子回路を構成するグランドパターンに対し、電気的絶縁を確保しつつ熱的に接続される。
これにより、本実施形態に係る電子装置では、熱伝達パターンに集められた熱を、ワイヤハーネスに向かって放熱するほか、グランドパターンを介して空中へ放熱したり、グランドパターンに接続された筐体へ向かって放熱することができ、電子装置全体としての放熱効率を向上することができる。
ここで、熱伝達パターンとグランドパターンとの上記熱的な接続は、例えば、熱伝達パターンの外周の一部とグランドパターンの外周の一部とを、所定距離の間隔を隔てて近接させ、所定の長さにわたって並走させて行うものとすることができる。あるいは、これに加えて、又はこれに代えて、熱伝達パターンの外周の一部とグランドパターンの外周の一部との間に放熱グリスを塗布することにより、上記熱的な接続を行うこともできる。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。なお、図4に示す電子装置40においては、図1に示す第1の実施形態に係る電子装置10と同じ構成要素については、図1に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図1についての説明を援用する。
本電子装置40は、第1の実施形態に係る電子装置10における回路基板100に代えて、回路基板400を備える。回路基板400には、その表面に、熱伝達パターン416とグランドパターン450とが形成されている。
熱伝達パターン416は、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、回路基板400上に構成された電子回路とは電気的に独立に形成されている。すなわち、熱伝達パターン416は、上記電子回路を構成する電気部品のいずれの電気端子とも、直接的にも間接的にも接続されておらず、かつ、直流的にも交流的にも接続されていない。したがって、熱伝達パターン416は、上記電子回路の直流電流経路を構成せず、かつ、交流電流経路も構成しない。
このため、熱伝達パターン416は、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、放熱を要する電気部品がどの回路ブロックに属するものかに関わらず、回路基板400上に構成されたそれぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を集めることができる。
また、熱伝達パターン416は、第1の実施形態に係る電子装置10の熱伝達パターン116と同様に、コネクタ102のコネクタピン134と、例えばハンダ付けにより接続されている。これにより、熱伝達パターン416に集められた熱は、リードワイヤ136に向かって放熱され、さらにはリードワイヤ136が接続された車体110に放熱される。
グランドパターン450は、回路基板400を筐体104に固定するためのネジ460、462を介して、筐体104に電気的に接続されている。これにより、グランドパターン450は、筐体104、フランジ106、108、及び車体110を介して、電源(不図示)のグランド端子に接続される。
熱伝達パターン416の外周の一部とグランドパターン450の外周の一部とは、所定の長さを持つ区間454において、所定距離の間隔を隔てて近接して並走するように形成されている。これにより、熱伝達パターン416とグランドパターン450との間が、電気的絶縁を確保しつつ熱的に結合され、熱伝達パターン416に集められた熱は、グランドパターン450を介して筐体104及び車体110にも放熱されることとなり、放熱効率が向上する。
ここで、上記所定の長さは、例えば、回路基板300上における他の配線パターンの自由度を実質的に制限しない範囲において、できる限り長い距離に設定するものとすることができる。また、上記所定距離(すなわち間隔)は、例えば、熱伝達パターン416とグランドパターン450との間が所望の熱抵抗値をもって熱的に結合し、かつ、容量結合しない程度(熱伝達パターン416に到来した外来輻射ノイズがグランドパターン450に進入しない程度)の距離とすることができる。
また、熱伝達パターン416とグランドパターン450との間に、放熱グリス456を塗布することもできる。これにより、互いに対する電気的絶縁を確保しつつ、熱伝達パターン416とグランドパターン450との間の熱的な結合を更に強めて、放熱効率を更に向上することができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る電子装置について説明する。
本実施形態に係る電子装置は、第4の実施形態に係る電子装置40と同様に、回路基板上に熱伝達パターンとグランドパターンとを有し、熱伝達パターンの外周の一部とグランドパターンの外周の一部とが、所定の長さの区間にわたり、所定距離の間隔を隔てて近接して並走するように形成されている。また、本電子装置では、特に、熱伝達パターンの外周の一部とグランドパターンの外周の一部の上記区間における形状が、互いに噛み合う鋸歯状及び又は櫛状の形状を有している。
これにより、本実施形態に係る電子装置では、熱伝達パターンとグランドパターンとが、上記並走区間により互いに熱的に接続され、熱伝導グランドパターンに集められた熱は、グランドパターンを介して筐体及び車体にも放熱され、電子装置全体としての放熱効率を向上することができる。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。なお、図5に示す電子装置50においては、図1に示す第1の実施形態に係る電子装置10と同じ構成要素については、図1に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図1についての説明を援用する。
本電子装置50は、第1の実施形態に係る電子装置10における回路基板100に代えて、回路基板500を備える。回路基板500には、その表面に、熱伝達パターン516とグランドパターン550とが形成されている。
熱伝達パターン516は、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、回路基板500上に構成された電子回路とは電気的に独立に形成されている。すなわち、熱伝達パターン516は、上記電子回路を構成する電気部品のいずれの電気端子とも、直接的にも間接的にも接続されておらず、かつ、直流的にも交流的にも接続されていない。したがって、熱伝達パターン516は、上記電子回路の直流電流経路を構成せず、かつ、交流電流経路も構成しない。
このため、熱伝達パターン516は、第1の実施形態に係る電子装置10における熱伝達パターン116と同様に、放熱を要する電気部品がどの回路ブロックに属するものかに関わらず、回路基板500上に構成されたそれぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を集めることができる。
また、熱伝達パターン516は、第1の実施形態に係る電子装置10の熱伝達パターン116と同様に、コネクタ102のコネクタピン134と、例えばハンダ付けにより接続されている。これにより、熱伝達パターン516に集められた熱は、リードワイヤ136に向かって放熱され、さらにはリードワイヤ136が接続された車体110に放熱される。
グランドパターン550は、回路基板500を筐体104に固定するためのネジ560、562を介して、筐体104に電気的に接続されている。これにより、グランドパターン550は、筐体104、フランジ106、108、及び車体110を介して、電源(不図示)のグランド端子に接続される。
熱伝達パターン516の外周の一部とグランドパターン550の外周の一部とは、所定の長さを持つ区間554において、互いに噛み合う鋸歯状の形状に形成され、所定距離の間隔を隔てて近接して並走するように形成されている。また、熱伝達パターン516の外周の一部とグランドパターン550の外周の一部とは、所定の長さを持つ区間556において、互いに噛み合う櫛形の形状に形成され、所定距離の間隔を隔てて近接して並走するように形成されている。
これにより、熱伝達パターン516とグランドパターン550とは、上記鋸歯状形状部分及び櫛形形状部分において熱的に結合する。また、当該熱結合部分の長さは、区間554及び556の直線距離よりも長くなるので、熱伝達パターン516とグランドパターン550との間の熱抵抗は、第4の実施形態に係る電子装置40のような互いに直線的に並走する構成に比べて低減される。その結果、熱伝達パターン516に集められた熱を、より効率的にグランドパターン550に伝達して、筐体104及び車体110へも放熱することができ、電子装置50全体としての放熱効率が向上する。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態に係る電子装置について説明する。
上述した各実施形態における電子装置では、熱を発する電気部品の外面を熱伝達パターンに対し熱的に接続して、当該熱伝達パターンにより上記電気部品から発する熱を集めて、コネクタピンを介して電子装置外部へ放熱する。これに対し、本実施形態に係る電子装置では、熱的に受動的な電気部品の外面が、熱伝達パターンに対して熱的に接続される。
ここで、「熱的に受動的な電気部品」とは、周囲の電気部品に比べて発熱量が少なく、当該周囲の電気部品から発した熱が伝わることによりその温度が上昇することとなる電気部品をいい、例えば、半導体部品に比して発熱量の小さいコンデンサ、抵抗器、コイル等や、電力増幅器に用いられたパワートランジスタ等に比して発熱量の少ない演算増幅器等が該当する。
上記構成により、本電子装置では、熱的に受動的な電気部品の温度をコネクタピン及び熱伝達パターンを介して電子装置外部の温度に近づけ、当該受動的な電気部品の温度が周囲の電気部品から発生する熱により上昇するのを防止する。その結果、当該受動的な電気部品の特性を安定化したり、温度上昇に伴う当該電気部品の寿命の短縮(又は劣化の加速)を回避することができる。
例えば、電源回路に広く用いられている電解コンデンサは、動作温度の上昇と共にその寿命が指数関数的に短縮することが知られており、当該コンデンサの寿命が、電子装置の寿命を制限する大きな要因の一つとなっている。本実施形態の電子装置では、例えばそのような電解コンデンサの温度が周囲の電気部品からの発熱により上昇するのを防止し、当該電子装置の寿命の短縮を防止することができる。
図6は、本発明の第6の実施形態に係る電子装置の構成を示す図である。なお、図6に示す電子装置60においては、図1に示す第1の実施形態に係る電子装置10と同じ構成要素については、図1に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図1についての説明を援用する。
本電子装置60は、第1の実施形態に係る電子装置10における回路基板100に代えて、回路基板600を備える。回路基板600には、その表面に、熱伝達パターン116と616とが形成されている。なお、図6においては、熱伝達パターン616及び116の形状と電気部品との関係についての理解を容易にするため、回路基板600上に実装される電気部品を点線にて示している。
熱伝達パターン616は、熱伝達パターン116と同様に、回路基板600上に構成された電子回路とは電気的に独立に形成されている。すなわち、熱伝達パターン616は、上記電子回路を構成する電気部品のいずれの電気端子とも、直接的にも間接的にも接続されておらず、かつ、直流的にも交流的にも接続されていない。したがって、熱伝達パターン616は、上記電子回路の直流電流経路を構成せず、かつ、交流電流経路も構成しない。
熱伝達パターン616は、コネクタ102の、電子回路を構成しないコネクタピン634と、例えばハンダ付けにより接続されている。また、コネクタピン634には、対応する外部コネクタ112のコネクタピン(不図示)を介してリードワイヤ636が接続され、リードワイヤ636は、ワイヤハーネス114の中間部分から外部へ引き出されて、端子640を介して、例えば車体110に接続される。
熱伝達パターン616には、例えばラジアル型のアルミ電解コンデンサ642を実装するためのパターンが形成されている。すなわち、熱伝達パターン616は、金属箔部分が除去された円形領域644を有しており、当該円形領域644の内部にはスルーホール646a及び646bが形成され、回路基板300の裏面側の、スルーホール646a及び646bの周囲には、それぞれランドが形成されている(不図示)。ラジアル型アルミ電解コンデンサ642の2つのリード線は、それぞれ、スルーホール646a及び646bを通り、回路基板300の裏面に形成された上記ランドにハンダ固定される。
また、上記円形領域644は、アルミ電解コンデンサ642の円柱形本体部分の直径(図示点線で示す円の直径)よりも小さく形成されており、アルミ電解コンデンサ642を実装した際には、その円柱形本体部分の底面の一部が、円形領域644周囲の熱伝達パターン616の金属箔部分に接して、熱伝達パターン616に対し熱的に接続される。
これにより、電子装置60内部の電気部品から発生してアルミ電解コンデンサ642に伝わった熱(熱輻射や、回路基板600の素材部分(例えば、ガラスエポキシ部分)を介した熱伝導等による)は、熱伝達パターン616、コネクタピン634、リードワイヤ636を介して車体110へ放熱される。その結果、アルミ電解コンデンサ642の本体温度は電子装置60の外部温度に近付くこととなり、当該本体温度の上昇によるアルミ電解コンデンサ642の寿命短縮化の程度が軽減される。
なお、本実施形態では、アルミ電解コンデンサ642の本体部分と熱伝達パターン616の一部とが接触するように熱伝達パターン616を形成するものとしたが、これに限らず、熱的に受動的な電気部品と熱伝達パターンとの熱的な接続は、他の方法、例えば放熱グリスの塗布により行うものとすることができる。
また、本実施形態では、リードワイヤ636を車体110に接続するものとしたが、これに限らず、リードワイヤ636は、放熱という目的に沿う限り任意の構造物に接続することができる。例えば、アルミ電解コンデンサの本体部分が金属で構成され、当該本体部分の電位をフローティングとすべき場合には、リードワイヤ636を、電源のグランド端子等と電気的に接続されていない電気的に独立な、電子装置60外部に設けられた放熱板に接続するものとしてもよい。
以上、説明したように、第1〜第6の実施形態に係る電子装置は、回路基板とコネクタとを有し、回路基板上には、当該回路基板上に構成された電子回路とは電気的に独立な熱伝達パターンが形成されている。これにより、本電子装置では、放熱を要する電気部品がどの回路ブロックに属するものかに関わらず、それぞれ異なる回路ブロックに属する任意の複数の電気部品からの熱を一つの共通な熱伝達パターンにより放熱することができる。その結果、本電子装置では、熱伝達パターンを回路ブロック毎に設ける必要がないことから、回路基板上に形成する熱伝達パターンの数を低減することができ、当該回路基板上における電気部品や配線パターン等の配置の自由度を向上することができる。
また、上記熱伝達パターンは、電子回路を構成しないコネクタピンに機械的に接続され、当該コネクタピンを介して自装置外部のワイヤハーネスと熱的に接続される。これにより、本電子装置では、上記熱伝達パターンで集められた熱を、自装置外部へ向かって効率的に放熱することができる。
10、20、30、40、50、60・・・電子装置、100、200、300、400、500、600・・・回路基板、102・・・コネクタ、104・・・筐体、106、108・・・フランジ、110・・・車体、112・・・外部コネクタ、114・・・ワイヤハーネス、116、126、130、216、316a、316b、416、516、616・・・熱伝達パターン、118a、118b・・・抵抗器、120a、120b・・・レギュレータ、122a、122b・・ロジックIC,124・・・プロセッサ、128、132・・・ビア、134、334、634・・・コネクタピン、136、336、636・・・リードワイヤ、140、340、640・・・端子、242、244、246、248、460、462、560、562・・・ネジ、342・・・セラミックブロック、344・・・エンジン筐体、450、550・・・グランドパターン、456・・・放熱グリス、642・・・アルミ電解コンデンサ、644・・・円形領域、646a、646b・・・スルーホール。

Claims (9)

  1. 回路基板とコネクタとを備える電子装置において、
    前記回路基板は、当該回路基板上に構成された前記電子回路とは電気的に独立に形成された熱伝達パターンを備え、
    前記熱伝達パターンは、前記電子回路を構成する少なくとも一つの電気部品と熱的に接続されると共に、前記コネクタのコネクタピンに熱的に接続されており
    前記回路基板は、少なくとも2つの前記熱伝達パターンを備え、
    前記各熱伝達パターンは、それぞれ、前記コネクタの異なるコネクタピンに熱的に接続され、
    少なくとも隣接する前記各熱伝達パターンの間が、チップ型電気部品により互いに熱的に接続されている、
    電子装置。
  2. 前記回路基板を収容する筐体を備え、
    前記熱伝達パターンの少なくとも一つは、さらに、前記回路基板を前記筐体に固定するネジと熱的に接続されるか、又は前記回路基板上の当該熱伝達パターン部分が前記筐体により把持されることにより、前記筐体と熱的に接続されている、
    請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記チップ型電気部品は、チップ抵抗器又はチップコンデンサである、請求項に記載の電子装置。
  4. 前記回路基板上には、電源のグランドに接続されたグランドパターンが形成されており、
    前記熱伝達パターンの少なくとも一つの外周の一部と当該グランドパターンの外周の一部とが、所定の長さの区間にわたって、所定距離を隔てて並走するように形成されている、
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の電子装置。
  5. 前記区間において並走する前記熱伝達パターンの少なくとも一つの外周の一部と前記グランドパターンの外周の一部とは、それぞれ互いに噛み合う鋸歯状の形状に形成されている、
    請求項に記載の電子装置。
  6. 前記区間において並走する前記熱伝達パターンの少なくとも一つの外周の一部と前記グランドパターンの外周の一部とは、それぞれ互いに噛み合う櫛形の形状に形成されている、
    請求項に記載の電子装置。
  7. 前記熱伝達パターンの少なくとも一つは、前記電子回路を構成する熱的に受動的な電気部品と熱的に接続される、請求項1ないしのいずれか一項に記載の電子装置。
  8. 前記熱的に受動的な電気部品は電解コンデンサである、請求項に記載の電子装置。
  9. 前記電子装置は、車両の動作を制御する電子制御装置である、請求項1ないしのいずれか一項に記載の電子装置。
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