JP6108574B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば両開きタイプのリッドを備えるエアバッグ装置に関する。
自動車が衝撃を受けたときに車室内に展開して乗員を拘束するエアバッグは、折り畳み状態を安定させるために、パッキングクロスに包まれた状態でリテーナに収容されている場合がある。
例えば、特許文献1には、折り畳んだエアバッグをパッキングクロスで包み、車両の衝突時にインフレータが発生するガスでエアバッグを膨張させ、パッキングクロスを破断するとともにリッドを開裂してエアバッグを車室内に展開させるエアバッグ装置が開示されている。このパッキングクロスには、エアバッグの折り畳み状態を確認するための開口部が形成されている。また、リッドは、中央のテアラインで開裂して両開きするようになっている。
特開2003−252160号公報(請求項1、図3)
しかしながら、特許文献1に開示されたエアバッグ装置では、次のような問題があった。
(1)複雑に折り畳まれたエアバッグを安定させるためにパッキングクロスを使用すると、パッキングクロスの破断にエアバッグの膨張力の一部が消費され、リッド又はインストルメントパネルを開裂するためのエネルギーが弱まる傾向がある。
(2)小さいエネルギーでテアラインを開裂させるためにテアラインの肉抜き量を多くすると、インパネやリッドの表面にテアラインの痕跡が現れ易い。昨今のインテリアデザインの高品質化の要請により、テアラインの肉抜き量には限界がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、テアラインを効率よく開裂することが可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時に中央のテアラインが開裂して両開きする一対のリッドと、を備えるエアバッグ装置であって、展開する前記エアバッグを前記一対のリッドの一方に片寄って当接させることで、前記テアラインを開裂させることを特徴とする。
本発明によれば、展開する前記エアバッグを前記一対のリッドの一方に片寄って当接させることで、前記テアラインを開裂させるので、エアバッグの展開力が一対のリッドの一方に片寄って作用する。その結果、一対のリッドに均等にエアバッグが当接する場合に比較して、テアラインに発生するせん断力が大きくなり、テアラインを効率よく開裂することができる。
なお、エアバッグを一対のリッドの一方に片寄って当接させる具体的な手法としては、例えば、一対のリッドの一方側にエアバッグを片寄らせて(近づけて)配置すること等が挙げられる。
また、本発明は、インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、折り畳まれた前記エアバッグを包むパッキングクロスと、前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時に中央のテアラインが開裂して両開きする一対のリッドと、を備えるエアバッグ装置であって、前記パッキングクロスに設ける開口部の位置を調節することで、前記エアバッグを前記一対のリッドの一方に片寄って当接させて前記テアラインを開裂させることを特徴とする。
本発明によれば、パッキングクロスに設ける開口部の位置を調節することで、前記エアバッグを前記一対のリッドの一方に片寄って当接させて前記テアラインを開裂させるので、エアバッグの展開力が一対のリッドの一方に片寄って作用する。その結果、一対のリッドに均等にエアバッグが当接する場合に比較して、テアラインに発生するせん断力が大きくなり、テアラインを効率よく開裂することができる。
また、本発明は、インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、折り畳まれた前記エアバッグを包むパッキングクロスと、前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時に中央のテアラインが開裂して両開きする前後一対のリッドと、を備えるエアバッグ装置であって、前記パッキングクロスは、開口部を有し、前記開口部は、前記前後一対のリッドに対して、車両の左右方向の略中央部に位置するとともに、車両の前方向及び後方向のいずれか一方にオフセットしていることを特徴とする。
本発明によれば、パッキングクロスに開口部が予め設けられているので、エアバッグの展開初期に、パッキングクロスの破断を必要とすることなく、開口部から突出したエアバッグの一部がリッドに直接当接する。また、開口部は、前後一対のリッドに対して、車両の左右方向の略中央部に位置するとともに、車両の前方向及び後方向のいずれか一方にオフセットしているので、開口部から突出したエアバッグが前後一対のリッドに対して前側又は後側に片寄って当接する。そのため、エアバッグの膨張力が前後一対のリッドのいずれか一方に片寄って作用し、テアラインにせん断力を効果的に発生させることができる。この結果、膨張力のロスを抑制しながらテアラインを効率よく開裂することができる。
また、本発明は、インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、折り畳まれた前記エアバッグを包むパッキングクロスと、前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時に中央のテアラインが開裂して両開きする前後一対のリッドと、を備えるエアバッグ装置であって、前記パッキングクロスは、展開時に前記エアバッグの一部を突出させるための開口部を有し、前記開口部は、前記前後一対のリッドに対して、車両の前方向及び後方向のいずれか一方にオフセットしていることを特徴とする。
本発明によれば、パッキングクロスにエアバッグの一部を突出させるための開口部が予め設けられているので、エアバッグの展開初期に、パッキングクロスの破断を必要とすることなく、開口部から突出したエアバッグの一部がリッドに直接当接する。また、開口部は、前後一対のリッドに対して、車両の前方向及び後方向のいずれか一方にオフセットしているので、開口部から突出したエアバッグが前後一対のリッドに対して前側又は後側に片寄って当接する。そのため、エアバッグの膨張力が前後一対のリッドのいずれか一方に片寄って作用し、テアラインにせん断力を効果的に発生させることができる。この結果、膨張力のロスを抑制しながらテアラインを効率よく開裂することができる。
また、前記エアバッグは、下方に配置された前記インフレータからのガスが前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方を通って上面部に到達するように折り畳まれており、前記開口部は、前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方に対応する側にオフセットしているのが好ましい。
これによれば、エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方と上面部とで構成されるコーナー部付近においてエアバッグの展開力が強くなる。そして、エアバッグの展開力が強くなる部位と開口部のオフセット方向とが一致しているので、エアバッグのうち展開力の強い部分を開口部から突出させて一方のリッドに当接させることができる。
また、前記開口部は、折り畳まれた状態の前記エアバッグの上面部から前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方に跨るように配置されているのが好ましい。
これによれば、ガスの流路が折れ曲がる部分に開口部が設けられているので、パッキングクロスにエアバッグの保持機能を持たせつつ、エアバッグの展開力を効率よくリッドに伝達することができる。
また、前記エアバッグは、車両前部に設けられたインストルメントパネルの下方に収容されており、前記開口部は、前記フロントウィンドシールド側にオフセットしているのが好ましい。
これによれば、開口部はフロントウィンドシールド側にオフセットしているので、開口部から突出したエアバッグの一部がフロントウィンドシールド側(前側)のリッドに当接する。そのため、エアバッグの膨張力が前側のリッドに集中して作用し、テアラインにせん断力を効果的に発生させることができる。更に、エアバッグは初めにフロントウィンドシールドに向かって展開し、フロントウィンドシールドに当接してから座席側に向かって展開するので、展開初期段階のエアバッグが乗員に直接当接することを防止することができる。
また、前記エアバッグ及びパッキングクロスの上面は、後方から前方に向かうほど前記一対のリッドに近づくように傾斜しているのが好ましい。
これによれば、エアバッグ及びパッキングクロスの上面は、後方から前方に向かうほど一対のリッドに近づくように傾斜しているので、展開時にエアバッグが前側のリッドに先行して当接する。そのため、エアバッグの膨張力が前側のリッドに集中して作用し、テアラインにせん断力を効果的に発生させることができる。更に、エアバッグは初めにフロントウィンドシールドに向かって展開し、フロントウィンドシールドに当接してから座席側に向かって展開するので、展開初期段階のエアバッグが乗員に直接当接することを防止することができる。
また、前記エアバッグは、下方に配置された前記インフレータからのガスが前記エアバッグの前面部を通って上面部に到達するように折り畳まれており、前記エアバッグの前面部側は、前記エアバッグの後面部側よりも前記リッドに近接しているのが好ましい。
これによれば、エアバッグの前面部側は、エアバッグの後面部側よりもリッドに近接しているので、開口部のオフセットと合わせて、エアバッグの展開力を前側のリッドに確実かつ強力に伝えることができる。
また、前記エアバッグは、前記パッキングクロスに包まれた状態で、上端部が開口する箱状のリテーナに収容されており、前記開口部は、前記リテーナの側壁の上端部よりも上側の領域に設けられているのが好ましい。
これによれば、開口部は、リテーナの側壁の上端部よりも上側の領域に設けられているので、パッキングクロスの開口部から露出するエアバッグがリテーナの側壁の上端部(エッジ)に当接して損傷するのを抑制することができる。
また、前記パッキングクロスの車両の前方向及び後方向のいずれか一方側の端部には、前記リテーナに係合する複数の係合部が互いに左右に離間して設けられており、前記開口部は、車両の前方向及び後方向のいずれか一方に近づくにつれて車両の左右方向の幅寸法が小さくなるのが好ましい。
これによれば、開口部は、車両の前方向及び後方向のいずれか一方に近づくにつれて車両の左右方向の幅寸法が小さくなるように、例えば三角形状又は台形状に形成されているので、エアバッグを包むためにパッキングクロスの係合部を引っ張ってリテーナに係合させる際に、開口部の周囲にテンションラインを確保することができる。これにより、パッキングクロスの組み付け性が向上する。
また、前記開口部の周縁は、複数の直線状の直線部と、前記直線部同士の間に設けられる円弧状の円弧部と、で構成されているのが好ましい。
これによれば、パッキングクロスに開口部を形成する打ち抜き刃型の損耗を抑制することができる。
また、前記パッキングクロスは、前記エアバッグの膨張によって破断するミシン目状の脆弱部を、前記開口部の左右両側に有し、前記脆弱部の前記開口部側の端部は、前記直線部に連続しているのが好ましい。
これによれば、脆弱部の開口部側の端部は直線部に連続しているので、円弧部に連続している場合に比較して、ミシン目状の脆弱部のブリッジ幅を均一に構成することが容易になる。
また、本発明は、インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、前記エアバッグを包むパッキングクロスと、前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時にテアラインが開裂して両開きする一対のリッドと、を備える車両用のエアバッグ装置であって、前記パッキングクロスは、展開時に前記エアバッグの一部を突出させるための開口部を有し、前記開口部は、前記開口部から突出した前記エアバッグの一部が前記一対のリッドの一方に片寄って当接するように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、パッキングクロスにエアバッグの一部を突出させるための開口部が予め設けられているので、エアバッグの展開初期に、パッキングクロスの破断を必要とすることなく、開口部からエアバッグの一部が突出する。また、開口部は、開口部から突出したエアバッグの一部が一対のリッドの一方に片寄って当接するように配置されているので、エアバッグの膨張力が一対のリッドのいずれか一方に片寄って作用し、テアラインにせん断力を効果的に発生させることができる。その結果、膨張力のロスを抑制しながらテアラインを効率よく開裂することができる。
また、前記エアバッグは、前記開口部から突出した前記エアバッグの一部が前記一対のリッドの一方に略直角に当接するように構成されているのが好ましい。
これによれば、エアバッグが一対のリッドの一方に浅い角度(鋭角)で当接する場合に比較して、エアバッグの膨張力をテアラインのせん断力に効率よく変換して、テアラインを開裂することができる。
本発明によれば、テアラインを効率よく開裂することが可能なエアバッグ装置を提供することができる。
本実施形態に係るエアバッグ装置を備える自動車の斜視図である。 図1のII−II矢視におけるエアバッグ装置の断面図である。 左斜め上方から見下ろしたエアバッグ装置の分解斜視図である。 (a)はパッキングクロスの展開図であり、(b)は(a)に示すIVb部の拡大平面図である。 エアバッグ装置の動作を説明するための説明図であり、(a)は第1段階、(b)は第2段階、(c)は第3段階、の状態をそれぞれ示している。 第1変形例に係るエアバッグ装置の断面図である。 第2変形例に係るエアバッグ装置の断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車両の前後方向及び上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。
本実施形態に係るエアバッグ装置1は、自動車Cが衝撃を受けた際に膨張展開して助手席C1に着座している乗員を保護する装置である。図1に示すように、エアバッグ装置1は、助手席C1の前方のインストルメントパネル2の下方に設置されている。なお、インストルメントパネル2の上面は、フロントウィンドシールドFW側(車両前方)から助手席側(車両後方)に向かって下り傾斜している(図2参照)。
図2に示すように、エアバッグ装置1は、折り畳まれた袋状のエアバッグ10と、折り畳まれたエアバッグ10を包むパッキングクロス20と、エアバッグ10にガスを噴射するインフレータ30と、パッキングクロス20に包まれたエアバッグ10を収容するリテーナ40と、エアバッグ10の収容部10aを閉塞するリッド部材50と、を有している。
リッド部材50は、エアバッグ10の出口を構成する樹脂製部材であり、例えば射出成型等によって一体成型されている。リッド部材50は、インストルメントパネル2の裏面に溶着されている。リッド部材50は、一対のリッド51と、側壁部52と、ヒンジ部53と、フランジ部54と、を有している。
一対のリッド51は、エアバッグ10の展開時に前後に両開きする蓋(扉)であり、前リッド51aと後リッド51bとから構成されている。前リッド51aの後端部と後リッド51bの前端部はテアライン55を介して連続している。テアライン55は、膨張するエアバッグ10によって押し破られる脆弱部であり、リッド51に比較して薄肉に形成されている。前リッド51aの前端部と後リッド51bの後端部はヒンジ部53、53を介して側壁部52に連続している。なお、図示は省略するが、前リッド51aと後リッド51bの左右の側端部は、テアラインを介して左右の側壁部に連続している。
側壁部52は、左右方向に細長い四角筒状の壁体であり、エアバッグ10等を囲繞している。側壁部52は、上端側が一対のリッド51に閉塞されており、下端側が開放されている。
ヒンジ部53は、前リッド51aと後リッド51bの展開時に湾曲する部位であり、断面視で略U字状に形成されている。ヒンジ部53は、前後の側壁部52の上端部に連続している。これにより、開いた状態の前リッド51aと後リッド51bがヒンジ部53に支持されるので、エアバッグ10の展開時に前リッド51aと後リッド51bが飛散することがない。
フランジ部54は、側壁部52の上端部から外向きに延出する枠状の部位である。フランジ部54の上面及び一対のリッド51の上面は、インストルメントパネル2の裏面に溶着されている。
エアバッグ10は、車両の衝突時に車室内に膨張展開して乗員を拘束する袋状の部材である。通常時において、エアバッグ10は、インフレータ30からのガスによって展開し易いように折り畳まれている。具体的には、折り畳まれた状態のエアバッグ10は、基部11と、基部11から上方に延出する前面部12と、前面部12の上端から車両後方に延出する上面部13と、上面部13の後端から下方に延出する後面部14と、後面部14の下端に連続し蛇腹状に折り畳まれた蛇腹部15と、を主に有している。換言すれば、エアバッグ10は、蛇腹部15の周囲に、後面部14と上面部13と前面部12と基部11とが巻き付いた状態に折り畳まれている。
基部11にはインフレータ30の上端部が挿入されており、展開時にガスが導入される。エアバッグ10の基部11に導入されたガスは、前面部12、上面部13、後面部14、蛇腹部15の順に流れる。前面部12の上端と上面部13の前端とが連続する前角部17は、下から上に向かうガスの流れがぶつかって向きを変える部位であり、外向きに膨張する力が強い。さらに、前角部17は、上面部13の後端と後面部14の上端とが連続する後角部19に比較してインフレータ30に近いので、ガスの勢いも強い。
また、基部11の内部には、エアバッグ10をリテーナ40に固定するための基板16が設置されている。基板16は、4本のスタッドボルト18を介してリテーナ40の底壁41に固定されている。
図2、図3、図4に示すように、パッキングクロス20は、折り畳まれたエアバッグ10を包むための布状部材である。パッキングクロス20は、底布部21と、底布部21の後端部に連続する後布部22と、後布部22の上端部に連続する上布部23と、上布部23の前端部に連続する前布部24と、前布部24の左右の側部端部にそれぞれ連続する右布部25及び左布部26(図4参照)と、を有している。また、パッキングクロス20は、展開時にエアバッグ10を突出させるための開口部60と、エアバッグ10の展開力によって破断する脆弱部27と、を有している。
底布部21は、インフレータ30が挿通されるインフレータ挿通孔21aと、スタッドボルト18が挿通される4つのボルト挿通孔21bとを有している(図4(a)参照)。
前布部24の下端部には、エアバッグ10の底部(基部11)に折り返されて、前側の2本のスタッドボルト18に係合する複数の(本実施形態では2つ)の係合部24aが突出形成されている。2つの係合部24aは、互いに左右方向に離間して設けられている。
右布部25及び左布部26の下端部には、エアバッグ10の底部(基部11)に折り返されて、後側の2本のスタッドボルト18にそれぞれ係合する係合部25a,26aがそれぞれ設けられている。
開口部60は、図4に示す展開状態で略三角形状を呈する貫通孔であり、上布部23と前布部24に跨って設けられている。開口部60は、脆弱部27が完全に破断する前に、当該開口部60からエアバッグ10の一部を突出させる機能を有している。開口部60は、パッキングクロス20の左右方向の略中央部に設けられている。開口部60は、前リッド51aの下方に設けられている(図2参照)。換言すれば、開口部60は、一対のリッド51に対して自動車Cの前方にオフセットして設けられている。この開口部60からエアバッグ10の前面部12と上面部13と前角部17とが露出している。図3に示すように、開口部60の周縁は、三角形の3辺を構成する3つの直線状の直線部61,62,63と、三角形の頂点を構成する3つの円弧状の円弧部64,65,66と、で構成されている。1つの直線部61は、上布部23の前後方向及び左右方向の略中央部に左右方向に延設されている。直線部61は、上布部23の左右方向の幅寸法の1/3程度(好ましくは1/3以上、1/2以下)の長さ寸法に形成されている。残りの2つの直線部62,63は、上布部23から前布部24に跨って延設されており、前側に向かうほど互いに近づくように略ハ字状に設けられている。2つの直線部62,63の間の円弧部66は、後記するリテーナ40の周壁42の上端部42bよりも上側に位置している(図2、図3参照)。
脆弱部27は、エアバッグ10の膨張力によって破断する直線状の部位であり、開口部60の左右両側に左右方向に延設されている。脆弱部27は、複数のスリット27aとブリッジ27bとが交互に配列されている。図4(b)に示すように、脆弱部27の開口部60側の端部は、2つの円弧部64,65ではなく、2つの直線部62,63に連続する位置に設けられている(直線部63側のみ図示)。換言すれば、脆弱部27の延長線27cは、直線部62,63と交差している。これにより、脆弱部27の延長線27cが円弧部64,65と交差する場合に比較して、ブリッジ27bの幅寸法を精度よく均一に形成することができる。
ここで、開口部60と係合部24aの関係について説明する。図4(a)に示すように、開口部60は略三角形状に形成されており、前側に向かうほど左右の直線部62,63同士の間隔が狭くなっている。そのため、開口部60の左側にある脆弱部27のブリッジ27bと、左側の係合部24aと、を結ぶ仮想線上に開口部60が存在しない。また、開口部60の右側にある脆弱部27のブリッジ27bと、右側の係合部24aと、を結ぶ仮想線上に開口部60が存在しない。その結果、パッキングクロス20でエアバッグ10を包むために、係合部24aを引っ張ってスタッドボルト18に係合させる際に、パッキングクロス20にテンションを掛け易いので、パッキングクロス20に皺やよれが出来難い。
図2、図3に示すように、インフレータ30は、エアバッグ10にガスを噴射する部材である。インフレータ30の上端部は、エアバッグ10の基部11に挿入されている。インフレータ30は、図示しない加速度センサ等が自動車Cへの衝撃を検知した際に、図示しない制御部からの指令により点火されてガスを噴射する。
リテーナ40は、パッキングクロス20で包まれたエアバッグ10を収納する容器であり、上端部が開口した箱状の鋼製部材からなる。リテーナ40は、底壁41と、底壁41の周囲から立ち上がる周壁42と、を主に有している。底壁41には、インフレータ30を挿通するためのインフレータ挿通孔41aと、スタッドボルト18を挿通するための4つのボルト挿通孔41bと、が設けられている。このボルト挿通孔41bにスタッドボルト18を挿通しナットNを締め付けることで、エアバッグ10とパッキングクロス20とリテーナ40とが締結固定される。周壁42には、肉抜き用の貫通孔42aが複数穿設されている。また、前後の周壁42の上端部42bには、側面視で逆L字状(若しくはへ字状)の折返し部42cが複数設けられている。左右の周壁42の外側には、リテーナ40を車体に固定するためのブラケット42dがそれぞれ設けられている。
ここで、図2に示すように、インストルメントパネル2及び一対のリッド51は、前方から後方に向かって下り傾斜している。また、エアバッグ10の上面部13及びパッキングクロス20の上布部23も、前方から後方に向かって下り傾斜している。エアバッグ10の上面部13及びパッキングクロス20の上布部23の傾斜角度は、インストルメントパネル2及び一対のリッド51の傾斜角度よりも大きい。つまり、エアバッグ10の上面部13及びパッキングクロス20の上布部23は、後方から前方に向かうほど一対のリッド51に近づくように傾斜している。そのため、エアバッグ10の上面部13の前側の部位は、エアバッグ10の上面部13の後側の部位に比較して、一対のリッド51(前リッド51a)に先行して当接し易い。
また、図2に示すように、エアバッグ10は、リテーナ40に収容された状態で、後角部19よりも前角部17の方が一対のリッド51に近接するように傾けて設置されている。これにより、前角部17の膨張力を一層効率よく前リッド51aに伝達することができる。
なお、エアバッグ10は、開口部60から突出したエアバッグ10の一部が前リッド51aに略直角に当接するのが好ましい。このようにすれば、エアバッグ10が前リッド51aに浅い角度(鋭角)で当接する場合に比較して、エアバッグ10の膨張力をテアライン55のせん断力に効率よく変換することができる。具体的には、例えば図2に示す断面視で、基部11の中心点11a(インフレータ30の中心点30a)と前角部17とを結ぶ直線L1(すなわちエアバッグ10の膨張方向)と前リッド51aの裏面との成す角度αが概ね90°程度となるように、エアバッグ10を傾けて配置するのが好ましい。このようにすれば、展開時にエアバッグ10が前リッド51aに直角に当接し易くなる。
本実施形態に係るエアバッグ装置1は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、エアバッグ装置1の動作について、図1乃至図5(主に図5)を参照して詳細に説明する。
図5(a)に示すように、インフレータ30からエアバッグ10の基部11に噴射されたガスは、前面部12を通って前角部17で向きを変えて上面部13に流れる。このとき、パッキングクロス20の開口部60は、エアバッグ10の上面部13から前面部12に跨って形成されているので、エアバッグ10の一部である前角部17付近が開口部60から突出し、外側に向かって膨張する。開口部60から突出したエアバッグ10は、前リッド51aに直接当接し、前リッド51aを押し上げる。これにより、前リッド51aと後リッド51bの間のテアライン55に大きなせん断力Fが作用してテアライン55が開裂を開始する。
なお、エアバッグ10の前角部17は、後角部19よりもリッド51に近いので、より大きな膨張力をリッド51(前リッド51a)に伝達することができる。さらに、エアバッグ10の上面部13は、後方から前方に向かうほど一対のリッド51に近づくように傾斜しているので、エアバッグ10を前リッド51aに先行して当接させることができる。
また、パッキングクロス20の脆弱部27を破断するために膨張力が使われる前(又は同時)に、開口部60からエアバッグ10が突出して前リッド51aに直接当接するので、比較的大きな力で前リッド51aを押し上げることができる。
次に、図5(b)に示すように、エアバッグ10の膨張が進むと、パッキングクロス20の脆弱部27(図3、図4参照)が破断し、エアバッグ10の上面部13及び後面部14等が膨張を開始する。これにより、前リッド51a及び後リッド51bがエアバッグ10に押し上げられ、ヒンジ部53を中心に両開きする。このとき、エアバッグ10の展開の初期段階でテアライン55が優先して開裂しているので、ヒンジ部53の破断やリッド51の飛散を抑制することができる。
次に、図5(c)に示すように、エアバッグ10の蛇腹部15まで膨張が進むと、エアバッグ10がリッド51から大きく飛び出し、車室内に展開する。このとき、エアバッグ10は、フロントウィンドシールドFWに当接した後に、座席側に向かって展開する。
以上のように、本実施形態に係るエアバッグ装置1によれば、パッキングクロス20にエアバッグ10の一部(前角部17付近)を突出させるための開口部60が予め設けられているので、エアバッグ10の展開初期に、パッキングクロス20の脆弱部27の破断を必要とすることなく、開口部60から突出したエアバッグ10の一部が前リッド51aに直に当接する。また、開口部60は、前後一対のリッド51に対して、自動車Cの前方にオフセットしているので、開口部60から突出したエアバッグ10が前リッド51aに片寄って当接する。そのため、エアバッグ10の膨張力が前リッド51aに片寄って作用し、テアライン55にせん断力Fを効果的に発生させることができる。この結果、膨張力の
ロスを抑制しながらテアライン55を効率よく開裂することができる。
また、エアバッグ10は、下方に配置されたインフレータ30からのガスがエアバッグ10の前面部12を通って上面部13に到達するように折り畳まれているので、エアバッグ10の前面部12と上面部13とで構成される前角部17付近においてエアバッグ10の展開力が強くなる。そして、開口部60は、前面部12側にオフセットしているので、エアバッグ10の展開力が強くなる前角部17と開口部60のオフセット方向とが一致する。そのため、エアバッグ10のうち展開力の強い前角部17付近を開口部60から突出させて前リッド51aに当接させることができる。
また、エアバッグ装置1によれば、開口部60はフロントウィンドシールドFW側にオフセットしているので、開口部60から突出したエアバッグ10の一部がフロントウィンドシールドFW側の前リッド51aに当接する。そのため、エアバッグ10の膨張力が前リッド51aに集中して作用し、テアライン55にせん断力Fを効果的に発生させることができる。更に、エアバッグ10は初めにフロントウィンドシールドFWに向かって展開し、フロントウィンドシールドFWに当接してから助手席C1側に向かって展開するので、展開初期段階のエアバッグ10が乗員に直接当接することを防止することができる。
また、エアバッグ10は、下方に配置されたインフレータ30からのガスがエアバッグ10の前面部12を通って上面部13に到達するように折り畳まれており、エアバッグ10の前面部12側は、エアバッグ10の後面部14側よりも一対のリッド51に近接しているので、開口部60のオフセットと合わせて、エアバッグ10の展開力を前リッド51aに確実かつ強力に伝えることができる。
また、エアバッグ10は、パッキングクロス20に包まれた状態で、上端部42bが開口する箱状のリテーナ40に収容されており、開口部60は、リテーナ40の周壁42の上端部42bよりも上側の領域に設けられているので、パッキングクロス20の開口部60から露出するエアバッグ10がリテーナ40の周壁42の上端部42b(エッジ)に当接して損傷するのを抑制することができる。
また、開口部60は、車両前方に近づくにつれて車両の左右方向の幅寸法が小さくなるように、例えば三角形状又は台形状に形成されているので、エアバッグ10を包むためにパッキングクロス20の係合部24aを引っ張ってリテーナ40のスタッドボルト18に係合させる際に、開口部60の周囲にテンションラインを確保することができる。これにより、パッキングクロス20の組み付け性が向上する。
また、開口部60の周縁は、3つの直線状の直線部61,62,63と、直線部61,62,63同士の間に設けられる円弧状の円弧部64,65,66と、で構成されているので、パッキングクロス20に円弧部64,65,66を形成する打ち抜き刃型をR形状にして、刃型の損耗を抑制することができる。
また、パッキングクロス20は、エアバッグ10の膨張によって破断するミシン目状の脆弱部27を開口部60の左右両側に有し、脆弱部27の開口部60側の端部は、直線部62,63にそれぞれ連続しているので、仮に製造誤差の大きい円弧部64,65に脆弱部27が連続している場合に比較して、ミシン目状の脆弱部27のブリッジ27bの幅寸法を均一に構成することが容易になる。
また、本実施形態に係るエアバッグ装置1によれば、パッキングクロス20にエアバッグ10の一部を突出させるための開口部60が予め設けられているので、エアバッグ10の展開初期に、パッキングクロス20の脆弱部27の破断を必要とすることなく、開口部60からエアバッグ10の一部が突出する。また、開口部60は、開口部60から突出したエアバッグ10の一部が前リッド51aに片寄って当接するように配置されているので、エアバッグ10の膨張力が前リッド51aに片寄って作用し、テアライン55にせん断力Fを効果的に発生させることができる。その結果、膨張力のロスを抑制しながらテアライン55を効率よく開裂することができる。
また、エアバッグ10は、開口部60から突出したエアバッグ10の一部が前リッド51aに直角に当接するように構成されているので、エアバッグ10が一対のリッド51に浅い角度(鋭角)で当接する場合に比較して、エアバッグ10の膨張力をテアライン55のせん断力Fに効率よく変換して、テアライン55を開裂することができる。
次に、第1変形例に係るエアバッグ装置1Aについて図6を参照して説明する。
第1変形例に係るエアバッグ装置1Aは、主に、(1)パッキングクロス20Aの開口部60が後側にオフセットしている点、(2)エアバッグ10Aのガス流路が基部11、後面部14、上面部13、前面部12、蛇腹部15の順に連通している点、(3)エアバッグ10Aの傾きがインストルメントパネル2と略平行である点、で前記した実施形態と異なっている。
図6に示すように、エアバッグ10Aは、基部11と、基部11から上方に延出する後面部14と、後面部14の上端から車両後方に延出する上面部13と、上面部13の後端から下方に延出する前面部12と、前面部12の下端に連続し蛇腹状に折り畳まれた蛇腹部15と、を主に有している。これにより、基部11に流入したガスは、後面部14を下から上に流れて上面部13に到達する。
また、パッキングクロス20Aは、底布部21と、底布部21の前端部に連続する前布部24と、前布部24の上端部に連続する上布部23と、上布部23の前端部に連続する後布部22と、後布部22の左右の側部端部にそれぞれ連続する右布部及び左布部(図示省略)と、を有している。そして、開口部60は、一対のリッド51に対して後側にオフセットして設けられている。具体的には、開口部60は、後リッド51bの下方に位置しており、上面部13の前後方向の中央部から後面部14に跨って設けられている。
さらに、エアバッグ10Aは、リテーナ40に収容された状態で、前角部17及び後角部19から一対のリッド51までの距離が略等しくなるように設置されている。
第1変形例に係るエアバッグ装置1Aによれば、インフレータ30からのガスにより、エアバッグ10Aの後角部19付近が開口部60から突出し、後リッド51bに直に、且つ片寄って当接する。その結果、エアバッグ10Aの膨張力が後リッド51bに片寄って作用し、テアライン55のせん断力Fが大きくなる。そのため、テアライン55を容易かつ確実に開裂することができる。
次に、第2変形例について説明する。
前記した本実施形態及び第1変形例では、パッキングクロス20に設ける開口部60の位置を調節(オフセット)することで、エアバッグ10、10Aを前リッド51aに片寄って当接させる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エアバッグを一対のリッド51の一方に片寄って当接させることができればよい。第2変形例では、パッキングクロス20及び開口部60を必須の構成とすることなく、エアバッグ10(10B)を一対のリッド51の一方に片寄って当接させることが可能なエアバッグ装置1Bについて図7を参照して詳細に説明する。なお、前記した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
第2変形例に係るエアバッグ装置1Bは、展開するエアバッグ10(10B)を一対のリッド51の一方(第2変形例では前リッド51a)に片寄って当接させることで、テアライン55を開裂させることを特徴としている。具体的には、例えば、エアバッグ10Bの前後方向の中心線CL1を、一対のリッド51の前後方向の中心線CL2に対して前方にオフセットさせることで、エアバッグ10Bを前リッド51aに片寄って当接させている。すなわち、第2変形例では、開口部60ではなく、エアバッグ10B自体を一対のリッド51に対してオフセットさせている。
図7に示すように、エアバッグ10Bは、インフレータ30からのガスによって膨張展開するように所定形状に折り畳まれた状態で、リテーナ40Bに収容されている。エアバッグ10Bの折り畳み方やパッキングクロス20の有無は、特に限定されるものではないが、エアバッグ10Bの前後方向の中心線CL1に沿ってエアバッグ10Bが膨張するのが好ましい(矢印P参照)。リッド部材50のテアライン55は、一対のリッド51の前後方向の中心線CL2上に位置している。リテーナ40Bの後側の折返し部42cは、前側の折返し部42cよりも前後方向の寸法が大きく形成されている。このようなリテーナ40Bをリッド部材50の側壁部52に取り付けることによって、エアバッグ10Bの前後方向の中心線CL1が、一対のリッド51の前後方向の中心線CL2に対して前方にオフセットした状態になる(寸法線Q参照)。
次に、第2変形例に係るエアバッグ装置1Bの動作について説明する。
第2変形例に係るエアバッグ装置1Bによれば、エアバッグ10Bの前後方向の中心線CL1が、一対のリッド51の前後方向の中心線CL2に対して前方にオフセットしているので、中心線CL1に沿って膨張展開したエアバッグ10Bが、前リッド51aに片寄って当接する。これにより、エアバッグ10Bの膨張力(矢印P参照)が前リッド51aに片寄って作用し、テアライン55にせん断力Fを効果的に発生させることができる。また、パッキングクロス20を用いない場合には、パッキングクロス20の脆弱部27を破断させることに膨張力Pが消費されることがないので、テアライン55を効率よく開裂することができる。
以上、本実施形態及び第1、第2変形例について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態及び第1変形例では、基部11から上面部13に至るガスの流路と開口部60のオフセット方向とが一致する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基部11から上面部13に至るガスの流路と開口部60のオフセット方向とを逆にしてもよい。この場合でも、オフセットした開口部60からエアバッグ10が突出することにより、一対のリッド51の一方にエアバッグ10を直に、且つ片寄って当接させることができる。
また、本実施形態及び第1変形例では、リテーナ40の周壁42の上端部42bよりも上側の領域に開口部60を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、開口部60の前側(又は後側)の円弧部66が、リテーナ40の周壁42に重複してもよい。
また、本実施形態及び第1変形例では、展開初期において、エアバッグ10が前リッド51a及び後リッド51bのいずれか一方のみに当接するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エアバッグ10が前リッド51a及び後リッド51bのいずれか一方に片寄って当接すればよい。この場合も、膨張力の過半を一対のリッド51の一方に集中させることができるので、一対のリッド51にエアバッグ10を均等に当接させる場合に比較して、中央のテアライン55に作用するせん断力Fを大きくすることができる。
また、本実施形態及び第1変形例では、インストルメントパネル2と別に設けたリッド部材50に一対のリッド51を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、インストルメントパネル2に一対のリッド51及びテアライン55を直接形成してもよい。この場合、テアライン55の肉抜き量を少なくできるので、インストルメントパネル2の表面にテアライン55の痕跡が現れるのを抑制できるとともに、部品点数や製造工数を削減することができる。
また、第2変形例では、一対のリッド51の中心線CL2に対してエアバッグ10Bの中心線CL1をオフセットさせる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エアバッグ10Bの中心線CL1と一対のリッド51の中心線CL2を一致させた上で、一対のリッド51の中心線CL2に対してテアライン55を例えば後方にオフセットさせる構成としてもよい。このような構成でも、展開するエアバッグ10Bを前リッド51aに片寄って当接させることができる。
1 エアバッグ装置
2 インストルメントパネル
10 エアバッグ
10a 収容部
11 基部
12 前面部
13 上面部
14 後面部
17 前角部
20 パッキングクロス
27 脆弱部
30 インフレータ
40 リテーナ
50 リッド部材
51 一対のリッド
51a 前リッド
51b 後リッド
55 テアライン
60 開口部

Claims (14)

  1. インフレータからのガスによって展開するように折り畳まれたエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを包むパッキングクロスと、
    前記エアバッグの収容部を閉塞し、展開時に中央のテアラインが開裂して両開きする前後一対のリッドと、を備えるエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、下方に配置された前記インフレータからのガスが前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方を通って上面部に到達するように折り畳まれており、
    前記パッキングクロスは、開口部を有し、
    前記開口部は、前記前後一対のリッドに対して、車両の左右方向の略中央部に位置するとともに、前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方に対応する側にオフセットしていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記開口部は、折り畳まれた状態の前記エアバッグの上面部から前記エアバッグの前面部及び後面部のいずれか一方に跨るように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグは、車両前部に設けられたインストルメントパネルの下方に収容されており、
    前記開口部は、ロントウィンドシールド側にオフセットしていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグ及びパッキングクロスの上面は、後方から前方に向かうほど前記前後一対のリッドに近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグは、下方に配置された前記インフレータからのガスが前記エアバッグの前面部を通って上面部に到達するように折り畳まれており、
    前記エアバッグの前面部側は、前記エアバッグの後面部側よりも前記リッドに近接していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグは、前記パッキングクロスに包まれた状態で、上端部が開口する箱状のリテーナに収容されており、
    前記開口部は、前記リテーナの側壁の上端部よりも上側の領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記パッキングクロスの車両の前方向及び後方向のいずれか一方側の端部には、前記リテーナに係合する複数の係合部が互いに左右に離間して設けられており、
    前記開口部は、車両の前方向及び後方向のいずれか一方に近づくにつれて車両の左右方向の幅寸法が小さくなることを特徴とする請求項に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記開口部の周縁は、複数の直線状の直線部と、前記直線部同士の間に設けられる円弧状の円弧部と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記パッキングクロスは、前記エアバッグの膨張によって破断するミシン目状の脆弱部を、前記開口部の左右両側に有し、
    前記脆弱部の前記開口部側の端部は、前記直線部に連続していることを特徴とする請求項8に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記開口部は、展開時に前記エアバッグの一部を突出させるための開口部であり、前記開口部から突出した前記エアバッグの一部が前記前後一対のリッドの一方に片寄って当接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  11. 前記エアバッグは、前記開口部から突出した前記エアバッグの一部が前記前後一対のリッドの一方に略直角に当接するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載のエアバッグ装置。
  12. 展開する前記エアバッグを前記前後一対のリッドの一方に片寄って当接させることで、前記テアラインを開裂させることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  13. 前記パッキングクロスに設ける開口部の位置を調節することで、前記エアバッグを前記前後一対のリッドの一方に片寄って当接させて前記テアラインを開裂させることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  14. 前記開口部は、展開時に前記エアバッグの一部を突出させるための開口部であることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
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