以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、ジョブ制御システム1の第1の実施形態の構成を示す概念図である。図1に示すジョブ制御システム1は、MFPなどで構成される画像処理装置2と、ユーザが普段携帯して使用している携帯情報端末3とを備えて構成されている。本実施形態では、画像処理装置2と携帯情報端末3のそれぞれがネットワークを介して他の通信機器にアクセスすることが可能となっている。ネットワークは、LANやWAN、或いは公衆電話網やインターネット網などを含むネットワークである。
画像処理装置2は、ネットワークを介してデータ通信を行う機能を有する他、スキャン機能、プリント機能及びBOX機能などの複数の機能を備えている。スキャン機能は、画像処理装置2の例えば装置本体上部に設けられた画像読取部6を駆動して原稿の読み取り動作を行い、その読取動作で得られた画像ファイルを生成する機能である。プリント機能は、画像処理装置2の例えば装置本体中央部に設けられた画像形成部7を駆動して印刷出力を行う機能である。BOX機能は、後述する記憶領域(フォルダ)に各種データを記憶しておく機能であり、例えばスキャン機能により得られたスキャン画像ファイルを記憶したり、ネットワークを介して受信した受信データを記憶したりする。
これらのスキャン機能、プリント機能及びBOX機能は、ネットワークを介して行うデータ通信機能と連動することも可能である。例えば、スキャン機能の場合は、原稿を読み取って生成したスキャン画像ファイルをデータ通信機能によって外部に送信することが可能である。また、プリント機能の場合は、データ通信機能によって外部から取得される画像ファイルに基づき印刷出力を行うことが可能である。このような画像処理装置2は、例えばオフィスなどに設置される場合、複数のユーザによって共有して利用され得る。
また、画像処理装置2は、例えば装置本体の正面側に、ユーザが画像処理装置2を操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル8を備えている。画像処理装置2は、この操作パネル8に対して行われるユーザの指示入力操作に基づき、上述した複数の機能のうちの少なくとも1つを動作させ、ユーザによって指定されたジョブを実行する。
さらに、画像処理装置2は、NFC(Near Field Communication)などにより所定距離の範囲内にある特定のデバイスとの間で近距離無線通信を行う機能を備えている。この近距離無線通信機能により、画像処理装置2は、画像処理装置2を使用しようとしているユーザが所持する携帯情報端末3との間で通信を行うことができる構成となっている。
携帯情報端末3は、タブレット端末やスマートフォンなどで構成される可搬型の情報端末装置であり、通常、一人のユーザによって占有される装置である。この携帯情報端末3は、ネットワークを介して他の機器とデータ通信を行う機能(以下、ネットワーク通信機能という)と、画像処理装置2が携帯情報端末3から所定距離の範囲内にある場合に、画像処理装置2との間で近距離無線通信を行う機能(近距離無線通信機能)との2つの無線による通信機能を有している。なお、以下の説明においては、前記所定距離として例えば10cm程度の短い距離を想定する。また、携帯情報端末3をその距離の範囲内に位置させるためにユーザによって行われる操作(動作)を、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざすという。
本実施形態に係るジョブ制御システム1においては、この近距離無線通信機能を利用することで、ユーザが携帯情報端末3を用いて画像処理装置2によるジョブの実行を中断させたりその中断を解除させたりすることができるように構成されている。以下、このように構成されたジョブ制御システム1の画像処理装置2及び携帯情報端末3について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。図2に示す画像処理装置2は、上述した画像読取部6及び画像形成部7の他に、操作パネル8と、ネットワーク通信インターフェース(I/F)部9と、近距離無線通信I/F部10と、記憶部11と、制御部12とを備えて構成される。
操作パネル8は、表示部13及び操作部14を備える。表示部13は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、画像処理装置2のユーザに対し、種々の操作指令を入力するための操作キーを含む各種操作画面や画像ファイルに基づく印刷の結果を予め示したプレビューなどの各種情報を表示する。操作部14は、各種の機械的な操作キーや表示部13の表示画面上に配置されるタッチパネルセンサーなどで構成され、画像処理装置2のユーザから操作入力を受け付ける。機械的な操作キーとしては、例えば、スキャン機能やプリント機能等の実行開始指示を入力するためのスタートキーや、印刷枚数等の実行条件を入力するためのテンキー等がある。
ネットワーク通信I/F部9は、制御部12がネットワークを介してデータ通信を行う場合にその通信制御を行う処理部である。画像処理装置2がネットワークを介して他の通信機器に接続する場合、このネットワーク通信I/F部9を介してデータの送受信が行われる。
近距離無線通信I/F部10は、制御部12が携帯情報端末3との間で近距離無線通信を行う場合にその通信制御を行う処理部である。この近距離無線通信I/F部10は、携帯情報端末3との間で近距離無線通信を行うことができる状態になると、それを自動検知し、制御部12に通知する。
記憶部11は、ハードディスクドライブ(HDD)などで構成される不揮発性の記憶装置である。記憶部11には、各種のアプリケーション15を記憶する記憶領域や、文書ファイル16などを記憶する記憶領域が設けられている。また、記憶部11には、各種のテーブル17を記憶する記憶領域も設けられている。この記憶領域に記憶されるテーブル17の一つとして、ジョブの実行指示を入力したユーザを識別するためのユーザID(ユーザ識別情報)と、そのジョブを識別するためのジョブID(ジョブ識別情報)とを対応付けたジョブ−ユーザテーブルT1(図3(a)参照;待機ジョブ管理テーブルに相当)がある。ユーザIDは、例えば、ユーザがジョブの実行指示を入力する際に、該ユーザによって画像処理装置2に入力される一方、ジョブIDは、その入力時に、画像処理装置2によって自動的にジョブに付与される。記憶部11のテーブル記憶領域に格納され得るテーブル17の他の例として、後述する中断ジョブ管理テーブルT2(図3(b)参照)もある。
制御部12は、図示しないCPUやメモリを備えて構成されている。CPUは、記憶部11に記憶されている各種アプリケーション15を実行するものである。メモリは、CPUがアプリケーション15を実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。そして、CPUがアプリケーション15を実行することにより、制御部12は、接続検知部18、情報通信部19、ジョブ制御部20及びテーブル処理部21として機能する。
接続検知部18は、画像処理装置2に電源が投入されている間、制御部12に常駐する。そして、接続検知部18は、近距離無線通信I/F部10を介して携帯情報端末3との近距離無線通信が可能な接続状態となったことを検知する。情報通信部19は、接続検知部18によって携帯情報端末3との接続状態が検知されると機能する。
情報通信部19は、携帯情報端末3との間で近距離無線通信により各種情報を送受信する処理部である。上述したように、携帯情報端末3は、画像処理装置2との間での近距離無線通信が可能になると、各種情報を画像処理装置2に送信する。本実施形態では、携帯情報端末3から送信される情報として、当該携帯情報端末3を識別するための端末ID(端末識別情報)があり、情報通信部19は、この端末IDを受信する端末識別情報取得手段としての機能を有する。
ジョブ制御部20は、操作パネル8に対して行われるユーザの指示操作や携帯情報端末3から受信する情報に基づき、ユーザによって指定されたジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ制御部20は、画像読取部6に原稿の読み取り動作を行わせて画像ファイルを取得したり、画像形成部7に画像データを出力して印刷出力を行わせたりする。また、ジョブ制御部20は、記憶部11に対して文書ファイルなどを格納したり、又は、記憶部11に格納されている文書ファイルを読み出したりする。さらに、このジョブ制御部20は、画像データなどのデータをネットワーク経由で外部の装置に送信したり、或いは、画像データなどのデータをネットワーク経由で外部の装置から取得したりすることも可能である。
以上の機能に加え、ジョブ制御部20は、情報通信部19による端末IDの取得を条件として、実行中のジョブ又は未実行のジョブの実行を中断状態に設定するジョブ中断部としての機能を有する。未実行のジョブとは、まだジョブの実行が開始されずに待機しているジョブであり、例えば時刻指定により実行予約されているジョブなどが含まれる。また、ジョブ制御部20は、情報通信部19による端末IDの取得を条件として、後述する中断ジョブ管理テーブルT2に基づいてその端末IDに対応する中断ジョブを検出し、該中断ジョブの中断状態を解除するジョブ中断解除部としての機能も有している。
ここで、ジョブ中断部及びジョブ中断解除部は、いずれも端末IDの取得を条件として機能するものであるところ、本実施形態では、ジョブ中断部がジョブ中断解除部より優先して機能する。すなわち、ジョブ中断部は、実行中又は未実行のジョブがある状態で情報通信部19により端末IDが取得された場合に機能し、ジョブ中断解除部は、実行中又は未実行のジョブが無い場合に機能し得るようになっている。
テーブル処理部21は、記憶部11に格納され得るテーブル17に関する処理を行うものである。例えば、テーブル処理部21は、ユーザによりジョブの実行指示が入力されると、図3(a)に示すように、そのジョブのジョブIDと該ユーザのユーザIDとを対応付けたジョブ−ユーザテーブルT1を生成する。そして、ジョブが完了すると、テーブル処理部21は、そのジョブに対応するテーブルを削除する。
また、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20によりジョブの実行が中断状態に設定されると、図3(b)に示すように、その中断状態に設定された中断ジョブのジョブIDと情報通信部19で取得された端末IDとを対応付けた中断ジョブ管理テーブルT2を生成する。そして、ジョブ制御部20により中断ジョブの中断状態が解除されると、テーブル処理部21は、該中断ジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2を削除する。
中断ジョブ管理テーブルT2は、携帯情報端末3の端末IDが取得されたときに、中断状態に設定されたジョブを特定するためのテーブルであり、端末IDとそのジョブに関するジョブ情報とが対応付けられている。そのジョブ情報として、「ジョブID」、「ジョブ種別」、「ステータス」、「ファイル名」、「受信元」、「送信先」及び「再開動作」が設定されている。「ステータス」とは、中断状態に設定される直前の当該ジョブの状態(実行中又は待機中)である。「ファイル名」とは、当該ジョブに係るデータのファイル名を示す。「受信元」とは、当該ジョブに係るデータを画像処理装置2に送信してきた機器を示す。「送信先」とは、当該ジョブがスキャンである場合に、該スキャンによって得られたデータの送信先を示す。「再開動作」とは、中断したジョブを再開する場合に、何ページ目から再開すべきであるかを示す。本実施形態における画像処理装置2は、ジョブが中断されると、該ジョブに係るデータ(処理済みのデータも含む)をすべて記憶部11に格納する。そして、中断したジョブを再開するときには、中断ジョブ管理テーブルT2における「再開動作」の内容に基づき、記憶部11に格納されている当該ジョブのデータから再開時に用いるデータ(未処理データ)を抽出し、この抽出した未処理データに基づいてジョブの再開動作を行う。これにより、実行途中で中断されたジョブを最初からやり直す構成に比して、速やかにジョブを完了することができる。また、ジョブがプリントの場合には、無駄な出力紙が生じるのを回避することもできる。
携帯情報端末3について説明する。図4は、本実施形態に係る携帯情報端末3の構成を示す図である。図4に示す携帯情報端末3は、ネットワーク通信I/F部22と、近距離無線通信I/F部23と、表示部24と、操作部25と、記憶部26と、制御部27とを備えている。なお、携帯情報端末3がスマートフォンなどで構成される場合には、この他にも電話通話を行うためのマイクやスピーカなどが設けられる。
ネットワーク通信I/F部22は、制御部27がネットワークを介してデータ通信を行う場合にその通信制御を行う処理部である。また、近距離無線通信I/F部23は、制御部27が画像処理装置2との間で近距離無線通信を行う場合にその通信制御を行う処理部である。この近距離無線通信I/F部23は、画像処理装置2との間で近距離無線通信を行うことができる状態になると、それを自動検知し、制御部27に通知する。
表示部24は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、携帯情報端末3のユーザに対して各種情報を表示する。操作部25は、例えば表示部24の画面上に配置されるタッチパネルセンサーなどで構成され、携帯情報端末3のユーザから操作入力を受け付ける。
記憶部26は、ソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶部26には、制御部27の図示しないCPUによって実行されるアプリケーションとして、携帯情報端末3の基本アプリケーションであるオペレーティングシステムが予め記憶されているとともに、ユーザが利用する複数のアプリケーションプログラムが記憶され得る。また、本実施形態の記憶部26は、当該携帯情報端末3に対して付与されたユニークな端末IDを予め記憶している。
制御部27は、画像処理装置2と同様の図示しないCPUやメモリを備えて構成されている。CPUが所定のアプリケーションを実行することにより、制御部27は、接続検知部28及び端末ID送信部29として機能する。
接続検知部28は、近距離無線通信I/F部23を介して画像処理装置2との近距離無線通信が可能な接続状態であることを検知するものである。上述したように、近距離無線通信I/F部23は、携帯情報端末3と画像処理装置2との間で近距離無線通信を行うことができる状態になると、それを自動検知し、制御部27に通知する。接続検知部28は、この通知を受けることにより、画像処理装置2との近距離無線通信が可能な接続状態であることを検知する。
端末ID送信部29は、端末IDを画像処理装置2へ送信することにより、画像処理装置2におけるジョブの中断又は再開を制御するジョブ制御手段として機能する。この端末ID送信部29は、接続検知部28が画像処理装置2との接続状態を検知した後、画像処理装置2からの要求に応じて、記憶部26から端末IDを読み出し、該端末IDを画像処理装置2に送信するものである。
次に、ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第1の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図5(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図5(a),(b)に示すように、画像処理装置2において、接続検知部18は、携帯情報端末3との近距離無線通信が可能な状態になったか否かを常時監視している。そして、接続検知部18が携帯情報端末3との近距離無線通信が可能になったことを検知すると(ステップS1でYES)、情報通信部19が携帯情報端末3に端末IDを要求する(ステップS2)。
携帯情報端末3において、接続検知部28は、画像処理装置2との近距離無線通信が可能な状態になったか否かを常時監視している。そして、接続検知部28が画像処理装置2との近距離無線通信が可能になったことを検知すると(ステップS3でYES)、端末ID送信部29は、画像処理装置2から端末IDの要求があったか否かを判断する(ステップS4)。端末ID送信部29は、その要求があったと判断すると(ステップS4でYES)、記憶部26から自機の端末IDを読み出し、近距離無線通信を介して端末IDを画像処理装置2に送信する(ステップS5)。
画像処理装置2において、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS6でYES)、ジョブ制御部20が、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS7)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS7でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS8)。すなわち、ジョブ制御部20は、実行中のジョブがある場合には、そのジョブの実行を中断させて、そのジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2の生成をテーブル処理部21に指示する。また、予約ジョブなどの待機中のジョブがある場合には、ジョブ制御部20は、そのジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2の生成をテーブル処理部21に指示する。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断状態に設定されたジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS9)。
一方、ステップS7において、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブが無いと判断すると(ステップS7でNO)、中断状態に設定されているジョブがあるか否か(記憶部11に中断ジョブ管理テーブルT2が格納されているか否か)を判断する(ステップS10)。ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブがあると判断すると(ステップS10でYES)、ジョブの中断状態を解除する(ステップS11)。すなわち、ジョブ制御部20は、中断ジョブ管理テーブルT2においてステータスが実行中となっているジョブ(中断設定時に実行中であったジョブ)については、テーブル処理部21に対しそのジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2の削除を指示するとともに、該ジョブの実行を再開させる。また、ジョブ制御部20は、中断ジョブ管理テーブルT2においてステータスが待機中となっているジョブについては、テーブル処理部21に対しそのジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2の削除を指示する。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS12)。なお、ジョブ制御部20は、記憶部11に中断ジョブ管理テーブルT2が格納されていないと判断すると(ステップS10でNO)、ジョブ制御部20及びテーブル処理部21は、ステップS11,S12の処理を行うことなく処理を終了する。
このように、本実施形態に係るジョブ制御システム1においては、実行中又は未実行のジョブがある状態で画像処理装置2が端末IDを取得した場合には、実行中のジョブ又は未実行のジョブの実行を中断状態に設定する。一方、実行中又は未実行のジョブが無く、且つ、取得した端末IDに対応する中断ジョブがある状態で画像処理装置2が端末IDを取得した場合には、中断ジョブの中断状態を解除する。
これにより、ユーザは、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざすことで、実行中又は待機中のジョブの実行を中断させたり、中断状態に設定されているジョブの中断状態を解除して、実行中であったジョブについては実行を再開させたり、待機中のジョブについては、順番がきたときに或いは予定時刻が経過したと判断されるタイミングで実行される状態に復帰させたりすることができる。このように、携帯情報端末3でジョブの中断・解除を行わせることができるため、ジョブの中断・再開に関してユーザの操作性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、実行中又は未実行のジョブがある場合は中断設定を行い、実行中又は未実行のジョブが無い場合に中断解除を行うようにすることから、中断設定を中断解除より優先して行うものである。これに対し、本実施形態は、中断解除を中断設定より優先して行うようにするものである。以下、本実施形態について説明する。なお、本実施形態は、中断設定及び中断解除の手順が異なるのみで、図1〜図4に示す構成は第1の実施形態と共通するものであるから、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6(a),(b)は、ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第2の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順を示すフローチャートである。
図6(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS21〜S26)。
情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS26でYES)、ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブがあるか否か(記憶部11に中断ジョブ管理テーブルT2が格納されているか否か)を判断する(ステップS27)。その結果、ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブがあると判断すると(ステップS27でYES)、その中断ジョブ管理テーブルT2に係るジョブの中断状態を解除する(ステップS28)。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS29)。
一方、ステップS27において、ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブがないと判断すると(ステップS27でNO)、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS30)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS30でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS31)。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS32)。
このように、本実施形態に係るジョブ制御システム1においては、取得した端末IDに対応する中断ジョブがある状態で画像処理装置2が端末IDを取得した場合には、中断ジョブの中断状態を解除する。一方、取得した端末IDに対応する中断ジョブが無く、実行中又は未実行のジョブがある状態で画像処理装置2が端末IDを取得した場合には、実行中のジョブ又は未実行のジョブの実行を中断状態に設定する。このような構成によっても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態においては、実行中又は実行予定のジョブがあれば、そのジョブが、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざしたユーザと異なるユーザが実行指示を行ったジョブであっても中断状態に設定される。これに対し、本実施形態では、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざしたユーザが指示したジョブに限定して中断状態の設定や中断解除を行うようにする点に特徴を有している。以下、この特徴点を第1の実施形態に追加した実施形態を第3の実施形態として説明する。
第3の実施形態に係るジョブ制御システム1においては、図7に示すように、端末IDとユーザIDとを対応付けた端末−ユーザテーブルT3が予め生成される。端末−ユーザテーブルT3は、携帯情報端末3で本ジョブ制御システム1を利用するべく、ユーザが画像処理装置2又は携帯情報端末3で所定の設定を行う際に、ユーザが端末ID及びユーザIDを画像処理装置2に登録したときに生成される。この端末−ユーザテーブルT3を用いることで、携帯情報端末3から取得した端末IDが、どのユーザの携帯情報端末3に対応するものであるのかを特定することができる。なお、このような端末−ユーザテーブルT3は、例えば画像処理装置2の記憶部11に予め格納したものであってもよいが、これに限られるものではなく、画像処理装置2が通信可能な他の機器に格納するようにしてもよい。
次に、ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第3の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図8(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図8(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、第1の実施形態に係る図5のフローチャートのステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS41〜S46)。
そして、情報通信部19は、携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS46でYES)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS47)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS47でYES)、ステップS46で受信した端末IDに対応するユーザIDを、図7に示す端末−ユーザテーブルT3に基づいて検出し(ステップS48)、ジョブ−ユーザテーブルT1に基づき、検出したユーザIDに対応するジョブIDを検出する(ステップS49)。例えば受信した端末IDが「002」であった場合、ジョブ制御部20は、端末−ユーザテーブルT3に基づいてユーザID「B」を検出し、ジョブ−ユーザテーブルT1に基づいてユーザID「B」に対応するジョブID「Y」を検出する。そして、ジョブ制御部20は、検出したジョブIDに対応するジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS50)。そして、テーブル処理部21は、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS51)。
一方、ステップS47において、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブが無いと判断すると(ステップS47でNO)、ステップS46で受信した端末IDに対応するユーザIDを、図7に示す端末−ユーザテーブルT3に基づいて検出し(ステップS53)、ジョブ−ユーザテーブルT1に基づき、検出したユーザIDに対応するジョブIDを検出する(ステップS54)。そして、ジョブ制御部20は、そのジョブIDに係るジョブの中断状態を解除し(ステップS55)、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS56)。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第3の実施形態と同様、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざしたユーザが指示したジョブに限定して中断状態の設定を行うようにする点に特徴を有している。以下、この特徴点を第2の実施形態に追加した実施形態を第4の実施形態として説明する。
ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第4の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図9(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図9(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図6のフローチャートにおけるステップS21〜S27と同様の処理を行う(ステップS61〜S67)。
ステップS67において、ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブが有る(記憶部11に中断ジョブ管理テーブルT2が格納されている)と判断すると(ステップS67でYES)、ステップS66で受信した端末IDに対応するユーザIDを、図7に示す端末−ユーザテーブルT3に基づいて検出する(ステップS68)。また、ジョブ制御部20は、検出したユーザIDに対応するジョブIDを、ジョブ−ユーザテーブルT1に基づいて検出する(ステップS69)。そして、ジョブ制御部20は、検出したジョブIDに対応する中断ジョブの中断状態を解除する(ステップS70)。また、テーブル処理部21は、該ジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2を記憶部11から削除する(ステップS71)。
一方、ステップS67において、ジョブ制御部20は、中断状態に設定されているジョブが無い(記憶部11に中断ジョブ管理テーブルT2が格納されていない)と判断すると(ステップS67でNO)、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS72)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS72でYES)、ステップS66で受信した端末IDに対応するユーザIDを、図7に示す端末−ユーザテーブルT3に基づいて検出する(ステップS73)。また、ジョブ制御部20は、検出したユーザIDに対応するジョブIDを、ジョブ−ユーザテーブルT1に基づいて検出する(ステップS74)。そして、ジョブ制御部20は、検出したジョブIDに対応するジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS75)。また、テーブル処理部21は、該ジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS76)。
このように、第3及び第4の実施形態に係るジョブ制御システム1においては、ユーザが携帯情報端末3を画像処理装置2にかざすと、このユーザのジョブに限定して中断状態の設定や中断解除を行うようにするので、他のユーザのジョブまで中断させたり中断解除したりしてしまうのを回避することができる。
(第5の実施形態)
ジョブ制御システム1の第5の実施形態について説明する。第1〜第4の実施形態においては、ユーザが携帯情報端末3を画像処理装置2にかざすことで、画像処理装置2は、中断設定や中断解除を自動的に行うようにする。これに対し、第5の実施形態では、中断設定を行うのか中断解除を行うのかをユーザに選択させる点に特徴を有している。なお、第1の実施形態に係る中断及び解除の自動設定をユーザ選択に変更したものを第5の実施形態として以下説明するが、同様の変更を第2〜第4の実施形態に施すことも可能である。
図10は、第5の実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。なお、携帯情報端末3の構成については、第1〜第4の実施形態(図4)と同様である。
本実施形態に係る画像処理装置2の制御部12は、第1〜第4の実施形態に係る制御部12の機能に加えて、選択受付部31としての機能も有している。また、それに伴いジョブ制御部20の処理内容が第1〜第4の実施形態のものと一部異なっている。以下、この点について説明し、それ以外の構成については、第1〜第4の実施形態と同様であるのでその説明は省略する。
選択受付部31は、携帯情報端末3から端末IDを受信することに伴って、中断設定又は中断解除の選択を受け付けるものである。具体的には、選択受付部31は、例えば図11に示すような選択受付画面G1を操作パネル8の表示部13に表示させる。選択受付画面G1は、中断設定を行う指示を入力するための中断ボタンB1と、中断解除を行う指示を入力するための中断解除ボタンB2とを有する。選択受付部31は、中断ボタンB1又は中断解除ボタンB2が操作されるとその操作を受け付けて、操作されたボタンをジョブ制御部20に通知する。
ジョブ制御部20は、中断ボタンB1が操作された旨の通知を選択受付部31から受信した場合、実行中又は未実行のジョブの実行を中断状態に設定する。一方、ジョブ制御部20は、中断解除ボタンB2が操作された旨の通知を選択受付部31から受信した場合、中断ジョブの中断状態を解除する。
なお、ジョブ制御部20は、携帯情報端末3から端末IDを受信すると、実行中のジョブがある場合には、選択受付部31による選択受付画面G1の表示に先立ち、そのジョブの実行を一時停止させる。この一時停止は、本発明において言う中断とは異なるものである。すなわち、ここで言う一時停止とは、中断設定若しくは中断解除に関し選択受付画面G1を介してユーザから指示があるまで、一時的に実行中のジョブを停止するものである。このような一時停止を行うのは、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざした動作が実行中のジョブを中断させようとする意思に基づいて行われたものである場合に、その実行中のジョブが、中断ボタンB1が操作されるまで中断されずに継続されるという状態を回避するためである。
次に、ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第5の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図12(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図12(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS81〜S86)。
画像処理装置2において、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS86でYES)、ジョブ制御部20は、現在ジョブの実行中であるか否かを判断する(ステップS87)。ジョブ制御部20は、現在ジョブの実行中であると判断すると(ステップS87でYES)、実行中のジョブの実行を一時停止させる(ステップS88)一方、実行中のジョブは無いと判断すると(ステップS87でNO)、ステップS88の処理をとばす。
次に、選択受付部31は、選択受付画面G1を操作パネル8の表示部13に表示させる(ステップS89)。ジョブ制御部20は、中断ボタンB1が操作された旨の通知を選択受付部31から受信すると(ステップS90でYES)、実行中及び未実行のジョブを中断状態に設定する(ステップS91)。また、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS92)。
一方、ジョブ制御部20は、中断解除ボタンB2が操作された旨の通知を選択受付部31から受信すると(ステップS90でNO)、ステップS86で受信した端末IDに対応する中断ジョブがあるか否かを判断する(ステップS93)。ジョブ制御部20は、あると判断すると(ステップS93でYES)、その中断ジョブの中断状態を解除し(ステップS94)、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS95)。一方、ステップS93において、ジョブ制御部20は、無いと判断すると(ステップS93でNO)、ジョブ制御部20及びテーブル処理部21は、ステップS94,S95の処理をとばす。
ステップS93又はS95の処理後、ジョブ制御部20は、実行中であったジョブを一時停止している状態であるか否かを判断し(ステップS96)、そうである場合には(ステップS96でYES)、そのジョブを再開させる(ステップS97)一方、そうでない場合には(ステップS96でNO)、ステップS97の処理をとばして一連の処理を終了する。
このように、本実施形態では、ユーザが携帯情報端末3を画像処理装置2にかざした場合に、中断設定を行うのか中断解除を行うのかをユーザに選択させるようにするので、中断設定及び中断解除に関し、確実に、ユーザが意図する動作を行うことができる。
(第6の実施形態)
次に、ジョブ制御システム1の第6の実施形態について説明する。第5の実施形態では、ユーザが携帯情報端末3を画像処理装置2にかざした動作が、中断設定を要求するものであるのか、それとも、中断解除を要求するものであるのかをユーザに尋ね、ユーザからの指示に応じて中断設定又は中断解除を行うようにする。これに対し、第6の実施形態では、中断及び解除の対象ジョブをユーザに選択(手動設定)させる点に特徴を有している。なお、第1の実施形態に係る中断対象及び解除対象の自動設定を、本実施形態に係る手動設定に変更するものを第6の実施形態として以下説明するが、第2〜第4の実施形態にも同様の変更を施すことは可能である。また、本実施形態に係る中断及び解除の対象ジョブの手動設定と、第5の実施形態に係る中断及び解除の手動設定とを組み合わせることも可能である。
本実施形態では、中断設定及び中断解除の手順が異なるのみで、図1〜図4に示す構成は第1の実施形態と共通するものであるから、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
本実施形態に係るジョブ制御部20は、中断及び解除の対象ジョブについてユーザの選択を受け付ける処理を行う。具体的には、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがある場合には、例えば図13(a)に示すようなジョブ中断選択画面G2を操作パネル8の表示部13に表示させる。ジョブ中断選択画面G2は、実行中又は未実行のジョブのジョブリストL1を有し、ジョブ制御部20は、中断状態に設定するジョブの選択操作を受け付ける。ジョブリストL1は、記憶部11に格納されているジョブ−ユーザテーブルT1に基づいて生成される。
また、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブが無く、中断ジョブがある場合には、例えば図13(b)に示すような中断ジョブ解除選択画面G3を表示部13に表示させる。中断ジョブ解除選択画面G3は、中断ジョブのジョブリストL2を有し、ジョブ制御部20は、中断状態を解除する中断ジョブの選択操作を受け付ける。ジョブリストL2は、記憶部11に格納されている中断ジョブ管理テーブルT2に基づいて生成される。
次に、ジョブの実行の中断設定及び該中断状態の解除に関し、第6実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図14(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図14(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS101〜S106)。
そして、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS106でYES)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS107)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS107でYES)、図13(a)に示すようなジョブ中断選択画面G2を表示部13に表示させて、中断対象についてのユーザ選択を受け付ける(ステップS108)。そして、選択が完了すると(ステップS109でYES)、ジョブ制御部20は、選択されたジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS110)。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断状態に設定されたジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS111)。
一方、ステップS107において、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブが無いと判断すると(ステップS107でNO)、中断状態に設定されているジョブがあるか否かを判断する(ステップS112)。ジョブ制御部20は、あると判断すると(ステップS112でYES)、図13(b)に示すような中断ジョブ解除選択画面G3を表示部13に表示させて、中断解除対象についてのユーザ選択を受け付ける(ステップS113)。そして、選択が完了すると(ステップS114でYES)、ジョブ制御部20は、選択された中断ジョブの中断状態を解除する(ステップS115)。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断状態が解除されたジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS116)。なお、本実施形態においても、実行中のジョブがある場合は、第5の実施形態と同様、ジョブ中断選択画面G2や中断ジョブ解除選択画面G3の表示に先立って、その実行中のジョブの実行を一時停止させるのが好ましい。
このように、本実施形態においては、中断及び解除の対象をユーザに選択(手動設定)させるようにするので、ユーザが意図するジョブについてのみ中断設定及び中断解除を行うことができる。
(第7の実施形態)
ジョブ制御システム1の第7の実施形態について説明する。本実施形態は、実行中のジョブを中断した場合の該ジョブに係る未処理データをどのように取り扱うかを設定する実施形態である。本実施形態に係る技術は、第1〜第6の実施形態のいずれにも採用することが可能であるが、ここでは、第1の実施形態に採用するものを第7の実施形態として説明する。
図15は、第7の実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。図15に示すように、本実施形態に係る画像処理装置2は、記憶部11が、図2に示す第1の実施形態における記憶部11の機能に加えて、未処理データ記憶手段としての機能を有している。また、制御部12が、図2に示す第1の実施形態における制御部12の機能に加えて、図16に示すように未処理データに端末IDを付加する端末ID付加部32、及び、未処理データを記憶部11に格納する未処理データ格納処理部33としての機能を有している。未処理データに付加される端末IDは、当該未処理データに係るジョブが中断される際に画像処理装置2が取得した端末IDである。
次に、第7の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図17(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図17(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS121〜S126)。
そして、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS126でYES)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS127)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS127でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS128)。さらに、ジョブ制御部20は、実行中のジョブを中断したか否かを判断する(ステップS129)。その結果、ジョブ制御部20は、実行中のジョブを中断したと判断すると(ステップS129でYES)、端末ID付加部32は、図16に示すように、該中断ジョブに係る未処理データに端末IDを付加し、未処理データ格納処理部33は、この端末IDを付加した未処理データを記憶部11に格納する(ステップS130)。そして、テーブル処理部21は、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS131)。
一方、ステップS127において、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがないと判断すると(ステップS127でNO)、中断状態に設定されているジョブがあるか否かを判断する(ステップS132)。ジョブ制御部20は、中断ジョブがあると判断すると(ステップS132でYES)、該ジョブの中断状態を解除する(ステップS133)。ここで、ジョブ制御部20は、実行中であった中断ジョブの中断状態が解除した場合には、その時点で取得している端末IDを基に、未処理データを記憶部11から探し出し、該未処理データに基づき当該中断ジョブの実行を途中から再開させる。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断状態を解除したジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS134)。
このように、本実施形態では、実行中に中断されたジョブの未処理データを画像処理装置2の記憶部11に格納しておき、そのジョブを再開するときには、未処理データを記憶部11から読み出し、該未処理データに基づき残りのジョブのみを実行する。これにより、第1〜第6の実施形態と同様、実行途中で中断されたジョブを最初からやり直す構成に比して、速やかにジョブを完了することができるとともに、ジョブがプリントの場合に無駄な出力紙が生じるのを回避することもできる。
また、特に本実施形態では、ジョブに係るデータのうち未処理データを記憶部11に格納し、ジョブ再開時にその未処理データを用いるようにしたので、既に処理した分のデータを記憶しておく必要が無くなり、その分、ジョブに係るデータを記憶するのに必要な記憶容量を小さくすることができる。また、第1〜第6の実施形態のように中断ジョブ管理テーブルT2に「再開動作」に係る内容を記録したり、或いは、中断ジョブ管理テーブルT2に「再開動作」の項目を設けたりする必要がない。
また、未処理データに端末IDを付加して記憶部11に格納し、端末IDを基に未処理データを探索するので、未処理データを確実に記憶部11から探し出すことができる。
(第8の実施形態)
ジョブ制御システム1の第8の実施形態について説明する。第7の実施形態では、未処理データを画像処理装置2の記憶部11に格納するが、その格納先は、画像処理装置2や携帯情報端末3が通信を確立することができる他の通信機器でもよい。この通信機器として、例えばサーバ(外部サーバ)が考えられる。未処理データをサーバに格納する実施形態を第8の実施形態として以下説明する。本実施形態に係る技術も、第1〜第6の実施形態のいずれに採用することが可能であるが、ここでは、第1の実施形態に採用するものを第8の実施形態として説明する。
図18は、第8の実施形態に係るジョブ制御システム1の構成を示す概念図である。図18に示すジョブ制御システム1は、画像処理装置2及び携帯情報端末3に加えて、サーバ34を備えて構成されている。本実施形態では、画像処理装置2、携帯情報端末3及びサーバ34のそれぞれがネットワークを介して互いにアクセスすることが可能となっている。なお、サーバ34の一例としては、インターネットを介して文書データなどの各種データを蓄積するクラウドサービスに用いられるクラウドサーバが考えられる。
図19は、第8の実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。
本実施形態に係る画像処理装置2は、図15に示す第7の実施形態に係る画像処理装置2と同様、制御部12が端末ID付加部32としての機能を有する。また、制御部12が、未処理データ格納処理部33に代えて、サーバ情報取得部35、未処理データ送信部36、及び、未処理データ受信部37としての機能を有している。
サーバ情報取得部35は、携帯情報端末3からサーバ情報を取得するものである。サーバ情報は、サーバ34のアドレス情報を含む。未処理データ送信部36は、ジョブ制御部20により実行中のジョブが中断されると、サーバ情報取得部35により取得されたサーバ情報に基づきサーバ34にアクセスし、該サーバ34に未処理データを送信するものである。未処理データ受信部37は、実行中であった中断ジョブの中断状態がジョブ制御部20により解除されると、サーバ情報取得部35により取得されたサーバ情報に基づきサーバ34にアクセスし、該サーバ34から未処理データを受信するものである。
次に、携帯情報端末3について説明する。図20は、携帯情報端末3の構成を示す図である。図20に示す携帯情報端末3は、図4に示す第1の実施形態の携帯情報端末3の構成に加えて、記憶部26がサーバ情報を予め記憶するサーバ情報記憶手段としての機能を有する。また、制御部27がサーバ情報送信部39としての機能を有する。サーバ情報送信部39は、画像処理装置2からの要求に応じて、記憶部26からサーバ情報を読み出し、近距離無線通信を用いて画像処理装置2に送信するものである。
次に、第8の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図21(a)〜(c)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図21(a)〜(c)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、第7の実施形態に係る図17のフローチャートのステップS121〜S126と同様の処理を行う(ステップS141〜S146)。
そして、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS146でYES)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS147)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS147でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS148)。さらに、ジョブ制御部20は、実行中のジョブを中断したか否かを判断する(ステップS149)。その結果、ジョブ制御部20は、実行中のジョブを中断したと判断すると(ステップS149でYES)、サーバ情報取得部35は、携帯情報端末3にサーバ情報を要求する(ステップS150)。一方、携帯情報端末3は、画像処理装置2からサーバ情報の要求を受けると(ステップS151でYES)、サーバ情報送信部39は、記憶部26からサーバ情報を読み出して画像処理装置2に送信する(ステップS152)。
画像処理装置2のサーバ情報取得部35は、携帯情報端末3からサーバ情報を受信すると(ステップS153でYES)、端末ID付加部32は、中断したジョブの未処理データにステップS146で受信した端末IDを付加し、未処理データ送信部36は、ステップS153で受信したサーバ情報に基づきサーバ34にアクセスし、該サーバ34に未処理データを送信する(ステップS154)。そして、テーブル処理部21は、ジョブ制御部20の指示に基づき、中断状態に設定したジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成して記憶部11に格納する(ステップS155)。サーバ34は、画像処理装置2から未処理データを受信すると(ステップS156でYES)、その未処理データを格納する(ステップS157)。
一方、ステップS147において、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブが無いと判断すると(ステップS147でNO)、中断状態に設定されているジョブがあるか否かを判断する(ステップS158)。ジョブ制御部20は、中断ジョブがあると判断すると(ステップS158でYES)、実行中であった中断ジョブがあるか否かを判断する(ステップS159)。ジョブ制御部20が実行中であった中断ジョブがあると判断すると(ステップS159でYES)、サーバ情報取得部35は、携帯情報端末3にサーバ情報を要求する(ステップS160)。携帯情報端末3は、この要求を受けて、ステップS151,S152の処理を実行する。
画像処理装置2のサーバ情報取得部35が携帯情報端末3からサーバ情報を受信すると(ステップS161でYES)、未処理データ受信部37は、ステップS146で受信した端末IDに対応する未処理データをサーバ34に要求する(ステップS162)。サーバ34は、画像処理装置2から未処理データの要求があると(ステップS163でYES)、その未処理データを画像処理装置2に送信する(ステップS164)。
画像処理装置2の未処理データ受信部37は、サーバ34から未処理データを受信すると(ステップS165でYES)、該ジョブの中断状態を解除する(ステップS166)。ここで、ジョブ制御部20は、実行中であった中断ジョブの中断状態が解除した場合には、ステップS165で受信した未処理データに基づき当該中断ジョブの実行を途中から再開させる。そして、テーブル処理部21は、該ジョブに係る中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS167)。
このように、本実施形態においても、第7の実施形態と同様の作用効果が得られる。また、特に本実施形態では、未処理データをサーバ34に格納する分、第7の実施形態と比べて、記憶部11の記憶容量を小さくすることができる。
(第9の実施形態)
本発明に係る第9の実施形態について説明する。第1〜第8の実施形態においては、生成した中断ジョブ管理テーブルT2を画像処理装置2の記憶部11に格納する。これに対し、第9の実施形態では、中断ジョブ管理テーブルT2を携帯情報端末3に渡すようにしている点に特徴を有している。なお、第1の実施形態における中断ジョブ管理テーブルT2の格納先(画像処理装置2の記憶部11)を携帯情報端末3に変更するものを第9の実施形態として以下説明するが、同様の変更を第1〜第8の実施形態に施すことも可能である。
図22は、第9の実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。図23は、第9の実施形態に係る携帯情報端末3の構成を示す図である。
本実施形態に係る画像処理装置2は、図2に示す第1の実施形態に係る画像処理装置2の構成に加えて、制御部12が中断ジョブ管理テーブル送受信部40としての機能を有している。中断ジョブ管理テーブル送受信部40は、端末IDを送信してきた携帯情報端末3との間で中断ジョブ管理テーブルT2を送受信するものである。
一方、図23に示すように、携帯情報端末3は、図4に示す第1の実施形態の携帯情報端末3の構成に加えて、制御部27が、画像処理装置2との間で中断ジョブ管理テーブルT2を送受信する中断ジョブ管理テーブル送受信部41としての機能を有している。また、記憶部26は、中断ジョブ管理テーブルT2を記憶する中断ジョブ管理テーブル記憶手段としての機能を有している。
次に、第9の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図24(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図24(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS171〜S176)。また、携帯情報端末3において、中断ジョブ管理テーブル送受信部41は、中断ジョブ管理テーブルT2を保有しているか否かを判断し、(ステップS177)、保有していると判断した場合には(ステップS177でYES)、中断ジョブ管理テーブルT2を画像処理装置2に送信する(ステップS178)。なお、このとき、中断ジョブ管理テーブル送受信部41は、中断ジョブ管理テーブルT2を記憶部26から削除する。
一方、情報通信部19は、携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS176でYES)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS179)。その結果、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS179でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS180)。そして、テーブル処理部21は、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を生成する(ステップS181)。また、中断ジョブ管理テーブル送受信部40は、ステップS176で受信した端末IDに対応する携帯情報端末3に中断ジョブ管理テーブルT2を送信する(ステップS182)。一方、携帯情報端末3において、中断ジョブ管理テーブル送受信部41は、画像処理装置2から中断ジョブ管理テーブルT2を受信すると(ステップS183でYES)、中断ジョブ管理テーブルT2を記憶部26に格納する(ステップS184)。
ステップS179において、実行中又は未実行のジョブはないと判断した場合(ステップS179でNO)、携帯情報端末3から中断ジョブ管理テーブルT2を受信したか否かを判断する(ステップS185)。その結果、ジョブ制御部20は、携帯情報端末3から中断ジョブ管理テーブルT2を受信したと判断すると(ステップS185でYES)、その中断ジョブ管理テーブルT2に基づき、ジョブの中断状態を解除する(ステップS186)。そして、テーブル処理部21は、受信した中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS187)。
以上のような構成を有する本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、本実施形態では、生成した中断ジョブ管理テーブルT2を携帯情報端末3に渡すようにするので、図25に示すように、図22に示す画像処理装置2が複数存在する場合に、一の画像処理装置2において中断したジョブにつき、そのジョブの未処理データを他の画像処理装置2が取得できれば、該未処理データに基づくジョブを他の画像処理装置2で再開することができる。
他の画像処理装置2が未処理データをどのようにして取得するかについては、例えば、第7の実施形態のようにジョブを中断した画像処理装置2が未処理データを保有する構成の場合には、ネットワークに接続されている他の画像処理装置2が、該ネットワークを介して、未処理データを保有する画像処理装置2から未処理データの提供を受けるという形態が考えられる。或いは、第8の実施形態のようにサーバ34が未処理データを保有する構成の場合には、ネットワークに接続されている他の画像処理装置2が、該ネットワークを介して、未処理データを保有するサーバ34から未処理データの提供を受けるという形態が考えられる。このような構成を実現するため、未処理データの格納先情報を中断ジョブ管理テーブルT2に格納するとともに、他の画像処理装置2は、この中断ジョブ管理テーブルT2を取得して該テーブルT2の格納先情報に基づき、所定の格納先(画像処理装置2又はサーバ34)から未処理データの提供を受けるようにするとよい。
(第10の実施形態)
本発明に係る第10の実施形態について説明する。第5の実施形態においては、操作パネル8の表示部13(選択受付画面G1)に対する操作によって、ユーザが中断解除を指示する。これに対し、本実施形態では、中断ジョブの解除を指示するためのプログラム(アプリケーション)を生成して携帯情報端末3に格納し、携帯情報端末3において該プログラムを起動させることにより携帯情報端末3を用いて中断ジョブの解除を指示できるようにしている点に特徴を有している。なお、第1の実施形態における中断ジョブ管理テーブルT2の格納先(画像処理装置2の記憶部11)を携帯情報端末3に変更したものを第10の実施形態として以下説明するが、同様の変更を第2〜第9の実施形態に施すことも可能である。
図26は、第10の実施形態に係る画像処理装置2の構成を示す図である。図27は、携帯情報端末3の構成を示す図である。
本実施形態に係る画像処理装置2は、図2に示す第1の実施形態に係る画像処理装置2の構成に加えて、制御部12が、ジョブ中断解除プログラム作成部42、ジョブ中断解除プログラム送信部43、解除要求受信部44、ジョブ中断解除プログラム削除要求部45、削除完了通知受信部46、及び、処理データ削除部47としての機能を有している。
ジョブ中断解除プログラム作成部42は、ジョブ制御部20がジョブを中断状態に設定すると、携帯情報端末3が当該画像処理装置2に対して中断状態の解除を要求するためのジョブ中断解除プログラムを作成するものである。ジョブ中断解除プログラム送信部43は、ジョブ中断解除プログラム作成部42により作成されたジョブ中断解除プログラムを携帯情報端末3に送信するものである。解除要求受信部44は、携帯情報端末3においてジョブ中断解除プログラムが起動されることに伴い当該携帯情報端末3から送信される中断状態の解除要求を受信するものである。ジョブ中断解除プログラム削除要求部45は、解除要求受信部44により受信された解除要求に基づいて中断ジョブの中断状態が解除されることに伴い、携帯情報端末3に対してジョブ中断解除プログラムの削除を要求するものである。削除完了通知受信部46は、ジョブ中断解除プログラム削除要求部45によるジョブ中断解除プログラムの削除要求に伴って携帯情報端末3から送信される削除完了通知を受信するものである。処理データ削除部47は、削除完了通知受信部46により削除完了通知が受信されると、当該ジョブの実行完了後に該ジョブに係る処理データを削除するものである。
一方、図27に示すように、携帯情報端末3は、図4に示す第1の実施形態に係る携帯情報端末3の構成に加えて、制御部27が、ジョブ中断解除プログラム受信部48、解除要求部49、ジョブ中断解除プログラム削除部50及び削除完了通知部51としての機能を有している。また、記憶部26は、受信したジョブ中断解除プログラムを記憶するジョブ中断解除プログラム記憶手段としての機能を有している。
ジョブ中断解除プログラム受信部48は、画像処理装置2(ジョブ中断解除プログラム送信部43)からジョブ中断解除プログラムを受信するものである。ジョブ中断解除プログラム受信部48は、画像処理装置2からジョブ中断解除プログラムを受信すると、図28に示すように、このジョブ中断解除プログラムの内容を図柄で記号化したアイコンWを携帯情報端末3の表示部24に表示させる。
解除要求部49は、ユーザによるアイコンWの操作に基づいてジョブ中断解除プログラムが起動することにより機能するものであり、ジョブの中断状態を解除する要求を画像処理装置2に送信する。ジョブ中断解除プログラム削除部50は、画像処理装置2から受信したジョブ中断解除プログラムの削除要求を受信し、該削除要求に基づき、ジョブ中断解除プログラムの削除を行うものである。削除完了通知部51は、ジョブ中断解除プログラム削除部50によるジョブ中断解除プログラムの削除が完了すると、削除が完了した旨を画像処理装置2に通知するものである。
第10の実施形態において、画像処理装置2及び携帯情報端末3で行われる処理手順について説明する。図29(a),(b)は、該処理手順を示すフローチャートである。
図29(a),(b)に示すように、画像処理装置2及び携帯情報端末3において、図5のフローチャートにおけるステップS1〜S6と同様の処理を行う(ステップS191〜S196)。
携帯情報端末3において、ユーザによるアイコンWの操作によりジョブ中断解除プログラムの起動指示が行われると(ステップS197でYES)、解除要求部49が起動し、解除要求部49は、ジョブの中断状態を解除する要求を画像処理装置2に送信する(ステップS198)。
画像処理装置2において、情報通信部19が携帯情報端末3から端末IDを受信すると(ステップS196でYES)、解除要求受信部44は、携帯情報端末3から解除要求を受信したか否かを判断する(ステップS199)。解除要求受信部44が解除要求を受信したと判断すると(ステップS199でYES)、ジョブ制御部20は、現在実行中又は未実行のジョブの中断設定を解除する(ステップS200)。そして、テーブル処理部21は、中断ジョブ管理テーブルT2を削除する(ステップS201)。そして、中断設定を解除したジョブの実行が完了すると(ステップS202でYES)、ジョブ中断解除プログラム削除要求部45は、携帯情報端末3に対してジョブ中断解除プログラムの削除を要求する(ステップS203)。
一方、携帯情報端末3において、ジョブ中断解除プログラム削除部50は、画像処理装置2からジョブ中断解除プログラムの削除要求を受信したか否かを判断し(ステップS204)、該削除要求を受信したと判断すると(ステップS204でYES)、その削除要求に基づきジョブ中断解除プログラムの削除を行う(ステップS205)。その後、削除完了通知部51は、ジョブ中断解除プログラムの削除が完了した旨を画像処理装置2に通知する(ステップS206)。
画像処理装置2において、削除完了通知受信部46は、携帯情報端末3から削除完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS207)。削除完了通知受信部46が削除完了通知を受信したと判断すると(ステップS207でYES)、処理データ削除部47は、該ジョブに係る処理データを削除する(ステップS208)。
ステップS199において、解除要求受信部44は、解除要求を受信していないと判断すると(ステップS199でNO)、ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあるか否かを判断する(ステップS209)。ジョブ制御部20は、実行中又は未実行のジョブがあると判断すると(ステップS209でYES)、該ジョブの実行を中断状態に設定する(ステップS210)。そして、テーブル処理部21は、該ジョブについての中断ジョブ管理テーブルT2を作成して記憶部11に格納する(ステップS211)。
また、ジョブ中断解除プログラム作成部42は、携帯情報端末3が当該画像処理装置2に対して中断状態の解除要求を行うためのジョブ中断解除プログラムを作成する(ステップS212)。そして、ジョブ中断解除プログラム送信部43は、このジョブ中断解除プログラムを携帯情報端末3に送信する(ステップS213)。
このように、本実施形態では、中断ジョブの解除を指示するためのプログラムを生成して携帯情報端末3に格納し、携帯情報端末3において該プログラムを起動させることにより携帯情報端末3を用いて中断ジョブの解除を指示できるようにすることにより、ユーザが中断解除の意図がある時にのみ中断解除を行うことができる。
特に本実施形態では、ネットワークを介して解除要求を携帯情報端末3から画像処理装置2に送信することにより、携帯情報端末3を画像処理装置2にかざすことなく遠隔的に中断ジョブの解除を指示できるため、ジョブ制御システム1の利便性をより一層向上することができる。