以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム1の概略構成を示す図である。
図1において、画像形成システム1は、画像形成装置203,204,205,206,207、及び上位装置としてのクライアントPC202で構成され、それらはネットワーク201で接続されている。
上記画像形成システム1において、通常印刷及び留め置き印刷が可能である。通常印刷とは、クライアントPC202から印刷データが例えば画像形成装置203に送信されると、受信した画像形成装置204が直ちに印刷を実行するものである。
一方、留め置き印刷とは、クライアントPC202から印刷データが例えば画像形成装置204に送信されると、受信した画像形成装置203は印刷データを記憶しておく。そして、クライアントPC202から印刷データを送信するように指示したユーザが、画像形成装置204で認証され、印刷操作を行ったときに印刷を実行する。これによって、印刷物が他人に持ち去られるようなことを防止できる。このように、本実施の形態に係る画像形成装置203,204,205,206,207は、クライアントPC202から印刷データを送信させたユーザが画像形成装置で印刷操作を行うことで印刷データを印刷することも可能である。
これらの印刷を実現するために、本実施の形態では画像形成装置203は、後述する書誌情報を管理する書誌サーバ機能を有する。また、画像形成装置204,205,206,207は印刷を実行可能であるが、上述した留め置き印刷のために必要となる印刷データを記憶する印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置が含まれる。
また、クライアントPC202からは、PDLデータが送信されるが、PDLデータに限らず、TIFFなどの画像データや、アプリケーションのドキュメントフォーマットなど画像形成装置で解釈して印刷可能なデータであればよい。これらのデータの解釈は、各画像形成装置に設けられたソフトウェアやハードウェアにより行われる。
なお、上述したクライアントPC202は、PCに限定されず、印刷データを送信可能な画像形成装置や携帯端末などの情報機器であってもよい。また、書誌サーバ機能を有する画像形成装置204は、画像形成装置ではなく、書誌サーバ機能を有するPCであってもよい。
図2は、図1におけるクライアントPC202の概略構成を示す図である。
図2において、クライアントPC202は、CPU302、RAM303、入力装置306、ネットワークインタフェース308、ROM304、補助記憶装置305、及び画像表示装置307で構成され、それらはメインバス301で接続されている。
CPU302は、クライアントPC202全体を制御する。RAM303はCPU302のワークエリアなどとして使用される。
補助記憶装置305は制御プログラムなどが記憶される。また、補助記憶装置305には、画像形成装置のドライバがインストールされており、このドライバにより印刷データの送信が行われる。画像表示装置307はユーザに情報を表示する。入力装置306はユーザがクライアントPC202を操作入力するために用いられる。
ネットワークインタフェース308はネットワークに接続し、外部機器との間で各種情報を入出力する。
図3は、図1における画像形成装置203,204,205,206,207の概略構成を示す図である。
なお、図3では、説明を簡略化するために画像形成装置203として説明する。
図3において、画像形成装置203は、コントローラユニット100、操作部106、スキャナ108、及びプリンタ109で構成される。
さらにコントローラユニット100は、CPU101、RAM102、操作部インタフェース105、ネットワークインタフェース110、ROM103、HDD104、及びデバイスインタフェース107で構成され、それらはシステムバス111で接続されている。
CPU101は、システムバス111に接続された各部を統括的に制御し、画像形成装置203全体を制御する。
記憶部であるRAM102は、オペレーティングシステム、システムソフトウェア、印刷データ、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータが記憶される。RAM102に記憶されたプログラムは、CPU101によって実行され、CPU101は、RAM102、ROM103、及びHDD104に記憶された印刷データなどのデータを処理する。
ROM103は、システムのブートプログラム、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びフォントなど画像形成装置に必要な情報が記憶されている。
HDD104は、オペレーティングシステム、システムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、印刷データ、及び設定データなどが記憶される。このHDD104に代えて、SSD(Solid State Drive)を用いてもよい。さらに、小型の画像形成装置では、システムソフトウェア、アプリケーションソフトウェアなどをROM103に記憶して、HDD104を搭載しない構成もある。
操作部106は、ユーザの操作を受け付けるとともに、タッチパネルを有し、ユーザに情報を表示する表示部としての機能も持つ。
操作部インタフェース105は、操作部106とコントローラユニット100とのインターフェイスで、操作部106に表示する画像データを操作部106に対して出力する。また、操作部106からユーザが入力した情報を、CPU101に伝える。
デバイスインタフェース107は、画像入出力デバイスであるスキャナ108とコントローラユニット100とのインタフェースで、またプリンタ109とコントローラユニット100とのインタフェースである。
スキャナ108からデバイスインタフェース107を介して入力された画像データは、RAM102やHDD104に記憶される。記憶された画像データは、必要に応じてRAM102に記憶されたアプリケーションプログラムで画像処理などが実行される。
また、画像データは、デバイスインタフェース107を介してプリンタ109へ出力される。
ネットワークインタフェース110は、ネットワークに接続し、外部機器との間で、画像データや画像形成装置を制御する情報などを入出力する。
以上説明した構成の他に、ファックス機能を実現するための構成、メモリカードとのインタフェース、及びUSBインタフェースなどを備えていてもよい。
図4は、図3における画像形成装置の機能構成を示す図である。
図4(A)は、印刷データ記憶機能を有する機能構成を示し、図4(B)は、印刷データ記憶機能を持たない機能構成を示している。
図4に示されるように、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置は、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置の構成から、印刷データ要求受信部、印刷データ送信部410、書誌情報登録部402、印刷データ削除部404、印刷データ記憶部403を除いた構成となっている。
図4において、印刷データ要求受信部409は、印刷データの取得要求に記載された印刷データの保管先情報を確認し、印刷データ記憶部403から印刷データを取得し、印刷データ送信部410によって要求元へ印刷データが送付される。
印刷情報受信部401は、通常印刷の印刷データを受信して処理する第1ポートと、留め置き印刷の印刷データを受信して処理する第2ポートとを有する。
書誌情報登録部402は、印刷制御情報、画像形成装置204を識別する情報としてのIPアドレス、印刷データの記憶先情報、及び印刷データの受信日時を書誌情報として、予め登録されている書誌サーバ機能を有する画像形成装置へ送信する。
書誌情報獲得部406は、予め登録されている書誌サーバ機能を有する画像形成装置へ認証したユーザの印刷データの一覧を要求して、それを獲得する。
印刷データ記憶部403は、印刷データをシステムバス111を介して、RAM102やHDD104に記憶する。
書誌情報管理部420はユーザごとに印刷データの書誌情報を管理する。印刷データ削除部404は、印刷データを削除する。印刷部408は、記憶されたPDLデータの解釈を行い、印刷可能な形式のデータに変換する。
印刷データ表示部407は、取得したり、マージした印刷データの一覧を操作部106に表示する。
認証部405は、画像形成装置記憶されたユーザデータベースで、ユーザ名、パスワードが一致するものがあるか否かを判断して、ユーザを認証する。なお、ユーザ名、パスワードによる認証でなく、非接触型のICカードなど他の認証方法でもよい。
また、画像形成装置にユーザデータベースを持つのでなく、例えば、ActveDirectoryのなどのように、外部の認証サーバによって認証してもよい。
図5は、書誌サーバ機能を有する画像形成装置204が受信する書誌情報の一例を示す図である。
図5において、指示は、書誌情報の種別を示しており、図5の場合は印刷データを受信したことを示す「投入」となっている。
ユーザ名は、クライアントPC202で印刷データを送信する指示を行ったユーザの名称を示す。印刷設定は、印刷部数、両面印刷など印刷に関する設定を示す。IPアドレスは、印刷データが記憶された画像形成装置のIPアドレスを示す。
記憶先は、印刷データが記憶された画像形成装置におけるパスを示す。印刷データ名は、クライアントPC202で印刷データを画像形成装置に送信するときに自動的に付与されたり、プリンタドライバでユーザが指定したりした名称である。
日時は、クライアントPC202から送信された印刷データを画像形成装置が受信して記憶した日時を示す。ドライバ508は、ドライバの種別を示す。
図6は、書誌サーバ機能を有する画像形成装置204に記憶される書誌情報データベースから抽出した書誌情報の一例を示す図である。
図6(A)は、yamadaというユーザの書誌情報を示し、(B)はsuzukiというユーザの書誌情報を示し、(C)は追加された書誌情報を示す図である。
図6に示されるように書誌情報は、日時503、IPアドレス504、記憶先505、印刷データ名506、印刷設定507、ドライバ508、及びID509で構成される。
このうち、ID509は、書誌情報を特定するための識別情報を示し、他のデータは、図5で説明したとおりである。
図6(A)では、yamadaというユーザに対応する書誌情報が3つあることが示されており、図6(B)では、suzukiというユーザに対応する書誌情報が2つあることが示されている。
そして、図6(C)では、yamadaというユーザに対応する書誌情報が1つ追加された場合の書誌情報を示している。
次に、各ユーザインタフェースについて説明する。
図7は、ユーザインタフェースを示す図である。
図7(A)は、クライアントPC202で表示される認証画面を示す図である。
図7(A)において、認証画面は、ユーザが印刷データを画像形成装置に送信する許可を得る際に表示される。
ユーザによってユーザ名及びパスワードが入力され、印刷ボタンが押下されると、クライアントPC202から画像形成装置へユーザ名及びパスワードが送信される。画像形成装置でユーザ名、パスワードの照合が行われ、一致するとクライアントPC202へ送信許可を示す情報が送信される。
クライアントPC202は、送信許可を示す情報を受信すると、ユーザ名や印刷設定などを示す印刷制御情報とPDLデータを画像形成装置へ送信する。
図7(B)は、画像形成装置の操作部106で表示される認証画面を示す図である。
ユーザが画像形成装置で印刷する場合に、ユーザはユーザ名、パスワード、及びドメインを入力し、ログインボタンを押下すると、認証部405により認証判断される。クリアボタンが押下されると、ユーザ名、及びパスワードが消去される。
図7(C)は、画像形成装置の操作部106で表示される印刷対象リスト画面を示す図である。
認証部405により認証されると、図7(C)に示されるように印刷対象リスト画面にユーザが印刷可能な印刷データ名が表示される。
この画面では、CCC.docという印刷データが選択されていることが示されており、ここでユーザが印刷ボタンを押下すると、印刷が実行される。また、ユーザが設定変更ボタンを押下すると印刷設定の変更ができ、キャンセルボタンを押下すると、印刷を実行せずに終了する。
ユーザが印刷可能な印刷データ名は、予め登録されている書誌サーバ機能を有する画像形成装置203から取得される。具体的には、まず書誌情報獲得部406は、画像形成装置203へ認証したユーザの印刷データの一覧を、ユーザ名を送信することで要求する。
この印刷データの一覧を要求は、ログイン直後、またはログイン後にユーザにより予め定められた操作が行われたときに実行する。
画像形成装置203の書誌情報管理部420では、受信したユーザ名の書誌情報があれば同一ユーザ名の印刷データの情報をまとめた印刷対象リストを生成し、要求元の画像形成装置へ送信する。受信したユーザ名の書誌情報がなければ空の印刷対象リストを送信する。
印刷対象リストを受信した画像形成装置では、書誌情報獲得部406が印刷対象リストを取得して、印刷データ表示部407へ印刷対象リストを渡す。
例えば、画像形成装置203に対し、ユーザ名がyamadaの印刷対象リストの要求があった場合、図6(A)に示されるyamadaの書誌情報の一覧を印刷対象リストとして送信する。
なお、書誌情報一覧からリスト表示に必要な情報だけ抽出してから送付するようにしてもよい。例えば、画像形成装置で印刷可能な印刷データは、ドライバCom−DrvまたはドライバY−Drvが生成したデータのみとする。
この場合、図6(A)に示されるyamadaの書誌情報の3列目の情報は、画像形成装置からの要求時は印刷対象リストには含めないようにしてもよい。この場合、ユーザがクライアントPC202から送信させた印刷データのうち、当該画像形成装置で印刷可能な印刷データのリストを操作部106に表示することとなる。
さらに、ユーザが印刷データ記憶機能を有する画像形成装置205で操作している場合、画像形成装置205自身に記憶された印刷データについては、印刷データ記憶部403から取得した印刷対象リストを、画像形成装置203から取得した印刷対象リストにマージする。印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置では、当然にマージすることはない。
図8は、本実施の形態に係る画像形成システム1において、印刷データの送信先が印刷データ記憶機能を有する画像形成装置の場合に実行される処理を示す全体シーケンス図である。
図8は、留め置き印刷及び通常印刷の2つの例を示しており、クライアントPC202から、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置204に印刷データを送信する例を示している。
また、認証プリントモジュールとは、図4(A)に示した構成から、印刷情報受信部401を除く構成全体を示している。
図8において、留め置き印刷の場合は、図7(A)で説明した認証画面でのユーザによる操作によって、プリンタドライバの印刷指示により、印刷データ送信開始がクライアントPC202から画像形成装置204の第2ポートに送信される(ステップS1011)。
画像形成装置204は送信許可を応答する(ステップS1012)。応答を受信したクライアントPC202は印刷データを画像形成装置204の第2ポートへ送信し(ステップS1013)、認証プリントモジュールに転送され(ステップS1014)、印刷データが記憶される(ステップS1015)。上記印刷データは、PDLデータと印刷制御情報を含むが、それぞれ別に送信してもよいし、PDLデータに印刷制御情報を含めて送信してもよい。
その後、図7(B)の認証画面、及び図7(C)の印刷対象リスト画面でのユーザによる印刷操作で(ステップS1020)、印刷が実行される(ステップS1021)。
一方、通常印刷の場合は、印刷データ送信開始が画像形成装置204の第1ポートへ送信され(ステップS1031)、印刷可能であればクライアントPC202へ送信許可が送信される(ステップS1032)。
その後、クライアントPC202は印刷データを第1ポートへ送信し(ステップS1033)、印刷が実行される(ステップS1034)。
図9は、本実施の形態に係る画像形成システム1において、印刷データの送信先が印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置の場合に実行される処理を示す全体シーケンス図である。
図9は、留め置き印刷及び通常印刷の2つの例を示しており、クライアントPC202から、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置204に印刷データを送信する例を示している。
なお、図9は、印刷データの送信先が印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置の場合でも、通常印刷は、図8に示した処理と同じであるので、留め置き印刷の場合のみを示している。
また、図9は、クライアントPC202から、印刷データ記憶機能をもたない画像形成装置207に印刷データを送信する例を示している。
なお、認証プリントモジュールとは、図4(B)に示した構成から、印刷情報受信部401を除く構成全体を示している。
図9において、図7(A)で説明した認証画面でのユーザによる操作によって、プリンタドライバの印刷指示により、印刷データ送信開始がクライアントPC202から画像形成装置207の第2ポートに送信され、画像形成装置207はそれを受信する(ステップS1111)。このステップS1111は、クライアントPC202から印刷データの送信を開始することを示す印刷データ送信開始を受信する受信手段に対応する。
画像形成装置204は、印刷データ記憶機能を持たないため、リダイレクト指示を応答する(ステップS1112)。ここでのリダイレクト指示は、画像形成装置204に記憶させることを示す指示とする。このステップS1112は、印刷データ送信開始が受信されると、印刷データを記憶可能な他の画像形成装置(画像形成装置204)に印刷データを送信する指示をクライアントPC202に送信する送信手段に対応する。
応答を受信したクライアントPC202はリダイレクト指示に従い、印刷データ送信開始を画像形成装置204の第2ポートに送信する(ステップS1120)。
送信許可を受信すると(ステップS1121)、クライアントPC202は、印刷データを送信し(ステップS1122)、画像形成装置204は印刷データを記憶する(ステップS1123)。
その後、図7(B)の認証画面、及び図7(C)の印刷対象リスト画面でのユーザによる印刷操作で(ステップS1020)、画像形成装置204から画像形成装置207に印刷データが送信されることで取得し(ステップS1131)、印刷が実行される(ステップS1132)。上記ステップS1131,1132は、他の画像形成装置(画像形成装置204)に送信された印刷データを印刷するための印刷操作がユーザにより行われた場合に、他の画像形成装置(画像形成装置204)から印刷データを取得して印刷する印刷手段に対応する。
図9に示されるように、本実施の形態によれば、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置の場合に、自動的に印刷データ記憶機能を有する他の画像形成装置に印刷データを記憶させ、印刷するときは、他の画像形成装置から印刷データを取得して印刷可能となっている。その結果、印刷データを記憶可能か否かをユーザが意識することなく上位装置から印刷データを送信可能となる。
また、本実施の形態では、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置に適用されているが、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置であっても、記録領域に空きがない場合には、本実施の形態が適用可能となる。
図10は、図2におけるCPU302により実行される送信処理の手順を示すフローチャートである。
図10において、ユーザにより印刷データの送信先、及び通常印刷か留め置き印刷のいずれの印刷方法を用いるかが決定される(ステップS1401)。次いで、図7(A)の認証画面でユーザ名及びパスワードが入力されると(ステップS1402)、送信先と決定された画像形成装置に印刷データ送信開始を送信し(ステップS1403)、さらに認証情報を送信する(ステップS1404)。
次いで、送信先から送信許可を受信したか否か判別する(ステップS1405)。ステップS1401の判別の結果、送信許可を受信した場合には(ステップS1405でYES)、印刷データを送信し(ステップS1406)、本処理を終了する。
一方、ステップS1405の判別の結果、送信許可を受信していない場合には(ステップS1405でNO)、リダイレクト指示を受信したか否か判別する(ステップS1407)。
ステップS1407の判別の結果、リダイレクト指示を受信した場合には(ステップS1407でYES)、ステップS1403に戻り、指定された画像形成装置に印刷データ送信開始が送信されることとなる。
一方、ステップS1407の判別の結果、リダイレクト指示を受信していない場合には(ステップS1407でNO)、認証エラーを受信したこととなるので、エラー表示し(ステップS1408)、本処理を終了する。
図11は、図3におけるCPU101により実行される通常印刷処理の手順を示すフローチャートである。
通常印刷の場合は、印刷データ記憶機能の有無にかかわらず、以下に説明する処理となる。
図11において、印刷データ送信開始を受信し(ステップS1301)、認証情報を受信し(ステップS1302)、認証OKか否か判別する(ステップS1303)。
ステップS1303の判別の結果、認証OKではない場合は(ステップS1303でNO)、クライアントPC202に認証エラーを送信し(ステップS1307)、本処理を終了する。
一方、ステップS1303の判別の結果、認証OKの場合は(ステップS1303でYES)、送信許可をクライアントPC202に送信し(ステップS1304)、印刷データを受信し(ステップS1305)、印刷して(ステップS1306)、本処理を終了する。
図12は、図3におけるCPU101により実行される留め置き印刷処理の手順を示すフローチャートである。
図12において、印刷データ送信開始を受信し(ステップS1201)、印刷データ記憶機能があるか否か判別する(ステップS1202)。ステップS1202の判別の結果、印刷データ記憶機能がない場合は(ステップS1202でNO)、リダイレクト指示を送信し(ステップS1208)、本処理を終了する。
一方、ステップS1202の判別の結果、印刷データ記憶機能がある場合は(ステップS1202でYES)、認証情報を受信し(ステップS1203)、認証OKか否か判別する(ステップS1204)。
ステップS1204の判別の結果、認証OKではない場合は(ステップS1204でNO)、クライアントPC202に認証エラーを送信し(ステップS1209)、本処理を終了する。
一方、ステップS1204の判別の結果、認証OKの場合は(ステップS1204でYES)、送信許可をクライアントPC202に送信し(ステップS1205)、印刷データを受信し(ステップS1206)、印刷して(ステップS1207)、本処理を終了する。
図11,12での処理における印刷について説明する。
上述したように、ユーザが画像形成装置205で図7(B)に示される認証画面で認証してログインした後に、図7(C)に示される印刷対象リストから1つの印刷データを選択することで印刷を指示することで印刷される。以下の説明では、画像形成装置205でユーザが操作している例を用いているが、印刷データ記憶機能の有無にかかわらず、いずれの画像形成装置についても以下の処理は同じである。
なお、図7(C)に示される印刷対象データがいずれの画像形成装置に記憶されているかについてユーザは意識しない。例えば、AAA.txtを選択して、ユーザが印刷を指示したとする。
そして、AAA.txtが画像形成装置204に記憶されている場合、画像形成装置205は、画像形成装置204に対して、印刷データを要求する。より具体的には、画像形成装置205の印刷データ要求送信部411から印刷データの取得要求が、画像形成装置204の印刷データ要求受信部409に送信される。
画像形成装置204の印刷データ要求受信部409では、印刷データの取得要求に示された記憶先から、印刷データ記憶部403によって印刷データを取得する。取得された印刷データは、印刷データ送信部410によって画像形成装置205へ送信される。
画像形成装置205では、画像形成装置205の印刷情報受信部401で印刷データを受信し、印刷部408へ渡す。
また、印刷データが画像形成装置205にある場合は、印刷データ要求送信部411を使用せずに、印刷データ記憶部403から印刷データの記憶先を取得し、印刷部408に通知してもよい。
画像形成装置205では、受信したPDLデータを、システムバス111を介してRAM102またはHDD104に記憶する。
印刷部408では、記憶されたPDLデータの解釈を行い、画像形成装置205で印刷可能な形式のデータに変換する。変換されたデータは、印刷対象リストの印刷制御情報の中の印刷設定に従って画像処理が施される。このときユーザが設定を変更していればそれに従い画像処理される。
画像処理が完了すると、印刷部408は、画像処理を施したデータをシステムバス111、デバイスインタフェース107を経由して、プリンタ109へ送信する。プリンタ109では、受信したデータを順次用紙に印刷する。
上記説明では、PDLデータを例にしているが、他のフォーマットのデータの場合も同様に処理される。
印刷部408は、印刷が完了したとき、印刷開始時、印刷中など予め定められたタイミングで書誌サーバ機能を有する画像形成装置203の書誌情報管理部420に対して、印刷が完了したことを通知する。
画像形成装置203の書誌情報管理部420は、印刷が完了した印刷データが記憶されている画像形成装置204の印刷データ削除部404に対して、印刷データの削除要求を送信するとともに、印刷が完了した印刷データの書誌情報を削除する。
以上説明した実施の形態での留め置き印刷では、大容量ハードディスクのような印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置は、リダイレクト指示を送信しているが、RAM102に比較的余裕のある場合には、RAM102に記憶するRAM記憶処理を行うようにしてもよい。以下、このRAM記憶処理を実現するための構成について説明する。なお、小容量のハードディスクを備えている場合には、RAM102に代えて、ハードディスクに記憶するようにしてもよい。
図13は、図3におけるRAM102に論理的に設けられた領域を示す図である。
図13では、画像形成装置204を例にしている。図13において、受信バッファ1501はRAM102に論理的に確保されたバッファである。ジョブスプール領域1502は、RAM102に論理的に確保された領域である。イメージスプール領域1503は、RAM102に論理的に確保された領域である。
上記受信バッファ1501の記憶サイズは、通常ジョブスプール領域1502の記憶サイズより小さい。
CPU101は、受信バッファ1501が空であれば、クライアントPC202より印刷データを受信し、受信バッファ1501に記憶する(ステップS601)。CPU101は、受信バッファ1501に印刷データが記憶されたという通知を受けたときに、ジョブスプール領域1502に受信バッファ1501の記憶サイズと同じサイズの空きがあることを確認する。
CPU101は、その空きがなければ空きができるまで待機し、その空きがあるとき、または空きができたとき、ジョブスプール領域1502に印刷データを記憶するとともに受信バッファ1501の印刷データを消去して受信バッファ1501を空にする(ステップS602)。
その一方で、CPU101は、ジョブスプール領域1502に記憶されている印刷データを消去する処理も非同期に行っている。
CPU101は、イメージスプール領域1503に所定のサイズの空きがあるという条件のもとで、ジョブスプール領域1502に記憶されている印刷データを読み出し、PDLデータから中間データを作成する。
作成された中間データは、RAM102に論理的に確保された不図示のバッファに記憶される。CPU101は、不図示のバッファに記憶されている中間データに従ってレンダリング処理を開始し、レンダリング処理によって生成されるビットマップイメージをイメージスプール領域1503に記憶する(ステップS603)。
CPU101は、プリンタ109と同期を取りながら、イメージスプール領域1503のビットマップイメージをプリンタ109に転送する(ステップS604)。
図14は、RAM記憶処理を実現する場合の印刷データ1830及び書誌情報1820を示す図である。
図14において、印刷データ1830はジョブ属性データ1800及びPDLデータ1810で構成される。
ジョブID1801は、ジョブを区別するための属性である。ジョブ種1802は、印刷ジョブ、セキュアプリントジョブなどのジョブの種類を区別するための属性である。ユーザ名1803は、クライアントPC202で印刷データを送信する指示を行ったユーザの名称を示す属性である。
印刷データ名1804は、印刷データ名は、クライアントPC202で印刷データを画像形成装置に送信するときに自動的に付与されたり、プリンタドライバでユーザが指定したりした名称を示す属性であり、例えば印刷データのファイル名が設定される。
ジョブサイズ1805は、PDLデータ1810のデータサイズを示す属性である。部数指定1806は、PDLデータ1810を繰り返し印刷することを示す属性である。ソート指定1807は、PDLデータをソートして印刷することを示す属性である。
次に書誌情報1820について説明する。書誌情報1820は、ジョブ属性データ1800などの属性データで構成される。
記憶先サーバ情報1821は、印刷データが記憶されている画像形成装置の名称や、ネットワークアドレスなどを示す。上記印刷データが記憶されている画像形成装置について、画像形成装置204のRAM102に記憶することができない場合、印刷データ記憶機能を備えた画像形成装置に印刷データが転送されることとなる。その転送された画像形成装置を示している。
記憶時刻1822は、印刷データが転送先の画像形成装置に記憶された時刻を示す。記憶期限1823は、印刷データの記憶期限を示し、例えば24時間で削除するというような設定が行われている場合には24時間後の時刻が設定される。
記憶条件1824は、印刷データの印刷後に記憶時刻1822に示される時刻までは削除しないというような条件が設定される。
転送元1825は、印刷データが印刷データ記憶機能を有する画像形成装置に転送された場合の転送元を示す情報で、転送元の画像形成装置の名称や、ネットワークアドレスなどを示す。
図15は、図3におけるCPU101により実行される印刷データ記憶処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、画像形成装置204のように、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置の起動時に行われる処理である。画像形成装置が起動した場合、RAM102に記憶されている情報は消失しているので、再び印刷データを記憶する処理となっている。
図15において、CPU101は、書誌サーバ機能を有する画像形成装置203に対して自機である画像形成装置204への送信履歴のある書誌情報を要求する(ステップS101)。
画像形成装置203は、画像形成装置204からの要求に対して、記憶しているすべての書誌情報の中から転送元1825が要求元の画像形成装置203に該当する書誌情報を検索し、その検索結果である該当書誌情報のリストを画像形成装置204に返送する。
次いで、CPU101は、画像形成装置204からの書誌情報のリストの返送に対して、RAM102のジョブスプール領域1502に予め定められたサイズの空きがあるか否か判別する(ステップS102)。
ステップS102の判別の結果、空きがない場合には(ステップS102でNO)、本処理を終了する。
一方、ステップS102の判別の結果、空きがある場合には(ステップS102でYES)、書誌情報のリストの中で記憶時刻1822が最も新しい時刻のものを特定し、その書誌情報の記憶先サーバ情報1821が示す画像形成装置から印刷データを受信し、記憶する(ステップS103)。
具体的に、印刷データの送信を要求された画像形成装置は、画像形成装置204に対して、要求された印刷データを送信する。次いでCPU101は、要求した印刷データを受信するとジョブスプール領域1502に記憶する。
これにより、ユーザからの印刷指示に対して印刷データが記憶された画像形成装置への印刷データの要求と印刷データの受信をすることなく即座に印刷できる。
ジョブスプール領域1502にさらに空きがあれば、自機への送信履歴のある印刷データを記憶時刻が新しいものから順に記憶する処理を繰り返す。このように、図15の処理では、画像形成装置が起動することでRAM102に記憶された印刷データが消失された場合に、クライアントPC202から印刷データを受信してRAM102に記憶した時刻の新しい印刷データから順に、印刷データを転送した他の画像形成装置から印刷データを取得して、RAM102に記憶するようになっている。
以上説明したように、電源オフによって揮発してしまう自機への送信履歴のある印刷データを画像形成装置204の起動時に復元しておくことによって、電源オフの前と同様に、ユーザからの印刷指示に対して留め置き印刷を即座に実行可能となる。
図16は、図3におけるCPU101により実行される印刷データ受信処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、画像形成装置204のように、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置で印刷データを受信したときに行われる処理である。以下では、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置を画像形成装置204とし、印刷データが転送される印刷データ記憶機能を有する画像形成装置を画像形成装置205としている。
図16において、CPU101は、印刷データの受信を検知すると(ステップS201でYES)、受信データを順にRAM102の受信バッファ1501に記憶する(ステップS202)。
データ受信時に転送するために予め登録されている画像形成装置205のアドレス情報に従って画像形成装置205へ受信データを転送する(ステップS203)。
このとき画像形成装置205は、画像形成装置204からの転送された受信データを自機のデータスプール領域に記憶し、画像形成装置203に対してその印刷データの書誌情報を登録する。
さらに、画像形成装置205は、画像形成装置204から転送された受信データを受信したときに限り、書誌情報登録時に転送元1825として転送元の画像形成装置204の情報を書誌情報に埋め込んでおく。
画像形成装置204のCPU101は、受信バッファ1501への記憶に対して、さらにジョブスプール領域1502への記憶も行う。
まず、CPU101は、ジョブスプール領域1502に予め定められたサイズの空きがあるか否か判別する(ステップS204)。
ステップS204の判別の結果、空きがない場合には(ステップS204でNO)、予め定められたサイズの空きができるまで、既に記憶されている印刷データのうち記憶時刻が古いものを削除し(ステップS205)、ステップS204に戻る。このように、印刷データを新たに受信した場合にRAM102に印刷データを記憶する余裕がないときは、RAM102に既に記憶されている印刷データを削除して新たに受信した印刷データをRAM102に記憶するようになっている。
一方、ステップS204の判別の結果、空きがある場合には(ステップS204でYES)、受信バッファ1501に記憶された受信データをジョブスプール領域1502に印刷データとして記憶する(ステップS206)。
そして、受信データが最後のデータの場合には(ステップS207でYES)、本処理を終了し、受信データが最後のデータではない場合には(ステップS207でNO)、ステップS202に戻る。
上述した処理とともに、ジョブスプール領域1502には、記憶された印刷データを管理するための記憶データ管理領域を含み、1つの印刷データに対して図14で示した書誌情報1820の形式でジョブリストとして管理している。
このように、図16の処理では、クライアントPC202から印刷データを受信してRAM102に記憶するとともに、受信した印刷データを他の画像形成装置に記憶させるために転送するようになっている。
以上説明したように、印刷データ受信に対して印刷データ記憶機能を有する画像形成装置205への転送とともに自機内にも同じ印刷データを記憶しておくことで、その後のユーザからの印刷指示に対して印刷データ要求や印刷データ受信をすることなく即座に印刷することができる。
自機のデータスプール領域の容量には限りがあるので、印刷データ受信したからの時間が長くなればなるほど、自機に記憶されている可能性は低くなる。一方、印刷データを受信してからすぐに印刷指示される場合に関しては、対象の印刷データが自機に記憶されているため、転送した画像形成装置から印刷データを受信して印刷する場合に比べて短時間で印刷することができる。
なお、図16の処理では、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置に転送しているが、クライアントPC202に対して、印刷データ記憶機能を有する画像形成装置に対しても印刷データを送信させるようにすることで、転送が不要となる。
図17は、図3におけるCPU101により実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、画像形成装置204のように、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置で留め置き印刷する場合の処理であり、ユーザはすでに認証済みとする。以下では、印刷データ記憶機能を持たない画像形成装置を画像形成装置204とし、印刷対象となった印刷データが記憶されている画像形成装置を画像形成装置205としている。
図17において、CPU101は、図7(C)において印刷データを選択され、印刷指示操作を検知すると(ステップS301でYES)、印刷対象データのジョブIDがジョブスプール領域1502に記憶されているジョブリストに存在するか否か判別する(ステップS302)。
ステップS302の判別の結果、印刷対象データのジョブIDがジョブリストに存在する場合には(ステップS302でYES)、CPU101は、ジョブIDに対応する印刷データの印刷を実行し(ステップS303)、印刷完了後に記憶先サーバ情報1821が示す画像形成装置に対して印刷完了を通知して(ステップS304)、本処理を終了する。
一方、ステップS302の判別の結果、印刷対象データのジョブIDがジョブリストに存在しない場合には(ステップS302でNO)、CPU101は、ユーザ認証前に画像形成装置203より取得済みの書誌情報1820の記憶先サーバ情報1821に示される画像形成装置205に対して印刷データの送信を要求する(ステップS305)。
画像形成装置205は、画像形成装置204に対して、要求された印刷データを送信する。
次いで、CPU101は、画像形成装置205から印刷データを受信すると(ステップS306でYES)、受信した印刷データの印刷を実行し(ステップS307)、上記ステップS304に進む。
以上のように、印刷データを受信した場合に、受信した印刷データを印刷データ記憶機能を有する画像形成装置に転送するとともに自機内にも記憶しておくことで、その後のユーザからの印刷指示に対して印刷データ要求や印刷データ受信をすることなく即座に印刷することができる。
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。