JP6105533B2 - 車両用投影表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両において運転者の前方にあるウインドシールド(窓ガラス)等の光反射を利用して表示を行う車両用投影表示装置に関する。
例えば、一般的な車両用のヘッドアップディスプレイ(HUD)装置においては、表示すべき様々な情報を含む光の像をHUDユニットからフロントウインドシールド、又はコンバイナと呼ばれる反射板に投影し、フロントウインドシールド等で反射した光が運転者の視点の方向に向かうように光路を形成する。したがって、運転者は、フロントウインドシールドを通して車両の前方の風景を視認しながら、同時にフロントウインドシールド等に映るHUDの表示を虚像として視認することができる。つまり、運転者は通常の運転状態を維持したまま、視線を移動することなしに様々な情報をHUDの表示により視認することができる。
本発明と関連のある従来技術が例えば特許文献1〜特許文献4に示されている。
特許文献1では、遊技機の表示画面において、疑似立体表示を行うために、文字パターン等の表示領域に隣接する背景領域に陰影を表示させている。
特許文献2では、疑似立体表示を可能にするために、表示部と、その表示部に表示された映像を観察位置に向けて反射するミラーと、そのミラーの角度を変化させる角度可変手段とを備えている。
特許文献3では、奥行き方向の適正な配置位置に容易に取り付けることが可能な車両用表示装置(HUD装置)を示している。
特許文献4は、HUD装置において、独立した右目用ディスプレイおよび左目用ディスプレイを用いて、右目用虚像と左目用虚像とをそれぞれ表示して、立体像を表示させることを示している。
特開平11−47374号公報 特開2009−145829号公報 特開2013−241035号公報 特開2014−10418号公報
車両用のHUDにおいては、虚像として投影される表示像と、車外の実際の風景とが重なった状態で表示されるのが一般的である。この場合、HUDが表示する表示像は平面的な像であるため、立体的な風景と、平面的な像とが同じ位置で重なって多少不自然な状態で運転者に視認される。具体的には、遠近感のある風景と、遠近感のない表示像とが重なるので、運転者が風景及び表示像のいずれかを視認する際に、目の焦点を調節しにくい状況になる。また、風景及び表示像の距離感の違いにより運転者が違和感を感じる可能性がある。また、実際の風景における遠近感と、表示内容の状況とが一致しない場合には、運転者が表示内容から現在の状況を直感的に把握するのは難しい。更に、平面的な表示の場合には、ユーザに対して安っぽい印象を与える可能性が高く、装置の価値を下げることに繋がってしまう。
もしも、HUDの表示像を遠近感をもって表示できれば、上記のような問題を解消又は緩和できると考えられる。しかしながら、特許文献4のような技術を採用する場合には、複数のディスプレイが必要になるので、装置のコストが大幅に上昇するのは避けられない。また、特許文献3の技術では、表示位置の前後方向の調節が可能であるが遠近感をもった表示はできない。また、特許文献2の技術では、ミラーの角度の変化に伴って像を表示する位置が大きく移動してしまうので、表示像の位置を固定することができない。また、特許文献1の技術では、背景の濃淡を用いた擬似的な立体表示であり、視認する目の位置から像までの距離は一定であるので、実際には遠近感が得られない。
更に、擬似的な立体表示パターンを精密に表示するためには、事前に決定した様々な表示パターンのデータを保持するために大容量の記憶装置を必要としたり、立体像を二次元座標上に描画するために高性能のグラフィック表示用プロセッサを必要とするので、装置のコストが大幅に上昇するのは避けられない。
また、HUDで虚像を表示する場合に、必ずしも遠近感をもった表示が良いとは限らない。例えば、スピードメータを表示するような場合には、運転者が車速の数値を瞬時に読み取れることが望ましいが、数値を遠近感をもって表示した場合には、視認性が低下して数値の読み取りに要する時間が長くなる可能性も考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置のコスト上昇を抑制しつつ、遠近感や奥行きの表示を可能にすると共に、視認性の低下を防止することが可能な車両用投影表示装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用投影表示装置は、下記(1)〜()を特徴としている。
(1) 所定の表示領域に平面状に形成される任意の表示像を含む光を、投影部から出射して車両のウインドシールド、若しくはその近傍に導き、前記ウインドシールド若しくはその近傍の表面で反射した前記光の表示像が所定のアイポイントで虚像として視認できるように投影する車両用投影表示装置であって、
前記虚像の結像面として、第1の結像面と第2の結像面とを有し、
前記第1の結像面が前記アイポイントと前記虚像とを結ぶ視線の方向と直交する面に対してほぼ平行に配置され、
前記第2の結像面が前記アイポイントと前記虚像とを結ぶ視線の方向と直交する面に対して傾斜した状態で配置され
前記第1の結像面に虚像を形成するための第1の表示パネルと、
前記第2の結像面に虚像を形成するための第2の表示パネルと、を備え、
前記第1の表示パネルは、出射光の光軸に対してほぼ垂直な状態で配置され、
前記第2の表示パネルは、出射光の光軸に対して傾斜した状態で配置され、
前記投影部は、前記第1の表示パネルの出射光及び前記第2の表示パネルの出射光に基づいて、前記虚像を形成するための光を出射し、
前記第2の表示パネルは、自発光型の表示デバイスであり、
前記第2の表示パネルの前面側に配置された光学フィルタを更に備え、
前記光学フィルタは、前記第2の表示パネルの面に垂直な方向に対して傾斜した前記出射光の光軸の方向に向かう光を透過し、前記出射光の光軸の方向以外の方向に向かう光は遮光する特性を有する、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(2) 上記(1)の構成の車両用投影表示装置であって、
前記自発光型の表示デバイスは、有機EL表示パネルである、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(3) 上記(1)又は上記(2)の構成の車両用投影表示装置であって、
外部から表示対象情報が入力された場合に、前記表示対象情報の種別を識別し、前記表示対象情報の出力先を、前記第1の表示パネル及び前記第2の表示パネルから選択する虚像表示制御部をさらに備える、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(4) 上記(3)の構成の車両用投影表示装置であって、
前記虚像表示制御部は、入力された前記表示対象情報に平面表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第1の表示パネルを選択し、入力された前記表示対象情報に立体表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第2の表示パネルを選択する、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(5) 上記(1)の構成の車両用投影表示装置であって、
前記第2の結像面の傾斜角度を調整する傾斜調整機構をさらに備える、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(6) 上記(1)の構成の車両用投影表示装置であって、
前記第2の結像面は、前記虚像が前記アイポイントから視た水平方向よりも下方の位置に配置されている場合に、前記アイポイントから前記虚像の下端までの距離に比べて前記虚像の上端までの距離が大きくなる方向に傾斜している、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
上記(1)及び上記(2)の構成の車両用投影表示装置によれば、前記第1の結像面の表示と、前記第2の結像面の表示とを必要に応じて使い分けることができる。前記第1の結像面の表示については、遠近感や奥行きのない表示であるため、より視認性の高い表示が可能になる。また、前記第2の結像面については、視線の方向と直交する面に対して傾斜しているので、運転者の視点の位置に相当するアイポイントと前記虚像との間の距離に、前記虚像の下端と上端とで違いが生じる。つまり、特別な立体像を表示しなくても、前記虚像上の領域毎に、上下位置の違いに応じた遠近感や奥行きが発生する。この虚像上の遠近感を、実際の風景における遠近感に合わせることも可能である。
加えて、上記(1)及び上記(2)の構成の車両用投影表示装置によれば、前記第1の表示パネルを用いて前記第1の結像面に虚像を形成し、前記第2の表示パネルを用いて前記第2の結像面に虚像を形成することができる。また、前記第2の表示パネルについては、面に垂直な方向に対して傾斜した方向の光を利用して前記虚像を形成するので、前記第2の結像面が、視線の方向と直交する面に対して傾斜するように配置することができる。つまり、前記第2の表示パネルを傾斜状態で配置することにより、前記虚像の結像面も傾斜させることができる。
上記(3)の構成の車両用投影表示装置によれば、像の視認性の向上、奥行きの必要性の有無等を考慮して、前記第1の結像面又は前記第2の結像面に望ましい状態で虚像が表示されるように、自動的に調整することができる。
上記(4)の構成の車両用投影表示装置によれば、立体表示を必要としない情報は前記第1の表示パネルを用いて表示し、立体表示を必要とする情報は前記第2の表示パネルを用いて表示することように、自動的に出力先を選択することができる。
上記(5)の構成の車両用投影表示装置によれば、立体表示する虚像の遠近感や奥行きを必要に応じて調整することができ、虚像を背景の風景と適合するように調整したり、ユーザの好みに合わせることが可能になる。
上記(6)の構成の車両用投影表示装置によれば、傾斜している前記虚像上の上下方向の遠近感の違いが、前記アイポイントから道路の路面等を視た場合の遠近感の違いと近い状態になる。これにより、運転者が感じる違和感を解消することができ、位置の違いによる目の焦点調節も容易になる。
本発明の車両用投影表示装置によれば、装置のコスト上昇を抑制しつつ、遠近感や奥行きの表示を可能にすると共に、視認性の低下を防止することが可能になる。すなわち、格別に立体像を形成しなくても、遠近感や奥行きを有する虚像を表示できるし、視認性の向上のために平面的な表示に切り替えることも容易である。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、車両用投影表示装置を搭載した車両を側方から視た状態の各部の光路を示す光路図である。 図2(A)及び図2(B)は図1の車両用投影表示装置における2つの二次元表示パネルの配置状態を示し、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図である。 図3(A)及び図3(B)は図1の車両用投影表示装置における2つの虚像結像面の配置状態を示し、図3(A)は視点側から視た正面図、図3(B)は側面図である。 図4は、車両の運転者が視認可能な車両前方の風景及び表示される虚像の具体例を示す正面図である。 図5は、図1の車両用投影表示装置に利用可能な二次元表示パネル及びその周辺部の構成例(1)を示す側面図である。 図6は、図1の車両用投影表示装置に利用可能な二次元表示パネル及びその周辺部の構成例(2)を示す側面図である。 図7は、車両用投影表示装置を含むシステムの構成例を表すブロック図である。 図8は、車両用投影表示装置の主要な動作を表すフローチャートである。 図9(A)は、左側に配置された二次元表示パネルの画面に表示する像の具体例を表す正面図、図9(B)は、右側に配置された二次元表示パネルの画面に表示する像の具体例を表す正面図、図9(C)は、2つの虚像結像面に投影される虚像を視点側から視た具体例を示す正面図である。
本発明の車両用投影表示装置に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<車両用投影表示装置の概要>
本発明の実施形態の車両用投影表示装置を搭載した車両を側方から視た状態の各部のレイアウト及び光路の概要を図1に示す。また、本実施形態の車両用投影表示装置は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を構成している。
図1に示したHUDユニット10は、車両の運転席の前方に配置されたダッシュボードの内側に組み込まれている。HUDユニット10の内部には、二次元表示パネル11及び反射鏡15が備わっている。二次元表示パネル11は、数値、文字、図形など様々なパターンの可視情報を必要に応じて表示することが可能な画面を有している。具体例としては、現在の車両のスピードメータの表示値を表す数値や「km/h」等の文字を画面に表示することができる。また、二次元表示パネル11は、画面に表示した可視情報を含む光を出射光13として出射することができる。
二次元表示パネル11からの出射光13は、反射鏡15に向かい、更に反射鏡15の表面で反射して上方に向かう出射光16としてHUDユニット10の開口部(図示せず)から出射される。反射鏡15は拡大光学系を形成する。HUDユニット10から出射された出射光16は、車両のウインドシールド(窓ガラス)17のある領域17aで反射され、視点EPに向かう。
したがって、車両の運転者等が視点EPの位置から視線18の方向を視た場合には、ウインドシールド17の領域17aの前方の位置で虚像21を視認することができる。すなわち、二次元表示パネル11の画面に表示された可視像の内容と同じ像が、虚像21として虚像結像面22の位置に結像する。
したがって、車両の運転者は、視点EPの位置から視線18の方向を視た場合に、車両外の風景(道路の路面や自車のボンネットなど)と位置が重なった状態で、HUDユニット10の表示像である虚像21を視認することができる。
図1に示した構成において特徴的な事項の1つは、虚像結像面22の向きが可変であり、回動軸22cを中心として虚像結像面22の向きが変化することである。したがって、視線18と直交する向きに対して傾斜するように虚像結像面22を配置することもできる。
また、虚像結像面22の向きを可変にするために、図1に示した二次元表示パネル11は、中央付近に配置した回動軸11cを中心として回動自在に支持されている。また、この二次元表示パネル11には傾斜調整機構55が連結されている。この傾斜調整機構55は、後述する電気モータの駆動力により傾斜調整機構55を動かし、二次元表示パネル11の面の向きを様々な方向に必要に応じて位置決めすることができる。尚、傾斜調整機構55については、回転方向に動く機構でも良いし、直線的に移動するリンク機構であっても良い。二次元表示パネル11を傾斜した状態で配置することにより、虚像結像面22を傾斜させることができる。また、二次元表示パネル11が傾斜している場合には、出射光13の光軸も、二次元表示パネル11の面に垂直な方向に対して傾斜する。
<実際の表示パネル及び虚像結像面の配置状態>
本実施形態の車両用投影表示装置においては、独立した2画面の表示を可能にするために、図1の二次元表示パネル11として、独立した2枚の二次元表示パネル11(1)及び11(2)を備えている。二次元表示パネル11(1)及び11(2)の配置状態を図2に示す。図2(A)は正面図、図2(B)は側面図である。
また、2枚の二次元表示パネル11(1)及び11(2)が存在するので、図1中の虚像結像面22についても2つの独立した虚像結像面22(1)及び22(2)が存在している。虚像結像面22(1)及び22(2)の配置状態を図3に示す。図3(A)は視点側から視た正面図、図3(B)は側面図である。
図2(A)に示すように、2枚の二次元表示パネル11(1)及び11(2)は横方向(X方向)に隣接する状態で並んで配置されている。また、図2(B)に示すように一方の二次元表示パネル11(1)の面は、光軸の向き(Z方向)に対して垂直な方向に向けて配置してあり、他方の二次元表示パネル11(2)の面は、光軸の向きと直交する面に対して角度θだけ傾斜して配置されている。
また、図3(A)に示すように、2つの虚像結像面22(1)及び22(2)は横方向(X方向)に隣接する状態で並んで配置されている。また、図3(B)に示すように一方の虚像結像面22(1)は、視線18の向きに対して垂直な方向に向けて配置してあり、他方の虚像結像面22(2)は、視線18の向きと直交する面に対して角度θだけ傾斜して配置されている。虚像結像面22(1)は二次元表示パネル11(1)の表示内容に対応する光像が結像する面であり、虚像結像面22(2)は二次元表示パネル11(2)の表示内容に対応する光像が結像する面である。
本実施形態では、二次元表示パネル11(1)の向きは固定である。また、図1に示した傾斜調整機構55が二次元表示パネル11(2)に連結されているので、二次元表示パネル11(2)の傾斜角度θは、必要に応じて変更することができる。また、虚像結像面22(1)は視線18の方向と直交する向きに固定されており、虚像結像面22(2)の傾斜角度θについては二次元表示パネル11(2)の傾斜状態に対応して変化する。
<運転者の視認状況の具体例>
車両の運転者が視認可能な車両前方の風景及び表示される虚像の具体例を図4に示す。すなわち、車両の運転席に着座した状態の運転者は、例えば図4に示すような風景30を透明なウインドシールド17を介して視認することができる。また、図1のHUDユニット10を搭載した車両の場合には、例えば図4に示すHUD表示領域20の位置に表示される虚像21も同時に視認することができる。
<風景の視認状況>
図4に示すように、運転者が視認する風景30には、路面30a、路面上の車線標示30bなどが含まれており、これらの風景30は道路上の前方にある無限遠点31に向かって収束するような状況として視認される。例えば、運転者が視認する領域の下端から無限遠点31に対応する上下方向の位置Ycまでの範囲の領域A1においては、上に向かうに従って、路面30a及び車線標示30bの幅が小さくなる。つまり、上に向かうに従って、対象物までの距離が遠くなっていることが分かる。また、上下方向の位置Ycから上端までの範囲の領域A2では、下に向かうに従って、対象物までの距離が遠くなっていることが分かる。尚、無限遠点31は、通常の状態では運転者が視点EPから水平方向前方を視た場合の遠方に位置している。
<虚像の視認状況>
図1に示した虚像結像面22が、視線18の方向と直交する面に対して傾斜している状況では、図4に示したように、虚像21が表示されるHUD表示領域20は、台形のような形状を呈する。図4の例では、領域上端20aのX方向の幅は、領域下端20bの幅よりも小さくなっている。したがって、HUD表示領域20の形状は、無限遠点31に向かって収束する風景30の距離感と同じような距離感を運転者に与えることになる。
実際には、図4に示すHUD表示領域20は、図3(A)、(B)に示した虚像結像面22(2)に相当する。つまり、図3(A)、(B)のように虚像結像面22(2)が傾斜している場合には、視点EPからHUD表示領域20の領域上端20aまでの距離は、領域下端20bまでの距離よりも大きい。したがって、視点EPから視て領域上端20aは領域下端20bよりも遠方の位置にあり、傾斜しているHUD表示領域20に結像される虚像21は、現実に遠近感や奥行きを与えることができる。
しかも、虚像結像面22の傾きにより形成される虚像21上の遠近感と、その近傍の風景30の遠近感とが同じ方向に現れる。つまり、虚像21と風景30は、共に無限遠点31の位置に近づくに従って遠方であることを感じさせる状態になり、視覚上の違和感が生じにくいし、運転者の目の焦点調節も容易になる。
<二次元表示パネル11の構成例(1)>
図1の車両用投影表示装置に利用可能な二次元表示パネル及びその周辺部の構成例(1)を図5に示す。
図5に示した構成においては、前述の二次元表示パネル11(2)として、透過型液晶表示パネル11Aを採用している。また、透過型液晶表示パネル11Aの背面側にバックライト12を配置している。
図5に示した例では、前述の傾斜調整機構55により、平板形状の透過型液晶表示パネル11Aの面は、縦方向(Y軸)に対して所定角度θだけ傾斜した状態で位置決めされている。バックライト12は、Z軸方向に向けて照明光12aを照射する。照明光12aとしては例えば白色光を用いる。照明光12aは、透過型液晶表示パネル11Aを透過する際に、表示像11aの内容に従って濃淡や色彩が変調され、出射光13としてZ方向に出射される。
図5のように透過型液晶表示パネル11Aが傾斜している場合には、表示像11a上の互いに異なる位置の点P1、P2、P3は、Z軸方向に互いにずれた位置に存在している。つまり、点P1の座標(y1,z1)、点P2の座標(y2,z2)、点P3の座標(y3,z3)の間には光軸方向(Z方向)の位置の違いがある。
したがって、例えば図1の虚像21を表示する場合の光源となる各点P1、P2、P3のZ方向の位置の違いによって、虚像結像面22(2)は透過型液晶表示パネル11Aと同様に傾斜した状態になる。つまり、透過型液晶表示パネル11Aを傾斜した状態で配置すると共に、透過型液晶表示パネル11Aの面と垂直な方向に対し傾斜した方向(Z)に出射光13を出射することにより、虚像結像面22(2)が傾斜した状態になるように、虚像21を表示することができる。また、透過型液晶表示パネル11Aの傾斜角度(θ)を調整することにより、虚像21の奥行きを変更することができる。
<二次元表示パネル11の構成例(2)>
図1の車両用投影表示装置に利用可能な二次元表示パネル及びその周辺部の構成例(2)を図6に示す。
図6に示した構成においては、前述の二次元表示パネル11(2)として、自発光型表示パネル11Bを採用している。具体的には、自発光型表示パネル11Bとして有機EL表示パネルを利用できる。図5に示した構成と同様に、平面形状の自発光型表示パネル11Bの面は、縦方向(Y軸)に対して所定角度θだけ傾斜した状態で位置決めされている。
また、図6の構成では自発光型表示パネル11Bの前面側に光学フィルタ14を配置してある。光学フィルタ14は、表示像11aからZ軸方向に向かう出射光13を得るために必要な機能を提供する。具体例としては、光学フィルタ14に方向選択性を有する光学部材を用いて、Z方向に向かう光を透過し、Z方向以外の光は遮光する特性を持たせる。これにより、出射光13以外の余分な光が反射鏡15に向かうのを防止できる。
また、自発光型表示パネル11Bにおける表示視野角が比較的狭い場合には、光を屈折する光学材料を光学フィルタ14に用いて、自発光型表示パネル11Bからの光の出射方向が最大になる方向(一般的には面に垂直な方向)が傾斜して、Z方向を向くように光を屈折させる。これにより、出射光13の光量を増やすことができ、虚像21の視認性が改善される。
なお、自発光型表示パネル11Bの面がY軸と平行な向きを向くように位置決めする時には、光学フィルタ14の影響による出射光13の減衰を避けるために、光学フィルタ14を自発光型表示パネル11Bの面と対向する位置からずらすか、或いは光学フィルタ14の向きを調整する必要がある。
なお、二次元表示パネル11(1)についても、二次元表示パネル11(2)と同様に構成することができる。但し、二次元表示パネル11(1)については出射する光の光軸を面に対して傾斜させる必要がないので、一般的な構成の二次元表示パネルをそのまま利用可能である。
<システムの構成例>
図1に示した車両用投影表示装置を含むシステムの構成例を図7に示す。図7に示したシステムは、HUDユニット10以外に、車両上に搭載されているメータユニット100及びカーナビゲーション装置200を備えている。
メータユニット100は、スピードメータを代表とする様々な計器や、様々な表示器を内蔵している。例えば、図7のHUDユニット10が虚像21として車速を表示する場合には、メータユニット100が出力する車速の情報がHUDユニット10に入力される。
カーナビゲーション装置200は、自車両の現在位置を把握し、現在位置を含む地図を所定の画面上に表示したり、事前に決定した移動経路に沿って走行するように、運転者を誘導することができる。また、ターンバイターンの誘導機能を搭載している。例えば、自車両の現在位置が移動経路上の交差点などに接近した時には、進行方向を音声や矢印表示などで報知することができる。ターンバイターンの誘導機能により、左折や右折の誘導を行う場合には、図7のカーナビゲーション装置200は、左折表示や右折表示の情報をHUDユニット10に出力する。
図7に示したHUDユニット10は、表示制御部51、不揮発性メモリ52、モータドライバ53、電気モータ54、及び傾斜調整機構55を備えている。
表示制御部51は、マイクロコンピュータにより構成されており、事前に組み込まれたプログラムを実行することにより、HUDユニット10に必要とされる様々な制御機能を実現することができる。また、表示制御部51はメータユニット100及びカーナビゲーション装置200との間でデータ通信を行うことができる。
不揮発性メモリ52は、二次元表示パネル11(1)及び11(2)の画面に表示する様々な表示パターンの固定データや、表示制御部51の制御に必要な様々な定数のデータを予め保持している。例えば、カーナビゲーション装置200の出力に従ってHUDユニット10が右折の誘導表示を行う場合には、表示制御部51が右折の誘導表示パターンを不揮発性メモリ52から読み出して、二次元表示パネル11の画面上に図9(B)のように表示する。
表示制御部51は、二次元表示パネル11(2)の面の傾斜角度を調整する必要がある場合には、モータドライバ53を介して電気モータ54を駆動する。これにより、電気モータ54に連結された傾斜調整機構55が動き、二次元表示パネル11の傾斜角度が変化する。
<特徴的な制御動作の説明>
図1に示した車両用投影表示装置の特徴的な主要な動作の制御手順を図8に示す。すなわち、図7に示した表示制御部51が例えば定期的に図8の処理を実行することにより、特徴的な制御を実現することができる。図8の処理の内容について以下に説明する。
ステップS11では、表示制御部51はHUD表示の更新指示の有無を識別する。例えば、二次元表示パネル11(1)及び11(2)の画面上に現在表示している情報よりも表示優先度の高い表示情報がメータユニット100又はカーナビゲーション装置200から入力された場合には、更新指示ありとみなして次のS12に進む。
ステップS12では、表示制御部51は表示するパターン(像)の属性が立体像か否かを識別する。
平面像として表示する方が望ましいパターン、例えば車速を表す数値のデータに対しては平面像の属性を与え、立体像として表示する方が望ましいパターン、例えば右折や左折の誘導のための矢印パターンには立体像の属性を与える。そして、このような属性のデータは事前に決定し不揮発性メモリ52に登録しておく。或いは、メータユニット100やカーナビゲーション装置200が属性情報を含む表示情報をHUDユニット10に送信する。
したがって、表示制御部51は不揮発性メモリ52の内容を参照することにより、或いは外部から入力された属性情報を参照することにより、属性を識別できる。立体像の属性を有するパターンのデータを表示する場合はS13に進み、平面像の属性を有するパターンのデータを表示する場合はS14に進む。
ステップS13では、表示制御部51は、メータユニット100又はカーナビゲーション装置200から入力された表示対象情報の表示先として、傾斜している二次元表示パネル11(2)を選択し、不揮発性メモリ52から読み出した表示パターンを二次元表示パネル11(2)の画面に描画する。
ステップS14では、表示制御部51は、メータユニット100又はカーナビゲーション装置200から入力された表示対象情報の表示先として、垂直方向に配置された二次元表示パネル11(1)を選択し、不揮発性メモリ52から読み出した表示パターンを二次元表示パネル11(1)の画面に描画する。
<具体的な表示例の説明>
HUDユニット10が二次元表示パネル11(1)及び11(2)の画面に表示する像の具体例を図9(A)及び図9(B)にそれぞれ示す。また、虚像結像面22(1)及び22(2)に結像した各虚像21を視点EP側から視た視認状態を図9(C)に示す。
例えば、HUDユニット10の表示制御部51にメータユニット100からスピードメータの車速情報「105km/h」が入力された場合に、この車速情報に平面像の属性が割り当てられている時には、図8のS14の実行により、「105km/h」の表示パターンが図9(A)のように二次元表示パネル11(1)の画面に表示される。
また、HUDユニット10の表示制御部51に、カーナビゲーション装置200から右折誘導表示の命令が入力された場合に、この命令に立体像の属性が割り当てられている時には、図8のS13の実行により、右折矢印パターンが図9(B)のように二次元表示パネル11(2)の画面に表示される。
上記の状況においては、二次元表示パネル11(1)の画面に表示した「105km/h」の表示パターンが虚像結像面22(1)に虚像21として表示され、二次元表示パネル11(2)の画面に表示した右折矢印パターンが虚像結像面22(2)に虚像21として表示される。したがって、視点EPの位置で虚像21を視認する運転者は、図9(C)に示すような虚像21を視認することになる。
つまり、虚像結像面22(1)は視線18と直交する方向に配置されているので、虚像結像面22(1)の虚像21(1)は二次元表示パネル11(1)の画面表示と同様に平面的な表示形態で表示される。また、虚像結像面22(2)は視線18と直交する方向に対して傾斜した状態で配置されているので、虚像結像面22(2)の虚像21(2)は二次元表示パネル11(2)の画面表示とは少し異なり、実際に奥行きを有する遠近感をもった表示形態で表示される。
図9(C)に示す虚像21(1)のように、車速などの数値情報に関しては、平面的な像として表示することにより、数値の読み取りに関する視認性が向上し、運転者は瞬時に数値を読み取ることが可能になる。
また、図9(C)に示す虚像21(2)のように、矢印や図形などのパターンに関しては、奥行きや遠近感を有する形態で表示することにより、背景の路面等の視認状況と奥行きが一致するように表示することができる。これにより、運転者が感じる視覚上の違和感を解消したり、高級感を演出することも可能になる。しかも、図9(B)に示すような平面パターンを画面に描画するだけで、図9(C)に示す虚像21(2)のような奥行きのある表示を実現できる。
つまり、複数の二次元表示パネル11(1)及び11(2)を用いて、これらの表示画面を使い分けることにより、視認性を重視した平面的な虚像21(1)と、奥行きのある虚像21(2)とを選択的に表示することが可能になる。また、図8に示した制御を実施することにより、表示する情報を2つの画面に自動的に振り分けて表示することができる。
<上記以外の変形の可能性>
二次元表示パネル11については、透過型、自発光型の他に反射型の表示パネルを利用することも可能である。
図4に示した例では、HUD表示領域20と風景30との位置が重なるように配置してあるが、ウインドシールド17と隣接する箇所、例えばダッシュボード上などにコンバイナ(反射板)を配置し、コンバイナの領域に虚像21が映るようにレイアウトを変更しても良い。
図4に示した例では、HUD表示領域20が無限遠点31と対応する位置Ycよりも下方に位置しているので、領域上端20aが領域下端20bよりも遠方に配置されるように虚像結像面22の傾斜方向を定めてある。したがって、HUD表示領域20が位置Ycよりも上方に配置される場合には、反対に領域下端20bが領域上端20aよりも遠方に配置されるように虚像結像面22の傾斜を定めることが想定される。
図8に示した処理においては、二次元表示パネル11(1)及び11(2)の向きを変更していないが、表示するパターンの種類に応じて、或いは虚像21を表示する領域と重なる風景の状況に応じて、二次元表示パネル11(2)を様々な傾斜角度の位置に自動的に調整することも考えられる。また、ユーザの入力を受け付けるボタンなどを用いた手動調整指示により、二次元表示パネル11(2)及び虚像結像面22(2)の傾斜角度を、ユーザの好みに合わせて微調整できるように構成しても良い。
また、図3(A)、(B)に示した例では2つの虚像結像面22(1)、22(2)を互いに隣接する状態で横方向に並べて配置してあるが、虚像結像面22(1)、22(2)を縦方向に並べても良い。また、2つの虚像結像面22(1)、22(2)を互いに距離の離れた場所に配置することも考えられる。
また、二次元表示パネル11(2)と同様に、二次元表示パネル11(1)の向きも調整できるように構成しても良い。その場合は、二次元表示パネル11(1)と二次元表示パネル11(2)の傾斜角度をそれぞれ独立して制御することにより、2つの虚像結像面22(1)、22(2)の傾斜角度をそれぞれ異なる状態にすることができる。例えば、図4に示す領域A1に虚像結像面22(1)を配置し、領域A2に虚像結像面22(2)を配置した場合であっても、それぞれの領域において、風景30の状態と一致するように奥行きのある虚像21を表示することができる。
ここで、上述した本発明に係る車両用投影表示装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(7)に簡潔に纏めて列記する。
(1) 所定の表示領域に平面状に形成される任意の表示像を含む光を、投影部から出射して車両のウインドシールド(17)、若しくはその近傍に導き、前記ウインドシールド若しくはその近傍の表面で反射した前記光の表示像が所定のアイポイント(視点EP)で虚像として視認できるように投影する車両用投影表示装置であって、
前記虚像の結像面(虚像結像面22)として、第1の結像面(22(1))と第2の結像面(22(2))とを有し、
前記第1の結像面が前記アイポイントと前記虚像(21)とを結ぶ視線(18)の方向と直交する面に対してほぼ平行に配置され、
前記第2の結像面が前記アイポイントと前記虚像とを結ぶ視線の方向と直交する面に対して傾斜した状態で配置されている(図1、図3参照)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(2) 上記(1)に記載の車両用投影表示装置であって、
前記第1の結像面に虚像を形成するための第1の二次元表示パネル(11(1))と、
前記第2の結像面に虚像を形成するための第2の二次元表示パネル(11(2))とを備え、
前記第1の二次元表示パネルは、出射光の光軸に対してほぼ垂直な状態で配置され、
前記第2の二次元表示パネルは、出射光の光軸に対して傾斜した状態で配置され、
前記投影部は、前記第1の二次元表示パネルの出射光及び前記第2の二次元表示パネルの出射光に基づいて、前記虚像を形成するための光を出射する(図2参照)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(3) 上記(2)に記載の車両用投影表示装置であって、
外部から表示対象情報が入力された場合に、前記表示対象情報の種別を識別し、前記表示対象情報の出力先を、前記第1の二次元表示パネル及び前記第2の二次元表示パネルから選択する(S12〜S14)虚像表示制御部(表示制御部51)をさらに備える(図7、図8参照)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(4) 上記(3)に記載の車両用投影表示装置であって、
前記虚像表示制御部は、入力された前記表示対象情報に平面表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第1の二次元表示パネルを選択し、入力された前記表示対象情報に立体表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第2の二次元表示パネルを選択する(S12〜S14)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(5) 上記(1)に記載の車両用投影表示装置であって、
前記第2の結像面の傾斜角度を調整する傾斜調整機構(55)をさらに備える、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(6) 上記(1)に記載の車両用投影表示装置であって、
前記第2の結像面(22(2))は、前記虚像が前記アイポイントから視た水平方向よりも下方の位置に配置されている場合に、前記アイポイントから前記虚像の下端までの距離に比べて前記虚像の上端までの距離が大きくなる方向に傾斜している(図3(B)参照)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
(7) 上記(2)に記載の車両用投影表示装置であって、
前記第2の二次元表示パネルは、透過型の表示デバイス(透過型液晶表示パネル11A)であり、
前記第2の二次元表示パネルの背面側に配置された照明用のバックライト(12)をさらに備える(図5参照)、
ことを特徴とする車両用投影表示装置。
10 HUDユニット
11 二次元表示パネル
11a 表示像
11c 回動軸
11A 透過型液晶表示パネル
11B 自発光型表示パネル
12 バックライト
12a 照明光
13,16 出射光
14 光学フィルタ
15 反射鏡
17 ウインドシールド
18 視線
20 HUD表示領域
20a 領域上端
20b 領域下端
21 虚像
22 虚像結像面
22c 回動軸
30 風景
30a 路面
30b 路面上の車線標示
31 無限遠点
51 表示制御部
52 不揮発性メモリ
53 モータドライバ
54 電気モータ
55 傾斜調整機構
100 メータユニット
200 カーナビゲーション装置
A1,A2 領域

Claims (6)

  1. 所定の表示領域に平面状に形成される任意の表示像を含む光を、投影部から出射して車両のウインドシールド、若しくはその近傍に導き、前記ウインドシールド若しくはその近傍の表面で反射した前記光の表示像が所定のアイポイントで虚像として視認できるように投影する車両用投影表示装置であって、
    前記虚像の結像面として、第1の結像面と第2の結像面とを有し、
    前記第1の結像面が前記アイポイントと前記虚像とを結ぶ視線の方向と直交する面に対してほぼ平行に配置され、
    前記第2の結像面が前記アイポイントと前記虚像とを結ぶ視線の方向と直交する面に対して傾斜した状態で配置され
    前記第1の結像面に虚像を形成するための第1の表示パネルと、
    前記第2の結像面に虚像を形成するための第2の表示パネルと、を備え、
    前記第1の表示パネルは、出射光の光軸に対してほぼ垂直な状態で配置され、
    前記第2の表示パネルは、出射光の光軸に対して傾斜した状態で配置され、
    前記投影部は、前記第1の表示パネルの出射光及び前記第2の表示パネルの出射光に基づいて、前記虚像を形成するための光を出射し、
    前記第2の表示パネルは、自発光型の表示デバイスであり、
    前記第2の表示パネルの前面側に配置された光学フィルタを更に備え、
    前記光学フィルタは、前記第2の表示パネルの面に垂直な方向に対して傾斜した前記出射光の光軸の方向に向かう光を透過し、前記出射光の光軸の方向以外の方向に向かう光は遮光する特性を有する、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
  2. 請求項1に記載の車両用投影表示装置であって、
    前記自発光型の表示デバイスは、有機EL表示パネルである、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用投影表示装置であって、
    外部から表示対象情報が入力された場合に、前記表示対象情報の種別を識別し、前記表示対象情報の出力先を、前記第1の表示パネル及び前記第2の表示パネルから選択する虚像表示制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
  4. 請求項3に記載の車両用投影表示装置であって、
    前記虚像表示制御部は、入力された前記表示対象情報に平面表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第1の表示パネルを選択し、入力された前記表示対象情報に立体表示の属性が割り当てられている場合には、前記表示対象情報の出力先として前記第2の表示パネルを選択する、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
  5. 請求項1に記載の車両用投影表示装置であって、
    前記第2の結像面の傾斜角度を調整する傾斜調整機構をさらに備える、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
  6. 請求項1に記載の車両用投影表示装置であって、
    前記第2の結像面は、前記虚像が前記アイポイントから視た水平方向よりも下方の位置に配置されている場合に、前記アイポイントから前記虚像の下端までの距離に比べて前記虚像の上端までの距離が大きくなる方向に傾斜している、
    ことを特徴とする車両用投影表示装置。
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