JP2022083609A - 表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び画像の表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び画像の表示制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 3D表示制御による3D表示可能領域内に前方車両等の先方対象物が存在する場合でも、突き抜け感等を抑制した3D表示が可能である表示制御装置、HUD装置(3DHUD装置等)、及び画像の表示制御方法を提供する。【解決手段】 例えば視差式3D表示制御を実行可能な制御部701を有し、制御部701は、視差式3D表示が可能な領域21内に先方対象物200が存在し、奥行き感のある立体的な虚像が、先方対象物の内部に、あるいは視認者とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある場合には、視差式3D表示が可能な領域21を、路面6から所定の高さの範囲23に制限し、奥行き感のある立体的な虚像53、60、61、65、63、73、75、77が、路面6に重なるように延在する画像として視認されるように、路面重畳3D表示制御を実行する。【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置、及び画像の表示制御方法等に関する。
奥行き感のある画像(虚像)の表示を可能とするHUD装置の例としては、例えば、視差式3DHUD装置、又は、虚像表示面までの距離(虚像表示距離)を可変に制御する虚像表示距離可変3DHUD装置、あるいは、路面に対して傾斜している虚像表示面上における任意の位置に虚像を表示することで奥行き感を生じさせる、傾斜面を利用した3DHUD装置(虚像表示位置可変3DHUD装置)などがある。
特許文献1には、両目視差による立体視の原理を利用して、車外情報や車両走行の誘導情報等を3次元のステレオ画像(立体画像)として表示する車載用ステレオ画像表示装置が示されている。特許文献1の[0031]には、発明の効果として、「フロントガラスを通して乗員がみる実際の情景に即した立体感および距離感をもってその画像を認識することができ、乗員に車外情報や誘導情報を的確に与えることができるという利点がある」と記載されている。
特許文献2には、虚像表示距離可変3DHUD装置によって3次元のナビゲーション表示を行う例が示されている。また、特許文献3には、傾斜面を利用した3DHUD装置の例が示されている。
特開平7-144578号公報([0004]、[0031]、図4等) 特開2015-69656号公報 特開2018-120141号公報
本発明者は、視認者に奥行き感を知覚させる3D表示制御について検討し、以下の新規な知見を得た。以下の説明では、主として、画像に任意の輻輳角を与えることで運転者に立体像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置(ここでは、視差式3DHUD装置と称する)を例にとって説明する。但し、以下に記載される課題については、視差式3DHUD装置のみならず、他の方式の3DHUD装置等(広義には表示装置)にも共通に適用され得る。
視差式3D表示制御において、視差画像は、運転者側の所定位置から所定の距離だけ離れた地点における仮想的な平面である調整面(結像面、第1の面)上に結像する。なお、上記の所定距離を「調整距離」と称する。運転者がその調整面上に表示される左目用画像(左目用視差画像)、右目用画像(右目用視差画像)を視認するときは、その調整面に目の焦点(ピント)が合うことになる。
一方、運転者は、脳内で左目用画像と右目用画像とを融像して、1つの立体虚像(立体画像)として認識する。この立体虚像が表示される位置(運転者から見た距離)は、その立体虚像についての輻輳角に応じて定まる。運転者側の所定の基準位置から視認者が立体虚像を認識する位置までの距離を「輻輳距離」と称する。また、認識される立体虚像が仮想的な面上に位置すると考えた場合の、その面を輻輳面(第2の面)と称する。
視差式3DHUD装置は、左右各目用の視差画像(視差虚像)を調整面(結像面)に結像させ、視認者の脳内で各視差画像を融像させて、その調整面よりも奥側に、奥行き感のある立体画像(立体虚像)を認識させるのであるが、このためには、調整面(結像面)よりも奥側の3D表示が可能な領域内に、前方車両等の先方対象物(障害物を含む)が存在しないことが必要となる。
仮に調整面(結像面)よりも奥側の、3D表示が可能な領域内に、前方車両等の先方対象物があったときは、立体虚像が、その先方対象物の内部に位置するように、あるいは、先方対象物を突き抜けて、視認者とは反対側の外部に位置するように、視認者に視認(認識)される、あるいは、少なくともそのおそれがある、という状態となる。
このような、突き抜け感のある視覚は、視差式3D表示による立体虚像(立体画像)の視認性を低下させ、視認者に違和感を生じさせ、また、視認者の目の疲労の増大の原因にもなり、また、車両の運転者にとっては気が散る一因となる可能性があり、安全性の面でも好ましくない。
ここで、対策として、上記の場合に、視差式3D制御を視差のない2D制御に強制的に切り替えることも考えられるが、この場合には、3D表示制御による臨場感のある表示がまったくできなくなる。このことは、HUD装置のもつ能力を活かしきれていない、とみることもでき、改善の余地がある。
上述した虚像表示距離可変3DHUD装置や傾斜面を利用した3DHUD装置等においても、奥行き感のある虚像が先方対象物の内部に位置するように見えたり、あるいは、先方対象物を突き抜けて、視認者とは反対側の外部に位置するように見えたりすることが有り得る。上記の課第は、奥行き感を生じさせる3D表示に共通の課題といえる。
本発明者によって、このような課題が明らかにされた。上記特許文献1~3は、この課題やその解決策について何ら言及していない。
本発明の目的の一つは、3D表示制御による3D表示可能領域内に前方車両等の先方対象物が存在する場合でも、突き抜け感等を抑制した3D表示が可能である表示制御装置、HUD装置(3DHUD装置等)、及び画像の表示制御方法を提供することである。
本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実行形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、表示制御装置は、
車両に搭載され、画像を被投影部材に投影することで、視認者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置における表示制御を実行する表示制御装置であって、
前記視認者に奥行き感を知覚させる3D表示制御を実行可能な制御部を有し、
前記制御部は、
3D表示制御による表示可能領域内に先方対象物が存在し、3D表示としての3Dの虚像が、前記先方対象物の内部に、あるいは視認者とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある場合には、
前記3D表示制御による表示可能領域を、前記車両が走行する路面から所定の高さの範囲に制限し、前記3Dの虚像が、前記路面に重なるように延在する画像として視認されるように、路面重畳3D表示制御を実行する。
第1の態様では、先方対象物(例えば走行中の前方車両等)が3D表示が可能な範囲に存在して、視認者が、3D表示制御による3Dの虚像が、その先方対象物の内部にあるように見えたり、向こう側に突き抜けて見えたりする場合(おそれがある場合を含む)において、3D表示を諦めるのではなく、3D表示が可能な領域を、路面から所定の高さの範囲(路面に近い範囲、あるいは視認者から見て低い位置の範囲)に制限し、その範囲内において、路面重畳形式の表示を実行し、臨場感のある3D表示を実行する。これにより、視認性の低下を抑制しつつ、3D表示によって情報を提示することができる。
言い換えれば、先方対象物の直下の路面(地面や床等の等価物を含む広い概念とする)及びその周囲に、路面に重なるように、視認者から見て手前側から奥側へと延在する、奥行き感(臨場感)のある表示が可能であり、かつ、3Dの虚像は、路面に沿って延在するように見えることから、先方対象物の内部に入り込んだり、突き抜けたりする、突き抜け感のある視覚は回避され、よって、視認者の違和感が軽減される。また、例えば、小面積の領域内でまとまりのある表示とする(具体的には表示態様、形状、配置等を適宜、変更したり設定したりする)ことで、路面上の少ないスペースを有効利用して、必要な情報の提示を行うことができる。
なお、3D表示が可能な領域を、路面から所定の高さの範囲に制限しているのは、理想的には路面直上に重なるように表示するのが好ましいが、実際は、路面から浮き上がって見えたり、3Dの虚像を表示する表示面が、HUD装置の光学系やウインドシールドの形状の影響を受けるなどして平面ではなく曲面となったりして、厳密には路面の直上に重畳されないこともあり得るため、ある程度の高さ範囲を確保し、一方、視認者の前方視野を確保できるように、その高さ範囲を路面の近傍範囲に限定している。
また、3Dの虚像が、先方対象物の内部にあるように見えたり、先方対象物の向こう側に見えたりする場合の他に、その「おそれがある場合」を規定しているが、前者は、例えば、実際の運転シーンの解析結果として、上記の視覚が生じる状況となっていることが検出される場合であり、後者は、例えば、現状はそうではないが、運転シーンを予測したときに上記の視覚が生じる状況となる可能性が高いと判定される場合である。いずれであっても、本態様の制御を実行するのが好ましい。
また、先方対象物という場合の「先方」は、「視認者から距離をおいて先の方(奥の方)に見える」という意味をもつ。例えば、後方車両をカメラで撮像し、撮像した画像を、例えば、ウインドシールドの右下等に、HUD装置による虚像として表示したとすると、その後方車両は、先方対象物として取り扱うことができる。また、先方対象物には、移動体の他、例えば、ある程度の遠くに位置する静止物(障害物等)を含ませることも可能である。
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記制御部は、前記路面重畳3D制御において、
前記3Dの虚像が、
前記視認者と前記先方対象物との間の路面領域、前記先方対象物の直下の路面領域、及び前記先方対象物の周囲の路面領域の少なくとも1つに重なるように延在する画像として認識されるように、前記路面重畳3D表示制御を実行してもよい。
第2の態様では、路面重畳3D表示制御による表示領域が、先方対象物と視認者との間の領域であってもよく、さらに、先方対象物の直下の領域(言い換えれば、路面の垂線に沿う上側から見た平面視で先方対象物に重複する領域)であってもよく、さらに、先方対象物の周囲の領域であってもよい点を明確化している。路面重畳表示に使用可能な路面領域に、まとまり良くまとめて表示することで、路面上の少ないスペースを有効利用して、必要な情報の提示を行うことができる。
第1又は第2の態様に従属する第3の態様において、
前記制御部は、
前記3Dの虚像として、第1の虚像と、第2の虚像とが含まれる場合において、
第1の虚像は前記路面重畳表示制御が可能であるが、前記第2の虚像は不可であるとき、前記第1の虚像については前記路面重畳3D表示制御を実行し、前記第2の虚像については、面的な広がりを知覚させる2D表示制御を実行してもよい。
第3の態様では、表示コンテンツが複数あるとき、一部の表示コンテンツについては路面重畳3D表示とし、他の表示コンテンツについては2D表示として、路面重畳3D表示/2D表示が混在する表示としてもよい点を明確化している。
路面重畳3D表示が可能な高さ範囲は、路面近傍に限定されているため、その高さ範囲の外側の位置(言い換えれば、高さがより高い位置)に画像表示が必要な場合は、2D表示として表示する。路面重畳3D表示/2D表示が混在する表示が可能であるため、表示の自由度が向上する。
第1乃至第3の何れか1つの態様に従属する第4の態様において、
前記制御部は、
前記路面重畳3D表示制御の実行に際して、前記3Dの虚像を表示する平面又は曲面である表示面の少なくとも一部が、前記路面よりも下側に位置するように表示制御を実行してもよい。
第4の態様では、3Dの虚像を表示する表示面が、平面又は曲面であり、かつ、その一部が路面よりも下側に位置することが許容される点を明確化している。
路面重畳表示は、理想的には、路面の直上に密着するような平面上に表示されるのが好ましいが、現実には、表示面は曲面の場合もあり、また、路面から浮き上がって見えることもある。そこで、本態様では、表示が路面の直上に位置するように見えるようにするために、表示面が路面の下側に位置するように表示制御を行う。
人の脳は、現実には、路面に重なるように映る表示は必ず路面の上にあり、路面の下には存在し得ないことを認識しているため、3D表示制御により表示される画像(虚像)が路面下に位置したとしても、その画像(虚像)が路面の直上に位置するかのように(言い換えれば、路面に貼りついているかのように)認識する。よって、正確な路面重畳表示となる。これによって、その表示が、先方対象物に重なって見える可能性がより低減され、視認者の違和感がより抑制され得る。
第1乃至第4の何れか1つの態様に従属する第5の態様において、
前記制御部は、
前記路面重畳3D表示制御を実行する際、
前記車両の速度が速い場合は、遅い場合に比べて、前記制限された前記路面から所定の高さの範囲における前記高さを低くしてもよい。
第5の態様では、制御部は、自車両の速度に応じて、3D表示が可能な領域の路面からの高さを適応的に変更し、低速時よりも、高速時における高さをより低くする。
高速走行時には、危険性が増すことから、HUD装置による表示が、前方車両等に重複するように視認されることは極力避け、視認者の前方視界を広く確保し、また違和感を生じさせないように配慮するのが好ましい。そこで、本態様では、高速走行時には、3D表示が可能な高さ範囲をより狭めて、路面に貼りつくような視覚を与える虚像の表示のみを許可することとする。これによって、高速走行時においても、前方車両等への虚像の突き刺さり感を極力低減しつつ、奥行き感のある3D表示による情報提示が可能である。
第1乃至第5の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
前記制御部は、
前記3D表示制御による表示可能領域内に前記先方対象物が無い状態で3D表示制御を実行している状態から、前記路面重畳3D表示制御に移行するときは、
表示中の前記3Dの虚像を一旦、消去あるいはフェードアウトした後、前記路面重畳3D表示制御を実行する、
又は、
表示中の前記3Dの虚像を一旦、面的な広がりを知覚させる2D表示制御による2Dの虚像とした後、前記路面重畳3D表示制御を実行してもよい。
第6の態様では、先方対象物が無い状態から有りの状態に変化したとき、すぐに上記の路面重畳3D制御を行うのではなく、現行の表示(虚像)を消去、あるいはフェードアウトさせ、あるいは、2D表示に移行させ、その後に路面重畳3D制御を実施して、路面に重なるような表示へと移行させる。このとき、その路面に重なる3D表示の輝度を、徐々に増大させる(言い換えれば、フェードインさせる)ことも可能である。このフェードイン制御は、上記のフェードアウト制御と併せて(一対として)使用すると特に効果的である。スムーズに表示の態様を変化させることで、表示の切り替えに伴う視認者が感じる違和感を軽減、抑制することができる。
第1乃至第6の何れか1つの態様に従属する第7の態様において、
前記制御部は、
前記路面重畳3D表示制御を実行するに際し、3Dの虚像に係る表示コンテンツの画像の形状を、基本形状とは異なる形状へと変更してもよい。
第7の態様では、路面重畳3D表示による虚像の表示領域は、視認者と先方対象物との間の領域や、先方対象物の周囲等に限られ、表示面積に制約があることを考慮して、表示コンテンツの画像の形状を、基本形状とは異なる形状に変形して、例えば、直感的に感得されるような表示とする。言い換えれば、視認者が視認する3Dの虚像の奥行き方向の距離が小さくなるように調整され得る。これにより、面積に制限のある表示領域内で、必要な情報の提示を効率的に行うことができる。
第1乃至第7の何れか1つの態様に従属する第8の態様において、
前記3Dの虚像は、前記車両のナビゲーション用情報を提示する画像の虚像であってもよい。
第8の態様によれば、車両のナビゲーション用表示(例えば矢印の画像)を路面重畳3D表示によって、奥行き感、臨場感を持たせた虚像として表示できる。この点で、HUD装置の高性能化が図られる。
第1乃至第7の何れか1つの態様に従属する第9の態様において、
前記3Dの虚像は、複数の表示コンテンツの虚像を含み、各虚像は、前記先方対象物の一部を囲むように設けられる領域内に表示されてもよい。
第9の態様によれば、例えば、前方車両の後端部を挟む左右の領域、及び後端部の直下及びその周囲の領域を含む一連の領域(前方車両の一部を囲むように存在する領域)の内側に、複数の表示コンテンツの各々の虚像を、効果的にコンパクトに配置することによって、限られた面積内で、必要な情報を提示することが可能である。
第1乃至第7の何れか1つの態様に従属する第10の態様において、
前記3Dの虚像は、前記先方対象物に重畳される注意喚起表示、あるいは警告表示の虚像であってもよい。
第10の態様によれは、例えば、不規則な走行を繰り返す前方車両が遠方にあるときには、その車両に重なるように注意喚起マーク(あるいは警告マーク)を表示し、その車両が近づいてきたときには、その注意喚起マーク等の形状等を適宜、変形して(但し、これに限定されるものではない)、路面重畳3D表示として表示することが可能である。
例えば、車両が遠方にあるときは、視認者の視認感度が低下しているため、例えば3Dの注意喚起表示(あるいは警告表示)としても、違和感は低減されており、問題ないことが多いと考えられる。車両が近づいてきたときには、突き抜け感による違和感を低減するために、路面重畳3D表示に切り替えることができる。よって、従来にない、新規な注意喚起(警告)表示を実現可能である。
第1乃至10の何れか1つの態様に従属する第11の態様において、
前記3D表示制御は、
前記視認者の左右の各目に、視差を有する左目用/右目用の各画像を視認させて、奥行き感のある立体的な前記3Dの虚像を表示する視差式3D制御であってもよい。
第11の態様では、視差式3D表示制御による、立体的な奥行き感をもつ3Dの虚像が先方対象物と干渉するときがあるため、本発明が適用され得る点を明確化している。
第1乃至10の何れか1つの態様に従属する第12の態様において、
前記3D表示制御は、
前記視認者の側に設定される基準点から、前記3Dの虚像が表示される虚像表示面までの距離である虚像表示距離を可変に制御し、奥行き感のある前記3Dの虚像を表示する、虚像表示距離可変3D制御であってもよい。
第12の態様では、虚像表示距離可変3D制御による、動的な奥行き感のある3Dの虚像が先方対象物と干渉するときがあるため、本発明が適用され得る点を明確化している。
第12の態様に従属する第13の態様において、
前記制御部は、
前記3Dの虚像を、前記視認者から見て、奥側から手前側へと移動させて動画を表示させてもよい。
第13の態様では、虚像表示距離可変3D制御によって、例えば、虚像を奥側から手前側へと流れるように移動させる動画の表示制御のときに、本発明を適用してもよい点を明確化している。例えば、虚像が流れるように動くときに、先方対象物との干渉が生じる場合に、路面重畳3D表示に切り替えることで、違和感を軽減しつつ、奥行き感のある表示を継続する等の効果が得られる。
第1乃至10の何れか1つの態様に従属する第14の態様において、
前記3D表示制御は、
前記3Dの虚像が表示される虚像表示面の、前記路面に対して傾斜している傾斜領域における表示位置を可変に制御することで、奥行き感のある前記3Dの虚像を表示する、虚像表示位置可変3D制御であってもよい。
第14の態様では、例えば傾斜面の虚像表示面を利用した、虚像表示位置可変3D制御による、奥行き感(具体的には、例えば、位置を変更することによる静的な奥行き感)のある3Dの虚像が先方対象物と干渉するときがあるため、本発明が適用され得る点を明確化している。
第15の態様において、ヘッドアップディスプレイ装置は、
画像を被投影部材に投影することで、視認者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置であって、
前記画像を生成する画像生成部と、
前記画像を表示する表示部と、
前記画像の表示光を反射して、前記被投影部材に投影する光学部材を含む光学系と、
請求項1乃至14の何れか1項に記載の表示制御装置と、
を有する。
第15の態様によれば、視差式3D表示が可能な領域内に前方車両等の先方対象物が存在する場合でも、突き抜け感等を抑制した3D表示が可能なHUD装置を実現することができる。よって、HUD装置の性能が向上する。
第16の態様において、画像の表示制御方法は、
車両に搭載され、視認者に奥行き感を知覚させる3D表示が可能なヘッドアップディスプレイ装置における画像の表示制御方法であって、
3D表示制御による表示可能領域内に先方対象物が存在し、前記3D表示としての3Dの虚像が、前記先方対象物の内部に、あるいは視認者とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある場合には、
前記3D表示制御による表示可能領域を、前記路面から所定の高さの範囲に制限し、前記3Dの虚像が、前記路面に重なるように延在する画像として視認されるように、路面重畳3D表示制御を実行してもよい。
第16の態様によれば、先方対象物が3D表示が可能な範囲に存在して、視認者が、3Dの虚像が、その先方対象物の内部にあるように見えたり、向こう側に突き抜けて見えたりする場合(おそれがある場合を含む)において、3D表示を諦めるのではなく、視差式3D表示が可能な領域を、路面から所定の高さの範囲(路面に近い範囲、あるいは視認者から見て低い位置の範囲)に制限し、その範囲内において、路面重畳形式の表示を実行し、臨場感のある3D表示を実行することができる。これにより、視認性の低下を抑制しつつ、奥行き感(臨場感)のある3D表示によって情報を提示することができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
図1(A)は、視差式3DHUD装置を含む車載システムの構成の一例を示す図、図1(B)は、輻輳のない2Dによる表示を示す図である。 図2(A)は、自車両の走行中における、所定距離内に先方対象物がない場合の視差式3D表示の例を示す図、図2(B)は、所定距離内に先方対象物がある場合の視差式3D表示の例(路面重畳3D表示)を示す図、図2(C)は、所定距離よりも遠方に先方対象物がある場合の、視差式3D表示制御による注意喚起表示の例を示す図、図2(D)は、所定距離内に先方対象物がある場合の、視差式3D表示制御による注意喚起表示の例(路面重畳3D表示)を示す図である。 図3(A)は、先方対象物がない場合における視差式3D表示制御の例を示す図、図3(B)は、走行中の車両における視差式3D表示の具体例を示す図である。 図4(A)は、視差式3D表示が可能な範囲に先方対象物があるときの表示例(2D表示)を示す図、図4(B)は、車両が低速走行中における、路面重畳3D表示の例を示す図、図4(C)は、車両が高速走行中における、路面重畳3D表示の例を示す図、図4(D)及び図4(E)は、路面重畳3D表示の具体例を示す図である。 図5(A)は、輻輳面を路面の下側に位置させる路面重畳3D表示制御の例を示す図、図5(B)及び図5(C)は、走行中の車両における視差式3D表示の具体例を示す図である。 図6(A)~図6(D)は、視差式3D表示が可能な範囲に先方対象物が出現した場合における路面重畳3D表示への移行の例(消去又はフェードアウト後に移行、又は2Dに戻した後に移行)を示す図である。 図7(A)は、視差式3DHUD装置の全体構成例を示す図、図7(B)は、制御部及び画像生成部の構成例を示す図である。 表示制御の手順例を示すフローチャートである。 図9(A)は、虚像表示距離可変3D制御の一例を示す図、図9(B)は、路面重畳3D制御の適用例を示す図、図9(C)は、立像の虚像表示面、及び傾斜面の虚像表示面を示す図、図9(D)、(E)は、虚像表示距離を可変に制御することができる3DHUD装置の構成と動作を説明するための図である。 図10(A)は、虚像表示距離可変3D制御による動画表示の例を示す図、図10(B)は、路面重畳3D表示制御の適用例を示す図である。 図11(A)は、傾斜面である虚像表示面の任意の位置に虚像を表示可能な3DHUD装置の構成例を示す図、図11(B)は、傾斜面の虚像表示面を利用した、虚像表示位置可変3D制御の例を示す図、図11(C)は、路面重畳3D表示制御の適用例を示す図である。 図12は、図11(C)に対応する、視認者から見た虚像の具体的な表示例を示す図である。
以下に説明する最良の実行形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実行形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、視差式3D表示制御を例にとって説明する。図1を参照する。図1(A)は、視差式3DHUD装置を含む車載システムの構成の一例を示す図、図1(B)は、輻輳のない2Dによる表示を示す図である。
なお、図1(A)、(B)において、視認者の左右の目E1、E2を結ぶ線分に沿う方向(言い換えれば車両1の幅方向)を左右方向(あるいは横方向:X方向)とし、左右方向に直交すると共に、地面又は地面に相当する面(ここでは路面6とする)に直交する線分に沿う方向を上下方向(あるいは高さ方向:Y方向)とし、左右方向及び上下方向の各々に直交する線分に沿う方向(車両1の前進及び後退の向きを示す方向)を前後方向(Z方向)とする。正のZ方向を前方、負のZ方向を後方とする。この点は、他の図面(図2、図3、図5、図6)においても同様である。
図1(A)の、車両(自車両)1に備わる車載システムは、運転者(視認者)の左目ELと右目ERの視線方向や位置を検出する瞳(あるいは顔)検出用の瞳検出カメラ43と、前方(広義には周囲)撮像カメラ(例えばステレオカメラ)45と、画像処理部46(測距部47、対象物種類/サイズ検出部48を含む)と、HUD装置100と、通信部(GPS通信や車々間通信等の機能を有する)123と、車両1に関する各種情報(例えば照明のオン/オフ情報、車速情報、エンジンに関する情報等)を収集可能なECU120と、を有する。必要に応じて、さらに測距手段としてのレーダー部125等を備えてもよい。
なお、画像処理部46に含まれる測距部47は、例えば、撮像カメラ45としてのステレオカメラで撮像した左右一対の元画像を参照し、例えば、各画像の対応点を探索するステレオマッチングにより同一物体(先方対象物とする)に対する視差を検出し、この視差に基づく三角測量の原理により先方対象物までの距離を測定する。また、レーダー部125は、電波を対象物(先方対象物)に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物(先方対象物)までの距離や方向を測定する。HUD装置100の情報取得部119は、適宜、測定された距離情報等を取得し、立体表示装置111の制御部701に供給する。
HUD装置100は、例えばダッシュボード(図1では不図示、図3(B)の符号41)内に設置される。このHUD装置100は、立体表示装置111と、光学系116と、光出射窓118と、情報取得部119と、を有する。情報取得部119は、通信部127、ECU120、レーダー部125、及び画像処理部46等から、種々の情報を取得することができる。
立体表示装置111は、ここでは視差式3D表示装置とする。この立体表示装置(視差式3D表示装置)111は、画像生成部112と、画像表示部(液晶表示装置等であり、画像を表示する画像表示面を有する)113と、レンチキュラレンズやパララックスバリア(視差バリア)等を有し、画像表示面から出射される光を、左右の各目用の光線に分離する光線分離部114と、制御部701と、を有する。
制御部701は、例えば画像生成部(具体的には例えば画像レンダリング)112、及び画像表示部113の動作を制御することができる。また、この制御部701は、通常の視差式3D表示/視差式路面重畳3D表示/2D表示を、適宜、切り替える制御が可能である。なお、制御部701は、表示制御装置(図1(A)では不図示、図7(A)の符号700)の構成要素として設けてもよい。
光学系116は、光線分離部114からの光を反射し、画像の表示光K1、K2を、ウインドシールド(被投影部材)2に投影する曲面ミラー(凹面鏡等)117を有する。但し、その他の光学部材(レンズ、補助反射鏡等)を、さらに有してもよい。
図1(A)では、HUD装置100の立体表示装置111によって、左右の各目用の、視差をもつ画像(視差画像)が表示される。各視差画像は、図1(A)に示されるように、調整面(結像面)PSに結像した虚像25L、25Rとして表示される。視認者(人)の各目のピントは、調整面PSの位置に合うように調整される。なお、調整面PSの位置を、「調整位置」と称し、また、所定の基準位置から調整面PSまでの距離(図2(B)、(C)の符号D1を参照)を「調整距離」と称する。
但し、実際は、人の脳が、各画像(虚像)を融像するため、人は、調整位置よりもさらに奥側である位置(輻輳角によって定まる位置であり、これを「輻輳位置」と称する)における輻輳面VSに、立体的な虚像(ここでは、ナビゲーション用の矢印の図形)27が表示されているように認識する。
なお、立体的な虚像27は、「立体虚像」と称される場合があり、また、「画像」を広義に捉えて虚像も含まれるとする場合には、「立体画像」と称することもできる。また、「立体像」、「3D表示」等と称される場合がある。
HUD装置100における制御部701は、視差式3D表示が可能な範囲内における先方対象物の有無を判定して、通常の視差式3D表示と、路面重畳3D表示と、2D表示制御と、を切り替えることが可能である。先方対象物の有無の判定は、例えば、測距部47、レーダー部125の少なくとも一方により測定された、運転者(視認者側)に設けられる基準点(基準位置)から対象物(先方対象物)までの距離(実測距離という)を、所定距離(閾値)と比較することによって実施可能である。なお、基準点(基準位置)としては、例えば、運転者の視点位置や、車両1の一部に設定される所定点が挙げられる。
2D表示制御が実行された場合には、図1(B)のように、調整面(結像面)PSにおいて、視差のない虚像29(図1(B)では、ナビゲーション用の矢印の図形)が表示される。なお、視差のない虚像は、「2D虚像(あるいは2D画像)」、あるいは、平面的な虚像(平面的な画像)と称される場合がある。
次に、図2を参照する。図2(A)は、自車両の走行中における、所定距離内に先方対象物がない場合の視差式3D表示の例を示す図、図2(B)は、所定距離内に先方対象物がある場合の視差式3D表示の例(路面重畳3D表示)を示す図、図2(C)は、所定距離よりも遠方に先方対象物がある場合の、視差式3D表示制御による注意喚起表示の例を示す図、図2(D)は、所定距離内に先方対象物がある場合の、視差式3D表示制御による注意喚起表示の例(路面重畳3D表示)を示す図である。
図2(A)において、車両1は、直線状の道路(路面)6を走行している。先方対象物(広義の障害物)は存在しない状況である。
図2(A)では、視認者(運転者)の視点位置を基準として、距離D1の位置に調整面(結像面)PSがあり、その調整面PS内に、表示領域(HUD表示領域)3が設けられている。
このHUD表示領域3に、表示コンテンツG1(ナビゲーション用の矢印)の左眼EL用の視差画像(虚像)G1L、及び右眼ER用の視差画像(虚像)G1Rが結像される。なお、上記の表記における末尾のL、Rという表記は、左と右を意味する。
同様に、HUD表示領域3に、表示コンテンツG2(制限速度が40km/hであることを示す制限速度表示)の左眼EL用の視差画像(虚像)G2L、及び右眼ER用の視差画像(虚像)G2Rが結像される。
調整面(結像面)PSから距離D2だけ奥側の位置に、輻輳面VSがある。輻輳面V2の輻輳距離はD3である。視認者(運転者)の脳が、上記の視差画像の虚像G1LとG1R、G2LとG2Rの各々を融像することで、輻輳面VSに、ナビゲーション用矢印の立体的な虚像G1(3D)と、制限速度表示の立体的な虚像G2(3D)とが視認される。虚像G1(3D)の輻輳角はθ1であり、虚像G2(3D)の輻輳角はθ2である。なお、G1(3D)、G2(3D)という表記における3Dは、立体的な(言い換えれば3次元の)表示であることを示す。2次元の表示については2Dと表記される。
なお、2つの立体的な虚像の位置に着目すると、ナビゲーション用の矢印に関する立体的な虚像G1(3D)は下側に、制限速度表示に関する立体的な虚像G2(3D)は上側に位置する。
図2(B)では、輻輳距離D3の範囲内に、先方対象物(広義には障害物)である前方車両200が存在する。視認者(運転者)の視点位置から先方対象物200までの距離を「対象物距離」とすると、この対象物距離はD5である。図2(B)の直前の状態である図2(A)にて、輻輳距離はD3である。距離D3は、例えばHUD装置100の標準的な輻輳距離である。ここで、距離D3を閾値としてD5と比較すると、D5<D3の関係が成立する。これによって、HUD装置100は、先方対象物200が、3D表示が可能な範囲内にあることを検出することができる。
なお、先方対象物の「先方」は、典型的には「前方」であるが、但しこれに限定されるものではない。例えば、周囲撮像カメラにて後方を撮像して後方車両等を検出し、その後方車両等の画像(虚像)を表示領域(HUD表示領域)3の例えば右下に表示するような場合には、その後方車両が、先方対象物となり得る。また、先方対象物には、移動体の他、例えば、ある程度の遠くに位置する静止物(障害物等)を含ませることも可能である。先方対象物という場合の「先方」は、「視認者から距離をおいて先の方(奥の方)に見える」という意味をもつ。
図2(B)の状況において、図2(A)と同じ視差式3D表示制御を行うと、虚像G1(3D)及びG2(3D)は、先方対象物200の内部に位置するように、視認者(運転者)に視認されることになり、違和感が生じて視認性が低下する。
そこで、図2(B)では、視差式3D表示が可能な領域を、路面6から所定の高さの範囲(路面に近い範囲、あるいは視認者から見て低い位置の範囲)に制限し、その範囲内において、路面重畳形式の表示を実行し、臨場感のある3D表示を実行する。これにより、視認性の低下を抑制しつつ、3D表示によって情報を提示することができる。
また、図2(B)の例では、ナビゲーション用矢印の図形を、基本形の矢印の形状(基端部が有る形状)から、矢印の部分のみとしたブーメラン型に変更(変形)し、路面重畳3D表示G3(3D)として表示している。G3(3D)は、路面6に重なるように延在する輻輳面VS’に表示(視認)される。輻輳角はθ3(>θ1、θ2)であり、輻輳距離はD4(<D5<D3)である。
なお、矢印の図形の形状を変更(変形)するのは、コンパクトな形状とすることで、路面(地面や床等の等価物を含む広い概念とする)6における、視認者と先方対象物200との間の限定された領域に、虚像を重ね易くするためである。
一方、制限速度表示については、調整面PS上のHUD表示領域3内で、輻輳角のない2D表示G2(2D)として表示される。HUD表示領域3を境界線M1(図中、破線で示される)で区画して下側の領域Z1と上側の領域Z2とに区画したとすると、G2(2D)は上側の領域Z2に表示される。なお、下側の領域Z1には、G3(3D)用の視差画像G3L、G3Rが表示されている。
図2(B)の例では、先方対象物200の直下の路面及びその周囲に、路面6に重なるように、視認者から見て手前側から奥側へと延在する、奥行き感のある表示(言い換えれば、臨場感のある表示)が可能であり、かつ、立体的な虚像は、路面6に沿って延在するように見えることから、先方対象物の内部に入り込んだり、突き抜けたりする、突き抜け感のある視覚は回避され、よって、視認者の違和感が軽減される。また、例えば、小面積の領域内でまとまりのある表示とする(具体的には表示態様、形状、配置等を適宜、変更したり設定したりする)ことで、路面上の少ないスペースを有効利用して、必要な情報の提示を行うことができる。
視差式3D表示が可能な領域を、路面から所定の高さの範囲に制限しているのは、理想的には路面直上に重なるように表示するのが好ましいが、実際は、路面6から浮き上がって見えたり、輻輳面VS’が、HUD装置100の光学系やウインドシールドの形状の影響を受けるなどして平面ではなく曲面となったりして、厳密には路面6の直上に重畳されないこともあり得るため、ある程度の高さ範囲を確保し、一方、視認者の前方視野を確保できるように、その高さ範囲を路面の近傍範囲に限定している。
また、立体的な虚像が、「先方対象物の内部にあるように見えたり、先方対象物の向こう側に見えたりする場合」の他に、その「おそれがある場合」にも、例えば図2(B)と同様の表示とすることができる。前者は、例えば、実際の運転シーンの解析結果として、上記の視覚が生じる状況となっていることが検出される場合であり、後者は、例えば、現状はそうではないが、運転シーンを予測したときに上記の視覚が生じる状況となる可能性が高いと判定される場合である。いずれであっても、図2(B)のような表示制御を実行するのが好ましい。
図2(C)では、先方対象物200は、かなり遠くに位置している。対象物距離D7(D1+D6)は、予め設定されている所定の閾値Lthより大きい。輻輳面DSには、注意喚起表示G4(3D)が表示されている。輻輳角はθ4である。また、HUD表示領域3には、G4(3D)の視差画像G4L、G4Rが表示されている。
図2(C)の例では、G4(3D)が、先方対象物200の内部に入り込んだように見える可能性はあるが、先方対象物200はかなり遠くにあり、遠方における人の視認感度は低下するため、仮にそのような状況が生じたとしても、あまり違和感がないものと考えられる。
図2(D)の例では、先方対象物200までの対象物距離D10は、所定の閾値Lthよりも小さくなっている。そこで、輻輳距離D9(<D10)の位置に、路面6に重なるように注意喚起表示G5(3D)を行っている。輻輳角はθ5である。HUD表示領域3には、G5(3D)用の左右の視差画像G5L、G5Rが表示されている。
図2(C)におけるG4(3D)の形状(三角形の内部に感嘆符のある形状)を基本形とすると、図2(D)におけるG5(3D)は、基本形とは異なる形状(言い換えれば、先方対象物200の幅方向に広がる細長い形状)に変形されている。これは、立体的な虚像の奥行き方向の距離を調整するためである。言い換えれば、路面重畳3D表示による虚像の表示領域は、視認者と先方対象物200との間の領域や、先方対象物200の周囲等に限られ、表示面積に制約があることを考慮して、表示コンテンツの画像の形状を、基本形状とは異なる形状に変形して、例えば、直感的に感得されるような表示とするものである。これにより、面積に制限のある表示領域内で、必要な情報の提示を効率的に行うことができる。但し、上記実施形態の視差式3D表示の輻輳面VSは、調整面(結像面)PSの奥側の位置にあったが、これに限定されない。視差式3D表示の輻輳面VSは、調整面(結像面)PSよりも手前側の位置に配置されてもよい。
次に、図3を参照する。図3(A)は、先方対象物がない場合における視差式3D表示制御の例を示す図、図3(B)は、走行中の車両における視差式3D表示の具体例を示す図である。
図3(A)において、視差式3D表示が可能な領域21(砂模様で示される領域)において、視認者から見て手前側に調整面(結像面)PSが設定され、PS上に視差画像GL、GRが表示される。
調整面(結像面)PSよりも奥側に、立体的な画像(虚像)が表示(視認)される。表示(視認)の態様として、3つの例が示されている。輻輳面VS1上の虚像Gaは、路面6に対して傾斜する態様である。輻輳面VS2上の虚像Gbは、路面6に重なる態様である。輻輳面VS3上の虚像Gcは、路面6に対して略垂直に立設する態様である。いずれの態様も適宜、選択することができる。また、虚像Ga、Gb、Gcが表示(視認)される高さについては、特に制限がなく、3D表示が可能な範囲21内で、その高さ位置を自由に選択することが可能である。
図3(B)では、図3(A)における、例えば虚像Gaの具体例が示されている。図3(B)において、視認者(運転者)5は車両(自車両)1を運転中である。車両1は直線状の路面6を走行している。HUD装置100は、ダッシュボード41内に設置されている。HUD装置100は、ウインドシールド2に画像(画像の表示光)を投影し、視差画像がHUD表示領域3内に表示され、その奥側に、虚像31、33、35、37が表示(視認)される。
右上の奥側に見える虚像31は制限速度表示であり、虚像31の左側の虚像33は自車両1の走行速度(車速)を示す表示である。虚像35は、人34に対する注意喚起表示(矢印の図形)である。手前側に見える虚像37は、矢印の図形からなるナビゲーション用の表示である。このように、各虚像の表示位置に関して、路面6からの高さの制限が特になく、自由な表示が可能である。
次に、図4を参照する。図4(A)は、視差式3D表示が可能な範囲に先方対象物があるときの表示例(2D表示)を示す図、図4(B)は、車両が低速走行中における、路面重畳3D表示の例を示す図、図4(C)は、車両が高速走行中における、路面重畳3D表示の例を示す図、図4(D)及び図4(E)は、路面重畳3D表示の具体例を示す図である。
図4(A)では、3D表示が可能な範囲21内に、先方対象物としての前方車両200が存在する。突き刺さり感のある立体表示を避けて、図4(A)の例では、調整面(結像面)PSにおいて、視差のない2Dの画像50を表示している。言い換えれば、図4(A)の例では、強制的に2D表示に切り替える制御が実行されている。この場合は、臨場感のある視差式3Dによる表示がまったくできない。
そこで、図4(B)、(C)では、路面重畳3D制御による奥行き感のある立体虚像が表示されている。図4(B)では、3D表示が可能な範囲23は、路面6からの高さがH1の範囲内に限定される。路面6からの高さがH1を超える範囲に画像(虚像)を表示するときは、調整面(結像面)PSにおいて、視差のない2Dの画像51を表示する。一方、路面6からの高さがH1の範囲(高さ制限がされた3D表示が可能な範囲23)内では、路面重畳3Dの画像(虚像)53が表示される。調整面(結像面)PSの下側には、路面重畳3Dの画像(虚像)53用の左右の視差画像52が表示される。
図4(C)においても同様であるが、但し、図4(C)の例では、3D表示が可能な範囲25は、路面6からの高さがH2(<H1)の範囲内に限定される。路面6からの高さがH2を超える範囲に画像(虚像)を表示するときは、調整面(結像面)PSにおいて、視差のない2Dの画像54を表示する。一方、路面6からの高さがH2の範囲(高さ制限が強化された3D表示が可能な範囲25)内では、路面重畳3Dの画像(虚像)60が表示される。調整面(結像面)PSの下側には、路面重畳3Dの画像(虚像)60用の左右の視差画像55が表示される。
図4(B)の例は、例えば自車両の走行速度が40kmの場合(低速走行時)であり、図4(C)の例は、例えば自車両の走行速度が60kmの場合(高速走行時)である。低速/高速の判定は、例えば、閾値としての走行速度(例えば50km/h)との比較により行われる。
このように、図4(B)、(C)では、制御部701(図1(A)参照)は、自車両1の速度に応じて、視差式3D表示が可能な領域の路面からの高さを適応的に変更し、低速時よりも、高速時における高さをより低くなるように制御している。
高速走行時には、危険性が増すことから、HUD装置100による表示が、先方対象物200としての前方車両等に重複するように視認されることは極力避け、視認者5の前方視界を広く確保し、また違和感を生じさせないように配慮するのが好ましい。そこで、高速走行(図4(C))の場合には、3D表示が可能な高さ範囲をより狭めて、路面6に貼りつくような視覚を与える虚像の表示のみを許可することとする。これによって、高速走行時においても、先方対象物200としての前方車両等への虚像の突き刺さり感を極力低減しつつ、奥行き感のある3D表示による情報提示が可能である。
図4(D)、図4(E)は、2D表示を併用した路面重畳3D表示の例を示す。図4(D)では、手前側の調整面(結像面)PSに、制限速度表示56(2D)及び車速表示57(2D)が表示されている。また、奥側の輻輳面VS4には、ナビゲーション用表示61(3D)が表示されている。このナビゲーション用表示61(3D)は、地図情報の表示(道路表示)63(3D)及び左折を促す矢印の表示65(3D)を含む。
図4(E)では、手前側の調整面(結像面)PSに、制限速度表示58(2D)及び車速表示59(2D)が表示されている。また、奥側の輻輳面VS5には、ナビゲーション用表示71(3D)が表示されている。このナビゲーション用表示71(3D)は、先方対象物200としての前方車両の後端部を囲むようにして、路面6上に設けられる仮想的な領域70D内に表示される。ナビゲーション用表示71(3D)を構成する各画像(虚像)は、その領域70内にて自由に配置が可能であり、例えば、前方車両の後端部を囲むようにして配置することもできる。
図4(E)では、矢印の画像(虚像)73(3D)を前方車両の左側に配置し、通りの名称(「ABC Ave」という文字)を前方車両の後端部付近(手前側)に配置し、その通りに至るまでの距離(「999m」という表記)77(3D)を配置している。
このように、制御部701(図1(A)参照)は、路面重畳3D制御において、奥行き感のある立体的な虚像が、視認者と先方対象物200との間の路面領域、先方対象物200の直下の路面領域、及び先方対象物200の周囲の路面領域の少なくとも1つに重なるように延在する画像として認識されるように、路面重畳3D表示制御を実行することができる。路面重畳表示に使用可能な路面領域に、まとまり良くまとめて表示することで、路面上の少ないスペースを有効利用して、必要な情報の提示を行うことができる。
また、例えば図4(E)の例のように、複数の表示コンテンツの虚像(73(3D)、75(3D)、77(3D)を含む場合には、各虚像は、先方対象物200の一部を囲むように設けられる領域70内において、自由に表示(配置)されてもよい。図4(E)では、3つの虚像を、前方車両の後端部を取り囲むように、左、手前、右に配置して、専有面積を減らしつつ、バランスのとれた視覚の表示を実現している。
言い換えれば、例えば前方車両の後端部を挟む左右の領域、及び後端部の直下及びその周囲の領域を含む一連の領域(前方車両の一部を囲むように存在する領域)の内側に、複数の表示コンテンツの各々の虚像を、効果的にコンパクトに配置する等の工夫をすることによって、限られた面積内で、必要な情報を提示することが可能となる。
また、図4(B)~(E)の例では、3D表示と2D表示とが混在する表示形態が採用されている。例えば、先方対象物200が無い状態で、奥行き感のある立体的な虚像として、第1の虚像(ナビゲーション用の表示等)と、第2の虚像(例えば、路面に立設して表示されるのが好ましい交通標識等や、制限速度の表示、車速表示等)とを表示しているとする。
ここで、図4(B)、(C)に示されるような、先方対象物200が有る状態に移行したとする。この場合、第1の虚像(ナビゲーション用の表示等)は奥行き感がある表示に適しており、また、3D表示が可能な領域に高さ制限があっても路面重畳3D表示が可能である。一方、第2の虚像(交通標識等や、制限速度の表示、車速表示等)は、路面重畳表示制御には適さず、また、3D表示が可能な領域に高さ制限があるため、路面重畳3D表示は、図4(D)、(E)の例では困難である(但し、これに限定されるものではなく、制限速度表示等も路面重畳3D表示制御の対象とすることもできる)。
この場合、図4(D)、(E)に示すように、第1の虚像(ナビゲーション用表示等)については路面重畳3D表示制御を実施し、第2の虚像(交通標識等、制限速度表示、車速表示等)については視差のない2D表示制御を実行する。路面重畳3D表示/2D表示が混在する表示を採用することで、表示の自由度が向上する。
次に、図5を参照する。図5(A)は、輻輳面を路面の下側に位置させる路面重畳3D表示制御の例を示す図、図5(B)及び図5(C)は、走行中の車両における視差式3D表示の具体例を示す図である。
図5(A)の例では、左右の各目用の視差画像の虚像81が第1の面(調整面又は結像面)PSに結像し、視認者が脳内で各視差画像の虚像を融像することで、奥行き感のある立体的な虚像が、視認者から見て第1の面(調整面又は結像面)PSよりもさらに奥側に位置すると共に、路面6に対して傾斜している平面である第2の面(輻輳面)84、又は曲面である第2の面(輻輳面)85に視認される。
ここで、制御部701(図1(A)参照)は、路面重畳3D表示制御の実行に際して、第2の面(輻輳面)82、84の少なくとも一部が、路面6よりも下側に位置するように表示制御を実行している。
言い換えれば、図5(A)の例では、立体的な虚像(立体虚像)が視認される第2の面(輻輳面)が、平面又は曲面であり、かつ、その一部が路面6よりも下側に位置することが許容される。
路面重畳表示は、理想的には、路面の直上に密着するような平面上に表示されるのが好ましいが、現実には、第2の面(輻輳面)は曲面(符号84)の場合もあり、路面6から浮き上がって見えることもある。そこで、図5(A)の例では、表示が路面6の直上に位置するように見えるようにするために、第2の面(輻輳面)が路面の下側に位置するように表示制御を行う。
人の脳は、現実には、路面6に重なるように映る表示は必ず路面6の上にあり、路面6の下には存在し得ないことを認識しているため、視差式3D表示制御により表示される画像(虚像)が路面6の下に位置したとしても、その画像(虚像)が路面6の直上に位置するかのように(言い換えれば、路面6に貼りついているかのように)認識する。よって、正確な路面重畳表示となる。これによって、その表示が、先方対象物200に重なって見える可能性がより低減され、視認者の違和感がより抑制され得る。
図5(B)、(C)に具体的な表示例が示される。図5(B)の運転シーンとしては、例えば、自車両1のナビゲーション用の、左折を促す矢印の虚像87(3D)を表示している状態で、急に、車両(先方対象物)200が前方に割り込んできた場合を想定し得る。急な割り込み車両が存在しても、自車両1のナビゲーション用の矢印の虚像87(3D)は、路面6に貼りついたように見え(つまり、浮き上がっては見えない)ため、突き抜け感がなく、違和感が生じない。
また、図5(C)の運転シーンとしては、自車両1のナビゲーション用の、直進を促す矢印の虚像89(3D)を表示しているが、その直進を促す矢印は、左折しようとしている前方車両(先方対象物)200を通り越して、その向こう側にまで直線的に延びている。よって、自車両1は、左折せずに直進すればよいことが、直感的にわかる。また、図5(B)と同様に、自車両1のナビゲーション用の矢印の虚像89(3D)は、路面6に貼りついたように見え(つまり、浮き上がっては見えない)ため、突き抜け感がなく、違和感が生じない。
このように、本発明の実施形態の3DHUD装置によれば、従来にない新規な3D表示が可能である。
次に、図6を参照する。図6(A)~図6(D)は、視差式3D表示が可能な範囲に先方対象物が出現した場合における路面重畳3D表示への移行の例(消去又はフェードアウト後に移行、又は2Dに戻した後に移行)を示す図である。
図6(A)では、視差式3D表示が可能な領域内に先方対象物(前方車両)が無い状態で、視差式3D表示制御が実行されて、直進を促す矢印の虚像90(3D)が表示されている。
ここで、図6(B)、(C)に示すように、先方対象物200である車両が、後方から割り込んできた場合を想定する。この場合には、先方対象物200が視差式3D表示が可能な領域内に進入し、これによって、奥行き感のある立体的な虚像90(3D)が、先方対象物200の内部に、あるいは視認者5(図3(B)参照)とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある状態となる。
そこで、図6(B)では、表示中の立体的な虚像90(3D)を一旦、消去あるいはフェードアウトし、その後、図6(D)のように路面重畳3D表示制御を実行する。図6(D)では、虚像91(3D)における矢印の図形の形状は、基端部のないブーメラン型に変更され、路面6上に、コンパクトに表示されている。
また、図6(C)では、表示中の立体的な虚像90(3D)を一旦、視差のない2D表示制御による2Dの虚像としている。その後、図6(D)のように路面重畳3D表示制御を実行する。
このように、先方対象物が無い状態から有りの状態に変化したとき、すぐに上記の路面重畳3D制御を行うのではなく、現行の表示(虚像)を消去、あるいはフェードアウトさせ、あるいは、2D表示に移行させ、その後に路面重畳3D制御を実施して、路面に重なるような表示へと移行させる。このとき、その路面に重なる3D表示の輝度を、徐々に増大させる(言い換えれば、フェードインさせる)ことも可能である。このフェードイン制御は、上記のフェードアウト制御と併せて(一対として)使用すると、スムーズな表示の遷移を実現でき、特に効果的である。図6の表示制御では、スムーズに表示の態様を変化させることで、表示の切り替えに伴う視認者が感じる違和感を軽減、抑制することができる。
次に、図7を参照する。図7(A)は、視差式3DHUD装置の全体構成例を示す図、図7(B)は、制御部及び画像生成部の構成例を示す図である。図7(A)において、図1(A)と共通する部分には同じ符号を付している。
視差式3DHUD装置100は、立体表示装置111と、光学系116と、情報取得部119とを備える。立体表示装置111は、表示制御装置700と、画像生成部112と、表示部113と、アクチュエータ179とを有する。アクチュエータ179は、例えば、光学系116に含まれる曲面ミラー(凹面鏡等)117の向きを変更するために使用可能である。
表示制御装置700は、制御部701を有する。制御部700は、I/Oインタフェース741と、プロセッサ702と、メモリ743とを有する。
図7(B)の例では、瞳撮像カメラ43による撮像画像を解析して視点位置(及び視線方向)を検出するために、視点位置検出部44が設けられている。各種の情報は、情報取得部119を介して制御部701に供給される。
制御部701は、視差式路面重畳3D制御の要否、及び可否を判定する、視差式路面重畳3Dの要否/可否判定部745と、視差式路面重畳3Dコンテンツの表示態様変更部746と、運転シーン判定部747と、を有する。
視差式路面重畳3Dコンテンツの表示態様変更部746は、路面重畳3D表示に際して、例えば表示コンテンツの画像の形状を適宜、変更する(例えば図2(A)~(D)、図4(A)~(E)、図5(A)~(C)、図6(A)~(D))、あるいは複数の虚像の路面上での配置を変更する(例えば図4(D)、(E))、もしくは、フェードアウト等を用いた表示態様の変更を実施する(図6(A)~(D))ことに関する判定/決定等を実施する。
運転シーン判定部747は、自車両1の運転シーン(例えば、図4(B)、(C)、図6(B)、(C)等)を判定する。上記の視差式路面重畳3Dの要否/可否判定部745、及び視差式路面重畳3Dコンテンツの表示態様変更部746は、運転シーン判定部747の判定結果を考慮して、視差式路面重畳3Dの要否/可否の判定や、視差式路面重畳3Dコンテンツの表示態様の変更の要否/要の場合の形状やレイアウト配置の決定等の処理を、適応的に実施する。
画像生成部112は、画像蓄積部312と、ライトフィールドレンダリング部333と、左目用画像バッファ334と、右目用画像バッファ335と、画像インタフェース(画像I/F)336と、を有する。画像インタフェース(画像I/F)336から出力される、左目/右目用の視差画像のデータGLd、GRdは、表示部113に供給される。
図7(A)、(B)のHUD装置によれば、視差式3D表示が可能な領域内に前方車両等の先方対象物が存在する場合でも、突き抜け感等を抑制した視差式3D表示が可能となる。よって、HUD装置の性能が向上する。
次に、図8を参照する。図8は、表示制御の手順例を示すフローチャートである。ステップS1では、先行対象物(障害物を含む)の検出、判定処理を実行する。ステップS2では、全コンテンツの視差式3D表示が可能であるかが判定される。例えば、3D表示が可能な範囲内に前方車両等の先方対象物が無いときはYとなり、有りのときはNとなる。
ステップS2でYのときは、ステップS3に移行する。ステップS3では、全コンテンツについて視差式3D表示(路面からの高さ等の制限無し)を実施する。ステップS2でNのときは、ステップS4に移行する。ステップS4では、一部のコンテンツは視差式路面重畳3D制御による3D表示が可能かを判定する。Yのときは、ステップS5に移行する。
ステップS5では、視差式路面重畳3D用のコンテンツの表示態様を変更する(但し、表示態様の変更が不要な場合はこのステップを省略してもよい)。ステップS6では、一部のコンテンツを視差式路面重畳3Dで表示し、他のコンテンツは2Dで表示する。
ステップS4でNのときは、ステップS7に移行する。ステップS7では、全コンテンツを2Dで表示する。ステップS8では、表示終了か否かを判定する。Yのときは表示制御を終了し、Nのときは、ステップS1に戻る。
ステップS3、S6、S7から明らかなように、本発明によれば、全コンテンツを制限のない3Dで表示すること、又は、路面重畳3D/2D混在(2Dのコンテンツがない場合は路面重畳3Dのみ)の表示とすること、あるいは、全コンテンツを2D表示とすること、が可能である。特に、ステップS6の内容が追加されたことにより、従来の3DHUD装置よりも、表示の自由度が向上する。多様な奥行き感(臨場感)のある表示が可能であり、また、運転シーンに適応した自由度の高い表示が可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、虚像表示距離可変3D制御を例にとって説明する。図9を参照する。図9(A)は、虚像表示距離可変3D制御の一例を示す図、図9(B)は、路面重畳3D制御の適用例を示す図、図9(C)は、立像の虚像表示面、及び傾斜面の虚像表示面を示す図、図9(D)、(E)は、虚像表示距離を可変に制御することができる3DHUD装置の構成と動作を説明するための図である。なお、虚像表示距離(あるいは結像距離)は、例えば、視認者(運転者)の視点E(広義には、視認者側に設定される基準点)から虚像表示面(結像面)までの距離である。
図9(A)の例では、車両1の前方において、虚像表示距離(結像距離)が異なる複数の虚像表示面PS1~PS45を設定可能である。この虚像表示面PS1~PS45を含む領域を、3D表示可能領域ZSとする。なお、自車両1の最も近くに設定される虚像表示面PS0は、2D虚像を表示するための虚像表示面(2D表示用表示面)である。
図9(B)では、3D表示可能領域ZS内において、先方対象物である前方車両500が存在し、これが3Dの虚像の表示と干渉する。そこで、先に図4(B)~(E)、図5(A)等で示した路面重畳3D表示制御を実施する。
図9(B)において、虚像表示面PSaは、図4(B)、(C)における虚像表示面(結像面)53、60に対応する。また、図9(B)における虚像表示面(結像面)PSb、PScは、図5(A)における虚像表示面(結像面)82、84に対応する。路面重畳3D表示制御を実施することで、先方対象物500との干渉が効果的に低減され、先に、視差式3D制御について述べた効果と同じ(あるいは同様の)効果を得ることができる。
図9(C)に示されるように、虚像表示面(結像面)PSは、路面6に対して垂直(略垂直を含む)立像面であってもよく、あるいは、角度θで傾斜していてもよい。路面6に対して垂直の場合も含めた場合には、θは、0<θ≦90°を満たす。
次に、図9(D)、(E)を参照する。図9(B)では、光走査型のHUD装置の要部の構成が示されている。HUD装置1000には、位置制御信号生成部910が設けられる。この位置制御信号生成部910は、走査駆動信号rvsに基づいて、位置制御信号VPCを生成、出力する。
また、虚像表示距離変更部240は、レンズ駆動部930及びスクリーン駆動部950を含む。また、図9(B)においては、画像処理部510と、光源部530とが設けられる。
画像処理部510は、表示画像データcvに基づいて表示画像を生成し、生成した表示画像を光源駆動部550に供給する。
また、光源部530は、光源駆動部550及び光源(ここではレーザー光源LD)570を含む。位置制御信号生成部910が生成する位置制御信号VPCは、虚像表示距離変更部240のレンズ駆動部930及びスクリーン駆動部950に供給され、同時に、光源駆動部550にも供給される。
虚像表示距離変更部24は、画像表示部(単に、表示部という場合もある)としてのスクリーン460(及びレンズ440)を、画像表示部としてのスクリーン460の光軸に沿う方向(言い換えれば、光路に沿う方向であり、図9(B)では、表示光Kが進行する矢印で示される方向)において、所定範囲(ここでは距離範囲LZ)で、振動させることによって、画像表示部としてのスクリーン460(より具体的には、画像Mが表示される表示面470)から、被投影部材3までの光路長を周期的に変更する。また、光源部530の光源駆動部550によって、光源(レーザー光源LD)570からの光の出射タイミングが制御されることによって、画像表示部としてのスクリーン460の表示面470上における画像Mの表示タイミング(表示時刻)が制御(調整)される。
ここで、m通りに変更され得る虚像表示距離の各々に対応する虚像表示面を第1~第mの虚像表示面とする場合に、画像表示部としてのスクリーン460(及びレンズ440)を所定範囲(LZ)で、所定周期で振動させる制御、画像表示部としてのスクリーン460の表示面470における画像の表示タイミングの制御、及び、表示タイミングの制御に同期した表示内容の変更制御(の組み合わせ)によって、例えば、第1~第mの虚像表示面の内の少なくとも2面の各々に、立像又は傾斜像の画像(虚像)の表示が可能であり、また、時間経過に伴なって画像(虚像)が流れるような制御を行うことも可能となる。
位置制御信号生成部910が生成する位置制御信号VPCは、例えば、図9(C)に記載されるような、鋸歯状(のこぎり状)の電圧信号(鋸歯状波の電圧信号)である。なお、図9(C)では、横軸に時間t、縦軸に電圧vを設定している。
位置制御信号VPCの電圧が0の場合は、画像表示部としてのスクリーン460は、第1の位置PT0に位置し、位置制御信号VPCの電圧がピーク値の場合は、画像表示部としてのスクリーン460は、第2の位置PT1に位置する。
ここで、例えば、時刻t1~t4の各々において、光源部530から、異なる表示コンテンツ(表示対象)の画像を出力することによって、虚像表示距離が異なる4つの表示対象(虚像)を表示することができる。
なお、上記の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、表示面を有する表示部を複数、並列に設け、各表示部の位置を、ステップ的に移動させることで、虚像表示距離を多段階に変更可能としてもよい。
次に、図10を参照する。図10(A)は、虚像表示距離可変3D制御による動画表示の例を示す図、図10(B)は、路面重畳3D表示制御の適用例を示す図である。図10(A)において、HUD表示領域3には、制限速度表示400a(400b、400c)と、車速表示SPとが表示されている。車速表示SPは、2D表示であり、制限速度表示400a~400cは、虚像表示距離可変3D制御による3D表示である。
図10(A)では、車両1は時速60km/hで直進しているが、最も遠方に見えている制限速度表示400aの位置で、制限速度が50km/hに切り替えられる(但し、現状における制限速度は、60km/hとする)。
車両1が進行すると、制限速度表示400aとの相対距離が縮小されるが、その相対距離の縮小に合わせて、制限速度表示400aが、400b、400cのように動的に移動することで、動的な表示(動画表示)が実現され、動的な奥行き感を生じさせることが可能である。
図10(A)では、先方対象物(前方を行く大型車両)503が存在し、これによって、動画の表示が妨げられる状況となっている。図10(A)のような動画表示では、制限速度表示400bが、先方対象物503を突き抜けるようにして移動することになり、このことは、視認者(運転者)に違和感を生じさせる原因となる。
そこで、図10(B)では、路面重畳3D表示制御による路面重畳表示による制限速度表示400dに切り替えている。これによって、上記の違和感が軽減、抑制される。なお、路面重畳表示としての制限速度表示400dに切り替えた後、再び、立像の虚像による表示に復帰させることも可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、虚像表示位置可変3D制御を例にとって説明する。図11を参照する。図11(A)は、傾斜面である虚像表示面の任意の位置に虚像を表示可能な3DHUD装置の構成例を示す図、図11(B)は、傾斜面の虚像表示面を利用した、虚像表示位置可変3D制御の例を示す図、図11(C)は、路面重畳3D表示制御の適用例を示す図である。
図11(A)において、HUD装置1001は、制御部1400と、HUD装置の本体部1200と、を有する。HUD装置の本体部1200は、表示パネル1500と、光軸に対して傾斜した表示部としてのスクリーン1600(画像を表示する表示面1640を備える)と、凹面鏡等の曲面ミラー1700(例えば、自由曲面の反射面1790を備える)と、を有する。曲面ミラー1700の反射面1790にて反射される光は、表示光Kとして、被投影部材としてのウインドシールド2に投射(投影)される。
図11(A)の左側に示されるように、スクリーン1600を光学系の光軸に対して傾斜して設けることで、表示面1640に対応して、車両1の前方の実空間に、傾斜した仮想的な表示面(傾斜面である虚像表示面)PSeを配置することができる。
また、凹面鏡等の曲面ミラー1700の反射面1790を、例えば自由曲面として、局所的に適宜、曲率半径を異ならせることで、例えば、虚像表示面PSfのように、手前側が路面6に対して立設しており、奥側が斜面である形状を実現することも可能である。
図11(B)は、虚像表示面PSeを用いた虚像表示例を示している。なお、図11(B)の例では、車両1に近い位置に、2Dの虚像を表示する虚像表示面(2D表示用表示面)PS0が設けられている。この2D表示用表示面PS0は、図11(A)に示される構成において、例えば、HUD装置1001の本体部1200とは別の本体部を並設することで実現可能である。
図11(B)の例では、傾斜面である虚像表示面(結像面)PSe上の任意の位置(互いに異なる位置)に、虚像V1、V2を表示(配置)している。運転状況に対応して、適切な位置に虚像を表示することができ、臨場感のある表示が可能である。図9(図10)の例が、動的な奥行き感であったのに対し、図11の例では、静的な奥行き感を生じさせることができる。
図11(C)では、先方対象物(前方車両)500が存在するため、図9(B)における虚像V2の表示が妨げられる。そこで、傾斜面である虚像表示面PSeの位置を、下方(路面6の方向)へとシフトし、虚像表示面PSeの車両1に近い側の部分を、路面6の下側に位置させる。この路面6よりも下側に位置する部分に結像するように虚像V3を表示すると、先に説明したように、視認者(運転者)は、虚像V3が正確に路面6に重畳されているかのように見える。言い換えれば、虚像V3が、路面6上に貼り付いた状態であるかのように見え、正確な路面重畳表示(路面重畳3D表示)が実現される。これによって、先方対象物500と虚像表示が干渉して不自然な視覚が生じるという問題が解消される。
次に、図12を参照する。図12は、図11(C)に対応する、視認者から見た虚像の具体的な表示例を示す図である。図12の運転シーンでは、自車両1の前方には十字路が見えている。傾斜面である虚像表示面(結像面)PSeの、視認者(運転者)から見た奥側には、通りの名を示すナビゲーション表示としての虚像V1が表示されている。
また、先方対象物である前方車両500の直下及び、視認者(運転者)から見た手前側には、路面重畳表示(路面重畳3D表示)としての虚像V3が表示されている。虚像V3は、先方対象物である前方車両500と視覚的な干渉がなく、違和感が生じない。
以上説明したように、本発明によれば、先方対象物が3D表示が可能な範囲に存在して、視認者が、3Dの虚像が、その先方対象物の内部にあるように見えたり、向こう側に突き抜けて見えたりする場合(おそれがある場合を含む)において、3D表示を諦めるのではなく、3D表示が可能な領域を、路面から所定の高さの範囲(路面に近い範囲、あるいは視認者から見て低い位置の範囲)に制限し、その範囲内において、路面重畳形式の表示を実行し、臨場感のある3D表示を実行することができる。これにより、視認性の低下を抑制しつつ、奥行き感(臨場感)のある3D表示によって各種の情報を提示することができる。
本明細書において、車両という用語は、広義に、乗り物としても解釈し得るものである。また、ナビゲーションに関する用語(例えば標識等)についても、例えば、車両の運行に役立つ広義のナビゲーション情報という観点等も考慮し、広義に解釈するものとする。また、HUD装置や表示器装置(及び広義の表示装置)には、シミュレータ(例えば、航空機のシミュレータ、ゲーム装置としてのシミュレータ等)として使用されるものも含まれるものとする。
また、先方対象物という用語は広く解釈するものとし、前方車両、後方車両の他、二輪車等の移動体、人、路上にある障害物(静止物、移動物を問わない)等も含み得る。
本発明は、上述の例示的な実行形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実行形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
1・・・車両(自車両)、2・・・ウインドシールド(被投影部材)、3・・・HUD装置の表示領域(HUD表示領域)、6・・・路面(地面や床面等の相当面を含む)、21、23、25・・・視差式3D表示が可能な領域(視差式3D表示可能領域)、41・・・ダッシュボード、43・・・瞳撮像カメラ、45・・・周囲撮像カメラ、46・・・画像処理部、47・・・測距部、48・・・対象物種類/サイズ検出部、70・・・先方対象物である前方車両の後端部を取り囲むように配置される領域(路面上の表示領域)、100・・・HUD装置、111・・・立体表示装置、112・・・画像生成部、113・・・表示部(表示パネル等)、114・・・光線分離部(レンチキュラレンズ、視差バリア等)、116・・・光学部、117・・・曲面ミラー(凹面鏡等)、119・・・情報取得部、120・・・ECU、123・・・通信部、125・・・レーダー部、200・・・先方対象物としての前方車両、700・・・表示制御部装置、701・・・制御部、741・・・I/Oインタフェース、742・・・プロセッサ、743・・・メモリ、745・・・視差式路面重畳3Dの要否/可否判定部、746・・・視差式路面重畳3Dコンテンツ(表示コンテンツ)の表示態様変更部、747・・・運転シーン判定部、K1、K2・・・表示光、PS・・・調整面(結像面)、VS、VS’・・・輻輳面、θ1~θ5・・・輻輳角、D1・・・調整距離、D2・・・調整面と立体像の視認位置(輻輳面)との距離、D3、D7、D9・・・輻輳距離、D5、D6、D10・・・対象物距離、Lth・・・3D表示が可能な領域内に先方対象物が存在するか否かの基準となる閾値(所定の閾値、あるいは閾値距離)。

Claims (16)

  1. 車両に搭載され、画像を被投影部材に投影することで、視認者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置における表示制御を実行する表示制御装置であって、
    前記視認者に奥行き感を知覚させる3D表示制御を実行可能な制御部を有し、
    前記制御部は、
    3D表示制御による表示可能領域内に先方対象物が存在し、3D表示としての3Dの虚像が、前記先方対象物の内部に、あるいは視認者とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある場合には、
    前記3D表示制御による表示可能領域を、前記車両が走行する路面から所定の高さの範囲に制限し、前記3Dの虚像が、前記路面に重なるように延在する画像として視認されるように、路面重畳3D表示制御を実行する表示制御装置。
  2. 前記制御部は、前記路面重畳3D制御において、
    前記3Dの虚像が、
    前記視認者と前記先方対象物との間の路面領域、前記先方対象物の直下の路面領域、及び前記先方対象物の周囲の路面領域の少なくとも1つに重なるように延在する画像として認識されるように、前記路面重畳3D表示制御を実行する、請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記3Dの虚像として、第1の虚像と、第2の虚像とが含まれる場合において、
    第1の虚像は前記路面重畳表示制御が可能であるが、前記第2の虚像は不可であるとき、前記第1の虚像については前記路面重畳3D表示制御を実行し、前記第2の虚像については、面的な広がりを知覚させる2D表示制御を実行する、請求項1又は2に記載の表示制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記路面重畳3D表示制御の実行に際して、前記3Dの虚像を表示する平面又は曲面である表示面の少なくとも一部が、前記路面よりも下側に位置するように表示制御を実行する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記路面重畳3D表示制御を実行する際、
    前記車両の速度が速い場合は、遅い場合に比べて、前記制限された前記路面から所定の高さの範囲における前記高さを低くする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記3D表示制御による表示可能領域内に前記先方対象物が無い状態で3D表示制御を実行している状態から、前記路面重畳3D表示制御に移行するときは、
    表示中の前記3Dの虚像を一旦、消去あるいはフェードアウトした後、前記路面重畳3D表示制御を実行する、
    又は、
    表示中の前記3Dの虚像を一旦、面的な広がりを知覚させる2D表示制御による2Dの虚像とした後、前記路面重畳3D表示制御を実行する、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記路面重畳3D表示制御を実行するに際し、その3Dの虚像に係る表示コンテンツの画像の形状を、基本形状とは異なる形状へと変更する、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示制御装置。
  8. 前記3Dの虚像は、前記車両のナビゲーション用情報を提示する画像の虚像である、請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示制御装置。
  9. 前記3Dの虚像は、複数の表示コンテンツの虚像を含み、各虚像は、前記先方対象物の一部を囲むように設けられる領域内に表示される、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示制御装置。
  10. 前記3Dの虚像は、前記先方対象物に重畳される注意喚起表示、あるいは警告表示の虚像である、請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示制御装置。
  11. 前記3D表示制御は、
    前記視認者の左右の各目に、視差を有する左目用/右目用の各画像を視認させて、奥行き感のある立体的な前記3Dの虚像を表示する視差式3D制御である、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示制御装置。
  12. 前記3D表示制御は、
    前記視認者の側に設定される基準点から、前記3Dの虚像が表示される虚像表示面までの距離である虚像表示距離を可変に制御し、奥行き感のある前記3Dの虚像を表示する、虚像表示距離可変3D制御である、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示制御装置。
  13. 前記制御部は、
    前記3Dの虚像を、前記視認者から見て、奥側から手前側へと移動させて動画を表示させる、請求項12に記載の表示制御装置。
  14. 前記3D表示制御は、
    前記3Dの虚像が表示される虚像表示面の、前記路面に対して傾斜している傾斜領域における表示位置を可変に制御することで、奥行き感のある前記3Dの虚像を表示する、虚像表示位置可変3D制御である、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示制御装置。
  15. 画像を被投影部材に投影することで、視認者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置であって、
    前記画像を生成する画像生成部と、
    前記画像を表示する表示部と、
    前記画像の表示光を反射して、前記被投影部材に投影する光学部材を含む光学系と、
    請求項1乃至14の何れか1項に記載の表示制御装置と、
    を有するヘッドアップディスプレイ装置。
  16. 車両に搭載され、視認者に奥行き感を知覚させる3D表示が可能なヘッドアップディスプレイ装置における画像の表示制御方法であって、
    3D表示制御による表示可能領域内に先方対象物が存在し、前記3D表示としての3Dの虚像が、前記先方対象物の内部に、あるいは視認者とは反対側の外部に位置するように視認される、又は視認されるおそれがある場合には、
    前記3D表示制御による表示可能領域を、前記路面から所定の高さの範囲に制限し、前記3Dの虚像が、前記路面に重なるように延在する画像として視認されるように、路面重畳3D表示制御を実行する画像の表示制御方法。
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WO2024181153A1 (ja) * 2023-02-28 2024-09-06 京セラ株式会社 虚像表示装置、虚像表示方法、プログラム、及び移動体

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WO2024181153A1 (ja) * 2023-02-28 2024-09-06 京セラ株式会社 虚像表示装置、虚像表示方法、プログラム、及び移動体

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