JP2003237412A

JP2003237412A - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置

Info

Publication number: JP2003237412A
Application number: JP2002037126A
Authority: JP
Inventors: Tomoki Ikoma; 知樹生駒
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 2002-02-14
Filing date: 2002-02-14
Publication date: 2003-08-27

Abstract

(57)【要約】【課題】車両用ヘッドアップディスプレイ装置におい
て、視認性、認識性の高い表示を可能にする。【解決手段】ハーフミラー３に対して、第１画像１０
を表示する第１表示器１を４５°の角度をなし、かつ、
第２画像２０を表示する第２表示器２を第１表示器とは
反対側で平行に夫々配置する。第１および第２画像はフ
ロントガラス４の表面の反射膜によるコンバイナ部５で
反射し運転者に虚像として表示される。各表示器および
ハーフミラーの配置関係より、第１画像に対する第１虚
像１１は運転者に対して垂直面上に表示され、第２画像
に対する第２虚像２１は第１虚像１１よりも上端部が奥
まって表示される。第１画像に車速などの文字情報を表
示し、第２画像にナビゲーション装置からの走行路周辺
情報を表示するようにすれば、夫々の表示の認識性を高
めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ヘッドアッ
プディスプレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、車両において、例えば、車室前方にあるインスト
ルメントパネル（以下、インパネ）内に設けた表示器よ
り、車速や、燃料残量などの車両の各部のセンサ情報を
表示画像として投射し、その投射された表示画像を運転
者前方に設けたコンバイナと呼ばれる反射部材で反射さ
せて虚像を形成し、その虚像と車両前方の遠くの物体
（遠景）とを重ねて表示できるようにしたヘッドアップ
ディスプレイ装置（以下、ＨＵＤ）がある。これによ
り、運転者は運転操作中、車両前方への注視状態から表
示画像の認識ために行う視線移動が少なくてすむという
利点がある。

【０００３】ところで近年、上記センサ情報を表わす文
字、記号情報だけでなく、例えばナビゲーション装置か
らの地図情報などもＨＵＤに表示したいという要求があ
る。そこで、文字あるいは記号情報と走行中の周辺地図
情報とを同一の虚像面あるいは、異なる虚像面であって
も互いに平行な虚像面に表示することが考えられるが、
運転者にとっての視認性、認識性の観点からは、改善の
余地がある。

【０００４】本発明は上記点に鑑みて、表示の視認性あ
るいは認識性を向上させた車両用ヘッドアップディスプ
レイ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明は、第１画像を表示する第１
表示器と、第２画像を表示する第２表示器と、前記第１
画像を一方の面より他方の面の方向へ透過させると共
に、前記第２画像を前記他方の面で反射させることによ
り、前記第１および第２画像を同一方向に投影するハー
フミラーと、前記ハーフミラーより投影された前記第１
および第２画像を同一面で重ね合わせて反射することに
より、前記第１および第２画像の夫々の虚像を第１およ
び第２虚像として表示するコンバイナ部とからなり、前
記第１虚像の虚像面と第２虚像の虚像面とが交わる関係
で表示されることを特徴とする。

【０００６】本発明によれば、コンバイナ部で反射され
た第１画像の虚像（第１虚像）と第２画像の虚像（第２
虚像）とが重ね合わされて、かつ、第２虚像が第１虚像
に対して交わる関係で表示されるので、夫々の画像の特
質を活かした視認性の高い表示をすることができる。

【０００７】ここで、請求項２に記載の発明のように、
光路上の所定点から前記第２虚像の上端部までの上端部
光路長と前記所定点から前記第２虚像の下端部までの下
端部光路長との差が、前記所定点から前記第１虚像の上
端部までの上端部光路長と前記所定点から前記第１虚像
の下端部までの下端部光路長との差よりも大きくなるよ
う設定すれば、第１虚像に対して第２虚像の上端部を視
線の奥行き方向へ傾けて表示することができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を用いて
説明する。図１は車両の運転席周辺における本実施形態
のＨＵＤによる表示状態を示す。また、図２は表示器が
配置されているインパネ内部の断面図を示す。なお、図
２の断面図は、原理説明のため、第１表示器１、第２表
示器２およびハーフミラー３と垂直な面を示している。

【０００９】本実施形態は、車速、燃料残量や車外温な
どの第１画像１０を表示する第１表示器１と、図示しな
いナビゲーション装置からの出力信号に基づく第２画像
２０を表示する第２表示器２と、第１画像１０を透過す
ると共に、第２画像２０を反射して、第１および第２画
像をフロントガラス４方向へ投影するハーフミラー３
と、フロントガラス４の表面に反射膜を形成され、ハー
フミラー３からの上記第１および第２画像を反射すると
共に、フロントガラス４の前方にある物体からの光を透
過して前記第１および第２画像のそれぞれの虚像である
第１虚像１１および第２虚像２１に重ね合わせて運転者
の視点位置へと投影するコンバイナ部５とからなる。

【００１０】第１表示器１および第２表示器２は共に、
例えばＴＦＴ（薄膜トランジスタ）駆動液晶ディスプレ
イで構成され、図示しない映像処理装置からの映像信号
に基づき夫々上記第１画像１０および第２画像２０を表
示する。

【００１１】第１表示器１とハーフミラ３ーとは略４５
°の角度を成すよう配置されている。また、第２表示器
２はハーフミラー３に対して第１表示器１とは反対側
で、ハーフミラー３に略平行に対向して配置されてい
る。また、フロントガラス４およびコンバイナ部５は第
１表示器１の表示面（すなわち、第１画像面）に対して
４５°の角度をなしている。なお、以下では、第１表示
器１、第２表示器２およびハーフミラー３をディスプレ
イ部と称する。

【００１２】次に、第１および第２表示器１，２、ハー
フミラー３、コンバイナ部５、第１および第２虚像１
１，１２の各位置関係について説明する。第１画像１０
の上端部Ａおよび下端部Ｂはそれぞれ、ハーフミラー３
を透過しコンバイナ部５のａ点およびｂ点で反射する。
それらは運転者の視点位置より、第１虚像１１の上端部
Ａ’および下端部Ｂ’として、それぞれコンバイナ部５
よりフロントガラス４の前方の光路長Ａ〜ａ＝ａ〜Ａ’
および光路長Ｂ〜ｂ＝ｂ〜Ｂ’の位置に表示される。な
お、本発明では、Ａ点からａ点までの光が進む距離を光
路長と言い、Ａ〜ａのように記す。

【００１３】また、第２画像２０の上端部Ｃおよび下端
部Ｄはそれぞれ、ハーフミラー３のｃ１点およびｄ１点
で反射し、さらにコンバイナ部５のｃ２点およびｄ２点
で反射する。それらは、光路上の所定点としての運転者
の視点位置より、第２虚像２１の上端部Ｃ’および下端
部Ｄ’として、それぞれコンバイナ部５よりフロントガ
ラス４の前方の光路長Ｃ〜ｃ１〜ｃ２＝ｃ２〜Ｃ’およ
び光路長Ｄ〜ｄ１〜ｄ２＝ｄ２〜Ｄ’の位置に表示され
る。

【００１４】すなわち、図２において光路上の所定点を
運転者の視点位置とし、その視点位置からａ点（ｃ２
点）までの距離をＬとすると、第２虚像２１の上端部
Ｃ’の前記所定点からの上端部光路長はＬ＋（Ｃ〜ｃ１
〜ｃ２）＝Ｌ＋（ｃ２〜Ｃ’）と近似される。また、前
記所定点から第２虚像２１の下端部Ｄ’までの下端部光
路長はＬ＋（Ｄ〜ｄ１〜ｄ２）＝Ｌ＋（ｄ２〜Ｄ’）と
近似され、両者の光路長差Δ２はΔ２＝（Ｃ〜ｃ１〜ｃ
２）−（Ｄ〜ｄ１〜ｄ２）＝（ｃ２〜Ｃ’）−（ｄ２〜
Ｄ’）となる。同様に、前記所定点からの第１虚像１１
の上端部光路長と下端部光路長との差Δ１はΔ１＝（Ａ
〜ａ）−（Ｂ〜ｂ）である。（ｃ２〜Ｃ’）＞（Ａ〜
ａ）かつ（ｄ２〜Ｄ’）＞（Ｂ〜ｂ）であるので、Δ２
＞Δ１となっている。

【００１５】したがって、本実施形態では、図２に示さ
れるように、第２画像２０の虚像である第２虚像２１は
第１画像１０の虚像（第１虚像）１１に対し略４５°の
角度をなして、かつ、第１虚像よりも視点位置からの光
路差分遠ざかった奥の位置に表示される。

【００１６】図２のディスプレイ部を構成する第１、第
２表示器１，２およびハーフミラー３の三者の位置関係
に変化がなければ、ディスプレイ部とコンバイナ部５と
の角度（反射角）を変えても、この第１虚像１１と第２
虚像２１との位置関係自体はは変化がない。すなわち、
反射の法則に基づき、運転者の視点位置からの視線方向
は変化するものの、コンバイナ部５に表示される第１虚
像１１と第２虚像２１との位置関係、および各虚像のな
す角度は図２の場合と同じである。

【００１７】このように表示される第１および第２虚像
として表示される画像と、運転者によって認識される重
ね合わされた画像の例を図３、図４に示す。図３（ａ）
は第１虚像として鉛直面上に表示される車速表示（４０
ＭＰＨ＝４０ｍｉｌｅ／ｈｏｕｒ）であり、同（ｂ）は
第２虚像として表示されるナビゲーション装置の出力画
像であるターンナビ表示である。なお、図３（ｂ）で
は、走行中の道路である”ＭｏｅｕｒＳｔ”の１００
ｍ先の転回位置で左折して、道路名”ＳｐｏｔＲｄ”へ
進入する指示がターンナビ画像として表示されている。
しかも、第２虚像は、走行路面に沿うように進行方向前
方へ４５°傾いた面上に表示されるので、走行路が水平
線に向かって俯瞰されるように奥行き感をもたせて表示
することができる。

【００１８】図４（ａ）は、第１虚像として表示される
車外温度（３２°Ｆ）および路面氷結の危険性を示すウ
ォーニング表示の例である。同（ｂ）は、図示しないレ
ーダ装置の出力情報である走行中の前方車両との車間距
離と、ナビゲーション装置の出力情報である進行方向に
対する方位情報とからなる第２虚像の例であり、上記と
同様に第１虚像に対して４５°傾いて、すなわち、走行
路が水平線に向かって俯瞰されるよう表示される。

【００１９】運転者は、図３（ｃ）または図４（ｃ）の
ようにそれぞれ、第１虚像と、第１虚像に対して進行方
向前方へ４５°傾いた奥行き感のある第２虚像とが重ね
合わされた像として認識できる。したがって、文字情報
またはウォーニング情報と走行路面に沿った情報とを、
夫々視認性よく表示することができるので、運転者の画
像情報認識のための負荷を低減して、運転操作の安全性
向上に効果がある。

【００２０】なお、上記ハーフミラー３として、ホログ
ラフィックコンバイナのような第２画像に対して凹面鏡
の機能も有するものを用いれば、第２虚像の表示位置を
視線方向の車両前方位置へ移動させることができるの
で、運転者による表示の認識のための視線移動をさらに
低減することができ、運転操作の安全性向上にさらに効
果がある。

【００２１】また、上記実施形態では虚像を表示するコ
ンバイナ部５をフロントガラス４の表面に反射膜を形成
することにより構成したが、フロントガラスとは別体の
ものとし、そのコンバイナ部を筐体に収めたディスプレ
イ部と共にユニット化したＨＵＤとすれば、ＨＵＤの車
室内における配置の自由度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の表示状態を示す図である。

【図２】本発明の実施形態のインパネ内部における断面
図である。

【図３】本発明の実施形態の第１および第２虚像の表示
例を示す図である。

【図４】本発明の実施形態の第１および第２虚像の別の
表示例を示す図である。

【符号の説明】

１…第１表示器、２…第２表示器、３…ハーフミラー、
４…フロントガラス、５…コンバイナ部、６…インパネ
（インストルメントパネル）、１１…第１虚像、２１…
第２虚像。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１画像を表示する第１表示器と、第２画像を表示する第２表示器と、前記第１画像を一方の面より他方の面の方向へ透過させ
ると共に、前記第２画像を前記他方の面で反射させるこ
とにより、前記第１および第２画像を同一方向に投影す
るハーフミラーと、前記ハーフミラーより投影された前記第１および第２画
像を同一面で重ね合わせて反射することにより、前記第
１および第２画像の夫々の虚像を第１および第２虚像と
して表示するコンバイナ部とからなり、前記第１虚像の虚像面と第２虚像の虚像面とが交わる関
係で表示されることを特徴とする車両用ヘッドアップデ
ィスプレイ装置。
【請求項２】光路上の所定点から前記第２虚像の上端
部までの上端部光路長と前記所定点から前記第２虚像の
下端部までの下端部光路長との差が、前記所定点から前
記第１虚像の上端部までの上端部光路長と前記所定点か
ら前記第１虚像の下端部までの下端部光路長との差より
も大きいことを特徴とする請求項１に記載の車両用ヘッ
ドアップディスプレイ装置。