特許文献1に記載のバランスチェアのような膝曲げ式の椅子においては、上半身の前かがみを抑制することができるとしても、長時間の使用によって膝よりも下の部位が圧迫され、使用者に疲労感を覚えさせるといった問題が生じる。そのため、特許文献1に記載のバランスチェアのような膝曲げ式の椅子の使用者は、この椅子を長時間使用する場合に、膝を曲げる角度を拡大した楽な姿勢に変えるような欲求、または、膝曲げ式でない所謂普通の椅子に着座するような欲求を持ち易い。
しかしながら、特許文献1に記載のバランスチェアにおいては、上下方向について膝当部の位置と着座部の位置とが調整されることによって、バランスの取れた姿勢を維持し易いといった作用効果だけが発揮される。つまり、特許文献1に記載のバランスチェアは、長時間の使用においてもそのまま膝曲げ式の椅子としてのバランスチェアの用途のみで使用することを前提とする椅子であって、膝曲げ式の椅子以外の用途でこの椅子を使用することについては考慮されていない。
そのため、特許文献1に記載のバランスチェアを長時間使用する場合に、使用者は、この椅子において膝を曲げる角度が拡大された楽な姿勢を取り難い。また、特許文献1に記載のバランスチェアに替えて使用者が別の椅子を使用する場合には、このバランスチェアが室内にそのままの形状で放置されてしまうため、室内の空間をこのバランスチェアが無駄に占領するような事態が生じる。
このように、膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子において、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途でも当該椅子を使用することができるように当該椅子を構成することによって、使用者が比較的長い時間使用することが可能な椅子が望まれていた。あるいは、室内の空間が無駄に占領されるような事態を防止するために、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子が望まれていた。すなわち、膝曲げ式の椅子の構成を含む、より有用な椅子が望まれていた。
一方、特許文献2に記載の椅子は、1脚の椅子を以て二つの用途に使用することができる椅子である。しかしながら、二つの用途で使用することよりも、より多くの用途で使用することが可能な椅子が望まれている。また、特許文献2に記載の椅子においては、通常の背もたれ付き椅子の形態と膝受け型の椅子の形態との間で当該椅子を変換させる場合に使用者が当該椅子に着座するときには、使用者は逆の方を向くように一度180°回転する必要がある。あるいは、使用者は、当該椅子が作業台等の正面を向くように、当該椅子を180°回転させる必要がある。
つまり、特許文献2に記載の椅子においては、膝曲げ式の椅子以外の別の用途で当該椅子を使用する場合に、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の用途の形状には、簡便に変換させることができない。
そのため、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途で当該椅子を使用することができるように、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、膝曲げ式の椅子の構成を含み、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子を提供することである。
あるいは、本発明の目的は、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子を提供することである。
本発明の一つの局面に従った椅子は、座部と脚支持部と脚部とを備える。脚支持部は、座部に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部よりも下方に配置される。脚部は、第1のフレーム部と第2のフレーム部と第3のフレーム部とを含む。第1のフレーム部は、座部と脚支持部とを支持する。第2のフレーム部は、第1のフレーム部に接続される。また、第2のフレーム部は、脚支持部から離れる方向且つ下方に延びる。第3のフレーム部は、第1のフレーム部と脚支持部とを接続するように第1のフレーム部に接続される。座部は、座部が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度が変化するように、第1のフレーム部に対して回転可能である。
本発明の一つの局面に従った椅子は、座部と、座部に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部よりも下方に配置された脚支持部とを備えることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含む。
本発明の一つの局面に従った椅子においては、水平面に対する座部の角度を変えることのみによって、当該椅子の形状を、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途において使用するものに簡便に変換することができる。そのため、使用者は、当該椅子を比較的長い時間使用することができる。このとき、使用者は、逆の方を向くように180°回転することなく、当該椅子に着座することができる。つまり、当該椅子においては、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることができる。
このように、本発明によれば、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子を提供することができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、座部は当該椅子の背を形成し、且つ、脚支持部は当該椅子の別の座部を形成する。
この構成によれば、水平面に対する座部の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なリラックスチェアの用途において使用する形状に、当該椅子の形状を簡便に変換することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において当該椅子を使用することができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、座部が延びる方向を示す直線が水平面に対して50°以上の角度で傾斜するように、座部が水平面に対して傾斜する。
この構成によれば、使用者の背丈、脚の長さ、または、姿勢等に応じて、椅子の背の角度を調整することができるため、一般的なリラックスチェアとして使用者に当該椅子を比較的長い時間使わせることができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、座部は、好ましくは、座部が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部を配置することができるように、構成されている。脚支持部と第3のフレーム部とは、好ましくは、第1のフレーム部に対して回転可能である。
この構成によれば、水平面に対する座部の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なスツールの用途において使用する形状に、当該椅子の形状を簡便に変換することができる。この場合に、使用者は、逆の方を向くように180°回転することなく、スツールの用途において使用される形状に変換された当該椅子に着座することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において当該椅子を使用することができる。また、この構成によれば、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して折り畳むことによって、使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができるため、スツールとして当該椅子を使用する場合に、使用者の脚の自由度を高めることができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、当該椅子を上方から見る場合に脚支持部の形状が略U字状であるように、脚支持部には空洞部が形成されている。好ましくは、第3のフレーム部は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。好ましくは、第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置される場合に、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部が配置される。
この構成によれば、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して折り畳むことによって第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置される場合には、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部が配置される。これにより、使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができる。このようにして、スツールとして当該椅子を使用する場合に、使用者の脚の自由度を高めることができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、座部は、好ましくは、第1のフレーム部に対する座部の回転中心と、第1の端部と、第2の端部とを有する。第1の端部は、回転中心よりも脚支持部に近い位置に配置される。第2の端部は、回転中心に対して第1の端部と反対側に配置され且つ回転中心よりも脚支持部から離れた位置に配置される。座部が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度は、好ましくは、第2の端部が水平面よりも下方に移動する方向の角度の範囲を含む。
この構成によれば、水平面に対する座部の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なスツールの用途で使用する形状に、当該椅子の形状を簡便に変換することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において当該椅子を使用することができる。
なお、この場合には、膝曲げ式の椅子の用途からスツールの用途で使用する状態に当該椅子の形状を変換させた後に、使用者は一度180°回転して逆の方に向き直したうえで着座することができる。つまり、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して折り畳むことなしに使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができるため、脚の自由度を高く維持したままで、スツールとして当該椅子を使用することができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、当該椅子を上方から見る場合に脚支持部の形状が略U字状であるように、脚支持部には空洞部が形成されている。第3のフレーム部は、好ましくは、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。第2のフレーム部は、好ましくは、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。好ましくは、第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合に、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。
この構成によれば、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して移動させ、且つ、第2のフレーム部を第1のフレーム部に対して移動させることにより、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。このように、本発明の一つの局面に従った椅子は、膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子として、折り畳み可能に構成されている。そのため、使用者が当該椅子を使用しない場合に、室内の空間が当該椅子によって無駄に占領されるような事態を防止することができる。
本発明の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合に、第1のフレーム部と第2のフレーム部とによって椅子が起立する。
この構成によれば、当該椅子が折り畳まれたときでも、当該椅子が壁面等に支持されること無く起立する。そのため、使用者が当該椅子を使用しない場合に、室内の空間が当該椅子によって無駄に占領されるような事態をより効果的に防止することができる。
なお、本発明の別の一つの局面に従った椅子は、座部と脚支持部と脚部とを備える。脚支持部は、座部に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部よりも下方に配置される。脚部は、第1のフレーム部と第2のフレーム部と第3のフレーム部とを含む。第1のフレーム部は、座部と脚支持部とを支持する。第2のフレーム部は、第1のフレーム部に接続される。また、第2のフレーム部は、脚支持部から離れる方向且つ下方に延びる。第3のフレーム部は、第1のフレーム部と脚支持部とを接続するように第1のフレーム部に接続される。
座部は、座部が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度が変化するように、第1のフレーム部に対して回転可能である。また、座部は、座部が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部を配置することができるように構成されている。さらに、脚支持部は、椅子の別の座部を形成することができるように、且つ、座部は、椅子の背を形成することができるように構成されている。
座部は、第1のフレーム部に対する座部の回転中心と、第1の端部と、第2の端部とを有する。第1の端部は、回転中心よりも脚支持部に近い位置に配置される。第2の端部は、回転中心に対して第1の端部と反対側に配置され且つ回転中心よりも脚支持部から離れた位置に配置される。さらに、座部が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度は、第2の端部が水平面よりも下方に移動する方向の角度の範囲を含む。
当該椅子を上方から見る場合に脚支持部の形状が略U字状であるように、脚支持部には空洞部が形成されている。第3のフレーム部は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。第2のフレーム部は、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合に、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。
本発明の別の一つの局面に従った椅子においては、水平面に対する座部の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途で使用する椅子として、一般的なリラックスチェアの用途で使用する形状に、または、一般的なスツールの用途で使用する形状に、当該椅子の形状を簡便に変換することができる。そのため、当該椅子を比較的長い時間使用者に使用させることができる。
なお、座部の第2の端部が水平面よりも下方に移動するように第1のフレーム部に対して座部を回転させる場合には、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して折り畳むことなしに使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができる。そのため、脚の自由度を高く維持したままで、スツールとして当該椅子を使用することができる。
また、本発明の別の一つの局面に従った椅子においては、脚支持部と第3のフレーム部とを第1のフレーム部に対して移動させ、且つ、第2のフレーム部を第1のフレーム部に対して移動させることにより、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。このように、本発明の別の一つの局面に従った椅子は、膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子として、折り畳み可能に構成されている。そのため、使用者が当該椅子を使用しない場合に、室内の空間が当該椅子によって無駄に占領されるような事態を防止することができる。
このように、本発明によれば、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子であって、且つ、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子を提供することができる。
なお、本発明のさらに別の一つの局面に従った椅子は、座部と脚支持部と脚部とを備える。脚支持部は、座部に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部よりも下方に配置される。脚部は、第1のフレーム部と第2のフレーム部と第3のフレーム部とを含む。第1のフレーム部は、座部と脚支持部とを支持する。第2のフレーム部は、第1のフレーム部に接続され、脚支持部から離れる方向且つ下方に延びる。第3のフレーム部は、第1のフレーム部と脚支持部とを接続するように第1のフレーム部に接続される。
当該椅子を上方から見る場合に脚支持部の形状が略U字状であるように、脚支持部には空洞部が形成されている。第3のフレーム部は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。第2のフレーム部は、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間において第1のフレーム部に対して移動が可能であるように構成されている。第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合に、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。
本発明のさらに別の一つの局面に従った椅子は、座部と、座部に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部よりも下方に配置された脚支持部とを備えることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含む。
また、本発明のさらに別の一つの局面に従った椅子において、第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合には、脚支持部における空洞部に第1のフレーム部と第2のフレーム部とが配置される。このように、本発明のさらに別の一つの局面に従った椅子は、折り畳み可能に構成されている。
このように、本発明によれば、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子を提供することができる。
本発明のさらに別の一つの局面に従った椅子において、好ましくは、第1のフレーム部に対して第3のフレーム部が第2の位置に配置され、且つ、第1のフレーム部に対して第2のフレーム部が第4の位置に配置される場合に、第1のフレーム部と第2のフレーム部とによって椅子が起立する。
この構成によれば、当該椅子が折り畳まれたときでも、当該椅子が壁面等に支持されること無く起立する。そのため、使用者が当該椅子を使用しない場合に、室内の空間が当該椅子によって無駄に占領されるような事態をより効果的に防止することができる。
以上のように、本発明によれば、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子を提供することができる。
あるいは、本発明によれば、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である椅子100を右側方から見た側面図である。
図1に示すように、椅子100は、座部21と脚支持部22と脚部10とを備える。脚支持部22は、座部21に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように、座部21よりも下方に配置される。つまり、脚支持部22は、座部21よりも前方且つ下方に配置される。なお、図1の左方は、椅子100の前方である。
座部21の底部は、合板材料によって構成されている。この合板材料にウレタンチップの層とウレタンのシートの層とが順に積層されている。これらウレタン素材の層がカバー部材に覆われることにより、座部21が構成される。また、脚支持部22も同様に構成されている。
図2は、椅子100を右側方から見た側面図であって、膝曲げ式の椅子の用途において使用される形状に変換された椅子100および椅子100に着座する使用者を示す図である。なお、使用者の肘よりも先の部分の図示は省略する。
座部21は、使用者の臀部を載せるための部材である。後述するように、椅子100がリラックスチェアとして用いられる場合には、座部21は椅子100の背を形成し、且つ、脚支持部22が別の座部を形成する。座部21は、脚部10に対して回転可能に構成されている。つまり、水平面に対して座部21が傾斜する角度は変化する。椅子100においては、水平面に対して座部21が傾斜する角度は、14段階に設定されている。図2には、水平面と略平行である床面を表す直線Lを示す。
椅子100においては、座部21の下面21bが略平面を形成している。したがって、座部21が延びる方向を示す直線とは、椅子100を側面から見る場合に座部21の下面21bが延びる方向を示す直線のことである。ただし、座部21が延びる方向とは、椅子100の側面視において、座部21の上面21aが延びる方向であってもよく、支持フレーム18が延びる方向であってもよい。支持フレーム18は、座部21の下面21bに固定されている。
また、椅子100の側面視において座部21の上面21a,下面21bが延びる方向とは、それぞれ、上面21a,下面21bが曲面である場合には、椅子100の側面視において上面21aの前端と後端とを結ぶ弦,下面21bの前端と後端とを結ぶ弦が延びる方向のことであってもよい。あるいは、椅子100の側面視において座部21の上面21a,下面21bが延びる方向とは、それぞれ、上面21a,下面21bにおいて略直線を形成する部分が延びる方向のことであってもよい。さらに、椅子100の側面視において、支持フレーム18が延びる方向とは、支持フレーム18が曲線状の形状を有している場合には、支持フレーム18の前端と後端とを結ぶ弦が延びる方向のことであってもよく、支持フレーム18において略直線を形成する部分が延びる方向のことであってもよい。
一方、椅子100の側面視において、脚支持部22が延びる方向を示す直線は、水平面に対して例えば19.5°で傾斜している。椅子100においては、脚支持部22の下面22bが略平面を形成している。したがって、脚支持部22が延びる方向とは、脚支持部22の下面22bが延びる方向のことである。ただし、脚支持部22が延びる方向とは、椅子100の側面視において、脚支持部22の上面22aが延びる方向であってもよく、支持フレーム19が延びる方向であってもよい。支持フレーム19は、下面22bに固定されている。また、脚支持部22が延びる方向を示す直線等の定義については、上記の座部21が延びる方向を示す直線を定義した例を同様に用いることができる。
座部21は、脚部10に対する座部21の回転中心を形成する回転中心21cと、第1の端部の一例としての前端部(参照番号なし)と、第2の端部の一例としての後端部(参照番号なし)とを有する。座部21の前端部とは、椅子100を側面から見る場合に、座部21において脚支持部22に近い側の端部である。座部21の後端部とは、椅子100を側面から見る場合に、座部21において脚支持部22から遠い側の端部である。前端部は、回転中心21cよりも脚支持部22に近い位置に配置される。後端部は、回転中心21cに対して前端部と反対側に配置され且つ回転中心21cよりも脚支持部22から離れた位置に配置される。なお、回転中心21cは、詳細には後述するフレーム11に対する座部21の回転中心である。
1段目つまり最下段として設定された、水平面に対して座部21が傾斜する角度は、−15.5°である。座部21が最下段に位置する場合には、座部21の後端部が水平面よりも下方に位置する。図1において二点鎖線で示す二つの座部21のうち、座部21の後端部が水平面よりも下方に位置するように角度が調整されたものが、1段目に位置する座部21である。また、図1において二点鎖線で示す二つの座部21のうち、座部21において後端部が上方に位置し且つ前端部が下方に位置するように角度が調整されたものが、最上段として14段目に位置する座部21である。14段目として設定された角度は、62.5°である。
さらに、2段目として設定された角度は、−9.5°である。また、3,4,5段目として設定された角度は、それぞれ、−3.5°,2.5°,8.5°である。これらのうち、4,5段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、後述するように、例えば椅子100をスツールとして用いることができる。また、1〜3段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、後述するように、図2に示す使用者が逆を向くように椅子100に着座することによって、例えば椅子100をスツールとして用いることができる。
さらに続いて、6,7,8,9,10段目として設定された角度は、それぞれ、14.5°,20.5°,26.5°,32.5°,38.5°である。また、11,12,13,14段目として設定された角度は、それぞれ、44.5°,50.5°,56.5°,62.5°である。これらのうち、例えば6〜10段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、図2に示すように、膝曲げ式の椅子として椅子100を用いることができる。また、12〜14段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、後述するように、脚支持部22が別の座部を形成し且つ座部21が椅子100の背を形成する。これにより、例えば椅子100をリラックスチェアとして用いることができる。
なお、水平面に対して座部21が傾斜する角度の例はすべて一例であって、水平面に対して座部21が傾斜する角度には、他の角度が設定されていてもよく、最下段から最上段までの段の数は14に限定されない。なお、最上段よりも上段の側に、フレーム11に対して座部21を回転させる場合に、ラチェット機構を含む構成によって座部21の後端部が自由に下方に移動する。これにより、水平面に対して座部21が傾斜する角度が最下段に戻る。さらに、再び、最下段から順に2,3,4,・・・,14段目まで水平面に対して座部21が傾斜する角度を変化させることができる。
図1において実線で示す座部21と、図2に示す座部21とは、14段のうちの8段目に位置する座部21である。使用者は、座部21の上面21aに臀部を載せ、且つ、脚支持部22の上面22aに脛等の膝よりも下の部分を載せることによって、膝曲げ式の椅子として椅子100を使用することができる。この場合において、使用者の脚の長さと足の大きさ等によっては、使用者のつま先が床に届くため、使用者は、着座の姿勢をより安定させることができる。
なお、クッション性を有する追加のパッド(図示せず)を脚支持部22の上面22aに載せることによって、幼児等の身長が比較的低い使用者も、着座の姿勢を安定させたうえで、膝曲げ式の椅子の用途において椅子100を使用することができる。このパッドの内部は、例えば、ウレタンの二つのシートの層の間にウレタンチップの層が積層されている。さらに、これらウレタン素材の層がカバー部材に覆われることによってパッドが構成される。また、このパッドの表面には、脚支持部22からパッドがずれ難いように、必要な処理が施されていることが好ましい。
脚部10は、第1のフレーム部の一例としてのフレーム11と、第2のフレーム部の一例としてのフレーム12と、第3のフレーム部の一例としてのフレーム13とを含む。脚部10を構成するフレーム11とフレーム12とフレーム13とを含む棒状の部材は、金属性の管部材によって形成されている。フレーム11は、座部21と脚支持部22とを支持する。
図3は、椅子100の全体を示す斜視図である。図4は、椅子100の正面図である。図5は、椅子100を右側方から見た側面図である。図6は、椅子100の背面図である。図3〜6に示す椅子100の形状は、図2に示すように膝曲げ式の椅子の用途において使用される形状である。
図3に示すように、フレーム11は、互いに並行して延びる二つの管部材によって構成されている。この二つの管部材は、椅子100の幅方向(椅子100の左右方向)に沿って並んでいる。フレーム11には、略水平方向(椅子100の幅方向)に延びた梁14が接続される。図2に示すように膝曲げ式の椅子の用途において使用者が椅子100に着座する場合には、使用者の足が椅子100の幅方向に沿って左右のフレーム11の外側に配置される。フレーム11の下端には、略水平方向に延びる管部材として、水平部16が固定されている。図4に示すように、水平部16は、椅子100の幅方向に沿って延びる。水平部16の両端には、それぞれ、ゴムまたは合成樹脂等の弾性材料によって形成されたストッパ41,42が取り付けられている。
図5に示すように、椅子100が使用される状態においては、フレーム11は、実質的に上下方向に延びるとともに椅子100の前後方向に延びている。フレーム11の下端と上端との間には、屈曲部111と屈曲部112とが形成されている。梁14は、屈曲部112の位置においてフレーム11に接続される(図1および図5参照)。椅子100の側面視において、フレーム11の屈曲部111と屈曲部112との間の部分が延びる方向が水平方向に対して傾斜する角度は、フレーム11の下端から屈曲部111までの部分が延びる方向が水平方向に対して傾斜する角度よりも小さい。フレーム11の屈曲部112から上端までの部分が水平方向に対して傾斜する角度は、フレーム11の下端から屈曲部111までの部分が延びる方向が水平方向に対して傾斜する角度よりも大きい。
図3に示すように、フレーム12は、互いに並行して延びる二つの管部材によって構成されている。この二つの管部材は、椅子100の幅方向に沿って並んでいる。二つのフレーム12の上端には、それぞれ、ブラケット31,32が固定されている。ブラケット31,32がフレーム11の屈曲部112(図5参照)と上端との間の部分に回転可能に接続されることによって、フレーム12がフレーム11に接続される。フレーム12は、図5に示すように、脚支持部22から離れる方向(つまり、椅子100の後方)且つ下方に延びる。また、ブラケット31と、右側のフレーム11との間には、フレーム11に対するフレーム12およびブラケット31の回転中心を形成する回転中心12cが形成される(図3参照)。同様に、ブラケット32と、左側のフレーム11との間には、フレーム11に対するフレーム12およびブラケット32の回転中心を形成する回転中心12cが形成される。
図6に示すように、フレーム12には、略水平方向(椅子100の幅方向)に延びた梁15が接続される。梁15は、梁14が配置される位置と略同一高さの位置において、二つのフレーム12に接続される(図1および図6参照)。フレーム12の下端には、略水平方向に延びる管部材として、水平部17が固定されている。水平部17は、椅子100の幅方向に沿って延びる。水平部17の両端には、それぞれ、ストッパ43,44が取り付けられている。ストッパ43,44は、ストッパ41,42と同様に形成されており、一方端が閉口した筒形状を有する。
図4に示すように、フレーム13は、フレーム11と脚支持部22とを接続するように、フレーム11に接続される。フレーム13は、互いに並行して延びる二つの管部材によって構成されている。この二つの管部材は、椅子100の幅方向に沿って並んでいる。フレーム13の下端には、それぞれ、ブラケット33,34が固定されている。ブラケット33,34がフレーム11の屈曲部111(図5参照)と下端との間の部分に一定の角度範囲で回転可能に接続されることによって、フレーム13がフレーム11に接続される。ブラケット33と、右側のフレーム11との間には、フレーム11に対するフレーム13およびブラケット33の回転中心を形成する回転中心13cが形成される(図1参照)。同様に、ブラケット34と、左側のフレーム11との間には、フレーム11に対するフレーム13およびブラケット34の回転中心を形成する回転中心13cが形成される。一方、フレーム13は支持フレーム19に固定されているため、脚支持部22とフレーム13とは相対回転しない。
以下においては、座部21の形状と脚支持部22の形状等について、図7,8を用いて説明する。図7は、座部21の正面図である。図8は、脚支持部22の正面図である。
図7に示すように、座部21は、椅子100の座面または背に適した形状を有している。座面として使用者の臀部が接触し、または、椅子100の背として使用者の背中が接触する表面(つまり、上面21a)の裏側には、支持フレーム18が固定されている。座部21の背面視において、支持フレーム18は、逆向きの略U字形状を有している(図6参照)。
図8に示すように、脚支持部22の正面視において、脚支持部22は、逆向きの略U字形状を有している。このような形状によって、脚支持部22の幅方向(椅子100の左右方向と同じ方向)における中心付近の後部には、空洞部22dが形成される。なお、図8の上方から下方を向く方向は、椅子100(図1参照)の略前方から略後方に向かう方向である。
以下においては、フレーム11に回転可能に接続される座部21について、フレーム11と座部21との間の連結の構成を説明する。椅子100においては、座部21がフレーム11に対して回転可能であるように、支持フレーム18を介して座部21がフレーム11に接続されている。つまり、座部21は、座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度が変化するように、フレーム11に対して回転可能である。なお、各フレーム11と座部21との間の連結の構成は同様である。
図9は、図4のIX部分の一部拡大図である。図10は、図5のX部分の一部拡大図である。図11は、図6のXI部分の一部拡大図である。
なお、図10に示す座部21の周りの部材は、図5の破線の円で示すX部分から、水平面に対して座部21が傾斜する角度が減少されるように椅子100の形状が変換された状態のものである。詳細には、図5においては、14段のうちの8段目に座部21が位置する形状に変換された椅子100を示す。一方、図10には、14段のうちの4段目に位置する座部21の周りの部材を示す。
また、図11に示す座部21の周りの部材は、図6の破線の円で示すXI部分から、水平面に対して座部21が傾斜する角度が増大されるように椅子100の形状が変換された状態のものである。詳細には、図6においては、14段のうちの8段目に座部21が位置する形状に変換された椅子100を示す。一方、図11には、14段のうちの最上段に位置する座部21の周りの部材を示す。
図9に示すように、フレーム11には、ブラケット39が固定されている。ブラケット39の一部がフレーム11の上端11aから内部に差し込まれている。一方、図10に示すように、座部21に固定された支持フレーム18の内部には、ブラケット38が差し込まれている。
図10に示すように、ブラケット38の一部は、ブラケット39に包まれるようにブラケット39の内部に配置される。また、ブラケット38とブラケット39とが、板部材であるカバー40によって覆われている。図11に示すように、椅子100の背面視において、ブラケット39の下部は、カバー40に覆われている。図9に示すように、ブラケット38とブラケット39とを貫通する軸部材37が、ブラケット38の内部に配置されている。ブラケット38には、歯が形成されている。これらの歯は、軸部材37の周囲において歯支持部36に噛み合わされている。歯支持部36は、カバー40に接続され、且つ、ブラケット39の内部において略水平に延びている。ブラケット38の歯と歯支持部36とを含むラチェット機構の作動によって、フレーム11に対する座部21の回転角度を調整することができる。座部21の回転中心21cは、軸部材37の軸心と略一致する。
次に、フレーム11とフレーム12との間の連結の構成を説明する。図12は、図5のXII部分の一部拡大図である。図12に示すように、フレーム11の上端11aよりも下方の位置において、ブラケット31がフレーム11に回転可能に接続される。また、フレーム12は、ブラケット31に固定される。フレーム11とブラケット31との間には、フレーム11に対するフレーム12およびブラケット31の回転中心12cが形成される。なお、各フレーム12と各フレーム11との間の連結の構成は同様であって、左側のフレーム11と左側のフレーム12と、ブラケット32(図3参照)との間の連結の説明については省略する。
以上、椅子100においては、フレーム12がフレーム11に対して回転可能であるように、ブラケット31,32を介してフレーム12がフレーム11に接続されている。フレーム11に対するフレーム13の回転の範囲は、ブラケット31,32の形状および剛性によって制限される。具体的には、フレーム12は、ブラケット31,32の上端近傍がフレーム11に略接触する位置と、ブラケット31,32またはフレーム12がフレーム11に略接触する位置との間において、回転中心12cを中心にしてフレーム11に対して回転する。また、フレーム11に対してフレーム12が折り畳まれるときには、ブラケット31,32およびフレーム12は、回転中心12cを中心にしてフレーム11に対して椅子100の右側面視において時計回りに回転する。このようにして、フレーム12は、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。
次に、フレーム11とフレーム13との間の連結の構成を説明する。椅子100においては、フレーム13と支持フレーム19と脚支持部22とがフレーム11に対して回転可能であるように、フレーム13がブラケット33,34を介しフレーム11に接続されている(図1,3参照)。なお、各フレーム13と各フレーム11との間の連結の構成は同様である。なお、ブラケット33,34の形状および剛性によって、フレーム11に対するフレーム13の回転の範囲が制限されている。具体的には、フレーム13は、ブラケット33,34の下端近傍がフレーム11に略接触する位置と、ブラケット33,34またはフレーム13がフレーム11に略接触する位置との間において、回転中心13cを中心にしてフレーム11に対して回転する。また、フレーム11に対してフレーム13が折り畳まれるときには、ブラケット33,34およびフレーム13は、回転中心13cを中心にしてフレーム11に対して椅子100の右側面視において時計回りに回転する。このようにして、フレーム13は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。
なお、フレーム11に回転可能に接続される座部21について、上記の説明におけるフレーム11と座部21との間の連結の構成と、上記ラチェット機構を含む構成とは一例である。椅子100においては、座部21がフレーム11に対して回転可能であるように、座部21がフレーム11に接続されていればよく、フレーム11と座部21との間の連結の構成には、一般的または公知の椅子における座面の角度の調整に用いられる構成を適用することができる。
続いて、リラックスチェアの用途において使用される形状に変換された椅子100について、図13〜17を用いて説明する。図13〜17は、肘掛けを含まない一般的なリラックスチェアの用途において使用される形状に変換された椅子100を示す図である。図13〜17に示す椅子100の形状は、上記14段目(言い換えると最上段)の位置に座部21が配置されるように変換された椅子100の形状である。図13は、椅子100を右側方から見た側面図であって、椅子100および椅子100に着座する使用者を示す図である。なお、図13において、使用者の肘よりも先の部分の図示は省略する。
図14は、椅子100の全体を示す斜視図である。図15は、椅子100の正面図である。図16は、椅子100を右側方から見た側面図である。図17は、椅子100の背面図である。上記12〜14段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、椅子100をリラックスチェアとして用いることができる。このような椅子100の形状によれば、脚支持部22が別の座部を形成し、且つ、座部21が椅子100の背を形成することによって、リラックスチェアとして椅子100を用いることができる。
椅子100の側面視において、脚支持部22が延びる方向を示す直線は、水平面に対して例えば19.5°で傾斜している。したがって、脚支持部22が延びる方向を示す直線と、座部21が延びる方向を示す直線とが交差する角度は、98°以上且つ110°以下の範囲を含む。
続いて、スツールの用途において使用される形状に変換された椅子100について、図18〜22を用いて説明する。図18〜22は、スツールの用途において使用される一つの形状に変換された椅子100を示す図である。図18〜22に示す椅子100の形状は、上記4段目の位置に座部21が配置されるように変換された椅子100の形状である。
図18は、椅子100を右側方から見た側面図であって、椅子100および椅子100に着座する使用者を示す図である。なお、図18において、使用者の肘よりも先の部分の図示は省略する。図19は、椅子100の全体を示す斜視図である。図20は、椅子100の正面図である。図21は、椅子100を右側方から見た側面図である。図22は、椅子100の背面図である。
上記4,5段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合には、椅子100をスツールとして用いることができる。上記4,5段目の位置に座部21が配置される場合には、座部21が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部21が配置される。すなわち、座部21は、座部21が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部21を配置することができるように構成されている。
なお、スツールの一つの形状を有する椅子100において、脚支持部22およびフレーム13は、フレーム11に対して折り畳まれていなくてもよい。脚支持部22およびフレーム13がフレーム11に対して折り畳まれていなくても、使用者は、両脚を広げるように椅子100に着座することができる。
一方、図19に示すように、所定の折り畳みの状態が形成される上記第2の位置に、フレーム11に対してフレーム13が配置される場合には、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11が配置される。
また、以下においては、スツールの用途において使用される別の形状に変換された椅子100について、図23〜28を用いて説明する。図23〜28は、スツールの用途において使用される別の一つの形状に変換された椅子100を示す図である。図23〜28に示す椅子100の形状は、上記1段目(言い換えると最下段)の位置に座部21が配置されるように変換された椅子100の形状である。
図23は、椅子100を右側方から見た側面図であって、椅子100および椅子100に着座する使用者を示す図である。なお、図23において、使用者の肘よりも先の部分の図示は省略する。図24は、椅子100の全体を示す斜視図である。図25は、椅子100の正面図である。図26は、椅子100を右側方から見た側面図である。図27は、椅子100の背面図である。
上記1〜3段目の位置に座部21が配置されるように椅子100の形状が変換される場合にも、椅子100をスツールとして用いることができる。上記1〜3段目の位置に座部21が配置される場合に、座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度の範囲は、座部21の後端部が水平面よりも下方に移動する方向の角度の範囲である。
なお、スツールの別の一つの形状を有する椅子100においても、脚支持部22およびフレーム13は、フレーム11に対して折り畳まれていなくてもよい。脚支持部22およびフレーム13がフレーム11に対して折り畳まれていなくても、使用者の脚の周りの空間には障害物が無い状態が形成されるため、使用者は、両脚を広げるか否かにかかわらず、椅子100に容易に着座することができる。
さらに続いて、折り畳まれた椅子100について、図28〜30を用いて説明する。図28〜30は、折り畳まれた椅子100を示す図である。なお、図28〜30に示す椅子100の形状において、座部21は、上記14段目(言い換えると最上段)の位置に配置されている。
図28は、椅子100の正面図である。図29は、椅子100を右側方から見た側面図である。図30は、椅子100の背面図である。椅子100が折り畳まれる場合には、所定の折り畳みの状態が形成される上記第2の位置にフレーム11に対してフレーム13が配置され、且つ、所定の折り畳みの状態が形成される上記第4の位置にフレーム11に対してフレーム12が配置される。この場合には、脚支持部22における空洞部22dに、フレーム11とフレーム12とが配置される。また、この場合には、ストッパ41,42,43,44が床に接触しつつ、フレーム11とフレーム12とによって椅子100が起立する。
以上のように、椅子100は、座部21と脚支持部22と脚部10とを備える。脚支持部22は、座部21に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部21よりも下方に配置される。脚部10は、フレーム11とフレーム12とフレーム13とを含む。フレーム11は、座部21と脚支持部22とを支持する。フレーム12は、フレーム11に接続される。また、フレーム12は、椅子100の後方且つ下方に延びる。フレーム13は、フレーム11と脚支持部22とを接続するようにフレーム11に接続される。座部21は、座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度が変化するように、フレーム11に対して回転可能である。
このように、椅子100は、座部21と、座部21に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部21よりも下方に配置された脚支持部22とを備えることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含む。
椅子100においては、水平面に対する座部21の角度を変えることのみによって、椅子100の形状を、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途において使用するものに簡便に変換することができる。そのため、使用者は、椅子100を比較的長い時間使用することができる。このとき、使用者は、逆の方を向くように180°回転することなく、椅子100に着座することができる。つまり、椅子100においては、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることができる。
このようにすることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子100を提供することができる。
椅子100において、座部21は椅子100の背を形成し、且つ、脚支持部22は椅子100の別の座部を形成する。
この構成によれば、水平面に対する座部21の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なリラックスチェアの用途において使用する形状に、椅子100の形状を簡便に変換することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において椅子100を使用することができる。
椅子100においては、座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して50°以上の角度で傾斜するように、座部21が水平面に対して傾斜する。
この構成によれば、使用者の背丈、脚の長さ、または、姿勢等に応じて、椅子100の背の角度を調整することができるため、一般的なリラックスチェアとして使用者に椅子100を比較的長い時間使わせることができる。
また、椅子において、脚支持部22が延びる方向を示す直線と、座部21が延びる方向を示す直線とが交差する角度は、98°以上且つ110°以下の範囲を含む。
この構成によれば、使用者の背丈、脚の長さ、または、姿勢等に応じて、椅子100の背と別の座部との間の角度を調整することができるため、一般的なリラックスチェアとして使用者に椅子100を比較的長い時間使わせることができる。
椅子100において、座部21は、座部21が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部21を配置することができるように、構成されている。
この構成によれば、水平面に対する座部21の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なスツールの用途において使用する形状に、椅子100の形状を簡便に変換することができる。この場合に、使用者は、逆の方を向くように180°回転することなく、スツールの用途において使用される形状に変換された椅子100に着座することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において椅子100を使用することができる。
椅子100において、脚支持部22とフレーム13とは、フレーム11に対して回転可能である。
この構成によれば、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して折り畳むことによって使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができるため、スツールとして椅子100を使用する場合に、使用者の脚の自由度を高めることができる。
椅子100において、椅子100を上方から見る場合に脚支持部22の形状が略U字状であるように、脚支持部22には空洞部22dが形成されている。フレーム13は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。フレーム11に対してフレーム13が第2の位置に配置される場合に、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11が配置される。
この構成によれば、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して折り畳むことによってフレーム11に対してフレーム13が第2の位置に配置される場合には、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11が配置される。これにより、使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができる。このようにして、スツールとして椅子100を使用する場合に、使用者の脚の自由度を高めることができる。
椅子100において、座部21は、フレーム11に対する座部21の回転中心21cと、前端部と、後端部とを有する。前端部は、回転中心21cよりも脚支持部22に近い位置に配置される。後端部は、回転中心21cに対して前端部と反対側に配置され且つ回転中心21cよりも脚支持部22から離れた位置に配置される。座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度は、後端部が水平面よりも下方に移動する方向の角度の範囲を含む。
この構成によれば、水平面に対する座部21の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途のうちの一般的なスツールの用途で使用する形状に、椅子100の形状を簡便に変換することができる。このように、この構成によれば、より多くの用途において椅子100を使用することができる。
なお、この場合には、膝曲げ式の椅子の用途からスツールの用途で使用する状態に椅子100の形状を変換させた後に、使用者は一度180°回転して逆の方に向き直したうえで着座することができる。つまり、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して折り畳むことなしに使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができるため、脚の自由度を高く維持したままで、スツールとして椅子100を使用することができる。
椅子100を上方から見る場合に脚支持部22の形状が略U字状であるように、脚支持部22には空洞部22dが形成されている。フレーム13は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。フレーム12は、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。フレーム11に対してフレーム13が第2の位置に配置され、且つ、フレーム11に対してフレーム12が第4の位置に配置される場合に、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11とフレーム12とが配置される。
この構成によれば、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して移動させ、且つ、フレーム12をフレーム11に対して移動させることにより、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11とフレーム12とが配置される。このように、椅子100は、膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子として、折り畳み可能に構成されている。そのため、使用者が椅子100を使用しない場合に、室内の空間が椅子100によって無駄に占領されるような事態を防止することができる。
また、フレーム11に対してフレーム13が上記第2の位置に配置され、且つ、フレーム11に対してフレーム12が上記第4の位置に配置される場合に、フレーム11とフレーム12とによって椅子100が起立する。
この構成によれば、椅子100が折り畳まれたときでも、椅子100が壁面等に支持されること無く起立する。そのため、使用者が椅子100を使用しない場合に、室内の空間が椅子100によって無駄に占領されるような事態をより効果的に防止することができる。
さらに、椅子100においては、水平面に対する座部21の角度を変えることのみによって、膝曲げ式の椅子以外の複数の用途で使用する椅子として、一般的なリラックスチェアの用途で使用する形状に、または、一般的なスツールの用途で使用する形状に、当該椅子の形状を簡便に変換することができる。そのため、椅子100を比較的長い時間使用者に使用させることができる。
なお、座部21の後端部が水平面よりも下方に移動するようにフレーム11に対して座部21を回転させる場合には、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して折り畳むことなしに使用者の脚の周りの空間に障害物が無い状態を形成することができる。そのため、脚の自由度を高く維持したままで、スツールとして椅子100を使用することができる。
また、椅子100においては、脚支持部22とフレーム13とをフレーム11に対して移動させ、且つ、フレーム12をフレーム11に対して移動させることにより、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11とフレーム12とが配置される。このように、椅子100は、膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子として、折り畳み可能に構成されている。そのため、使用者が椅子100を使用しない場合に、室内の空間が椅子100によって無駄に占領されるような事態を防止することができる。
このようにすることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、膝曲げ式の椅子の用途の形状から別の複数の用途の形状に、より簡便に変換させることが可能な椅子100であって、且つ、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子100を提供することができる。
なお、水平部16に取り付けられるストッパ41,42と、水平部17に取り付けられるストッパ43,44との代わりに、椅子100においては脚部10の下端にローラまたはキャスタ等が取り付けられていてもよい。ただし、ローラまたはキャスタには、ロック機構等が設けられていることが好ましい。このようなロック機構は、床面に対して回転自在であるローラまたはキャスタの回転を制限する機能を有する。
なお、フレーム11とフレーム13との相対移動の範囲を制限するストッパ等が、フレーム11とフレーム13との間を連結する構成に設けられていてもよい。また、フレーム11とフレーム12との相対移動の範囲を制限するストッパ等が、フレーム11とフレーム12との間を連結する構成に設けられていてもよい。これらのストッパ等によれば、フレーム13を、上記第1の位置と上記第2の位置との間においてフレーム11に対して移動させることができる。また、フレーム12を、上記第3の位置と上記第4の位置との間においてフレーム11に対して移動させることができる。
なお、フレーム13に対して脚支持部22が回転可能であるように脚支持部22とフレーム13との間の連結を構成することによって、さらに別の複数の用途の形状に椅子100の形状を変換させることができる。つまり、脚支持部22は、脚支持部22が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度が変化するように、フレーム13に対して回転可能であるように構成されていてもよい。椅子100においては、脚支持部22がフレーム13に対して回転可能であるように、脚支持部22または支持フレーム19がフレーム13に接続されていればよい。脚支持部22または支持フレーム19とフレーム13との間の連結の構成には、一般的または公知の椅子における座面の角度の調整に用いられる構成を適用することができる。あるいは、脚支持部22または支持フレーム19とフレーム13との間の構成には、上記ラチェット機構を含む構成が用いられていてもよい。さらに、脚支持部22または支持フレーム19とフレーム13との相対移動を制限するストッパ等が、脚支持部22とフレーム13との間を連結する構成に設けられていてもよい。
脚支持部22は、椅子100の側面視において、脚支持部22が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に脚支持部22を配置することができるように構成されていてもよい。水平面に対して脚支持部22がこのように配置される場合には、脚支持部22は、椅子100の別の座部を形成する。さらに、脚支持部22がこのように配置される場合に、例えば図21に示すように、座部21が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に座部21が配置されるとき(例えば、上記4,5段目の位置に座部21が配置されるとき)には、座部21は、机の天板、または、椅子100の肘掛けを形成する。つまり、使用者は、図23に示すように逆の方に向いたうえで脚支持部22に臀部を載せることによって椅子100を椅子兼机として使用することができ、または、椅子100の側方を向くように脚支持部22に臀部を載せることによって座部21に片肘を載せることができる。
また、椅子100の側面視において、脚支持部22が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に脚支持部22が配置される場合には、座部21が椅子100の背を形成し、且つ、脚支持部22が椅子100の別の座部を形成する。なお、この場合に、座部21は、例えば図13に示すように、座部21が延びる方向を示す直線が略鉛直方向に延びる位置(例えば、上記12〜14段目の位置)に配置されることが好ましい。このような形状によれば、椅子100を座椅子のように使用することができる。
以上のように、脚支持部22は、フレーム13に対して回転可能である。この構成によれば、水平面に対する脚支持部22の角度と座部21の角度とを変えることによって、椅子100の形状を、膝曲げ式の椅子以外のさらに複数の用途において使用するものに簡便に変換することができる。そのため、使用者に、椅子100を比較的長い時間使用させることができる。
脚支持部22は、脚支持部22が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に脚支持部22を配置することができるように構成されている。脚支持部22は、椅子100の別の座部を形成する。座部21は、机の天板を形成する。
この構成によれば、椅子100の形状を、椅子兼机の用途において使用するものに簡便に変換することができる。
脚支持部22は、脚支持部22が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に脚支持部22を配置することができるように構成されている。脚支持部22、椅子100の別の座部を形成する。座部21は、椅子100の肘掛けを形成する。
この構成によれば、使用者に、片肘を休息させながら椅子100を使用させることができる。
脚支持部22は、脚支持部22が延びる方向を示す直線が略水平方向に延びる位置に脚支持部22を配置することができるように構成されている。座部21は、椅子100の背を形成する。脚支持部22は、椅子100の別の座部を形成する。
この構成によれば、使用者に、椅子100を座椅子のように使用させることができる。
なお、脚支持部22とフレーム13とがフレーム11に対して回転することによって椅子100の側面視において脚支持部22が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度を調整することができるように、フレーム11とフレーム13との間の連結が構成されていてもよい。フレーム11とフレーム13との間の連結の構成には、一般的または公知の椅子における座面の角度の調整に用いられる構成を適用することができる。あるいは、フレーム11とフレーム13との間の構成には、上記ラチェット機構を含む構成が用いられていてもよい。さらに、フレーム11とフレーム13との間の連結の構成には、フレーム11とフレーム13との相対移動を制限するストッパ等が設けられていてもよい。
(第2実施形態)
以下においては、本発明の第2実施形態である椅子200について、図31〜33を用いて説明する。図31,32,33には、折り畳まれた椅子200を示す。図31は、椅子200の正面図である。図32は、椅子200を右側方から見た側面図である。図33は、椅子200の背面図である。なお、以下において、第1実施形態の椅子100の構成と同様の機能を有する構成には同符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態の椅子100(図1参照)と椅子200とが異なる点は、椅子200においては、フレーム11に対する座部21の回転が制限されており、座部21が延びる方向を示す直線が水平面に対して傾斜する角度は変化しない。椅子200が使用される状態において椅子200を側面から見る場合に、座部21は、水平面に対して例えば26.5°で傾斜する。このように、椅子200、水平面およびフレーム11に対する座部21の傾斜角度が変化しないように構成されている。第2実施形態の椅子200のその他の構成は、第1実施形態の椅子100と同様である。
椅子200が折り畳まれる場合には、所定の折り畳みの状態が形成される上記第2の位置にフレーム11に対してフレーム13が配置され、且つ、所定の折り畳みの状態が形成される上記第4の位置にフレーム11に対してフレーム12が配置される。この場合には、脚支持部22における空洞部22dに、フレーム11とフレーム12とが配置される。また、この場合には、ストッパ41,42,43,44が床に接触しつつ、フレーム11とフレーム12とによって椅子200が起立する。
以上のように、椅子200は、座部21と脚支持部22と脚部10とを備える。脚支持部22は、座部21に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部21よりも下方に配置される。脚部22は、フレーム11とフレーム12とフレーム13とを含む。フレーム11は、座部21と脚支持部22とを支持する。フレーム12は、フレーム11に接続され、椅子200の後方且つ下方に延びる。フレーム13は、フレーム11と脚支持部22とを接続するようにフレーム11に接続される。
椅子200を上方から見る場合に脚支持部22の形状が略U字状であるように、脚支持部22には空洞部22dが形成されている。フレーム13は、所定の使用の状態が形成される第1の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第2の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。フレーム12は、所定の使用の状態が形成される第3の位置と所定の折り畳みの状態が形成される第4の位置との間においてフレーム11に対して移動が可能であるように構成されている。フレーム11に対してフレーム13が第2の位置に配置され、且つ、フレーム11に対してフレーム12が第4の位置に配置される場合に、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11とフレーム12とが配置される。
椅子200は、座部21と、座部21に着座する使用者の膝よりも下方の部位を載せることができるように座部21よりも下方に配置された脚支持部22とを備えることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含む。
また、椅子200において、フレーム11に対してフレーム13が第2の位置に配置され、且つ、フレーム11に対してフレーム12が第4の位置に配置される場合には、脚支持部22における空洞部22dにフレーム11とフレーム12とが配置される。このように、椅子200は、折り畳み可能に構成されている。
このようにすることにより、膝曲げ式の椅子の構成を含むより有用な椅子として、折り畳み可能に構成された膝曲げ式の椅子の構成を含む椅子200を提供することができる。
また、フレーム11に対してフレーム13が上記第2の位置に配置され、且つ、フレーム11に対してフレーム12が上記第4の位置に配置される場合に、フレーム11とフレーム12とによって椅子200が起立する。
この構成によれば、椅子200が折り畳まれたときでも、椅子200が壁面等に支持されること無く起立する。そのため、使用者が椅子200を使用しない場合に、室内の空間が椅子200によって無駄に占領されるような事態をより効果的に防止することができる。
なお、椅子100,200の折り畳みについては、所謂ノックダウン方式(組み立て式)の折り畳みの構成を含まない。つまり、椅子100,200は、ボルトまたはネジ等を外すことなく折り畳むことができるものである。また、椅子100,200は、好ましくは、フレーム11,12,13の相対移動を制限するストッパ等がロックされた状態を、手作業で外すことなく折り畳むことができるものである。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。