JP6104004B2 - 放射線撮像システム、コンピュータ及びプログラム - Google Patents

放射線撮像システム、コンピュータ及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、医療診断における一般撮影などの静止画撮影や透視撮影などの動画撮影に好適に用いられる放射線撮像システム、コンピュータ及びプログラムに関する。
現在、X線による医療画像診断や非破壊検査に用いる撮影装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(Flat Panel Detector;以下FPDと略す)を用いた放射線撮像装置が普及している。このような放射線撮像装置は、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影のデジタル撮像装置として用いられている。このような撮像装置では、X線発生装置とFPDの同期を行う構成が一般的である。しかしながら、FPDの設置時にX線発生装置とのつなぎこみが必要であり、設置場所が制限されるという課題がある。このような課題に対して、現在では、放射線の照射の開始や終了を検知することが可能な放射線撮像装置及び放射線撮像システムが提案されている。
しかしながら、このような放射線撮像装置及び放射線撮像システムにおいて、放射線の照射が実際に開始されてから放射線撮像装置で放射線の照射開始を検知するまでに、時間がかかることがある。従って、その間に読み出し処理やリセット処理を行った画素において発生した有用な電荷の一部が、信号線に流出し、画像にアーチファクトを生じる可能性がある。
そこで、特許文献1では、このようなアーチファクトが複数の走査線に連続して現われることを防止する方法が開示されている。特許文献1は、放射線の照射の開始までのリセット処理において、検出部上で隣接する走査線以外の走査線にオン電圧を印加するようにして、オン電圧を順次印加しながら放射線の照射を待つ方法を開示している。さらに、放射線の照射後の読み出し処理で読み出された画像において、アーチファクトに該当する走査線上の画像データは破棄し、隣接する画像データに基づいて線形補間することにより、アーチファクトを修復する形態が示されている。
また、放射線の照射の開始までに上記のリセット処理の代わりに、読み出し処理を行い、放射線の照射が為された時の読み出し処理で読み出された画像データと放射線の照射後の読み出し処理で読み出された画像データを加算してアーチファクトを修復する。
特開2011−249891号公報
しかしながら、上記のように、アーチファクトに該当する走査線上の画像データを破棄し、隣接する画像データで線形補間することにより修復する方法の場合、該当する走査線上の診断情報が失われてしまうため、解像度が低下してしまうという課題がある。また、隣接する画像データにライン状のノイズが乗ってしまった場合、正しく修復できない場合がある。
また、上記のように、放射線の照射が為された時の読み出し処理で読み出された画像データと放射線の照射後の読み出し処理で読み出された画像データを加算してアーチファクトを修復する場合、2枚の画像を加算する。その場合、加算後の画像では画素ごとの出力のバラツキを示すランダムなノイズが約√2倍増加してしまうという課題がある。
本発明の目的は、放射線の照射開始を検知可能であり、アーチファクトの小さい良質な画像を得ることができる放射線撮像システム、コンピュータ及びプログラムを提供することである。
本発明の放射線撮像システムは、行列状に配置され、放射線を電荷に変換して画素出力値を出力する複数の画素と、放射線の照射開始を検知する検知手段と、前記検知手段により放射線の照射開始が検知されると、前記複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替える駆動制御手段と、前記複数の画素により出力された画素出力値を用いて補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記補正係数算出手段により算出された補正係数を用いて、前記複数の画素により出力された画素出力値を補正する補正手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記検知手段により放射線の照射開始が検知されるまで、前記複数の画素の暗電流による電荷のリセットを行うリセット動作を繰り返し行い、前記リセット動作は、互いに隣接せずに配置された複数の行をひとつの群として複数の群に分けて行われ、前記補正係数算出手段は、前記放射線が照射開始された時刻から前記検知手段が放射線の照射開始を検知するまでの間に前記リセット動作が行われた行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする。
補正係数を用いて補正することにより、放射線の照射開始を検知可能であり、アーチファクトの小さい良質な画像を得ることができる。
第1の実施形態による放射線撮像システムの構成例を示す図である。 第1の実施形態による放射線撮像装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態の駆動方法の例を示す図である。 第1の実施形態が解決しようとする課題を説明するための図である。 第1の実施形態による補正係数の算出方法を示す図である。 第2の実施形態による補正係数の算出方法を示す図である。 第3の実施形態による補正係数の算出方法を示す図である。 第4の実施形態による補正係数の算出方法を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮像システムの構成例を示すブロック図である。放射線撮像システムは、放射線発生装置201、放射線制御装置202、制御コンピュータ208、放射線撮像装置203及び画像表示手段210を有する。制御コンピュータ207は、補正係数算出手段208及びアーチファクト補正手段209を有する。放射線撮像装置203は、二次元センサ部204、検知手段205及び駆動制御手段206を有する。なお、放射線は、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども、含まれるものとする。
放射線発生装置201は、放射線制御装置202の制御により、放射線を照射する。放射線は、被写体を介して、放射線撮像装置203に照射される。二次元センサ部204は、放射線に応じた画像情報を生成する。検知手段205は、放射線の照射の開始及び終了を検知し、その検知に応じて曝射信号を駆動制御手段206に出力する。駆動制御手段206は、曝射信号に応じて、駆動タイミング信号を二次元センサ部204に出力し、二次元センサ部204の駆動を制御する。補正係数算出手段208は、二次元センサ部204から取得した画像情報を用いて補正係数を算出し、アーチファクト補正手段209に出力する。アーチファクト補正手段は、その補正係数を用いて、二次元センサ部204から取得した画像情報を補正し、アーチファクトを低減する。画像表示手段210は、アーチファクト補正手段209により補正された画像情報を表示する。
図2は、図1の二次元センサ部204の構成例を示す回路図である。二次元センサ部204は、放射線を検出する素子(画素)を2次元行列状に配置したセンサであり、放射線を検出して画像情報を出力する。図2では、説明の簡便化のために、3行×3列の画素を有する検出部112の例を示す。しかしながら、実際の二次元センサ部204はより多画素であり、例えば17インチの放射線撮像装置203では約2800行×約2800列の画素を有している。
検出部112は、行列状に配置された複数の画素を有する。各画素は、放射線又は光を電荷に変換する変換素子S11〜S33と、変換素子S11〜S33の電荷に応じた電気信号を出力するスイッチ素子T11〜T33とを有し、画素出力値を出力する。変換素子S11〜S33は、間接型の変換素子又は直接型の変換素子であり、照射された放射線を電荷に変換する。間接型の変換素子S11〜S33は、放射線を光に変換する波長変換体と、その光を電荷に変換する光電変換素子とを有する。直接型の変換素子S11〜S33は、放射線を直接電荷に変換する。照射された光を電荷に変換する光電変換素子としては、ガラス基板等の絶縁性基板上に配置されアモルファスシリコンを主材料とするMIS型フォトダイオードを用いることができる。また、光電変換素子は、PIN型フォトダイオードでもよい。
スイッチ素子T11〜T33は、制御端子と2つの主端子を有するトランジスタであり、薄膜トランジスタ(TFT)が好ましい。変換素子S11〜S33は、それぞれ、一方の電極がスイッチ素子T11〜T33の2つの主端子の一方に電気的に接続され、他方の電極が共通のバイアス線Bsを介してバイアス電源部103と電気的に接続される。1行目の複数のスイッチ素子T11〜T13は、それらの制御端子が1行目の駆動線G(1)に共通に電気的に接続される。2行目の複数のスイッチ素子T21〜T23は、それらの制御端子が2行目の駆動線G(2)に共通に電気的に接続される。3行目の複数のスイッチ素子T31〜T33は、それらの制御端子が3行目の駆動線G(3)に共通に電気的に接続される。垂直駆動回路114は、例えばシフトレジスタであり、駆動線G(1)〜G(3)を介して、駆動信号をスイッチ素子T11〜T33に供給することにより、スイッチ素子T11〜T33の導通状態を行単位で制御する。
1列目の複数のスイッチ素子T11〜T31は、それぞれ、一方の主端子が変換素子S11〜S31に接続され、他方の主端子が1列目の信号線Sig1に電気的に接続されている。1列目のスイッチ素子T11〜T31が導通状態である間に、1列目の変換素子S11〜S31の電荷に応じた電気信号が、信号線Sig1を介して読み出し回路113に出力される。2列目の複数のスイッチ素子T12〜T32は、それぞれ、一方の主端子が変換素子S12〜S32に接続され、他方の主端子が2列目の信号線Sig2に電気的に接続されている。2列目のスイッチ素子T12〜T32が導通状態である間に、2列目の変換素子S12〜S32の電荷に応じた電気信号が、信号線Sig2を介して読み出し回路113に出力される。3列目の複数のスイッチ素子T13〜T33は、それぞれ、一方の主端子が変換素子S13〜S33に接続され、他方の主端子が3列目の信号線Sig3に電気的に接続されている。3列目のスイッチ素子T13〜T33が導通状態である間に、3列目の変換素子S13〜S33の電荷に応じた電気信号が、信号線Sig3を介して読み出し回路113に出力される。列方向に複数配列された信号線Sig1〜Sig3は、複数の画素から出力された電気信号を並列に読み出し回路113に出力する。
読み出し回路113は、信号線Sig1〜Sig3の電気信号をそれぞれ増幅する増幅回路106を信号線Sig1〜Sig3毎に設けている。各増幅回路106は、積分アンプ105と、可変ゲインアンプ104と、サンプルホールド回路107とを有する。積分アンプ105は、信号線Sig1〜Sig3の電気信号を増幅する。可変ゲインアンプ104は、積分アンプ105からの電気信号を可変ゲインで増幅する。サンプルホールド回路107は、可変ゲインアンプ104で増幅された電気信号をサンプルしホールドする。積分アンプ105は、信号線Sig1〜Sig3の電気信号を増幅して出力する演算増幅器121と、積分容量122と、リセットスイッチ123とを有する。積分アンプ105は、積分容量122の値を変えることにより、ゲイン(増幅率)を変更することが可能である。各列の演算増幅器121は、それぞれ、反転入力端子が信号線Sig1〜Sig3に接続され、正転入力端子が基準電圧Vrefの基準電源部111に接続され、出力端子が増幅された電気信号を出力する。基準電源部111は、各演算増幅器121の正転入力端子に基準電圧Vrefを供給する。積分容量122は、演算増幅器121の反転入力端子と出力端子の間に配置される。サンプルホールド回路107は、制御信号SHのサンプリングスイッチ124と、サンプリング容量125とを有する。また、読み出し回路113は、各列のスイッチ126と、マルチプレクサ108とを有する。マルチプレクサ108は、各列のスイッチ126を順次導通状態することにより、各増幅回路106から並列に出力される電気信号を順次、出力バッファアンプ109にシリアル信号として出力する。出力バッファアンプ109は、電気信号をインピーダンス変換して出力する。アナログ/デジタル(A/D)変換器110は、出力バッファアンプ109から出力されたアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換し、画像情報として図1の制御コンピュータ207に出力する。
バイアス電源部103は、電流−電圧変換回路115及びA/D変換器127を有する。電流−電圧変換回路115は、バイアス線Bsにバイアス電圧Vsを供給しつつ、バイアス線Bsに流れる電流を電圧に変換し、A/D変換器127に出力する。A/D変換器127は、電流情報を有するアナログ電圧値を電流情報を有するデジタル電圧値に変換して出力する。図1の検知手段205は、A/D変換器が出力する電流情報を用いて放射線の照射開始及び照射終了を検知する。
垂直駆動回路114は、図1の駆動制御手段206から入力された制御信号D−CLK,OE,DIOに応じて、スイッチ素子T11〜T33を導通状態にする導通電圧と非道通状態とする非導通電圧を有する駆動信号を、各駆動線G(1)〜G(3)に出力する。これにより、垂直駆動回路114は、スイッチ素子T11〜T33の導通状態及び非導通状態を制御し、検出部112を駆動する。制御信号D−CLKは、垂直駆動回路114として用いられるシフトレジスタのシフトクロックである。制御信号DIOは、垂直駆動回路114のシフトレジスタの転送パルスである。制御信号OEは、垂直駆動回路114のシフトレジスタの出力イネーブル信号である。以上により、垂直駆動回路114は、駆動の時間と走査方向を設定する。また、駆動制御手段206は、制御信号RC、制御信号SH、及び制御信号CLKを読み出し回路113に出力することによって、読み出し回路113の各構成要素の動作を制御する。制御信号RCは、積分アンプ105のリセットスイッチ123の動作を制御するための信号である。制御信号SHは、サンプルホールド回路107のサンプリングスイッチ124を制御するための信号である。制御信号CLKは、マルチプレクサ108の動作を制御するためのクロック信号である。
図3は、図1の放射線撮像システムの制御方法を示すフローチャートである。ステップS301では、駆動制御手段206は、放射線の照射が開始されたか否かを判定する。検知手段205は、A/D変換器127が出力する電流情報(照射される放射線に応じた電気信号)が閾値以上になった場合に、放射線の照射の開始を示す曝射信号を駆動制御手段206に出力する。駆動制御手段206は、曝射信号が入力された場合には放射線の照射が開始されたと判断し、曝射信号が入力されない場合には放射線の照射が開始されていないと判断する。放射線の照射が開始された場合にはステップS303に進み、放射線の照射が開始されていない場合にはステップS302に進む。ステップS302では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御により、リセット動作を行う。その後、ステップS301に戻る。二次元センサ部204は、放射線の照射前に、画素の暗電流によって生じた電荷のリセットを行うリセット動作を繰り返し行う。リセット動作は、先頭行(1行目)の画素から最終行(Y行目)の画素まで行われ、最終行の画素に達した場合は、先頭行の画素に戻る。リセット動作については、図4を用いて後に説明する。
ステップS303では、駆動制御手段206は、放射線の照射が終了したか否かを判定する。検知手段205は、A/D変換器127が出力する電流情報(照射される放射線に応じた電気信号)が閾値未満になった場合に、曝射信号の出力を停止する。駆動制御手段206は、曝射信号の入力が停止された場合には放射線の照射が終了したと判断し、曝射信号が入力されている場合には放射線の照射が終了していないと判断する。放射線の照射が終了した場合にはステップS305に進み、放射線の照射が終了していない場合にはステップS304に進む。ステップS304では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御により、電荷の蓄積動作を行う。その後、ステップS303に戻る。電荷の蓄積動作は、全ての画素のスイッチ素子T11〜T33を非導通状態にして、放射線の照射に応じた電荷を蓄積する動作である。放射線の照射が終了するまで、電荷の蓄積動作が行われる。
ステップS305では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御により、放射線の照射に応じた電荷を読み出す読み出し動作Xを行う。読み出し動作Xでは、スイッチ素子S11〜S33が行単位で導通状態になり、先頭行の画素から最終行の画素まで行単位で順番に信号線Sig1〜Sig3に電気信号が出力され、A/D変換器110が先頭行から最終行までの画素の画像情報を出力する。
次に、ステップS306では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御により、リセット動作を行う。次に、ステップS307では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206により、電荷の蓄積動作を行う。ただし、この蓄積動作では、放射線の照射が為されていないため、暗電流による電荷が変換素子S11〜S33に蓄積される。暗電流による電荷を蓄積する蓄積動作は、ステップS304の放射線の照射に応じた電荷を蓄積する蓄積動作と同じ期間だけ行われる。
次に、ステップS308では、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御により、暗電流による電荷を読み出す読み出し動作Fを行う。読み出し動作Fでは、スイッチ素子S11〜S33が行単位で導通状態になり、先頭行の画素から最終行の画素まで行単位で順番に信号線Sig1〜Sig3に電気信号が出力される。A/D変換器110は、先頭行から最終行までの画素の画像情報(暗電流情報)を出力する。
次に、ステップS309では、制御コンピュータ207は、オフセット補正を行う。具体的には、制御コンピュータ207は、ステップS305の読み出し動作Xの画像情報とステップS308の読み出し動作Fの画像情報との差分を算出することにより、オフセット補正を行う。放射線の照射による画像から暗電流成分を差し引くことにより、オフセット補正が行われる。
次に、ステップS310では、補正係数算出手段208は、オフセット補正された画像情報を用いて補正係数を算出する。次に、ステップS311では、アーチファクト補正手段209は、補正係数算出手段208により算出された補正係数を用いて、アーチファクトを補正する。次に、ステップS312では、画像表示手段210は、アーチファクト補正手段209により補正された画像を表示する。
図4は、放射線撮像装置203の駆動方法を示すタイミングチャートであり、駆動線G(1)〜G(Y)の駆動信号及び放射線の制御信号を示す。図2に示すように、駆動線G(1)は1行目の画素の駆動線であり、駆動線G(Y)はY行目(最終行)の画素の駆動信号である。放射線発生装置201は、放射線の制御信号がハイレベルの場合には放射線を照射し、放射線の制御信号がローレベルの場合には放射線を照射しない。
まず、図3のステップS302に示したように、二次元センサ部204は、放射線の照射が開始されるまで、リセット動作を繰り返し行う。リセット動作は、スイッチ素子T11〜T33の奇数行と偶数行とに分けて行われ、かつ複数行が同時に導通状態とされる。図4には、4行同時に導通状態とする場合を示している。
まず、奇数行の4本の駆動線G(1),G(3),G(5),G(7)の駆動信号が導通電圧になり、奇数行の駆動線G(1),G(3),G(5),G(7)に対応するスイッチ素子T11,T31等を導通状態にする。次に、次の奇数行の4本の駆動線G(9),G(11),G(13),G(15)の駆動信号が導通電圧になり、奇数行の駆動線G(9),G(11),G(13),G(15)に対応するスイッチ素子T91等を導通状態にする。同様にして、最後の奇数行の駆動線G(Y−1)までリセット動作を行う。
その後、偶数行の4本の駆動線G(2),G(4),G(6),G(8)の駆動信号が導通電圧になり、偶数行の駆動線G(2),G(4),G(6),G(8)に対応するスイッチ素子T21,T41等を導通状態にする。次に、次の偶数行の4本の駆動線G(10),G(12),G(14),G(16)の駆動信号が導通電圧になり、偶数行の駆動線G(10),G(12),G(14),G(16)に対応するスイッチ素子を導通状態にする。同様にして、最後の偶数行の駆動線G(Y)までリセット動作を行う。
放射線発生装置201により放射線の照射が開始されると、検知手段205により放射線の照射の開始が検知され、二次元センサ部204は、駆動制御手段206の制御によりリセット動作を終了し、ステップS304の蓄積動作へ移行する。すなわち、時刻K_stopにおいて、駆動制御手段206は、検知手段205により放射線の照射開始が検知されると、複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替える。なお、図2では、検知手段205は、バイアス線Bsに流れるバイアス電流の情報により放射線の照射の有無を検知しているが、放射線の照射の検知用に別途センサを搭載してもよい。蓄積動作では、駆動線G(1)〜G(Y)の駆動信号が非導通電圧になり、すべてのスイッチ素子T11等が非導通状態になり、変換素子S11等に放射線に応じた電荷が蓄積される。
その後、ステップS305の読み出し動作Xが行われる。読み出し動作では、駆動線G(1)〜G(Y)が順次、導通電圧になり、スイッチ素子T11等が行単位で導通状態になり、各行の画像情報が出力される。
このような駆動の場合に、放射線発生装置201による放射線の照射の開始時刻X_startから検知手段205による放射線の照射の開始の検知時刻K_stopまでの期間に、リセット動作が行われる。その期間にリセット動作された駆動線G(y)、G(y+2)、G(y+4)、G(y+6)の画素では、放射線の照射に応じた電荷の一部が失われ、画像にアーチファクトが生じてしまう。
図5は、図4の駆動におけるアーチファクトの画像の例を示す図である。放射線照射開示時刻X_startから放射線照射検知時刻K_stopまでにリセット動作が行われた奇数行の画素では、出力が低下し、横縞状のアーチファクトが発生する。
図4のリセット動作の利点は、以下の2点である。第1に、アーチファクトの行の隣接行は、アーチファクトのない(出力低下のない)正常行になるため、画像情報の近い隣接行を用いて補正係数を算出できる。第2に、複数行のスイッチ素子が同時に導通状態となるため、同時に導通状態となった複数行の画素において、アーチファクトの量がほぼ同じになる。
図6(A)及び(B)は、アーチファクトの補正方法を説明するための図である。図6(A)は、アーチファクトを有する画素の概念図である。例えば、y行目、y+2行目、y+4行目及びy+6行目の画素は、リセット動作により、放射線の照射に応じた電荷の一部が失われ、アーチファクトが生じた画素である。図6(B)は、図6(A)のx列の画素の出力値を示す。ここで、D(x,y)は、x列y行の画素の出力値を表す。y行目、y+2行目、y+4行目及びy+6行目の画素は、隣接画素に比べ、出力値が小さくなり、アーチファクトが発生している。
次に、補正係数算出手段208の補正係数算出方法を説明する。まず、出力値D(x,y)を単純に隣接行の画素の出力値で線形補間した場合の補正後の出力値D’(x,y)は、以下の式(1)で表される。
D’(x,y)={D(x,y−1)+D(x,y+1)}/2 ・・・(1)
単純に隣接行の画素出力値で線形補間した上式(1)には、元々の出力値D(x,y)が含まれていない。すなわち、出力値D(x,y)が破棄されるので、出力値D(x,y)の画像情報は失われ、解像度が低下するという課題がある。また、隣接行であるy−1行目、あるいはy+1行目にラインノイズが重畳した場合、補正誤差が大きくなり、補正後の出力値D’(x,y)は本来の値と離れた値になってしまう場合がある。
そこで、補正係数算出手段208は、まずx列y行の画素とその隣接行の画像出力値を用いて、次式(2)の補間係数a(x,y)を算出する。
a(x,y)={D(x,y−1)+D(x,y+1)}/{2×D(x,y)} ・・・(2)
ここで、画素出力値D(x,y)は、放射線照射開始時刻X_startから放射線照射開始検知時刻K_stopまでの間にリセット動作が行われた行に属する画素の画素出力値である。画素出力値D(x,y−1)及びD(x,y+1)は、放射線照射開始時刻X_startから放射線照射開始検知時刻K_stopまでの間にリセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値である。
また、補正係数算出手段208は、x列y+2行、x列y+4行、x列y+6行の画素とそれらの隣接行の画像出力値を用いて、同様にして、補間係数a(x,y+2)、a(x,y+4)、a(x,y+6)を算出する。補正係数算出手段208は、これらの4つの補間係数の平均値を算出し、その平均値をアーチファクト補正に用いる補正係数A(x,y)とする。4つの補間係数の平均値を用いることにより、各行に重畳するラインノイズの影響を低減することができる。
上記のように、補正係数算出手段208は、次式(3)により、アーチファクト補正に用いる補正係数A(x,y)を算出する。ここで、nは、同時にリセット動作を行う行数であり、例えば4である。リセット動作は、図4に示すように、1行おきに配置されたn(nは2以上の整数)行が同時に行われる。
A(x,y)={Σ{D(x,y+2×n−3)+D(x,y+2×n−1)}/{2×D(x,y+2×n−2)}}/n ・・・(3)
ここで、補正係数A(x,y)は、nを1から4まで変化させた場合の総和Σを用いて算出される。画素出力値D(x,y+2×n−2)は、リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の画素出力値である。画素出力値D(x,y+2×n−3)及びD(x,y+2×n−1)は、リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値である。補正係数算出手段208は、リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の画素出力値と、リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数A(x,y)を算出する。
補正係数A(x,y)の算出は、リセット動作において同時に導通状態とする行数nと同じ数だけの補間係数a(x,y)等を用いて行う。これによって、補正係数A(x,y)の精度を向上させることができる。放射線の照射に応じた電荷の一部が失われることによるアーチファクトの量は、放射線の照射の開始時刻X_startから、各スイッチ素子T11等が導通状態から非導通状態に切り換わる時刻までの時間に依存する。このため、同時にリセット動作が行われたn行分(y行目、y+2行目、・・・、y+2×n−2行目)の画像情報は、ほぼ同じアーチファクトの量となる。このため、リセット動作において同時に導通状態となる複数行を1つのブロックとして、補正係数A(x,y)を算出し、n行分(y行目、y+2行目、・・・、y+2×n−2行目)の画像情報を補正する。また、補正係数A(x,y)は、n個の補間係数a(x,y)、a(x,y+2)、・・・、a(x,y+2×n−2)の平均値を用いるため、ラインノイズの影響を低減した補正係数となる。
次に、アーチファクト補正手段209は、補正係数算出手段208により算出された式(3)の補正係数A(x,y)を用いて、アーチファクト補正を行い、補正後の出力値D’(x,y)を出力する。以下、アーチファクト補正方法を説明する。
図4及び図6(A)、(B)に示したように、リセット動作において、4行同時にスイッチ素子を導通状態にする。その場合、同時にリセット動作が行われた4行分(y行目、y+2行目、y+4行目、y+6行目)の画像情報は、式(3)のn=4の場合の補正係数A(x,y)を用いて補正される。
アーチファクト補正手段209は、次式(4)のように、x列y行の画素出力値D(x,y)及び補正係数A(x,y)の乗算により、x列y行の画素におけるアーチファクト補正後の出力値D’(x、y)を算出する。
D’(x,y)=D(x,y)×A(x,y) ・・・(4)
また、アーチファクト補正手段209は、次式(5)のように、x列y+2行の画素出力値D(x,y+2)及び補正係数A(x,y)の乗算により、x列y+2行の補正後の画素出力値D’(x、y+2)を算出する。
D’(x,y+2)=D(x,y+2)×A(x,y) ・・・(5)
また、アーチファクト補正手段209は、次式(6)のように、x列y+4行の画素出力値D(x,y+4)及び補正係数A(x,y)の乗算により、x列y+4行の補正後の画素出力値D’(x、y+4)を算出する。
D’(x,y+4)=D(x,y+4)×A(x,y) ・・・(6)
また、アーチファクト補正手段209は、次式(7)のように、x列y+6行の画素出力値D(x,y+6)及び補正係数A(x,y)の乗算により、x列y+6行の補正後の画素出力値D’(x、y+6)を算出する。
D’(x,y+6)=D(x,y+6)×A(x,y) ・・・(7)
上式(4)〜(7)により、同時にリセット動作を行う4行分(y行目、y+2行目、y+4行目、y+6行目)の画素出力値D(x,y)等を補正することにより、以下の2点の効果が得られる。第1に、元々の画素出力値D(x,y)を用いるので、画像情報を失うことなく、アーチファクト補正が可能となる。第2に、式(3)で算出される補正係数A(x,y)を用いるので、ラインノイズの影響を受けにくいアーチファクト補正が可能となる。
また、上記の第2の効果において、リセット動作で同時に導通状態とする行数nを大きくするほど、平均化によるノイズ除去効果が増大する。また、上記のように、検知手段205がバイアス線Bsを流れるバイアス電流の情報を用いて、放射線の照射の開始を検知する場合、リセット動作で同時に導通状態とする行数nを大きくするほど、検知感度は向上する。しかし、一方で、リセット動作で同時に導通状態とする行数nを大きくすると、スイッチ素子T11等の導通状態と非導通状態を切り替える際のスイッチングノイズが増大してしまい、画質やバイアス電流の検出に悪影響を与えてしまう。このため、本実施形態のように、リセット動作で同時に導通状態とする行数nは、n=4程度が望ましい。なお、本実施形態では、リセット動作は、図4に示すように、1行おきに配置されたn(nは2以上の整数)行が同時に行われているが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明のリセット動作は、互いに隣接せずに配置されたn行が同時に行われればよく、例えば、奇数行を2つの群に、偶数行を2つの群に、更に分けて、それぞれの群でn行が同時に行われればよい。
(第2の実施形態)
図7(A)及び(B)は、本発明の第2の実施形態によるアーチファクトの補正方法を説明するための図であり、図6(A)及び(B)に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
第1の実施形態の補正係数A(x,y)は、まず、補間係数a(x,y)をx列y行の画素出力値D(x,y)とその隣接行の画素出力値を用いて算出した。本実施形態では、補正係数算出手段208は、y行目の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値Davg(x,y)を演算する。同様に、補正係数算出手段208は、y−1行目及びy+1行目の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値Davg(x,y−1)及びDavg(x,y+1)をそれぞれ演算する。次に、補正係数算出手段208は、次式(8)におり、y−1行目、y行目及びy+1行目の平均画素出力値Davg(x,y−1)、Davg(x,y)及びDavg(x,y+1)を用いて、y行目の補間係数aavg(x,y)を算出する。
avg(x,y)={Davg(x,y−1)+Davg(x,y+1)}/{2×Davg(x,y)} ・・・(8)
上記と同様に、補正係数算出手段208は、x列y+2行、・・・、x列y+2×n−2行の画素出力値とそれらの隣接行の画素出力値を用いて、補間係数aavg(x,y+2)、・・・、aavg(x,y+2×n−2)を算出する。そして、補正係数算出手段208は、これらのn個の補間係数aavg(x,y+2)、・・・、aavg(x,y+2×n−2)の平均値を演算し、その平均値をアーチファクト補正用の補正係数とする。式(8)において、y行目の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値Davg(x,y)を用いることにより、画素毎のランダムなノイズを平均化できるため、補正精度を向上させることができる。
上記のように、補正係数算出手段208は、次式(9)により、y−1行目、y行目及びy+1行目の平均画素出力値Davg(x,y−1)、Davg(x,y)及びDavg(x,y+1)を用いて、x列y行の補正係数Aavg(x,y)を算出する。ここで、nは、リセット動作で同時に導通状態とする行数である。
avg(x,y)={Σ{Davg(x,y+2×n−3)+Davg(x,y+2×n−1)}/{2×Davg(x,y+2×n−2)}}/n ・・・(9)
ここで、補正係数補正係数Aavg(x,y)は、nを1から4まで変化させた場合の総和Σを用いて算出される。平均値Davg(x,y+2×n−2)は、リセット動作が行われた行に属する複数の画素の画素出力値の平均値である。平均値Davg(x,y+2×n−3)及びDavg(x,y+2×n−1)は、リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する複数の画素の画素出力値の平均値である。補正係数算出手段208は、リセット動作が行われた行に属する複数の画素の画素出力値の平均値と、リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する複数の画素の画素出力値の平均値とを用いて補正係数Aavg(x,y)を算出する。
なお、図7(A)では、駆動線G(y)のy行目について、x−5列目からx+5列目までの画素出力値を平均化して出力値Davg(x,y)を求めているが、その代わりに、y行目の全ての列の画素出力値を平均化した出力値Davg(y)を求めてもよい。その場合、補正係数算出手段208は、リセット動作が行われた行に属するすべての画素の画素出力値の平均値と、リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属するすべての画素の画素出力値の平均値とを用いて補正係数Aavg(x,y)を算出する。
次に、アーチファクト補正手段209は、次式(10)により、x列y行の画素出力値D(x,y)及び補正係数Aavg(x,y)の乗算により、x列y行のアーチファクト補正後の画素出力値D’(x、y)を算出する。
D’(x,y)=D(x,y)×Aavg(x,y) ・・・(10)
また、アーチファクト補正手段209は、次式(11)により、x列y+2行の画素出力値D(x,y+2)及び補正係数Aavg(x,y)の乗算により、x列y+2行のアーチファクト補正後の画素出力値D’(x、y+2)を算出する。また、アーチファクト補正手段209は、次式(12)により、画素出力値D(x,y+2×n−2)及び補正係数Aavg(x,y)の乗算により、アーチファクト補正後の画素出力値D’(x、y+2×n−2)を算出する。アーチファクト補正手段209は、式(11)及び(12)と同様にして、x列y+2行、・・・、x列y+2×n−2行の補正後の画素出力値を算出する。
D’(x,y+2)=D(x,y+2)×Aavg(x,y) ・・・(11)



D’(x,y+2×n−2)=D(x,y+2×n−2)×Aavg(x,y) ・・・(12)
上記のようにアーチファクト補正を行うことにより、画像情報を失うことなく、ノイズの影響の少ないアーチファクト補正が可能となる。また、上記のアーチファクト補正方法は、放射線の照射に応じた電荷の一部が失われることによるアーチファクトを補正するためのものである。そのため、放射線の照射が開始されてからリセット動作を行っていない行については、アーチファクトは発生しないため、アーチファクト補正は不要である。また、アーチファクト補正は、画像上の偶数行と奇数行とのオフセットバラツキが大きい場合には、図3のステップS309で、そのオフセットバラツキを補正した後で、行われることが望ましい。
(第3の実施形態)
図8(A)及び(B)は、本発明の第3の実施形態によるアーチファクトの補正方法を説明するための図であり、図6(A)及び(B)に対応する。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。
図8(A)に示すように、本実施形態では、二次元センサ部204の画素に飽和画素801があった場合の補正係数の算出方法を説明する。図8(A)には、x列y+3行、x列y+5行及びx列y+7行の画素801の出力値が飽和している場合の画素出力値の概念図を示している。また、図8(B)には、x列の画素出力値の概念図を示している。図8(B)に示すように、飽和画素801があった場合、飽和画素801の画素出力値D(x、y+3)、D(x、y+5)、D(x、y+7)を用いて、補間係数a(x、y+2)、a(x、y+4)及びa(x、y+6)を求める場合を考える。その場合、補間係数a(x、y+2)、a(x、y+4)及びa(x、y+6)は、異常な値になってしまう。さらには、アーチファクト補正に用いる補正係数A(x,y)の値も異常な値になってしまう。
このため、図8(B)に示すように、飽和画素801があった場合、アーチファクト補正に用いる補正係数A(x,y)を前述の式(3)により算出する際、飽和画素801の画素出力値を用いて算出された補間係数は使用しない。すなわち、補正係数算出手段208は、飽和画素801以外の画素出力値を用いて算出された補間係数のみの平均値により、アーチファクト補正に用いる補正係数A(x,y)を算出する。こうすることにより、飽和画素801があった場合のアーチファクト補正誤差を低減することができる。
また、図8(A)に示した位置に飽和画素801があった場合、x列y+4行及びx列y+6行の画素出力値も飽和画素の可能性が高い。このため、これらの画素の出力値D’(x,y+4)及びD’(x,y+6)は、アーチファクト補正を行わず、飽和画素とみなしてもよい。また、補正係数算出手段208は、画像情報を用いて飽和画素の座標を探し出してもよい。また、制御コンピュータ207に、別途、飽和画素の座標を特定する座標特定手段を設けてもよい。
以上のように、補正係数算出手段208は、複数の画素の中に画素出力値が飽和している飽和画素801がある場合には飽和画素801の画素出力値を除外して補正係数A(x,y)を算出する。これにより、飽和画素801があった場合のアーチファクト補正誤差を低減することができる。
(第4の実施形態)
図9(A)及び(B)は、本発明の第4の実施形態によるアーチファクトの補正方法を説明するための図であり、図7(A)及び(B)に対応する。以下、本実施形態が第2の実施形態と異なる点を説明する。
本実施形態では、図9(A)に示すように、二次元センサ部204の画素に行の線欠陥901があった場合の補正係数の算出方法を説明する。図9(A)には、駆動線G(y+3)のy+3行目に線欠陥901があった場合の画素出力値の概念図を示している。図9(A)には、第2の実施形態で述べたように、y行目の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値Davg(x,y)の概念図を示している。
図9(B)に示すように、y+3行目の線欠陥901の画素出力値は、飽和している。例えば、y+3行目に線欠陥901があった場合、y+3行目の画素出力値を用いて算出された補間係数aavg(x,y+2)及びaavg(x,y+4)は、異常な値になってしまう。さらには、アーチファクト補正に用いる補正係数Aavg(x,y)の値も異常な値になってしまう。
このため、図9(B)に示すように、行の線欠陥があった場合、補正係数Aavg(x,y)を前述の式(9)により算出する際、線欠陥901の行の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値を用いて算出した補間係数は使用しない。すなわち、補正係数算出手段208は、線欠陥901の行以外の行の画素出力値を行方向の任意の領域内で平均化した出力値を用いて算出した補間係数の平均値を、アーチファクト補正に用いる補正係数Aavg(x,y)として算出する。こうすることにより、線欠陥901があった場合のアーチファクト補正誤差を低減することができる。
なお、補正係数算出手段208は、予め工場出荷時に提供される欠陥座標の情報を有し、補正係数を算出する際に、その欠陥座標の情報を用いて線欠陥の座標を認識することができる。
以上のように、補正係数算出手段208は、複数の画素の中に欠陥画素がある場合には欠陥画素の画素出力値を除外して補正係数Aavg(x,y)を算出する。これにより、欠陥画素があった場合のアーチファクト補正誤差を低減することができる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
204 二次元センサ部、205 検知手段、206 駆動制御手段、208 補正係数算出手段、209 アーチファクト補正手段

Claims (11)

  1. 行列状に配置され、放射線を電荷に変換して画素出力値を出力する複数の画素と、
    放射線の照射開始を検知する検知手段と、
    前記検知手段により放射線の照射開始が検知されると、前記複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替える駆動制御手段と、
    前記複数の画素により出力された画素出力値を用いて補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記補正係数算出手段により算出された補正係数を用いて、前記複数の画素により出力された画素出力値を補正する補正手段とを有し、
    前記駆動制御手段は、前記検知手段により放射線の照射開始が検知されるまで、前記複数の画素の暗電流による電荷のリセットを行うリセット動作を繰り返し行い、
    前記リセット動作は、互いに隣接せずに配置された複数の行をひとつの群として複数の群に分けて行われ、
    前記補正係数算出手段は、前記放射線が照射開始された時刻から前記検知手段が放射線の照射開始を検知するまでの間に前記リセット動作が行われた行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする放射線撮像システム。
  2. 前記リセット動作は、互いに隣接せずに配置されたn(nは2以上の整数)行が同時に行われ、
    前記補正係数算出手段は、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項1記載の放射線撮像システム。
  3. 前記補正係数算出手段は、前記リセット動作が行われた行に属する複数の画素の画素出力値の平均値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する複数の画素の画素出力値の平均値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の放射線撮像システム。
  4. 前記補正係数算出手段は、前記リセット動作が行われた行に属するすべての画素の画素出力値の平均値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属するすべての画素の画素出力値の平均値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線撮像システム。
  5. 前記補正係数算出手段は、前記複数の画素の中に画素出力値が飽和している飽和画素がある場合には前記飽和画素の画素出力値を除外して前記補正係数を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線撮像システム。
  6. 前記補正係数算出手段は、前記複数の画素の中に欠陥画素がある場合には前記欠陥画素の画素出力値を除外して前記補正係数を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線撮像システム。
  7. さらに、放射線を照射する放射線発生装置を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線撮像システム。
  8. 放射線の照射開始を検知する検知部により放射線の照射開始が検知されるまで、行列状に配置されて放射線を電荷に変換して画素出力値を出力する複数の画素の暗電流による電荷のリセットが互いに隣接せずに配置された複数の行をひとつの群として複数の群に分けて行われるリセット動作が繰り返し行われ、前記検知部により放射線の照射開始が検知されると前記複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替えられ、前記蓄積動作の後に前記複数の画素から出力された、前記放射線が照射開始された時刻から前記検知部が放射線の照射開始を検知するまでの間に前記リセット動作が行われた行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値と、を用いて補正係数を算出する補正係数算出部と、
    前記補正係数算出部により算出された補正係数を用いて、前記蓄積動作の後に前記複数の画素により出力された画素出力値を補正する補正部と、
    を有することを特徴とするコンピュータ。
  9. 前記リセット動作は、互いに隣接せずに配置されたn(nは2以上の整数)行が同時に行われ、
    前記補正係数算出部は、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項8記載のコンピュータ。
  10. 行列状に配置され、放射線を電荷に変換して画素出力値を出力する複数の画素と、放射線の照射開始を検知する検知部と、前記検知部により放射線の照射開始が検知されると、前記複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替える駆動制御部と、を有する放射線撮像装置からの画素出力値を補正するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    放射線の照射開始を検知する検知部により放射線の照射開始が検知されるまで、行列状に配置されて放射線を電荷に変換して画素出力値を出力する複数の画素の暗電流による電荷のリセットが互いに隣接せずに配置された複数の行をひとつの群として複数の群に分けて行われるリセット動作が繰り返し行われ、前記検知部により放射線の照射開始が検知されると前記複数の画素に対してリセット動作から電荷の蓄積動作に切り替えられ、前記蓄積動作の後に前記複数の画素から出力された、前記放射線が照射開始された時刻から前記検知部が放射線の照射開始を検知するまでの間に前記リセット動作が行われた行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が行われた行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値と、を用いて補正係数を算出する補正係数算出ステップと、
    前記補正係数算出ステップで算出された補正係数を用いて、前記蓄積動作の後に前記複数の画素により出力された画素出力値を補正する補正ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 前記リセット動作は、互いに隣接せずに配置されたn(nは2以上の整数)行が同時に行われ、
    前記補正係数算出ステップは、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の画素出力値と、前記リセット動作が同時に行われたn行に属する画素の隣接行に属する画素の画素出力値とを用いて補正係数を算出することを特徴とする請求項10記載のプログラム。
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