JP6103476B2 - 電子部品封止用硬化性組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品封止用硬化性組成物およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂としては、グリシジルエステル型やグリシジルエーテル型がある。従来、コイル、コンデンサ、トランジスタ、ICなどの電子部品の封止用材料として、エポキシ樹脂成形材料が賞用されているが、その理由としては、該成形材料が電気特性、耐熱性、機械強度、インサートとの接着性などの特性バランスに優れるためとされる。しかし、電子部品のパッケージでは、小形、薄形化の傾向に伴い、冷熱サイクル時のクラック発生(耐熱衝撃性)が問題視されている。
エポキシ樹脂成形材料の耐熱衝撃性を改善する方法として、例えば、エポキシ樹脂をシリコーン重合体で改質する方法が知られている。一般にシリコーン重合体はエポキシ樹脂系に非相溶であって、エポキシ樹脂中に微粒子状に分散するため、耐熱衝撃性が向上すると考えられている。しかし、液状シリコーン重合体を用いると、成形時に浸み出しやバリが生じ、成形品外観が悪化しやすい。また該問題を解消するために、シロキサンをエポキシ樹脂などで予め変成した成形材料とする方法もあるが、一般的に該硬化物のガラス転移点が低下しやすいなどの記載がある(特許文献1参照)。
塗料用樹脂組成物として、エポキシ樹脂とシラン化合物などからなる配合物が知られている(特許文献2参照)
また、近時の環境配慮の要請から、バイオマスを利用した化学素材の開発要請が強く、前記エポキシ樹脂成形材料に対しても該要請は例外でない。
特開平3−215517号公報 国際公開第2006/016509号
本発明は、環境負荷が低減され、かつ硬化諸物性に優れた電子部品封止用硬化性組成物、およびその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者は、重合ロジン系エポキシ化合物が環境配慮型で高性能なエポキシ樹脂となりうるとの知見に基づき、該化合物の応用につき鋭意検討を重ねた結果、該化合物を必須成分とする特定硬化性組成物がかかる課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1):
Figure 0006103476
(式中、Roは重合ロジンアルコールグリシジルエーテル残基を表す。)で表わされる重合ロジン系エポキシ化合物(A)、および/または
一般式(2):
Figure 0006103476
(式中、Roは重合ロジングリシジルエステル残基を表す。)で表わされる重合ロジン系エポキシ化合物(B)と、フェノール樹脂系硬化剤を、必須成分として含有することを特徴とする電子部品封止用硬化性組成物に係る。また本発明は、該電子部品封止用硬化性組成物を用いて得られる硬化物に係る。
本発明により、環境配慮型で優れた硬化性を有する電子部品封止用硬化性組成物を提供できる。該硬化性組成物は、流動性、耐熱性、可撓性、成形性、耐熱衝撃性などの諸性能に優れるため、コイル、コンデンサ、トランジスタ、ICなどの電子部品封止材料として幅広く適用できる。
本発明の電子部品封止用硬化性組成物は、一般式(1):
Figure 0006103476
(式中、Roは重合ロジンアルコールグリシジルエーテル残基を表す。)で表される重合ロジン系エポキシ化合物(A)、および/または
一般式(2):
Figure 0006103476
(式中、Roは重合ロジングリシジルエステル残基を表す。)で表わされる重合ロジン系エポキシ化合物(B)と、フェノール樹脂系硬化剤を、必須成分として含有するものである。
重合ロジン系エポキシ化合物(A)および重合ロジン系エポキシ化合物(B)の各性状などは格別限定されないが、目的用途に応じて、その色調、軟化点、エポキシ当量、二量体含有率のうちの少なくとも1つが特定されたものを、好ましく用いることができる。なお、以下、必要により、重合ロジン系エポキシ化合物(A)および(B)を併せて、重合ロジン系エポキシ化合物と略称することもある。
重合ロジン系エポキシ化合物(A)としては、例えば、色調がガードナー(JIS 5902による)3以下、好ましくは2以下、更に好ましくはハーゼン水準(JIS K0071−1による)であり、軟化点(JIS K2207(環球法)による)が65〜120℃、好ましくは70〜110℃であり、エポキシ当量(JIS K7236:2001による)が300〜400g/eq、好ましくは320〜380g/eqであり、かつ二量体含有率が60重量%以上、より好ましくは80重量%以上であるものを、好適に使用できる(以下、特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)という)。
特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)を得るためには、その原料重合ロジンとして、色調がガードナー3以下、好ましくは2以下、更に好ましくはハーゼン水準であり、酸価(JIS K2501による)が160〜185mgKOH/g、好ましくは165〜185mgKOH/gであり、軟化点が145〜200℃、好ましくは150〜190℃であり、かつ二量体含有率が60重量%以上、より好ましくは80重量%以上のものを好適に用いることができる(以下、特定重合ロジンという)。
特定重合ロジンを得るには、蒸留や再結晶などの方法により得られる精製ロジンを出発原料として用いたり、こうして得られる重合ロジンを更に水素化することが好ましい。該特定重合ロジンの製造法としては、格別限定されず、公知各種の方法を採用できる。例えば、重合反応触媒として、ペンダントスルホン基を有する高分子を用いる方法(特開2006−45396号公報);ギ酸、p−トルエンスルホン酸、塩化亜鉛などを用いる方法などが挙げられる。
得られる重合ロジン系エポキシ化合物(A)の軟化点が60℃未満である場合は、これを用いてなる硬化物のガラス転移点が低くなる傾向があり、また120℃を超える場合は該硬化物のガラス転移点が過度に高くなる傾向がある。また、特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)のエポキシ当量が300g/eq未満の場合は、理論上その製造が困難となる。また、エポキシ当量が400g/eqを超える特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)は、硬化性が低下する傾向がある。
特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)の製造法は、特に限定されないが、例えば以下の二段法を好ましく採用できる。該方法は、特定重合ロジンとエピハロヒドリンを反応させて重合ロジンエピハロヒドリンエステルとする工程(以下、第一工程という)と、ついでアルカリにより脱ハロゲン化水素してエポキシ閉環する工程(以下、第二工程という)とからなる。
第一工程で用いるエピハロヒドリンとしては、例えばエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリンが挙げられるが、工業的にはエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、特定重合ロジンのカルボキシル基が反応生成物中に残存しなくなるように適宜決定する必要があり、通常は、特定重合ロジンのカルボキシル基と等モル数以上とされるが、好ましくは1〜10倍モル程度とされる。10倍モルを超えて用いた場合は、不経済であるだけでなく、副反応により、反応生成物のエポキシ当量が大きくなる傾向がある。
第一工程で用いるエステル化触媒としては、公知各種のものを格別限定なく使用できるが、アミン塩を好ましく使用することができる。公知のエステル化触媒のうちアミンは、触媒活性が低くなる傾向がある。
該アミン塩とは、アミンにハロゲン酸、硫酸などの強酸を反応させて得られる酸性化合物であり、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩のいずれをも有効に使用できる。
第1級アミン塩の具体例としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、アニリンなどの第1級アミンの塩酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、硫酸塩などが挙げられる。第2級アミン塩の具体例としては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ベンジルメチルアミンなどの第2級アミンの塩酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、硫酸塩などが挙げられる。第3級アミン塩の具体例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミンなどの第3級アミンの塩酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、硫酸塩などが挙げられる。また第4級アンモニウム塩の具体例としては、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、アリルトリエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどの各種第4級アミンの塩素化物、臭素化物、フッ素化物、硫酸塩などが挙げられる。
第一工程で用いるエステル化触媒の使用量は、特定重合ロジンに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。該使用量が0.01重量%未満である場合は、第一工程の完結に長時間を要する傾向があり、また10重量%を超える場合は不経済である。
第一工程における反応条件は、重合ロジンハロヒドリンエステルの収率を考慮して適宜決定されるが、通常は反応温度が50〜120℃、好ましくは80〜100℃であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜4時間である。反応の終点はHLC(高速液体カラムクロマトグラフィー)測定法により容易に確認できるが、第二工程への移行は、未反応重合ロジンがほとんど残存せず、重合ロジンのカルボキシル基がほぼ完全にハロヒドリンエステルに転化したことを確認した後に行うのがよい。すなわち、反応系内に未反応重合ロジンが存在する場合には、該重合ロジンと、第二工程で得られる重合ロジン系エポキシ化合物(A)とが反応して、副生物である重合ロジングリセライドを生成するからである。
第二工程で用いるアルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、その具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。アルカリの使用形態は特に限定されないが、通常は固形のまま反応系に添加するのが好ましいが、水溶液として添加してもよい。アルカリ水溶液を用いる場合は、その濃度が40重量%以上となるよう調整するのがよく、40重量%に満たない場合は、副反応が進むため、特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)の収量が低下する傾向がある。
アルカリの使用量は、重合ロジンエピハロヒドリンエステルの該エステル基1当量に対して少なくとも1当量、好ましくは1.0〜1.2倍当量とするのがよい。該使用量が1当量未満の場合は、反応が完結せず、また1.2倍当量を超えて使用しても反応上の優位性はなく、却って経済的に不利となる。
第二工程における反応条件は、重合ロジン系エポキシ化合物(A)の収率を考慮して適宜決定されるが、通常は反応温度が50〜120℃、好ましくは100〜120℃であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜2時間である。反応の終点は、前記と同様にHLC測定法により確認すればよい。
該反応中、アルカリとともに添加される水または反応により生成した水は、反応系から共沸などの方法で除去することにより、得られる重合ロジン系エポキシ化合物(A)の加水分解による副反応を抑制するのがよい。
反応終了後、例えば減圧蒸留等の操作により反応系内から過剰のエピハロヒドリンを除去する。ついで、得られた残留物に適当な溶媒を添加し溶解させることにより副生塩を濾別した後、該溶媒を留去して目的物である特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)を収得することができる。
また前記の特定重合ロジン系エポキシ化合物(B)の性状などは格別に限定されないが、用途に応じて色調などが重視される場合は、該性状などを適宜選定すればよい。例えば、色調がガードナー3以下、好ましくは2以下、更に好ましくはハーゼン水準であり、軟化点が60〜120℃、好ましくは70〜110℃であり、エポキシ当量が280〜380g/eq、好ましくは300〜360g/eqであり、かつ二量体含有率が60重量%以上のものを、より好適に使用できる(以下、特定重合ロジン系エポキシ化合物(B)という)。
重合ロジン系エポキシ化合物(B)の軟化点が60℃未満である場合は、これを用いてなる硬化性組成物が貯蔵時にブロッキングしやすくなり、また120℃を超える場合は硬化性組成物の溶融粘度が高くなる傾向がある。重合ロジン系エポキシ化合物(B)のエポキシ当量が280g/eq未満の場合は、理論上その製造が困難となる。また、エポキシ当量が380g/eqを超える重合ロジン系エポキシ化合物(B)は硬化性が低下する傾向がある。
重合ロジン系エポキシ化合物(B)が前記性状を有するためには、その原料である重合ロジンアルコールや、更には該重合ロジンアルコールの原料であるロジン及び重合ロジンが、それぞれ以下のような特定性状を有していることが望ましい。
すなわち、用いる重合ロジンアルコールは、色調がガードナー3以下、好ましくは2以下、更に好ましくはハーゼン水準であり、軟化点が110〜150℃、好ましくは120〜140℃であり、水酸基価(JIS K0070による)が120〜140mgKOH/g、好ましくは140〜170mgKOH/gであり、酸価が3mgKOH/g以下、好ましくは1mgKOH/gであり、二量体含有率が60重量%以上、より好ましくは80重量%以上のものとされる(以下、特定重合ロジンアルコールという)。
特定重合ロジンアルコールを得るために用いるロジンや重合ロジンとしては、前記の特定重合ロジン系エポキシ化合物(A)の製造に用いるそれらをそのまま使用できる。
特定重合ロジンアルコールは、各種公知の水素化方法を適用して、前記重合ロジン中の不飽和結合およびカルボキシル基を水素化還元することにより収得できる。工業的水素化方法を例示すると、重金属触媒の存在下、または300℃程度の高温かつ高圧下に、銅クロム触媒により樹脂酸メチルエステルを水素添加する方法、溶解したロジンをラネーニッケルで直接水素添加する方法、銅、コバルト、ニッケル系触媒を用いて高温、高圧下で水素添加しアルコールに還元する方法などを挙げることができる。このようにして得られるロジンアルコールは、テトラヒドロアビエチルアルコール、ジヒドロアビエチルアルコール、デヒドロアビエチルアルコールなどを含む混合物である。
重合ロジン系エポキシ化合物(B)の製造では、例えば以下の二段法または一段法を採用できる。二段法は、重合ロジンアルコールとエピハロヒドリンとを、触媒の存在下に反応させて相当するハロヒドリンエーテルとし、ついで該エーテルをアルカリにより脱ハロゲン化水素する方法である。以下、必要に応じて、ハロヒドリンエーテルの製造工程を第一工程といい、脱ハロゲン化水素する工程を第二工程という。
二段法の第一工程で用いるエピハロヒドリンとしては、前記の重合ロジン系エポキシ化合物(A)の製造に用いるものと同様である。エピハロヒドリンの使用量は、重合ロジンアルコールの水酸基が反応生成物中に残存しなくなるように適宜決定する必要があり、通常は、重合ロジンアルコールの水酸基と等モル数以上とされるが、好ましくは1〜10倍モル程度とされる。10倍モルを超えて用いた場合は、不経済であるだけでなく、副反応により、反応生成物のエポキシ当量が大きくなる傾向がある。
二段法の第一工程で用いる触媒としては、各種のルイス酸、第3級アミン塩および第4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が、好ましく用いられる。
該ルイス酸としては、例えば塩化アルミニウム、塩化アンチモン、塩化スズ、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素錯体などが挙げられる。三フッ化ホウ素錯体としては、例えば三フッ化ホウ素・エチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・フェノール錯体などが挙げられる。また、第3級アミン塩および第4級アンモニウム塩としては、前記の重合ロジン系エポキシ化合物(A)の製造に用いるそれらと同様である。
第一工程で用いる触媒の使用量は、重合ロジンアルコールに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。該使用量が0.01重量%未満である場合は、第一工程の完結に長時間を要する傾向があり、また10重量%を超える場合は反応上の優位性はなく不経済となる。
第一工程における反応条件は、前記ハロヒドリンエステルの収率を考慮して適宜決定されるが、通常は反応温度が50〜120℃、好ましくは80〜100℃であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜4時間である。反応の終点はHLC(高速液体カラムクロマトグラフィー)測定法により容易に確認できるが、第二工程への移行は、未反応重合ロジンアルコールがほとんど残存せず、該水酸基がほぼ完全にハロヒドリンエーテルに転化したことを確認した後に行うのがよい。
第二工程で用いるアルカリとしては、前記の重合ロジン系エポキシ化合物(A)の製造に用いるそれらと同様であり、またアルカリの使用形態も前記と同様である。
アルカリの使用量は、前記ハロヒドリンエーテルの該エーテル基1当量に対して少なくとも1当量、好ましくは1.0〜1.2倍当量とするのがよい。該使用量が1当量未満の場合は反応が完結しない傾向があり、また1.2倍当量を超えて使用しても反応上の優位性はなく、却って不経済となる。
第二工程における反応条件は、重合ロジン系エポキシ化合物(B)の収率を考慮して適宜決定されるが、通常は反応温度が50〜120℃、好ましくは100〜120℃であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜2時間である。反応の終点は、前記と同様にHLC測定法により確認すればよい。該反応中、アルカリとともに添加される水または反応生成水は、反応系から共沸などの方法で除去すればよい。
反応終了後、例えば減圧蒸留等の操作により反応系内から過剰のエピハロヒドリンを除去する。ついで、得られた残留物に適当な溶媒を添加し溶解させることにより副生塩を濾別した後、該溶媒を留去して目的物である重合ロジン系エポキシ化合物(B)を収得することができる。
重合ロジン系エポキシ化合物(B)を製造するための前記の一段法は、重合ロジンアルコールとエピハロヒドリンとを、アルカリおよび層間移動触媒の存在下に反応させる方法である。
一段法で用いるアルカリとしては、二段法で用いる前記アルカリを区別なく使用できる。一段法で用いるアルカリの使用量も、二段階法におけると同様である。
一段法で用いる層間移動触媒としては、二段法の第一工程で用いる前記触媒のうち、第4級アンモニウムを好ましく使用できる。該触媒の使用量は、特に限定されないが、一般には、重合ロジンアルコールとエピハロヒドリンの合計量に対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%とされる。該使用量が上記範囲の下限未満の場合には反応速度が遅くなり、副反応が進行して反応生成物のエポキシ当量が小さくなりやすい。また上限を超えて用いても不経済なだけである。
また、一段法においては、層間移動触媒に次のような金属触媒を併用することができる。該金属触媒としては、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、銀、カルシウム、スズから選ばれるメタロイドまたはアンモニウムイオン、ならびにBF 、PF およびSiF 2−から選ばれる対イオンから形成される金属化合物を好ましく例示でき、より具体的には、Sn(BF、Fe(BF、Ca(BF、Zn(BF、Mg(BF、Cu(BF、MgSiF、AgSiFが好ましい。
該金属触媒の使用量は、格別限定されないが、一般には、重合ロジンアルコールとエピハロヒドリンの合計量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%とされる。該金属触媒の使用量が上記範囲の下限未満の場合には反応速度が遅くなるため実用的ではなく、また上限を超えても反応速度の向上は見られない。
一段法で用いるエピハロヒドリンの使用量は、二段階法におけると同様であり、通常は、重合ロジンアルコールの水酸基と等モル数以上であるが、好ましくは1〜10倍モル程度とされる。
本発明の硬化性組成物において必須成分として用いられるフェノール樹脂系硬化剤としては、格別限定されず各種公知のものを使用できる。該硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビフェニル骨格を含有しないフェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル骨格を含有するアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノール樹脂などのトリフェノールアルカン型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂などのビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を適宜に選択使用できる。これらの中でも、ノボラック型フェノール樹脂が入手容易性、価格などの面で、好適である。
本硬化性組成物において、重合ロジン系エポキシ化合物とフェノール樹脂系硬化剤の使用割合については、格別限定はされず、該用途や要求性能に応じて適宜に決定できる。通常は、「重合ロジン系エポキシ化合物のエポキシ基数」/「フェノール樹脂系硬化剤の水酸基数」(当量比)が、0.5/1〜2/1、好ましくは0.8/1〜1.2/1とされる。
本硬化性組成物においては、当該硬化物の物性を調節するために、前記必須成分に加えて、以下のような特定オルガノポリシロキサン類を配合することができる。すなわち、重合ロジン系エポキシ化合物のエポキシ基と反応可能な官能基を含有するオルガノポリシロキサン類から、適宜に選定して使用できる。エポキシ基と反応しうる官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基などが挙げられる。
特定オルガノポリシロキサン類の構造は、格別限定されず、通常は当該分子の少なくとも一方の末端(片末端または両末端)に該官能基を有するものであればよく、入手容易性などの点からは、相当するポリジメチルシロキサンが好ましい。これらは線状、分岐状のいずれであってもよい。該オルガノポリシロキサン類の繰り返し単位(SiO)の数は、格別限定されず、その目的用途に応じて適宜に選定でき、オイル状のものやポリマー状のものをそれぞれ単独使用または2種以上を併用することができる。該単位数としては、該オルガノシロキサンの粘度や該硬化性組成物の溶融粘度の点からは、一般的には5〜50程度、好ましくは10〜30とされる。
該オルガノポリシロキサン類は、相当する市販品から適宜に選択使用することができる。カルボキシル基含有ポリジメチルシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製のX−22−162C、X−22−3710などが挙げられる。水酸基含有ポリジメチルシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製のX−21−5841、KF−9701などが挙げられる。アルコキシ基含有ポリジメチルシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製のKR213、KR217、KR9218、KR500、X40−9225など、東レ・ダウコーニング(株)製のDC3074、DC3037、SR2402など、モメンティブ・ジャパン社製のXC96−C2813、XC96−B0446、XR31−B1410、XR31−B2733などが挙げられる。アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの具体例としては、信越化学工業(株)製のKF−8010、X−22−161A、X−22−161Bなどが挙げられる。
本硬化性組成物においては、当該硬化物の物性を調節するために、前記組成に加えて、更に加水分解性シラン化合物を配合できる。加水分解性シラン化合物は、本発明のコーティング組成物の硬化性を一層向上させる場合に配合できる。該シラン化合物としては、格別限定されず公知各種のものを使用でき、例えば、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン;テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;更には、該シラン化合物の初期縮合物などが挙げられる。また、いわゆるシランカップリング剤も該加水分解性シラン化合物に包含され、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ官能性アルコキシシラン;N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ官能性アルコキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト官能性アルコキシシランが挙げられる。これらは単独使用、2種以上の併用のいずれでもよい。なかでも前記トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランおよびこれらの初期縮合物、ならびに前記シランカップリング剤が、硬化性の点から好適である。
本硬化性組成物における加水分解性シラン化合物の配合割合は必ずしも限定されず、目的用途に応じて決定でき、一般的には、重合ロジン系エポキシ化合物とフェノール樹脂硬化剤との合計100重量部に対して50重量部以下とされる。加水分解性シラン化合物の使用量が50重量部を超える場合は、得られる硬化物の可撓性が低下する傾向がある。
本硬化性組成物は、前記配合成分の他に、硬化促進剤、エポキシ樹脂、充填剤、離型剤、着色剤などの各種添加剤を用途に応じて適宜に配合できる。
前記の硬化促進剤は、重合ロジン系エポキシ化合物とフェノール樹脂硬化剤との硬化反応速度を一層向上させる場合に、適宜に選択使用される。該硬化促進剤の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン酸が挙げられ、これらは単独使用、2種以上の併用のいずれでもよい。本硬化性組成物における該硬化促進剤の配合量は必ずしも限定されず、用途や要求性能に応じて決定でき、一般的には重合ロジン系エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
前記のエポキシ樹脂としては、格別限定されず公知各種のものが使用でき、例えばノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。該エポキシ樹脂の配合量は、重合ロジン系エポキシ化合物の効果が発現しうる範囲内とされ、通常は重合ロジン系エポキシ化合物の使用量100重量部に対し40重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
前記の充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、マグネシア、ジルコニア、フォルステライド、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニアなどの粉体;チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナなどの単結晶繊維;ガラス繊維などが挙げられる。本硬化性組成物における該充填剤の配合量は、格別限定されないが、通常は40〜80重量%程度である。
前記の離型剤としては、例えば、高級脂肪酸、該金属塩、エステル系ワックスなどが、また着色剤としてはカーボンブラックなどが挙げられる。
本硬化性組成物の調製は、格別限定されず公知各種の方法を適用できる。一般的な方法としては、前記各種の配合成分を容器に所定量仕込み、ミキサーなどを用いて内容物を充分混合した後、熱ロール、押出機などによって混練し、更に冷却、粉砕する方法が挙げられ、該方法により目的とする硬化性組成物を容易に得ることができる。
本硬化性組成物を用いて電子部品を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形、圧縮成形、注型などの方法によっても可能である。
本発明の硬化性組成物は成形性に優れており、また比較的高いガラス転移点を有し、かつ可撓性にも優れるものである。すなわち、該組成物は、重合ロジン系エポキシ化合物を必須成分とする環境配慮型の成形材料であって、しかも該硬化物は流動性、耐熱性、可撓性、成形性、耐熱衝撃性などの諸性能に優れるため、コイル、コンデンサ、トランジスタ、ICなどの電子部品封止材料として好適に使用できる。
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、部および%は特記しない限り重量基準である。なお、本発明における使用成分の色調、軟化点、水酸基価、酸価、エポキシ当量、二量体含有率の測定・算出は、以下の方法による。
(色調):JIS 5902に準拠してガードナー色度を、JIS K0071−1に準拠してハーゼン色度を目視測定した。
(軟化点):JIS K2207(環球法)に準拠して測定した。
(酸価): JIS K2501に準拠して測定した。
(水酸基価):JIS K0070に準拠して測定した。
(エポキシ当量):JIS K7236:2001に準拠して測定した。
(二量体の含有率)
HLC測定法により求めた。測定条件は以下の通りである。
カラム:ODS(日本分光(株)製)
溶媒:メチルアルコール/0.01%リン酸=9/1(容量比)
流速:1ml/分、
検出器:示差屈折計(日本分光(株)製)
製造例1(重合ロジン系エポキシ化合物(A)の合成)
攪拌機、温度計、分水器付き冷却管を備えた反応容器に、重合ロジン(酸価178mgKOH/g、軟化点150℃、色調ガードナー1、二量体含有率65%)300部とトリメチルアミン塩酸塩0.6部をエピクロルヒドリン600部に加え、窒素気流下に80℃に加熱し、3時間保温した。クロロヒドリンエステルが生成し、未反応の重合ロジンがなくなったことをHLC測定法により確認した後、反応系内を120℃に昇温し、水酸化ナトリウム40部を1時間かけて5分割して添加した。この間、生成水はエピクロルヒドリンと共沸させて除いた。ついで、エピクロルヒドリンを減圧下に留去し、さらに4kPa、135℃にて、5分間保持した後、重合ロジン系エポキシ化合物(A)を得た。このものの色調(ガードナー)は2、軟化点は75℃、エポキシ当量は349g/eq、二量体含有率は62%であった。
製造例2(重合ロジン系エポキシ化合物(A)の合成)
製造例1において、前記重合ロジンに代えて、次の重合ロジン(酸価182mgKOH/g、軟化点171℃、色調ガードナー1、二量体含有率80%)を用いた他は、同様に反応を行い、重合ロジン系エポキシ化合物(A)を得た。このものの色調(ガードナー)は2、軟化点は84℃、エポキシ当量は331g/eq、二量体含有率は78%であった。
製造例3(重合ロジン系エポキシ化合物(B)の合成)
前記反応容器に、重合ロジンアルコール(色調ガードナー2、水酸基価150mgKOH/g、酸価1.6mgKOH/g軟化点130℃、二量体含有率65%)286部(0.5モル部)と、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム2.5部、Sn(BF(スタナステトラフルオロボレート)の45%水溶液1.3部、およびエピクロルヒドリン370部(4モル部)を加え、窒素気流下に80℃に昇温し同温度に保ちながら、水酸化ナトリウム40部を1時間かけて5分割添加し、更に3時間反応を続けた。この間、生成水はエピクロルヒドリンと共沸留去した。ついで、残余のエピクロルヒドリンを減圧下に留去することにより重合ロジン系エポキシ化合物(B)を得た。このものの色調(ガードナー)は2、軟化点は87℃、エポキシ当量は340g/eq、二量体含有率は62%であった。
製造例4(重合ロジン系エポキシ化合物(B)の合成)
製造例3において、前記重合ロジンアルコールに代えて、次の重合ロジンアルコール(色調ガードナー1、軟化点150℃、水酸基価155mgKOH/g、酸価0.8mgKOH/g、二量体含有率80%)286部(0.5モル部)を用いた他は、同様に反応を行い、重合ロジン系エポキシ化合物(B)を得た。このものの色調(ガードナー)は2、軟化点は93℃、エポキシ当量は335g/eq、二量体含有率は78%であった。
実施例1〜4(硬化性組成物の調製)
製造例1〜4で得られた各重合ロジン系エポキシ化合物100部、フェノール樹脂硬化剤(ノボラックフェノール樹脂、軟化点83℃、水酸基当量106g/eq)30部、硬化促進剤(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)2部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3部、三酸化アンチモン8部、および石英ガラス粉334部(充填材料70%に相当)を配合した後、混練温度80〜90℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、硬化性組成物を調製した(順に実施例1〜4、硬化性組成物1〜4という)。
比較例1(硬化性組成物の調製)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点78℃、エポキシ当量220)100部、フェノール樹脂硬化剤(ノボラックフェノール樹脂、軟化点83℃、水酸基当量106g/eq)48部、硬化促進剤(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)2部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3部、三酸化アンチモン8部、および石英ガラス粉376部(充填材料70%に相当)を配合した後、前記同様の条件で混練を行い、比較用硬化性組成物を調製した。
該硬化性組成物をそれぞれ以下の条件で硬化し、該硬化物の諸物性を評価した。評価結果を表1に示す。
(評価方法)
1)スパイラルフロー
EMMII−66に準拠し、スパイラルフロー金型を用いて、180℃、70kg/cmの条件下での流動長さを測定した。
2)ゲルタイム
JIS K5909に準拠し、試料0.5gを180℃の熱板上に配置し、該試料がゲル化するまでの所要時間を測定した。
3)成型品外観
試料を150℃、3時間の加熱条件でディスペンス方式により作製した。該成型品の外観を判定した。顕微鏡観察してボイド等の欠陥が認められないものを観察されないものを良好とした。
4)ガラス転移点(℃)
セイコー電子(株)製の示差走査熱量計(商品名「DSC220C」)を用いて測定し、得られたショルダー値をガラス転移点とした。
5)耐熱衝撃性(50%クラック発生サイクル)
前記成型品を、−50℃/150℃の各30分間のヒートサイクルとした場合に、顕微鏡観察してクラックが発生するまでに要したサイクル数を求めた。500サイクルで合格とした。
Figure 0006103476
表1から、本発明の電子部品封止用硬化性組成物は、比較用硬化性組成物に比べて硬化諸物性に優れることが分かる。従って、本発明の電子部品封止用硬化性組成物は、環境配慮型の成形材料として各種電子部品用の封止材として好適であることが明らかである。

Claims (9)

  1. 一般式(1):
    Figure 0006103476
    (式中、Roは重合ロジンアルコールグリシジルエーテル残基を表す。)で表わされる重合ロジン系エポキシ化合物(A)、および/または
    一般式(2):
    Figure 0006103476
    (式中、Roは重合ロジングリシジルエステル残基を表す。)で表わされる重合ロジン系エポキシ化合物(B)と、フェノール樹脂系硬化剤を、必須成分として含有することを特徴とする電子部品封止用硬化性組成物。
  2. 更に、重合ロジン系エポキシ化合物(A)および/または重合ロジン系エポキシ化合物(B)のエポキシ基と反応しうる官能基を有するポリオルガノシロキサンを含有する請求項1に記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  3. 更に、加水分解性シラン化合物を含有する請求項1または2に記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  4. 重合ロジン系エポキシ化合物(A)が、色調がガードナー3以下、軟化点が65〜120℃、エポキシ当量が300〜400g/eq、および二量体含有率が60重量%以上のものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  5. 重合ロジン系エポキシ化合物(B)が、色調がガードナー3以下、軟化点が60〜120℃、エポキシ当量が280〜380g/eq、および二量体含有率が60重量%以上のものである請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  6. 前記のフェノール樹脂系硬化剤が、ノボラック型フェノール樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  7. 前記ポリオルガノシロキサンが、カルボキシル基含有ポリジメチルシロキサン、水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アルコキシ基含有ポリジメチルシロキサン、およびアミノ基含有ポリジメチルシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  8. 前記加水分解性シラン化合物が、トリアルコキシシラン、トリアルコキシシラン初期縮合物、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン初期縮合物、およびシランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の電子部品封止用硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物を用いて得られる電子部品封止用硬化物。
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