JP6102268B2 - 音声再生装置 - Google Patents

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本発明は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーの非線形モデルの線形パラメータおよび非線形パラメータを推定したうえで、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させるように非線形歪補正信号を生成する音声再生装置に関する。
可聴音域の音波を再生する動電型スピーカーの主流である直接放射型のスピーカーでは、振動板およびボイスコイルを含むスピーカー振動系を、エッジおよびダンパーの支持系により1自由度で振動可能に支持している。また、磁気回路の磁気空隙に配置されるスピーカー振動系のボイスコイルは、音声信号電流が流されると、磁気空隙の磁界により駆動力を受けるので、スピーカー振動系が音声信号に因って振動して空気の圧力変化を生じさせ、その結果、動電型スピーカーから音声が再生される。動電型スピーカーの音圧周波数特性は、ボイスコイル変位xが小さくなる最低共振周波数f0以上の周波数帯域で、入力電圧に略比例するようになる。動電型スピーカーの音圧周波数特性は、入力信号レベルに対して再生される音圧レベルが大きくなる能率が高いものが好ましく、また、最低共振周波数f0が低くて再生可能な周波数帯域が広いものが好ましい。
一方で、動電型スピーカーでは、音声信号成分には含まれていない非線形歪成分(高調波歪、混変調歪、等)の音圧レベルが低いことが好ましい。ボイスコイル変位xが大きい最低共振周波数f0以下の周波数帯域では、動電型スピーカーは、音声信号成分には含まれていない好ましくない非線形歪成分(高調波歪、混変調歪、等)を大きなレベルで再生してしまう場合がある。これは、磁気回路の磁気空隙における磁束密度が一定でなく、磁束密度とコイル長の積である力係数Blがボイスコイル変位xに伴って変化すること、および、支持系を構成するエッジおよびダンパーのスティフネスKが一定でなく、ボイスコイル変位xに伴って変化すること、が主な原因であることが知られている。同様に、動電型スピーカーでは、ボイスコイルのインダクタンスLがボイスコイル変位xに伴って変化することもよく知られている。したがって、振動板の表面積が小さくて低音域の再生能力が乏しい動電型スピーカーでは、最低共振周波数f0以下の周波数帯域の音声信号をブーストする(増幅率(ゲイン)を相対的に大きくする)ことで実質的に再生可能な周波数帯域を低く拡大しようとする場合に、線形成分である基本波に対して非線形歪成分である高調波歪または混変調歪が相対的に著しく大きくなるという問題がある。
動電型スピーカーにおいて非線形歪が増大すると、再生音質が低下するという問題がある。本願の出願人は、スピーカーの評価を目的として基準音に対する倍音の検知閾を測定した結果について発表している(非特許文献1)。音声信号が純音であれば、非線形性により発生した基準音に対する倍音は、基本波に対する高調波歪成分に相当する。非特許文献1から、高調波歪成分が相対的に大きくなると検知可能になること、および、基準音の音圧レベルおよび周波数により倍音検知閾が変化すること、倍音次数が上がるほど検知閾が下がること、等が分かる。
従来には、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させるように、非線形歪補正信号を生成する音声再生装置がある(非特許文献2)。例えば、動電型スピーカーの非線形歪をフィードフォワード方式で補正して歪を減少させる方法が開示されている(特許文献1)。本願の出願人は、2次以上の非線形IIRフィルタという構成で特許文献1と同等の非線形歪補正方法を実現した(特許文献2)。これらの方法は、動電型スピーカーをモデル化し、線形パラメータであるシールスモールパラメータと、ボイスコイル変位xに伴う非線形パラメータとを求めて、非線形歪補正信号を生成する方法を採っている。つまり、入力信号からボイスコイル変位xを予測して、変位xを非線形パラメータの引数にして、線形化に必要な補正信号を生成するという方法である。これらの非線形歪補正の方法は、動電型スピーカーの非線形モデルに基づいているのでモデルの理解が容易であり、ヴォルテラフィルタ(Volterra filter)を用いるような他の方法(特許文献3)に比較して、高次の非線形歪補正信号の生成も比較的に容易であるという利点がある。
しかしながら、特許文献1または2の従来技術では、動電型スピーカーの特定の次数の高調波歪成分について、増減を調整するのが難しいという問題がある。これは、特許文献1または2の従来技術が、動電型スピーカーを1自由度振動系の線形モデルを基礎に、一部の非線形パラメータをボイスコイル変位xを引数にして非線形モデル化しているので、主要な非線形パラメータが相互に影響を及ぼすからである。例えば、主な偶数次歪成分である2次高調波歪のみを低減する、あるいは、主な奇数次歪成分である3次高調波歪のみを低減する、等のコントロールができれば、動電型スピーカーにおける再生音質の調整が可能になるという利点がある。したがって、動電型スピーカーの非線形歪補正の方法を改善することが要望されている。
「スピーカの評価を目的とした倍音検知閾の測定」日本音響学会 聴覚研究会資料 40(10), 839-844, 2010-12-10 、平野仁 、久本 禎俊、定家弘一 (オンキヨー株式会社) 「信号処理技術によるスピーカシステムの非線形歪補正」日本音響学会誌 67巻10号(2011),pp.470−475 梶川 嘉延(関西大学システム理工学部)
米国特許 5,438,625公報 特許第3785629号公報 特許第4034853号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることを含めて調整可能にする非線形歪補正信号を生成する音声再生装置を提供することにある。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーと、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置であって、信号処理回路が、入力音声信号が入力されるボイスコイル状態演算部と、ボイスコイル状態演算部の出力信号に基づいて非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備え、ボイスコイル状態演算部が、動電型スピーカーの第1非線形パラメータとは異なる第2非線形パラメータおよび第2線形パラメータにより設定される仮想動電型スピーカーに関して、入力音声信号に対する仮想動電型スピーカーのボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算して非線形歪補正信号生成部へ出力し、非線形歪補正信号生成部が、予測変位xと、予測速度vと、予測加速度aと、動電型スピーカーの第1線形パラメータおよび第1非線形パラメータと、仮想動電型スピーカーの第2線形パラメータおよび第2非線形パラメータと、に基づいて非線形歪補正信号を生成する。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、信号処理回路のボイスコイル状態演算部が、仮想動電型スピーカーの第2線形パラメータおよび第2非線形パラメータを含むボイスコイルの予測変位xに関する微分方程式を数値計算法で演算し、ボイスコイルの予測変位xと、予測速度vおよび予測加速度aと、を演算して出力する。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーの第1非線形パラメータと、仮想動電型スピーカーの第2非線形パラメータと、がそれぞれ少なくとも、予測変位xをパラメータとして変化する力係数Bl1(x)およびBl2(x)、並びに、スティフネスK1(x)およびK2(x)を含み、予測変位xの2次以上の多項式により近似される。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、信号処理回路のボイスコイル状態演算部が、仮想動電型スピーカーの第2非線形パラメータを予測変位xの2次以上の多項式により近似して、多項式を偶関数化することにより予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算して非線形歪補正信号生成部へ出力し、非線形歪補正信号生成部が、動電型スピーカーから再生される偶数次高調波歪成分を低減する非線形歪補正信号を生成する。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーと、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置である。信号処理回路は、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることを含めて調整可能にする非線形歪補正信号を生成する。信号処理回路は、入力音声信号が入力されるボイスコイル状態演算部と、ボイスコイル状態演算部の出力信号に基づいて非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備える。
ここで、音声再生装置の信号処理回路は、ボイスコイル状態演算部が、動電型スピーカーの第1非線形パラメータとは異なる第2非線形パラメータおよび第2線形パラメータにより設定される仮想動電型スピーカーに関して、入力音声信号に対する仮想動電型スピーカーのボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算して非線形歪補正信号生成部へ出力する。具体的には、ボイスコイル状態演算部は、仮想動電型スピーカーの第2線形パラメータおよび第2非線形パラメータを含むボイスコイルの予測変位xに関する微分方程式を数値計算法で演算し、ボイスコイルの予測変位xと、予測速度vおよび予測加速度aと、を演算して出力するのが好ましい。したがって、ボイスコイル状態演算部は、特定の第2非線形パラメータのみを非線形歪補正の対象にして仮想動電型スピーカーを想定し、その非線形歪成分を含むボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算することができる。
次に、信号処理回路の非線形歪補正信号生成部は、これらの予測変位xと、予測速度vと、予測加速度aと、動電型スピーカーの第1線形パラメータおよび第1非線形パラメータと、仮想動電型スピーカーの第2線形パラメータおよび第2非線形パラメータと、に基づいて非線形歪補正信号を生成する。非線形歪補正信号生成部は、入力音声信号に対して増幅部を介して接続される動電型スピーカーの非線形歪を低減するように調整されている。動電型スピーカーの第1線形パラメータおよび第1非線形パラメータは、入力音声信号に対するボイスコイルの線形予測変位xに基づいて特定されている。したがって、信号処理回路の非線形歪補正信号生成部は、特定の第2非線形パラメータに起因する非線形歪成分を含むボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aをボイスコイル状態演算部から入力され、さらに、動電型スピーカーのボイスコイルを仮想的な第2非線形パラメータに従った非線形歪を再生するように、非線形歪補正信号を生成することになる。非線形歪補正信号生成部は、ボイスコイル状態演算部が動電型スピーカーの第1線形パラメータおよび第1非線形パラメータだけでなく、仮想動電型スピーカーの第2線形パラメータおよび第2非線形パラメータを反映させて非線形歪補正信号を生成するので、理想的な非線形歪補正信号を生成できる。
動電型スピーカーの第1非線形パラメータと、仮想動電型スピーカーの第2非線形パラメータと、はそれぞれ少なくとも、予測変位xをパラメータとして変化する力係数Bl1(x)およびBl2(x)、並びに、スティフネスK1(x)およびK2(x)を含む。これらを予測変位xの2次以上の多項式により近似すれば、例えば、信号処理回路のボイスコイル状態演算部が、予測変位xの多項式を偶関数化することにより、動電型スピーカーから再生される偶数次高調波歪成分を低減することができる。これは、第2非線形パラメータである力係数並びにスティフネスを、予測変位x=0mmに対して対称な偶関数化することで、力係数並びにスティフネスの非対称性が大きく影響する2次または4次といった高次高調波成分を含む予測変位x(および予測速度vおよび予測加速度a)が正確に予測できるので、非線形歪補正信号生成部は、動電型スピーカーのボイスコイルの実際の変位xにより近い予測変位x(および予測速度vおよび予測加速度a)に基づいて非線形歪補正信号を生成することができるようになるからである。
したがって、仮想的な第2非線形パラメータを理想的な特定値(例えばゼロ(=0))に設定すれば、その第2非線形パラメータに起因する動電型スピーカーの非線形歪をその特定値により近い方向へ(例えば、より非線形歪を低減する)調整することができる。すなわち、本発明の音声再生装置は、第1線形パラメータおよび第1非線形パラメータにより定まる動電型スピーカーの非線形歪を含む再生特性を、第2非線形パラメータおよび第2線形パラメータにより設定される仮想動電型スピーカーの再生特性に実質的に変えることができ、非線形歪を低減させることを含めて調整可能にする非線形歪補正信号を生成することができる。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることを含めて調整可能にする非線形歪補正信号を生成することができる。
本発明の好ましい実施形態による音声再生装置1について説明する図である。(実施例1) 音声再生装置1を構成するスピーカーシステム3の力係数の非線形性を示すグラフである。(実施例1) 音声再生装置1を構成するスピーカーシステム3のスティフネスの非線形性を示すグラフである。(実施例1) 音声再生装置1のスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪について説明するグラフである。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態による音声再生装置について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による音声再生装置1について説明する図である。具体的には、図1は、音声再生装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、音声再生装置1を構成するスピーカーシステム3の力係数の非線形性を示すグラフである。また、図3は、スピーカーシステム3のスティフネスの非線形性を示すグラフである。また、図4は、音声再生装置1のスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪について説明するグラフである。なお、説明に不要な一部の構造や、内部構造等は、図示ならびに説明を省略している。
音声再生装置1は、信号処理回路2と、スピーカーシステム3と、から構成される。音声再生装置1は、入力端子Inputに入力されるデジタル音声信号を、内蔵するDSP5で信号処理し、D/A変換器6でアナログ信号に変換した後にアンプ回路7を介してスピーカーシステム3に出力する。スピーカーシステム3は、キャビネット30に動電型スピーカー31が取り付けられて構成されている。動電型スピーカー31の後述するボイスコイル33には、接続線32を介して信号処理回路2からの出力信号が供給される。したがって、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34が振動すると、音声再生装置1は、音声信号を音波に変換して音声を再生することができる。
信号処理回路2は、音声再生装置1の動作を制御する制御回路4と、デジタル音声信号を入力して信号処理するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)5と、DSP5の出力を受けてアナログ信号に変換するD/A変換器6、および、これらのアナログ信号をそれぞれ増幅してスピーカーシステム3へ出力するアンプ回路7と、を少なくとも含む。DSP5を制御する制御回路4は、D/A変換器6およびアンプ回路7でのゲインA(増幅率)をDSP5に反映させるものであってもよい。本実施例の信号処理回路2は、モノラル信号を対象に説明しているが、ステレオ信号(左信号Lおよび右信号R)を対象としてDSP5に供給されてもよい。具体的には、信号処理回路2は、DSPおよびアンプ回路を内蔵するオーディオ製品(ステレオアンプ、AVレシーバー、等)により構成し得る。もちろん、信号処理回路2は、DSPと、D/A変換器と、アンプ回路と、を含む他の音声再生装置により構成してもよい。
スピーカーシステム3は、密閉型スピーカーの音響容量を規定するキャビネット30と、直接放射型の動電型スピーカー31とから構成される。図1において断面図で示す動電型スピーカー31では、ボイスコイル33および振動板34が、エッジ35およびダンパー36によって図示する矢印xの一軸方向に振動可能に支持されている。動電型スピーカー31のフレーム37は、動電型スピーカー31をキャビネット30に固定すると共に、磁気空隙を有する磁気回路38の位置を固定する。したがって、ボイスコイル33および振動板34は、音声信号電流が流されると、磁気回路38の磁気空隙の磁界により駆動力を受けて相対的に振動する。音声信号電流が流されていない場合のボイスコイル33の静止位置を変位x=0とする。
スピーカーシステム3の最低共振周波数f0は、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34に起因する重量m0と、エッジ35およびダンパー36ならびにキャビネット30の空気の音響容量に起因するスティフネスKと、により定まる。動電型スピーカー31のスティフネスKは、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34の重量m0を支持するバネの固さを意味する。動電型スピーカー31のスティフネスKは、ボイスコイル変位xの絶対値が小さい時に比較して、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなればバネとして固くなるといえるので、ボイスコイル変位xによって変化する非線形パラメータK(x)とみなすことができる。例えば、図3のグラフにおいて実線で図示するように、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3のスティフネスKは、ボイスコイル変位xの絶対値が小さいときには変化量が少ない一方で、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなるにつれて大きくなるように変化する。
スピーカーシステム3の音圧周波数特性は、動電型スピーカー31の能率が高いほど、音圧レベルが高くなる。動電型スピーカー31の能率は、磁束密度とコイル長の積である力係数Blと、ボイスコイル33および振動板34に起因する重量m0と、等より定まる。動電型スピーカー31の磁気回路38の磁気空隙は有限なので、磁束密度は、ボイスコイル変位xに対して一定にならずに変化する。一般的に、ボイスコイル変位xの絶対値が小さい時に比較して、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなれば、力係数Blは小さくなるので、ボイスコイル変位xによって変化する非線形パラメータBl(x)とみなすことができる。例えば、図2のグラフにおいて実線で図示するように、スピーカーシステム3を構成する動電型スピーカー31の力係数Blは、最も大きくなる位置がボイスコイルの静止位置(x=0)からずれて非対称になっており、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなるにつれて小さくなるように変化する。
動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3では、最低共振周波数f0以下の周波数帯域の音声信号をブーストすることで実質的に再生可能な周波数帯域を低く拡大しようとする場合に、線形成分である基本波に対して非線形歪成分である高調波歪または混変調歪が相対的に著しく大きくなる。つまり、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなると、非線形パラメータであるスティフネスK(x)および力係数Bl(x)がボイスコイル変位xに伴って変化するので、振幅変調が発生して非線形歪成分が音声信号に含まれることになる。したがって、この音声再生装置1の信号処理回路2は、ボイスコイル状態演算部20および非線形歪補正信号生成部10を構成するDSP5において、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3の非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成し、スピーカーシステム3が再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることができる。
信号処理回路2の制御回路4は、仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータをDSP5のボイスコイル状態演算部20に設定する。また、制御回路4は、仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータに加えてスピーカーシステム3の線形パラメータおよび非線形パラメータをDSP5の非線形歪補正信号生成部10に設定する。本実施例の場合には、仮想スピーカーシステム300は、スピーカーシステム3の非線形歪特性を非線形歪が少なくなるように一部変更した仮想のスピーカーシステムであって、他の線形パラメータおよび非線形パラメータは、スピーカーシステム3のものと同一である。具体的には、仮想スピーカーシステム300では、図2および図3のグラフに示すように、磁気回路38における力係数Bl(x)の非対称性を解消して偶関数に設定し、さらに、支持系のスティフネスの非対称性および非線形性を解消して一定値に設定している。つまり、力係数ならびにスティフネスを予測変位xの2次多項式で表した場合、力係数Bl(x)=b0+b1・x+b2・x^2におけるb1をゼロに、スティフネスK(x)=k0+k1・x+k2・x^2におけるk1およびk2をゼロに、設定している。以下の数式を用いる説明では、便宜的に、スピーカーシステム3の線形パラメータおよび非線形パラメータに関する記号にはAを付して、仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータに関する記号にはBを付して、これらを区別する。
図1に図示するように、信号処理回路2のDSP5では、ボイスコイル状態演算部20が、入力音声信号に対する仮想スピーカーシステム300のボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算して非線形歪補正信号生成部10へ出力する。ボイスコイル状態演算部20は、仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータを含むボイスコイルの予測変位xに関する微分方程式を数値計算法で演算し、ボイスコイルの予測変位xと、予測速度vおよび予測加速度aと、を演算して非線形歪補正信号生成部10へ出力する。ボイスコイルの自己インダクタンスを無視した場合、スピーカーの等価回路モデルは以下のような式となるので、これらをまとめると各種パラメータに仮想スピーカーシステム300の記号Bを付した線形パラメータおよび非線形パラメータを使用した式(1)のような予測変位xに関する微分方程式が得られる。
なお、各パラメータは、以下の意味である。
Re: ボイスコイルの抵抗値(DC)
Bl(x) :磁気回路の力係数
K(x) :スピーカー振動系のスティフネス
m:スピーカー振動系の質量
Rm: スピーカー振動系の機械抵抗
u:入力音声信号電圧
したがって、式(1)を例えばホイン法のような数値計算法で演算して解けば、仮想スピーカーシステム300のボイスコイルの予測変位xが得られる。予測速度vおよび予測加速度aは、予測変位xを微分演算(差分でもよい)して出力するのが好ましい。このように、ボイスコイル状態演算部20は、特定の非線形パラメータのみを非線形歪補正の対象にして仮想スピーカーシステム300を想定し、その非線形歪成分を含むボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算することができる。なお、式(1)を解く数値計算法は、ルンゲクッタ法などの他の数値計算法であってもよい。
次に、信号処理回路2のDSP5では、非線形歪補正信号生成部10が、下記のようにして非線形歪補正信号を生成し、DSP5からの出力信号としてD/A変換器6に出力する。非線形歪補正信号生成部10は、これらの予測変位xと、予測速度vと、予測加速度aと、記号Aを付したスピーカーシステム3の線形パラメータおよび非線形パラメータと、記号Bを付した仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータと、に基づいて非線形歪補正信号uoutを生成する。具体的には、以下の式(2)に予測変位xと、予測速度vと、予測加速度aと、式(1)とを入力する。非線形歪補正信号生成部10は、スピーカーシステム3の線形パラメータおよび非線形パラメータを設定されているので、入力音声信号に対してDA変換器6およびアンプ回路7を介して接続されるスピーカーシステム3の非線形歪を低減することができる。式(1)および式(2)から、以下の式(3)が導出される。
式(3)は、特許文献1または非特許文献2に記載されているMirrorフィルタと同様の形式に書き表したものであり、さらに式(4)のようにまとめることができる。また、上記の式では、DA変換器6およびアンプ回路7でのゲインを1と仮定して数式を単純化している。
この実施例の場合のように、スピーカーシステム3の線形パラメータと仮想スピーカーシステム300の線形パラメータとが同じ値を採る場合には、式(4)は、さらに式(5)のように単純化することができる。式(5)を従来のMirrorフィルタと対比すると、厳密にスピーカーシステム3の非線形パラメータである力係数BlA(x)およびKA(x)と、仮想スピーカーシステム300の非線形パラメータである力係数Bl(x)およびK(x)と、を反映して非線形補正信号を出力することになっている。したがって、非線形パラメータを理想的に、例えば本実施例の場合のように、力係数の非線形性は変化させなくても非対称性は改善する、加えてスティフネスは一定値にして線形化する、というように設定して、非線形歪補正信号を生成できる。
図4は、音声再生装置1のスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪について説明するグラフである。具体的には、入力音声信号が75Hzの正弦波信号であり、信号処理回路2の制御回路4が、DSP5を非線形歪補正信号を生成しないように動作させる非線形歪補正OFF状態と、DSP5を非線形歪補正信号を生成するように動作させる非線形歪補正ON状態と、を切り換えるようにして動作する場合に、75Hzの2次高調波150Hzと、3次高調波225Hzと、4次高調波300Hzと、5次高調波375Hzと、における高調波歪率を測定して図示したグラフである。
動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3では、ボイスコイル33およびスピーカー振動板34の変位xの絶対値が大きくなる75Hzでは、2次〜5次の非線形歪が相対的に大きくなる。非線形歪補正信号を生成しない非線形歪補正OFF状態では、グラフに図示するように、3次および5次の奇数次の非線形歪よりも、2次および4次の偶数次の非線形歪が若干小さい。本実施例の場合のように、仮想スピーカーシステム300の非線形パラメータである力係数Bl(x)を非対称性が改善された偶関数に設定し、スティフネスK(x)を一定値に設定して非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正ON状態にすると、2次および4次の偶数次の非線形歪を十分に程度に低減することができる。
一方で、3次および5次の奇数次の非線形歪は、ほとんど変化させないようにすることができている。本実施例では、スティフネスK(x)を一定値に設定して非線形性をも改善しているが、スティフネスK(x)の非対称性を改善して偶関数に設定し、力係数Bl(x)を非対称性が改善された偶関数に設定すれば、DSP5の非線形歪補正信号生成部10は、スピーカーシステム3から再生される2次および4次といった偶数次高調波歪成分を低減するような非線形歪補正信号を生成することができる。
入力音声信号が純音である場合には、動電型スピーカー31における非線形歪補正が適正な場合には、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が低減して再生音から濁り感が少なくなる。一方で、非線形歪補正が不適当な場合には、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が逆に増大して再生音の濁り感が増して、音量も大きくなるように聴き取れる場合がある。この音声再生装置1では、任意の非線形パラメータを改善するように非線形歪補正信号を生成することができるので、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることも、反対に非線形歪を適宜に増大させることもできるようになる。つまり、実際のスピーカーシステム3の動作ならびに特性を、線形パラメータおよび非線形パラメータを含めて仮想スピーカーシステム300として設定したものにほぼ置き換えることができ、動電型スピーカーにおける再生音質の調整が可能になるという利点がある。
本実施例の音声再生装置1では、動電型スピーカー31の非線形パラメータをスティフネスK(x)と、力係数Bl(x)と存在すると仮定したが、ボイスコイル変位に伴うインダクタンスの非線形パラメータL(x)を含む他の非線形モデルに基づいて、DSP5のボイスコイル状態演算部20および非線形歪補正信号生成部10を構成しても良い。もちろん、他の非線形性を考慮した非線形モデルを採用してもよい。
もちろん、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3は、密閉型に限らず、位相反転型(バスレフ型、パッシブラジエータ型)、ケルトン型、ダブルパスレフ型、等の他のキャビネット方式であってもよい。いずれのキャビネット方式であっても、ボイスコイル状態演算部20が、仮想スピーカーシステム300の線形パラメータおよび非線形パラメータを反映し、非線形歪補正信号生成部10が、仮想スピーカーシステム300に加えてスピーカーシステム3の線形パラメータおよび非線形パラメータを反映していればよい。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーを内蔵して音声信号を再生するオーディオ装置、あるいは、ステレオ再生装置、マルチチャンネルサラウンド音声再生装置のみならず、ディスプレイ等の映像・音響機器、サブウーファー装置、または、音声を再生するスピーカーを内蔵するキャビネットを有するゲーム機、スロットマシン等の遊戯機にも適用が可能である。
1 音声再生装置
2 信号処理回路
3 スピーカーシステム
4 制御回路
5 DSP
6 D/A変換器
7 アンプ回路
10 非線形歪補正信号生成部
20 ボイスコイル状態演算部
30 キャビネット
31 動電型スピーカー
32 接続線
33 ボイスコイル
34 振動板
35 エッジ
36 ダンパー
37 フレーム
38 磁気回路

Claims (4)

  1. 動電型スピーカーと、該動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置であって、
    該信号処理回路が、入力音声信号が入力されるボイスコイル状態演算部と、該ボイスコイル状態演算部の出力信号に基づいて該非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、該非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して該動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備え、
    該ボイスコイル状態演算部が、該動電型スピーカーの第1非線形パラメータとは異なる第2非線形パラメータおよび第2線形パラメータにより設定される仮想動電型スピーカーに関して、該入力音声信号に対する該仮想動電型スピーカーのボイスコイルの予測変位xおよび予測速度vおよび予測加速度aを演算して該非線形歪補正信号生成部へ出力し、
    該非線形歪補正信号生成部が、該予測変位xと、該予測速度vと、該予測加速度aと、該動電型スピーカーの第1線形パラメータおよび該第1非線形パラメータと、該仮想動電型スピーカーの該第2線形パラメータおよび該第2非線形パラメータと、に基づいて該非線形歪補正信号を生成する、
    音声再生装置。
  2. 前記信号処理回路の前記ボイスコイル状態演算部が、前記仮想動電型スピーカーの前記第2線形パラメータおよび前記第2非線形パラメータを含む前記ボイスコイルの前記予測変位xに関する微分方程式を数値計算法で演算し、該ボイスコイルの該予測変位xと、前記予測速度vおよび前記予測加速度aと、を演算して出力する、
    請求項1に記載の音声再生装置。
  3. 前記動電型スピーカーの前記第1非線形パラメータと、前記仮想動電型スピーカーの前記第2非線形パラメータと、がそれぞれ少なくとも、前記予測変位xをパラメータとして変化する力係数Bl1(x)およびBl2(x)、並びに、スティフネスK1(x)およびK2(x)を含み、該予測変位xの2次以上の多項式により近似される、
    請求項1または2に記載の音声再生装置。
  4. 前記信号処理回路の前記ボイスコイル状態演算部が、前記仮想動電型スピーカーの前記第2非線形パラメータを前記予測変位xの2次以上の前記多項式により近似して、該多項式を偶関数化することにより前記予測変位xおよび前記予測速度vおよび前記予測加速度aを演算して前記非線形歪補正信号生成部へ出力し、
    該非線形歪補正信号生成部が、前記動電型スピーカーから再生される偶数次高調波歪成分を低減する前記非線形歪補正信号を生成する、
    請求項3に記載の音声再生装置。



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