JP2014090285A - 音声再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を十分に低減させるように非線形歪補正信号を生成する音声再生装置を提供する。
【解決手段】 音声再生装置は、信号処理回路が、入力音声信号が入力される遅延部および線形フィルタ部と、遅延部および線形フィルタ部の出力信号に基づいて非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備え、線形フィルタ部が、動電型スピーカーから再生される非線形歪が最小になる所定のゲイン特性を有する線形フィルタであり、遅延部が、線形フィルタ部の遅延出力特性と略等しい遅延を施して入力信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーの非線形モデルとして線形パラメータおよび非線形パラメータを推定したうえで、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させるように非線形歪補正信号を生成する音声再生装置に関する。
可聴音域の音波を再生する動電型スピーカーの主流である直接放射型のスピーカーでは、振動板およびボイスコイルを含むスピーカー振動系を、エッジおよびダンパーの支持系により1自由度で振動可能に支持している。また、磁気回路の磁気空隙に配置されるスピーカー振動系のボイスコイルは、音声信号電流が流されると、磁気空隙の磁界により駆動力を受けるので、スピーカー振動系が音声信号に因って振動して空気の圧力変化を生じさせ、その結果、動電型スピーカーから音声が再生される。動電型スピーカーの音圧周波数特性は、ボイスコイル変位xが小さくなる最低共振周波数f0以上の周波数帯域で、入力電圧に略比例するようになる。動電型スピーカーの音圧周波数特性は、入力信号レベルに対して再生される音圧レベルが大きくなる能率が高いものが好ましく、また、最低共振周波数f0が低くて再生可能な周波数帯域が広いものが好ましい。
一方で、動電型スピーカーでは、音声信号成分には含まれていない非線形歪成分(高調波歪、混変調歪、等)の音圧レベルが低いことが好ましい。ボイスコイル変位xが大きい最低共振周波数f0以下の周波数帯域では、動電型スピーカーは、音声信号成分には含まれていない好ましくない非線形歪成分(高調波歪、混変調歪、等)を大きなレベルで再生してしまう場合がある。これは、磁気回路の磁気空隙における磁束密度が一定でなく、磁束密度とコイル長の積である力係数Blがボイスコイル変位xに伴って変化すること、および、支持系を構成するエッジおよびダンパーのスティフネスkが一定でなく、ボイスコイル変位xに伴って変化すること、が主な原因であることが知られている。同様に、動電型スピーカーでは、ボイスコイルのインダクタンスLがボイスコイル変位xに伴って変化することもよく知られている。したがって、振動板の表面積が小さくて低音域の再生能力が乏しい動電型スピーカーでは、最低共振周波数f0以下の周波数帯域の音声信号をブーストする(増幅率(ゲイン)を相対的に大きくする)ことで実質的に再生可能な周波数帯域を低く拡大しようとする場合に、線形成分である基本波に対して非線形歪成分である高調波歪または混変調歪が相対的に著しく大きくなるという問題がある。
動電型スピーカーにおいて非線形歪が増大すると、再生音質が低下するという問題がある。本願の出願人並びに発明者らは、スピーカーの評価を目的として基準音に対する倍音の検知閾を測定した結果について発表している(非特許文献1)。音声信号が純音であれば、非線形性により発生した基準音に対する倍音は、基本波に対する高調波歪成分に相当する。非特許文献1から、高調波歪成分が相対的に大きくなると検知可能になること、および、基準音の音圧レベルおよび周波数により倍音検知閾が変化すること、倍音次数が上がるほど検知閾が下がること、等が分かる。
従来には、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を低減させるように、非線形歪補正信号を生成する音声再生装置がある。例えば、動電型スピーカーの非線形歪をフィードフォワード方式で補正して歪を減少させる方法が開示されている(特許文献1)。本願の出願人は、2次以上の非線形IIRフィルタという構成で特許文献1と同等の非線形歪補正方法を実現した(特許文献2)。これらの方法は、動電型スピーカーをモデル化し、線形パラメータであるシールスモールパラメータと、ボイスコイル変位xに伴う非線形パラメータとを求めて、非線形歪補正信号を生成する方法を採っている。つまり、入力信号からボイスコイル変位xを予測して、変位xを非線形パラメータの引数にして、線形化に必要な補正信号を生成するという方法である。これらの非線形歪補正の方法は、動電型スピーカーの非線形モデルに基づいているのでモデルの理解が容易であり、ヴォルテラフィルタ(Volterra filter)を用いるような他の方法(特許文献3)に比較して、高次の非線形歪補正信号の生成も比較的に容易であるという利点がある。
しかしながら、特許文献1または2の従来技術では、非線形歪補正に必要な線形パラメータおよび非線形パラメータを求めることが、難しいという問題がある。具体的には、入力される音声信号の全てのレベルおよび全ての周波数において、一定以上の非線形歪低減効果が得られるような非線形パラメータを得ることは、現実的に難しい。ある方法で推定した非線形パラメータを用いると、特定の周波数帯域では非線形歪を低減することができても、他の周波数帯域では非線形歪が増大してしまうことがある。これは、特許文献1または2の従来技術が、動電型スピーカーを1自由度振動系の線形モデルを基礎に、一部の非線形パラメータをボイスコイル変位xを引数にして非線形モデル化しているにすぎず、この非線形モデルでは実際の動電型スピーカーの非線形の動作をカバーできない部分がある可能性があるからである。したがって、非線形歪補正に必要な線形パラメータおよび非線形パラメータを求める方法を改善する、あるいは、動電型スピーカーの非線形モデルを改善して非線形歪補正の方法を改善する、等が要望されている。
「スピーカの評価を目的とした倍音検知閾の測定」日本音響学会 聴覚研究会資料 40(10), 839-844, 2010-12-10 、平野仁 、久本 禎俊、定家弘一 (オンキヨー株式会社)
米国特許 5,438,625公報 特許第3785629号公報 特許第4034853号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を十分に低減させるように非線形歪補正信号を生成する音声再生装置を提供することにある。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーと、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置であって、信号処理回路が、入力音声信号が入力される遅延部および線形フィルタ部と、遅延部および線形フィルタ部の出力信号に基づいて非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備え、線形フィルタ部が、動電型スピーカーから再生される非線形歪が最小になる所定のゲイン特性を有する線形フィルタであり、遅延部が、線形フィルタ部の遅延出力特性と略等しい遅延を施して入力信号を出力する。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、信号処理回路の非線形歪補正信号生成部が、線形フィルタ部の出力信号に基づく動電型スピーカーのボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部と、変位算出フィルタ部の出力信号を受けて非線形歪成分を生成して遅延部の出力信号に加えて出力する非線形歪成分出力部と、を含む。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、信号処理回路のゲイン特性を有する線形フィルタ部が、非線形歪補正信号生成部の変位算出フィルタ部の低域通過特性hxにおける通過域の一部を少なくともその通過域として含む低域通過特性Hxを有する直線位相フィルタとして構成される。
また、好ましくは、本発明の音声再生装置は、信号処理回路の線形フィルタ部のゲイン特性が、入力音声信号が正弦波信号である場合に発生する2次以上の高調波歪の音圧レベルに基づいて調整され、高調波歪の次数が高くなるほどその音圧レベルが低くなるように調整される、または、正弦波信号を基音とする際の倍音最小可聴閾値よりも低くなるように調整される。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーと、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置である。信号処理回路は、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を十分に低減させるように非線形歪補正信号を生成する。信号処理回路は、入力音声信号が入力される遅延部および線形フィルタ部と、遅延部および線形フィルタ部の出力信号に基づいて非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備える。
ここで、音声再生装置の信号処理回路は、線形フィルタ部が、動電型スピーカーから再生される非線形歪が最小になる所定のゲイン特性を有する線形フィルタであり、遅延部が、線形フィルタ部の遅延出力特性と略等しい遅延を施して入力信号を出力する。信号処理回路の非線形歪補正信号生成部は、線形フィルタ部の出力信号に基づく動電型スピーカーのボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部と、変位算出フィルタ部の出力信号を受けて非線形歪成分を生成して遅延部の出力信号に加えて出力する非線形歪成分出力部と、を含むように構成するのが好ましい。動電型スピーカーのボイスコイル変位xに起因する非線形歪を、簡易に低減することができる非線形歪補正信号生成部を構成できる。
信号処理回路の線形フィルタ部の所定のゲイン特性は、ある方法で推定した非線形パラメータを用いた場合に、動電型スピーカーの最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域において、非線形歪を低減することができるようにゲイン(例えば、0以上1.0以下)を周波数毎に調整して得られる。例えば、信号処理回路の線形フィルタ部のゲイン特性は、入力音声信号が正弦波信号である場合に発生する2次以上の高調波歪の音圧レベルに基づいて調整され、高調波歪の次数が高くなるほどその音圧レベルが低くなるように調整される、または、正弦波信号を基音とする際の倍音最小可聴閾値よりも低くなるように調整される。つまり、この音声再生装置の信号処理回路では、線形フィルタ部の出力信号に基づいて最も非線形歪が低減するように非線形歪補正信号を生成することができる。一方で、遅延部は、線形フィルタ部の遅延出力特性と略等しい遅延を施して入力信号を出力するので、加算部で非線形歪補正信号生成部の出力信号と遅延部の出力信号とを加算して出力すると、入力音声信号に応じた非線形歪補正信号が加わった音声信号出力が可能になる。その結果、音声再生装置の信号処理回路は、非線形パラメータを用いるのみでは非線形歪が増大してしまうのを防止して、いずれの周波数及び信号レベルに於いても、非線形歪を低減する効果を得ることができる。
信号処理回路のゲイン特性を有する線形フィルタ部は、非線形歪補正信号生成部の変位算出フィルタ部の低域通過特性hxにおける通過域の一部を少なくともその通過域として含む低域通過特性Hxを有する直線位相フィルタとして構成するのが好ましい。線形フィルタ部のゲイン特性は、変位算出フィルタ部の低域通過特性hxと似た低域通過特性を有していれば、ボイスコイル変位xが大きな低域通過特性Hxの通過域に於いて非線形歪を低減する効果を得ることができ、一方で、非線形パラメータを用いるのみでは非線形歪が増大してしまうことがあるボイスコイル変位xが小さな低域通過特性Hxの阻止域に於いて非線形歪が増大するのを防止することができる。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路を含む音声再生装置であって、動電型スピーカーが再生する音声に含まれる非線形歪を十分に低減させるように非線形歪補正信号を生成することができる。
本発明の好ましい実施形態による音声再生装置1について説明する図である。(実施例1) 信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10の構成例について説明する図である。(実施例1) 信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10の変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxと、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxについて説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による音声再生装置1のスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪(3次)について説明するグラフである。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態による音声再生装置について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による音声再生装置1について説明する図である。具体的には、図1は、音声再生装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、音声再生装置1を構成する信号処理回路2のDSP5において、非線形歪補正信号生成部10の構成例を説明する図である。また、図3は、信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10の変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxと、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxについて説明するグラフである。また、図4は、音声再生装置1のスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪(3次)について説明するグラフである。なお、説明に不要な一部の構造や、内部構造等は、図示ならびに説明を省略している。
音声再生装置1は、信号処理回路2と、スピーカーシステム3と、から構成される。音声再生装置1は、入力端子Inputに入力されるデジタル音声信号を、内蔵するDSP5で信号処理し、D/A変換器6でアナログ信号に変換した後にアンプ回路7を介してスピーカーシステム3に出力する。スピーカーシステム3は、キャビネット30に動電型スピーカー31が取り付けられて構成されている。動電型スピーカー31の後述するボイスコイル33には、接続線32を介して信号処理回路2からの出力信号が供給される。したがって、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34が振動すると、音声再生装置1は、音声信号を音波に変換して音声を再生することができる。
信号処理回路2は、音声再生装置1の動作を制御する制御回路4と、デジタル音声信号を入力して信号処理するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)5と、DSP5の出力を受けてアナログ信号に変換するD/A変換器6、および、これらのアナログ信号をそれぞれ増幅してスピーカーシステム3へ出力するアンプ回路7と、を少なくとも含む。DSP5を制御する制御回路4は、D/A変換器6およびアンプ回路7でのゲインA(増幅率)をDSP5に反映させるものであってもよい。本実施例の信号処理回路2は、モノラル信号を対象に説明しているが、ステレオ信号(左信号Lおよび右信号R)を対象としてDSP5に供給されてもよい。具体的には、信号処理回路2は、DSPおよびアンプ回路を内蔵するオーディオ製品(ステレオアンプ、AVレシーバー、等)により構成し得る。もちろん、信号処理回路2は、DSPと、D/A変換器と、アンプ回路と、を含む他の音声再生装置により構成してもよい。
スピーカーシステム3は、密閉型スピーカーの音響容量を規定するキャビネット30と、直接放射型の動電型スピーカー31とから構成される。図1において断面図で示す動電型スピーカー31では、ボイスコイル33および振動板34が、エッジ35およびダンパー36によって図示する矢印xの一軸方向に振動可能に支持されている。動電型スピーカー31のフレーム37は、動電型スピーカー31をキャビネット30に固定すると共に、磁気空隙を有する磁気回路38の位置を固定する。したがって、ボイスコイル34および振動板34は、音声信号電流が流されると、磁気回路38の磁気空隙の磁界により駆動力を受けて相対的に振動する。音声信号電流が流されていない場合のボイスコイル34の静止位置を変位x=0とする。
スピーカーシステム3の最低共振周波数f0は、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34に起因する重量m0と、エッジ35およびダンパー36ならびにキャビネット30の空気の音響容量に起因するスティフネスkと、により定まる。動電型スピーカー31のスティフネスkは、動電型スピーカー31のボイスコイル33および振動板34の重量m0を支持するバネの固さを意味する。動電型スピーカー31のスティフネスkは、ボイスコイル変位xの絶対値が小さい時に比較して、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなればバネとして固くなるといえるので、ボイスコイル変位xによって変化する非線形パラメータk(x)とみなすことができる。
スピーカーシステム3の音圧周波数特性は、動電型スピーカー31の能率が高いほど、音圧レベルが高くなる。動電型スピーカー31の能率は、磁束密度とコイル長の積である力係数Blと、ボイスコイル33および振動板34に起因する重量m0と、等より定まる。動電型スピーカー31の磁気回路38の磁気空隙は有限なので、磁束密度は、ボイスコイル変位xに対して一定にならずに変化する。一般的に、ボイスコイル変位xの絶対値が小さい時に比較して、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなれば、力係数Blは小さくなるので、ボイスコイル変位xによって変化する非線形パラメータBl(x)とみなすことができる。
動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3では、最低共振周波数f0以下の周波数帯域の音声信号をブーストすることで実質的に再生可能な周波数帯域を低く拡大しようとする場合に、線形成分である基本波に対して非線形歪成分である高調波歪または混変調歪が相対的に著しく大きくなる。つまり、ボイスコイル変位xの絶対値が大きくなると、非線形パラメータであるスティフネスk(x)および力係数Bl(x)がボイスコイル変位xに伴って変化するので、振幅変調が発生して非線形歪成分が音声信号に含まれることになる。したがって、この音声再生装置1の信号処理回路2は、非線形歪補正信号生成部10を構成するDSP5において、動電型スピーカー31の非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成し、動電型スピーカー31が再生する音声に含まれる非線形歪を低減させることができる。
図1に図示するように、信号処理回路2のDSP5では、入力音声信号が遅延部11と線形フィルタ部12とに分岐されて入力される。遅延部11および線形フィルタ部12の出力信号は、非線形歪補正信号生成部10の入力13aおよび13bにそれぞれ入力される。非線形歪補正信号生成部10は、動電型スピーカー31の非線形歪特性(スティフネスk(x)、力係数Bl(x))を反映した非線形歪補正信号を生成し、DSP5からの出力信号としてD/A変換器6に出力される。遅延部11および線形フィルタ部12については、後述する。
図2は、DSP5での非線形歪補正信号生成部10の構成例を示す図である。図2(a)は、特許文献1に記載の方法に類する構成であり、一方、図2(b)は、特許文献2に記載の方法に類する構成である。これらの非線形歪補正信号生成部10は、入力信号からボイスコイル変位xを予測して、ボイスコイル変位xを非線形パラメータの引数にして線形化に必要な非線形歪補正信号を生成するものであり、いずれの構成であっても採用可能である。
図2(a)の非線形歪補正信号生成部10では、端子13bからの入力音声信号を動電型スピーカー31のボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部14に入力する。具体的には、変位算出フィルタ部14は、動電型スピーカー31の線形パラメータから算出されるボイスコイル変位特性と相似の低域通過特性hxを有するフィルタ14aと、フィルタ14aの出力信号にD/A変換器6およびアンプ回路7でのゲインAを反映させた係数を乗算する乗算器14bと、を含む。したがって、変位算出フィルタ部14の出力信号は、ボイスコイル変位xの予測位置と等価になる。非線形歪成分出力部15は、変位算出フィルタ部14の出力信号であるボイスコイル変位xを受けて、非線形歪成分を生成する。具体的には、非線形歪成分出力部15は、ボイスコイル変位xを引数にして非線形パラメータであるスティフネスk(x)および力係数Bl(x)を線形化するように非線形歪成分を生成する非線形回路部15aを含み、加算器15bにおいて、端子13aからの入力音声信号と非線形回路部15aの出力信号とを加算して出力する。非線形回路部15aの構成については、特許文献1に詳細に記載されているので、図示及び説明を省略する。
また、図2(b)の非線形歪補正信号生成部10では、非線形2次IIR(Infinite Impulse Response:無限インパルス応答)フィルタにより非線形歪成分を生成する。この非線形2次IIRフィルタは、端子13bからの入力音声信号により動電型スピーカー31のボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部14と、変位算出フィルタ部14の出力信号であるボイスコイル変位xを受けて端子13aからの入力音声信号から非線形歪成分を生成する非線形歪成分出力部15と、を実質的に含む。図2(b)の非線形2次IIRフィルタでは、図2(a)の非線形歪補正信号生成部10とほぼ同じように非線形歪成分を生成することができる。非線形2次IIRフィルタの構成については、特許文献2に詳細に記載されているので、図示及び説明を省略する。
非線形歪成分を生成する非線形歪補正信号生成部10は、動電型スピーカー31の予め測定された線形パラメータおよび非線形パラメータを、制御回路4から設定されている。例えば、図2(a)の非線形歪補正信号生成部10では、最低共振周波数f0、等価質量m0、等の線形パラメータと、スティフネスk(x)および力係数Bl(x)の非線形パラメータと、が与えられている。また、図2(b)の非線形歪補正信号生成部10では、上記のような線形パラメータから換算された線形フィルタ係数(B1、B2、h0〜h2、等)と、非線型パラメータから基準化された非線型フィルタ係数と、が与えられている。
動電型スピーカー31の線形パラメータおよび非線形パラメータを予め測定する方法は、様々な方法が存在する。本実施例の場合には、市販されている動電型スピーカーの測定器を使用して、動電型スピーカー31の線形パラメータおよび非線形パラメータを予め測定する。得られる線形パラメータおよび非線形パラメータは、直接に測定できる測定値の他に、換算等で得た計算値および所定の推定方法による推定値を含む。非線形歪補正信号生成部10は、これらの線形パラメータおよび非線形パラメータに基づいて非線形歪成分を生成するので、動電型スピーカー31の非線形歪を低減する非線形歪補正信号を生成することができる。ただし、非線形歪補正信号生成部10のみを用いる従来の構成では、ある特定の周波数帯域では非線形歪を低減することができても、他の周波数帯域では非線形歪が増大してしまうことがある。
本実施例の信号処理回路2のDSP5では、線形フィルタ部12が、所定のtap数を有するFIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタで構成される。線形フィルタ部12は、後述する所定のゲイン特性(=Hx)を有する直線位相フィルタであり、遅延部11は、線形フィルタ部12の遅延出力特性と略等しい遅延を施すディレイ回路である。もちろん、遅延部11は、線形フィルタ部12と同等の直線位相フィルタにおいて、所定の遅延時間のタップ係数が1で、それ以外のタップ係数が0である直線位相フィルタで構成しても良い。
図3は、信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10の変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxと、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxについて説明するグラフである。具体的には、図3(a)が変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxを示し、図3(b)が線形フィルタ部12の低域通過特性Hxを示すグラフである。
動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3は密閉型であるので、そのボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部14のフィルタ特性hxは、最低共振周波数f0以下が略平坦で、最低共振周波数f0以上で−12dB/Octの減衰特性を示す低域通過特性である。したがって、低域通過特性hxは、最低共振周波数f0以下が通過域(Pass Band)になる。また、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxは、変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxにおける通過域の一部を少なくともその通過域(Pass Band)として含む。
ここで、「低域通過特性hxにおける通過域の一部を少なくともその通過域として含む」とは、低域通過特性Hxの最もゲインの高い周波数帯域が、平坦特性ではなくとも一定幅の周波数帯域を持ち、これが低域通過特性hxの通過域に重複することを意味する。線形フィルタ部12の低域通過特性Hxは、ボイスコイル変位xを意味する低域通過特性hxのような2次の低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)と相似である必要はないが、最低共振周波数f0以上の周波数において変位算出フィルタ部の14の低域通過特性hxよりも急激に減少し、出力がほとんど0になる広い阻止域(Stop Band)を有する。
ここで、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxを調整する方法を説明する。上述のように動電型スピーカー31の線形パラメータおよび非線形パラメータを予め測定しておき、信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10にこれらを設定する。最初は、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxを全ての周波数でゲイン1となるように仮に設定し、入力音声信号が正弦波信号である場合の高調波歪を測定する。ここで、制御回路4からは、DSP5の非線形歪補正信号生成部10の動作を制御し、非線形歪成分を生成しない非線形歪補正OFF状態と、非線形歪成分を生成する非線形歪補正ON状態と、を切り替えさせる。そして、正弦波信号の周波数を変更して高調波歪の周波数特性を、非線形歪補正OFF状態と、非線形歪補正ON状態とでそれぞれ測定する。
再生音が純音の場合には、動電型スピーカー31における非線形歪補正が適正な場合には、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が低減して再生音から濁り感が少なくなる。一方で、非線形歪補正が不適当な場合には、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が逆に増大して再生音の濁り感が増して、音量も大きくなるように聴き取れる場合がある。動電型スピーカー31の最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域において、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が低減することが多く、逆に、最低共振周波数f0付近以上の周波数帯域において、非線形歪が逆に増大することが多い。これは、動電型スピーカー31の線形パラメータは、動電型スピーカー31を1自由度振動系と仮定する線形モデルに基づき、さらに、その非線形パラメータは、ボイスコイル変位xに基づく非線形歪が発生するという非線形モデルに基づいているので、振動板34における分割振動が発生しにくい、等の理由により、最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域でモデルがよく一致するからである。
次に、線形フィルタ部12を所定のゲイン値α(0以上1以下)を乗算する乗算器に変更し、遅延部11での遅延時間をゼロに変更して遅延部11を実質的にバイパスするように設定する。そして、動電型スピーカー31の最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域において、所定の周波数毎に2次以上の高調波歪の音圧レベルを測定し、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪がゲイン値α=1の場合よりも低減するゲイン値α(0以上1未満)を特定するように調整する。これを所定の周波数毎に繰り返してゲイン値α(0以上1以下)の周波数特性を得て、これを線形フィルタ部12のゲイン特性Hxとして設定する。線形フィルタ部12は、上記の通りFIRフィルタにより構成するので、ゲイン特性Hxのみを反映させて直線位相特性を実現できる。
上記のように、信号処理回路2の非線形歪補正信号生成部10は、最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域で動電型スピーカー31とモデルがよく一致するので、その結果、ゲイン値αの周波数特性は、最低共振周波数f0付近以下の周波数帯域においてレベルが高い低域通過特性を示すことになる。つまり、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxは、非線形歪補正信号生成部10の変位算出フィルタ部14の低域通過特性hxにおける通過域の一部を少なくともその通過域として含むようになる。したがって、ゲイン値αが大きい帯域は、非線形歪補正の効果が有効な帯域にすることができる。
他方で、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxにおけるゲイン値αが小さく0に近い帯域は、非線形歪補正の効果を期待しない帯域にすることができる。これらの帯域の音声信号は、専ら遅延部11を通過して、非線形歪補正信号生成部10の出力信号と、加算部13で加算される。したがって、入力音声信号のレベルを基本的に変化することなく音声出力が可能になるとともに、非線形歪補正ON状態に切り換えたとしても、非線形歪補正信号生成部10から非線形歪補正信号が生成されないので、非線形パラメータを用いるのみでは非線形歪が増大してしまうのを防止して、いずれの周波数及び信号レベルに於いても、非線形歪を低減する効果を得ることができる。
線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定する際には、様々な方法があり得る。例えば、動電型スピーカー31の高調波歪は、2次歪と3次歪がそれ以上の他の高調波歪よりも大きいのが一般的である。特に、奇数次歪である3次歪は動電型スピーカー31の再生音の音色に与える影響が大きい。一方で、偶数次歪である2次歪は、増減しても音量感が多少変化するのみである場合があり、非線形歪低減という物理的な効果が、聴感での補正効果として感じられないことがある。したがって、例えば、2次歪の増減には関係なく3次歪の低減のみを評価対象にして、線形フィルタ部12の低域通過特性Hxを設定してもよい。
図4は、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3からの再生音に含まれる非線形歪(3次)について説明するグラフである。具体的には、入力正弦波信号の周波数を横軸にして、縦軸に3次歪成分の音圧レベルの相対値をプロットしている。図示するOFFは、非線形歪補正信号生成部10が、非線形歪成分を生成しない非線形歪補正OFF状態に設定された場合である。図示するON−0は、従来の方法であって、線形フィルタ部12のゲイン特性を全周波数においてα=1とし、非線形歪補正信号生成部10が、非線形歪成分を生成する非線形歪補正ON状態に設定された場合である。さらに、図示するON−1は、本実施例の場合であって、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定して、非線形歪補正信号生成部10が、非線形歪成分を生成する非線形歪補正ON状態に設定された場合である。
図4のグラフのOFFに示される様に、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3の3次高調波歪は、約50〜約160Hzにおいて周波数が高くなるにつれて減少するが、−30dBよりも大きくなっている。ON−0に示される様に、非線形歪補正信号生成部10が、非線形歪成分を生成する非線形歪補正ON状態に設定されると、約80〜約150Hzにおいて約−5〜−12dBの3次歪が低減する効果が現れている。ただし、ON−0の非線形歪補正ON状態では、50〜70Hzでの3次歪低減効果が低く、約170〜約200Hzでは逆に3次歪は非線形歪補正OFF状態よりも僅かながら増えてしまっている。
本実施例の場合には、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxの通過域は、約50〜約160Hzである。図4のグラフのON−1に示される様に、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3の3次高調波歪は、約80〜約150Hzにおいて非線形歪補正ON状態と同等の−5〜−12dBの3次歪が低減する効果になっている。しかも、約50〜約70Hzに於いても約−5〜約−12dBの3次歪が低減する効果が現れており、約170〜約200Hzにおいても3次歪が非線形歪補正OFF状態よりも増えていない。この様に、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定することで、動電型スピーカー31の再生音の音色に与える影響が大きい3次歪を低減することができる。
また、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定する際には、高調波歪の次数が高くなるほどその音圧レベルが低くなるように調整されるのが好ましい。または、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxは、正弦波信号を基音とする際の倍音最小可聴閾値よりも低くなるように調整されるのが好ましい。非特許文献1の記載から分かるように、人間の聴覚は、高調波歪成分が相対的に大きくなると検知可能になりやすいものの、一般に動電型スピーカーの最低共振周波数f0は50Hz〜200Hzの音声帯域である場合が多いので、動電型スピーカーの高調波歪の次数が高くなるほど検知し易くなるように検知閾が変化するからである。
つまり、非線形歪補正OFF状態で複数の次数の高調波歪が存在する場合には、非線形歪補正ON状態に切り換えたときに、音圧レベルが、2次歪 > 3次歪 > 4次歪 > 5次歪 > ・・・n次歪 という関係になるように線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定するのが好ましい。特定の次数の高調波歪成分が大きくならない方が、非線形歪成分が音色に与える影響を小さくすることができる。また、このようにゲイン特性Hxを設定すれば、非線形歪の音圧レベルが倍音最小可聴閾値よりも低くなり、実質的に検知できないまで非線形歪を低減できる場合もでてくるからである。再生音が純音の場合には、動電型スピーカー31における非線形歪補正が適正な場合には、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えると、非線形歪が低減して再生音から濁り感を少なくすることができる。
なお、動電型スピーカー31の線形パラメータおよび非線形パラメータを予め測定する方法は、他のあらゆるパラメータ推定方法が採用し得る。正弦波の2信号を加えて混変調歪を測定し、これを低減する線形及び非線形パラメータを特定する方法であっても良い。また、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定する際にも、線形パラメータおよび非線形パラメータを推定する方法に基づいて、非線形歪が増大しないように設定すればよい。
本実施例の音声再生装置1では、動電型スピーカー31の非線形パラメータをスティフネスk(x)と、力係数Bl(x)と存在すると仮定したが、ボイスコイル変位に伴うインダクタンスの非線形パラメータL(x)を含む他の非線形モデルに基づいて非線形歪補正信号生成部10を構成しても良い。もちろん、他の非線形性を考慮した非線形モデルを採用してもよいが、実際の動電型スピーカーの動作と、その非線形モデルの動作と間では、少なからず誤差が存在することが推測される。本実施例のように、遅延部11および線形フィルタ部12を設定することで、非線形歪補正OFF状態から非線形歪補正ON状態に切り換えても、最低共振周波数f0付近以上の周波数帯域において非線形歪が逆に増大することを防止し、非線形歪を低減させる効果を得ることができる。
もちろん、動電型スピーカー31を含むスピーカーシステム3は、密閉型に限らず、位相反転型(バスレフ型、パッシブラジエータ型)、ケルトン型、ダブルパスレフ型、等の他のキャビネット方式であってもよい。いずれのキャビネット方式であっても、非線形歪補正信号生成部10が、動電型スピーカー31ボイスコイル変位xを予測可能な線形及び非線形モデルを反映していればよい。非線形歪補正信号生成部10は、線形フィルタ部12のゲイン特性Hxを設定するので、非線形パラメータを用いるのみでは非線形歪が増大してしまうのを防止して、いずれの周波数及び信号レベルに於いても、非線形歪を低減する効果を得ることができる。
本発明の音声再生装置は、動電型スピーカーを内蔵して音声信号を再生するオーディオ装置、あるいは、ステレオ再生装置、マルチチャンネルサラウンド音声再生装置のみならず、ディスプレイ等の映像・音響機器、サブウーファー装置、または、音声を再生するスピーカーを内蔵するキャビネットを有するゲーム機、スロットマシン等の遊戯機にも適用が可能である。
1 音声再生装置
2 信号処理回路
3 スピーカーシステム
4 制御回路
5 DSP
6 D/A変換器
7 アンプ回路
10 非線形歪補正信号生成部
11 遅延部
12 線形フィルタ部
14 変位算出フィルタ部
15 非線形歪成分出力部
30 キャビネット
31 動電型スピーカー
32 接続線
33 ボイスコイル
34 振動板
35 エッジ
36 ダンパー
37 フレーム
38 磁気回路

Claims (4)

  1. 動電型スピーカーと、該動電型スピーカーの非線形歪特性を反映した非線形歪補正信号を生成する信号処理回路と、を含む音声再生装置であって、
    該信号処理回路が、入力音声信号が入力される遅延部および線形フィルタ部と、該遅延部および該線形フィルタ部の出力信号に基づいて該非線形歪補正信号を生成する非線形歪補正信号生成部と、該非線形歪補正信号生成部からの出力信号を増幅して該動電型スピーカーへ出力する増幅部と、を備え、
    該線形フィルタ部が、該動電型スピーカーから再生される非線形歪が最小になる所定のゲイン特性を有する線形フィルタであり、該遅延部が、該線形フィルタ部の遅延出力特性と略等しい遅延を施して入力信号を出力する、
    音声再生装置。
  2. 前記信号処理回路の前記非線形歪補正信号生成部が、前記線形フィルタ部の出力信号に基づく前記動電型スピーカーのボイスコイル変位xを算出する変位算出フィルタ部と、該変位算出フィルタ部の出力信号を受けて非線形歪成分を生成して前記遅延部の出力信号に加えて出力する非線形歪成分出力部と、を含む、
    請求項1に記載の音声再生装置。
  3. 前記信号処理回路の前記ゲイン特性を有する前記線形フィルタ部が、前記非線形歪補正信号生成部の前記変位算出フィルタ部の低域通過特性hxにおける通過域を少なくともその通過域として含む低域通過特性Hxを有する直線位相フィルタとして構成される、
    請求項2に記載の音声再生装置。
  4. 前記信号処理回路の前記線形フィルタ部の前記ゲイン特性が、前記入力音声信号が正弦波信号である場合に発生する2次以上の高調波歪の音圧レベルに基づいて調整され、該高調波歪の次数が高くなるほどその音圧レベルが低くなるように調整される、または、該正弦波信号を基音とする際の倍音最小可聴閾値よりも低くなるように調整される、
    請求項1から3のいずれかに記載の音声再生装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113162555A (zh) * 2021-03-17 2021-07-23 维沃移动通信有限公司 非线性失真补偿电路、装置、电子设备和方法

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