JP6102142B2 - 赤外線検出器 - Google Patents
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Description
たとえば、熱検知をする場合、熱源の温度によって、熱源から放射されるスペクトルも異なる。具体的には、20℃前後の室温において計測されるスペクトルのピーク波長は10μmであるが、400℃前後の熱源から放射されるスペクトルのピーク波長は4.3μmである。したがって、観測対象の温度を正しく検知するためには、複数の波長帯域に感度をもつセンサを用意する必要がある。
QDIPは、量子ドットの周囲が、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップをもつ半導体で3次元的に囲まれた構造を有する。また、量子ドットの領域に電子および正孔が強く閉じ込められている。その結果、量子ドット中に離散的なエネルギー準位が形成される。それらの準位のうち、伝導帯の複数の電子サブバンド準位を利用し、サブバンド間エネルギー差に相当するエネルギーをもつ赤外線を検知することができる。
さらに、特許文献1では、平面形状が楕円形である量子ドットを用いることにより2つの波長帯域における検知を可能としている。しかし、例えば、10μm、5μmをそれぞれ中心波長とする2つの波長帯域における検知を行う場合、直交する2つの偏光方向の間のエネルギー差がおよそ60meVである必要がある。これだけのエネルギー差を生じさせるためには、量子ドットの形状は、非対称性の程度がかなり高い楕円形状である必要がある。しかしながら、このような楕円形状の量子ドットを作製するのに必要な材料や作製条件は、かなり限られる。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器100の構造を説明する断面図である。
図1に示すように、赤外線検出器100は、半導体基板1、緩衝層2、下部コンタクト層3(第1のコンタクト層)、光吸収層4、上部コンタクト層5(第2のコンタクト層)、下部電極6、上部電極7、電圧源8、電流計9等を備えている。
また、下部電極6と上部電極7とは、電圧源8を介して接続されている。また、電流計9は、下部電極6と上部電極7との間に接続されている。
そして、電圧源8は、下部電極6と上部電極7との間に適切な電圧を印加する。また、電流計9は、光吸収層4が入射赤外線Xを吸収することにより、下部電極6と上部電極7との間に流れる光電流を測定する。
具体的には、下部コンタクト層3の上に、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44の順に、各層が繰り返し形成されている。また、量子井戸層42及び量子ドット層44は、それぞれ、10層以上30層以下程、積層されている。これにより、光吸収層4における赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
結合層43は、i型半導体を主材料として構成されている。また、結合層43の厚さは、結合層43を挟んで対向する量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成する程度の厚さに設定されている。典型的には、結合層43の厚さは、5nm以上15nm以下程度である。
ここで結合モードとは、一の量子ドットに閉じ込められた電子または正孔の波動関数と他の量子ドットに閉じ込められた電子または正孔の波動関数とが重なり合うほど近接し、量子ドット間で相互作用が生じることによって、単独の量子ドットにおけるエネルギー準位とは異なるエネルギー準位が形成された状態のことを言う。量子ドット同士があまりにも近接しすぎると、それぞれの量子ドットを形成することが難しくなる。一方で、量子ドット同士が離れすぎると、波動関数の重なりがなくなってしまう。そのため、結合層43の厚さが所定の厚さの範囲内である場合にのみ、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成することができる。本実施の形態では、5nm以上15nm以下程度である。
また、図3において、縦軸は赤外線検出器100の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
まず、電圧条件(a)について説明する。
電圧条件(a)では、電圧源8は、量子井戸層42の基底準位EL1のエネルギーと量子ドット層44の基底準位EL3のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とは結合モードを形成する。
量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とが結合モードを形成すると、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、量子井戸層42と量子ドット層44の両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
一方、本実施の形態1にかかる赤外線検出器100では、電圧条件(a)において、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合層43を介して結合モードを形成している。そのため、赤外線Xの入射方向によらずに、量子ドット層44において電子が基底準位EL3から励起準位EL4へ遷移するとともに、量子井戸層42においても電子が基底準位EL1から励起準位EL2へ遷移する。これにより、赤外線検出器100では、赤外線Xの入射方向又は偏光方向を工夫しなくても、2つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
電圧条件(b)では、電圧源8は、量子井戸層42の励起準位EL2のエネルギーと量子ドット層44の励起準位EL4のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とは結合モードを形成する。
量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とが結合モードを形成すると、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、量子井戸層42と量子ドット層44の両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
また、電圧条件(a)では、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL2とが結合モードを形成し、電圧条件(b)とでは、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とが結合モードを形成する。すなわち、電圧条件(a)と電圧条件(b)とでは、結合モードを形成するエネルギー準位が異なる。しかし、電圧条件(a)において赤外線検出器100が検出するスペクトルと、電圧条件(b)において赤外線検出器100が検出するスペクトルはほぼ同じとなる。
なお、電圧条件(a)と電圧条件(b)とでは、電圧源8の印加電圧は異なるため、エネルギー差E1及びE2は多少異なる。そのため、電圧条件(a)において赤外線検出器100が検出するスペクトルと、電圧条件(b)において赤外線検出器100が検出するスペクトルは多少異なる。
電圧条件(c)は、電圧条件(a)及び電圧条件(b)の何れにも当てはまらない電圧条件である。この場合、図2(c)に示すように、量子井戸層42の基底準位EL1のエネルギーと量子ドット層44の基底準位EL3のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、量子井戸層42の励起準位EL2のエネルギーと量子ドット層44の励起準位EL4のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。そのため、上述の光学選択則により、量子井戸層42に束縛された電子は、基底状態EL1から励起状態EL2へ遷移できない。よって、赤外線検出器100は、エネルギー差E2に相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
つまり、電圧条件(c)においては、赤外線検出器100は、1つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
(1)量子ドットを含む結晶成長
半導体基板1として、面方位が(001)面のGaAs基板(ヒ化ガリウム基板)を用意する。このGaAs基板を分子線エピタキシャル(MBE)装置内へ導入し、加熱することにより、固体Asを昇華させる。そして、固体Asを昇華させることにより得られるAs分子線を照射しながら、基板温度を600℃まで上昇させる。これにより、半導体基板1表面にある自然酸化膜を除去する。
その後、580℃程度の温度に設定し、厚さ500nmで、緩衝層2を積層する。緩衝層2は、半導体基板1と同じGaAs(ヒ化ガリウム)から構成される。
次に、厚さ500nmで、n型の下部コンタクト層3を積層する。下部コンタクト層3は、Si原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成される。
次に、厚さ5nm程度で、量子井戸層42を積層する。量子井戸層42は、Si原子を濃度1017cm−3程度ドーピングしたGaAsから構成される。
次に、厚さ5nm以上15nm以下程度で、i型の結合層43を積層する。i型の結合層43は、AlGaAsで構成される。
この時、InAsとAlGaAsとの格子定数の違いから発生する歪みによって、InAsが島状に3次元的に成長する。これにより、SK(Stranski−Krastanov)モードと呼ばれる量子ドットが形成される。その結果、量子ドットが平面的上に並んだ量子ドット層44が形成される。量子ドットの典型的な直径は30nm、高さ5nmであり、1平方センチメートルあたりの数密度は5×1010程度である。
続いて、n型ドーパントであるSi原子を量子ドット層44の直上に供給する。この時、Si原子の濃度は量子ドットの面密度と同程度にする。
上記の手順に従って、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44、中間層41の積層を10回以上30回以下程度繰り返す。これにより、量子井戸−量子ドット結合層が複数層形成された光吸収層4を形成することができる。
続いて、紫外線リソグラフィー、ドライエッチングまたはウエットエッチング技術を利用して上部コンタクト層5、光吸収層4および下部コンタクト層3の一部を選択的にエッチングする。これにより下部コンタクト層3の表面の一部が露出する。
この選択エッチングにより、分離された構造が赤外線検出器100の1素子になる。赤外線検出器100の受光面の大きさは、用途によって異なるが、典型的には20μmから500μm程度である。赤外線検出器100はこの1素子のみで構成されてもよいし、このような素子を一列に、あるいは2次元的に配列させたアレイであってもよい。
以上の工程により、実施の形態1に係る赤外線検出器100の基本構成が完成する。
具体的には、電圧源8が、量子井戸層42と量子ドット層44との間で基底準位EL1、EL3又は励起準位EL2、EL4が一致するように、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に電圧を印加する。これにより、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成し、赤外線検出器100は、2つの波長帯域に対して感度を有する。
また、電圧源8が、量子井戸層42と量子ドット層44との間で基底準位EL1、EL3及び励起準位EL2、EL4が一致しないように、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に電圧を印加する。これにより、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成せず、赤外線検出器100は、1つの波長帯域に対して感度を有する。
よって、電圧源8の印加電圧を制御することにより、量子井戸層42と量子ドット層44との結合モードの形成を制御することができる。これにより、より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器100を提供できる。
これにより、光吸収層4における赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
これにより、結合層43を挟んで対向する量子井戸層42と量子ドット層44とが、より確実に結合モードを形成することができる。
図4は、本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器200の構造を説明する断面図である。
図4に示すように、実施の形態2にかかる赤外線検出器200は、光吸収層4Aのみが、実施の形態1にかかる赤外線検出器100と異なる。そのため、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
具体的には、下部コンタクト層3の上に、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aの順に、各層が繰り返し形成されている。また、第1の量子井戸層42A、量子ドット層44A、第2の量子井戸層46Aは、それぞれ、10層以上30層以下程、積層されている。これにより、光吸収層4Aにおける赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
また、図6において、縦軸は赤外線検出器200の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
まず、電圧条件(a)について説明する。
電圧条件(a)では、電圧源8は、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは結合モードを形成する。
第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とが結合モードを形成すると、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、第1の量子井戸層42Aと量子ドット層44Aの両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
電圧条件(b)では、電圧源8は、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは結合モードを形成する。
第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの基底準位EL7とが結合モードを形成すると、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの励起準位EL7とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、第2の量子井戸層46Aと量子ドット層44Aの両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
電圧条件(c)は、電圧条件(a)及び電圧条件(b)の何れにも当てはまらない電圧条件である。この場合、図5(c)に示すように、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、第1の量子井戸層42Aの励起準位EL6のエネルギーと量子ドット層44Aの励起準位EL8のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。
同様に、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、第2の量子井戸層46Aの励起準位EL10のエネルギーと量子ドット層44Aの励起準位EL8のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。
そのため、上述の光学選択則により、第1の量子井戸層42Aに束縛された電子は、基底状態EL5から励起状態EL6へ遷移できない。よって、赤外線検出器200は、エネルギー差E4に相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
同様に、第2の量子井戸層46Aに束縛された電子は、基底状態EL9から励起状態EL10へ遷移できない。よって、赤外線検出器200は、エネルギー差E5に相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
つまり、電圧条件(c)においては、赤外線検出器200は、1つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
また、実施の形態2では、光吸収層が、第1の量子井戸層、第1の結合層、量子ドット層、第2の結合層、第2の量子井戸層の順に積層された部分を備えている構成を示したが、量子井戸層と量子ドット層が入れ替わった構造でも構わない。すなわち、光吸収層が、第1の量子ドット層、第1の結合層、量子井戸層、第2の結合層、第2の量子ドット層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備えた構成であってもよい。この場合であっても、電圧源8により適切な電圧を設定することで、第1の量子ドット層と量子井戸層、第2の量子ドット層と量子井戸層の結合モード形成を制御することができる。これにより、本発明で示す検知波長を切り替え可能な赤外線検出器を提供できる。その動作原理は、これまでに述べたものとほとんど同じであるため、説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器300の構造を説明する断面図である。
図7に示すように、実施の形態3にかかる赤外線検出器300は、波長フィルタ10を備える点のみが、実施の形態2にかかる赤外線検出器200と異なる。そのため、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
波長フィルタ10は、図7に示すように、光吸収層4Aの光入射面側に、出し入れ可能に設けられている。また、波長フィルタ10の大きさは、光吸収層4Aの光入射面を遮蔽可能な大きさとなっている。
また、図8において、縦軸は赤外線検出器300の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
一方、図8のグラフ(a−2)は、図5(a)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(a)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。波長フィルタ10は、エネルギー差E3に相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない。そのため、波長フィルタ10が光吸収層4Aの光入射面側に挿入されている場合、エネルギー差E4に相当するエネルギーを有する赤外線の波長を中心波長とする波長帯域のみに対して、赤外線検出器300は感度を有する。
一方、図8のグラフ(b−2)は、図5(b)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(b)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。波長フィルタ10は、エネルギー差E3に相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない。そのため、波長フィルタ10が光吸収層4Aの光入射面側に挿入されている場合、エネルギー差E5に相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域のみに対して、赤外線検出器300は感度を有する。
なお、図5(c)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(c)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合、赤外線検出器300は、赤外線を検出することができない。波長フィルタ10は、エネルギー差E3に相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しないためである。
2 緩衝層
3 下部コンタクト層(第1のコンタクト層)
4、4A 光吸収層
41、41A 中間層
42 量子井戸層
42A 第1の量子井戸層
43 結合層
43A 第1の結合層
44、44A 量子ドット層
45A 第2の結合層
46A 第2の量子井戸層
5 上部コンタクト層(第2のコンタクト層)
6 下部電極
7 上部電極
8 電圧源
9 電流計
10 波長フィルタ
100、200、300 赤外線検出器
Claims (7)
- 半導体基板と、前記半導体基板上に形成される第1のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層上に形成される光吸収層と、前記光吸収層上に形成される第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する電圧源と、を備える赤外線検出器であって、
前記光吸収層は、量子井戸層、結合層、量子ドット層の順、又は、前記量子ドット層、前記結合層、前記量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備え、
前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まり、
前記電圧源が、前記量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位又は励起準位が一致するように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、2つの波長帯域に対して感度を有し、
前記電圧源が、前記量子井戸層と前記量子ドット層との間で前記基底準位及び前記励起準位が一致しないように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、1つの波長帯域に対して感度を有する赤外線検出器。 - 前記光吸収層は、前記量子井戸層、前記結合層、前記量子ドット層の順、又は、前記量子ドット層、前記結合層、前記量子井戸層の順に積層された部分を、10以上30以下備える請求項1に記載の赤外線検出器。
- 前記結合層の厚さは、5nm以上15nm以下である請求項1又は2に記載の赤外線検出器。
- 半導体基板と、前記半導体基板上に形成される第1のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層上に形成される光吸収層と、前記光吸収層上に形成される第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する電圧源と、を備える赤外線検出器であって、
前記光吸収層は、第1の量子井戸層、第1の結合層、量子ドット層、第2の結合層、第2の量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備え、
前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記第1の量子井戸層又は前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まり、
前記電圧源が、前記第1の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位若しくは励起準位が一致するように、又は、前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位若しくは励起準位が一致するように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、2つの波長帯域に対して感度を有し、
前記電圧源が、前記第1の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位及び励起準位が一致しないように、又は、前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位及び励起準位が一致しないように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、1つの波長帯域に対して感度を有する赤外線検出器。 - 前記光吸収層は、前記第1の量子井戸層、前記第1の結合層、前記量子ドット層、前記第2の結合層、前記第2の量子井戸層の順に積層された部分を、10以上30以下備える請求項4に記載の赤外線検出器。
- 前記第1の結合層及び前記第2の結合層の厚さは、5nm以上15nm以下である請求項4又は5に記載の赤外線検出器。
- 前記光吸収層の光入射面側に、前記量子ドット層の前記基底準位と前記励起準位とのエネルギー差に相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない波長フィルタを出し入れ可能に備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の赤外線検出器。
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