JP2012109462A - 光検知素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに直交する方向に電界成分を持つ波長の光に対して、共に電界成分の大きさを変えることなく、総じて光検知効率を大幅に向上させることのできる信頼性の高い光検知素子を実現する。
【解決手段】障壁層12内に量子ドット11が埋め込まれた層が積層されてなる第1の量子ドット層1と、第1の量子ドット層1を挟み込む一対の電極層2,3と、障壁層14内に量子ドット13が埋め込まれた層が積層されてなる第2の量子ドット層4と、第2の量子ドット層4を透過した赤外線を反射させる赤外線反射層5とを有するように、赤外線検知素子を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検知対象の光に対して活性となる量子ドットを有する光検知素子及びその製造方法に関する。
赤外線を検知対象とする検知素子として、赤外線に対して活性となる量子ドットを有する赤外線検知素子が案出されている。
赤外線検知素子の一例を図7に示す。この赤外線検知素子は、量子ドットを含む量子ドット層101と、量子ドット層101を挟み込む一対の電極層102,103と、量子ドット層101を透過した赤外線を反射させる赤外線反射層104とを備えて構成される。量子ドット層101は、量子井戸となる複数の量子ドット111が障壁層112内に埋め込まれた層が積層されてなる。量子ドット層101では、量子ドット111が例えばInAsを材料として、障壁層112が例えばAlGaAsを材料として形成される。量子ドット層101では、互いに直交する3方向に量子閉じ込めのなされた量子井戸が形成され、基底準位及び励起準位の如き複数の量子準位が形成される。
赤外線検知素子では、量子準位間のエネルギー差に相当する波長をもつ赤外線が入射すると、基底準位に位置していた電子は赤外線を吸収することで励起準位へサブバンド間遷移される。電極層102,103間に電界を印加しておくと、励起準位に励起された電子は例えばトンネル過程等により障壁層112の連続帯内へ放出され、電極層102,103に到達する。この到達した電子を電流として捕らえることで、被検知体から放射された赤外線を検知することができる。
赤外線検知素子において、図8に示すように、量子量子ドット層に平行な面内の2次元方向の量子閉じ込めに起因する励起状態は2つの準位からなる。これらの準位は、その2方向(x方向とy方向)のうち互いに異なる1方向に対する量子数を増加させた形で形成されている。また、量子ドットの形状異方性等に起因する量子閉じ込め強さの違いから、これらの準位はエネルギー分離している。これらの励起準位へのサブバンド間遷移は、基底準位と励起準位の間で量子数が増加する方向に電界成分を有する赤外線により引き起こされる。このことから、x方向に量子数が増えている励起準位へは、x方向に電界成分を有し、且つこの励起準位と基底準位との間のエネルギー差に相当する波長(λ1)を持つ赤外線に対して引き起こされる。また、y方向に量子数が増えている励起準位へは、y方向に電界成分を有し、且つこの励起準位と基底準位との間のエネルギー差に相当する波長(λ2)を持つ赤外線に対して引き起こされる。
被検知体である物体を認知するために赤外線検知素子を利用する場合、被検知体から放射された赤外線をその素子で検知することで被検知体が認知される。この赤外線は、被検知体の温度等に依存した広範囲に亘る波長を持ち、ランダムな偏光方向を持っている。この赤外線検知素子では、図9(量子ドット層101の量子ドット111の記載を省略する。)に示すように、放射される赤外線のうちでx方向に電界成分を持つ波長λ1の赤外線と、y方向に電界成分を持つ波長λ2の赤外線とを検知する。これにより、被検知体が認知される。そして、この赤外線に対する応答が総じて強ければ、それは検知効率の高い赤外線検知素子であると言える。
特開2009−65143号公報
図9の赤外線検知素子に入射した赤外線のうち、量子ドット111に吸収されずに量子ドット層101を通過した赤外線は赤外線反射層104により反射し、再び量子ドット層101に入射して検知対象となる。
しかしながら、赤外線反射層104で反射した赤外線の反射光に対する検知効率は十分ではない。そこで、この赤外線の反射光に対する検知効率を高めるべく、図10に示すように、赤外線反射層104の代わりに反射構造として1次元反射型回折格子105を用いた赤外線検知素子が案出されている。
図9の赤外線反射層104では、量子ドット層101の表面に垂直に入射した赤外線は垂直に反射される。これに対して、図10の1次元反射型回折格子105では、量子ドット層101の表面に垂直に入射した赤外線は当該表面に対して斜め方向に反射する。
図9及び図10の赤外線検知素子における赤外線の検知効率は、概ね量子ドット層101による赤外線吸収の強さにより決定される。この検知効率は、赤外線が量子ドット層101を通過するときの距離と、赤外線の持つサブバンド間遷移を引き起こす方向の電界成分の大きさ(強度)とに応じて高くなる。
図10の赤外線検知素子では、赤外線は1次元反射型回折格子105で斜め方向に反射する。そのため、図10の赤外線検知素子における上記の距離(図10中、d2で示す。)については、当該距離は図9の赤外線検知素子における当該距離(図9中、d1で示す。)より大きく、赤外線の検知効率を高めることができる。
しかしながら、図10の赤外線検知素子では、後者の電界成分の大きさについては、x方向に電界成分を持つ波長λ1の赤外線と、y方向に電界成分を持つ波長λ2の赤外線とで、赤外線の検知効率に対する寄与が異なる。
図10の赤外線検知素子では、1次元反射型回折格子105で反射する赤外線は、その波長に拠らずに1つの面内に反射する。ここで、x−z面内の斜め1方向に赤外線を反射する1次元反射型回折格子を用いる場合を考える。波長λ2を持つ赤外線については、サブバンド間遷移を引き起こすy方向の電界成分の大きさは、図9の赤外線反射層104で反射された場合の大きさと比べて変わらない。従って、量子ドット層101を通過する距離が長くなることから得られる効果により、赤外線の検知効率は高まる。
一方、波長λ1を持つ赤外線においては、サブバンド間遷移を引き起こすx方向の電界成分の大きさは、斜め方向の反射によって、図9の赤外線検知素子において赤外線を赤外線反射層104で反射した場合に比べて弱められる。従って、赤外線が量子ドット層101を通過する距離が長くなることから得られる効果は認められるものの、検知効率は向上しない。図10の赤外線検知素子の検知効率として、波長λ1及び波長λ2を持つ2種の赤外線に対する応答を総じて考えると、図9の赤外線検知素子における赤外線反射層104で赤外線を反射する場合に比べて検知効率は高くはなるものの、充分であるとは言えない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、互いに直交する方向に電界成分を持つ波長の光に対して、共に電界成分の大きさを変えることなく、総じて光検知効率を大幅に向上させることのできる信頼性の高い光検知素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
光検知素子の一態様は、検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットが積層されてなる第1の量子ドット層と、前記第1の量子ドット層に所定の電圧を印加する一対の電極と、前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料からなる複数の量子ドットが積層されてなる第2の量子ドット層と、前記第2の量子ドット層の上方に設けられた光反射層とを含む。
光検知素子の製造方法の一態様は、検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットを積層して第1の量子ドット層を形成する工程と、前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料を用いて複数の量子ドットを積層して第2の量子ドット層を形成する工程と、前記第2の量子ドット層の上方に光反射層を形成する工程とを含む。
上記の各態様によれば、互いに直交する方向に電界成分を持つ波長の光に対して、共に電界成分の大きさを変えることなく、総じて光検知効率を大幅に向上させることのできる信頼性の高い光検知素子が実現する。
本実施形態による量子ドット型の赤外線検知素子の概略構成を示す断面図である。 本実施形態による量子ドット型の赤外線検知素子において、サブバンド間遷移を説明するための図である。 本実施形態による量子ドット型の赤外線検知素子において、y方向に電界成分を有する波長λ2の赤外線の反射を示す概略断面図である。 本実施形態による量子ドット型の赤外線検知素子において、x方向に電界成分を有する波長λ1の赤外線の反射を示す概略断面図である。 本実施形態による赤外線検知素子の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図5に引き続き、本実施形態による赤外線検知素子の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 従来の量子ドット型の赤外線検知素子の一例を示す概略断面図である。 従来の量子ドット型の赤外線検知素子において、サブバンド間遷移を説明するための図である。 従来の量子ドット型の赤外線検知素子において、x方向及びy方向に電界成分を有する波長λ1,λ2の赤外線の反射を示す概略断面図である。 従来の量子ドット型の赤外線検知素子の他の例を示す概略断面図である。
以下、光検知素子及びその製造方法の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、光検知素子として、赤外線を検知対象とする量子ドット型の検知素子を例示するが、これに限定されるものではない。例えば、可視光を検知対象とする量子ドット型の検知素子、テラヘルツ(THz)波光を検知対象とする量子ドット型の検知素子にも適用可能である。
(赤外線検知素子の構成)
以下、本実施形態による赤外線検知素子の構成について説明する。
図1は、本実施形態による量子ドット型の赤外線検知素子の概略構成を示す断面図である。
この赤外線検知素子は、量子ドットを含む第1の量子ドット層1と、第1の量子ドット層1を挟み込む一対の電極層2,3と、量子ドットを含む第2の量子ドット層4と、第2の量子ドット層4を透過した赤外線を反射させる赤外線反射層5とを備えて構成される。
第1の量子ドット層1は、量子井戸となる複数の量子ドット11が障壁層12内に埋め込まれた層が積層されてなる。第2の量子ドット層4は、量子井戸となる複数の量子ドット13が障壁層14内に埋め込まれた層が積層されてなる。第2の量子ドット層4は、第1の量子ドット層1で吸収する赤外線と同じ波長の赤外線を同様に吸収するものとすべく、第1の量子ドット層1と同一の構造とされている。具体的には、第1の量子ドット層1及び第2の量子ドット層4では、量子ドット11と量子ドット13、障壁層12と障壁層14がそれぞれ同一材料で形成されている。
第2の量子ドット層4は、第1の量子ドット層1よりも積層数が多い。第1の量子ドット層1では、励起準位に励起された電子を連続帯内へ放出させるためにある程度の大きさの電界が印加される必要があるため、積層数がある程度の数に制限される。一方、第2の量子ドット層4では、積層数は多ければ多いほど、本実施形態の奏する効果は高まる。従って、可及的に大きな効果を得るべく、第2の量子ドット層4の積層数を第1の量子ドットの積層数よりも多くすることが好適である。
第1及び第2の量子ドット層1,4では、量子ドット11,13は、InAs,InGaAs,InAlAs,InAlGaAsから選ばれた少なくとも1種を材料として形成される。障壁層12,14は、GaAs,AlGaAs,AlAs,InGaAs,InAlGaAs,InAlAsから選ばれた少なくとも1種を材料として形成される。例えば、量子ドット11,13をInGaAsとInAsを2段に重ねた構造としたり、障壁層12,14をInGaAsの薄層とGaAsとの積層構造とすることも考えられる。ここで、量子ドット11,13の材料と障壁層12,14の材料が同一組成のものである場合には、量子ドット11,13の材料及び障壁層12,14の材料として、前者の方が後者よりもIn組成比が大きいものを用いる。
本実施形態では、量子ドット11,13の材料としてInAsを、障壁層12,14の材料としてAlGaAsをそれぞれ用いる場合を例示する。
上記のように構成された赤外線検知素子において、第2の量子ドット層4に到達した赤外線は、第1の量子ドット層1において吸収され得ることから、第2量子ドット層4においてもこの層を通過するときに吸収され得る。
先ず、図2及び図3(第1の量子ドット層1の量子ドット11の記載を省略する。)を用いて、y方向に電界成分を有する波長λ2の赤外線について考える。
図2に示すように、基底準位に位置している電子がy方向に量子数の増える励起準位へサブバンド間遷移することにより、その赤外線は吸収される。励起された電子は、いずれは基底準位へ緩和することになるが、この過程ではy方向の量子数が減少することから、放出される波長λ2を持つ赤外線はy方向に電界成分を有することになる。一般的に光はその進行方向に対して垂直な方向に電界成分を有することから、逆にy方向に電界成分を有する赤外線の放出される方向は、x−z面内に制約される。また、一般的にこの面内での放出角度についての制約はないため、放出される赤外線は殆どの場合、入射した方向とは異なる方向に放出される。
図2では、2つのサブバンド間遷移を基底準位│000>から励起準位│100>、及び励起準位│010>への遷移として説明しているが、これに限定されるものではない。x方向の量子数のみが増える量子準位間とy方向の量子数のみが増える量子準位間が存在し、これらのエネルギー間隔が異なっていれば、本実施形態の奏する効果を得ることができる。
ここで、量子数の増加量が奇数である制約はあるが、本実施形態の奏する効果を得るために必要な2つのサブバンド間遷移としては、例えば以下のものが挙げられる。
│000>→│300>及び│000>→│030>
│100>→│200>及び│010>→│020>
│000>→│300>及び│010>→│020>
│010>→│110>及び│100>→│110>
│431>→│531>及び│261>→│271>
結果として、図3に示すように、第1の量子ドット層1の表面に垂直に入射した赤外線は、x−z面内の斜めの方向に反射される。ここで図3では、入射方向に対して90°以上傾く方向に放出される赤外線が描かれているが、入射方向に対して90°以内の方向に放出される赤外線についても、放出された後に赤外線反射層5で反射することから、その後の描像としては初めから90°以上の方向に放出される赤外線の場合と同一であると考えて良い。従って、以上で示したy方向に電界成分を有するλ2の赤外線に対する描像は、図10の1次元反射型回折格子105を用いる場合と同じである。この場合、サブバンド間遷移を引き起こすy方向の電界成分の大きさは変わらずに第1の量子ドット層1を通過する距離が長くなることから、この赤外線に対する検知効率は高くなる。
次に、図4(第1の量子ドット層1の量子ドット11の記載を省略する。)を用いて、x方向に電界成分を有する波長λ1の赤外線について考える。
遷移先はx方向に量子数の増加する励起準位であり、これより放出される赤外線はx方向に電界成分を有し、その方向はy−z面内に制約される。このとき、図10の1次元反射型回折格子105を用いる場合とは異なり、x方向の電界成分が弱められることなく第1の量子ドット層1を通過する距離が長くなることから、第2の量子ドット層4を設けることにより、この赤外線に対する検知効率が高くなる。
以上より、本実施形態による赤外線検知素子では、第1の量子ドット層1の上方にこれと同一構造で積層数の多い第2の量子ドット層4を設けることにより、互いに直交するx方向及びy方向に電界成分を持つ波長の光に対して、共に電界成分の大きさを変えることなく、総じて光検知効率を大幅に向上させることが実現する。
(赤外線検知素子の製造方法)
以下、本実施形態による赤外線検知素子の製造方法について説明する。
図5及び図6は、本実施形態による赤外線検知素子の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
図5(a)に示すように、GaAs基板21上に電極層22を形成する。
詳細には、例えば分子線エピタキシャル法により、GaAs基板1上にn型GaAsを、基板温度を例えば600℃として成長する。n型GaAsの厚みは例えば1000nm程度とし、n型不純物として例えばシリコン(Si)を用い、その濃度を例えば2×1018/cm3とする。以上により、電極層22が形成される。
なお、n型GaAsにドープするn型不純物は、Siに限定されるものではない。例えば、n型GaAsのn型不純物にSiを用いて伝導帯側量子準位を利用した赤外線検知素子を得る代わりに、n型GaAsのn型不純物にベリリウム(Be)を用いて価電子帯側量子準位を利用した赤外線検知素子を実現することができる。
続いて、図5(b)に示すように、電極層22上に第1の量子ドット層23を形成する。
詳細には、先ず、分子線エピタキシャル法により、電極層22上にAlGaAs層31を成長する。AlGaAs層31のAl組成比は例えば0.2とし、厚みは例えば50nm程度とする。AlGaAs層31を成長する間に、基板温度を600℃から量子ドットの自己組織化形成が起こり得る温度、例えば500℃に低下させる。
次に、分子線エピタキシャル法により、基板温度を500℃に維持したまま、例えば0.2ML/s(原子層/秒)の成長速度でInAsを例えば流量2MLで供給する。このInAsの供給過程でInAsに加わる圧縮歪が増加し、InAsが3次元成長して量子ドット32が形成される(自己組織化形成法)。引き続き、AlGaAsを例えばAl組成比0.2で例えば厚み50nm程度に成長する。これにより、AlGaAsの障壁層33内に、InAsの複数の量子ドット32が埋め込み形成されてなる半導体層34が形成される。その後、上述のInAsの供給とAlGaAsの成長とを例えば9回繰り返す。以上により、例えば、AlGaAs層31上に10層(図5(b)では3層のみ示す。)の半導体層34が積層されてなる第1の量子ドット層23が形成される。ここで、最後のAlGaAsを成長する間に、基板温度を500℃から600℃に上昇させる。
続いて、図5(c)に示すように、第1の量子ドット層23上に電極層24を形成する。
詳細には、例えば分子線エピタキシャル法により、第1の量子ドット層23上にn型GaAsを、基板温度を例えば600℃として成長する。n型GaAsの厚みは例えば1000nm程度とし、n型不純物として例えばSiを用い、その濃度を例えば2×1018/cm3とする。以上により、電極層24が形成される。
続いて、図5(d)に示すように、電極層24上に第2の量子ドット層25を形成する。
詳細には、先ず、分子線エピタキシャル法により、電極層24上にAlGaAs層35を成長する。AlGaAs層35のAl組成比は例えば0.2とし、厚みは例えば50nm程度とする。AlGaAs層35を成長する間に、基板温度を600℃から量子ドットの自己組織化形成が起こり得る温度、例えば500℃に低下させる。
次に、分子線エピタキシャル法により、基板温度を500℃に維持したまま、例えば0.2ML/s(原子層/秒)の成長速度でInAsを例えば流量2MLで供給する。このInAsの供給過程でInAsに加わる圧縮歪が増加し、InAsが3次元成長して量子ドット36が形成される。引き続き、AlGaAsを例えばAl組成比0.2で例えば厚み50nm程度に成長する。これにより、AlGaAsの障壁層37内に、InAsの複数の量子ドット36が埋め込み形成されてなる半導体層38が形成される。その後、上述のInAsの供給とAlGaAsの成長とを例えば29回繰り返す。以上により、例えば、AlGaAs層35上に30層(図5(d)では3層のみ示す。)の半導体層38が積層されてなる第2の量子ドット層25が形成される。ここで、最後のAlGaAsを成長する間に、基板温度を500℃から600℃に上昇させる。
続いて、図6(a)に示すように、第2の量子ドット層25上にGaAs層26を形成する。
詳細には、例えば分子線エピタキシャル法により、第2の量子ドット層25上にGaAsを、基板温度を例えば600℃として成長する。このGaAsを保護膜として機能させるべく、GaAsの厚みは例えば50nm程度とする。これにより、GaAs層26が形成される。
続いて、図6(b)に示すように、GaAs基板20上の構造物を加工する。
詳細には、リソグラフィー及びドライエッチングにより、GaAs層26及び第2の量子ドット層25を掘削し、電極層24の表面の一部を露出させる。
次に、リソグラフィー及びドライエッチングにより、電極層24及び第1の量子ドット層23を掘削し、電極層22の表面の一部を露出させる。
続いて、図6(c)に示すように、赤外線反射層27及び一対の電極28,29を形成する。
詳細には、例えば金属蒸着法により、GaAs層26上にTi/Auを積層形成する。同様に金属蒸着法により、電極層22の露出した表面上と、電極層24の露出した表面上とにそれぞれAuGe/Auを積層形成する。以上により、GaAs層26上には赤外線反射層27が、電極層22,24の露出した表面上には電極28,29がそれぞれ形成される。
しかる後、一対の電極28,29をCMOS回路等に電流計と共に接続する。以上により、赤外線検知素子が形成される。
この赤外線検知素子では、電極層22,24間に電位差を与えて第1の量子ドット層22に流れる電流を電流計で計測する。これにより、入射した赤外線に対する第1の量子ドット層22の応答として流れる電流の変化を読み取ることができる。赤外線検知素子は、第1の量子ドット層22を構成する量子ドット32と同じ構造の量子ドット36が積層された第2の量子ドット層25を有することから、検知効率の高い赤外線検知が実現する。
以下、光検知素子及びその製造方法の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットが積層されてなる第1の量子ドット層と、
前記第1の量子ドット層に所定の電圧を印加する一対の電極と、
前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料からなる複数の量子ドットが積層されてなる第2の量子ドット層と、
前記第2の量子ドット層の上方に設けられた光反射層と
を含むことを特徴とする光検知素子。
(付記2)前記第2の量子ドット層は前記第1の量子ドット層よりも前記量子ドットの積層数が多いことを特徴とする付記1に記載の光検知素子。
(付記3)前記第1の量子ドット層及び前記第2の量子ドット層は、障壁層内に複数の量子ドットが埋め込み形成されてなる量子ドット層が複数積層されてなることを特徴とする付記1又は2に記載の光検知素子。
(付記4)検知対象の光が赤外線であり、
前記量子ドット層は、前記量子ドットをInAs,InGaAs,InAlAs,InAlGaAsから選ばれた少なくとも1種を材料とし、前記障壁層をGaAs,AlGaAs,AlAs,InGaAs,InAlGaAs,InAlAsから選ばれた少なくとも1種を材料として、前記量子ドットの材料と前記障壁層の材料とが同一組成のものである場合には、前記量子ドットの材料のIn組成比が前記障壁層の材料のIn組成比よりも大きいことを特徴とする付記3に記載の光検知素子。
(付記5)検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットを積層して第1の量子ドット層を形成する工程と、
前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料を用いて複数の量子ドットを積層して第2の量子ドット層を形成する工程と、
前記第2の量子ドット層の上方に光反射層を形成する工程と
を含むことを特徴とする光検知素子の製造方法。
(付記6)前記第2の量子ドット層を、前記第1の量子ドット層よりも前記量子ドットの積層数を多く形成することを特徴とする付記5に記載の光検知素子の製造方法。
(付記7)前記第1の量子ドット層及び前記第2の量子ドット層を、障壁層内に複数の量子ドットが埋め込み形成した量子ドット層を複数積層して形成することを特徴とする付記5又は6に記載の光検知素子の製造方法。
(付記8)前記量子ドット層は、前記量子ドットをInAs,InGaAs,InAlAs,InAlGaAsから選ばれた少なくとも1種を材料として形成し、前記障壁層をGaAs,AlGaAs,AlAs,InGaAs,InAlGaAs,InAlAsから選ばれた少なくとも1種を材料として形成し、前記量子ドットの材料と前記障壁層の材料とが同一組成のものである場合には、前記量子ドットの材料のIn組成比が前記障壁層の材料のIn組成比よりも大きくなるようにすることを特徴とする付記7に記載の光検知素子の製造方法。
1,23 第1の量子ドット層
2,3,22,24,102,103 電極層
4,25 第2の量子ドット層4
5,27,104 赤外線反射層
11,13,32,36,111 量子ドット
12,14,33,37,112 障壁層
21 GaAs基板
26 GaAs層
31,35 AlGaAs層
34,38 半導体層
28,29 電極
101 量子ドット層
105 1次元反射型回折格子

Claims (6)

  1. 検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットが積層されてなる第1の量子ドット層と、
    前記第1の量子ドット層に所定の電圧を印加する一対の電極と、
    前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料からなる複数の量子ドットが積層されてなる第2の量子ドット層と、
    前記第2の量子ドット層の上方に設けられた光反射層と
    を含むことを特徴とする光検知素子。
  2. 前記第2の量子ドット層は前記第1の量子ドット層よりも前記量子ドットの積層数が多いことを特徴とする請求項1に記載の光検知素子。
  3. 前記第1の量子ドット層及び前記第2の量子ドット層は、障壁層内に複数の量子ドットが埋め込み形成されてなる量子ドット層が複数積層されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光検知素子。
  4. 検知対象の光が赤外線であり、
    前記量子ドット層は、前記量子ドットをInAs,InGaAs,InAlAs,InAlGaAsから選ばれた少なくとも1種を材料とし、前記障壁層をGaAs,AlGaAs,AlAs,InGaAs,InAlGaAs,InAlAsから選ばれた少なくとも1種を材料として、前記量子ドットの材料と前記障壁層の材料とが同一組成のものである場合には、前記量子ドットの材料のIn組成比が前記障壁層の材料のIn組成比よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の光検知素子。
  5. 検知対象の光に対して活性となる複数の量子ドットを積層して第1の量子ドット層を形成する工程と、
    前記第1の量子ドット層の上方に、前記第1の量子ドット層と同一材料を用いて複数の量子ドットを積層して第2の量子ドット層を形成する工程と、
    前記第2の量子ドット層の上方に光反射層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする光検知素子の製造方法。
  6. 前記第2の量子ドット層を、前記第1の量子ドット層よりも前記量子ドットの積層数を多く形成することを特徴とする請求項5に記載の光検知素子の製造方法。
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