JP2014063885A - 赤外線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器を提供する。
【解決手段】 半導体基板1と、半導体基板1上に形成される下部コンタクト層3と、下部コンタクト層3上に形成される光吸収層4と、光吸収層4上に形成される上部コンタクト層5と、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に電圧を印加する電圧源8と、を備え、光吸収層4は、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44の順に積層された部分を、少なくとも1つ備え、電圧源8が印加する電圧の大きさによって、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成するか否かが決まる。
【選択図】図1

Description

本発明は赤外線検出器に関し、特に、半導体量子構造のサブバンド間における電子遷移を利用する赤外線検出器に関する。
近年、熱検知や、温室効果ガスの1つである二酸化炭素の濃度測定が盛んに行われている。そのため、赤外線領域の光検出技術に対する需要が高まっている。光を検出するセンサは、単一素子である場合もあるし、単一素子を1次元又は2次元状に配列してなるアレイセンサである場合もある。
たとえば、熱検知をする場合、熱源の温度によって、熱源から放射されるスペクトルも異なる。具体的には、20℃前後の室温において計測されるスペクトルのピーク波長は10μmであるが、400℃前後の熱源から放射されるスペクトルのピーク波長は4.3μmである。したがって、観測対象の温度を正しく検知するためには、複数の波長帯域に感度をもつセンサを用意する必要がある。
複数の波長帯域に感度をもつ赤外線検出器として、光吸収層に半導体量子ドットを含む量子ドット型赤外線検出素子(Quantum Dot Infrared Photodetector、以下、「QDIP」と称する。)を利用するものが注目を集めている。
QDIPは、量子ドットの周囲が、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップをもつ半導体で3次元的に囲まれた構造を有する。また、量子ドットの領域に電子および正孔が強く閉じ込められている。その結果、量子ドット中に離散的なエネルギー準位が形成される。それらの準位のうち、伝導帯の複数の電子サブバンド準位を利用し、サブバンド間エネルギー差に相当するエネルギーをもつ赤外線を検知することができる。
このようなQDIPを用いて複数の波長帯域に感度をもつ赤外線検出器が、例えば非特許文献1、特許文献1に記載されている。
非特許文献1には、量子ドットが量子井戸内に存在するDot−in−Well構造を有するQDIPを利用する赤外線検出器が記載されている。そして、非特許文献1に記載の赤外線検出器は、23.2μm、8.5μm、3.8μmをそれぞれ中心波長とする3つの波長帯域に感度を有する。これら3つの波長帯域はそれぞれInAs量子ドットの束縛準位間、InAs量子ドットとInGaAs量子井戸の束縛準位間、InAs量子ドットの束縛準位とGaAs中間層の連続準位間の遷移エネルギーに相当する波長に一致している。
また、特許文献1には、平面形状が楕円形である量子ドットを含む2つの光吸収層を有するQDIPを利用する赤外線検出器が記載されている。また、特許文献1に記載のQDIPでは、第1の光吸収層に含まれる量子ドットの長軸方向と第2の光吸収層に含まれる量子ドットの長軸方向とが互いに直交している。そして、さらに偏光依存性を利用することにより、2波長あるいは3波長以上の帯域に感度をもつ赤外線検出器を実現している。
特許4842291号公報
S.Krishnaほか、APPLIED PHYSICS LETTERS 83巻、14号、2745〜2747ページ(2003年発行)
非特許文献1に開示されているQDIPでは、3つの波長帯域における検知信号の和としてしか結果を取り出すことができない。つまり、各波長帯域における検知信号を独立に取り出すことが出来ない。
また、特許文献1に開示されているQDIPでは、第1の光吸収層および第2の光吸収層の量子ドットの長軸方向を互いに直交させるため、副格子交換と呼ばれる手法を採用している。具体的には、第1および第2の光吸収層を構成するGaAsの間に数原子層のSi層を形成することにより副格子交換を実現している。そのため、特許文献1に記載のQDIPの製造には、1原子層レベルでの精密な厚さ制御技術を必要とする。
さらに、特許文献1では、平面形状が楕円形である量子ドットを用いることにより2つの波長帯域における検知を可能としている。しかし、例えば、10μm、5μmをそれぞれ中心波長とする2つの波長帯域における検知を行う場合、直交する2つの偏光方向の間のエネルギー差がおよそ60meVである必要がある。これだけのエネルギー差を生じさせるためには、量子ドットの形状は、非対称性の程度がかなり高い楕円形状である必要がある。しかしながら、このような楕円形状の量子ドットを作製するのに必要な材料や作製条件は、かなり限られる。
本発明の第1の態様に係る赤外線検出器は、半導体基板と、第1のコンタクト層と、光吸収層と、第2のコンタクト層と、電圧源と、を備える。前記第1のコンタクト層は、前記半導体基板上に形成される。前記光吸収層は、前記第1のコンタクト層上に形成される。前記第2のコンタクト層は、前記光吸収層上に形成される。前記電圧源は、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する。また、前記光吸収層は、量子井戸層、結合層、量子ドット層の順、又は、前記量子ドット層、前記結合層、前記量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備える。また、前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まる。
本発明の第2の態様に係る赤外線検出器は、半導体基板と、第1のコンタクト層と、光吸収層と、第2のコンタクト層と、電圧源と、を備える。前記第1のコンタクト層は、前記半導体基板上に形成される。前記光吸収層は、前記第1のコンタクト層上に形成される。前記第2のコンタクト層は、前記光吸収層上に形成される。前記電圧源は、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する。また、前記光吸収層は、第1の量子井戸層、第1の結合層、量子ドット層、第2の結合層、第2の量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備える。また、前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記第1の量子井戸層又は前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まる。
より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の感度スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の感度スペクトルを示すグラフである。 本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器の感度スペクトルを示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器100の構造を説明する断面図である。
図1に示すように、赤外線検出器100は、半導体基板1、緩衝層2、下部コンタクト層3(第1のコンタクト層)、光吸収層4、上部コンタクト層5(第2のコンタクト層)、下部電極6、上部電極7、電圧源8、電流計9等を備えている。
具体的には、半導体基板1の上に緩衝層2が形成されている。緩衝層2は、半導体基板1と同じ半導体材料から構成されている。また、緩衝層2の上に下部コンタクト層3が形成されている。下部コンタクト層3は、n型半導体を主材料として構成されている。また、下部コンタクト層の上に光吸収層4及び下部電極6が形成されている。また、光吸収層4の上に上部コンタクト層5が形成されている。上部コンタクト層5は、n型半導体を主材料として構成されている。また、上部コンタクト層5の上に上部電極7が形成されている。なお、下部コンタクト層3は、半導体基板1上に、緩衝層2を介さずに、直接、形成されていてもよい。
また、下部電極6と上部電極7とは、電圧源8を介して接続されている。また、電流計9は、下部電極6と上部電極7との間に接続されている。
そして、電圧源8は、下部電極6と上部電極7との間に適切な電圧を印加する。また、電流計9は、光吸収層4が入射赤外線Xを吸収することにより、下部電極6と上部電極7との間に流れる光電流を測定する。
光吸収層4は、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44等を備えている。
具体的には、下部コンタクト層3の上に、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44の順に、各層が繰り返し形成されている。また、量子井戸層42及び量子ドット層44は、それぞれ、10層以上30層以下程、積層されている。これにより、光吸収層4における赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
中間層41は、i型半導体を主材料として構成されている。また、中間層41の厚さは、中間層41を挟んで対向する量子ドット層44と量子井戸層42とが結合モードを形成しない程度の厚さに設定されている。典型的には、中間層41の厚さは、50nm程度である。
結合層43は、i型半導体を主材料として構成されている。また、結合層43の厚さは、結合層43を挟んで対向する量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成する程度の厚さに設定されている。典型的には、結合層43の厚さは、5nm以上15nm以下程度である。
ここで結合モードとは、一の量子ドットに閉じ込められた電子または正孔の波動関数と他の量子ドットに閉じ込められた電子または正孔の波動関数とが重なり合うほど近接し、量子ドット間で相互作用が生じることによって、単独の量子ドットにおけるエネルギー準位とは異なるエネルギー準位が形成された状態のことを言う。量子ドット同士があまりにも近接しすぎると、それぞれの量子ドットを形成することが難しくなる。一方で、量子ドット同士が離れすぎると、波動関数の重なりがなくなってしまう。そのため、結合層43の厚さが所定の厚さの範囲内である場合にのみ、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成することができる。本実施の形態では、5nm以上15nm以下程度である。
次に、赤外線検出器100の動作について説明する。図2は、本実施の形態1にかかる赤外線検出器100の動作を説明する図である。図2は、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44から構成される部分の電子バンド構造(Electronic Band Structure)を模式的に示している。図2において、左右いる。また、図2において、上下方向が、各層において電子(伝導電子)の取りうるエネルギー状態(energy state)を示す。また、図2(a)、(b)、(c)では、それぞれ、電圧源8が下部電極6と上部電極7との間に印加する電圧の大きさが異なっている。図2(a)、(b)、(c)から、電圧源8が印加する電圧の大きさによって、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44の電子がとりうるエネルギー状態が異なることがわかる。換言すれば、電圧源8が印加する電圧の大きさによって、電子バンド構造の形状が異なる。
また、図3は、図2に記載の電子バンド構造に対応する赤外線検出器100の感度スペクトルを示すグラフである。具体的には、図3のグラフ(a)は、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44から構成される部分の電子バンド構造が図2(a)である場合の赤外線検出器100の感度スペクトル、図3のグラフ(b)は、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44から構成される部分の電子バンド構造が図2(b)である場合の赤外線検出器100の感度スペクトル、図3のグラフ(c)は、中間層41、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44から構成される部分の電子バンド構造が図2(c)である場合の赤外線検出器100の感度スペクトルである。
また、図3において、縦軸は赤外線検出器100の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
図2に示すように、量子力学に基づけば、量子井戸層42及び量子ドット層44に束縛された電子は、離散的なエネルギー準位(energy level)しかとることができない。図2において、量子井戸層42に束縛された電子がとりうるエネルギー準位を、基底準位EL1、励起準位EL2と称する。また、同様に、図2において、量子ドット層44に束縛された電子がとりうるエネルギー準位を、基底準位EL3、励起準位EL4と称する。
以下、電圧源8が印加する電圧条件に分けて、赤外線検出器100の動作を説明する。
まず、電圧条件(a)について説明する。
電圧条件(a)では、電圧源8は、量子井戸層42の基底準位EL1のエネルギーと量子ドット層44の基底準位EL3のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とは結合モードを形成する。
量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とが結合モードを形成すると、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL3とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、量子井戸層42と量子ドット層44の両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
ここで、量子ドット層44の基底準位EL3と励起準位EL4とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線、又は、量子井戸層42の基底準位EL1と励起準位EL2とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4に入射すると、量子ドット層44又は量子井戸層42はこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44又は量子井戸層42に束縛されている電子は、量子ドット層44の励起準位EL4又は量子井戸層42の励起準位EL2へ遷移する。図2では、この電子の遷移を上向き矢印で模式的に示している。そして、電流計9が、励起準位EL4又は励起準位EL2に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器100は、赤外線を電流として検出することができる。なお、図2において、電子を模式的に黒丸で示す。
電圧条件(a)において、光吸収層4が赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器100が検出するスペクトルは、図3のグラフ(a)のスペクトルとなる。図3のグラフ(a)に示すように、電圧条件(a)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線及びエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長(中心波長)とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(a)においては、エネルギー差E又はエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は、感度を有さないことがわかる。
ここで、量子井戸層42における赤外線の吸収について説明する。図1に示すように、赤外線Xが量子井戸層42に垂直に入射する場合、量子井戸層42が量子ドット層44と結合モードを形成していないと、量子井戸層42に束縛された電子は、基底準位EL1から励起準位EL2へ遷移することができない。つまり、赤外線Xが量子井戸層42に垂直に入射する場合、量子井戸層42が量子ドット層44と結合モードを形成していないと、赤外線Xがエネルギー差Eに相当するエネルギーを有していても、赤外線検出器100は、当該赤外線Xを検出することができない。これは、光の入射方向あるいは偏光方向によって電子遷移が起こるか否かが決まることを示している。このことは、一般的に、光学選択則と呼ばれる。
そこで、光吸収層に量子井戸層のみを有する赤外線検出器では、基底準位から励起準位へ電子が遷移するように、光結合領域等を導入して入射光の偏光方向を工夫している。
一方、本実施の形態1にかかる赤外線検出器100では、電圧条件(a)において、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合層43を介して結合モードを形成している。そのため、赤外線Xの入射方向によらずに、量子ドット層44において電子が基底準位EL3から励起準位EL4へ遷移するとともに、量子井戸層42においても電子が基底準位EL1から励起準位EL2へ遷移する。これにより、赤外線検出器100では、赤外線Xの入射方向又は偏光方向を工夫しなくても、2つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
次に、電圧条件(b)について説明する。
電圧条件(b)では、電圧源8は、量子井戸層42の励起準位EL2のエネルギーと量子ドット層44の励起準位EL4のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とは結合モードを形成する。
量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とが結合モードを形成すると、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、量子井戸層42と量子ドット層44の両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
ここで、量子ドット層44の励起準位EL4と基底準位EL3とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線、又は、量子井戸層42の励起準位EL2と基底準位EL1とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4に入射すると、量子ドット層44又は量子井戸層42はこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44又は量子井戸層42に束縛されている電子は、量子ドット層44の励起準位EL4又は量子井戸層42の励起準位EL2へ遷移する。そして、電流計9が、励起準位EL4又は励起準位EL2に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器100は、赤外線を電流として検出することができる。
電圧条件(b)において、光吸収層4が赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器100が検出するスペクトルは、図3のグラフ(b)のスペクトルとなる。図3のグラフ(b)に示すように、電圧条件(b)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線及びエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(b)においては、エネルギー差E又はエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は、感度を有さないことがわかる。
つまり、電圧条件(b)においても、電圧条件(a)と同様に、赤外線検出器100は、2つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
また、電圧条件(a)では、量子井戸層42の基底準位EL1と量子ドット層44の基底準位EL2とが結合モードを形成し、電圧条件(b)とでは、量子井戸層42の励起準位EL2と量子ドット層44の励起準位EL4とが結合モードを形成する。すなわち、電圧条件(a)と電圧条件(b)とでは、結合モードを形成するエネルギー準位が異なる。しかし、電圧条件(a)において赤外線検出器100が検出するスペクトルと、電圧条件(b)において赤外線検出器100が検出するスペクトルはほぼ同じとなる。
なお、電圧条件(a)と電圧条件(b)とでは、電圧源8の印加電圧は異なるため、エネルギー差E及びEは多少異なる。そのため、電圧条件(a)において赤外線検出器100が検出するスペクトルと、電圧条件(b)において赤外線検出器100が検出するスペクトルは多少異なる。
次に、電圧条件(c)について説明する。
電圧条件(c)は、電圧条件(a)及び電圧条件(b)の何れにも当てはまらない電圧条件である。この場合、図2(c)に示すように、量子井戸層42の基底準位EL1のエネルギーと量子ドット層44の基底準位EL3のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、量子井戸層42の励起準位EL2のエネルギーと量子ドット層44の励起準位EL4のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。そのため、上述の光学選択則により、量子井戸層42に束縛された電子は、基底状態EL1から励起状態EL2へ遷移できない。よって、赤外線検出器100は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
ここで、量子ドット層44の励起準位EL4と基底準位EL3とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4に入射すると、量子ドット層44はこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44に束縛されている電子は、量子ドット層44の励起準位EL4へ遷移する。そして、電流計9が、励起準位EL4に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器100は、赤外線を電流として検出することができる。
電圧条件(c)において、光吸収層4が赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器100が検出するスペクトルは、図3のグラフ(c)のスペクトルとなる。図3のグラフ(c)に示すように、電圧条件(c)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(c)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器100は、感度を有さないことがわかる。
つまり、電圧条件(c)においては、赤外線検出器100は、1つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
以上に説明したように、電圧源8の印加電圧を制御することにより、量子井戸層42と量子ドット層44との結合モードの形成を制御することができる。これにより、より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器100を提供できる。
次に、本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器100の製造方法について説明する。
(1)量子ドットを含む結晶成長
半導体基板1として、面方位が(001)面のGaAs基板(ヒ化ガリウム基板)を用意する。このGaAs基板を分子線エピタキシャル(MBE)装置内へ導入し、加熱することにより、固体Asを昇華させる。そして、固体Asを昇華させることにより得られるAs分子線を照射しながら、基板温度を600℃まで上昇させる。これにより、半導体基板1表面にある自然酸化膜を除去する。
その後、580℃程度の温度に設定し、厚さ500nmで、緩衝層2を積層する。緩衝層2は、半導体基板1と同じGaAs(ヒ化ガリウム)から構成される。
次に、厚さ500nmで、n型の下部コンタクト層3を積層する。下部コンタクト層3は、Si原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成される。
次に、厚さ50nmで、i型の中間層41を積層する。i型の中間層41は、AlGaAs(ヒ化アルミニウムガリウム)から構成される。
次に、厚さ5nm程度で、量子井戸層42を積層する。量子井戸層42は、Si原子を濃度1017cm−3程度ドーピングしたGaAsから構成される。
次に、厚さ5nm以上15nm以下程度で、i型の結合層43を積層する。i型の結合層43は、AlGaAsで構成される。
その後、基板温度を490℃程度まで低下させ、厚さが2〜3原子層程度となるように、InAs(ヒ化インジウム)を供給する。
この時、InAsとAlGaAsとの格子定数の違いから発生する歪みによって、InAsが島状に3次元的に成長する。これにより、SK(Stranski−Krastanov)モードと呼ばれる量子ドットが形成される。その結果、量子ドットが平面的上に並んだ量子ドット層44が形成される。量子ドットの典型的な直径は30nm、高さ5nmであり、1平方センチメートルあたりの数密度は5×1010程度である。
続いて、n型ドーパントであるSi原子を量子ドット層44の直上に供給する。この時、Si原子の濃度は量子ドットの面密度と同程度にする。
さらに、InAsの供給を停止して再び温度を580℃程度まで上昇させ、AlGaAsを供給する。これにより、厚さ50nmで中間層41を積層する。
上記の手順に従って、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44、中間層41の積層を10回以上30回以下程度繰り返す。これにより、量子井戸−量子ドット結合層が複数層形成された光吸収層4を形成することができる。
最後に、厚さが200nmでn型の上部コンタクト層5を積層する。n型の上部コンタクト層5は、Si原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成される。
なお、図1において、半導体基板1側から量子井戸層42、量子ドット層44の順に積層されているが、これらの順序が逆であっても構わない。つまり、量子ドット層44、量子井戸層42の順に積層しても構わない。後者の場合、前者と同様の動作をするために上部電極7および下部電極6間に印加する電圧の符号を逆にすればよい。
また、InAsから構成される量子ドット層44は、InGaAs(ヒ化インジウムガリウム)であってもよい。また、量子ドット層44を挟んでいる結合層43と中間層41をAlGaAsとしたが、全てがAlGaAsでなくてもよい。たとえば、結合層43と中間層41の量子ドット層44に接触する部分の一部をGaAs、InGaAs等に置き換えても構わない。
上記製造方法において、量子ドット層44や量子井戸層42及びそれらの周辺構造をMBE法によって形成しているが、この方法に限定されるものではない。たとえば、これらの構造を、有機金属気相成長法(MOCVD法)等の他の結晶成長法を用いても良い。
(2)検出器構造加工および電極プロセス
続いて、紫外線リソグラフィー、ドライエッチングまたはウエットエッチング技術を利用して上部コンタクト層5、光吸収層4および下部コンタクト層3の一部を選択的にエッチングする。これにより下部コンタクト層3の表面の一部が露出する。
この選択エッチングにより、分離された構造が赤外線検出器100の1素子になる。赤外線検出器100の受光面の大きさは、用途によって異なるが、典型的には20μmから500μm程度である。赤外線検出器100はこの1素子のみで構成されてもよいし、このような素子を一列に、あるいは2次元的に配列させたアレイであってもよい。
次いで、上部コンタクト層5及び下部コンタクト層3に、AuGe/Ni/Auからなるアロイオーミック電極を形成し、上部電極7及び下部電極6とする。上部電極7及び下部電極6は、それぞれリフトオフ法によって形成する。リフトオフ法は、リソグラフィー、金属蒸着、レジスト剥離などの工程を含んでいる。
以上の工程により、実施の形態1に係る赤外線検出器100の基本構成が完成する。
以上に説明した実施の形態1にかかる赤外線検出器100においては、電圧源8が下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に印加する電圧の大きさによって、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成するか否かが決まる。これにより、赤外線検出器100は、2つの波長帯域か1つの波長帯域かのどちらかに感度を有する。
具体的には、電圧源8が、量子井戸層42と量子ドット層44との間で基底準位EL1、EL3又は励起準位EL2、EL4が一致するように、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に電圧を印加する。これにより、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成し、赤外線検出器100は、2つの波長帯域に対して感度を有する。
また、電圧源8が、量子井戸層42と量子ドット層44との間で基底準位EL1、EL3及び励起準位EL2、EL4が一致しないように、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5との間に電圧を印加する。これにより、量子井戸層42と量子ドット層44とが結合モードを形成せず、赤外線検出器100は、1つの波長帯域に対して感度を有する。
よって、電圧源8の印加電圧を制御することにより、量子井戸層42と量子ドット層44との結合モードの形成を制御することができる。これにより、より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器100を提供できる。
また、光吸収層4は、量子井戸層42、結合層43、量子ドット層44の順に積層された部分を、10以上30以下備える。
これにより、光吸収層4における赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
また、結合層43の厚さは、5nm以上15nm以下である。
これにより、結合層43を挟んで対向する量子井戸層42と量子ドット層44とが、より確実に結合モードを形成することができる。
実施の形態2
図4は、本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器200の構造を説明する断面図である。
図4に示すように、実施の形態2にかかる赤外線検出器200は、光吸収層4Aのみが、実施の形態1にかかる赤外線検出器100と異なる。そのため、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
光吸収層4Aは、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46A等を備えている。
具体的には、下部コンタクト層3の上に、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aの順に、各層が繰り返し形成されている。また、第1の量子井戸層42A、量子ドット層44A、第2の量子井戸層46Aは、それぞれ、10層以上30層以下程、積層されている。これにより、光吸収層4Aにおける赤外線の吸収効率を十分にすることができる。
中間層41Aは、中間層41と同様の材料及び同様の製法で形成される。また、第1の量子井戸層42A及び第2の量子井戸層46Aは、量子井戸層42と中間層41と同様の材料及び同様の製法で形成される。また、第1の結合層43A及び第2の結合層45Aは、結合層43と同様の材料及び同様の製法で形成される。また、量子ドット層44Aは、量子ドット層44と同様の材料及び同様の製法で形成される。
次に、赤外線検出器200の動作について説明する。図5は、本実施の形態2にかかる赤外線検出器200の動作を説明する図である。図5は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造(Electronic Band Structure)を模式的に示している。図5において、左右方向が図4における上下方向に対応しており、図5左側が半導体基板1に近い側となっている。また、図5において、上下方向が、各層において電子(伝導電子)の取りうるエネルギー状態(energy state)を示す。また、図5(a)、(b)、(c)では、それぞれ、電圧源8が下部電極6と上部電極7との間に印加する電圧の大きさが異なっている。図5(a)、(b)、(c)から、電圧源8が印加する電圧の大きさによって、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aの電子がとりうるエネルギー状態が異なることがわかる。換言すれば、電圧源8が印加する電圧の大きさによって、電子バンド構造の形状が異なる。
また、図6は、図5に記載の電子バンド構造に対応する赤外線検出器200の感度スペクトルを示すグラフである。具体的には、図6のグラフ(a)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(a)である場合の赤外線検出器200の感度スペクトル、図6のグラフ(b)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(b)である場合の赤外線検出器200の感度スペクトル、図6のグラフ(c)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(c)である場合の赤外線検出器200の感度スペクトルである。
また、図6において、縦軸は赤外線検出器200の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
図5に示すように、量子力学に基づけば、第1の量子井戸層42A、量子ドット層44A及び第2の量子井戸層46Aに束縛された電子は、離散的なエネルギー準位(energy level)しかとることができない。図5において、第1の量子井戸層42Aに束縛された電子がとりうるエネルギー準位を、基底準位EL5、励起準位EL6と称する。また、同様に、図5において、量子ドット層44Aに束縛された電子がとりうるエネルギー準位を、基底準位EL7、励起準位EL8と称する。また、同様に、第2の量子井戸層46Aに束縛された電子がとりうるエネルギー準位を、基底準位EL9、励起準位EL10と称する。
以下、電圧源8が印加する電圧条件に分けて、赤外線検出器200の動作を説明する。
まず、電圧条件(a)について説明する。
電圧条件(a)では、電圧源8は、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは結合モードを形成する。
第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とが結合モードを形成すると、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、第1の量子井戸層42Aと量子ドット層44Aの両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
ここで、量子ドット層44Aの基底準位EL7と励起準位EL8とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線、又は、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5と励起準位EL6とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4Aに入射すると、量子ドット層44A又は第1の量子井戸層42Aはこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44A又は第1の量子井戸層42Aに束縛されている電子は、量子ドット層44Aの励起準位EL8又は第1の量子井戸層42Aの励起準位EL6へ遷移する。図5では、この電子の遷移を上向き矢印で模式的に示している。そして、電流計9が、励起準位EL8又は励起準位EL6に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器200は、赤外線を電流として検出することができる。
電圧条件(a)において、光吸収層4Aが赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器200が検出するスペクトルは、図6のグラフ(a)のスペクトルとなる。図6のグラフ(a)に示すように、電圧条件(a)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線及びエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(a)においては、エネルギー差E又はエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は、感度を有さないことがわかる。
電圧条件(a)においては、前述の光学選択則により、第2の量子井戸層46Aと量子ドット層44Aとは結合モードを形成していないため、第2の量子井戸層46Aに束縛された電子は、基底準位EL9から励起準位EL10へ遷移することができない。
次に、電圧条件(b)について説明する。
電圧条件(b)では、電圧源8は、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとがほぼ一致するように、電圧を印加する。これにより、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの基底準位EL7とは結合モードを形成する。
第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの基底準位EL7とが結合モードを形成すると、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9と量子ドット層44Aの励起準位EL7とは個々の独立したエネルギー準位ではなく、第2の量子井戸層46Aと量子ドット層44Aの両方の特性を兼ね備えた新たなエネルギー準位となる。
ここで、量子ドット層44Aの励起準位EL8と基底準位EL7とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線、又は、第2の量子井戸層46Aの励起準位EL10と基底準位EL9とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4Aに入射すると、量子ドット層44A又は第2の量子井戸層46Aはこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44A又は第2の量子井戸層46Aに束縛されている電子は、量子ドット層44Aの励起準位EL8又は第2の量子井戸層46Aの励起準位EL10へ遷移する。そして、電流計9が、励起準位EL8又は励起準位EL10に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器200は、赤外線を電流として検出することができる。
電圧条件(b)において、光吸収層4Aが赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器200が検出するスペクトルは、図6のグラフ(b)のスペクトルとなる。図6のグラフ(b)に示すように、電圧条件(b)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線及びエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(b)においては、エネルギー差E又はエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は、感度を有さないことがわかる。
電圧条件(b)においては、前述の光学選択則により、第1の量子井戸層42Aと量子ドット層44Aとは結合モードを形成していないため、第1の量子井戸層42Aに束縛された電子は、基底準位EL5から励起準位EL6へ遷移することができない。
なお、実施の形態1で説明したのと同様に、第1の量子井戸層42Aの励起準位EL6と量子ドット層44Aの励起準位EL8とが結合モードを形成する場合に、赤外線検出器200が検出するスペクトルは、図6(a)のグラフに示すスペクトルとほぼ同じとなる。同様に、第2の量子井戸層46Aの励起準位EL10と量子ドット層44Aの励起準位EL8とが結合モードを形成する場合に、赤外線検出器200が検出するスペクトルは、図6(b)のグラフに示すスペクトルとほぼ同じとなる。
また、電圧条件(a)と電圧条件(b)とでは、電圧源8が印加する電圧の符号が異符号である場合を示したが、電圧条件(a)と電圧条件(b)とで、電圧源8が印加する電圧の符号が同符号であってもよい。
次に、電圧条件(c)について説明する。
電圧条件(c)は、電圧条件(a)及び電圧条件(b)の何れにも当てはまらない電圧条件である。この場合、図5(c)に示すように、第1の量子井戸層42Aの基底準位EL5のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、第1の量子井戸層42Aの励起準位EL6のエネルギーと量子ドット層44Aの励起準位EL8のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。
同様に、第2の量子井戸層46Aの基底準位EL9のエネルギーと量子ドット層44Aの基底準位EL7のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。同様に、第2の量子井戸層46Aの励起準位EL10のエネルギーと量子ドット層44Aの励起準位EL8のエネルギーとは大きく異なっており、結合モードを形成しない。
そのため、上述の光学選択則により、第1の量子井戸層42Aに束縛された電子は、基底状態EL5から励起状態EL6へ遷移できない。よって、赤外線検出器200は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
同様に、第2の量子井戸層46Aに束縛された電子は、基底状態EL9から励起状態EL10へ遷移できない。よって、赤外線検出器200は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線を検出することができない。
ここで、量子ドット層44Aの励起準位EL8と基底準位EL7とのエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線が光吸収層4Aに入射すると、量子ドット層44Aはこれらのエネルギーを吸収する。これにより、量子ドット層44Aに束縛されている電子は、量子ドット層44Aの励起準位EL8へ遷移する。そして、電流計9が、励起準位EL8に遷移した電子を電流として検出する。これにより、赤外線検出器200は、赤外線を電流として検出することができる。
電圧条件(c)において、光吸収層4Aが赤外線のエネルギーを吸収した場合に赤外線検出器200が検出するスペクトルは、図6のグラフ(c)のスペクトルとなる。図6のグラフ(c)に示すように、電圧条件(c)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は感度を有することがわかる。一方、電圧条件(c)においては、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線以外の赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域に対して、赤外線検出器200は、感度を有さないことがわかる。
つまり、電圧条件(c)においては、赤外線検出器200は、1つの波長帯域において赤外線を検出することができる。
以上に説明したように、電圧源8の印加電圧を制御することにより、第1の量子井戸層42Aと量子ドット層44Aとの結合モードの形成、又は、第2の量子井戸層46Aと量子ドット層44Aとの結合モードの形成を制御することができる。これにより、より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器200を提供できる。
また、実施の形態2にかかる赤外線検出器200によれば、実施の形態1にかかる赤外線検出器100にかかる赤外線検出器100と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域、及びエネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域の3種類の波長帯域に対して感度を有する赤外線検出器200を提供できる。
また、実施の形態2では、光吸収層が、第1の量子井戸層、第1の結合層、量子ドット層、第2の結合層、第2の量子井戸層の順に積層された部分を備えている構成を示したが、量子井戸層と量子ドット層が入れ替わった構造でも構わない。すなわち、光吸収層が、第1の量子ドット層、第1の結合層、量子井戸層、第2の結合層、第2の量子ドット層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備えた構成であってもよい。この場合であっても、電圧源8により適切な電圧を設定することで、第1の量子ドット層と量子井戸層、第2の量子ドット層と量子井戸層の結合モード形成を制御することができる。これにより、本発明で示す検知波長を切り替え可能な赤外線検出器を提供できる。その動作原理は、これまでに述べたものとほとんど同じであるため、説明を省略する。
実施の形態3
図7は、本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器300の構造を説明する断面図である。
図7に示すように、実施の形態3にかかる赤外線検出器300は、波長フィルタ10を備える点のみが、実施の形態2にかかる赤外線検出器200と異なる。そのため、同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しないバンドストップフィルタである。換言すれば、波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近以外の波長を有する赤外線を選択的に透過する。
波長フィルタ10は、図7に示すように、光吸収層4Aの光入射面側に、出し入れ可能に設けられている。また、波長フィルタ10の大きさは、光吸収層4Aの光入射面を遮蔽可能な大きさとなっている。
次に、赤外線検出器300の動作について説明する。なお、赤外線検出器300における中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造(Electronic Band Structure)は、図5に示す通りであるため、その説明を省略する。
図8は、図5に記載の電子バンド構造に対応する赤外線検出器300の感度スペクトルを示すグラフである。具体的には、図8のグラフ(a−1)及びグラフ(a−2)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(a)である場合の赤外線検出器300の感度スペクトル、図8のグラフ(b−1)及びグラフ(b−2)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(b)である場合の赤外線検出器300の感度スペクトル、図8のグラフ(c−1)は、中間層41A、第1の量子井戸層42A、第1の結合層43A、量子ドット層44A、第2の結合層45A、第2の量子井戸層46Aから構成される部分の電子バンド構造が図5(c)である場合の赤外線検出器200の感度スペクトルである。
また、図8において、縦軸は赤外線検出器300の感度(電流計9で測定される電流量に応じた値)を示し、横軸は赤外線の有するエネルギー(波長の逆数に相当)を示す。
より具体的には、図8のグラフ(a−1)は、図5(a)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(a)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入していない場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。換言すれば、図8のグラフ(a−1)のスペクトルは、図6のグラフ(a)のスペクトルと同じである。
一方、図8のグラフ(a−2)は、図5(a)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(a)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない。そのため、波長フィルタ10が光吸収層4Aの光入射面側に挿入されている場合、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長を中心波長とする波長帯域のみに対して、赤外線検出器300は感度を有する。
また、図8のグラフ(b−1)は、図5(b)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(b)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入していない場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。換言すれば、図8のグラフ(b−1)のスペクトルは、図6のグラフ(b)のスペクトルと同じである。
一方、図8のグラフ(b−2)は、図5(b)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(b)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない。そのため、波長フィルタ10が光吸収層4Aの光入射面側に挿入されている場合、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長をピーク波長とする波長帯域のみに対して、赤外線検出器300は感度を有する。
また、図8のグラフ(c−1)は、図5(c)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(c)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入していない場合に、赤外線検出器300が検出するスペクトルである。換言すれば、図8のグラフ(c−1)のスペクトルは、図6のグラフ(c)のスペクトルと同じである。つまり、この場合、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長を中心波長とする波長帯域のみに対して、赤外線検出器300は感度を有する。
なお、図5(c)に示す電子バンド構造を発生させる電圧条件(c)において、波長フィルタ10を光吸収層4Aの光入射面側に挿入している場合、赤外線検出器300は、赤外線を検出することができない。波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しないためである。
以上に説明したように、電圧源8の印加電圧を制御するとともに、波長フィルタ10の挿入・非挿入を制御することにより、より簡便に2波長検知または1波長検知を切り替えることが可能な赤外線検出器300を提供できる。
また、実施の形態3にかかる赤外線検出器300によれば、実施の形態1にかかる赤外線検出器100及び実施の形態2にかかる赤外線検出器200と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、エネルギー差E、E若しくはEに相当するエネルギーを有する赤外線の波長を中心波長とする1つの波長帯域の検知、又は、エネルギー差E及びE若しくはエネルギー差E及びEに相当するエネルギーを有する赤外線の波長を中心波長とする2つの波長帯域の検知をより簡便に切り替えることが可能な赤外線検出器300を提供できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、波長フィルタ10を、赤外線検出器100の光吸収層4の光入射面側に出し入れ可能に備えてもよい。この場合、波長フィルタ10は、エネルギー差Eに相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しないバンドストップフィルタであればよい。
1 半導体基板
2 緩衝層
3 下部コンタクト層(第1のコンタクト層)
4、4A 光吸収層
41、41A 中間層
42 量子井戸層
42A 第1の量子井戸層
43 結合層
43A 第1の結合層
44、44A 量子ドット層
45A 第2の結合層
46A 第2の量子井戸層
5 上部コンタクト層(第2のコンタクト層)
6 下部電極
7 上部電極
8 電圧源
9 電流計
10 波長フィルタ
100、200、300 赤外線検出器

Claims (9)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成される第1のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層上に形成される光吸収層と、前記光吸収層上に形成される第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する電圧源と、を備える赤外線検出器であって、
    前記光吸収層は、量子井戸層、結合層、量子ドット層の順、又は、前記量子ドット層、前記結合層、前記量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備え、
    前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まる赤外線検出器。
  2. 前記電圧源が、前記量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位又は励起準位が一致するように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、2つの波長帯域に対して感度を有し、
    前記電圧源が、前記量子井戸層と前記量子ドット層との間で前記基底準位及び前記励起準位が一致しないように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、1つの波長帯域に対して感度を有する請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 前記光吸収層は、前記量子井戸層、前記結合層、前記量子ドット層の順、又は、前記量子ドット層、前記結合層、前記量子井戸層の順に積層された部分を、10以上30以下備える請求項1又は2に記載の赤外線検出器。
  4. 前記結合層の厚さは、5nm以上15nm以下である請求項1乃至3の何れか一項に記載の赤外線検出器。
  5. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成される第1のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層上に形成される光吸収層と、前記光吸収層上に形成される第2のコンタクト層と、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加する電圧源と、を備える赤外線検出器であって、
    前記光吸収層は、第1の量子井戸層、第1の結合層、量子ドット層、第2の結合層、第2の量子井戸層の順に積層された部分を、少なくとも1つ備え、
    前記電圧源が前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に印加する電圧の大きさによって、前記第1の量子井戸層又は前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層とが結合モードを形成するか否かが決まる赤外線検出器。
  6. 前記電圧源が、前記第1の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位若しくは励起準位が一致するように、又は、前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位若しくは励起準位が一致するように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、2つの波長帯域に対して感度を有し、
    前記電圧源が、前記第1の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位及び励起準位が一致しないように、又は、前記第2の量子井戸層と前記量子ドット層との間で基底準位及び励起準位が一致しないように、前記第1のコンタクト層と前記第2のコンタクト層との間に電圧を印加することにより、前記赤外線検出器は、1つの波長帯域に対して感度を有する請求項5に記載の赤外線検出器。
  7. 前記光吸収層は、前記第1の量子井戸層、前記第1の結合層、前記量子ドット層、前記第2の結合層、前記第2の量子井戸層の順に積層された部分を、10以上30以下備える請求項5又は6に記載の赤外線検出器。
  8. 前記第1の結合層及び前記第2の結合層の厚さは、5nm以上15nm以下である請求項5乃至7の何れか一項に記載の赤外線検出器。
  9. 前記光吸収層の光入射面側に、前記量子ドット層の前記基底準位と前記励起準位とのエネルギー差に相当するエネルギーを有する赤外線の波長付近の波長を有する赤外線を透過しない波長フィルタを出し入れ可能に備える請求項1乃至8の何れか一項に記載の赤外線検出器。
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