JP6101411B1 - 昇降装置付き乗物 - Google Patents
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Abstract
Description
前記囲いボックスの中を昇降する底板および対向する2つの側板からなる昇降機と、
前記囲いボックスの底面に収納される前記昇降機が降下した位置での地面との段差を解消するためのスロープ板と、
前記昇降機の領域を乗車用エリアおよび降車用エリアの2つに分ける間仕切り部材と、
を備える昇降装置
を有する。
また、間仕切り部材により間仕切帯となる境界を設けることで乗車用エリアと降車用エリアを区分けして乗物への乗降をスムーズかつスピーディに行うことを可能とし、停車時間の短縮を図ることができる。
このように構成することにより、囲いボックスの内部空間側から車体外側に風を送ることにより、車外から昇降装置の内部空間内に粉塵・埃・ゴミ等が入り込むことを抑制することができる。
このように構成することにより、乗降客が昇降装置を利用する際に、降下し始めた昇降機に客室内に残された乗客が駆け込みで載ったり出たりする危険な行為を防止したり、物が落下することを防止することができる。
図1に示す状態では、昇降装置1は、扉51により隠れていて車外からは視認できない。すなわち、昇降装置1は、従来のバス50の車体を利用して車体外部に突出するものが一切なく車体内部の空間を工夫することのみで製作できるものである。また、昇降装置1は、バス50の車体の運転に支障がない前後輪の中間で右側面に面して配置されているが左側面であってもよい。バス50の構造上弱体化する箇所は適宜必要な補強が行われ強度が保たれている。
以下、主に昇降装置1について説明するが、下記の図面の理解を容易化のため併せて参考にする。
図3(a)は、昇降機20が、バス50の客室内に上昇しきった状態を示す正面視における断面図である。
図3(b)は、昇降機20が、バス50の客室内から降下しきった状態を示す正面視における断面図である。
図4(a)は、昇降機20が、バス50の客室内に上昇しきった状態を示す側面視における断面図である。
図4(b)は、昇降機20が、バス50の客室内から降下しきった状態を示す側面視における断面図である。
囲いボックス10の3面の壁面の右端、上端はそれぞれバス50の扉51、車体床板の車外側に密着可能にゴム部材等が付して設けられている。なお、扉51はバス50の停車中のみ開放し運行時には囲いボックス10と一体となって囲いボックス10の内部空間への排気ガスや粉塵・埃・ゴミ等の侵入を遮断する。
スロープ板11には、雨や雪によるスリップ抑制対策として、複数の小孔が穿設され、さらに表面に凸凹構造が設けられてもよい。
角材60には、スロープ板11用のガイドレール(不図示)が設けられている。また、スロープ板11の後端にはガイドレールの溝に適合したガイド部材が設けられ、ガイドレールの末端で停止する構成となっている。ガイドレールの末端近傍は下方に傾斜すること等によりスロープ板11の先端部分を接地させるように下降させる構造となっている。さらに好ましくは、後述する昇降機20の底板20aとの段差が生じない位置にスロープ板11を案内するガイドレール等の構造が採用される。このようなガイドレール機構は種々の公知の技術が適用されて実現されることであってよい。
昇降機20は、客室の床(通路)と同程度の厚み寸法で十分な強度があり、底板20aは、X方向の長さ寸法が例えば、2m40cm、Y方向の幅寸法が70cmの略矩形の板状体であるが、先に切り取った客室内の床材を使用してもよい。但し、客室の床(通路)と異なる着色が施され識別可能として安全が図られことが望ましい。
昇降機20は、囲いボックス10の対向する2面の壁面に沿って形成されている。
なお、囲いボックス10のその対向する2面の対向面側には、横揺れや振動によるズレ・移動を防止すべく昇降機20が沿って移動するためのガイドレール(不図示)が少なくとも3か所に設けられていてもよい。
また、昇降機20が客室内の床面の高さ位置まで上昇して停止した状態でガタつきなく固定し、想定外の衝撃が発生した場合等に昇降機20が落下することを防止すべく、囲いボックス10の壁面から進出後退するストッパー部材54が設けられている(図4参照)。
上記のとおり昇降機20は、囲いボックス10に設けられたガイドレールに沿って昇降し、降下時は囲いボックス10の底面に至る地点である、囲いボックス10の底面に付設された角材60上で自動的に安着する。また、昇降機20は、上昇時はバス50の客室内の床面と一致する高さ位置で停止し、客室内の床面をなす。
昇降機20の昇降制御は不図示の駆動部(油圧を利用してシリンダを伸縮させることなど)により実施されるが、運転席において昇降機20近傍に設置された監視カメラからの映像を所定の表示装置に表示して運転者が視認して所定のボタン操作等により行ってもよく、また、助手(バスガイド等)が居る場合は手動で助手席でのボタン操作等により行ってもよい。
駆動部の揚上力はMAX1000kg〜1500kg位であることが望ましい。なお、昇降機20が昇降する際に、適切な高さで昇降動作を停止させるためのセンサーが設けられることが好ましい。
パイプ12aの所定位置には多数の小孔が設けられており、停車時に扉51が開いた状態の際に、内部空間側から車体外側へ向かって送風することにより、乗降客の乗降に伴って外からの粉塵・埃・ゴミ等が昇降機20に付着することを抑制する。
パイプ12bは、バス50の高温の排気ガス用の排気管の中を通るように配管してあり、これによりパイプ12bの内部空気の温度をある程度上昇させて、パイプ12bの所定位置に設けられた多数の小孔から温風を排出することにより、寒冷地等において寒い外で待っていた乗客を暖めることができる。なお、高温の排気ガスの熱を利用して、暖房を実現する原理は、バス50の車内全体にも適用可能である。
パイプ12aの一端側の開口部から複数の第一の送風口を通して、停車時に扉51が開いた状態の際に、内部空間側から車体外側へ向かって送風することにより、乗降客の乗降に伴って外からの粉塵・埃・ゴミ等が昇降機20に付着することを抑制する。
パイプ12bは、バス50の高温の排気ガス用の排気管の中を通るように配管してあり、これによりパイプ12bの内部空気の温度をある程度上昇させて、パイプ12bの一端側の開口部から1つの第二の送風口を通して温風を排出することで、寒冷地等において寒い外で待っていた乗客を暖めることができる。なお、高温の排気ガスの熱を利用して、暖房を実現する原理は、バス50の車内全体にも適用可能である。
なお、間仕切り部材30は必要に応じてカーテン状(蛇腹状)に折り畳まれたままの状態として、より多人数、車椅子等の乗降を容易にすることであってもよい。そして、カーテン状(蛇腹状)に折り畳まれた状態にある場合には、囲いボックス10の所定の壁面に収納されることであってもよい。
間仕切り部材30は、例えばカーテンであり、その場合、図2(a)、(b)に示すように、上部カーテンレール71は囲いボックス10と戸当り70にわたって架設されており、カーテンの下方には重りを付けておいてもよい。このようにすると、昇降機20の乗車用エリアと降車用エリアを間違った場合でも、カーテンをくぐってエリア間を移動することが可能となる。
遮蔽部材40は、帯状の幕や横に二本の仕切り棒状(パイプ等)であってもよく、折り畳み式の幕の場合は15cm〜20cmの幅寸法の軽量化が図られた伸縮性幕であっても、蛇腹折り畳み式、カーテン式などであってもよい。
遮蔽部材40は、スライド式や観音開き式等の開閉機構を備え、昇降機20の利用に際して、適宜、自動又は手動で開閉することができる。
バス50が運行(走行)中であり、客室内に乗客がおり、昇降機20の底板20aは、バス50の客室内の床面と一致する高さ位置で停止している状態から説明を始める。
なお、すべての動力は油圧装置(油圧工法)で実現されてよく、油圧装置用の補助バッテリをバス50に搭載しておき、事故等の非常時に活用することであってもよい。
なお、料金の徴収方法について、混乱や混雑防止のため車内に予め目立つように掲示しておき、色別の乗車券や利用カードを、助手が目視で確認したり、運転者がカメラによる画像をディスプレイ上で確認したり、さらに、料金を支払った乗客のみが昇降機20の領域の上に載ることができるようにするなどの種々の公知の仕組みが採用されてよい。
また、所定のセンサーにより昇降機20が下降を開始した時点を検知し、遮蔽部材40としての柵を閉じる。これにより、降下し始めた昇降機20に駆け込みで客室内に残っていた乗客が載ること等を防止することができる。さらに、客室内で遮蔽部材40が昇降区域の周囲を区画するため、床面にぽっかり開く穴に乗客が誤って落下したり、物を落とすことを予防することができる。
そして、送風機構により、囲いボックス10の壁面に設けられた複数の送風口12(或いはパイプ12a)から、昇降装置1の内部空間側からバス50の車体外側へ向かって送風を開始する。
また、囲いボックス10の底面に収納されているスロープ板11が自動的に油圧等でガイドレールに沿って突出し、この際、ガイドレールの末端近傍は下方に傾斜する構造等であるためスロープ板11の先端部分は自重等とも相俟って地面に接地することとなる。
したがって、バス50が停車している状態で高齢者、車椅子やベビーカー、両手にスーツケース等を持った利用者等がスロープ板11を通ってスムーズに降車することができる。
バス50が停車している際に、停留所等で待機していた乗車を希望する利用客は、運転者や助手の操作に応じて、伸展させられた間仕切り部材30(例えばカーテンである。)により、昇降機20のスペースが2つの領域(乗車用エリア、降車用エリア)に分割されるので、乗車用エリア側(図2の「乗」マークが付されている領域)に載る。これにより、昇降機20のスペースを2つの領域(乗車用エリア、降車用エリア)に分割して、乗降客の乗り降りをスムーズかつスピーディとすることを可能とする。その近傍には、磁気カードのリーダ・ライタからなる自動改札機53が設置されており、乗車の際のカード読み取り処理が行われてもよい。
また、所定のセンサーにより昇降機20がバス50の客室内の床面と一致する高さ位置まで到達した時点を検知し上昇を停止させ、これにより、昇降機20に載っている利用客が客室内へ進み、座席に座ったり、立ったまま手摺・吊革につかまること等ができる。また、車椅子や大きな荷物等は邪魔にならない程度であれば昇降機20に載せたまま残しておいてもよい。
さらに、運転者や助手の操作に応じて、ストッパー部材54が突出して昇降機20と一体になり安定させる。
続いて、運転者や助手の操作に応じて、突出して昇降機に接合し安定する。
例えば、昇降機20に引出し式の椅子が設けられ、病弱の乗客等の便宜が図られることであってもよい。
10 囲いボックス
11 スロープ板
12 送風口
12a、12b パイプ
20 昇降機
20a 底板
20b 側板
30 間仕切り部材
40 遮蔽部材
50 バス
51 扉
52 昇降口
53 自動改札機
54 ストッパー部材
60 角材
70 戸当り
71 カーテンレール
Claims (3)
- 客室の床面の一部の領域の下方に設けられた3壁面および底面を有し、かつ、乗物の側面に設けられたドアで開閉される開放面を有する囲いボックスと、
前記囲いボックスの中を昇降する底板および対向する2つの側板からなる昇降機と、
前記囲いボックスの底面に収納される前記昇降機が降下した位置での地面との段差を解消するためのスロープ板と、
前記昇降機の領域を乗車用エリアおよび降車用エリアの2つに分ける間仕切り部材と、
を備える昇降装置
を有する昇降装置付き乗物。 - 前記昇降装置は、前記ドアが開いた状態において前記囲いボックスの内部空間側から前記乗物の車体の外側に向けて風を送る前記囲いボックスの前記壁面に設けられた送風口を備える請求項1記載の昇降装置付き乗物。
- 前記客室に、前記昇降機の昇降の際に前記昇降機への進入や落下を遮蔽する遮蔽部材を備える請求項1または2に記載の昇降装置付き乗物。
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