JPH1148867A - ステップ昇降手段を具備する車両 - Google Patents

ステップ昇降手段を具備する車両

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Publication number
JPH1148867A
JPH1148867A JP9346765A JP34676597A JPH1148867A JP H1148867 A JPH1148867 A JP H1148867A JP 9346765 A JP9346765 A JP 9346765A JP 34676597 A JP34676597 A JP 34676597A JP H1148867 A JPH1148867 A JP H1148867A
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JP
Japan
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wheelchair
vehicle
bus
elevating
passenger
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9346765A
Other languages
English (en)
Inventor
Mare Sasaki
希 佐々木
Hiromi Matsuo
宏美 松尾
Makoto Mizukami
命 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISHI NIPPON RAILROAD CO Ltd
NISHI NIPPON SHATAI KOGYO KK
NISHI NIPPON TETSUDO KK
SUGIMOTO KOGYO KK
Original Assignee
NISHI NIPPON RAILROAD CO Ltd
NISHI NIPPON SHATAI KOGYO KK
NISHI NIPPON TETSUDO KK
SUGIMOTO KOGYO KK
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH1148867A publication Critical patent/JPH1148867A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステップを踏み上がったり踏み降りたりするこ
となく、楽に車両を乗り降りでき、しかも車両幅方向の
長さが短い小型バスやワゴン車へも設置が可能なステッ
プ昇降手段を具備する車両を提供する。 【解決手段】乗降口部に乗員の乗降を補助するステップ
が設けられた車両において、前記ステップを、前記乗降
口部の床面と地面付近との間で昇降させるステップ昇降
手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車椅子乗降装置を具備
する車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、市内路線バスは、車両の
左側壁の中途部に乗降口部を設け、乗客は乗降口部から
乗車したり、降車したりできるようになっている。
【0003】そして、身体障害者等の車椅子を利用して
いる乗客が、上記市内路線バスに乗降する際には、乗降
口部の床面と地面(路面又は歩道面)との間にスロープ
板を傾斜状態に架設して、同乗客が自力で、又は介添人
により乗降できるようにしている。
【0004】ところが、このスロープ板は、頻繁に使用
されるものではないために、通常は市内路線バスの収納
庫に収納されており、必要に応じて運転手が収納庫より
スロープ板を取り出して、前述したように乗降口部の床
面と地面との間に架設するようにしているが、かかるス
ロープ板の架設作業が重労働の上に手間がかかるという
問題があった。
【0005】そこで、これを解消する従来技術として、
例えば本出願人が先に出願した実開平4−65253号
公報の「車椅子乗降装置を具備する車両」などが知られ
ている。
【0006】このものは、スロープ板を、市内路線バス
の乗降口部に近接する車体フレームに着脱可能に取付け
られたスロープ板収納部から、スロープ板収納部に摺動
可能に取付けられた左右一対のスロープ板支持アームを
介して運転手が引き出し、それから乗降口部の床面と地
面との間に傾斜配置するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の車椅子乗降
装置を具備する車両は、市内路線バスの乗降口部付近に
内設されたスロープ板収納部から一対のスロープ板支持
アームを介してスロープ板が出し入れされる構造であ
り、必要に応じて運転手がスロープ板収納部からスロー
プ板を引き出して、上記したように乗降口部の床面と地
面との間に架設するようになっている。
【0008】しかしながら、例えば対象車両が小型バス
や、ワゴン車などの場合、車両幅方向の長さが短いの
で、床面下にゆとりのあるスロープ板収納部を配設し難
いという問題があった。
【0009】しかも、小型バスやワゴン車に乗降する際
には、乗降口部の床面と地面との間で傾斜状態になった
スロープ板を、乗客が自力により、又は介添人の手を借
りて、登り降りしなければならないので、車椅子の乗客
や介添人に、かなりきつい作業を強いることになってい
た。
【0010】また、乗車後も、車椅子に乗客が乗ったま
までいると、運転中の急ブレーキの際に、車内で不安定
な状態にある車椅子が横滑りしたり、最悪の場合には横
転したりする虞がある。そこで、車椅子の乗客は、通
常、車内の座席に座り直している。
【0011】したがって、車椅子の乗客は、乗降車を行
うたびに、車椅子と座席との間で座り直さなければなら
ず、この結果、乗客やその介添人は、乗車後も多大な労
力を強いられていた。
【0012】さらに、ようやく座席に座り直しても、車
内の狭い通路に車椅子が放置されることとなり、他の乗
客の乗り降りの邪魔になるとともに、この空の車椅子
が、急ブレーキなどの際に横滑りするなどの虞れもあっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、乗
降口部に乗員の乗降を補助するステップが設けられた車
両において、前記ステップを、前記乗降口部の床面と地
面付近との間で昇降させるステップ昇降手段を設けたこ
とを特徴とするステップ昇降手段を具備する車両を提供
せんとするものである。
【0014】また、ステップ昇降手段により水平昇降さ
れるステップに、車両幅方向へ出し入れ可能なステップ
延長板を設けたことにも特徴がある。
【0015】さらに、車内に、車椅子の固定手段を有す
る車椅子用台車を配備したことにも特徴がある。
【0016】さらにまた、車内に車椅子用台車の固定ス
ペースを確保し、また車内および/または前記車椅子用
台車に、台車固定手段を設けたことにも特徴がある。
【0017】
【作用】ステップ昇降手段を具備する車両のステップを
用いて、例えば乗客、殊に老人や身障者などが乗車する
際には、例えばまずステップ昇降手段によりステップを
地面付近まで下降し、次いで乗客がステップに搭乗し、
その後、ステップ昇降手段によりステップを略車両の床
面の高さまで上昇させて乗車する。
【0018】一方、降車時には、これとは反対に、例え
ば老人などの乗客が乗降口部の床面まで上昇したステッ
プに搭乗し、ステップ昇降手段によりステップが地面付
近まで下降して、乗客が降車する。このように、ステッ
プ昇降手段によりステップを昇降させるので、乗客は、
比較的高い段差のあるステップを踏み上がったり踏み降
りたりすることなく、楽に車両を乗り降りできる。
【0019】また、水平昇降するステップにステップ延
長板を設けた場合には、例えば車椅子の乗車時におい
て、ステップからステップ延長板を車両方向外方へ引き
出し、その後、ステップをステップ昇降手段により地面
付近まで水平に下降し、この延長されたステップ上に車
椅子が搭乗し、それからステップ昇降手段によってステ
ップを水平に上昇させてから、車椅子を乗車させる。
【0020】一方、降車時には、反対に、例えばステッ
プ延長板が引き出されたステップ上に、車内の車椅子を
移動させた後、このステップ昇降手段によってステップ
を地面付近まで水平に下降させ、それから車椅子をステ
ップより降ろして降車させる。このように、ステップ昇
降手段により水平昇降されるステップの車両幅方向の長
さを、ステップ延長板により延長可能な構造としたの
で、通常幅のステップには搭乗できない例えば車椅子に
乗った乗客でも、楽に車両に乗り降りできる。
【0021】さらに、車内に車椅子用台車を配備した場
合であって、車椅子を乗車させる際には、車椅子を車椅
子用台車に載せ、次にこの車椅子を専用の固定手段によ
りこの台車に固定する。その後、車椅子用台車を走行さ
せて、車内の所定位置まで移動させる。これにより、そ
れまで乗降車の度に、車椅子の乗客が、この車椅子と車
内の座席との間で行っていた座り直しの苦労から開放さ
れる。このように、車椅子は車椅子固定手段によって車
椅子用台車上に固定されるので、仮に車両走行中、止む
を得ず急ブレーキなどを使用した場合でも、車椅子が横
滑りしたり、転倒したりするのを防止できる。しかも、
座席への座り直し後のように、車内の通路に車椅子が放
置されることがないので、これが他の乗客の通路移動の
邪魔になったり、車両走行時に、無人の車椅子が勝手に
移動するおそれがない。
【0022】さらにまた、この車椅子用台車に台車固定
手段を設けた場合には、この台車に搭乗した車椅子が車
内の固定スペースへ移動され、この固定スペースで、車
内および/または車椅子用台車に設けられた台車固定手
段により車椅子用台車が固定される。これにより、前述
の急ブレーキを踏んだ際に、車椅子用台車がこの固定ス
ペースから勝手に滑り出てしまうのを防止することがで
きる。また、このように車内に車椅子用台車のための固
定スペースが確保されているので、車椅子の乗客は安心
して車両に搭乗できる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0024】図1に示すBは、本発明に係るステップ昇
降手段Aを具備する車両としてのバスであり、1は乗降
口部、1aは乗降口部1の床面、2は車輪、3は窓部、
4は路面、5は折り戸、6は昇降ステップ、6′は車体
側に固定されて、畳まれた折り戸5を収める固定ステッ
プである。
【0025】本発明に係るステップ昇降手段Aは、図1
〜図3に示すように、乗降口部1に、昇降ステップ6を
乗降口部1の床面1aと路面4付近との間で昇降させる
装置である。以下、これを詳細に説明する。
【0026】バスBの乗降口部1の下部には、床面1a
と昇降ステップ6との側面空間を仕切る前部蹴込み板7
と、側部蹴込み板8とが配設されている。各蹴込み板
7,8は、それぞれ裏側の固定板7a,8aと、昇降ス
テップ6の昇降に伴って昇降する表側の昇降板7b,8
bとからなる。
【0027】これらの昇降板7b,8bは、下面が開口
された縦横の昇降ガイド枠9,10に沿って昇降する。
縦側の昇降ガイド枠10の上面には、乗降口仕切りボッ
クス11の内部空間と連通する昇降板8bの昇降口10
aが形成されている。また、固定板8aの両側部には、
縦長で幅広のスリット8a′が切欠形成されており、乗
降口仕切りボックス11は鋼材からなる骨組11aを有
している(図3参照)。
【0028】固定板7aの裏面の両側部には、軸支具1
2を中心に上下回動して、昇降板7bを通常の高さ位置
に掛止する一対のストッパ13が配設されている。すな
わち、各ストッパ13の下端部は楔形をしており、これ
が固定板7aの下端部に形成された横長なスリット7
a′を通って(図4参照)、昇降板7bの下端部に形成
された横長なスリット7b′に挿入される。
【0029】各ストッパ13の外方へ屈曲した上端部間
は連結バー14が横架されている。
【0030】連結バー14の中間部には、固定板7aの
中央部に取り付けられたソレノイド15の突没するロッ
ドの先端部が、連結バー14に遊挿されたブロック16
を介して接続されている。
【0031】ソレノイド15のロッドを出し入れする
と、連結バー14を介して両ストッパ13がそれぞれの
軸支具12を中心に上下回動する。これにより、各スト
ッパ13の楔形の下端部が、スリット7a′を経てスリ
ット7b′に出し入れされることにより、昇降板7bが
固定されたり、固定解除される。
【0032】図2に示すように、前記昇降ステップ6に
は、側部蹴込み板8側の端に連結された昇降操作枠板1
7が固着されている。昇降操作枠板17の両端部から
は、昇降ステップ6の下面に固着された一対の昇降フッ
ク18が配設されている。これらの昇降フック18が、
固定板8aの両側部に形成されたスリット8a′に沿っ
て昇降する。
【0033】昇降操作枠板17の上面中央部には、乗降
口仕切りボックス11内の取付けプレート11bの中央
部に立設された油圧シリンダ19の下方へ延びるロッド
19aの先端が固着されている。油圧シリンダ19内に
は、油圧供給部19bから高圧の油が供給される(図3
参照)。また、昇降操作枠板17の上面両端部には、こ
のボックス11内の底面両側部に配設されたガイドリン
グ20に遊挿されたガイドロッド21の下端が固着され
ている。
【0034】油圧シリンダ19のロッド19aを出し入
れさせると、ガイドロッド21にガイドされながら、昇
降ステップ6が通常高さ位置と、下方の接地高さ位置
と、上方の床面高さ位置との間で任意に昇降する。な
お、昇降ステップ6が床面高さ位置へ上昇するのに伴っ
て、昇降板8bが、昇降口10aから乗降口仕切りボッ
クス11内へ入り込む。
【0035】昇降ステップ6の昇降操作枠板17とは反
対側の端部には、上端部が固定ステップ6′の裏面に固
着されたジャバラ22の下端部が着脱自在に掛止されて
いる。ジャバラ22は図外のばねで上方付勢されてい
る。また、ジャバラ22の下端部には、下降中の昇降ス
テップ6の縁部下面が掛止される図外の掛止突片が取り
付けられている。
【0036】したがって、昇降ステップ6が通常高さ位
置から接地高さ位置まで下降する際には、下降する昇降
ステップ6が掛止突片を押し下げる。これにより、ジャ
バラ22が下方へ伸びる。
【0037】反対に、このステップ6が、通常高さ位置
から床面高さ位置まで上昇する際には、昇降ステップ6
がジャバラ22の掛止突起から離脱する。この結果、ジ
ャバラ22は昇降ステップ6の上昇に伴って上昇するこ
とはない。
【0038】昇降ステップ6は、前面に開口部がある幅
狭なケース状のステップである。昇降ステップ6内に
は、車両幅方向へ出し入れ可能なステップ延長板23が
収納されている。
【0039】ステップ延長板23の前縁の中央部には、
出し入れ用の把手24が設けられている。また、この延
長板23前縁の両側部には、ヒンジ25により上下動自
在な車椅子用のスロープ兼ストッパ26が配設されてい
る。両スロープ兼ストッパ26は、それぞれ内折れする
まで上方回動し、この回動位置で図外の掛止具により着
脱可能に掛止できるようになっている(図6参照)。
【0040】本発明の実施例は、上記のように構成して
いるものであり、本実施例によれば、次のような作用効
果が生起される。
【0041】すなわち、図1に示すように、昇降ステッ
プ6の通常使用時には、油圧シリンダ19により昇降ス
テップ6を通常高さ位置に配置し、その後、ソレノイド
15のロッドを突出させて、両ストッパ13の楔形の下
端部を、昇降板7bのスリット7b′に挿入すること
で、このステップ6を固定する。これによりバスBへの
通常乗降に際して、乗客が昇降ステップ6に乗ったと
き、ステップ昇降手段Aにかかる重量負荷の増減によっ
て、昇降ステップ6の高さ位置が変動する虞れがなく、
安定した乗り降りが確保できる。
【0042】また、車椅子30の乗車時には、まず、図
4に示すように、昇降ステップ6の開口部からステップ
延長板23を把手24を掴んで引き出す。次に、図5に
示すように、ソレノイド15のロッドを引き込ませて、
両ストッパ13の下端部を、昇降板7bのスリット7
b′から抜き取る。次いで、油圧シリンダ19のロッド
19aを下方突出させて、昇降ステップ6を通常高さ位
置から接地高さ位置まで下降させる。これに伴って、ジ
ャバラ22が下方へ伸びながら、両蹴込み板7,8の昇
降板7b,8bが下降する。下降後、ステップ延長板2
3の各スロープ兼ストッパ26を下方回動し、それぞれ
の先端を路面4に接地させる。
【0043】続いて、車椅子30を、両スロープ兼スト
ッパ24を介して、昇降ステップ6およびステップ延長
板23上に乗せる。それから、各スロープ兼ストッパ2
6を上方回動させて、図外の掛止具(例えばピンなど)
で掛止する。これにより、昇降ステップ6の上昇中に、
このステップ6からの振動などで、車椅子30が脱輪す
るのを防止できる。
【0044】その後、図6に示すように、油圧シリンダ
19のロッド19aを大きく引き込ませて、昇降ステッ
プ6を接地高さ位置から床面高さ位置まで上昇させる。
この際、前部蹴込み板7の昇降板7bは、昇降ステップ
6が通常高さ位置に達したところで、昇降ガイド枠9の
上面に当接し、それ以上は上昇しない。このとき、ソレ
ノイド15のロッドを突出させて、両ストッパ13を昇
降板7bのスリット7b′に掛止する。これにより、昇
降板7bを固定する。一方、側部蹴込み板8の昇降板8
bは、昇降ガイド枠10の上面の昇降口10aから乗降
口仕切りボックス11内へ入り込む。そして、車椅子3
0をバスBの床面1aへ乗り入れる。
【0045】それから、油圧シリンダ19により、昇降
ステップ6を通常高さ位置まで戻し、スロープ兼ストッ
パ26の掛止状態を解除するとともに、ステップ延長板
23を昇降ステップ6内へ押し込む。
【0046】なお、車椅子30の降車時には、以上説明
した操作を反対に行う。
【0047】このように、ステップ昇降手段Aにより昇
降ステップ6を昇降させるので、乗客は、比較的高い段
差のあるステップ6を踏み上がったり踏み降りたりする
ことなく、楽にバスBを乗り降りできる。また、車両幅
方向の長さが短い小型バスやワゴン車へも設置が可能で
ある。
【0048】さらに、水平昇降する昇降ステップ6にス
テップ延長板23を設けて、ステップ6の車両幅方向の
長さを延長可能な構造としたので、通常幅のステップ6
には搭乗できない例えば車椅子30などに乗った乗客で
も、楽にバスBに乗り降りできる。
【0049】次に、図7〜図10に基づいて、本発明の
別の実施例を説明する。
【0050】この別の実施例は、バスの車内での車椅子
の移動を、この車内に配備された車椅子用台車を用いて
行うようにした例である。これにより、車椅子の乗客
が、バスBに乗降する度に車椅子と座席との間で座り直
しをしなくてもよくなる。以下、これを詳細に説明す
る。
【0051】図7,図8に示すように、車椅子用台車4
0は、四隅の裏にそれぞれ旋回自在なキャスタ41aが
配設された平面視して長方形の台車本体41と、この台
車本体41に配備された台車固定手段および車椅子30
を固定するための車椅子固定手段を兼務する回動ストッ
パ42と、車椅子30の各後輪30aのスポーク間に一
連に挿通されてこの車椅子30を固定する車椅子固定手
段の他の例であるバックル43a付きのベルト43とを
備えている。
【0052】回動ストッパ42は、側面視して段差状に
屈曲した枠体であり、車椅子用台車40の車両長さ方向
の中間部で、かつ車両幅方向へ延びたストッパ収納穴4
0aに垂直回動可能に収納されている。この回動ストッ
パ42の左右の側板の中間部外面には、それぞれ回転軸
44が突設されている。この回動ストッパ42のうち、
回転軸44を中心にして床面側へ回動する部分が台車固
定部42aとなり、また上方の車椅子30側へ回動する
部分が車椅子固定部42bとなる。
【0053】前記ベルト43は、この車椅子用台車40
のストッパ収納穴40aより若干車両後方の部分であっ
て、この車両幅方向の両側面にバックル43aとともに
取り付けられている。
【0054】図9,図10は、この車椅子用台車40が
配備されたバスB′を示している。
【0055】バスB′は車椅子専用のバスであり、車両
後部に、図1〜図3に示すステップ昇降手段Aを組み付
けた乗降口部1′が設けられている。なお、このバス
B′には、車両前側に介添人などの健常者用の座席45
が設置されている。また、バスB′の側面にも、健常者
用の乗降口部1が設けられている。バスB′の車内に
は、7つの車椅子用台車40の固定スペースSが設けら
れている。ただし、この固定スペースSの数は限定され
ない。
【0056】次に、この車椅子用台車40の使用方法を
説明する。
【0057】車椅子30を乗車させる際には、図9に示
すように、バスB′の後方の乗降口部1′において、予
めステップ昇降手段Aによって路面まで下降された昇降
ステップ6上に車椅子30を搭乗させる。次いで、この
ステップ昇降手段Aにより昇降ステップ6を上昇させ
る。この上昇高さは、昇降ステップ6の上面が、予め乗
降口部1′付近まで移動されていた車椅子用台車40の
上面と一致する高さである。
【0058】その後、車椅子30を車椅子用台車40に
載せ、次に車椅子30の左右の後輪30aのスポーク間
にベルト43を通して、この車椅子30を固定する。そ
れから、車椅子30ごと車椅子台車40を運転手や介添
人が押して、バスB′の車内において、空の固定スペー
スSに車椅子台車40を移動させる。この際、車椅子用
台車40には、旋回自在なキャスタ41aが配設されて
いるので、旋回し難い車椅子30で移動する場合に比べ
て、この台車40を用いて移動した方が固定スペースS
への出し入れが楽になる。
【0059】次いで、車椅子用台車40のストッパ収納
穴40aに収納されている回動ストッパ42を、回転軸
44を中心にして垂直回動させる。これにより、上方の
車椅子30側へ回動した車椅子固定部42bの上枠42
cが、ベルト43により固定されている両後輪40aに
押しつけられる一方、床面側へ回動した台車固定部42
aの下枠42dが床面に押しつけられる。この結果、回
動ストッパ42は、ベルト43で固定された車椅子30
の更なる固定部材となる一方、車椅子用台車40の車内
固定部材となる。
【0060】このように、車椅子用台車40を回動スト
ッパ42を用いて固定スペースSに固定するようにした
ので、急ブレーキを踏んだ際に、車椅子用台車40がこ
の固定スペースSから勝手に滑り出るのを防止できる。
しかも、このように車内に車椅子用台車40のための固
定スペースSが確保されているので、車椅子30の乗客
は安心してバスB′に搭乗できる。
【0061】また、車椅子30を車椅子用台車40ごと
車内の固定スペースSまで移動させて固定するので、そ
れまで乗降の度に、車椅子30の乗客が、この車椅子3
0と車内に設置された座席45との間で行っていた座り
直しの苦労から開放される。
【0062】また、車椅子30は固定手段によって車椅
子用台車40上に固定されているので、仮に走行中、止
むを得ず急ブレーキなどを使用した場合にも、車椅子3
0が車内で横滑りしたり、転倒したりするのを防げる。
しかも、座席45への座り直し後は、車内の通路に車椅
子30が放置されないので、この放置された車椅子30
が他の乗客の通路移動の邪魔になったり、バス運転時
に、無人の車椅子30が勝手に車内を移動したりするお
それがない。
【0063】なお、車椅子30の乗客が、バスB′から
降車する場合には、乗車時の作業を反対の順序で行うも
のである。
【0064】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではなく、要旨を
逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本発明に含
まれる。
【0065】例えば、実施例では、ステップ昇降手段と
して油圧シリンダを採用したが、これに限定しなくて
も、例えば電動シリンダ、電動ジャッキ、チェーン式昇
降装置、送りねじ機構なども採用できる。
【0066】また、実施例では、ステップにステップ延
長板を設けたが、必ずしも設ける必要はない。
【0067】さらに、実施例では、このステップ延長板
を手動出し入れするようにしたが、これに限定しなくて
も、例えば送りねじ機構などにより自動出し入れさせて
もよい。
【0068】さらにまた、ステップ延長板の前縁に配設
されたスロープ兼ストッパは、必ずしも必要ではない。
【0069】次いで、ステップは必ずしも水平昇降させ
なくてもよい。例えば傾動させてもよいし、水平昇降と
傾動とを併用してもよい。
【0070】また、車椅子の固定手段や台車固定手段
は、実施例のものに限定されるものではない。例えば車
椅子固定手段は、車椅子用台車に搭載されたクランプ手
段(例えば油圧シリンダや電動シリンダによりクランプ
爪を閉じて、前輪および/または後輪を把持するもの)
や、この台車上に配設された位置決め溝(この溝内に前
輪および/または後輪を格納することで、車椅子を位置
固定するもの)などが挙げられる。また、台車固定手段
も同様なクランプ手段や位置決め溝などが採用できる。
さらに台車固定手段は、台車側に設けてもバスB′側に
設けてもよい。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0072】すなわち、本発明の請求項1のステップ昇
降手段を具備する車両では、このようにステップ昇降手
段によりステップを昇降させるようにしたので、乗客
は、比較的高い段差のあるステップを踏み上がったり踏
み降りたりすることなく、楽に車両を乗り降りできる。
また、車両幅方向の長さが短い小型バスやワゴン車へも
設置が可能である。
【0073】また、請求項2のステップ昇降手段を具備
する車両では、請求項1の効果に加えて、ステップ昇降
手段により昇降されるステップの車両幅方向の長さを、
ステップ延長板により延長可能な構造としたので、通常
幅のステップには搭乗できない例えば車椅子に乗った乗
客でも、楽に車両に乗り降りできる。
【0074】さらに、請求項3のステップ昇降手段を具
備する車両では、請求項1または請求項2の効果に加え
て、車内に配備された車椅子用台車を用いて、車椅子を
車内の所定位置まで移動させるので、車椅子の乗客が、
乗降車の度に車椅子と座席との間でやっていた座り直し
の苦労から開放される。また、車椅子を車椅子固定手段
によって台車に固定されるようにしたので、急ブレーキ
を踏んでも、車椅子が横滑りしたり、転倒したりし難
い。しかも、車内通路に無人となった車椅子が放置され
ることがなくなるので、この放置車椅子により他の乗客
が通行し辛くなったり、車両走行時に、無人の車椅子が
勝手に移動して不都合が生じることがない。
【0075】さらにまた、請求項4のステップ昇降手段
を具備する車両では、請求項3の効果に加えて、車内に
車椅子用台車の固定スペースを確保したので、車椅子の
乗客は安心して車両に搭乗できる。また、車内および/
または車椅子用台車に台車固定手段を設けたので、急ブ
レーキ時に、車椅子用台車がこの固定スペースから勝手
に滑り出てしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステップ昇降手段を具備する小型
バスの部分斜視図。
【図2】ステップ昇降手段の使用状態を示す拡大斜視
図。
【図3】昇降ステップ昇降手段の要部拡大斜視図。
【図4】昇降ステップの通常高さ位置での概略断面図。
【図5】昇降ステップの接地高さ位置での概略断面図。
【図6】ステップの床面高さ位置での概略断面図。
【図7】本発明の別の実施例に係る車椅子用台車の使用
状態の斜視図。
【図8】車椅子用台車の使用状態の側面図。
【図9】車椅子のバス乗車中を示す全体側面図。
【図10】バス内での車椅子用台車の配置状態を示す概
略図。
【符号の説明】
A ステップ昇降手段 B バス(車両) S 固定スペース 1 乗降口部 1a 床面 4 路面 6 昇降ステップ 23 ステップ延長板 30 車椅子 40 車椅子用台車 42 回動ストッパ(車椅子固定手段,台車固定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 希 福岡県福岡市中央区天神1丁目11番17号 西日本鉄道株式会社内 (72)発明者 松尾 宏美 福岡県北九州市小倉北区西港町11番地 西 日本車体工業株式会社内 (72)発明者 水上 命 福岡県北九州市小倉南区横代北町1丁目2 番3号 杉本工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗降口部に乗員の乗降を補助するステッ
    プが設けられた車両において、 前記ステップを、前記乗降口部の床面と地面付近との間
    で昇降させるステップ昇降手段を設けたことを特徴とす
    るステップ昇降手段を具備する車両。
  2. 【請求項2】 前記ステップは、前記ステップ昇降手段
    により水平昇降され、しかも前記ステップには、車両幅
    方向へ出し入れ可能なステップ延長板が設けられた請求
    項1に記載のステップ昇降手段を具備する車両。
  3. 【請求項3】 車内に、車椅子の固定手段を有する車椅
    子用台車を配備したことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のステップ昇降手段を具備する車両。
  4. 【請求項4】 車内に車椅子用台車の固定スペースを確
    保し、また車内および/または前記車椅子用台車に、台
    車固定手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の
    ステップ昇降手段を具備する車両。
JP9346765A 1997-06-02 1997-12-16 ステップ昇降手段を具備する車両 Withdrawn JPH1148867A (ja)

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