JP6098806B2 - 磁化器 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺の磁性体に対して磁化を行うための磁化器に関する。
従来、長尺の磁性体に対して磁化器によって磁化を行い、この長尺の磁性体の応力磁気効果を利用して、当該長尺の磁性体の張力を測定する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−265003号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、例えば、高速道路などの吊り橋に用いられるワイヤのように複数の長尺の磁性体が撚り合わされ、束となった長尺の磁性体群から一つの長尺の磁性体の張力を測定しようとすると、磁化器からの磁界の漏洩が大きいために周囲の磁性体の影響を受けやすく、磁束量が変化し、測定値が安定しないことが分かった。
本発明は、漏洩磁界の影響を抑えることで、長尺の磁性体に印加する磁界強度を一定にすることのできる磁化器を提供することを目的とする。
本発明の磁化器は、
軸心の方向に延伸する筒形状のヨークと、
前記ヨークの内側面上の磁石配置領域に配置された複数の磁石を備えてなり、
前記複数の磁石は、前記軸心に直交する平面上に位置する関係にある磁石同士が前記軸心に対して同一方向の磁極を示すと共に、前記軸心に平行な方向に隣り合う磁石同士が前記軸心に対して反対方向の磁極を示すように配置され、
前記ヨークは、前記軸心に平行な方向に関し、前記磁石配置領域の外側において、前記磁石配置領域よりも前記軸心に向かう方向に厚みを有する構造であることを特徴とする。
本発明の磁化器は、当該磁化器が備えるヨークを、軸心に平行な方向に関し、磁石配置領域の外側において、磁石配置領域よりも軸心に向かう方向に厚みを有する構造としている。これにより、磁石から生じる磁界は、磁石配置領域の外側に形成されたヨークによって当該方向に漏れ出る量が大きく抑制される。よって、隣接する長尺の磁性体によって磁化器の磁界強度の変動が抑えられ、長尺の磁性体に印加する磁界強度を一定にして安定した張力測定が実施できる。
より具体的には、前記軸心に平行な方向に関し、ヨークの前記磁石配置領域の外側における内側面が、前記複数の磁石それぞれの前記軸心に対向する側の面よりも、軸心に近く位置する構成とすることができる。
また、厚みを有する箇所を、ヨークの軸心に平行な方向に係る両端部に配置しても構わない。
なお、前記複数の磁石として、前記軸心に直交する平面上に単極で4個以上の磁石を配置するのが好ましい。
一般的に磁石の大きさを大きくするほど、長尺の磁性体に対して与えられる磁界の強さも大きくできる。しかし、磁化器の外径に制限がある場合、磁石の大きさを大きくすればするほど、ヨークの厚みを薄くすることが余儀なくされる。このとき、ヨークが形成する抵抗(磁気抵抗)が高くなってしまう。この結果、磁石の大きさほどは長尺の磁性体に対して十分な磁界を与えられないということが起こる。
しかし、本発明者の鋭意研究によって、軸心に直交する平面上に単極で4個以上の磁石を配置することで、2個の場合よりも磁石の大きさを小さくして総重量を軽くしながらも、長尺の磁性体に対して与えられる磁界の強さを大幅に上昇できることが分かった。これにより、ヨークの外径に制約がある場合においても、ヨークの厚みを十分に確保できるので、抵抗(磁気抵抗)を小さくしながらも、大きな磁界を発生させることが可能となる。
本発明の磁化器によれば、磁石配置領域の外側に形成されたヨークによって磁化器から漏れ出る磁界の量が大きく抑制されるので、長尺の磁性体に印加する磁界強度を一定にすることができる。
磁化器の模式的な斜視図である。 磁化器の模式的な平面図(XY平面)である。 磁化器の模式的な平面図(YZ平面)である。 磁化器を軸心に直交するYZ平面(平面α)で切断したときの模式的な断面図である。 磁化器を軸心に直交するYZ平面(平面β)で切断したときの模式的な断面図である。 磁化器をY軸と軸心で形成される平面及びZ軸と軸心で形成される平面を組み合わせた折れ平面γで切断したときの模式的な断面図である。 磁化器をZ軸に直交するXY平面(平面ε)で切断したときの模式的な断面図である。 従来の磁化器を軸心に直交するYZ平面(平面α)で切断したときの模式的な断面図である。 従来の磁化器を軸心に直交するYZ平面(平面β)で切断したときの模式的な断面図である。 従来の磁化器をY軸と軸心で形成される平面及びZ軸と軸心で形成される平面を組み合わせた折れ平面γで切断したときの模式的な断面図である。 従来の磁化器をZ軸に直交するXY平面(平面ε)で切断したときの模式的な断面図である。 磁化器内部及び周辺における磁束密度の強度分布を示す図である。 磁化器内部及び周辺における磁束密度の強度分布を示す図である。 長尺の磁性体内の領域での磁界の強さを計算した結果を示す表である。 磁化器の一利用例を模式的に示す図である。 磁化器の別構成を示す模式的な断面図である。
本発明の磁化器につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
[構成]
図1Aは、磁化器の模式的な斜視図である。磁化器1は、軸心3の方向に延伸する筒形状のヨーク2を備える。このヨーク2の中空部4に長尺の磁性体を挿入することで、この長尺の磁性体に対して磁化を行う。ここで、ヨーク2は、磁性材料で構成される。なお、図1Aに示すように、以下では、軸心3の方向をX軸、軸心3に直交する平面上において、直交する2軸をそれぞれY軸とZ軸と規定する。なお、図1Bは磁化器1のXY平面図であり、図1Cは磁化器1のYZ平面図である。
図2Aは、磁化器1を軸心3に直交するYZ平面(平面α)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。また、図2Bは、磁化器1を軸心3に直交するYZ平面(平面β)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。
図3は、磁化器1をY軸と軸心3で形成される平面及びZ軸と軸心3で形成される平面を組み合わせた折れ平面γで切断した断面図を図示したものである。
図4は、磁化器1をZ軸に直交するXY平面(平面ε)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。なお、図4では、磁化器1によって磁化を行う対象となる長尺の磁性体5及び磁性体51も併せて図示している。磁化器1は、長尺の磁性体5をヨーク2の中空部4に挿入することで用いられる。なお、磁性体51については後述される。
また、図3及び図4に示すように、磁化器1が備えるヨーク2は、軸心3に平行な方向(X方向)に関し、磁石配置領域7の外側における軸心3に向かう方向の厚み2aが、磁石配置領域7における軸心3に向かう方向の厚み2bよりも厚みを有する構成となっている。これにより、厚み2aの部分に位置するヨーク2が、各磁石からの磁界が±X方向に漏れ出るのを抑制できる。
このとき、ヨーク2の磁石配置領域7の外側における内側面25が、複数の磁石それぞれの軸心3に対向する側の面26よりも、軸心3に近い位置となるように、ヨーク2の厚み2aを調整するのが好ましい。このような構成とすることで、各磁石は軸心3の方向(X方向)に関してヨーク2の部材で覆われる構成となり、磁石からの磁界が±X方向に漏れ出るのを抑制する効果を更に高められる。
なお、図4の構成では、軸心3に平行な方向(X方向)に係る両端部において、ヨーク2が、磁石配置領域7の箇所よりも厚みを有する構成としている。しかし、少なくとも、ヨーク2は、磁石配置領域7の外側において、磁石配置領域7の部分よりも厚みを有する構成であればよい。
ヨーク2の内側面の所定の箇所には、複数の磁石が配置される。本実施形態の構成では、8個の磁石(11〜18)が配置される構成を例示している。なお、これらの磁石は、ヨーク2の内側面上において、接着剤によって固着されているが、それ以外の手段によって固着されていてもよい。例えば、磁石の磁力によって固着されていてもよいし、非磁性材のネジ等の固定治具によって磁石を固定しても構わない。各磁石11〜18が配置されているヨーク2の内側面上の領域7が「磁石配置領域」に対応する。
磁化器1は、軸心3に平行なX軸方向中心に関し、左側に磁石11〜14を有し、右側に磁石15〜18を有する。
図2Aに示すように、磁石11〜14は、軸心3に直交する平面α上に位置する関係にあり、本実施形態では、全ての磁石のS極が軸心3に向かい、N極がヨーク2に向かうように配置されている。一方、図2Bに示すように、磁石15〜18は、軸心3に直交する平面β上に位置する関係にあり、本実施形態では、全ての磁石のN極が軸心3に向かい、S極がヨーク2に向かうように配置されている。
そして、軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある磁石同士は、軸心3に対して反対方向の磁極を示すように配置されている。例えば、磁石11と磁石15は、軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある。そして、磁石11はS極が軸心3に向かい、N極がヨーク2に向かうように配置されている一方、磁石15はN極が軸心3に向かい、S極がヨーク2に向かうように配置されている。
同様に、軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある、磁石12と磁石16同士、磁石13と磁石17同士、磁石14と磁石18同士も、それぞれ軸心3に対して反対方向の磁極を示すように配置されている。
このように各磁石11〜18を配置することで、各磁石からの磁束がほとんど全て長尺の磁性体5に対して同方向に与えられる。例えば、磁石15、長尺の磁性体5、磁石11及びヨーク2にて一つの閉回路21が形成され、長尺の磁性体5上において−X方向に磁束が流れる(図4参照)。また、磁石17、長尺の磁性体5、磁石13及びヨーク2にて一つの閉回路22が形成され、長尺の磁性体5上において−X方向に磁束が流れる。磁石16、長尺の磁性体5、磁石12及びヨーク2にて形成される閉回路、磁石18、長尺の磁性体5、磁石14及びヨーク2にて形成される閉回路についても、同様である。
単極4個の磁石が配置されることにより、各磁石から長尺の磁性体5に対して同方向に磁束が流れる。よって、従来よりも多くの磁束が流れるため、長尺の磁性体5に対して高い磁界を与えることができる。
[効果検証]
図1A〜図4を参照して上述した磁化器1の効果につき、従来構成の磁化器と対比して説明する。
図5A、図5B、図6及び図7は、比較例としての従来の磁化器90の構成を模式的に示す断面図である。なお、従来の磁化器90の模式的な斜視図は、図1Aとほぼ同等であるので、斜視図を参照する場合は図1Aを代用して説明する。
図5Aは、磁化器90を軸心3に直交するYZ平面(平面α)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。また、図5Bは、磁化器90を軸心3に直交するYZ平面(平面β)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。
図6は、磁化器90をY軸と軸心3で形成される平面及びZ軸と軸心3で形成される平面を組み合わせた折れ平面γで切断した断面図を図示したものである。
図7は、磁化器90をZ軸に直交するXY平面(平面ε)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。図4と同様に、磁化を行う対象となる長尺の磁性体5及び磁性体51も併せて図示している。
磁化器90は、ヨーク92の内側面の所定の箇所に、4個の磁石を配置している。より具体的には、磁化器90は、軸心3に平行なX軸方向中心に関し、左側に磁石41及び42を有し、右側に磁石43及び44を有する。磁石41及び42は、軸心3に直交する平面α上に位置する関係にあり(図5A参照)、全ての磁石のS極が軸心3に向かい、N極がヨーク92に向かうように配置されている。磁石43及び44は、軸心3に直交する平面β上に位置する関係にあり(図5B参照)、全ての磁石のN極が軸心3に向かい、S極がヨーク92に向かうように配置されている。
そして、軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある磁石同士は、軸心3に対して反対方向の磁極を示すように配置されている。すなわち、軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある磁石41と磁石43において、磁石41はS極が軸心3に向かい、N極がヨーク92に向かうように配置されている一方、磁石43はN極が軸心3に向かい、S極がヨーク92に向かうように配置されている。軸心3に平行な方向に隣り合う位置関係にある、磁石42と磁石44同士も同様に、軸心3に対して反対方向の磁極を示すように配置されている。
なお、図5A及び図5Bに示すように、磁化器90は単極2個の磁石が配置される構成であるため、図3とは異なり、図6のZ軸と軸心3で形成される平面で切断した断面図上には磁石が現れていない。
また、図6及び図7に示すように、磁石41〜44は、軸心3に平行な方向に関して、ヨーク92のほぼ両端部の内側面上の磁石配置領域48に配置されている。つまり、各磁石41〜44は、その両端面が軸心3の方向(X方向)に関してヨーク92で覆われていない構成である。
このような構成においても、各磁石41〜44からの磁束はほとんど全て長尺の磁性体5に対して同方向に与えられる。すなわち、磁石43、長尺の磁性体5、磁石41及びヨーク92にて一つの閉回路45が形成され、長尺の磁性体5上において−X方向に磁束が流れる。また、磁石44、長尺の磁性体5、磁石42及びヨーク92にて一つの閉回路46が形成され、長尺の磁性体5上において−X方向に磁束が流れる。
図8A及び図8Bは、磁化器1及び従来の磁化器90における、磁束密度の強さの分布を示す図である。磁束密度は、磁界の強さに媒体の透磁率を乗じた値であるため、同一媒体内であれば、磁束密度と磁界は比例関係にある。よって、磁束密度の強さ分布により磁界の強さ分布を表現することが可能である。
図8A及び図8Bの両図において、(a)が磁化器1における磁束密度の強さ分布を示し、(b)が磁化器90における磁束密度の強さ分布を示しており、磁界が等しい箇所を等高線で表記したものである。また、図8Aは磁化器(1,90)の近傍に長尺の磁性体5とは別の磁性体51が存在しない場合に対応し、図8Bは磁化器(1,90)の近傍に長尺の磁性体5とは別の磁性体51が存在する場合に対応する。
図8Aによれば、(a)に比べて(b)の方が、磁化器外に漏れ出る磁界が広がっていることが分かる。また、図8B(b)と図8A(b)を比較すると、磁化器90の近傍に磁性体51が存在している場合、磁性体51側に漏れ出る磁界の量が増加していることが分かる。一方、図8B(a)と図8A(a)を比較すると、本実施形態の磁化器1によれば、近傍に磁性体51が存在していても、磁性体51に向かう漏れ磁界はほとんど確認されない。このデータによっても、磁化器1のヨーク2に関し、磁石配置領域7の外側の厚み2aが、磁石配置領域7における厚み2bよりも厚みを有する構成としたことで、各磁石からの磁界が軸心3に平行な方向(X方向)に漏れ出るのを抑制できていることが分かる。
図9は、図4及び図7の状態において、平面αと平面βの中間位置における長尺の磁性体5の領域71での磁界の強さを計算した結果を示す表である。なお、長尺の磁性体5の厚み、各磁石の軸心3に対向する面と長尺の磁性体5との距離は同じとして計算している。
従来の磁化器90は、配置された4個の磁石41〜44の総重量が165gであり、このときの領域71での磁界強さが34.40kA/mであった。なお、近傍に磁性体51が配置されている場合には、磁界強さが33.90kA/mであった。
これに対し、本実施形態の磁化器1は、配置された8個の磁石11〜18の総重量が120gであり、このときの領域71の磁界強さが58.22kA/mであった。なお、近傍に磁性体51が配置されている場合には、磁界強さが58.16kA/mであった。
図9によれば、磁化器1では、従来の磁化器90と比較して、磁石の総重量を約3割減少させながらも、磁界の強さを約7割も上昇できていることが分かる。これは、磁石の数を増加させて磁束を集中させることで、磁石そのものを大きくした場合よりも対象物に対して強い磁界を与える効果が得られていることを示すものである。
そして、磁石配置領域7の外側に形成されたヨーク2によって、当該方向に漏れ出る磁界の量が大きく抑制されるので、例えば、束となっている長尺の磁性体から一つの長尺の磁性体を選び、その長尺の磁性体に安定して強い磁界を与えることを示すものである。なお、図9によれば、従来の磁化器90は、本実施形態の磁化器1と同じ磁界強さを得ようとする場合に比べて、かなり大型の磁石を配置する必要があるが、各磁石と長尺の磁性体5の間には所定の距離を空ける必要があるので、ヨーク92の厚みを一定値以上確保した場合、外径が大型化してしまう。
この結果に鑑みれば、本実施形態の磁化器1によれば、従来の磁化器90よりも小型化を実現しながらも、高い磁界を長尺の磁性体5に与えることが可能となっていることが分かる。また、磁化器1が備える各磁石の大きさを小型化できるので、ヨーク2の外径に制約がある場合においても、長尺の磁性体5と磁石の間に空間を確保しながらもヨーク2の厚みを十分確保することが可能である。
また、従来の磁化器90の場合、近傍に磁性体51が配置されていれば、領域71の磁界強さが1.5%程度減少しているのに対し、本実施形態の磁化器1によれば、近傍に磁性体51が配置されていても、減少幅を0.1%程度に抑制できている。これにより、近傍に磁性体51が配置されているような環境下においても、長尺の磁性体5に対して必要量の磁界を与えることができる。
なお、本実施形態の磁化器1は、平面α上及び平面β上にそれぞれ4個の磁石が位置する構成とした。しかし、少なくとも4個以上の磁石を備えた構成であれば、長尺の磁性体5に対して磁束を高める効果が得られる。なお、磁石の配置のしやすさの観点からは、偶数個の磁石を備えるのが好ましい。
[利用例]
図10は、磁化器1の一利用例を模式的に示す図である。高速道路などの吊り橋に設けられたワイヤの張力を測定する際に、磁化器1を用いることができる。このようなワイヤは、強度を確保する等の目的で複数のワイヤが撚り合わされて利用されるのが一般的である。このような撚り合わされたワイヤ(61〜65)の束から1本のワイヤ61を引き出し、図10に示すように磁化器1の中空部4に挿入する。このとき、ワイヤ61は、長尺の磁性体5に対応し、他のワイヤ62〜65は、磁化器1の近傍に存在する磁性体51に対応する。
上述したように、本発明の磁化器1によれば、近傍に長尺の磁性体5とは別の磁性体51が存在するような場合であっても、当該磁性体51に対して磁化器1から磁界が漏れ出る量を従来よりも大きく抑制できているので、長尺の磁性体5に対して所望量の磁界を与えることができる。これにより、応力磁気効果を利用した長尺の磁性体5の張力測定に利用できる。
なお、図10に示すように、撚り線のワイヤ(61〜65)から1本のワイヤ61を引き出し、当該ワイヤを長尺の磁性体5として磁界を与える場合、このワイヤ61と他のワイヤ62〜65は、磁化器1が設置された箇所とは反対側(例えば図10の領域80側)においては、撚り合わされた状態が維持されているため、相互に磁束が流れやすい環境下にある。このため、従来の磁化器90を用いた場合、漏れ磁界の影響が大きくなりやすく、その分だけ長尺の磁性体5に対して与えられる磁界の強さが低下しやすくなる。
これに対し、本実施形態の磁化器1によれば、軸心方向に磁化器1の外側に磁界が漏れ出ることが抑制できているので、このように漏れ磁界の影響を受けやすい環境下で使用される場合においても、長尺の磁性体に対して所望量の磁界を与えることができる。
[別構成]
上記実施形態で説明した磁化器1は、平面α上及び平面β上にそれぞれ4個の磁石が位置する構成とすると共に、ヨーク2の厚みに関し、軸心3に平行な方向(X方向)について磁石配置領域7の外側の厚み2aが、磁石配置領域7における厚み2bよりも厚みを有する構成とした。しかし、特に軸心3の方向(X方向)への磁界の漏れを抑制する観点からは、図5A〜図7を参照して説明した磁化器90に対して、ヨーク92に代えて磁化器1のヨーク2を用いた構成(磁化器1a)としてもよい。
図11は、図3及び図6にならって、磁化器1aを、Y軸と軸心3で形成される平面及びZ軸と軸心3で形成される平面を組み合わせた折れ平面γで切断した断面図を模式的に示したものである。図3に示す磁化器1と同様、軸心3に平行な方向(X方向)について磁石配置領域7の外側の厚み2aが、磁石配置領域7における厚み2bよりも厚みを有する構成となっている。他方、磁化器90と同様に磁石はそれぞれ2個の構成であるので、磁石の配置方法は、図5A及び図5Bに示す磁化器90と同様である。
1 : 磁化器
2 : ヨーク
2a : 磁石配置領域の外側のヨークの厚み
2b : 磁石配置領域におけるヨークの厚み
3 : 軸心
4 : 中空部
5 : 長尺の磁性体
7 : 磁石配置領域
11,12,13,14,15,16,17,18: 磁石
21,22 : 閉回路
25 : 軸心に対向するヨークの内側面
26 : 軸心に対向する磁石面
41,42,43,44 : 磁石
45,46 : 閉回路
48 : 磁石配置領域
51 : 磁性体
61,62,63,64,65 : ワイヤ
71 : 領域
80 : 磁化器設置箇所と反対側の箇所
90 : 磁化器
92 : ヨーク
α,β : 軸心(X軸)に直交するYZ平面
γ : Y軸と軸心で形成される平面及びZ軸と軸心で形成される平面を組み合わせた折れ平面
ε : Z軸に直交するXY平面

Claims (4)

  1. 対象物たる磁性体の張力を測定するための磁化器であって、
    前記磁性体を中空部に挿通可能に構成された、軸心の方向に延伸する筒形状のヨークと、
    前記ヨークの内側面上の磁石配置領域に配置された複数の磁石を備えてなり、
    前記複数の磁石は、前記軸心に直交する平面上に位置する関係にある磁石同士が前記軸心に対して同一方向の磁極を示すと共に、前記軸心に平行な方向に隣り合う磁石同士が前記軸心に対して反対方向の磁極を示すように配置され、
    前記中空部に挿通された前記磁性体、前記ヨーク、及び前記複数の磁石により閉回路が形成され、
    前記ヨークは、前記軸心に平行な方向に関し、前記磁石配置領域の外側において、前記磁石配置領域よりも前記軸心に向かう方向に厚みを有する構造であることを特徴とする磁化器。
  2. 前記複数の磁石は、前記軸心に直交する平面上に単極で4個以上が配置される構成であることを特徴とする請求項1に記載の磁化器。
  3. 前記ヨークは、前記軸心に平行な方向に関し、前記磁石配置領域の外側における内側面が、前記複数の磁石それぞれの前記軸心に対向する側の面よりも、前記軸心に近く位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁化器。
  4. 前記ヨークは、前記軸心に平行な方向に係る両端部において、前記磁石配置領域よりも厚みを有する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁化器。
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