以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品払出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である商品払出装置が適用された自動販売機の内部構造を右側から見た場合を示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、商品を冷却若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1、外扉2及び内扉3を備えて構成されている。
本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面が開口した直方状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫4を有している。外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を覆うためのもので、本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この外扉2の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口2a等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。内扉3は、商品収容庫4の前面開口を覆うための上下二分割された断熱扉であり、外扉2よりも内方となる位置において上部断熱扉は外扉2の一側縁部に開閉可能に配設され、下部断熱扉は本体キャビネット1の一側縁部に開閉可能に配設されている。この内扉3における下部断熱扉の下方部には、商品を商品収容庫4の外部に搬出するための商品搬出口3aが設けられている。
また、上記自動販売機には、商品収容庫4の内部に商品シュータ5が設けられており、この商品シュータ5よりも下方となる領域(以下、「熱交換領域」ともいう)に温度調節ユニット6が配設されている一方、商品シュータ5よりも上方となる領域(以下、「商品収納領域」ともいう)に商品収納ラック10が配設されている。
商品シュータ5は、商品収納ラック10から搬出された商品を内扉3の商品搬出口3aに案内するためのプレート状部材であり、前方側に向けて漸次下方に傾斜する態様で配設されている。図には明示していないが、この商品シュータ5には、熱交換領域と商品収納領域との間を連通させる通気孔(図示せず)が多数穿設されている。
温度調節ユニット6は、商品収容庫4の内部雰囲気を所望の温度状態に維持するためのもので、冷凍サイクルの蒸発器6a、電熱ヒータ6b及び送風ファン6cを備えて構成されている。この温度調節ユニット6においては、例えば冷凍サイクルを運転した状態で送風ファン6cを駆動すると、蒸発器6aにおいて冷却された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を低温状態に維持することができる。一方、電熱ヒータ6bに通電した状態で送風ファン6cを駆動すると、電熱ヒータ6bによって加熱された空気が商品シュータ5の通気孔を通じて上方に送給されるため、商品収納領域を高温状態に維持することができる。尚、冷凍サイクルの圧縮機、凝縮器及び膨張弁は、図には明示しないがいずれも商品収容庫4の外部となる機械室7に配設されている。
上記商品収納ラック10は、前後3列に並ぶように配設されており、一対のベース側板11の間に通路構成要素12が配設されることによって上下方向に沿って蛇行状に構成された複数(図示の例では2つ)の商品収納通路13を備え、これら商品収納通路13の内部に上下方向に沿って複数の商品を横倒し姿勢で収納するものである。より詳細に説明すると、通路構成要素12は、商品収納通路13の前方側と、後方側とに互いに対向するよう適宜配設されたものであって、ベース側板11に固定されている。これにより各商品収納ラック10においては、2つの商品収納通路13が互いに前後に隣接する態様で設けられている。以下においては、一つの商品収納ラック10において、前方側の商品収納通路13を第1商品収納通路13aとも称し、後方側の商品収納通路13を第2商品収納通路13bとも称することとする。
また、通路構成要素12には、図には明示しないフラッパが設けられている。フラッパは、商品収納通路13に対して進退移動する態様で通路構成要素12に揺動可能に配設されている。このフラッパは、コイルバネ(図示せず)に付勢されて常態においては商品収納通路13に進出移動した姿勢となる。そして、商品収納通路13を通過する商品に当接することにより自身はコイルバネの付勢力に抗して蛇行状の商品収納通路13に沿うように退行移動して該商品の姿勢を修正するものである。
上記商品収納ラック10においては、商品収納通路13の上部にトップトレイ14が設けられている一方、商品収納通路13の下部に商品払出装置20が設けられている。
トップトレイ14は、平板状の板金を屈曲して構成されるもので、前方から後方に向けて漸次下方に傾斜する態様でベース側板11間に配設されている。このようなトップトレイ14の上面は、投入口を通じて投入された商品を商品収納通路13まで案内する商品案内通路15を構成している。
図2〜図4は、それぞれ図1に示した商品払出装置20を示すもので、図2は左側から見た場合を示す側面図、図3は左側後方から見た場合を示す斜視図、図4は商品払出装置20の構成要素を分離させた説明図である。
これら図2〜図4に示すように、商品払出装置20は、一方の商品搬出装置(以下、第1搬出機構とも称する)20aと、他方の商品搬出装置(以下、第2搬出機構とも称する)20bとを備えており、これら第1搬出機構20aと第2搬出機構20bとが互いに背中合わせに抱き合わされて構成されている。
図5〜図7は、それぞれ図2〜図4に示した第1搬出機構20aの要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。以下の説明においては、これら図5〜図7も適宜利用しつつ第1搬出機構20aの構造について説明する。
第1搬出機構20aは、第1商品収納通路13aに適用されるもので、この第1商品収納通路13aの下部に配設されている。この第1搬出機構20aは、対向する通路幅規定板16との間において商品の挙動を制御することにより、待機状態においては第1商品収納通路13aに商品を収納する一方、駆動する場合には対応する商品を1つずつ商品シュータ5に搬出するように機能するもので、ベース部材21を備えている。
ベース部材21は、鋼板に切削加工及び屈曲加工を施して構成されたものであり、自身の表面を通路幅規定板16に対向させる態様で配設されており、その中間部に挿通孔22が形成されている。この挿通孔22は、矩形状の貫通開口である。また、このベース部材21の両側部には、屈曲されることで側壁21aが形成されている。
このベース部材21の挿通孔22の両側部に設けられた左右一対の軸受片23には、第1揺動支持軸24a及び第2揺動支持軸25aが架設されている。
第1揺動支持軸24aは、略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に下ペダル部材24を支承している。第2揺動支持軸25aは、第1揺動支持軸24aよりも上方となる個所に略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に上ペダル部材25を支承している。
下ペダル部材24は、プレート状部材であり、基端部に第1揺動支持軸24aを挿通させることによりこの第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動可能となる態様で配設されている。
下ペダル部材24の先端部は、第1揺動支持軸24aの径外方向に向けて延在しており、第1揺動支持軸24aの軸心回りに揺動した場合に挿通孔22を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。つまり、下ペダル部材24は、第1商品収納通路13aに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
下ペダル部材24とベース部材21との間には、下ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。下ペダル部材バネは、第1商品収納通路13aに対して下ペダル部材24を進出移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記下ペダル部材24は、板状のペダル本体部241と、一対の案内部242とを備えている。一対の案内部242は、上記ペダル本体部241の背面側に設けられている。各案内部242は、上下方向に沿って延在する板状部材であり、互いに対向するよう形成されている。各案内部242の互いに対向する対向面には案内溝243が形成されている。
案内溝243は、下ペダル部材24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた進出位置に配置した状態(図5に示す状態)において、最も下方に位置し、かつ後述する回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが嵌入される嵌入部243aと、下ペダル部材24を第1商品収納通路13aに対して最も退行移動させた退行位置に配置した状態(図7に示す状態)において、最も上方に位置し、かつ回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが当接する当接部243dと、これら嵌入部243a及び当接部243dとが連続するよう接続する第1案内部243b及び第2案内部243cとを備えている。
第1案内部243bは、下ペダル部材24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、嵌入部243aからベース部材21に対して離隔するよう斜め上方に傾斜した後、ベース部材21に対して近接するよう斜め上方に傾斜して当接部243dに至る態様で案内部242に形成されている。
第2案内部243cは、下ペダル部材24を第1商品収納通路13aに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、当接部243dからベース部材21に対して離隔するよう斜め下方に傾斜して嵌入部243aに至る態様で案内部242に形成されている。
このような下ペダル部材24の第1揺動支持軸24aからの径外方向の長さは、第1商品収納通路13aに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する場合に、図5にも示すように通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
上ペダル部材25は、プレート状部材であり、基端部に第2揺動支持軸25aを挿通させることによりこの第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動可能となる態様でベース部材21に配設されている。
上ペダル部材25の先端部は、第2揺動支持軸25aの径外方向に向けて延在しており、第2揺動支持軸25aの軸心回りに揺動した場合には、挿通孔22を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。つまり、上ペダル部材25は、第1商品収納通路13aに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
上ペダル部材25とベース部材21との間には、上ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。上ペダル部材バネは、第1商品収納通路13aに対して上ペダル部材25が退行移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記上ペダル部材25には、押圧傾斜面251、凹部252、ストッパ当接部253及び突起部254が設けられている。押圧傾斜面251は、上ペダル部材25の先端部分に設けられており、上ペダル部材25を第1商品収納通路13aに対して退行移動させた場合には、第1商品収納通路13aに向けて漸次低くなる態様で形成された湾曲状の傾斜面である。凹部252は、上ペダル部材25の背面側に設けられており、上ペダル部材25の両側面に開口する態様で形成した略水平方向に沿って延在する一条の凹所である。ストッパ当接部253は、後述するストッパピン28aが当接する部位であり、上ペダル部材25の背面において凹部252の上方に傾斜する態様で設けられている。
突起部254は、上ペダル部材25の基端部において第1商品収納通路13aに向けて突出した態様で設けられている。
この上ペダル部材25は、上記上ペダル部材バネの付勢力によって第1商品収納通路13aに退行移動するよう付勢されているが、上記凹部252にストッパピン28aが当接することにより第1商品収納通路13aに対して退行移動した状態に初期位置が設定されている。
このような上ペダル部材25は、第1商品収納通路13aに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する状態(図7に示す状態)において、第2揺動支持軸25aを通過する鉛直面に対して前傾した状態にある。そして上ペダル部材25の第2揺動支持軸25aからの径外方向の長さは、上述した前傾した状態において、通路幅規定板16との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
また、このベース部材21には、軸受部26が設けられている。軸受部26は、ペダルリンク部材27の上下方向に沿った移動を案内するものであり、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、一方の端部が挿通孔22の上端縁に取り付けられており、他方の端部が挿通孔22の下端縁に取り付けられており、挿通孔22を縦断するよう設けられている。
軸受部26は、樹脂材から構成されるもので、第2揺動支持軸挿通孔261と、第1揺動支持軸挿通孔262と、ストッパピン挿通孔263と、ペダルストッパピン支持溝264と、ストッパ支持孔265とを備えている。
第2揺動支持軸挿通孔261は、第2揺動支持軸25aを挿通し、かつ第2揺動支持軸25aを軸支するための孔である。第1揺動支持軸挿通孔262は、第1揺動支持軸24aを挿通し、かつ第1揺動支持軸24aを軸支するための孔である。この第1揺動支持軸挿通孔262は、第2揺動支持軸挿通孔261よりも下方に形成されている。
ストッパピン挿通孔263は、後述するストッパピン28aを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したストッパピン28aの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このストッパピン挿通孔263は、ストッパピン28aの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、上端部と、第2揺動支持軸挿通孔261を形成した部位との略中間となる部位に設けられている。
ペダルストッパピン支持溝264は、後述するペダルストッパピン28bを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したペダルストッパピン28bの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このペダルストッパピン支持溝264は、ペダルストッパピン28bの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部26において、第1揺動支持軸挿通孔262を形成した部位と、下端部との略中間となる部位に設けられている。
ストッパ支持孔265は、後述するストッパ軸28cを軸支するための孔であり、軸受部26においてその下端部に形成されている。
また、一方の軸受片23と軸受部26との間には、ストッパピン28a、ペダルストッパピン28b及びストッパ軸28cが架設されている。
ストッパピン28aは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片23のストッパピン挿通孔(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のストッパピン挿通孔263に挿通されている。このストッパピン28aは、ペダルリンク部材27に結合されており、当該ペダルリンク部材27の上下方向への移動に伴ってストッパピン挿通孔263の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。また、ストッパピン28aは、初期位置にある上ペダル部材25の凹部252に当接している。
ペダルストッパピン28bは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片23のペダルストッパピン支持溝(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部26のペダルストッパピン支持溝264に挿通されている。このペダルストッパピン28bは、ペダルリンク部材27に結合されており、当該ペダルリンク部材27の上下方向への移動に伴ってペダルストッパピン支持溝264の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。このペダルストッパピン28bの周面は、ペダルリンク部材27を上下方向に移動させた場合には、ペダルストッパピン支持溝264の内周面に当接することとなる。
ストッパ軸28cは、一方の軸受片23と軸受部26との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その中間部に回動ストッパ部材29を支承している。
回動ストッパ部材29は、基端部にストッパ軸28cを挿通させ、かつこのストッパ軸28cの軸心回りに揺動可能となる態様で一方の軸受片23と軸受部26との間に配設されている。
回動ストッパ部材29の先端部は、ストッパ軸28cの径外方向に向けて延在しており、ストッパ軸28cの軸心回りに揺動した場合に挿通孔22を通じて第1商品収納通路13aに進退移動することが可能である。
この回動ストッパ部材29は、先端部にペダル操作軸29aを有している。ペダル操作軸29aは、略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その両端部を上記下ペダル部材24の案内溝243に嵌入されている。
上記回動ストッパ部材29とベース部材21との間には、ペダル操作部材バネ(図示せず)が介装されている。ペダル操作部材バネは、第1商品収納通路13aに対して回動ストッパ部材29を進出移動させる方向に向けて常時付勢するものである。
このような回動ストッパ部材29は、ペダル操作部材バネによって第1商品収納通路13aに対して進出移動する方向に向けて付勢され、該回動ストッパ部材29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接することにより退行移動する方向への移動が規制されており、第1商品収納通路13aに対して進出移動した状態での初期位置が設定されている。また、下ペダル部材24が下ペダル部材バネに付勢されているため、回動ストッパ部材29は、ペダル操作軸29aの両端が案内溝243の嵌入部243aに位置しており、下ペダル部材24が第1商品収納通路13aに対して進出移動した位置に初期位置が設定されている。
上記ペダルリンク部材27は、上下方向に沿って延在する長尺板状部材であり、上部の一部が前方に向けて屈曲されることにより形成された爪部27aを有している。詳細は後述するが、このペダルリンク部材27は、上下方向に沿って移動可能なものである。
このようなペダルリンク部材27とベース部材21との間には、リンクバネ27bが介装されている。リンクバネ27bは、ペダルリンク部材27を下方に向けて常時付勢するものである。また、ペダルリンク部材27とベース部材21との間には、図には明示していないが、第2リンクバネが介装されている。この第2リンクバネは、一端部をペダルリンク部材27の下端に形成した係合孔に係止してあり、他端部をストッパ軸28cに係止されている。この第2リンクバネは、自身の弾性力により、通常ペダルリンク部材27とペダルストッパピン28bとの係合が解除されることを防止するものである。
ペダルリンク部材27がリンクバネ27bによって付勢されて下方に配置された状態では、ストッパピン挿通孔263の下端部にストッパピン28aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝264の下端部にペダルストッパピン28bが配置されることになる。この状態では、ストッパピン28aに、退行位置に配置された上ペダル部材25の凹部252が当接している。しかもペダルストッパピン28bに進出位置に配置された回動ストッパ部材29が当接しており、回動ストッパ部材29の退行移動が規制されている。また、進出位置に配置された回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aは上記下ペダル部材24の嵌入部243aに嵌入してあり、これにより進出位置に配置された下ペダル部材24の退行移動が規制されている。
これに対してリンクバネ27bの付勢力に抗してペダルリンク部材27が上方に配置された状態では、図7に示すように、ストッパピン挿通孔263の上端部にストッパピン28aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝264の上端部にペダルストッパピン28bが配置されることになる。この状態では、上記ストッパピン28aに上ペダル部材25のストッパ当接部253が当接することにより、上ペダル部材25の退行移動が規制され、上ペダル部材バネの付勢力に抗して上ペダル部材25が進出移動して進出位置に配置される。
一方、回動ストッパ部材29は、ペダルストッパピン28bによる退行移動の規制が解除されるので、ストッパ軸28cを中心として退行移動の規制が解除される。ここで、回動ストッパ部材29には当該回動ストッパ部材29によって進出位置に維持されている下ペダル部材24に当接した商品の荷重がかかっており、回動ストッパ部材29が退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材29は退行移動を開始する。回動ストッパ部材29の退行移動が開始されるとペダル操作軸29aが下ペダル部材24の嵌入部243aから外れるため、下ペダル部材24は第1揺動支持軸24aを中心として退行移動を許容されて商品の荷重によって下ペダル部材バネの弾性付勢力に抗して退行移動することとなる。
以上のような構成を有する第1搬出機構20aは、上記構成の他に駆動ユニット40を備えている。図8及び図9は、それぞれ第1搬出機構20aにおける駆動ユニット40の要部を示すもので、図8は左側後方より見た場合を示す斜視図であり、図9は分解斜視図である。また、図10は、第1搬出機構20aを背面側から見た場合を示す背面図であり、説明の便宜上、一部の構成要素を取り外している。更に、図11は、駆動ユニット40の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
駆動ユニット40は、ベース部材21の背面側において、第2揺動支持軸25aの上方側であってかつ軸受部26の直上域に配設されている。この駆動ユニット40は、ベース部材21の背面に取り付けられるユニットベース41を備えている。
ユニットベース41は、例えば樹脂材等により形成されるもので、後面が開口した箱状に形成されたものである。このユニットベース41の前面にはベース部材21に設けられた上部開口21b(図4参照)に対応する部位に矩形状のベース開口41aが形成されている。かかるユニットベース41は、樹脂製のユニットカバー42が取り付けられることで後面の開口が閉塞されて、ユニットカバー42との間に収容空間を形成している。このようにしてユニットベース41とユニットカバー42とにより形成される収容空間には、モータ43、ギア部材44、スイッチ部材45、リンクレバー部材46、アーム部材47及び売切リンクレバー部材48が収納されている。
モータ43は、駆動源となるものであり、制御手段である搬出制御部50から与えられる指令に応じて駆動する正逆回転可能な直流モータである。このモータ43は、ユニットベース41のモータ保持部41bに保持された状態で配設されている。
ここで、搬出制御部50は、メモリ51に記憶されたプログラムやデータに従って駆動ユニット40の動作を統括的に制御するものであり、自動販売機の販売動作を統括する自販機制御部100と通信可能なものである。
ギア部材44は、ヘリカルギア441、中間ギア442及び出力ギア443を備えて構成されている。ヘリカルギア441は、円板状を成しており、中央部分に孔部(図示せず)が形成されるとともに周面に複数の歯から成るギア部441aが形成されている。このヘリカルギア441は、ギア部441aがモータ43の出力軸43aに噛合した状態で孔部にユニットベース41の第1ギア軸41cが挿通することで、該第1ギア軸41cの軸心回りに回転可能に配設されている。
中間ギア442は、円板状の第1中間ギア442aと、第1中間ギア442aよりも縮径な円板状の第2中間ギア442bとを有している。第1中間ギア442aは中央部分に孔部(図示せず)が形成されるとともに周面に複数の歯から成るギア部442a1が形成されている。
第2中間ギア442bは、第1中間ギア442aの後面側に位置しており、自身の中心が第1中間ギア442aの中心に一致するように設けられている。この第2中間ギア442bの周面にも複数の歯から成るギア部442b1が形成されている。このような中間ギア442は、第1中間ギア442aのギア部442b1がヘリカルギア441のギア部441aに噛合した状態で孔部にユニットベース41の第2ギア軸41dが挿通することで、該第2ギア軸41dの軸心回りに回転可能に配設されている。
出力ギア443は、ヘリカルギア441や中間ギア442に比して拡径となる円板状を成している。この出力ギア443の周面にも複数の歯から成るギア部443aが形成されている。また、図には明示していないが、出力ギア443の中心には前方に向けて突出する軸状部が形成されている。また、出力ギア443の前面には、作用片443bと押圧片443cとが形成されている(ともに図10参照)。
作用片443bは、円弧状の形態を成し、前方に向けて突出する態様で形成されている。この作用片443bは、その円弧状の長さがペダルリンク部材27(37)を上方に向けて移動させた後にその状態を保持するのに十分な大きさとなるように形成されている。また、作用片443bは、詳細は後述するが、出力ギア443の回転により移動する際に、上記スイッチ部材45を構成するキャリアスイッチ451の接触子451aと接触しない領域に配設されている。
押圧片443cは、後方から見た場合に略V字状を成しており、作用片443bと反対側の領域において前方に向けて突出する態様で形成されている。この押圧片443cは、前方への突出する大きさが作用片443bよりも小さくなるように形成されている。
このような出力ギア443は、ギア部443aが第2中間ギア442bのギア部442b1に噛合した状態でユニットベース41に形成された軸孔41eに軸状部が挿通することで、該軸状部の軸心回りに回転可能に配設されている。
スイッチ部材45は、キャリアスイッチ451、第1搬出機構20aに対応する一方の売切検知スイッチ(以下、第1売切検知スイッチとも称する)452及び第2搬出機構20bに対応する他方の売切検知スイッチ(以下、第2売切検知スイッチともいう)453を備えて構成されている。
キャリアスイッチ451は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、接触子451aを備えている。このキャリアスイッチ451は、出力ギア443が配設される領域よりも僅かに下方におけるキャリアスイッチ保持部41fに保持された状態でユニットベース41に配設されている。このキャリアスイッチ451は、接触子451aが押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として搬出制御部50に与えるものである一方、接触子451aが押圧されない状態では、オフ状態となっている。
第1売切検知スイッチ452は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、接触子452aを備えている。この第1売切検知スイッチ452は、第1売切検知スイッチ保持部41gに保持された状態でユニットベース41に配設されている。この第1売切検知スイッチ452は、接触子452aが押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として搬出制御部50に与えるものである一方、接触子452aが押圧されない状態では、オフ状態となっている。
第2売切検知スイッチ453は、いわゆるプッシュ型スイッチであり、接触子453aを備えている。この第2売切検知スイッチ453は、第1売切検知スイッチ保持部41gの右側に隣接する第2売切検知スイッチ保持部41hに保持された状態でユニットベース41に配設されている。この第2売切検知スイッチ453は、接触子453aが押圧されるとオン状態となって、その旨をオン信号として搬出制御部50に与えるものである一方、接触子453aが押圧されない状態では、オフ状態となっている。
リンクレバー部材46は、第1リンクレバー461及び第2リンクレバー462を備えて構成されている。第1リンクレバー461は、例えば樹脂材から形成されるもので、基端部461aに貫通孔461a1が形成されている。この第1リンクレバー461は、先端部461bが基端部461aから右斜め下方に延在した後に右斜め上方に湾曲したフック状を成している。また、この第1リンクレバー461の先端部461bには、後方に向けて突出する突片461b1が形成されている。
第2リンクレバー462は、例えば樹脂材から形成されるもので、基端部462aに貫通孔462a1が形成されている。この第2リンクレバー462は、先端部462bが基端部462aから左斜め下方に延在した後に左斜め上方に湾曲したフック状を成している。また、この第2リンクレバー462の先端部462bには、前方に向けて突出する突片(図示せず)が形成されている。
アーム部材47は、第1アーム471及び第2アーム472を備えて構成されている。第1アーム471は、例えば樹脂材から形成された平板状のもので、第1基部471a、第1当接部471b、第1作用部471c及び第1係止部471dを備えて構成されている。
第1基部471aは、貫通孔471a1を有している。この貫通孔471a1は、第1リンクレバー461の基端部461aに形成される貫通孔461a1とほぼ同じ内径を有している。第1当接部471bは、第1基部471aの上部より左斜め上方に向けて延在する長尺状部分である。第1作用部471cは、第1基部471aの下部より右斜め下方に向けて突出する部分である。第1係止部471dは、第1基部471aの上部において第1当接部471bに隣接する態様で上方に向けて延在する部分である。
第2アーム472は、例えば樹脂材から形成された平板状のもので、第2基部472a、第2当接部472b、第2作用部472c及び第2係止部472dを備えて構成されている。
第2基部472aは、貫通孔472a1を有している。この貫通孔472a1は、第2リンクレバー462の基端部462aに形成される貫通孔462a1とほぼ同じ内径を有している。第2当接部472bは、第2基部472aの上部より右斜め上方に向けて延在する長尺状部分である。第2作用部472cは、第2基部472aの下部より左斜め下方に向けて突出する部分である。第2係止部472dは、第2基部472aの上部において第2当接部472bに隣接する態様で上方に向けて延在する部分である。
このようなアーム部材47は、リンクレバー部材46とともに次のようにしてユニットベース41に配設されている。
第1アーム471は、第1リンクレバー461の後方側において第1基部471aの貫通孔471a1が基端部461aの貫通孔461a1に一致するように配置する。このとき、第1アーム471は、第1作用部471cが第1リンクレバー461の突片461b1に左方から当接するようにする。そして、このような状態の第1アーム471は、第1リンクレバー461を介在させた状態で、各貫通孔461a1,471a1にユニットベース41の第1リンク軸41iが挿通することで、ユニットベース41と出力ギア443との間において第1リンク軸41iの軸心回りに回転可能に配設される。このようにしてユニットベース41に配設された第1アーム471は、第1係止部471dが該ユニットベース41に形成された右側規制片41jに当接した状態となる。
第2リンクレバー462は、第2アーム472の後方側において基端部462aの貫通孔462a1が第2基部472aの貫通孔472a1に一致するように配置する。このとき、第2アーム472は、第2作用部472cが第2リンクレバー462の突片に右方から当接するようにする。そして、このような状態の第2リンクレバー462は、第2アーム472を介在させた状態で、各貫通孔462a1,472a1にユニットベース41の第2リンク軸41kが挿通することで、ユニットベース41と出力ギア443との間において第2リンク軸41kの軸心回りに回転可能に配設される。このようにしてユニットベース41に配設された第2アーム472は、第2係止部472dが該ユニットベース41に形成された左側規制片41mに当接した状態となる。また、ユニットベース41の第2リンク軸41kは、基端部41k1と、この基端部41k1よりも径が小さい先端部41k2とから構成されている。この先端部41k2の外径が貫通孔462a1,472a1の内径よりも僅かに小さく、基端部41k1の外径が貫通孔462a1,472a1の内径よりも大きいものである。これにより、第2リンク軸41kに挿通される第2リンクレバー462及び第2アーム472は、第2リンク軸41kの先端部41k2に挿通された状態で配設されている。つまり、第2アーム472とユニットベース41との間には間隙が形成されている。
売切リンクレバー部材48は、第1売切リンクレバー481及び第2売切リンクレバー482を備えて構成されている。第1売切リンクレバー481は、ロッド状の基部481aと、該基部481aの右端部より後方側斜め下に向けて延在する当接板481bと、該基部481aの左端部より下方に延在する押圧板481cとを備えている。このような第1売切リンクレバー481は、第1売切リンクレバー保持部41nに保持された状態で基部481aの軸心回りに回転可能にユニットベース41に配設されている。
このとき、第1売切リンクレバー481の押圧板481cとユニットベース41との間には第1売切リンクレバーバネ491が介装されており、かかる第1売切リンクレバーバネ491に付勢されることで第1売切リンクレバー481は、押圧板481cが前方に向かうように常時付勢されている。つまり、図12の(a)に示すように、第1売切リンクレバー481は、第1売切検知スイッチ452の接触子452aを押圧するよう付勢されている。また、第1売切リンクレバー481の当接板481bは、ベース開口41aを後方から臨むことが可能な位置に配設されている(図12の(a)参照)。
第2売切リンクレバー482は、平板状の当接基板482aと、この当接基板482aより前方に向けて延在するアームの先端において左右方向に沿って延在する軸部482bとを備えている。このような第2売切リンクレバー482は、第2売切リンクレバー保持部41pに軸部482bが保持されることで、該軸部482bの軸心回りに回転可能にユニットベース41に配設されている。
このとき、第2売切リンクレバー482の当接基板482aとユニットベース41との間には第2売切リンクレバーバネ492が介装されており、かかる第2売切リンクレバーバネ492に付勢されることで第2売切リンクレバー482は、当接基板482aが前方に向かうように常時付勢されている。つまり、第2売切検知スイッチ453の接触子453aを押圧するよう付勢されている。
このような構成を有する駆動ユニット40には、第1搬出機構20aに対応する売切検知レバー(以下、第1売切検知レバーとも称する)61が配設されている。第1売切検知レバー61は、ベース部材21の上部開口21b及びユニットベース41のベース開口41aを通過しており、基端部61aの左右両側面に形成された軸孔(図示せず)に、ユニットベース41のベース開口41aの両側面に形成された左右一対の軸突部41a1が進入することで軸突部41a1の軸心回りに揺動可能に配設されている。これにより、第1売切検知レバー61は、先端部61bが第1商品収納通路13aに対し進出移動及び退行移動可能なものである。
このような第1売切検知レバー61とベース部材21(ユニットベース41)との間には、売切検知レバーバネ(以下、第1売切検知レバーバネとも称する)62が介装されている。第1売切検知レバーバネ62は、第1売切検知レバー61の先端部61bが第1商品収納通路13aに進出移動する態様で常時付勢するものである。
そして、このように第1売切検知レバー61の先端部61bが第1商品収納通路13aに進出移動する場合には、基端部61aが第1売切リンクレバー481の当接板481bには当接しないが、先端部61bが第1商品収納通路13aから退行移動する場合には、基端部61aが第1売切リンクレバー481の当接板481bに当接するようにしてある。このようにして当接板481bに基端部61aが当接されると、第1売切リンクレバー481は、第1売切リンクレバーバネ491の付勢力に抗して軸心回りに後方に向けて回動することとなる。
図13〜図15は、それぞれ図2〜図4に示した第2搬出機構20bの要部を左側より見た場合を模式的に示す説明図である。以下の説明においては、これら図13〜図15も適宜利用しつつ第2搬出機構20bの構造について説明する。
第2搬出機構20bは、第2商品収納通路13bに適用されるもので、この第2商品収納通路13bの下部に配設されている。この第2搬出機構20bは、対向する通路幅規定板17との間において商品の挙動を制御することにより、待機状態においては第2商品収納通路13bに商品を収納する一方、駆動する場合には対応する商品を1つずつ商品シュータ5に搬出するように機能するもので、ベース部材31を備えている。
ベース部材31は、鋼板に切削加工及び屈曲加工を施して構成されたものであり、自身の表面を通路幅規定板17に対向させる態様で配設されており、その中間部に挿通孔32が形成されている。この挿通孔32は、矩形状の貫通開口である。また、このベース部材31の両側部には、屈曲されることで側壁31aが形成されている。
このベース部材31の挿通孔32の両側部に設けられた左右一対の軸受片33には、第1揺動支持軸34a及び第2揺動支持軸35aが架設されている。
第1揺動支持軸34aは、略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に下ペダル部材34を支承している。第2揺動支持軸35aは、第1揺動支持軸34aよりも上方となる個所に略水平方向に沿って延在する態様で配設された軸状部材であり、その中間部に上ペダル部材35を支承している。
下ペダル部材34は、プレート状部材であり、基端部に第1揺動支持軸34aを挿通させることによりこの第1揺動支持軸34aの軸心回りに揺動可能となる態様で配設されている。
下ペダル部材34の先端部は、第1揺動支持軸34aの径外方向に向けて延在しており、第1揺動支持軸34aの軸心回りに揺動した場合に挿通孔32を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。つまり、下ペダル部材34は、第2商品収納通路13bに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
下ペダル部材34とベース部材31との間には、下ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。下ペダル部材バネは、第2商品収納通路13bに対して下ペダル部材34を進出移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記下ペダル部材34は、板状のペダル本体部341と、一対の案内部342とを備えている。一対の案内部342は、上記ペダル本体部341の背面側に設けられている。各案内部342は、上下方向に沿って延在する板状部材であり、互いに対向するよう形成されている。各案内部342の互いに対向する対向面には案内溝343が形成されている。
案内溝343は、下ペダル部材34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた進出位置に配置した状態(図13に示す状態)において、最も下方に位置し、かつ後述する回動ストッパ部材39のペダル操作軸39aが嵌入される嵌入部343aと、下ペダル部材34を第2商品収納通路13bに対して最も退行移動させた退行位置に配置した状態(図15に示す状態)において、最も上方に位置し、かつ回動ストッパ部材39のペダル操作軸39aが当接する当接部343dと、これら嵌入部343a及び当接部343dとが連続するよう接続する第1案内部343b及び第2案内部343cとを備えている。
第1案内部343bは、下ペダル部材34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、嵌入部343aからベース部材31に対して離隔するよう斜め上方に傾斜した後、ベース部材31に対して近接するよう斜め上方に傾斜して当接部343dに至る態様で案内部342に形成されている。
第2案内部343cは、下ペダル部材34を第2商品収納通路13bに対して最も進出移動させた位置(進出位置)に配置した状態において、当接部343dからベース部材31に対して離隔するよう斜め下方に傾斜して嵌入部343aに至る態様で案内部342に形成されている。
このような下ペダル部材34の第1揺動支持軸34aからの径外方向の長さは、第2商品収納通路13bに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する場合に、図13にも示すように通路幅規定板17との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
上ペダル部材35は、プレート状部材であり、基端部に第2揺動支持軸35aを挿通させることによりこの第2揺動支持軸35aの軸心回りに揺動可能となる態様でベース部材31に配設されている。
上ペダル部材35の先端部は、第2揺動支持軸35aの径外方向に向けて延在しており、第2揺動支持軸35aの軸心回りに揺動した場合には、挿通孔32を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。つまり、上ペダル部材35は、第2商品収納通路13bに対し進退移動する態様で揺動可能に配設されている。
上ペダル部材35とベース部材31との間には、上ペダル部材バネ(図示せず)が介装されている。上ペダル部材バネは、第2商品収納通路13bに対して上ペダル部材35が退行移動する方向に向けて常時付勢するものである。
上記上ペダル部材35には、押圧傾斜面351、凹部352、ストッパ当接部353及び突起部354が設けられている。押圧傾斜面351は、上ペダル部材35の先端部分に設けられており、上ペダル部材35を第2商品収納通路13bに対して退行移動させた場合には、第2商品収納通路13bに向けて漸次低くなる態様で形成された湾曲状の傾斜面である。凹部352は、上ペダル部材35の背面側に設けられており、上ペダル部材35の両側面に開口する態様で形成した略水平方向に沿って延在する一条の凹所である。ストッパ当接部353は、後述するストッパピン38aが当接する部位であり、上ペダル部材35の背面において凹部352の上方に傾斜する態様で設けられている。
突起部354は、上ペダル部材35の基端部において第2商品収納通路13bに向けて突出した態様で設けられている。
この上ペダル部材35は、上記上ペダル部材バネの付勢力によって第2商品収納通路13bに退行移動するよう付勢されているが、上記凹部352にストッパピン38aが当接することにより第2商品収納通路13bに対して退行移動した状態に初期位置が設定されている。
このような上ペダル部材35は、第2商品収納通路13bに対して最も進出移動した位置(進出位置)に位置する状態(図15に示す状態)において、第2揺動支持軸35aを通過する鉛直面に対して後方に向けて傾斜した状態にある。そして上ペダル部材35の第2揺動支持軸35aからの径外方向の長さは、上述した後方に傾斜した状態において、通路幅規定板17との間に最大幅の小さい商品の最大幅よりも小さい間隙を確保することが可能な長さに設定されている。
また、このベース部材31には、軸受部36が設けられている。軸受部36は、ペダルリンク部材37の上下方向に沿った移動を案内するものであり、上下方向に沿って延在する態様で形成してあり、一方の端部が挿通孔32の上端縁に取り付けられており、他方の端部が挿通孔32の下端縁に取り付けられており、挿通孔32を縦断するよう設けられている。
軸受部36は、樹脂材から構成されるもので、第2揺動支持軸挿通孔361と、第1揺動支持軸挿通孔362と、ストッパピン挿通孔363と、ペダルストッパピン支持溝364と、ストッパ支持孔365とを備えている。
第2揺動支持軸挿通孔361は、第2揺動支持軸35aを挿通し、かつ第2揺動支持軸35aを軸支するための孔である。第1揺動支持軸挿通孔362は、第1揺動支持軸34aを挿通し、かつ第1揺動支持軸34aを軸支するための孔である。この第1揺動支持軸挿通孔362は、第2揺動支持軸挿通孔361よりも下方に形成されている。
ストッパピン挿通孔363は、後述するストッパピン38aを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したストッパピン38aの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このストッパピン挿通孔363は、ストッパピン38aの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部36において、上端部と、第2揺動支持軸挿通孔361を形成した部位との略中間となる部位に設けられている。
ペダルストッパピン支持溝364は、後述するペダルストッパピン38bを摺動自在に軸支する孔であって、軸状に形成したペダルストッパピン38bの直径に比して上下方向への延在長さが大きくなるよう形成されている。よって、このペダルストッパピン支持溝364は、ペダルストッパピン38bの上下方向に沿っての移動を許容するものであり、軸受部36において、第1揺動支持軸挿通孔362を形成した部位と、下端部との略中間となる部位に設けられている。
ストッパ支持孔365は、後述するストッパ軸38cを軸支するための孔であり、軸受部36においてその下端部に形成されている。
また、一方の軸受片33と軸受部36との間には、ストッパピン38a、ペダルストッパピン38b及びストッパ軸38cが架設されている。
ストッパピン38aは、一方の軸受片33と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片33のストッパピン挿通孔(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部36のストッパピン挿通孔363に挿通されている。このストッパピン38aは、ペダルリンク部材37に結合されており、当該ペダルリンク部材37の上下方向への移動に伴ってストッパピン挿通孔363の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。また、ストッパピン38aは、初期位置にある上ペダル部材35の凹部352に当接している。
ペダルストッパピン38bは、一方の軸受片33と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、一端部が該軸受片33のペダルストッパピン支持溝(図示せず)に挿通され、他端部が軸受部36のペダルストッパピン支持溝364に挿通されている。このペダルストッパピン38bは、ペダルリンク部材37に結合されており、当該ペダルリンク部材37の上下方向への移動に伴ってペダルストッパピン支持溝364の内部において上下方向に沿っての移動が可能である。このペダルストッパピン38bの周面は、ペダルリンク部材37を上下方向に移動させた場合には、ペダルストッパピン支持溝364の内周面に当接することとなる。
ストッパ軸38cは、一方の軸受片33と軸受部36との間に略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その中間部に回動ストッパ部材39を支承している。
回動ストッパ部材39は、基端部にストッパ軸38cを挿通させ、かつこのストッパ軸38cの軸心回りに揺動可能となる態様で一方の軸受片33と軸受部36との間に配設されている。
回動ストッパ部材39の先端部は、ストッパ軸38cの径外方向に向けて延在しており、ストッパ軸38cの軸心回りに揺動した場合に挿通孔32を通じて第2商品収納通路13bに進退移動することが可能である。
この回動ストッパ部材39は、先端部にペダル操作軸39aを有している。ペダル操作軸39aは、略水平方向に沿って配設された軸状部材であり、その両端部を上記下ペダル部材34の案内溝343に嵌入されている。
上記回動ストッパ部材39とベース部材31との間には、ペダル操作部材バネ(図示せず)が介装されている。ペダル操作部材バネは、第2商品収納通路13bに対して回動ストッパ部材39を進出移動させる方向に向けて常時付勢するものである。
このような回動ストッパ部材39は、ペダル操作部材バネによって第2商品収納通路13bに対して進出移動する方向に向けて付勢され、該回動ストッパ部材39の背面側の所定部位にペダルストッパピン38bが当接することにより退行移動する方向への移動が規制されており、第2商品収納通路13bに対して進出移動した状態での初期位置が設定されている。また、下ペダル部材34が下ペダル部材バネに付勢されているため、回動ストッパ部材39は、ペダル操作軸39aの両端が案内溝343の嵌入部343aに位置しており、下ペダル部材34が第2商品収納通路13bに対して進出移動した位置に初期位置が設定されている。
上記ペダルリンク部材37は、上下方向に沿って延在する長尺板状部材であり、上部の一部が前方に向けて屈曲されることにより形成された爪部37aを有している。詳細は後述するが、このペダルリンク部材37は、上下方向に沿って移動可能なものである。
このようなペダルリンク部材37とベース部材31との間には、リンクバネ37bが介装されている。リンクバネ37bは、ペダルリンク部材37を下方に向けて常時付勢するものである。また、ペダルリンク部材37とベース部材31との間には、図には明示していないが、第2リンクバネが介装されている。この第2リンクバネは、一端部をペダルリンク部材37の下端に形成した係合孔に係止してあり、他端部をストッパ軸38cに係止されている。この第2リンクバネは、自身の弾性力により、通常ペダルリンク部材37とペダルストッパピン38bとの係合が解除されることを防止するものである。
ペダルリンク部材37がリンクバネ37bによって付勢されて下方に配置された状態では、ストッパピン挿通孔363の下端部にストッパピン38aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝364の下端部にペダルストッパピン38bが配置されることになる。この状態では、ストッパピン38aに、退行位置に配置された上ペダル部材35の凹部352が当接している。しかもペダルストッパピン38bに進出位置に配置された回動ストッパ部材39が当接しており、回動ストッパ部材39の退行移動が規制されている。また、進出位置に配置された回動ストッパ部材39のペダル操作軸39aは上記下ペダル部材34の嵌入部343aに嵌入してあり、これにより進出位置に配置された下ペダル部材34の退行移動が規制されている。
これに対してリンクバネ37bの付勢力に抗してペダルリンク部材37が上方に配置された状態では、図15に示すように、ストッパピン挿通孔363の上端部にストッパピン38aが配置され、かつペダルストッパピン支持溝364の上端部にペダルストッパピン38bが配置されることになる。この状態では、上記ストッパピン38aに上ペダル部材35のストッパ当接部353が当接することにより、上ペダル部材35の退行移動が規制され、上ペダル部材バネの付勢力に抗して上ペダル部材35が進出移動して進出位置に配置される。
一方、回動ストッパ部材39は、ペダルストッパピン38bによる退行移動の規制が解除されるので、ストッパ軸38cを中心として退行移動の規制が解除される。ここで、回動ストッパ部材39には当該回動ストッパ部材39によって進出位置に維持されている下ペダル部材34に当接した商品の荷重がかかっており、ペダルストッパピン38bによる退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材39は退行移動を開始する。回動ストッパ部材39の退行移動が開始されるとペダル操作軸39aが下ペダル部材34の嵌入部343aから外れるため、下ペダル部材34は第1揺動支持軸34aを中心として退行移動を許容されて商品の荷重によって下ペダル部材バネの弾性付勢力に抗して退行移動することとなる。
以上のような構成を有する第2搬出機構20bは、上記構成の他に売切検知レバー(以下、第2売切検知レバーとも称する)71を備えている。
第2売切検知レバー71は、ベース部材31の上部開口31bを通過しており、基端部71aの左右両側面に形成された軸孔(図示せず)に、上部開口31bの両側縁に設けられた支持片31cの軸突部(図示せず)が進入することで軸突部の軸心回りに揺動可能に配設されている。これにより、第2売切検知レバー71は、先端部71bが第2商品収納通路13bに対し進出移動及び退行移動可能なものである。
このような第2売切検知レバー71とベース部材31との間には、売切検知レバーバネ(以下、第2売切検知レバーバネとも称する)72(図4参照)が介装されている。第2売切検知レバーバネ72は、第2売切検知レバー71の先端部71b(図2参照)が第2商品収納通路13bに進出移動する態様で常時付勢するものである。
また、第2売切検知レバー71の先端部71bの背面(前方側の面)にはレバー突起73が配設されている。このレバー突起73は、第2売切検知レバー71が第2商品収納通路13bから退行移動した際に、ベース部材31の連絡孔31dと、駆動ユニット40のユニットカバー42に形成されたカバー孔42aを挿通して駆動ユニット40を構成する第2売切リンクレバー482の当接基板482aに当接することができる長さに調整されている。
以上のような構成を有する第1搬出機構20aと第2搬出機構20bとを互いに背中合わせに抱き合わせることにより商品払出装置20が構成される。そして、この場合において、駆動ユニット40を構成する第1リンクレバー461は、図10に示すように、先端部461bがペダルリンク部材27の爪部27aの下方域に位置しており、第2リンクレバー462は、先端部462bがペダルリンク部材37の爪部37aの下方域に位置している。
以上のように構成した商品払出装置20においては、待機状態では次のようになっている。
第1搬出機構20aの駆動ユニット40では、図10に示すように、出力ギア443の作用片443bが最も上方に位置しており、押圧片443cがキャリアスイッチ451の接触子451aを押圧している。この場合、キャリアスイッチ451はオン状態となる。このような待機状態では、駆動ユニット40を構成する第1リンクレバー461の先端部461bがペダルリンク部材27の爪部27aから下方に離隔した位置にあり、第2リンクレバー462の先端部462bがペダルリンク部材37の爪部37aから下方に離隔した位置にある。
そのため第1搬出機構20aでは、ペダルリンク部材27が下方に配置された状態にある。このようにペダルリンク部材27が下方に配置された状態にあることにより、図5に示すようにペダルストッパピン28bが規制位置に配置されており、回動ストッパ部材29の退行移動を規制している。これにより、退行移動が規制された回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aが下ペダル部材24の案内溝243の嵌入部243aに嵌入され、進出位置に配置された下ペダル部材24の退行移動が規制されている。この結果、下ペダル部材24に当接した最下位の商品の下方への移動が規制され、第1商品収納通路13aに商品がそれぞれ横倒し姿勢で収納されている。かかる待機状態においては、上ペダル部材25は、上ペダル部材バネに付勢され、かつ凹部252にストッパピン28aが当接することにより、第1商品収納通路13aから退行移動した初期位置(待機位置)に待機することになる。
そして、第1搬出機構20aでは、第1売切検知レバー61も第1商品収納通路13aに収納される商品に押圧されて第1売切検知レバーバネ62の付勢力に抗して第1商品収納通路13aから退行移動した状態にある。このように第1売切検知レバー61が第1商品収納通路13aから退行移動した状態にあると、該第1売切検知レバー61の基端部61aが第1売切リンクレバー481の当接板481bに当接する。これにより、図12の(a)に示すように、第1売切リンクレバー481は、第1売切リンクレバーバネ491の付勢力に抗して軸心回りに後方に向けて回動し、押圧板481cが第1売切検知スイッチ452の接触子452aから離隔した状態となる。そのため第1売切検知スイッチ452はオフ状態となっている。
一方、第2搬出機構20bにおいてもペダルリンク部材37が下方に配置された状態にある。そのため、図13に示すようにペダルストッパピン38bが規制位置に配置されており、回動ストッパ部材39の退行移動を規制している。これにより、退行移動が規制された回動ストッパ部材39のペダル操作軸39aが下ペダル部材34の案内溝343の嵌入部343aに嵌入され、進出位置に配置された下ペダル部材34の退行移動が規制されている。この結果、下ペダル部材34に当接した最下位の商品の下方への移動が規制され、第2商品収納通路13bに商品がそれぞれ横倒し姿勢で収納されている。かかる待機状態においては、上ペダル部材35は、上ペダル部材バネに付勢され、かつ凹部352にストッパピン38aが当接することにより、第2商品収納通路13bから退行移動した初期位置(待機位置)に待機することになる。
そして、第2搬出機構20bでは、第2売切検知レバー71も第2商品収納通路13bに収納される商品に押圧されて第2売切検知レバーバネ72の付勢力に抗して第2商品収納通路13bから退行移動した状態にある。このように第2売切検知レバー71が第2商品収納通路13bから退行移動した状態にあると、該第2売切検知レバー71のレバー突起73が連絡孔31d及びカバー孔42aを挿通して第2売切リンクレバー482の当接基板482aに当接することとなる。これにより、第2売切リンクレバー482は、図16の(a)に示すように、第2売切リンクレバーバネ492の付勢力に抗して軸心回りに後方に向けて回動し、当接基板482aが第2売切検知スイッチ453の接触子453aから離隔した状態となる。そのため、第2売切検知スイッチ453はオフ状態となっている。
このような待機状態において利用者の商品購入操作により自販機制御部100より搬出制御部50に搬出指令が与えられると、商品払出装置20は次のように動作する。
図17は、商品払出装置20の搬出制御部50が実施する搬出制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる搬出制御処理を説明しながら商品払出装置20の動作について説明する。尚、以下においては、第1商品収納通路13aに収納された商品を「第1商品」とも称し、第2商品収納通路13bに収納された商品を「第2商品」とも称しながら説明する。
搬出制御処理において搬出制御部50は、自販機制御部100から第1商品の搬出指令を与えられた場合(ステップS101:Yes)、モータ43を正転駆動させる(ステップS102)。
このようにモータ43を正転駆動させると、ヘリカルギア441及び中間ギア442を介してモータ43の駆動力を伝達された出力ギア443は、図18−1及び図19−1に示すように、後方から見て反時計回りの方向に回転する。
出力ギア443が後方から見て反時計回りに回転すると、出力ギア443の押圧片443cがキャリアスイッチ451の接触子451aから離脱する。これにより、キャリアスイッチ451の接触子451aは押圧された状態から開放されてオフ状態となる。
出力ギア443の回転により作用片443bが、図19−2に示すように、第1アーム471の第1当接部471bに上方より当接すると、第1アーム471は、後方から見て時計回りの方向に軸心回りに回転する。この第1アーム471が時計回りの方向に回転すると、第1作用部471cが第1リンクレバー461の突片461b1を押圧することで第1リンクレバー461も第1アーム471と一体的に後方から見て時計回りの方向に回転する。このようにして第1リンクレバー461が時計回りの方向に回転することで、先端部461bが上方に向けて移動することになる。このようにして先端部461bが上方に向けて移動することで、図18−2に示すように、ペダルリンク部材27の爪部27aに当接し、リンクバネ27bの付勢力に抗してペダルリンク部材27を上方に向けて所定距離(例えば15mm程度)だけ移動させることができ、しかも作用片443bが第1当接部471bに摺接している間は、ペダルリンク部材27を所定距離だけ上方移動させた状態を保持することができる。
このペダルリンク部材27の上方への移動に伴い、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の下端部から上方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の下端部から上方に移動する。
このときストッパピン28aが上ペダル部材25のストッパ当接部253に当接しながら上方に移動するため、上ペダル部材25は、図6に示すように上ペダル部材バネの付勢力に抗して初期位置から進出移動する。この上ペダル部材25の進出移動は、ストッパピン28aの上方への移動により行われる。
そして、進出移動する上ペダル部材25は、図7に示すように、最下位から2番目の第1商品(以下、次商品ともいう)に当接し、次商品が下方に向けて移動することを規制する。
一方、回動ストッパ部材29は、進出位置に維持されている下ペダル部材24に当接した商品の荷重がかかっているので、上記ペダルストッパピン28bの上方への移動により退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材29は退行移動を開始する。
このように回動ストッパ部材29が退行移動を開始すると、ペダル操作軸29aが嵌入部243aから抜け出し、商品の自重によって下ペダル部材バネの付勢力に抗して下ペダル部材24が退行移動を開始する。嵌入部243aから抜け出した回動ストッパ部材29のペダル操作軸29aは、第1案内部243bに沿い、第1案内部243bと第2案内部243cとが交差する位置に向けて移動する。
この後、最下位の商品の自重により下ペダル部材24が退行移動し、図7に示すように、最下位の商品の下方への移動が許容され、最下位の商品は下方に搬出される。搬出された商品は、商品シュータ5を通じて商品搬出口3aに案内され、更に商品取出口2aを介して取り出し可能な状態になる。
ここで、最下位の商品が下ペダル部材24を擦り抜けると、下ペダル部材24は下ペダル部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動するとともに、回動ストッパ部材29もペダル操作部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動する。下ペダル部材24及び回動ストッパ部材29が進出位置に向かって移動すると、第1案内部243bと第2案内部243cとが交差する位置に保持されていたペダル操作軸29aが嵌入部243aに向けて第2案内部243cに沿って移動し、下ペダル部材24及び回動ストッパ部材29が進出位置に復帰する。
この間、ペダルリンク部材27が上方に移動し、ストッパピン28aがストッパピン挿通孔263の上端部に位置し、かつペダルストッパピン28bがペダルストッパピン支持溝264の上端部に位置することになる。
その後、出力ギア443の回転により作用片443bと第1当接部471bとの当接が解除されると、図18−3に示すように、リンクバネ27bにペダルリンク部材27は付勢されて下方に移動する。
このペダルリンク部材27の下方への移動により、ストッパピン28aはストッパピン挿通孔263の上端部から下方に移動するとともに、ペダルストッパピン28bはペダルストッパピン支持溝264の上端部から下方に移動する。
ペダルストッパピン28bが下方に移動すると進出位置に復帰した回動ストッパ部材29の背面側の所定部位にペダルストッパピン28bが当接する。これにより退行移動する方向への移動が規制され、下ペダル部材24は第1商品収納通路13aに対して進出移動した位置に初期位置が設定される。
一方、上ペダル部材25は、上ペダル部材バネに付勢されて、ストッパピン28aの下方への移動に伴い退行移動する。これにより次商品の下方への移動が許容され、その後該次商品は進出移動した下ペダル部材24に当接して下方への移動が規制されて待機状態に戻る。
駆動ユニット40では、出力ギア443の反時計回りの方向に沿った回転により、その後に作用片443bが第2アーム472の第2当接部472bに当接することとなる。この場合、第2アーム472は、第2係止部472dがユニットベース41に形成された左側規制片41mに当接していることで、軸心回りの回転が規制されている。そのため、図19−3に示すように、第2当接部472bが第2係止部472dに近接するよう弾性変形し、出力ギア443の回転による作用片443bの移動を阻害しない。
そして、その後に出力ギア443の回転により作用片443bが図19−1に示す待機状態の位置に戻ると、押圧片443cがキャリアスイッチ451の接触子451aを押圧してキャリアスイッチ451がオン状態となる。
上述したようなステップS102におけるモータ43の正転駆動においては、搬出制御部50は、所定時間にキャリアスイッチ451がオン状態となるか否かを監視している(ステップS103,ステップS104)。つまり、所定時間内に出力ギア443が1回転するか否かを監視している。
この結果、所定時間内にキャリアスイッチ451がオン状態となる場合(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、搬出制御部50は、モータ43の正転駆動を停止させて(ステップS105)、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これによれば、上述したように搬出指令が与えられた第1商品を良好に搬出することができる。
所定時間内にキャリアスイッチ451がオン状態とならない場合、すなわち所定時間内にキャリアスイッチ451からオン信号が与えられない場合(ステップS103:No,ステップS104:No)、搬出制御部50は、異常が発生したと判断する(ステップS106)。そして、搬出制御部50は、自販機制御部100に異常が発生した旨を通知し(ステップS107)、その後に手順をリターンさせて、今回の処理を終了する。これによれば、第1商品収納通路13aで異常が発生していることを認識することができ、第1商品については売切ランプの点灯等を行うことで販売を中止にさせることができる。
一方、搬出制御部50は、自販機制御部100から第2商品の搬出指令を与えられた場合(ステップS101:No,ステップS108:Yes)、モータ43を逆転駆動させる(ステップS109)。
このようにモータ43を逆転駆動させると、ヘリカルギア441及び中間ギア442を介してモータ43の駆動力を伝達された出力ギア443は、図20−1及び図21−1に示すように、後方から見て時計回りの方向に回転する。
出力ギア443が後方から見て時計回りに回転すると、出力ギア443の押圧片443cがキャリアスイッチ451の接触子451aから離脱する。これにより、キャリアスイッチ451の接触子451aは押圧された状態から開放されてオフ状態となる。
出力ギア443の回転により作用片443bが、図21−2に示すように、第2アーム472の第2当接部472bに上方より当接すると、第2アーム472は、後方から見て反時計回りの方向に軸心回りに回転する。この第2アーム472が反時計回りの方向に回転すると、第2作用部472cが第2リンクレバー462の突片を押圧することで第2リンクレバー462も第2アーム472と一体的に後方から見て反時計回りの方向に回転する。このようにして第2リンクレバー462が反時計回りの方向に回転することで、先端部462bが上方に向けて移動することになる。このようにして先端部462bが上方に向けて移動することで、図20−2に示すように、ペダルリンク部材37の爪部37aに当接し、リンクバネ37bの付勢力に抗してペダルリンク部材37を上方に向けて所定距離(例えば15mm程度)だけ移動させることができ、しかも作用片443bが第2当接部472bに摺接している間は、ペダルリンク部材37を所定距離だけ上方移動させた状態を保持することができる。
このペダルリンク部材37の上方への移動に伴い、ストッパピン38aはストッパピン挿通孔363の下端部から上方に移動するとともに、ペダルストッパピン38bはペダルストッパピン支持溝364の下端部から上方に移動する。
このときストッパピン38aが上ペダル部材35のストッパ当接部353に当接しながら上方に移動するため、上ペダル部材35は、図14に示すように上ペダル部材バネの付勢力に抗して初期位置から進出移動する。この上ペダル部材35の進出移動は、ストッパピン38aの上方への移動により行われる。
そして、進出移動する上ペダル部材35は、図15に示すように、最下位から2番目の第2商品(以下、次商品ともいう)に当接し、次商品が下方に向けて移動することを規制する。
一方、回動ストッパ部材39は、進出位置に維持されている下ペダル部材34に当接した商品の荷重がかかっているので、上記ペダルストッパピン38bの上方への移動により退行移動の規制が解除されたことによって回動ストッパ部材39は退行移動を開始する。
このように回動ストッパ部材39が退行移動を開始すると、ペダル操作軸39aが嵌入部343aから抜け出し、商品の自重によって下ペダル部材バネの付勢力に抗して下ペダル部材34が退行移動を開始する。嵌入部343aから抜け出した回動ストッパ部材39のペダル操作軸39aは、第1案内部343bに沿い、第1案内部343bと第2案内部343cとが交差する位置に向けて移動する。
この後、最下位の商品の自重により下ペダル部材34が退行移動し、図15に示すように、最下位の商品の下方への移動が許容され、最下位の商品は下方に搬出される。搬出された商品は、商品シュータ5を通じて商品搬出口3aに案内され、更に商品取出口2aを介して取り出し可能な状態になる。
ここで、最下位の商品が下ペダル部材34を擦り抜けると、下ペダル部材34は下ペダル部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動するとともに、回動ストッパ部材39もペダル操作部材バネの弾性付勢力によって進出位置に向かって移動する。下ペダル部材34及び回動ストッパ部材39が進出位置に向かって移動すると、第1案内部343bと第2案内部343cとが交差する位置に保持されていたペダル操作軸39aが嵌入部343aに向けて第2案内部343cに沿って移動し、下ペダル部材34及び回動ストッパ部材39が進出位置に復帰する。
この間、ペダルリンク部材37が上方に移動し、ストッパピン38aがストッパピン挿通孔363の上端部に位置し、かつペダルストッパピン38bがペダルストッパピン支持溝364の上端部に位置することになる。
その後、出力ギア443の回転により作用片443bと第2当接部472bとの当接が解除されると、図20−3に示すように、リンクバネ37bにペダルリンク部材37は付勢されて下方に移動する。
このペダルリンク部材37の下方への移動により、ストッパピン38aはストッパピン挿通孔363の上端部から下方に移動するとともに、ペダルストッパピン38bはペダルストッパピン支持溝364の上端部から下方に移動する。
ペダルストッパピン38bが下方に移動すると進出位置に復帰した回動ストッパ部材39の背面側の所定部位にペダルストッパピン38bが当接する。これにより退行移動する方向への移動が規制され、下ペダル部材34は第2商品収納通路13bに対して進出移動した位置に初期位置が設定される。
一方、上ペダル部材35は、上ペダル部材バネに付勢されて、ストッパピン38aの下方への移動に伴い退行移動する。これにより次商品の下方への移動が許容され、その後該次商品は進出移動した下ペダル部材34に当接して下方への移動が規制されて待機状態に戻る。
駆動ユニット40では、出力ギア443の時計回りの方向に沿った回転により、その後に作用片443bが第1アーム471の第1当接部471bに当接することとなる。この場合、第1アーム471は、第1係止部471dがユニットベース41に形成された右側規制片41jに当接していることで、軸心回りの回転が規制されている。そのため、図21−3に示すように、第1当接部471bが第1係止部471dに近接するよう弾性変形し、出力ギア443の回転による作用片443bの移動を阻害しない。
そして、その後に出力ギア443の回転により作用片443bが図21−1に示す待機状態の位置に戻ると、押圧片443cがキャリアスイッチ451の接触子451aを押圧してキャリアスイッチ451がオン状態となる。
上述したようなステップS109におけるモータ43の逆転駆動においては、搬出制御部50は、所定時間にキャリアスイッチ451がオン状態となるか否かを監視している(ステップS110,ステップS111)。つまり、所定時間内に出力ギア443が1回転するか否かを監視している。
この結果、所定時間内にキャリアスイッチ451がオン状態となる場合(ステップS110:Yes,ステップS111:No)、搬出制御部50は、モータ43の逆転駆動を停止させて(ステップS112)、手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これによれば、搬出指令が与えられた第2商品を良好に搬出することができる。
所定時間内にキャリアスイッチ451がオン状態とならない場合、すなわち所定時間内にキャリアスイッチ451からオン信号が与えられない場合(ステップS110:No,ステップS111:No)、搬出制御部50は、異常が発生したと判断する(ステップS113)。そして、搬出制御部50は、自販機制御部100に異常が発生した旨を通知し(ステップS114)、その後に手順をリターンさせて、今回の処理を終了する。これによれば、第2商品収納通路13bで異常が発生していることを認識することができ、第2商品については売切ランプの点灯等を行うことで販売を中止にさせることができる。
ところで、例えば第1商品収納通路13aにおいて商品が無くなると、第1売切検知レバー61は、第1売切検知レバーバネ62に付勢されて第1商品収納通路13aに進出移動する。このように第1売切検知レバー61が進出移動すると、第1売切検知レバー61の基端部61aと第1売切リンクレバー481の当接板481bとの当接状態が解除される。このように当接状態が解除されると、図12の(b)に示すように、第1売切リンクレバー481は、第1売切リンクレバーバネ491に付勢されて前方に向かうよう軸心回りに回動し、押圧板481cが第1売切検知スイッチ452の接触子452aを押圧する。これにより第1売切検知スイッチ452はオン状態となって、搬出制御部50にオン信号を与える。この結果、搬出制御部50から自販機制御部100に当該第1商品収納通路13aが売切である旨が伝達されて図示せぬ売切ランプ等が点灯されることにより利用者に周知される。
次に、例えば第2商品収納通路13bにおいて商品が無くなると、第2売切検知レバー71は、第2売切検知レバーバネ72に付勢されて第2商品収納通路13bに進出移動する。このように第2売切検知レバー71が進出移動すると、第2売切検知レバー71のレバー突起73が連絡孔31d及びカバー孔42aから離脱する。これにより、当接基板482aがレバー突起73に当接されていた第2売切検知レバー71は、図16の(b)に示すように、第2売切リンクレバーバネ492に付勢されて前方に向かうよう軸心回りに回動し、当接基板482aが第2売切検知スイッチ453の接触子453aを押圧する。これにより第2売切検知スイッチ453はオン状態となって、搬出制御部50にオン信号を与える。この結果、搬出制御部50から自販機制御部100に当該第2商品収納通路13bが売切である旨が伝達されて図示せぬ売切ランプ等が点灯されることにより利用者に周知される。
このようにモータ43は、第1搬出機構20a及び第2搬出機構20bの駆動源を構成しており、駆動ユニット40は、搬出指令が与えられた場合に、該搬出指令に応じて第1搬出機構20a及び第2搬出機構20bを択一的に選択して駆動源からの駆動力を付与する駆動力付与手段を構成している。
以上説明したように本発明の実施の形態である商品払出装置20によれば、第1搬出機構20aが、該第1搬出機構20a及び第2搬出機構20bの駆動源となるモータ43と、搬出指令が与えられた場合に搬出指令に応じて第1搬出機構20a及び第2搬出機構20bを択一的に選択してモータ43からの駆動力を付与する駆動ユニット40とを備えているので、搬出機構の数に対して駆動源の数を低減させることができ、製造コストを低減させることができる。しかも、第1搬出機構20aにモータ43を含む駆動ユニット40を備えているので、第1搬出機構20aのみを用いることもできる。つまり、上述したように偶数の商品収納通路13が前後に並ぶよう設けられた商品収納ラック10だけでなく、奇数の商品収納通路が前後に並ぶよう設けられた商品収納ラックに対しても用いることができる。従って、製造コストの低減化を図ることができるとともに、前後に隣接される商品収納通路13の数に応じて柔軟に対応することができる。
上記商品払出装置20によれば、駆動源であるモータ43が直流モータであるので、地域電圧や周波数変動に影響を受けにくく、様々なロケーションでの設置が可能になる。
上記商品払出装置20によれば、第1搬出機構20aに第1売切検知スイッチ452及び第2売切検知スイッチ453を設置したので、第1搬出機構20aのみを用いることもでき、これによっても前後に隣接される商品収納通路13の数に応じて柔軟に対応することができる。
従来の自動販売機では、ACソレノイドを通電状態にさせるとその後に商品搬出装置が駆動しているか否かを監視していないために、商品が搬出されない事態が生じても自動販売機としてはACソレノイドを通電状態にさせることで商品販売が行われたと認識されてしまう虞れがあった。この点、上記商品払出装置20によれば、搬出制御処理において、所定時間内にキャリアスイッチ451がオン状態とならない場合には、異常であると判断しているので、該当する商品収納通路13の商品については販売禁止にすることで、金銭等を投入した利用者が不測の不利益を被らないようにすることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では特に言及していないが、本発明においては、駆動ユニット40の左右幅の大きさは、様々な左右幅の商品搬出装置、すなわち比較的最大幅の小さい商品用及び比較的最大幅の大きい商品用に対応して横幅の異なる商品搬出装置に共通に用いることができる大きさに調整されている。そのため、図22に示すように、上述した実施の形態におけるベース部材21(31)よりも左右幅の小さいベース部材21′(31′)にも適用することができる。
上述した実施の形態では、第1搬出機構20aが第1商品収納通路13aに対応し、かつ第2搬出機構20bが第2商品収納通路13bに対応するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一方の商品搬出装置が他方の商品収納通路に対応し、かつ他方の商品搬出装置が一方の商品収納通路に対応するものであっても構わない。