以下に、本願に係る情報取引装置、情報取引方法及び情報取引プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報取引装置、情報取引方法及び情報取引プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報取引処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報取引処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報取引処理の一例を示す図である。図1では、情報流通システム1を例に挙げて、情報取引処理について説明する。
図1に示すように、情報流通システム1には、提供者端末10と、利用者端末20と、関係者装置30と、情報取引装置100とが含まれる。情報取引装置100は、図示しないネットワーク(例えば、インターネット)を介して、提供者端末10、利用者端末20及び関係者装置30と通信可能に接続される。また、提供者端末10は、図示しないネットワークを介して、提供者端末10と通信可能に接続される。
なお、情報流通システム1に含まれる提供者端末10や利用者端末20や関係者装置30の台数は、図1に示した例に限られない。例えば、情報流通システム1には、2台以上の提供者端末10や、2台以上の利用者端末20や、2台以上の関係者装置30が含まれてもよい。
提供者端末10は、情報提供者P1によって利用される情報処理装置である。利用者端末20は、情報利用者Q1によって利用される情報処理装置である。提供者端末10及び利用者端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。図1の例の場合、提供者端末10は、移動端末であるものとする。
情報提供者P1は、例えば、スマートフォン等を有する一般的なユーザであり、情報取引装置100を介してユーザ情報を情報利用者Q1に有償で提供することにより利益を得る。また、情報利用者Q1は、例えば、情報提供者P1等から購入したユーザ情報を分析する企業や団体等である。なお、ユーザ情報とは、提供者端末10に関する情報や、情報提供者P1に関する情報である。詳しくは後述するが、ユーザ情報は、例えば、提供者端末10によって取得される位置情報等に該当する。
関係者装置30は、関係者R1によって利用される情報処理装置である。例えば、関係者装置30は、サーバ装置や移動端末やデスクトップ型PCやノート型PC等である。ここで、関係者R1とは、情報提供者P1及び情報利用者Q1以外の者であって、情報提供者P1と情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関係する者に該当する。
図1の例の場合、関係者R1は、提供者端末10が情報取引装置100へユーザ情報を提供するためのアプリケーション(以下、「情報提供アプリ」と表記する場合がある)を開発する開発者(言い換えれば、開発元)に該当する。そして、関係者R1は、提供者端末10が情報提供アプリをダウンロードできるように、かかる情報提供アプリを関係者装置30に格納する。すなわち、提供者端末10が関係者装置30からダウンロードした情報提供アプリを介してユーザ情報を情報取引装置100に提供した場合、情報提供アプリの開発元である関係者R1は、情報提供者P1と情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関係することとなる。この場合、関係者R1は、情報提供者P1による情報取引装置100へのユーザ情報の提供を支援する提供支援者となる。
情報取引装置100は、情報取引処理を行うサーバ装置である。具体的には、情報取引装置100は、ユーザ情報を提供する情報提供者P1と、ユーザ情報を利用する情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関する取引処理を制御する。そして、情報取引装置100は、ユーザ情報を利用した情報利用者Q1から徴収する利用料や、ユーザ情報を提供した情報提供者P1への報酬を決定する。さらに、実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報の取引に関係する関係者R1への報酬を決定する。この点について、図1の例を用いて説明する。
図1に示した例において、提供者端末10は、情報提供者P1による操作に従って、関係者装置30から情報提供アプリをダウンロードし、情報提供アプリをインストールする(ステップS10)。そして、提供者端末10は、情報提供アプリによる制御に従って、ユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS11)。
そして、情報取引装置100は、提供者端末10から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。情報取引装置100は、図1に図示しない提供者端末10以外の他の提供者端末からもユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報をデータ資産としてユーザ情報記憶部121に蓄積する。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Q1による操作に従って、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS12)。続いて、情報取引装置100は、利用者端末20から受け付けた取得要求に対応するユーザ情報をユーザ情報記憶部121から取得し、取得したユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS13)。この後に、情報利用者Q1は、ユーザ情報の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS14)。
なお、情報取引装置100は、利用者端末20にユーザ情報を提供する前に、かかるユーザ情報の利用料を算定し、算定した利用料を利用者端末20に通知してもよい。この場合、情報取引装置100は、利用料の支払いに了承する旨の回答を利用者端末20から受信した場合に、ユーザ情報を利用者端末20に提供してもよい。
そして、情報取引装置100は、情報提供者P1及び関係者R1に対する報酬を決定する(ステップS15)。具体的には、情報取引装置100は、ステップS11においてユーザ情報を提供したことに対する対価として、情報提供者P1に支払う報酬額を算定する。また、情報取引装置100は、情報提供者P1によるユーザ情報の提供を支援したことに対する対価として、関係者R1に支払う報酬額を算定する。例えば、情報取引装置100は、ユーザ情報の提供量が多い情報提供者P1及び関係者R1ほど報酬額を高く算定する。
そして、情報取引装置100は、ステップS13において利用者端末20に提供したユーザ情報の送信元である提供者端末10に対して、ステップS15において算定した報酬額を通知する(ステップS16)。さらに、情報取引装置100は、関係者R1によって利用される端末装置(例えば、関係者装置30)に対して、ステップS15において算定した報酬額を通知する(ステップS17)。
なお、情報取引装置100は、ユーザ情報記憶部121に記憶されている同一のユーザ情報を異なる利用者端末20に提供する場合や、同一のユーザ情報を同一の利用者端末20に何度も提供する場合がある。このとき、情報取引装置100は、ユーザ情報を利用者端末20に提供するたびに報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよいし、所定期間毎(例えば、1週間毎や1か月毎)に、ユーザ情報の提供量を集計し、集計結果に基づく報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよい。
このように、実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報を提供した情報提供者P1だけでなく、ユーザ情報の取引に関係した関係者R1に対しても報酬を還元する。言い換えれば、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通に貢献した関係者R1に対しても報酬を還元する。これにより、情報取引装置100は、関係者R1のモチベーションを向上させることができるので、情報提供者P1がユーザ情報を容易に提供できるような情報提供アプリを関係者R1に開発させることができる。この結果、情報取引装置100は、ユーザ情報記憶部121に多数のユーザ情報を蓄積することができる。このことは、情報取引装置100の利用者数(情報提供者P1及び情報利用者Q1)の増加を促進するので、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
〔2.提供者端末の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る提供者端末10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る提供者端末10の構成例を示す図である。図2に示すように、提供者端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、記憶部15と、提供制御部16とを有する。
通信部11は、ネットワークと有線又は無線で接続され、関係者装置30及び情報取引装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、提供者端末10の側壁等に備えられたハードキー等によって実現される。表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、提供者端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、提供者端末10に関する各種情報を検知する。具体的には、検知部14は、ユーザ情報として、提供者端末10の物理的な状態を検知する。図2に示した例では、検知部14は、測位部14aと、圧力センサ14bとを有する。
測位部14aは、提供者端末10の現在位置を取得する。具体的には、測位部14aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて提供者端末10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。圧力センサ14bは、提供者端末10の周囲の気圧を検知する。
なお、検知部14は、測位部14a及び圧力センサ14bに限られず、提供者端末10の物理的な状態を検知する各種機器を有してもよい。例えば、検知部14は、提供者端末10の周囲の音を収集するマイクロフォンや、提供者端末10の周囲の照度を検知する照度センサや、提供者端末10の物理的な動きを検知する加速度センサ(又は、ジャイロセンサなど)や、提供者端末10の周囲の湿度を検知する湿度センサや、提供者端末10の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を有してもよい。また、検知部14は、測位部14aや圧力センサ14bを有さずに、マイクロフォン、照度センサ、湿度センサ、地磁気センサ等を有してもよい。
記憶部15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部15は、ユーザ情報の取得条件や、検知部14によって検知されるユーザ情報を記憶する。ユーザ情報の取得条件は、情報提供者P1によってされる。
提供制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、提供者端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、提供制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
このような提供制御部16は、情報取引装置100にユーザ情報を提供する処理を制御する。例えば、提供制御部16は、ユーザ情報の提供処理を実現するための情報提供アプリを実行制御する。情報提供アプリは、関係者装置30からダウンロードされることで提供者端末10にインストールされる。
図2に示すように、提供制御部16は、設定部17と、取得部18と、送信部19とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。例えば、提供制御部16は、RAMを作業領域として上述した情報提供アプリを実行することにより、設定部17、取得部18及び送信部19を実現する。なお、提供制御部16の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、提供制御部16が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
設定部17は、情報提供者P1による操作に従って、記憶部15に取得条件を設定する。例えば、設定部17は、取得対象とするユーザ情報の種別を設定する。この点について具体的に説明すると、情報提供者P1は、提供者端末10が複数種別のユーザ情報を取得する機能を有する場合であっても、取得対象とするユーザ情報の種別を設定することができる。例えば、情報提供者P1は、位置情報、気圧情報、収音情報、照度情報、傾度情報、湿度情報、地場情報などの種別に分けられる各ユーザ情報うち、情報利用者Q1に流通することを許可するユーザ情報の種別のみを取得対象として設定することができる。設定部17は、このような情報提供者P1による操作に従ってユーザ情報の取得条件を記憶部15に格納する。
また、例えば、設定部17は、各種ユーザ情報を取得するタイミングを設定する。例えば、設定部17は、取得タイミングが定期的(5分毎、10分毎、1時間毎、1日毎、1週間毎など)であることを示す取得条件や、取得タイミングが特定の時刻であることを示す取得条件を記憶部15に格納する。
このように、情報提供者P1は、情報提供アプリを提供者端末10にインストールすることで、ユーザ情報の取得条件を容易に設定することができ、ユーザ情報の取得条件を設定するだけでユーザ情報を自動的に情報取引装置100に提供することができる。すなわち、関係者R1によって開発された情報提供アプリは、情報提供者P1に対して、情報取引装置100にユーザ情報を提供する作業を支援することとなる。
取得部18は、記憶部15に記憶されている取得条件に従って、検知部14を制御することで各種ユーザ情報を取得する。具体的には、取得部18は、検知部14によって検知される各種情報をユーザ情報として取得し、取得したユーザ情報を記憶部15に格納する。
例えば、記憶部15に記憶されている取得条件が「10分毎に位置情報を取得すること」である場合、取得部18は、10分毎に測位部14aを制御する。これにより、取得部18は、ユーザ情報として、提供者端末10の現在位置を示す位置情報を10分毎に取得する。同様に、取得部18は、取得条件に従って圧力センサ14bを制御することにより、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の気圧を示す気圧情報を取得する。
また、上記例に限られず、取得部18は、検知部14が有するセンサ等の機器に応じて、それぞれの機器から各種ユーザ情報を取得する。例えば、取得部18は、検知部14がマイクロフォンを有する場合には、ユーザ情報として、マイクロフォンによって収集された音の大きさを示す収音情報を取得する。また、取得部18は、検知部14が照度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の照度を示す照度情報を取得する。また、取得部18は、検知部14が加速度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の傾度を示す傾度情報を取得する。また、取得部18は、検知部14が湿度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の湿度を示す湿度情報を取得する。また、取得部18は、検知部14が地磁気センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の所在位置における磁場を示す磁場情報を取得する。
送信部19は、取得部18によって取得されたユーザ情報を情報取引装置100に送信する。具体的には、送信部19は、記憶部15に記憶されているユーザ情報とともに、提供者識別子と、関係者識別子と、ユーザ情報の取得日時とを情報取引装置100に送信する。ここで、提供者識別子とは、提供者端末10又は情報提供者P1を識別するための識別情報を示す。また、関係者識別子とは、ユーザ情報の取得を支援した関係者R1、情報提供アプリ、又は、関係者装置30を識別するための識別情報を示す。また、ユーザ情報の取得日時とは、取得部18によってユーザ情報が取得された日時を示す。なお、送信部19は、取得部18によってユーザ情報が取得されるたびにユーザ情報等を情報取引装置100に送信してもよいし、所定の期間毎にユーザ情報等を情報取引装置100に送信してもよい。
〔3.情報取引装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報取引装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報取引装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報取引装置100は、通信部110と、ユーザ情報記憶部121と、制御部130とを有する。
通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続され、提供者端末10、利用者端末20及び関係者装置30との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、NIC等によって実現される。
ユーザ情報記憶部121は、例えば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。ユーザ情報記憶部121は、提供者端末10から提供されるユーザ情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係るユーザ情報記憶部121の一例を示す。図4に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「取得日時」、「提供者識別子」、「関係者識別子」、「ユーザ情報」といった項目を有する。
「取得日時」は、ユーザ情報が取得された日時を示す。例えば、「取得日時」は、提供者端末10の送信部19によってユーザ情報とともに送信される取得日時に対応する。「提供者識別子」は、ユーザ情報を送信した提供者端末10又は情報提供者を識別するための識別情報を示す。例えば、「提供者識別子」は、送信部19によってユーザ情報とともに送信される提供者識別子に対応する。「関係者識別子」は、関係者装置30、関係者(図1の例では関係者R1)、又は、関係者装置30によって提供される情報提供アプリを識別するための識別情報を示す。例えば、「関係者識別子」は、送信部19によってユーザ情報とともに送信される提供者識別子に対応する。
「ユーザ情報」は、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。図4の例の場合、「ユーザ情報」は、「位置情報」、「気圧情報」、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」といった種別に分けられる。「位置情報」、「気圧情報」、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」は、上述した提供者端末10の検知部14によって検知される各種ユーザ情報を示す。
例えば、図4では、「2013年11月1日12時0分0秒」に、提供者識別子「U1」に対応する提供者端末10によって、関係者識別子「R1」に対応する関係者(図1の例では、情報提供アプリ)を介して、位置情報「A01」、気圧情報「B01」、収音情報「C01」、照度情報「D01」、傾度情報「E01」が取得された例を示す。また、例えば、図4では、「2013年11月1日12時0分0秒」に、関係者識別子「R2」に対応する関係者(図1の例では、情報提供アプリ)を介して、提供者識別子「U2」に対応する提供者端末10によって、位置情報「A02」、収音情報「C02」が取得された例を示す。
上記の2つの例のように、提供者端末10によっては、ユーザ情報の全種別(上記例では、「位置情報」、「気圧情報」、「収音情報」、「照度情報」及び「傾度情報」)を情報取引装置100に送信する場合もあれば、ユーザ情報の一部の種別のみを情報取引装置100に送信する場合がある。
なお、図4では、「位置情報」の「値」に「A01」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、「緯度及び経度」や「住所(例えば、都道府県や市区町村)」等が記憶される。また、実際には、図4に示した「気圧情報」には気圧を示す数値が記憶され、「収音情報」には音の大きさを示す数値が記憶され、「照度情報」には照度を示す数値が記憶され、「傾度情報」には傾度を示す数値が記憶される。
制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、情報取引装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報取引プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、取引部131と、受信部132と、格納部133と、提供部134と、決定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
取引部131は、ユーザ情報を提供する情報提供者P1と、ユーザ情報を利用する情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関する取引処理を制御する。具体的には、取引部131は、図3に示すように、受信部132と、格納部133と、提供部134とを有する。
受信部132は、提供者端末10から、提供者端末10又は情報提供者P1に関するユーザ情報を受信する。例えば、受信部132は、提供者端末10の送信部19から、ユーザ情報と、提供者識別子と、関係者識別子と、ユーザ情報の取得日時とを受信する。
格納部133は、受信部132によって受信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。具体的には、格納部133は、受信部132によって受信された取得日時と提供者識別子と関係者識別子とに対応付けて、ユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。例えば、格納部133は、ユーザ情報として位置情報及び気圧情報が受信された場合には、位置情報及び気圧情報をユーザ情報記憶部121に格納する。
なお、上記例では、提供者端末10がユーザ情報の取得日時を情報取引装置100に送信する例を示したが、この例に限られず、提供者端末10は、取得日時を情報取引装置100に送信しなくてもよい。この場合、格納部133は、受信部132によってユーザ情報が受信された受信日時をユーザ情報記憶部121の取得日時に格納する。
提供部134は、利用者端末20からユーザ情報の取得要求を受け付けた場合に、受け付けた取得要求に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する。
具体的には、提供部134は、取得対象に対応するユーザ情報を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。例えば、提供部134は、ユーザ情報の種別を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。また、例えば、提供部134は、ユーザ情報が取得された取得日時の期間を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。また、例えば、提供部134は、ユーザ情報の種別と取得日時の期間との双方を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。一例を挙げて説明すると、提供部134は、ユーザ情報の種別が「位置情報」及び「気圧情報」であり、かつ、取得日時が「2013年11月1日〜11月15日」である特定情報を含む取得要求を受け付ける。
そして、提供部134は、このような取得要求に対応するユーザ情報をユーザ情報記憶部121から取得する。そして、提供部134は、取得要求の送信元である利用者端末20に対して、ユーザ情報記憶部121から取得したユーザ情報を提供する。
なお、提供部134は、ユーザ情報を利用者端末20に提供する前に、取得要求に対応するユーザ情報の利用料を算定し、算定した利用料を利用者端末20に通知してもよい。この場合、提供部134は、かかる利用料の支払いに了承する旨の通知を利用者端末20から受信した場合に、取得要求に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供してもよい。また、提供部134は、ユーザ情報だけでなく、ユーザ情報と提供者識別子との組合せを利用者端末20に提供してもよい。この場合、提供部134は、ユーザ情報記憶部121に記憶されている提供者識別子ではなく、提供者識別子を他の情報に変換し、変換後の提供者識別子を利用者端末20に提供してもよい。
決定部135は、取引部131によって制御される取引処理に関与したユーザへの報酬を決定する。具体的には、決定部135は、ユーザ情報を情報取引装置100に提供した情報提供者P1への報酬を決定する。さらに、決定部135は、情報提供者P1と情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関係する関係者への報酬を決定する。
決定部135による決定処理の一例について説明する。実施形態に係る決定部135は、提供部134によってユーザ情報が利用者端末20に提供された場合に、ユーザ情報を利用者端末20に提供したことに対する対価として、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者P1に支払う報酬額を算定する。具体的には、決定部135は、利用者端末20に提供されたユーザ情報の数が多い情報提供者ほど報酬額を高く算定する。
例えば、1個当たりのユーザ情報の販売価格である基準単価が「Y円」に決められているものとする。そして、提供部134によって利用者端末20に10個のユーザ情報が提供されたものとする。この場合、情報利用者Q1は、「10・Y円」の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払うことになる。また、この10個のユーザ情報のうち、5個のユーザ情報は情報提供者P1によって提供され、3個のユーザ情報は情報提供者P2によって提供され、2個のユーザ情報は情報提供者P3によって提供されたものとする。この場合、決定部135は、例えば、情報提供者P1に対する報酬額として「5・α・Y円」を算定し、情報提供者P2に対する報酬額として「3・α・Y円」を算定し、情報提供者P3に対する報酬額として「2・α・Y円」を算定する。なお、「α」は、「0」より大きい値である。ただし、この例に限られず、決定部135は、情報提供者ごとに上記「α」の値を変動させてもよい。例えば、決定部135は、上記例において、情報提供者P1に対する報酬額として「5・α1・Y円」を算定し、情報提供者P2に対する報酬額として「3・α2・Y円」を算定し、情報提供者P3に対する報酬額として「2・α3・Y円」を算定してもよい。
また、決定部135は、提供部134によってユーザ情報が利用者端末20に提供された場合に、提供者端末10がユーザ情報を情報取引装置100に提供することを支援した提供支援者である関係者に支払う報酬額を算定する。図1の例の場合、決定部135は、提供者端末10が情報取引装置100へユーザ情報を提供するための情報提供アプリを開発した開発元である提供支援者への報酬を決定する。具体的には、提供者端末10は、関係者R1によって開発された情報提供アプリを用いて、ユーザ情報を情報取引装置100に提供する。すなわち、情報提供アプリの開発元である関係者R1は、提供者端末10によるユーザ情報の提供を支援する提供支援者となる。
ここで、決定部135は、ユーザ情報の取引に対する関係者の貢献度に応じて、関係者への報酬を決定する。具体的には、決定部135は、利用者端末20に提供されたユーザ情報の数が多い関係者ほど報酬額を高く算定する。例えば、上記例と同様に、ユーザ情報の基準単価が「Y円」であり、提供部134によって利用者端末20に10個のユーザ情報が提供されたものとする。また、この10個のユーザ情報のうち、5個のユーザ情報は関係者R1を介して情報取引装置100に提供され、3個のユーザ情報は関係者R2を介して提供され、2個のユーザ情報は関係者R3を介して提供されたものとする。この場合、利用者端末20へのユーザ情報の提供に対する関係者R1の貢献度が最も高く、関係者R2の貢献度が2番目に高く、関係者R3の貢献度が最も低いといえる。そこで、決定部135は、例えば、関係者R1に対する報酬額として「5・β・Y円」を算定し、関係者R2に対する報酬額として「3・β・Y円」を算定し、関係者R3に対する報酬額として「2・β・Y円」を算定する。なお、「β」は、「0」より大きい値である。ただし、この例に限られず、決定部135は、関係者ごとに上記「α」の値を変動させてもよい。例えば、決定部135は、上記例において、関係者R1に対する報酬額として「5・β1・Y円」を算定し、関係者R2に対する報酬額として「3・β2・Y円」を算定し、関係者R3に対する報酬額として「2・β3・Y円」を算定してもよい。
そして、決定部135は、情報提供者P1に対応する報酬額を提供者端末10に通知するとともに、関係者R1に対応する報酬額を関係者R1によって利用される端末装置に通知する。なお、決定部135は、上記において算定して報酬額を情報提供者P1や関係者R1に入金する入金処理を行ってもよい。
また、上記例において、決定部135は、上述した「α」や「β」の値を1よりも小さくすることで、情報提供者P1及び関係者R1への報酬額の合計が情報利用者Q1から得た利用料以下となるように各報酬額を算定してもよい。すなわち、決定部135は、情報利用者Q1から得られる利用料の一部を情報提供者P1や関係者R1に還元することで、情報取引装置100の管理者等は利益を得ることができる。
なお、上記の通り、情報流通システム1には複数の関係者が含まれてもよい。ここで、各関係者によって開発される情報提供アプリの仕様や品質は、関係者毎に異なることが考えられる。情報取引装置100の管理者等は、各関係者から情報提供アプリを提示された場合に、正規の情報提供アプリとして認めるか否かを判断してもよい。この場合、決定部135は、非正規の情報提供アプリを開発した関係者よりも、正規の情報提供アプリを開発した関係者への報酬額を高く算定してもよい。
〔4.情報格納処理手順〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報流通システム1による情報格納処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報流通システム1による情報格納処理手順を示すシーケンス図である。
図5に示すように、提供者端末10は、関係者装置30から情報提供アプリをダウンロードし、情報提供アプリをインストールする(ステップS101)。続いて、提供者端末10は、ユーザ情報の送信タイミングであるか否かを判定する(ステップS102)。そして、提供者端末10は、送信タイミングでない場合には(ステップS102;No)、送信タイミングになるまで待機する。
一方、提供者端末10は、送信タイミングになった場合に(ステップS102;Yes)、検知部14を制御することにより、各種ユーザ情報(例えば、位置情報、気圧情報、収音情報、照度情報、傾度情報など)を取得する(ステップS103)。
続いて、提供者端末10は、ユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS104)。例えば、提供者端末10は、ユーザ情報、提供者識別子、関係者識別子、ユーザ情報の取得日時を情報取引装置100に送信する。
そして、情報取引装置100は、提供者端末10から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する(ステップS105)。例えば、情報取引装置100は、提供者識別子、関係者識別子及び取得日時に対応付けて、ユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。
〔5.情報提供処理手順〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報流通システム1による情報提供処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報流通システム1による情報提供処理手順を示すシーケンス図である。
図6に示すように、利用者端末20は、ユーザ情報の取得要求を送信する旨の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。そして、利用者端末20は、取得要求を送信する旨の指示を受け付けていない場合には(ステップS201;No)、かかる指示を受け付けるまで待機する。
一方、利用者端末20は、取得要求の送信指示を受け付けた場合には(ステップS201;Yes)、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS202)。
続いて、情報取引装置100は、取得要求に対応するユーザ情報の利用料を算定し(ステップS203)、算定した利用料を利用者端末20に通知する(ステップS204)。続いて、情報取引装置100は、例えば、利用料の支払いに了承する旨の通知を利用者端末20から受信した場合に、取得要求に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS205)。この後に、利用者端末20の情報利用者Q1は、ステップS204において通知された利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS206)。
続いて、情報取引装置100は、情報提供者P1及び関係者R1への報酬を決定する(ステップS207)。そして、情報取引装置100は、報酬に関する情報を情報提供者P1及び関係者R1に通知する(ステップS208、S209)。
なお、図6では、情報取引装置100が、ユーザ情報の利用料を利用者端末20に通知した後に、ユーザ情報を利用者端末20に提供する例を示した。しかし、この例に限られず、情報取引装置100は、ユーザ情報の利用料を利用者端末20に通知することなく、ユーザ情報を利用者端末20に提供してもよい。図6では、情報利用者Q1が利用料を支払った後に、情報取引装置100が情報提供者P1及び関係者R1への報酬を決定する例を示した。しかし、この例に限られず、情報取引装置100は、情報利用者Q1が利用料を支払う前に、情報提供者P1及び関係者R1への報酬を決定し、決定した報酬を通知してもよい。
〔6.変形例〕
上述した実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。
〔6−1.関係者(1)〕
また、上記実施形態では、関係者R1が情報提供アプリを開発した開発者である例を示した。すなわち、上記実施形態では、関係者R1が、提供者端末10によるユーザ情報の提供を情報提供アプリによって支援する提供支援者である例を示した。しかし、提供支援者は、情報提供アプリの開発者でなくてもよい。例えば、提供支援者は、情報提供者P1から提供されるユーザ情報を情報取引装置100に仲介する仲介者であってもよい。この点について、図7を用いて説明する。図7は、変形例に係る情報取引処理の一例を示す図である。
図7に示すように、情報流通システム2には、図1に示した関係者装置30の代わりに、関係者装置40が含まれる。関係者装置40は、関係者R11によって利用される情報処理装置である。関係者R11は、情報提供者P1から提供されるユーザ情報を情報取引装置100に仲介する仲介者である。例えば、関係者R11は、情報提供者P1に対して、ユーザ情報を情報取引装置100に仲介する仲介サービスを提供する。図7の例の場合、関係者装置40によって仲介サービスが提供されるものとする。
このような関係者R11は、例えば、情報提供者からユーザ情報を収集し、収集したユーザ情報を情報取引装置100に販売することで利益を得る企業や団体や自治体などに該当する。例えば、関係者R11が所定地域の自治体に該当する場合、関係者R11は、関係者装置40による仲介サービスを所定地域に所在する情報提供者に提供する。これにより、関係者R11は、例えば、所定地域に所在する情報提供者の位置情報を効率良く収集することができる。そして、情報取引装置100は、自治体である関係者R11からユーザ情報を購入することで、所定地域に所在する情報提供者の位置情報を効率良く蓄積することが可能となる。なお、関係者R11は、情報提供者から収集したユーザ情報を加工し、加工後のユーザ情報を情報取引装置100に販売してもよい。例えば、関係者装置40は、提供者端末10から取得した位置情報に基づいて地域毎の人口分布を求めたり、位置情報及び収音情報に基づいて地域毎の騒音分布などを求めてもよく、これらの人口分布や騒音分布などを情報取引装置100に提供する。
ここで、関係者装置40によって提供される仲介サービスの一例について説明する。関係者装置40は、例えば、ユーザ情報を情報取引装置100にアップロードするためのウェブサイトを情報提供者P1に提供する。または、関係者装置40は、例えば、ユーザ情報を収集するための情報提供アプリを情報提供者P1に提供し、情報提供アプリによって提供者端末10からユーザ情報を取得する。
また、関係者装置40は、ニュースサイト、ショッピングサイト、オークションサイト、路線検索サイト、ウェブログサイト等の一般的な情報提供サイトを情報提供者P1に提供してもよい。この場合、関係者装置40は、情報提供サイトにおける情報提供者P1の行動履歴をユーザ情報として情報取引装置100に送信する。また、関係者装置40は、情報提供サイトがウェブログサイトである場合には、ブログパーツを含む情報提供サイトを情報提供者P1に提供してもよい。この場合、関係者装置40は、情報提供者P1にブログパーツを選択する操作(例えば、クリック操作又はタップ操作)が行われた場合に、ユーザ情報を情報取引装置100に送信してもよい。
図7に示す情報取引装置100は、ユーザ情報の取引に関係する関係者R11への報酬を決定する。この点について、図7の例を用いて説明する。
図7に示した例において、提供者端末10は、ユーザ情報を関係者装置40に送信する(ステップS20)。例えば、提供者端末10の送信部19は、ユーザ情報と、提供者識別子と、ユーザ情報の取得日時とを関係者装置40に送信する。なお、提供者端末10には、図1に示した関係者R1によって開発された情報提供アプリがインストールされていることを要しない。この場合、提供者端末10は、情報提供者P1による操作に従って、ユーザ情報を関係者装置40に送信する。または、上述したような情報提供アプリが関係者装置40によって開発されている場合には、提供者端末10は、関係者装置40から提供される情報提供アプリをインストールすることで、ユーザ情報を関係者装置40に送信する。
そして、関係者装置40は、提供者端末10から受信したユーザ情報を蓄積する。関係者装置40は、図7に図示しない提供者端末10以外の他の提供者端末からもユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報を蓄積する。そして、関係者装置40は、提供者端末10から受信したユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS21)。具体的には、関係者装置40は、提供者端末10から受信したユーザ情報、提供者識別子及び取得日時に加えて、関係者R11又は関係者装置40を識別するための関係者識別子を情報取引装置100に送信する。
そして、情報取引装置100の受信部132は、関係者装置40から送信されるユーザ情報を受信する。そして、情報取引装置100の格納部133は、受信部132によって受信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。このとき、格納部133は、受信部132によって受信された提供者識別子、関係者識別子及び取得日時に対応付けてユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。このようにして、情報取引装置100は、ユーザ情報をデータ資産としてユーザ情報記憶部121に蓄積する。なお、情報流通システム2には、複数台の関係者装置40が含まれていてもよい。この場合、情報取引装置100は、複数の関係者装置40から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部121に蓄積する。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Q1による操作に従って、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS22)。続いて、情報取引装置100の提供部134は、利用者端末20から受け付けた取得要求に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS23)。この後に、情報利用者Q1は、ユーザ情報の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS24)。
そして、情報取引装置100の決定部135は、情報提供者P1及び関係者R11に対する報酬を決定する(ステップS25)。決定部135による決定処理は、図1〜図6を用いて説明した決定部135による処理と同様である。具体的には、決定部135は、ステップS20においてユーザ情報を提供したことに対する対価として、情報提供者P1に支払う報酬額を算定する。また、決定部135は、情報提供者P1によるユーザ情報の提供を支援したことに対する対価として、関係者R11に支払う報酬額を算定する。例えば、決定部135は、ユーザ情報の提供量が多い情報提供者P1及び関係者R11ほど報酬額を高く算定する。また、例えば、決定部135は、利用料が高額であるユーザ情報の送信元である情報提供者P1ほど報酬額を高く算定し、利用料が高額であるユーザ情報の取引に関係した関係者R1ほど報酬額を高く算定する。
そして、決定部135は、ステップS23において利用者端末20に提供したユーザ情報の送信元である情報提供者P1に対して、ステップS25において算定した報酬額を通知する(ステップS26)。さらに、決定部135は、関係者R11に対して、ステップS25において算定した報酬額を通知する(ステップS27)。このとき、決定部135は、通知処理に加えて、報酬額を情報提供者P1や関係者R11に入金する入金処理を行ってもよい。または、決定部135は、通知処理を行わずに入金処理を行ってもよい。
なお、図7では、提供者端末10に報酬を通知する通知処理を情報取引装置100が行う例を示した。しかし、情報取引装置100は、情報提供者P1の報酬を関係者装置40に通知してもよい。この場合、関係者装置40は、情報提供者P1の報酬を提供者端末10に通知する。
このように、図7に示した情報取引装置100は、ユーザ情報の流通に貢献した関係者R11に対しても報酬を還元する。これにより、情報取引装置100は、関係者R11のモチベーションを向上させることができるので、関係者装置40によって提供される仲介サービスの向上を促進することができる。この結果、情報取引装置100は、ユーザ情報記憶部121に多数のユーザ情報を蓄積することができる。このことは、情報取引装置100の利用者数の増加を促進するので、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
〔6−2.関係者(2)〕
また、上述した提供支援者は、例えば、提供者端末10によって取得されたユーザ情報を管理する情報管理者であってもよい。この点について、図8を用いて説明する。図8は、変形例に係る情報取引処理の一例を示す図である。
図8に示すように、情報流通システム3には、図1に示した関係者装置30の代わりに、関係者装置50が含まれる。関係者装置50は、関係者R12によって利用される情報処理装置である。関係者R12は、提供者端末10によって取得される各種ユーザ情報を管理する情報管理者である。例えば、関係者R12は、情報提供者P1に対して、ユーザ情報を管理するクラウドサービスを提供する。図8の例の場合、関係者装置50によってクラウドサービスが提供されるものとする。
図8に示す情報取引装置100は、ユーザ情報の取引に関係する関係者R12への報酬を決定する。この点について、図8の例を用いて説明する。
図8に示した例において、提供者端末10は、ユーザ情報を関係者装置50に送信する(ステップS30)。例えば、提供者端末10の送信部19は、ユーザ情報と、提供者識別子と、ユーザ情報の取得日時とを関係者装置50に送信する。なお、提供者端末10には、図1に示した関係者R1によって開発された情報提供アプリがインストールされていることを要しない。この場合、提供者端末10は、情報提供者P1による操作に従って、ユーザ情報を関係者装置50に送信する。または、上述したような情報提供アプリが関係者装置50によって開発されている場合には、提供者端末10は、関係者装置50から提供される情報提供アプリをインストールすることで、ユーザ情報を関係者装置50に送信する。
そして、関係者装置50は、提供者端末10から受信したユーザ情報を蓄積する。関係者装置50は、図8に図示しない提供者端末10以外の他の提供者端末からもユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報を蓄積する。そして、関係者装置50は、提供者端末10から受信したユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS31)。具体的には、関係者装置50は、提供者端末10から受信したユーザ情報、提供者識別子及び取得日時に加えて、関係者R12又は関係者装置50を識別するための関係者識別子を情報取引装置100に送信する。
そして、情報取引装置100の受信部132は、関係者装置50から送信されるユーザ情報を受信する。そして、情報取引装置100の格納部133は、受信部132によって受信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。このとき、格納部133は、受信部132によって受信された提供者識別子、関係者識別子及び取得日時に対応付けてユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。このようにして、情報取引装置100は、ユーザ情報をデータ資産としてユーザ情報記憶部121に蓄積する。なお、情報流通システム3には、複数台の関係者装置50が含まれていてもよい。この場合、情報取引装置100は、複数の関係者装置50から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部121に蓄積する。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Q1による操作に従って、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS32)。続いて、情報取引装置100の提供部134は、利用者端末20から受け付けた取得要求に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS33)。この後に、情報利用者Q1は、ユーザ情報の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS34)。
そして、情報取引装置100の決定部135は、情報提供者P1及び関係者R12に対する報酬を決定する(ステップS35)。決定部135による決定処理は、図1〜図6を用いて説明した決定部135による処理と同様である。具体的には、決定部135は、ステップS30においてユーザ情報を提供したことに対する対価として、情報提供者P1に支払う報酬額を算定する。また、決定部135は、情報提供者P1によるユーザ情報の提供を支援したことに対する対価として、関係者R12に支払う報酬額を算定する。例えば、決定部135は、ユーザ情報の提供量が多い情報提供者P1及び関係者R12ほど報酬額を高く算定する。
そして、決定部135は、ステップS33において利用者端末20に提供したユーザ情報の送信元である情報提供者P1に対して、ステップS35において算定した報酬額を通知する(ステップS36)。さらに、決定部135は、関係者R12に対して、ステップS35において算定した報酬額を通知する(ステップS37)。このとき、決定部135は、通知処理に加えて、報酬額を情報提供者P1や関係者R12に入金する入金処理を行ってもよい。または、決定部135は、通知処理を行わずに入金処理を行ってもよい。
なお、図8では、提供者端末10に報酬を通知する通知処理を情報取引装置100が行う例を示した。しかし、情報取引装置100は、情報提供者P1の報酬を関係者装置50に通知してもよい。この場合、関係者装置50は、情報提供者P1の報酬を提供者端末10に通知する。
このように、図8に示した情報取引装置100は、ユーザ情報の流通に貢献した関係者R12に対しても報酬を還元する。これにより、情報取引装置100は、関係者R12のモチベーションを向上させることができるので、関係者装置50によって提供されるクラウドサービスの向上を促進することができる。この結果、情報取引装置100は、ユーザ情報記憶部121に多数のユーザ情報を蓄積することができる。このことは、情報取引装置100の利用者数の増加を促進するので、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
なお、図8の例では、関係者R12が情報提供者P1にクラウドサービスを提供する例を示したが、上述した関係者R12は、情報利用者Q1にクラウドサービスを提供してもよい。この場合、関係者装置50は、情報利用者Q1が情報取引装置100から取得したユーザ情報を管理する。また、関係者R12は、図7に示した関係者R11にクラウドサービスを提供してもよい。この場合、関係者装置50は、関係者装置40が提供者端末10から取得したユーザ情報を管理する。また、関係者R12は、情報取引装置100の管理者等にクラウドサービスを提供してもよい。この場合、関係者装置50は、情報取引装置100が提供者端末10から取得したユーザ情報を管理する。このように、関係者R12が情報提供者P1以外の者(例えば、情報利用者Q1、関係者R11など)にクラウドサービスを提供する場合であっても、情報取引装置100は、情報利用者Q1から得られる利用料を関係者R12に報酬として還元する。
〔6−3.関係者(3)〕
また、上記実施形態では、関係者が情報提供者P1を支援する提供支援者である例を示した。しかし、関係者は、情報利用者Q1を支援する利用支援者であってもよい。このような提供支援者の例としては、例えば、情報取引装置100から情報利用者Q1へユーザ情報を仲介する仲介者が挙げられる。この点について、図9を用いて説明する。図9は、変形例に係る情報取引処理の一例を示す図である。
図9に示すように、情報流通システム4には、図1に示した関係者装置30の代わりに、関係者装置60が含まれる。関係者装置60は、関係者R13によって利用される情報処理装置である。関係者R13は、情報取引装置100から提供されるユーザ情報を利用者端末20に仲介する仲介者である。例えば、関係者R13は、情報提供者P1に対して、ユーザ情報を利用者端末20に仲介する仲介サービスを提供する。図9の例の場合、関係者装置60によって仲介サービスを提供されるものとする。
一例を挙げて説明すると、関係者R13は、例えば、情報取引装置100から取得したユーザ情報を加工し、加工後のユーザ情報を利用者端末20に販売することで利益を得る企業や団体や自治体などに該当する。例えば、関係者装置60は、情報取引装置100から取得した位置情報に基づいて地域毎の人口分布を求めたり、位置情報及び収音情報に基づいて地域毎の騒音分布などを求めてもよく、これらの人口分布や騒音分布などを利用者端末20に提供する。これにより、情報利用者Q1は、所望の状態に加工されたユーザ情報を取得することができる。
図9に示す情報取引装置100は、ユーザ情報の取引に関係する関係者R13への報酬を決定する。この点について、図9の例を用いて説明する。
図9に示した例において、提供者端末10は、ユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS40)。例えば、提供者端末10の送信部19は、ユーザ情報と、提供者識別子と、ユーザ情報の取得日時とを情報取引装置100に送信する。
そして、情報取引装置100は、提供者端末10から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。具体的には、情報取引装置100は、提供者端末10から受信した提供者識別子及び取得日時に対応付けてユーザ情報をユーザ情報記憶部121に格納する。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Q1による操作に従って、ユーザ情報の取得要求を関係者装置60に送信する(ステップS41)。続いて、関係者装置60は、利用者端末20から受け付けた取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS42)。このとき、関係者装置60は、利用者端末20から加工後のユーザ情報が要求されている場合には、加工後のユーザ情報に必要となるユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する。
続いて、情報取引装置100の提供部134は、関係者装置60から受け付けた取得要求に対応するユーザ情報を関係者装置60に提供する(ステップS43)。続いて、関係者装置60は、情報取引装置100から提供されたユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS44)。このとき、関係者装置60は、利用者端末20から加工後のユーザ情報が要求されている場合には、情報取引装置100から提供されたユーザ情報を加工し、加工後のユーザ情報を利用者端末20に提供する。
この後に、情報利用者Q1は、ユーザ情報の利用料を関係者R13等に支払う(ステップS45)。また、関係者R13は、ユーザ情報の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS46)。
そして、情報取引装置100の決定部135は、情報提供者P1及び関係者R13に対する報酬を決定する(ステップS47)。具体的には、決定部135は、ステップS20においてユーザ情報を提供したことに対する対価として、情報提供者P1に支払う報酬額を算定する。例えば、決定部135は、ユーザ情報の提供量が多い情報提供者P1ほど報酬額を高く算定する。また、決定部135は、情報利用者Q1に対してユーザ情報を仲介したことに対する対価として、関係者R13に支払う報酬額を算定する。例えば、決定部135は、関係者装置60から要求されたユーザ情報の量が多い関係者R13ほど報酬額を高く算定する。
そして、決定部135は、ステップS43において関係者装置60に提供したユーザ情報の送信元である情報提供者P1に対して、ステップS47において算定した報酬額を通知する(ステップS48)。さらに、決定部135は、関係者R13に対して、ステップS37において算定した報酬額を通知する(ステップS49)。このとき、決定部135は、通知処理に加えて、報酬額を情報提供者P1や関係者R13に入金する入金処理を行ってもよい。または、決定部135は、通知処理を行わずに入金処理を行ってもよい。
なお、図9の例の場合、ユーザ情報記憶部121には、関係者識別子が含まれなくてもよい。一方、情報取引装置100は、関係者R13を識別するための関係者識別子に対応付けて、関係者R13から要求されたユーザ情報の量を所定の記憶部に記憶してもよい。この場合、情報取引装置100は、所定の記憶部に記憶されているユーザ情報の量に基づいて、関係者R13への報酬を決定してもよい。
このように、図9に示した情報取引装置100は、ユーザ情報の流通に貢献した関係者R13に対しても報酬を還元する。これにより、情報取引装置100は、関係者R13のモチベーションを向上させることができるので、関係者装置60によって提供される仲介サービスの向上を促進することができる。このことは、情報取引装置100の利用者数(例えば、情報利用者の利用者数)の増加を促進するので、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
なお、上述した関係者R13は、情報利用者Q1が所望するユーザ情報を収集する収集代行者であってもよい。この場合、関係者装置60は、情報利用者Q1からの要求に応じて、ユーザ情報を情報取引装置100に要求することで、情報利用者Q1が所望するユーザ情報を収集する。
また、関係者装置60は、ユーザ情報を収集するためのウェブサイトを情報利用者Q1に提供してもよい。例えば、関係者装置60は、情報取引装置100が有するユーザ情報の種別や利用料などが掲載されたウェブサイトを情報利用者Q1に提供する。この場合、関係者装置60は、かかるウェブサイトにおいて情報利用者Q1に指定されたユーザ情報を情報取引装置100から取得し、取得したユーザ情報を利用者端末20に送信する。この例の場合、関係者R13は、ウェブサイトを開発する開発者となる。
また、図8に示した関係者R12は、図9に示した関係者R13にクラウドサービスを提供してもよい。この場合、関係者装置50は、関係者装置60が情報取引装置100から取得したユーザ情報を管理する。
〔6−4.関係者(4)〕
また、上述してきた関係者は、ユーザ情報の品質を保証する品質保証者であってもよい。例えば、品質保証者は、ユーザ情報の品質を検査する検査アプリ等を情報提供者P1に提供する。また、例えば、品質保証者は、情報提供者P1から要求に応じて、ユーザ情報の品質を検査する検査サービスを情報提供者P1に提供する。情報取引装置100は、このような品質保証者に対しても報酬を還元する。
また、上述してきた関係者は、情報提供者P1や情報利用者Q1に発生した損害を補填する損害補填者であってもよい。例えば、損害補填者は、情報提供アプリに不具合により提供者端末10からユーザ情報が消去された場合等に、情報提供者P1に対して金銭等により損害を補填する。また、例えば、損害補填者は、情報利用者Q1が所望のユーザ情報を取得できなかった場合に、情報利用者Q1に対して金銭や代わりのユーザ情報により損害を補填する。情報取引装置100は、このような損害補填者に対しても報酬を還元する。
また、上述してきた情報流通システム1〜4には、複数の関係者が含まれてもよい。例えば、情報流通システム1には、関係者R1だけでなく、関係者R11、R12、R13の一部又は全てが含まれてもよい。この場合、情報取引装置100は、各関係者に報酬を還元する。
〔6−5.報酬(1)〕
また、上記実施形態では、ユーザ情報の提供量に基づく貢献度に応じて、情報提供者P1及び関係者R1、R11、R12、R13の報酬額を算定する例を示した。しかし、情報取引装置100は、ユーザ情報の提供量に限られず、他の要因に基づいて貢献度を算出してもよい。そして、情報取引装置100は、他の要因に基づく貢献度に応じて報酬額を算定してもよい。例えば、情報取引装置100は、情報提供者P1と情報利用者Q1との間で取引されたユーザ情報の価値に影響を与える要因情報に基づいて、関係者の貢献度を算出してもよい。
以下、図10を用いて、ユーザ情報の市場状況が要因情報である例について説明する。なお、以下では、主に図1の例を用いて説明する。また、以下に説明する情報取引装置100は、ユーザ情報を利用者端末20に提供するたびに報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよいし、所定期間毎に報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよい。
図10は、変形例に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す図である。変形例に係る情報取引装置100は、図4に示したユーザ情報記憶部121の代わりに、図10に示したユーザ情報記憶部122を有する。図10に示すように、ユーザ情報記憶部122の「ユーザ情報」は、種別毎に「値」と「提供回数」といった項目に分けられる。「値」は、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。「提供回数」は、過去にユーザ情報が情報取引装置100から利用者端末20(図9の例の場合、関係者装置60)に提供された回数を示す。
そして、変形例に係る情報取引装置100の決定部135は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている各種情報を用いてユーザ情報の市場状況を評価し、評価した市場状況に基づいて情報提供者P1及び関係者R1の貢献度を算出する。ここで、市場状況とは、現時点でのユーザ情報のニーズ(言い換えれば、人気度)等に該当する。具体的には、決定部135は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている各ユーザ情報の提供回数を用いることで、現時点での各ユーザ情報の市場状況を評価する。そして、決定部135は、評価結果である市場状況に基づいて、情報提供者P1及び関係者R1の貢献度を算出する。
より具体的に説明すると、決定部135は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている「提供回数」に基づいて、ユーザ情報における需要の度合い又は供給の度合い(言い換えれば、ニーズや人気度)を市場状況として評価する。具体的には、決定部135は、各ユーザ情報の「提供回数」をユーザ情報記憶部121から取得し、取得した「提供回数」が大きい値であるほど、ユーザ情報のニーズ(すなわち、需要の度合いや供給の度合い)が高いと評価する。一方、決定部135は、「提供回数」が小さい値であるほど、ユーザ情報のニーズが低いと評価する。そして、決定部135は、利用者端末20に提供したユーザ情報のニーズが高いほど、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者P1の貢献度や、かかるユーザ情報の提供を支援した関係者R1の貢献度を高く算出する。そして、決定部135は、このようにして算出した貢献度が高い情報提供者P1や関係者R1ほど報酬額を高く算定する。
なお、この例の場合、情報取引装置100の提供部134は、利用者端末20にユーザ情報を提供した場合に、かかるユーザ情報に対応するユーザ情報記憶部122の提供回数に「1」を加算する。
このように、情報取引装置100は、ユーザ情報の市場状況に応じて貢献度を算出することで、情報提供者P1及び関係者R1への適正な報酬額を算定することができる。すなわち、情報取引装置100は、公平な報酬額を情報提供者P1及び関係者R1に提供することができるので、情報取引装置100の利用者数の増加を促進することができる。この結果、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
なお、上述した変形例では、実際にユーザ情報が利用者端末20に提供された提供回数がユーザ情報記憶部122に記憶される例を示した。そして、上述した変形例では、決定部135が、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供回数に基づいて、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を算出する例を示した。しかし、ユーザ情報記憶部122は、ユーザ情報毎に、実際に利用者端末20に提供されたか否かに関係なく、ユーザ情報が利用者端末20から要求された要求回数を記憶してもよい。具体的には、利用者端末20は、取得要求を情報取引装置100に送信した場合であっても、ユーザ情報の利用料によっては情報取引装置100からユーザ情報を取得しないことがある。しかし、取得要求の対象となったユーザ情報はニーズ(すなわち、需要の度合い)が高いといえる。このため、決定部135は、上述した提供回数の代わりに、ユーザ情報記憶部122に記憶される要求回数(すなわち、過去に情報利用者Q1から要求された回数)を用いて、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を算定してもよい。また、ユーザ情報記憶部122は、提供回数及び要求回数の双方を記憶してもよい。この場合、決定部135は、ユーザ情報記憶部122に記憶される提供回数及び要求回数の双方を用いて、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を算出してもよい。
また、上述した変形例では、決定部135が、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供回数が多いほど貢献度を高く算出する例を示した。しかし、決定部135は、提供回数が少ないユーザ情報ほど貢献度を高く算出してもよい。これは、利用者端末20に提供された回数が少ないユーザ情報は、広く知られていない情報であるとも言え、情報利用者Q1にとって有益となる可能性があるからである。同様の理由により、決定部135は、ユーザ情報記憶部122に上記の要求回数が記憶される場合には、要求回数が少ないユーザ情報ほど貢献度を高く算出してもよい。
また、図10では、ユーザ情報記憶部122が、1個のユーザ情報毎に提供回数を記憶する例を示したが、この例に限られない。例えば、情報取引装置100によっては、1ヶ月単位でユーザ情報(例えば、取得日時が2013年11月であるユーザ情報や、取得日時が2013年10月〜12月であるユーザ情報)を利用者端末20に提供することが決められている場合がある。このような場合には、ユーザ情報記憶部122は、月毎に提供回数を記憶すればよい。
〔6−6.報酬(2)〕
また、上述した要因情報は、ユーザ情報の精度、粒度、希少性といったユーザ情報の特性を示す特性情報であってもよい。以下、図11を用いて、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報がユーザ情報の特性情報である例について説明する。なお、以下では、主に図1の例を用いて説明する。また、以下に説明する情報取引装置100は、ユーザ情報を利用者端末20に提供するたびに報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよいし、所定期間毎に報酬額を情報提供者P1や関係者R1に通知してもよい。
図11は、変形例に係るユーザ情報記憶部123の一例を示す図である。変形例に係る情報取引装置100は、図4に示したユーザ情報記憶部121の代わりに、図11に示したユーザ情報記憶部123を有する。図11に示すように、ユーザ情報記憶部123の「ユーザ情報」は、種別毎に、「値」、「精度」、「粒度」、「希少性」といった項目に分けられる。「値」は、図10に示した値と同様に、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。「精度」、「粒度」及び「希少性」は、ユーザ情報の特性を示す特性情報に該当し、すなわち、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報に該当する。具体的には、「精度」は、ユーザ情報の正確性を示す。「粒度」は、ユーザ情報の詳細度や細かさを示す。「希少性」は、ユーザ情報の同一種別の中で、他のユーザ情報と比較した場合におけるユーザ情報の希少価値を示す。
なお、図11に示した「精度」、「粒度」及び「希少性」には、「1」〜「5」の5段階によって示される評価値が記憶される。ここの例では、評価値「1」が最も低い価値を示し、評価値「5」が最も高い価値を示すものとする。
すなわち、「精度」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、提供者端末10の検知部14によって高精度に取得されたことを示す。具体的には、提供者端末10の検知部14によっては、ユーザ情報の取得処理における精度を算出する場合がある。例えば、検知部14の測位部14aは、位置情報を取得した場合に、取得した位置情報の正確性などを示す精度を算出する場合がある。このような精度算出機能は、一般的なセンサに搭載されていることが多い。そして、提供者端末10の取得部18は、検知部14によってユーザ情報の精度が算出された場合には、ユーザ情報と精度とを対応付けて記憶部15に格納する。また、提供者端末10の送信部19は、ユーザ情報に対応付けてユーザ情報の精度が記憶部15に記憶されている場合には、ユーザ情報とともに精度を情報取引装置100に送信する。情報取引装置100は、このような取得処理における精度を提供者端末10から受信し、受信した精度に応じてユーザ情報記憶部123の精度を更新する。
また、「粒度」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、ユーザ情報自体が詳細であることを示す。位置情報を例に挙げて説明すると、提供者端末10によっては、位置情報として、位置を詳細に特定することが可能な経度及び緯度を情報取引装置100に送信する場合がある。また、提供者端末10によっては、位置情報として、都道府県のみを情報取引装置100に送信する場合がある。また、提供者端末10によっては、位置情報として、都道府県及び市区町村を情報取引装置100に送信する場合がある。情報取引装置100は、このようなユーザ情報自体の粒度に応じてユーザ情報記憶部123の粒度を更新する。
また、「希少性」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、他のユーザ情報と比較して大きく異なるユーザ情報であることを示す。位置情報を例に挙げて説明すると、情報取引装置100が各提供者端末10から受信した複数の位置情報の中で、東京都内を示す位置情報が最も多く、岐阜県内を示す位置情報が最も少なかったものとする。この場合、東京都内を示す位置情報は、情報取引装置100での保持数が多いので希少性が低いことから、ユーザ情報記憶部123の希少性には低い評価値(例えば、「1」など)が格納される。一方、岐阜県内を示す位置情報は、情報取引装置100での保持数が少ないので希少性が高いことから、ユーザ情報記憶部123の希少性には高い評価値(例えば、「5」など)が格納される。
続いて、変形例に係る情報取引装置100について説明する。上記の通り、変形例に係る情報取引装置100の受信部132は、提供者端末10から、ユーザ情報とともにユーザ情報の取得処理における精度を受信する場合がある。この場合、情報取引装置100の格納部133は、受信部132によって受信された精度に基づいてユーザ情報記憶部123の精度に評価値(上記例では、「1」〜「5」のいずれか)を格納する。
また、格納部133は、受信部132によって受信されたユーザ情報の粒度を判定し、判定結果に基づいてユーザ情報記憶部123の粒度に評価値を格納する。例えば、格納部133は、ユーザ情報の種別毎に、各要因情報の評価値を決定するための閾値等を保持する。そして、格納部133は、受信部132によって受信されたユーザ情報と閾値等とを比較することで、各ユーザ情報の評価値を決定する。位置情報を例に挙げて説明すると、格納部133は、例えば、精度の各評価値に対応する閾値の範囲を保持する。また、格納部133は、例えば、位置情報が経度及び緯度である場合には粒度の評価値「5」、位置情報が都道府県のみである場合には粒度の評価値「1」といった情報を保持する。格納部133は、このような各評価値に対応する閾値等に基づいて、各要因情報の評価値を特定する。
また、格納部133は、ユーザ情報記憶部123に記憶されている要因情報のうち、動的に変動する可能性のある要因情報を定期的(例えば、1日毎)に更新する。図11の例を用いて説明すると、ユーザ情報記憶部123に記憶されている要因情報「精度」、「粒度」、「希少性」のうち、他のユーザ情報との比較で決定される「希少性」は、ユーザ情報記憶部123に新たなユーザ情報が記憶されることで変動する可能性がある。したがって、図11の例の場合、格納部133は、ユーザ情報記憶部123の「希少性」を定期的に更新する。
この点について位置情報を例に挙げて説明すると、格納部133は、ユーザ情報記憶部123の項目「値」に記憶されている位置情報を参照することで、例えば都道府県毎に位置情報の数を計数する。そして、計数結果が最も少ない位置情報に対応する希少性を評価値「5」に更新し、計数結果が最も多い位置情報に対応する希少性を評価値「1」に更新する。また、この例に限られず、格納部133は、計数結果の平均値を算出し、算出した平均値と計数結果との差異が大きい位置情報ほど希少性を高い評価値に更新する。また、格納部133は、例えば、LOF(local outlier factor)などの外れ値検出法を用いて、希少性の評価値を更新してもよい。この例の場合、格納部133は、LOFの値が大きい位置情報ほど希少性を高い評価値に更新する。
なお、格納部133は、受信部132によってユーザ情報が受信されるたびに、ユーザ情報記憶部123の「希少性」を更新してもよい。また、格納部133は、希少性に限らず、ユーザ情報記憶部123に記憶されている「精度」や「粒度」についても更新してもよい。例えば、格納部133は、図3には図示しない記憶部に、受信部132によって受信されたユーザ情報の精度を格納する。そして、格納部133は、かかる記憶部を定期的に参照することで、ユーザ情報の種別毎に、精度の平均値を算出し、平均値よりも精度が高いユーザ情報ほど精度を高い評価値に更新する。同様にして、格納部133は、粒度の評価値についても定期的に更新してもよい。
上記では、要因情報の更新処理を格納部133が行う例を示した。しかし、情報取引装置100の制御部130は、要因情報の更新処理を行う更新部を有してもよい。
そして、変形例に係る情報取引装置100の決定部135は、ユーザ情報記憶部123に記憶されている要因情報「精度」、「粒度」及び「希少性」に基づいて、情報提供者P1及び関係者R1の貢献度を算出する。具体的には、決定部135は、利用者端末20に提供したユーザ情報に対応する要因情報(精度、粒度、希少性)の評価値が高いほど、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者P1の貢献度や、かかるユーザ情報の提供を支援した関係者R1の貢献度を高く算出する。そして、決定部135は、このようにして算出した貢献度が高い情報提供者P1や関係者R1ほど報酬額を高く算定する。
一例を挙げて説明すると、取得要求によって要求されているユーザ情報が位置情報であるものとする。この場合、決定部135は、ユーザ情報記憶部123から、全ての位置情報に対応する精度の評価値を取得し、取得した評価値の平均値を算出する。そして、決定部135は、評価値の平均値よりも、利用者端末20に提供したユーザ情報の精度の評価値が高いほど貢献度を高く算出する。一方、決定部135は、評価値の平均値よりも、利用者端末20に提供したユーザ情報の精度の評価値が低いほど貢献度を低く算出する。同様にして、決定部135は、粒度や希少性の評価値を用いて貢献度を算出する。
このように、情報取引装置100は、ユーザ情報の特性情報に応じて貢献度を算出することで、情報提供者P1及び関係者R1への適正な報酬額を算定することができる。すなわち、情報取引装置100は、公平な報酬額を情報提供者P1及び関係者R1に提供することができるので、情報取引装置100の利用者数の増加を促進することができる。この結果、情報取引装置100は、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
なお、上述した図11では、要因情報として、「精度」、「粒度」、「希少性」を例に挙げて説明した。しかし、この例に限られず、要因情報は、ユーザ情報の取得日時に基づく「鮮度」や、ユーザ情報が収集された期間に基づく「収集期間」や、収集期間における「取得日時の分布」などであってもよい。すなわち、ユーザ情報記憶部123は、要因情報として、「鮮度」、「収集期間」、「取得日時の分布」などを記憶してもよい。ここで、「鮮度」は、ユーザ情報の新しさを示す。例えば、ユーザ情報の取得日時が現在日時に近いほど、「鮮度」の評価値は高く設定される。また、「収集期間」は、同一の利用者端末20によって同一種別のユーザ情報が定期的又は連続的に取得された期間を示す。例えば、同一の利用者端末20によって定期的にユーザ情報が取得された期間が長いほど、「収集期間」の評価値は高く設定される。また、例えば、同一の利用者端末20によって取得されたユーザ情報における取得日時の間隔が短いほど、「収集期間」の評価値は高く設定される。
この場合、決定部135は、「鮮度」の評価値が高いほど(すなわち、ユーザ情報が新しいほど)、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者P1の貢献度や、かかるユーザ情報の提供を支援した関係者R1の貢献度を高く算出する。これは、新しいユーザ情報ほど、情報利用者Q1によって有益な情報となる可能性が高いからである。または、決定部135は、「鮮度」の評価値が高いほど(すなわち、ユーザ情報が新しいほど)、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を低く算出してもよい。これは、古いユーザ情報ほど取得困難な可能性が高く、情報利用者Q1によって有益な情報となる可能性があるからである。また、決定部135は、「収集期間」の評価値が高いほど、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を高く算出する。これは、長期間に渡って高密度に取得されたユーザ情報群は、情報利用者Q1によって有益な情報となる可能性が高いからである。
また、上述した図11の例において、決定部135は、取得要求によって要求されているユーザ情報の種別の組合せに基づいて、情報提供者P1や関係者R1の貢献度を算出してもよい。例えば、利用者端末20によっては、位置情報のみを要求する場合もあれば、同一情報提供者P1の位置情報と気圧情報と収音情報と照度情報と傾度情報との全てを要求する場合もあれば、位置情報等のユーザ情報に加えて提供者識別子を要求する場合もある。ここで、決定部135は、例えば、利用者端末20に提供したユーザ情報の種別数が多いほど、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者P1の貢献度や、かかるユーザ情報の提供を支援した関係者R1の貢献度を高く算出してもよい。
〔6−7.報酬(3)〕
また、上記実施形態において、決定部135は、情報利用者によるユーザ情報の利用状況に基づいて貢献度を算出してもよい。具体的には、情報利用者Q1は、情報取引装置100から取得したユーザ情報を活用したビジネスなどで収益を得る場合がある。この場合、情報取引装置100は、ユーザ情報を活用することで得られた収益に関する情報を情報利用者Q1(例えば、利用者端末20)から取得する。そして、情報取引装置100は、情報利用者Q1の収益が高いほど、その情報利用者Q1に提供したユーザ情報の送信元である情報提供者P1の貢献度や、かかるユーザ情報の提供を支援した関係者R1の貢献度を高く算出してもよい。
なお、上記例において、情報利用者Q1によっては、収益に関する情報を偽りなく情報取引装置100に提供しないことも考えられる。この場合、情報利用者Q1や情報取引装置100の管理者以外の第三者機関が、情報利用者Q1の収益を取得し、取得した収益を情報取引装置100に提供してもよい。この場合、第三者機関は、情報提供者P1と情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関係する関係者に該当する。このため、情報取引装置100の決定部135は、収益に関する情報を提供した第三者機関に対しても所定の報酬を還元してもよい。例えば、決定部135は、正確な収益に関する情報を提供した第三者機関ほど貢献度を高く算出することで、報酬額を高く算定してもよい。
〔6−8.報酬(4)〕
また、上記実施形態において、決定部135は、上述してきた関係者の信頼性に基づいて、関係者の貢献度を算出し、算出した貢献度に応じて関係者への報酬を決定してもよい。例えば、決定部135は、過去の関係者の実績に基づいて、関係者の信頼性を判定する。例えば、決定部135は、過去の取引実績に基づいて、不正取得されたユーザ情報の取引に関係した関係者や、改竄されたユーザ情報の取引に関係した関係者や、精度等の品質が所定値よりも低いユーザ情報の取引に関係した関係者ほど貢献度を低く算出し、その後の報酬額を低く算定する。
〔6−9.報酬(5)〕
また、上記実施形態において、決定部135は、情報提供者P1と関係者の関係性や、情報利用者Q1と関係者との関係性に基づいて、かかる関係者の貢献度を算出し、算出した貢献度に応じて関係者への報酬を決定してもよい。例えば、決定部135は、情報取引装置100を利用する頻度の高い情報提供者P1や情報利用者Q1(すなわち、情報取引装置100の常連者)と関与する関係者ほど貢献度を高く算出し、報酬額を高く算定してもよい。
〔6−10.報酬(6)〕
また、上記実施形態において、決定部135は、ユーザ情報の種別に応じて、上述してきた関係者の貢献度を算出し、算出した貢献度に応じて関係者への報酬を決定してもよい。具体的には、提供者端末10にとって取得することが困難であるユーザ情報や、情報取引装置100にとって不足しているユーザ情報が存在する。この場合、決定部135は、取得困難なユーザ情報の取引に関係した関係者ほど貢献度を高く算出し、不足しているユーザ情報の取引に関係した関係者ほど貢献度を高く算出してもよい。
〔6−11.報酬(7)〕
また、上記実施形態では、情報取引装置100が、情報利用者Q1から得られる利用料を情報提供者P1や各関係者に分配する例を示した。しかし、情報取引装置100は、提供者端末10からユーザ情報を受け付けた時点で、情報提供者P1や各関係者に報酬を還元してもよい。具体的には、情報取引装置100は、実際に利用者端末20に提供していないユーザ情報であっても、その後にそのユーザ情報を利用者端末20に提供する場合がある。このため、情報取引装置100の決定部135は、提供者端末10からユーザ情報を受け付けた場合に、受け付けたユーザ情報の数や市場状況や要因情報などに基づいて、情報提供者P1や各関係者への報酬額を算定してもよい。
〔6−12.報酬(8)〕
また、上記実施形態では、決定部135が、情報提供者P1や関係者への報酬として報酬額を算定する例を示した。しかし、決定部135は、金銭的な報酬以外の報酬を決定してもよい。例えば、決定部135は、情報取引装置100への会員登録料を無料にすること、又は、会員登録料を割引することを情報提供者P1や関係者への報酬としてもよい。また、例えば、決定部135は、情報取引装置100によってアプリが提供される場合には、かかるアプリの無料又は割引を情報提供者P1や関係者への報酬としてもよい。また、例えば、決定部135は、無料でアプリに広告が表示されないようにすることを情報提供者P1や関係者への報酬としてもよい。また、例えば、決定部135は、所定のウェブサイト上で利用可能なポイントや仮想通貨などを関係者への報酬として決定してもよい。
〔6−13.報酬(9)〕
上述してきた実施形態は、組み合わせることができる。具体的には、情報取引装置100は、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報として、「市場状況」、「精度」、「粒度」、「希少性」、「鮮度」、「収集期間」、「取得対象となっているユーザ情報の種別の組合せ」のうち一部又は全てを用いて、情報提供者P1や関係者の貢献度を算出することができる。また、情報取引装置100は、複数の要因情報を用いる場合には、重要度に応じた要因情報毎の重みを用いて、情報提供者P1や関係者の貢献度を算出してもよい。
〔6−14.メタ情報〕
また、上記実施形態では、情報取引装置100が、ユーザ情報を保持する例を示した。しかし、ユーザ情報は、情報取引装置100によって保持されるのではなく、提供者端末10によって保持されてもよい。以下、提供者端末10によってユーザ情報が保持される例について説明する。なお、以下では、主に図1の例を用いて説明する。
まず、図12を用いて、変形例に係る情報取引処理の一例について説明する。図12は、変形例に係る情報取引処理の一例を示す図である。図12では、情報流通システム5を例に挙げて、情報取引処理について説明する。
図12に示した情報取引装置100は、図4に示したユーザ情報記憶部121の代わりに、ユーザ情報記憶部124を有する。ユーザ情報記憶部124は、提供者端末10から提供されるユーザ情報のメタ情報を記憶する。メタ情報とは、例えば、提供者端末10において取得可能なユーザ情報の種別や、ユーザ情報を取得する取得期間や、ユーザ情報を取得する取得頻度などである。
ここで、図13に、変形例に係るユーザ情報記憶部124の一例を示す。図13に示すように、ユーザ情報記憶部124は、「提供者識別子」、「ユーザ情報」といった項目を有する。「提供者識別子」は、図4に示した提供者識別子に対応する。「ユーザ情報」は、図4の例と同様に、「位置情報」、「気圧情報」といった種別に分けられる。なお、図13では図示することを省略したが、「ユーザ情報」は、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」などの種別を有してもよい。
また、図13に示したユーザ情報は、種別毎に、「状態」、「取得期間」、「取得頻度」といった項目に分けられる。「状態」は、提供者端末10によってユーザ情報が取得されているか否かを示す。図13の例の場合、「状態」に「有」が記憶されている場合には、提供者端末10によってユーザ情報が取得されていることを示し、「状態」に「無」が記憶されている場合には、提供者端末10によってユーザ情報が取得されていないことを示す。「取得期間」は、ユーザ情報を取得する期間を示す。「取得頻度」は、ユーザ情報を取得する時間間隔を示す。
例えば、図13では、提供者識別子「U1」に対応する提供者端末10に位置情報及び気圧情報が蓄積されている例を示す。また、例えば、図13では、提供者識別子「U1」に対応する提供者端末10が、2013年に30分間隔で位置情報を取得する例を示す。また、例えば、図13では、提供者識別子「U1」に対応する提供者端末10によって取得された位置情報が過去に30回提供された例を示す。また、例えば、図13では、提供者識別子「U2」に対応する提供者端末10に位置情報が蓄積されているものの、気圧情報が蓄積されていない例を示す。
このようなユーザ情報記憶部124を有する情報取引装置100による処理について図12の例を用いて説明する。図12に示した例の場合、提供者端末10は、関係者装置30からダウンロードした情報提供アプリをインストールする(ステップS50)。そして、提供者端末10の送信部19は、情報提供アプリの制御に従って、ユーザ情報ではなく、ユーザ情報に関するメタ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS51)。例えば、送信部19は、メタ情報として、記憶部15に記憶されている取得条件を情報取引装置100に送信する。なお、提供者端末10の取得部18は、情報取引装置100に送信したメタ情報に対応するユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報を自装置(提供者端末10)に蓄積する。
そして、情報取引装置100は、提供者端末10から受信したメタ情報をユーザ情報記憶部124に格納する。情報取引装置100は、図12に図示しない提供者端末10以外の他の提供者端末からもメタ情報を受信し、受信したメタ情報をユーザ情報記憶部124に蓄積する。すなわち、図12に示した情報取引装置100は、ユーザ情報自体を蓄積するのではなく、各提供者端末10によって取得可能なユーザ情報の種別等をユーザ情報記憶部124に蓄積する。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Q1による操作に従って、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS52)。続いて、情報取引装置100の提供部134は、利用者端末20から取得要求を受け付けた場合に、ユーザ情報記憶部124に記憶されているメタ情報に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報を保持する提供者端末10に対してユーザ情報を要求する(ステップS53)。そして、提供者端末10の送信部19は、情報取引装置100からの要求に応答して、ユーザ情報を情報取引装置100に送信する(ステップS54)。
続いて、情報取引装置100は、提供者端末10から取得したユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS55)。この後に、情報利用者Q1は、ユーザ情報の利用料を情報取引装置100の管理者等に支払う(ステップS56)。
そして、情報取引装置100は、情報提供者P1及び関係者R1に対する報酬を決定する(ステップS57)。そして、情報取引装置100は、提供者端末10に報酬額を通知するとともに(ステップS58)、関係者R1によって利用される端末装置に報酬額を通知する(ステップS59)。
このように、図12に示した情報取引装置100は、ユーザ情報を保持しないので、ユーザ情報の漏洩を防止することができる。すなわち、情報取引装置100は、セキュリティの高い情報取引処理を実現することができる。
なお、上述した図12及び図13の例において、提供者端末10は、メタ情報として、「状態」や「取得期間」や「取得頻度」以外の情報を情報取引装置100に送信してもよい。例えば、提供者端末10は、メタ情報として、ユーザ情報を取得する地域に関する地域情報などを情報取引装置100に送信してもよい。この場合、情報取引装置100は、地域情報などをユーザ情報記憶部124に格納する。そして、情報取引装置100は、地域を特定する特定情報が取得要求に含まれる場合には、かかる特定情報を満たす提供者端末10からユーザ情報を収集する。
また、上記では、図13の例を図1の情報取引装置100に適用する例を示したが、図13の例は、上述した各種変形例にも適用することができる。
また、図13では、ユーザ情報記憶部124が、契約者識別子毎に、ユーザ情報を記憶する例を示したが、この例に限られない。例えば、ユーザ情報記憶部124は、取得日時及び契約者識別子に対応付けて、図13に示したユーザ情報を記憶してもよい。この場合、情報取引装置100は、提供者端末10によって取得されたユーザ情報の種別及び取得日時を定期的に提供者端末10から受信することで、ユーザ情報記憶部124を更新することができる。
〔6−15.情報提供者の同意〕
また、上述してきた情報取引装置100は、情報提供者から同意を得た場合に限り、ユーザ情報を情報利用者に提供してもよい。具体的には、情報取引装置100は、ユーザ情報を利用者端末20に提供することを許可する旨の許可情報を予め提供者端末10から受信し、受信した許可情報に基づいて利用者端末20にユーザ情報を提供する。
ここで、情報取引装置100が提供者端末10から受信する許可情報は、任意の形式であってよい。例えば、情報取引装置100は、利用者端末20に対するユーザ情報の提供を無条件に許可することを示す許可情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に無条件で提供する。また、例えば、情報取引装置100は、利用者端末20への提供を許可するユーザ情報の種別を含む許可情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、許可情報に含まれる種別に対応するユーザ情報のみを利用者端末20に提供する。また、例えば、情報取引装置100は、ユーザ情報の提供先となる情報利用者の業種を含む許可情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、情報利用者毎の業種を予め保持しておくか、ユーザ情報の取得要求とともに情報利用者の業種を利用者端末20から受け付ける。そして、情報取引装置100は、許可情報に含まれる業種と、情報利用者の業種とが一致する場合に、かかる許可情報を送信した提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する。
また、情報取引装置100が許可情報を受信するタイミングは、任意であってよい。例えば、情報取引装置100は、提供者端末10が情報取引装置100を利用することが決まった段階で、予め提供者端末10から許可情報を受信する。この場合、情報取引装置100は、予め受信しておいた許可情報に基づいて、提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する。また、例えば、情報取引装置100は、利用者端末20にユーザ情報を提供するたびに、提供者端末10に問い合わせることで、提供者端末10から許可情報を受信する。この場合、情報取引装置100は、提供者端末10から許可情報を受信できた場合に限り、受信した許可情報に基づいて利用者端末20にユーザ情報を提供する。
〔6−16.公開取引〕
また、上記実施形態では、情報取引装置100が、利用者端末20から取得要求を受け付けた場合に、取得要求に対応する利用料及びユーザ情報を利用者端末20に提供する例を示した。しかし、この例に限られず、情報取引装置100は、定期的にユーザ情報の利用料を算定し、算定したユーザ情報の利用料を公開してもよい。このとき、情報取引装置100は、公開中の利用料でユーザ情報を購入することができる期間についても公開してもよい。この場合、情報利用者Q1は、情報取引装置100によって公開されている利用料を参考にして、ユーザ情報を購入するか否かを判断することができる。
〔6−17.ユーザ情報〕
また、上記実施形態では、ユーザ情報として、位置情報や気圧情報や収音情報や照度情報や傾度情報などを例に挙げて説明したが、ユーザ情報の例はこれに限られない。例えば、ユーザ情報は、情報提供者の個人情報(例えば、「ウェブサイト上での行動履歴」、「アプリの利用履歴」、「年齢」、「職業」、「年収」、「家族構成」など)であってもよい。
〔6−18.その他〕
また、上述した各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示したユーザ情報記憶部121は、情報取引装置100が保持せずに、図示しないストレージサーバ等が保持してもよい。この場合、情報取引装置100は、ストレージサーバからユーザ情報等を取得する。
〔6−19.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報取引装置100は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図14は、情報取引装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る情報取引装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、ユーザ情報記憶部121内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報取引装置100は、取引部131と、決定部135とを有する。取引部131は、ユーザ情報を提供する情報提供者P1と、ユーザ情報を利用する情報利用者Q1との間におけるユーザ情報の取引に関する取引処理を制御する。決定部135は、情報提供者P1及び情報利用者Q1以外に取引に関係する関係者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報を提供した情報提供者P1だけでなく、ユーザ情報の取引に関係した関係者に対しても報酬を還元するので、関係者のモチベーションを向上させることができ、結果として、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報提供者P1が情報取引装置100へユーザ情報を提供することを支援する提供支援者である関係者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、関係者の一例である提供支援者のモチベーションを向上させることができるので、情報提供者P1から高品質なユーザ情報を大量に取得することができ、結果として、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報提供者P1によって利用される提供者端末10が情報取引装置100へユーザ情報を提供するための情報提供アプリを開発した開発元である提供支援者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、提供支援者の一例であるアプリ開発者のモチベーションを向上させることができるので、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報提供者P1から提供されるユーザ情報を情報取引装置100に仲介する仲介者である提供支援者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、提供支援者の一例である仲介者のモチベーションを向上させることができるので、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報利用者Q1が情報取引装置100からユーザ情報を取得することを支援する利用支援者である関係者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、関係者の一例である利用支援者のモチベーションを向上させることができるので、情報利用者Q1へユーザ情報を大量に提供することができ、結果として、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報取引装置100から提供されるユーザ情報を情報利用者Q1に仲介する仲介者である利用支援者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、利用支援者の一例である仲介者のモチベーションを向上させることができるので、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、関係者による取引に対する貢献度に応じて、関係者への報酬を決定する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、公平な報酬を関係者に提供することができるので、情報取引装置100の利用者数の増加を促進することができ、結果として、ユーザ情報の流通を活性化することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報提供者P1と情報利用者Q1との間で取引されたユーザ情報の価値に影響を与える要因情報に基づいて、かかる取引に関係する関係者の貢献度を算出する。
また、実施形態に係る決定部135は、要因情報としてユーザ情報の市場状況を評価し、評価した市場状況に基づいて貢献度を算出する。
また、実施形態に係る決定部135は、ユーザ情報に対する需要の度合い又は供給の度合いに応じて、市場状況を評価する。
また、実施形態に係る決定部135は、要因情報としてユーザ情報の特性を示す特性情報を評価し、評価した特性情報に基づいて貢献度を算出する。
また、実施形態に係る決定部135は、ユーザ情報の特性情報として、ユーザ情報の正確性を示す精度、ユーザ情報の詳細度を示す粒度、ユーザ情報の希少価値を示す希少性、ユーザ情報が取得された取得日時に基づく鮮度、及び、ユーザ情報が収集された収集期間のうち少なくとも1以上を用いることにより、貢献度を算出する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、関係者の報酬をより公平に決定することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、情報利用者Q1によるユーザ情報の利用状況に基づいて貢献度を算出する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、実際に情報利用者Q1に貢献した度合に基づいて関係者の貢献度を高精度に算出することができる。
また、実施形態に係る決定部135は、関係者の信頼性に基づいて貢献度を算出する。
これにより、実施形態に係る情報取引装置100は、不正に利益を取得する関係者や悪意のある関係者を除外することができるので、安全なユーザ情報の流通を活性化することができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取引部は、取引手段や取引回路に読み替えることができる。