以下に、本願に係る選択装置、選択方法および選択プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る選択装置、選択方法および選択プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報管理装置の一例〕
まず、図1〜図5を用いて、提示装置、選択装置、推定装置、提供装置、および算出装置の一例として、情報管理装置10の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報管理装置が実行する提示処理の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る情報管理装置が実行する選択処理の一例を示す図である。図3は、実施形態に係る情報管理装置が実行する推定処理の一例を示す図である。図4は、実施形態に係る情報管理装置が実行する提供処理の一例を示す図である。図5は、実施形態に係る情報管理装置が実行する算出処理の一例を示す図である。
情報管理装置10は、提示処理、選択処理、推定処理、提供処理、および算出処理(以下、「各処理」と総称する場合がある。)を実行する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報管理装置10は、ウェブサーバ110〜130(以下、「ウェブサーバ100」と総称する場合がある。)、事業者サーバ210〜230(以下、「事業者サーバ200」と総称する場合がある。)、およびDS(Data Scientist)端末300とインターネット等のネットワークN(例えば、図6参照)を介して通信可能である。なお、情報管理装置10は、任意の数のウェブサーバ100、事業者サーバ200、およびDS端末300と通信可能であってよい。
ウェブサーバ100は、事業者Zによって提供される各種のウェブサービスを実現する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、ウェブサーバ110は、各種のウェブ検索に関するサービスの提供を行う。また、ウェブサーバ120は、電子商店街のサービスや、インターネットオークション等、各種の取引対象の電子商取引に関するサービスの提供を行う。また、ウェブサーバ130は、ニュース、各種の広告、不動産広告、音楽、静止画像、動画像、映画等、各種コンテンツを配信する配信サービスの提供を行う。
なお、上述したウェブサービス以外にも、ウェブサーバ100は、任意のウェブサービスを実現してよい。ここで、ウェブサーバ100は、各種ウェブサービスの提供におけるログを保持する。このようなログには、例えば、サービスの提供を受けた利用者を識別する識別子(例えば、利用者ID(Identifier))や、利用者の属性(例えば、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等)、提供されたサービスの内容(例えば、配信した情報の内容や購買履歴)等が含まれる。なお、ログとして格納される情報の形式や内容は、サービス毎に異なっていてもよく、揃えられていてもよい。
事業者サーバ200は、各事業者が利用する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、事業者サーバ210は、化粧品の販売事業を行う事業者Aが利用する情報処理装置である。また、事業者サーバ220は、食品の製造販売事業を行う事業者Bが利用する情報処理装置である。また、事業者サーバ230は、各種商品の販売事業を行う事業者Cが利用する情報処理装置である。
ここで、事業者サーバ200は、各事業者によるサービスに関する情報を管理する。ここで、各事業者によるサービスに関する情報とは、例えば、各事業者によるサービスの提供を受けた利用者と、その利用者に対して提供したサービスの内容とを対応付けた情報、すなわち、各事業者によるサービスのログである。なお、事業者サーバ200は、このような情報以外にも、各事業者によるサービスに関する情報であれば、任意の情報が採用可能である。
〔1−1.情報管理装置が提供する提示処理について〕
以下、情報管理装置10が実行する各種のサービスについて説明する。まず、図1を用いて、情報管理装置10が実行する提示処理の一例について説明する。
〔1−1−1.情報管理装置が提供する提示処理の概要について〕
情報管理装置10は、ウェブサーバ100と同様に、事業者Zによって管理や運営が行われるサービス(以下、「データ管理サービス」と記載する場合がある。)の提供を行う。より具体的には、情報管理装置10は、複数の事業者が保持する情報の登録を受付けるとともに、受付けた情報に基づいて、各種の情報を提供するサービス、すなわち、複数事業者の情報を用いたクラウドサービスを提供する。
例えば、情報管理装置10は、各事業者A〜Cから、各事業者A〜Cによるサービスに関する情報の登録を受付ける。このような場合、情報管理装置10は、登録された情報を保持するとともに、要求に応じて、登録元となる事業者に対してのみ保持した情報を提供する。例えば、情報管理装置10は、事業者Aが登録した情報を事業者Aにのみ開示し、事業者Bや事業者Cに対しては、事業者Aが登録した情報を秘匿する。すなわち、情報管理装置10は、情報の管理や保持を行うクラウドサービスを提供する。
ここで、複数の事業者が取得した情報を統合的に用いた場合には、各事業者に対して新たな価値を提供することができると考えられる。例えば、事業者Zが取得した各種ウェブサービスに関する情報と、事業者Aが取得した化粧品販売に関する情報とを掛け合わせた場合、どのようなウェブ検索を行う利用者が化粧品を頻繁に購入しているかといった過去の情報の統計的な分析や、新製品となる化粧品を購入する可能性が高い利用者の予測等を実現することができると考えられる。一方で、各事業者が取得した情報は、他の事業者に対して開示したくないといった要望も考えられる。
そこで、情報管理装置10は、クラウドサービスの一環として、以下の処理を実行する。まず、情報管理装置10は、情報の利用目的の登録を受付ける。ここで、利用目的とは、各事業者によって登録された情報の利用目的であって、解決したい課題の内容、予測内容、分析内容等を示す情報である。このような利用目的の登録を受付けた場合、情報管理装置10は、データサイエンティスト(以下「DS」と記載する。)に利用目的を提示する。例えば、情報管理装置10は、事業者Zに所属するDS1や、情報の登録を行った事象者A〜C、および、情報の管理を行う事業者Zとは異なるDS2に対し、利用目的を提示する。
このような場合、DS1やDS2(以下、単にDSと記載する場合がある。)は、利用目的を達成するような分析結果を作成する。例えば、DSは、利用目的の内容が過去の情報の分析に関するものである場合は、複数の事業者が登録した情報を統合的に用いて、利用目的に沿った内容の分析結果を作成する。また、例えば、DSは、利用目的の内容が課題の解決であったり、予測であったりする場合は、そのような課題を解決したり予測を行ったりするモデルを分析結果として作成する。例えば、DSは、複数の事業者が登録した情報が有する特徴を統合的に学習したモデル、すなわち、複数の事業者が登録した情報を用いて学習を行ったモデルを分析結果として作成する。また、DSは、利用目的が所定の事象の予測である場合は、複数の事業者が登録した情報を用いて、所定の事象の予測を行うモデルを分析結果として作成する。
そして、情報管理装置10は、DSが作成した分析結果を利用目的の登録元となる事業者へと提供する。この結果、情報管理装置10は、他の事業者が登録した情報の秘匿性をある程度担保しつつ、複数の事業者が登録した情報を統合的に用いたサービスの提供を実現する。すなわち、情報管理装置10は、各事業者に対して、各事業者が提供した情報を提供するのではなく、各事業者が登録した情報を用いて、各事業者が登録した利用目的に沿って、DSにより作成された分析結果を提供する。
ここで、どのような情報をどのように組み合わせれば利用目的を満たす分析結果を得ることができるかを判断するのは、困難である。このため、情報の管理を行う事業者ZのDS1のみで、各事業者の利用目的を満たすような分析結果を作成するのは、困難となる場合がある。そこで、情報管理装置10は、事業者A〜C、Zとは異なるDS2に対して、利用目的を提示する。そして、情報管理装置10は、DS2が作成した分析結果を事業者に対して提供する。このため、情報管理装置10は、複数の事業者によって登録される情報の利用を促進することができる。
また、情報管理装置10は、DSによる分析結果の提供が行われた場合は、DSに対する所定の報酬を設定する。また、情報管理装置10は、DSによる分析結果の提供が行われた場合は、DSにより利用された情報を登録した事業者に対する所定の報酬を設定する。
例えば、情報管理装置10は、「新商品を購入する利用者の予測」といった利用目的を事業者Bから受付けた場合、かかる利用目的をDS2に提供するとともに、各事業者A〜C、Zが登録した情報のうち、DS2から要求された情報をDS2に提供する。そして、例えば、情報管理装置10は、事業者Zが提供するウェブサービスに関するログと、事業者Aが提供する化粧品販売に関する情報とを組み合わせて、「新商品を購入する利用者の予測」を行うモデルを作成した場合、かかるモデルを事業者Bに対して提供するとともに、事業者Bから所定の報酬を受付ける。
このような場合、情報管理装置10は、事業者Bから受付けた報酬を原資として、モデルを作成したDS2に対して所定の報酬を提供する。また、情報管理装置10は、事業者Bから受付けた報酬を原資として、DS2が利用した情報を登録した事業者A、Zに対して、所定の報酬を提供する。なお、情報管理装置10は、上述したアウトソーシングサービスを運営する事業者Zに対し、事業者Bから受付けた報酬を原資として、所定の運営費用を提供してもよい。
すなわち、情報管理装置10は、各事業者が登録した情報を用いて、利用目的を満たす分析結果を提供するといった一連の流れを外部のDSに対して開放し、外部のDSからアルゴリズムやモデルといった分析結果の登録を受付ける。そして、情報管理装置10は、分析結果を各事業者に対して提供する。換言すると、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報の分析のアウトソーシングサービスを提供する。このため、情報管理装置10は、各事業者が登録した情報の利用を促進することができる。
〔1−1−2.提示処理の一例について〕
以下、図1を用いて、情報管理装置10が実行する提示処理の一例について説明する。まず、情報管理装置10は、ウェブサーバ100から各種のログを収集する(ステップS1)。また、情報管理装置10は、事業者サーバ210から、事業者Aが保持する情報の登録を受付け、事業者サーバ220から、事業者Bが保持する情報の登録を受付ける(ステップS2)。なお、情報管理装置10は、事業者サーバ230から事業者Cが保持する情報の登録を受付けてもよい。
また、情報管理装置10は、例えば、事業者サーバ230から、利用目的となる課題の登録を受付ける(ステップS3)。なお、情報管理装置10は、事業者C以外にも、事業者Aや事業者Bから利用目的の登録を受付けてもよい。例えば、図1に示す例では、情報管理装置10は、事業者Aから利用目的「新化粧品の購入者予測」と、報酬「報酬R1」との登録を受付け、事業者Bから利用目的「商品Aの売れ行き予測」と、報酬「報酬R2」との登録を受付け、事業者Cから利用目的「商品Bに興味がある利用者の予測」と、報酬「報酬R3」との登録を受付ける。このような場合、情報管理装置10は、事業者Zに所属するデータサイテンティストであるDS1に利用目的を提示するとともに(ステップS4)、外部のデータサイテンティストであるDS2に利用目的を提示する(ステップS5)。
ここで、図1に示す例では、図示を省略したが、情報管理装置10は、利用目的を公開した各DSから、各DSが分析結果を作成する利用目的の指定と、各DSが分析結果を作成する際に用いる情報の種別の指定を受付ける。このような場合、情報管理装置10は、各事業者から登録された情報のうち、指定された種別の情報を特定するとともに、特定した情報を登録した事業者に対して、利用の可否を問い合わせる。そして、情報管理装置10は、利用が許可された場合は、DSに対して、指定された種別の情報を提供する。
なお、情報管理装置10は、各DSから分析結果の作成に対する報酬の提案を受付けてもよい。このような場合、情報管理装置10は、指定された利用目的を登録した事業者に対して、各DSによる分析結果の作成の可否を問合せ、許可が得られた場合に、許可が得られた各DSに対して情報の提供を行ってもよい。
また、情報管理装置10は、DS1から、DS1が指定した利用目的に応じたモデルの提供を受付ける(ステップS6)。また、情報管理装置10は、DS2から、DS2が指定した利用目的に応じたモデルの提供を受付ける(ステップS7)。このような場合、情報管理装置10は、各DSから提供されたモデルを事業者に対して提供する。例えば、情報管理装置10は、DS2から、事業者Cが登録した利用目的を満たすモデルの提供を受けた場合、かかるモデルを事業者Cに対して提供する(ステップS8)。
また、情報管理装置10は、事業者Cが登録した利用目的を満たすモデルを作成する際に、DS2が事業者Aおよび事業者Bが登録した情報を利用した場合、事業者Aおよび事業者Bに対して、情報の利用に伴う報酬を提供する(ステップS9、S10)。また、情報管理装置10は、モデルの作成に対する報酬をDS2に対して提供する(ステップS11)。
〔1−1−3.参入の促進について〕
ここで、利用目的として登録された事象を予測したり、課題を解決するモデルの精度を向上させるには、多くのデータが必要になるとも考えられる。このため、データを登録する事業者の数が少ない場合や、各事業者が保持するデータの一部のみを登録した場合には、利用目的を満たすような分析結果を適切に作成することができない恐れがある。
例えば、配送事業を行う事業者Xが、再配達を行った住所のリストを有しており、事業者Zが住所と利用者とを対応付けたリストを有している場合、これらのリストを組み合わせることで再配達が多い利用者を特定し、かかる利用者が電子商店街で商品を購入した際に、利用者が受け取り易い時間帯を指定して発送するといった配送の効率化を実現できると考えられる。しかしながら、事業者Xがリストの登録を行わない場合、配送の効率化を実現できない恐れがある。
そこで、情報管理装置10は、各事業者の参入の促進を図るため、以下の処理を実行する。まず、情報管理装置10は、所定の事業者の紹介により他の事業者が情報を登録した場合は、所定の事業者に対する所定の報酬を設定する。例えば、情報管理装置10は、他の事業者として、所定の事業者と業種が類似する事業者が情報を登録した場合は、所定の事業者に対する所定の報酬を設定する。すなわち、情報管理装置10は、他の事業者の参入を手助けした事業者に対して、所定のインセンティブを設定する。
例えば、情報管理装置10は、事業者Aに対し、同種の事業者の紹介を依頼する。そして、情報管理装置10は、事業者Aの紹介により、事業者Aと同業種の事業者Yから情報の登録を受付けた場合は、事業者Aに対する報酬を設定する。なお、かかる報酬は、所定の額であってもよく、事業者Yが登録したデータの量や質に応じて設定されてもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者Yが登録したデータが、それまでに登録されていたデータと類似しないデータである場合や、登録されていなかった種別の情報を含むデータである場合には、事業者Aに対する報酬を増額してもよい。また、情報管理装置10は、後述する選択処理と同様の処理により、事業者Yが登録したデータの貢献度を算出し、算出した貢献度に応じた額の報酬を設定してもよい。
〔1−1−4.事業者からのフィードバックについて〕
ここで、上述したデータ管理サービスにおいて、DSが提供した分析結果の精度があまり良くない場合、各事業者による利用の頻度が低下する恐れがある。そこで、情報管理装置10は、事業者からのフィードバックを受付けてもよい。
例えば、情報管理装置10は、事業者Aに対して予測を行うモデルを提供する。そして、情報管理装置10は、事業者Aに対してフィードバックの提供を依頼する。このような場合、情報管理装置10は、実測値の登録を事業者Aから受け付ける。例えば、情報管理装置10は、将来の所定の日時において新商品を購入する利用者の人数の予測を行うモデルを事業者Aに対して提供した場合、事業者Aから、所定の日時において新商品を購入した利用者の人数を実測値(すなわち、正解データ)として受付ける。
このようなフィードバックは、モデルの精度の評価、ひいては、モデルを作成したDSの評価やモデルの精度向上に役立てることができる。そこで、情報管理装置10は、フィードバックを登録した事業者に対して、所定のインセンティブを設定してもよい。また、情報管理装置10は、実測値を用いて、DSの評価を行ってもよく、実測値をDSに提供し、モデルの予測精度の向上を依頼してもよい。
〔1−1−5.報酬について〕
ここで、上述したデータ管理サービスにおける報酬の内容は、任意の態様が採用可能である。例えば、情報管理装置10は、分析結果の作成に用いた情報を登録した事業者に対する報酬を、分析結果の精度や、精度向上に対する貢献度に応じて変更してもよい。また、情報管理装置10は、DSに対する報酬を、DSが作成した分析結果の精度等により変更してもよい。
〔1−2.選択処理について〕
次に、図2を用いて、情報管理装置10が実行する選択処理の一例について説明する。
〔1−2−1.選択処理の概要について〕
上述したデータ管理サービスにおいては、各事業者に対して分析結果を提供した際に、事業者から報酬を受付けることとなる。かかる報酬は、データ管理サービスの運営を行うための原資として用いられるだけではなく、分析結果を作成したDSや分析結果の作成に用いた情報を登録した事業者に対する報酬の原資となりえる。
ここで、各事業者に、情報の貢献度に応じた報酬を提供するといった態様が考えられる。そこで、情報管理装置10は、以下の選択処理を実行する。まず、情報管理装置10は、複数の事業者により登録された情報の利用目的を受付ける。また、情報管理装置10は、情報の組み合わせ毎に、利用目的における効果を推定し、推定された効果に基づいて、利用目的に用いられる情報を選択する。そして、情報管理装置10は、選択された情報の利用目的における効果に基づいて、情報を登録した複数の事業者に対する報酬の割合を決定する。
すなわち、情報管理装置10は、利用目的に対して効果が最大となる情報の組み合わせを決定し、決定した組み合わせにおいて、情報の組み合わせ毎の効果を推定し、推定結果に基づいて、各情報が利用目的に対して及ぼす貢献度を算出する。そして、情報管理装置10は、算出した貢献度に応じて、各情報を登録した事業者に対する報酬の割合を決定する。
例えば、情報管理装置10は、情報を登録した事業者の組み合わせを生成し、生成した事業者の組み合わせごとに、組み合わせに含まれる事業者が登録した情報の効果を推定する。より具体的な例を挙げると、情報管理装置10は、事業者の全組み合わせを生成し、生成した組み合わせについて、事業者が登録した情報の効果を推定する。なお、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報のサブセットの組み合わせを生成し、生成したサブセットの組み合わせごとに、組み合わせに含まれる情報の効果を推定してもよい。なお、情報管理装置10は、事業者の数やサブセットの数が少ない順に、それら事業者が登録した情報やサブセットを用いた際の効果を推定し、推定した効果の向上率が所定の閾値を下回った場合には、効果を推定する処理を終了してもよい。
ここで、情報の組み合わせ毎の効果とは、例えば、その組み合わせに含まれる情報を利用した際の分析結果の精度(すなわち、課題解決精度や予測精度等)等、その情報が分析結果に及ぼす効果の度合を示すものであれば、任意の度合が採用可能である。
例えば、利用目的が広告に関するものである場合、情報管理装置10は、CTR(Click Through Rate)の改善率、コンバージョン率、将来にわたって見積もられる収益改善の割合を効果として採用可能である。また、情報管理装置10は、利用目的が会員ビジネスに関するものである場合は、顧客獲得効果率の向上率、ARPU(Average Revenue Per User)の向上率、顧客保持率の向上による総LTV(Life Time Value)の上昇率等を効果として採用可能である。また、利用目的が需要予測に関するものである場合、ロジスティクス関連の効率の改善率、人件費等といったコストの減少率、販売機会の損失の防止に伴うコストの削減率等が効果として採用可能である。なお、情報管理装置10は、上述した各種の効果を複数組み合わせて用いてもよい。すなわち、情報管理装置10は、利用目的に沿った効果であって、各情報が及ぼす効果を示す度合であれば、任意の度合を効果として採用可能である。
そして、情報管理装置10は、情報の各組み合わせについて、効果の推定を行った場合は、各組み合わせのうち、推定された効果が最大となる組み合わせに含まれる情報を利用目的に用いられる情報として選択する。すなわち、情報管理装置10は、ある利用目的に対して最大の効果を有すると推定される情報の組み合わせを選択する。例えば、情報管理装置10は、ある利用目的に対して最大の効果を有すると推定される組み合わせに含まれる情報を登録した事業者を選択する。また、情報管理装置10は、ある利用目的に対して最大の効果を有すると推定されるサブセットの組み合わせを選択する。
続いて、情報管理装置10は、選択した組み合わせに含まれる情報を使用した場合と、使用しなかった場合との効果の差に基づいて、各情報を登録した事業者に対する報酬の割合を設定する。より具体的には、情報管理装置10は、効果に差に基づいて、各情報を登録した事業者の貢献度を決定し、決定した貢献度に基づいて報酬の割合を設定する。なお、情報管理装置10は、選択した組み合わせに含まれる情報を使用した場合と、使用しなかった場合との効果の差に基づいて、各情報を登録した事業者に対する報酬の割合を設定するのであれば、任意の手法により、報酬の割合を設定して良い。以下の説明では、例示として、報酬の割合を設定する第1手法〜第3手法について説明する。
例えば、情報管理装置10は、第1手法として、選択された組み合わせに含まれる情報を用いなかった場合の効果を基準効果として算出する。そして、情報管理装置10は、各事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果と基準効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定する。
例えば、情報管理装置10は、事業者Xが登録した利用目的について、事業者Xが登録した情報のみを用いて作成した分析結果の効果を基準効果として算出する。続いて、情報管理装置10は、事業者Xが登録した利用目的について、事業者A〜Dが登録した情報を組み合わせた場合に効果が最大化される場合は、事業者Xが登録した情報に加えて、各事業者が登録した情報を用いた場合の効果を算出する。すなわち、情報管理装置10は、事業者Xと事業者Aとが登録した情報を用いた場合の効果、事業者Xと事業者Bとが登録した情報を用いた場合の効果、事業者Xと事業者Cとが登録した情報を用いた場合の効果、および事業者Xと事業者Dとが登録した情報を用いた場合の効果をそれぞれ個別に算出する。
そして、情報管理装置10は、算出した各効果と基準効果との差をそれぞれ算出し、算出した差を各事業者の貢献度とする。そして、情報管理装置10は、各事業者A〜Dの貢献度の比率を、各事業者A〜Dに対して割り当てられる報酬の割合とする。例えば、情報管理装置10は、利用目的を登録した事業者Xに対して事業者A〜Dの情報を用いたモデルが提供された場合、事業者Xが提供した報酬から所定の割合の報酬を事業者A〜Dに振り分ける。すなわち、情報管理装置10は、分析結果の提供に対する報酬を原資として、決定された割合に基づき、各事業者A〜Dに対する報酬を設定する。
ここで、情報管理装置10は、第2手法として、選択された情報を用いた場合の効果と、各事業者が登録した情報を利用しなかった場合の効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定してもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者Aの情報を利用しなかった場合の効果として、事業者Xと事業者B〜Dとが登録した情報を用いた場合の効果を算出する。同様に、情報管理装置10は、事業者Bの情報を利用しなかった場合の効果として事業者Xと事業者A、C、Dとが登録した情報を用いた場合の効果を算出し、事業者Cの情報を利用しなかった場合の効果として事業者Xと事業者A、B、Dとが登録した情報を用いた場合の効果を算出し、事業者Dの情報を利用しなかった場合の効果として事業者Xと事業者A〜Cとが登録した情報を用いた場合の効果をそれぞれ個別に算出する。
また、情報管理装置10は、事業者Xと事業者A〜Dとの全ての情報を用いた際の効果を算出する。また、情報管理装置10は、各事業者A〜Dの情報を利用しなかった場合の効果と、事業者Xと事業者A〜Dとの全ての情報を用いた際の効果との差の絶対値を、各事業者A〜Dの貢献度として算出する。そして、情報管理装置10は、算出した貢献度の比を各事業者A〜Dに振り分けられる報酬の比とする。
ここで、ある事業者の情報を特定の事業者の情報と組み合わせた際に、大きな効果が生じるといった事象が考えられる。しかしながら、上述した第1手法および第2手法では、このような事象を考慮した報酬の振り分けを実現できない。そこで、情報管理装置10は、第3手法として、以下の処理を実行してもよい。例えば、情報管理装置10は、選択された情報を登録した複数の事業者から、所定の事業者と他の事業者との組合せを生成する。また、情報管理装置10は、生成した組み合わせのそれぞれについて、組み合わせに含まれる事業者が登録した場合の効果と選択された情報を用いなかった場合の効果との差を算出する。また、情報管理装置10は、選択された情報を用いなかった場合の効果と、所定の事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果との差を算出する。そして、情報管理装置10は、算出した差の平均値に基づいて、所定の事業者に対する報酬の割合を決定してもよい。
以下、第3手法の一例について説明する。なお、以下の説明では、事業者Aに対する報酬の割合を算出する処理の一例について説明する。例えば、情報管理装置10は、第1手法を用いて、事業者Xと事業者Aとが登録した情報を用いた場合の効果と、基準効果との差を第1貢献度として算出する。続いて、情報管理装置10は、第2手法を用いて、事業者Aの情報のみを利用しなかった場合の効果と、全ての情報を利用した場合の効果との差の絶対値を第2貢献度として算出する。このようにして算出された第1貢献度は、1つの事業者のデータを用いた場合の事業者Aの貢献度となり、第2貢献度は、3つの事業者のデータを用いた場合の事業者Aの貢献度となる。
続いて、情報管理装置10は、事業者A〜Dから2つの事業者の組み合わせを生成する。そして、情報管理装置10は、生成した組み合わせごとに、組み合わせに含まれる事業者が登録した情報を用いた場合の効果を算出し、算出した効果と基準効果との差をそれぞれ算出する。そして、情報管理装置10は、事業者Aを含む組み合わせについて算出した差の和を、全組み合わせについて算出した差の和で除算し、除算した値を事業者Aを含む組み合わせの数で除算した値を、第3貢献度として算出する。すなわち、情報管理装置10は、2つの事業者のデータを用いた場合の事業者Aの貢献度の平均値を算出する。
そして、情報管理装置10は、算出した第1貢献度、第2貢献度、および第3貢献度の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、事業者Aに対する報酬の割合を決定する。すなわち、情報管理装置10は、事業者Aが登録した情報を用いると共に、他の事業者が登録した情報を用いる場合と用いない場合との全2n−1通りについて、効果の算出を行い、算出した効果の平均値に基づいて、事業者Aに対する報酬の割合を設定する。
なお、上述した第1手法〜第3手法において各事業者に対して分配される報酬の割合は、以下の数式で示すことができる。例えば、全事業者からある利用目的に関して最大の効果を上げる事業者の組み合わせをnとすると、nは以下の式(1)で示すことができる。ここで、式(1)のV(N)は、N個の事業者のデータを用いた場合の価値を示す。
ここで、分析結果の提供にともなう報酬をVall、Vallのうち利用された情報を登録した事業者に振り分けられる割合をdとすると、第1手法により各事業者に振り分けられる報酬は、以下の式(2)で示すことができ、第2手法により各事業者に振り分けられる報酬は、以下の式(3)で示すことができる。なお、式(3)におけるV’(k)は、nに含まれる事業者のうち事業者kの情報を使用しなかった場合の効果を示す。
ここで、nに含まれる事業者のうち事業者kによる貢献の係数は、以下の式(4)で示すことができる。このため、事業者kに対して分配される報酬は、以下の式(5)で示すことができる。
〔1−2−2.選択処理の一例について〕
次に、図2を用いて、情報管理装置10が実行する選択処理の一例を説明する。なお、以下の説明では、効果として、事業者Xが登録した利用目的を達成する精度(例えば、モデルによる予測精度)を採用した際に実行する処理の一例を説明する。
まず、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報の組み合わせを生成する(ステップS1)。そして、情報管理装置10は、組み合わせ毎に所定の利用目的に用いた場合に利用目的を達成する精度を推定する(ステップS2)。そして、情報管理装置10は、精度が最大となる事業者の組み合わせを選択する(ステップS3)。以下の説明では、情報管理装置10は、精度が最大となる事業者の組み合わせとして、事業者A〜Dを含む組み合わせを選択したものとする。
続いて、情報管理装置10は、第1手法を用いて各事業者A〜Dに対する報酬の割合を決定する場合、各事業者のデータのそれぞれを利用した場合の精度を推定する(ステップS4)。例えば、情報管理装置10は、事業者Xと事業者Aとが登録した情報を用いた場合の精度「110」、事業者Xと事業者Bとが登録した情報を用いた場合の精度「120」、事業者Xと事業者Cとが登録した情報を用いた場合の精度「130」、事業者Xと事業者Dとが登録した情報を用いた場合の精度「140」を算出する。
そして、情報管理装置10は、基準精度と各精度との差を、各事業者の貢献度とし、貢献度の総和に対する各貢献度の割合に基づいて、報酬の割合を算出する(ステップS5)。例えば、情報管理装置10は、事業者Xが登録した情報のみを用いた場合の精度「100」を算出したものとする。このような場合、情報管理装置10は、事業者Aの貢献度「10」、事業者Bの貢献度「20」、事業者Cの貢献度「30」、事業者Dの貢献度「40」を算出する。
ここで、各貢献度の合計は、「100」となる。このため、情報管理装置10は、各事業者A〜Dの貢献度を各貢献度の合計「100」で除算することで、事業者Aに振り分ける報酬の割合「10%」、事業者Bに振り分ける報酬の割合「20%」、事業者Cに振り分ける報酬の割合「30%」、および事業者Dに振り分ける報酬の割合「40%」を算出する。
一方、情報管理装置10は、第2手法により各事業者A〜Dに対する報酬の割合を決定する場合、各事業者A〜Dのデータのそれぞれを利用しなかった場合の精度を推定する(ステップS6)。例えば、情報管理装置10は、事業者Xと事業者B〜Dとが登録した情報を用いた場合の精度「190」、事業者Xと事業者A、C、Dとが登録した情報を用いた場合の精度「170」、事業者Xと事業者A、B、Dとが登録した情報を用いた場合の精度「150」、および事業者Xと事業者A〜Cとが登録した情報を用いた場合の精度「130」を算出する。
そして、情報管理装置10は、全事業者A〜Dの情報を利用した場合の精度と、各精度との差分を算出し、差分の割合に基づいて、報酬の割合を算出する(ステップS7)。例えば、情報管理装置10は、事業者Xと全事業者A〜Dの情報を利用した場合の精度として、「200」を算出したものとする。このような場合、情報管理装置10は、事業者Aの情報を用いなかった場合の精度「190」と全事業者A〜Dの情報を用いた場合の精度「200」との差「10」を事業者Aの貢献度とする。同様に、情報管理装置10は、事業者Bの貢献度「30」を算出し、事業者Cの貢献度「50」を算出し、事業者Dの貢献度「70」を算出する。
ここで、各貢献度の合計は、「160」となる。このため、情報管理装置10は、事業者Aの貢献度「10」を各貢献度の合計「160」で除算した割合「6.25%」を、事業者Aに対して振り分ける報酬の割合とする。同様に、情報管理装置10は、事業者Bに対して振り分ける報酬の割合「18.75%」、事業者Cに対して振り分ける報酬の割合「31.25%」、および事業者Dに対して振り分ける報酬の割合「43.75%」を算出する。
また、情報管理装置10は、第3手法により各事業者A〜Dに対する報酬の割合を決定する場合、事業者A〜Dのうち処理対象となる事業者を選択事業者として選択し、選択事業者と、それ以外の事業者の全組み合わせについて精度の総上昇分からの差分を算出し、算出した差分の平均値に基づいて、報酬の割合を算出する(ステップS8)。例えば、情報管理装置10は、選択事業者として事業者Aを選択する。このような場合、情報管理装置10は、第1手法を用いて算出した事業者Aに対する報酬の割合「10%」を第1貢献度とし、第2手法を用いて算出した事業者Bに対する報酬の割合「6.25%」を第2貢献度とする。
また、情報管理装置10は、事業者A〜Dから2つの事業者の組み合わせを全て生成し、生成した組み合わせに含まれる事業者と事業者Xとが登録した情報を用いた場合の精度と、事業者Xが登録した情報のみを用いた場合の精度との差を算出する。そして、情報管理装置10は、選択事業者である事業者Aを含む組み合わせにおける差分の和を差分の総和で除算し、除算した値を選択事業者である事業者Aを含む組み合わせの数で除算した値「13.33%」を第3貢献度として算出する。そして、情報管理装置10は、第1貢献度〜第3貢献度の平均値「9.86%」を選択事業者である事業者Aに対する報酬の割合とする。
〔1−3.情報管理装置が提供する推定処理について〕
次に、図3を用いて、情報管理装置10が実行する推定処理の一例について説明する。
〔1−3−1.情報管理装置が提供する推定処理の概要について〕
ここで、上述したデータ管理サービスにおいて、分析結果の精度を向上させるような情報が登録されていない場合には、情報配信における精度を必ずしも最適化することができないとも考えられる。そこで、情報管理装置10は、以下の推定処理を実行する。まず、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報を管理する。また、情報管理装置10は、情報の利用目的を利用者から受付ける。そして、情報管理装置10は、利用目的と対応する種別の情報を所有する事業者を推定する。
この結果、情報管理装置10は、推定された事業者に対し、利用目的と対応する情報の提供を依頼することができ、利用目的を達する解析精度の向上を図ることができる。なお、情報管理装置10は、利用目的と対応する情報の登録を推定した事業者に対して依頼するのみならず、例えば、その事業者が登録済みの情報を利用する許可の提供を依頼してもよい。また、例えば、情報管理装置10は、利用目的の内容がが情報を用いた予測である場合は、その予測に有用な種別の情報を所有する事業者を推定してもよい。
また、上述したデータ管理サービスにおいては、事業者Zの情報が原則として利用可能な状態にあると言える。そこで、情報管理装置10は、事業者Zが所有する情報と組み合わせた場合に利用目的を精度良く実現できる情報の種別を推定し、推定した種別の情報を所有する事業者を推定してもよい。
また、情報管理装置10は、推定した事業者より提供された情報が対応する利用目的に供された場合は、その事業者に対して所定の報酬を設定してもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者が提供した情報を用いて作成された分析結果がモデルであった場合、作成されたモデルの正解率に基づいて、事業者に対する報酬を設定してもよい。
ここで、情報管理装置10は、上述した選択処理と同様の計算手法により、事業者が提供した情報の利用目的に対する貢献の度合いを算出し、算出した貢献の度合に応じて、事業者に対する報酬を設定してもよい。すなわち、情報管理装置10は、推定された事業者が提供した情報である提供情報を用いた場合の効果と、用いなかった場合の効果との差に基づいて、事業者に対する報酬を設定してもよい。
ここで、情報管理装置10は、上述した提示処理と同様に、複数の事業者が登録した情報に基づいて所定のDSが利用目的に沿って生成した分析結果を、利用目的の登録元となる事業者に提供してもよい。このような場合、情報管理装置10は、分析結果の精度に応じた報酬をDSに設定してもよい。また、情報管理装置10は、分析結果の提供先となる事業者から、分析結果に対応する実測情報の提供を受付けた場合は、事業者に対して所定の報酬を設定してもよい。
〔1−3−2.情報管理装置が提供する推定処理の一例について〕
以下、図3を用いて、情報管理装置10が実行する推定処理の一例について説明する。例えば、情報管理装置10は、事業者Bから利用目的を受付ける(ステップS1)。このような場合、情報管理装置10は、利用目的に有用な情報の種別を推定する(ステップS2)。例えば、図3に示す例では、情報管理装置10は、「商品Aの売れ行き予測」といった内容の利用目的を事業者Bから受付ける。また、情報管理装置10は、かかる利用目的について事業者Bが提供可能な利用可能データとして、「DID#2」で示されるデータの指定を受付ける。このような場合、情報管理装置10は、「DID#2」と組み合わせることで、「商品Aの売れ行き予測」を実現するために必要な情報の種別を推定する。
例えば、情報管理装置10は、過去に登録された利用目的と、DSがその利用目的を満たすために利用した情報の種別(例えば、利用者の属性や購買履歴等)との間の関係性を学習したモデルを生成する。そして、情報管理装置10は、生成したモデルを用いて、利用目的を満たすために必要な情報の種別を推定してもよい。また、情報管理装置10は、利用目的をDSに対して提供し、DSが必要な情報として登録した情報の種別を推定結果として採用してもよい。例えば、図3に示す例では、情報管理装置10は、「商品Aの売れ行き予測」といった内容の利用目的を満たすために必要な情報の種別(以下、「推定情報種別」と記載する。)として「食品の購買履歴」、「利用者属性」、および「SNSへの投稿履歴」等を推定する。
続いて、情報管理装置10は、推定した情報の種別のうち、事業者によって情報が登録されていない種別の情報を特定する(ステップS3)。例えば、情報管理装置10は、データ管理サービスに登録された情報の種別を特定し、特定した種別と推定情報種別とを比較することで、「SNSへの投稿履歴」が登録されていない旨を特定する。
そして、情報管理装置10は、特定した種別の情報を保持する事業者を推定する(ステップS4)。例えば、情報管理装置10は、各事業者A〜Dの業種をあらかじめ保持する。そして、情報管理装置10は、特定した種別と関連性が高い業種の事業者を選択する。例えば、図3に示す例では、情報管理装置10は、業種が「SNS」である事業者Dを選択する。
そして、情報管理装置10は、選択した事業者Dに対し、情報の登録を要請する(ステップS5)。また、情報管理装置10は、事業者Dから情報の登録を受付けた場合は(ステップS6)、上述した提示処理により生成された利用目的を満たすモデルであって、事業者Dから登録された情報を用いて作成したモデルを事業者Bへと提供する(ステップS7)。その後、情報管理装置10は、情報の登録や情報の利用に対する所定の報酬を、事業者Dに対して提供する(ステップS8)。
〔1−4.情報管理装置が提供する提供処理について〕
次に、図4を用いて、情報管理装置10が実行する提供処理の一例について説明する。
〔1−4−1.情報管理装置が提供する提供処理の概要について〕
例えば、上述したデータ管理システムでは、複数の事業者が登録した情報を用いて、利用目的を満たす分析結果を作成し、作成した分析結果を提供する。しかしながら、各事業者が有する情報は、形式が同一でない場合が多い。
例えば、事業者Aは、利用者の性別を示す情報に「性別」といった項目名を設定しており、事業者Bは、利用者の性別を示す情報に「sex」といった項目名を設定している場合が考えられる。また、事業者Bは、利用者の性別を示す情報として「男性」や「女性」といった文字列を格納し、事業者Cは、利用者の性別を示す情報として、男性を示す数値「1」や女性を示す数値「2」を設定する場合が考えられる。このように、各事業者が登録する情報には、同一種別の情報に対して、異なる項目名が設定されている場合や、同一種別の情報を表現する形式が異なっている場合がある。
このような情報の名寄せを行った場合、DS等による情報の一覧性が向上するものの、事業者自身が登録した情報を再利用したいといった場合に、登録時とは異なる形式の情報が提供される恐れがある。
そこで、情報管理装置10は、以下の提供処理を実行する。まず、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報であってそれぞれ個別の形式の情報を、形式を保持した状態で管理する。そして、情報管理装置10は、情報の参照要求を受付けた場合は、参照対象となる情報を所定の形式で提供する。例えば、情報管理装置10は、種別を示す項目名が設定される複数の値を含む情報であって、同一の種別の値に対して異なる項目名が設定される複数の形式の情報を管理する。そして、情報管理装置10は、参照対象となる情報の項目名を受付けた場合は、管理される情報から、受付けた項目名が示す種別の値を抽出し、抽出した値を提供する。
より具体的な例を挙げると、情報管理装置10は、DS等から、検索クエリとなる値と、検索クエリとなる値の項目名と、参照対象となる値の項目名とを受付ける。このような場合、情報管理装置10は、管理される情報の中から、検索クエリとなる値の項目名が示す種別の値が、検索クエリとなる値と一致する情報を検索し、検索した情報から、参照対象となる値の項目名が示す種別の値を抽出し、抽出した値を提供する。
ここで、複数の事業者が登録した情報の内容が重複しているといった場合も考えられる。そこで、情報管理装置10は、検索クエリとなる値の項目名が示す種別の値が、検索クエリとなる値と一致する複数の情報が登録されている場合は、複数の情報が有する値のうち、参照対象となる値の項目名が示す種別の値をそれぞれ抽出し、抽出された複数の値に基づく1つの値を提供する。
例えば、情報管理装置10は、検索クエリとなる値の項目名が示す種別の値が、検索クエリとなる値と一致する複数の情報のうち、参照対象の値が同じとなる情報の数を、参照対象の値ごとに計数し、計数した数が最も多い値を提供してもよい。例えば、情報管理装置10は、参照対象の値が「男性」である情報の数が5つ存在し、参照対象の値が「女性」である情報の数が1つ存在する場合は、値「男性」を提供してもよい。また、情報管理装置10は、参照対象の値が「男性」である情報が1つ存在し、他の情報における参照対象の値が「null」である(すなわち、登録されていない)場合は、値「男性」を出力してもよい。
〔1−4−2.形式に応じた料金の設定について〕
ここで、情報管理装置10は、データ管理サービスに対する利用料金を、情報を登録した各事業者に対して設定してもよい。この際、情報管理装置10は、各事業者が登録した情報の形式と、各事業者が登録した情報を他の事業者やDSへ提供する際の形式との差に応じて、利用料金の増額や減額を行ってもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者から受付けた情報の形式と、情報を提供する際の形式とが同じ場合は、事業者に所定の額の料金を設定し、事業者から受付けた情報の形式と、情報を提供する際の形式とが異なる場合は、事業者に所定の額よりも多い額の料金を設定してもよい。
また、情報管理装置10は、事業者から受付けた情報の形式と、情報を提供する際の形式との一致度に応じた料金を事業者に対して設定してもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者から受付けた情報の形式と、情報を提供する際の形式との一致度を算出し、算出した一致度が高ければ高い程、事業者に対して設定する料金の減額を行ってもよい。
また、情報管理装置10は、データ管理サービスにおいて、他の事業者が登録した情報を参照する場合は、情報を参照する事業者に対して利用料金を設定する。このような利用料金において、情報管理装置10は、登録されていた情報の形式と、情報を提供する際の形式とが異なる場合には、利用料金の増額を行ってもよい。例えば、情報管理装置10は、管理する情報の形式と、提供する情報の形式とが同じ場合は、情報の提供先に所定の額の料金を設定し、管理する情報の形式と、提供する情報の形式とが異なる場合は、情報の提供先に所定の額よりも多い額の料金を設定してもよい。
〔1−4−3.情報管理装置が提供する提供処理の一例について〕
以下、図4を用いて、情報管理装置10が実行する提供処理の一例について説明する。例えば、情報管理装置10は、事業者Aから情報の登録を受付ける(ステップS1)。また、情報管理装置10は、事業者Bから情報の登録を受付ける(ステップS2)。このような場合、情報管理装置10は、登録された情報の形式を変更することなく、そのまま管理する(ステップS3)。
例えば、図4に示す例では、情報管理装置10は、利用者の識別子に対して項目名「利用者ID」が付与され、利用者の性別を示す情報に対して項目名「性別」が付与され、利用者の購買履歴を示す情報に対して項目名「購買履歴」が設定された情報DAの登録を事業者Aから受付ける。また、情報管理装置10は、利用者の識別子に対して項目名「ユーザID」が付与され、利用者の性別を示す情報に対して項目名「sex」が付与され、利用者の購買履歴を示す情報に対して項目名「購入商品」が設定された情報DBの登録を事業者Bから受付ける。
続いて、情報管理装置10は、事業者Aから検索クエリを受付ける(ステップS4)。このような場合、情報管理装置10は、検索クエリが示す情報の種別と対応する項目名を特定し、特定した項目名の情報を抽出する(ステップS5)。例えば、情報管理装置10は、キー項目「利用者ID」、キー値「user#1」、および取得項目「性別」を含む検索クエリQ1を事業者Aから受け取ったものとする。このような場合、情報管理装置10は、予め設定された変換テーブルCTに従って、検索対象となる項目等の特定を行う。
例えば、情報管理装置10は、変換テーブルCTを参照し、キー項目である「利用者ID」と対応する項目、すなわち、キー項目と同じ種別の情報に対して付与される項目名を特定する。例えば、図4に示す例では、情報管理装置10は、キー項目に対応する項目名として、「ユーザID」を特定する。また、情報管理装置10は、変換テーブルCTを参照し、取得項目である「性別」と対応する項目「sex」を特定する。
この結果、情報管理装置10は、検索クエリQ1を、キー項目が「利用者ID」または「ユーザID」であり、キー値が「user#1」であり、取得項目が「性別」または「sex」であると見做して、各事業者に登録された情報の検索を行う。すなわち、情報管理装置10は、変換テーブルCTを用いることで、形式が異なる複数の情報の中から、検索クエリQ1の意図と合致する情報の検索を行う。
例えば、図4に示す例では、情報管理装置10は、情報DAから、項目名「利用者ID」の値が「user#1」であるレコードを特定し、特定したレコードのうち、項目名が「性別」である値「null」を特定する。また、情報管理装置10は、情報DBから、項目名「ユーザID」の値が「user#1」であるレコードを特定し、特定したレコードのうち、項目名が「sex」である値「2」を特定する。この結果、情報管理装置10は、検索クエリQ1に対して提供する情報として、値「2」を選択する。
また、情報管理装置10は、情報DBのうち項目名が「sex」である値「2」の意図を特定する。このような特定は、例えば、情報DBの登録と共に、項目名「sex」の値「2」が「女性」であり、項目名「sex」の値「1」が「男性」を示す旨の登録を事業者Bから受付けておき、項目名「sex」の値「1」と「男性、値「2」と「女性」とを対応付けた変換テーブルを作成しておくことで実現可能である。そして、情報管理装置10は、選択した値「2」の意図を示す文字列「女性」を生成し、生成した文字列「女性」を検索結果として事業者Aに対して提供する(ステップS6)。例えば、情報管理装置10は、キー値「user#1」と文字列「女性」とを、事業者Aに対して提供する。
〔1−5.情報管理装置が提供する算出処理について〕
次に、図5を用いて、情報管理装置10が実行する算出処理の一例について説明する。
〔1−5−1.情報管理装置が提供する算出処理の概要について〕
例えば、上述したデータ管理システムでは、各DSが利用目的を満たす分析結果を作成し、作成した分析結果を提供する。しかしながら、このようなデータ管理システムにおいて、DSに対する報酬を適切に設定するのが困難となる場合がある。例えば、分析精度に応じて報酬を設定した場合には、分析精度が最も高いが分析結果の提供までに最も時間を要したDSに対し、多くの報酬が設定されてしまう。
そこで、情報管理装置10は、以下の算出処理を実行する。まず、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報の利用目的を受付けた場合は、利用目的に応じて情報の分析を行う複数のDSに対し、利用目的を提示する。そして、情報管理装置10は、DSが分析結果を提供した順番と、各分析結果の精度とに応じて、各DSに対する報酬を算出する。例えば、情報管理装置10は、各DSが分析結果を提供した順番と、分析結果の精度とに応じて、所定の報酬のうち各DSに対して割り当てられる割合を算出し、算出した割合に基づいて、各DSに対する報酬を算出する。
例えば、情報管理装置10は、分析結果を最初に提供したDSに対する報酬として、DSによる分析結果の精度と、所定の精度との差に基づいた報酬を算出する。例えば、情報管理装置10は、利用目的を登録した事業者が有する情報のみで、その利用目的を満たすモデルを作成した際のそのモデルの精度を基準精度とする。続いて、情報管理装置10は、最初に提供されたモデルの精度が基準精度を上回っている場合は、基準精度とそのモデルの精度との差を、そのモデルを提供したDSの貢献度とする。
例えば、情報管理装置10は、2番目以降に分析結果を提供したDSに対する報酬として、DSによる分析結果の精度と、そのDSによる分析結果よりも先に提供された分析結果の精度との比較結果に基づいた報酬を算出する。例えば、情報管理装置10は、2番目以降に分析結果を提供したDSによる分析結果の精度が、先に提供された全ての分析結果の精度よりも悪い場合には、そのDSに対する報酬を0とする。また、情報管理装置10は、2番目以降に分析結果を提供したDSによる分析結果の精度が、先に提供された全ての分析結果の精度よりも良い場合には、先に提供された全ての分析結果のうち最も精度が高い分析結果を特定し、特定した分析結果の精度と、そのDSによる分析結果の精度との差に基づいた報酬を算出する。
〔1−5−2.情報管理装置が提供する算出処理の一例について〕
以下、図5を用いて、情報管理装置10が実行する算出処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、ある事業者の利用目的に対して、DS1〜DS4により利用目的を満たすモデルの提供があった例について説明する。
例えば、情報管理装置10は、事業者から情報の登録を受付ける(ステップS1)。このような場合、情報管理装置10は、DSに対して利用目的を提示する(ステップS2)。そして、情報管理装置10は、各DSが作成したモデルの提供を受付けると(ステップS3)、提供されたモデルを事業者に対して提供する(ステップS4)。そして、情報管理装置10は、事業者から、モデルの提供に伴う報酬の提供を受付ける(ステップS5)。
ここで、情報管理装置10は、各モデルの精度を特定する(ステップS6)。例えば、情報管理装置10は、DS1が作成したモデルの精度「108」、DS2が作成したモデルの精度「103」、DS3が作成したモデルの精度「110」、およびDS4が作成したモデルの精度「105」を特定する。
次に、情報管理装置10は、各モデルが提供された順序を特定する。例えば、情報管理装置10は、DS4、DS1、DS2、DS3の順でモデルの提供が行われた場合、DS1がモデルを提供した順序「2番目」DS2がモデルを提供した順序「3番目」、DS3がモデルを提供した順序「4番目」、およびDS4がモデルを提供した順序「1番目」を特定する。
そして、情報管理装置10は、各モデルの精度と提供された順序とに応じた貢献度に基づいて、各DSに提供される報酬の割合を算出する(ステップS8)。例えば、情報管理装置10は、基準精度の算出を行い、精度「100」を算出したものとする。このような場合、情報管理装置10は、1番目に提供されたDS4のモデルの精度「105」から基準精度「100」を減算した値「5」をDS4の貢献度とする。すなわち、情報管理装置10は、DS4に対し、DS4のモデルによる精度の上昇率に基づいた貢献度を設定する。なお、例えば、DS4のモデルの精度が基準精度を下回る場合は、DS4に対する貢献度を「0」としてもよい。
続いて、情報管理装置10は、2番目に提供されたDS1のモデルの精度「108」と、基準精度および1番目に提供されたDS4のモデルの精度「105」とを比較する。ここで、2番目に提供されたDS1のモデルの精度「108」は、それよりも先に提供されたDS4のモデルの精度や基準精度よりも高い。そこで、情報管理装置10は、DS1のモデルの精度「108」から、先に提供されたDS4のモデルの精度「105」を減算した値「3」をDS1の貢献度とする。
続いて、情報管理装置10は、3番目に提供されたDS2のモデルの精度「103」と、先に提供されたモデルのうち、最も精度が高いDS1のモデルの精度「108」とを比較する。ここで、3番目に提供されたDS2のモデルの精度「103」は、DS1のモデルの精度「108」よりも低い。そこで、情報管理装置10は、DS2の貢献度を「0」とする。
続いて、情報管理装置10は、4番目に提供されたDS3のモデルの精度「110」と、先に提供されたモデルのうち、最も精度が高いDS1のモデルの精度「108」とを比較する。ここで、4番目に提供されたDS3のモデルの精度「110」は、DS1のモデルの精度「108」よりも高い。そこで、情報管理装置10は、DS3のモデルの精度「110」から、DS1のモデルの精度「108」を減算した値「2」をDS3の貢献度とする。
そして、情報管理装置10は、各DS1〜DS4の貢献度の比を、各DS1〜DS4に提供する報酬の比とする。例えば、情報管理装置10は、ステップS5で受付けた報酬の一部を、各DS1〜DS4に対して提供する報酬の総額として抽出する。そして、情報管理装置10は、抽出した報酬の総額のうち、50%をDS4に振り分け、30%をDS1に振り分け、20%をDS3に振り分ける。
なお、上述した例では、DS2に対する報酬を「0」としたが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報管理装置10は、作成したモデルの精度が基準精度を上回る場合には、モデルを作成したDSに対して所定の基本報酬を設定し、さらに、上述した算出処理によって分配される追加報酬を設定してもよい。
〔2.情報管理装置の構成〕
以下、上記した情報管理装置10が有する機能構成の一例について説明する。図6は、実施形態に係る情報管理装置の構成例を示す図である。図6に示すように、情報管理装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ウェブサーバ100、事業者サーバ200、およびDS端末300との間で情報の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、事業者データベース31、DSデータベース32、登録情報データベース33、利用目的データベース34、モデルデータベース35および変換テーブル36(以下「各データベース31〜36」と総称する場合がある。)を記憶する。以下、図7〜図12を用いて、各データベース31〜36に登録される情報の一例について説明する。
事業者データベース31には、事業者に関する各種の情報が登録される。例えば、図7は、実施形態に係る事業者データベースの一例を示す図である。図7に示した例では、事業者データベース31は、「事業者ID」、「業種」、「業態」、「登録情報」等が対応付けて登録されている。なお、事業者データベース31には、図7に示す情報以外にも、事業者に関する任意の情報が登録されていてもよい。
ここで、「事業者ID」とは、事業者を識別する識別子である。また、「業種」とは、事業者が提供する商品や役務の種別、すなわち、事業者の業種を示す情報である。また、「業態」とは、事業者が商品や役務を通信販売により提供しているか、店舗で提供しているか等といった業態を示す情報である。また「登録情報」とは、事業者が情報をデータ管理サービスに登録しているか否かを示す情報である。
例えば、図7に示す例では、事業者データベース31には、事業者ID「事業者A」、業種「化粧品」、業態「通販」、登録情報「有り」が対応付けて登録されている。このような情報は、事業者ID「事業者A」が示す事業者の業種が「化粧品」を販売する業種であり、「通販」により「化粧品」を販売する業態であり、データ管理サービスにデータを登録している旨を示す。
DSデータベース32には、DSに関する情報が登録される。例えば、図8は、実施形態に係るDSデータベースの一例を示す図である。図8に示した例では、DSデータベース32は、「DSID」、「DS情報」、「所属」、「提供履歴」等が対応付けて登録されている。なお、DSデータベース32には、図8に示す情報以外にも、DSに関する任意の情報が登録されていてもよい。
ここで、「DSID」とは、DSを識別する識別子である。また、「DS情報」とは、DSの氏名、年齢、経歴など、DSに関する各種の情報である。また、「所属」とは、DSの所属を示す情報であり、例えば、DSがデータ管理サービスを運営する事業者Zに所属するか否かを示す情報である。また、「提供履歴」とは、DSが作成、提供した分析結果の履歴を示す情報である。なお、図8に示す例では、「DS#1」、「DS情報#1」、「モデル#1」といった概念的な値を示したが、実際には、DSを識別する数値や文字列、DSの情報を示す文字列、DSが作成、提供した分析結果等が登録される。
例えば、図8に示す例では、DSデータベース32には、DSID「DS#1」、DS情報「DS情報#1」、所属「内部」、提供履歴「モデル#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、DSID「DS#1」が示すDSの情報が「DS情報#1」であり、事業者Zに所属し、「モデル#1」で示されるモデルを過去に作成、提供した旨を示す。
登録情報データベース33には、各事業者が登録した情報、すなわち、データ管理サービスに登録した情報が登録される。例えば、図9は、実施形態に係る登録情報データベースの一例を示す図である。図9に示した例では、登録情報データベース33は、「事業者ID」、「データID」、「サブセットID」、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」等といった項目を有する情報が対応付けて登録されている。また、図9に示すように、登録情報データベース33には、各事業者が登録した情報が、登録時から形式を変更することなく、それぞれ個別に管理されている。なお、登録情報データベース33には、図9に示す項目以外にも、各事業者が設定した任意の項目が設定された情報が登録されていてよく、各項目の値は、各事業者ごとに設定されたものであってもよい。
例えば、「事業者ID」とは、情報を登録した事業者を示す識別子である。また、「データID」とは、事業者が登録した情報を識別する識別子である。例えば、ある事業者が第1の情報を登録し、その後、第2の情報を登録した場合、第1の情報および第2の情報には、それぞれ個別のデータIDが付与されることとなる。「サブセットID」とは、データが属するサブセットを示す識別子であり、事業者が任意で設定可能な情報である。なお、事業者ID、データID、およびサブセットIDは、事業者がデータを登録する際に自動的に付与される情報であり、事業者が登録する情報、すなわち、事業者が取得した情報は、例えば、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」といった情報の組に該当する。
例えば、「利用者ID」とは、事業者IDが示す事業者のサービスの提供を受けた利用者の識別子である。また、「性別」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者の性別であり、「購買履歴」とは、その利用者の購買履歴を示す情報である。
ここで、図9に示す例では、登録情報データベース33には、事業者ID「事業者A」、データID「DID#1」、サブセットID「サブセット#1」、利用者ID「user#1」、性別「null」、購買履歴「購買履歴#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、事業者ID「事業者A」が示す事業者によって登録された情報であって、データID「DID#1」の中に、サブセットID「サブセット#1」が示すサブセットに属するレコードが登録されている旨を示す。また、かかるレコードは、「利用者ID」、「性別」、「購買履歴」といった項目を有し、「user#1」、「null」、「購買履歴#1」といった値が格納されている旨を示す。
利用目的データベース34には、利用目的に関する情報が登録される。例えば、図10は、実施形態に係る利用目的データベースの一例を示す図である。図10に示した例では、利用目的データベース34は、「利用目的ID」、「利用目的(課題)」、「利用事業者」、「利用可能データ」、「報酬」といった情報が対応付けて登録されている。なお、利用目的データベース34には、図10に示す情報以外にも、利用目的に関する任意の情報が登録されていてもよい。
ここで、「利用目的ID」とは、利用目的を識別する識別子である。また、「利用目的(課題)」とは、利用目的として登録された課題や予測、分析内容等を示す情報である。また、「利用事業者」とは、利用目的を登録した事業者の事業者IDである。また、「利用可能データ」とは、利用目的を登録した事業者が所持する情報のうち、分析結果の作成に利用可能な情報である。また、「報酬」とは、対応付けられた「利用目的(課題)」を満たす分析結果の作成や提供に対する報酬を示す情報であり、利用目的を登録した事業者が設定する報酬である。
例えば、図10に示す例では、利用目的データベース34には、利用目的ID「U#1」、利用目的(課題)「新化粧品の購入者予測」、利用事業者「事業者A」、利用可能データ「DID#1」、報酬「報酬R1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、利用目的ID「U#1」が示す利用目的として、「新化粧品の購入者予測」が「事業者A」により登録されており、「事業者A」により提供可能なデータが「DID#1」で示されるデータであり、利用目的を満たす分析結果の作成および提供への報酬が報酬「報酬R1」である旨を示す。なお、図10に示す例では、「U#1」や「報酬R1」といった概念的な値を記載したが、実際には、利用目的を識別する数値や文字列、報酬額を示す数値等が登録される。
モデルデータベース35には、分析結果であるモデルが登録される。例えば、図11は、実施形態に係るモデルデータベースの一例を示す図である。図11に示した例では、モデルデータベース35は、「モデルID」、「DSID」、「利用目的ID」、「提供日時」、「精度」、「利用情報」等が対応付けて登録されている。なお、モデルデータベース35には、図11に示す情報以外にも、分析結果として作成されたモデルに関する任意の情報が登録されていてもよい。
ここで、「モデルID」とは、モデルを識別する識別子である。また、「DSID」とは、モデルを作成および提供したDSを識別するDSIDである。また、「利用目的ID
とは、モデルが満たす利用目的を示す利用目的IDである。また、「提供日時」とは、モデルがDSから提供された日時を示す情報である。また、「精度」とは、モデルの精度を示す情報である。また、「利用情報」とは、モデルの作成に用いられた情報のデータIDである。なお、図11に示す例では、「提供日時ID」といった概念的な値を記載したが、実際には、提供日時を示す文字列が登録されることとなる。
例えば、図11に示す例では、モデルデータベース35には、モデルID「モデル#1」、DSID「DS#1」、利用目的ID「U#1」、提供日時「提供日時#1」、精度「105」、利用情報「DID#1、DID#2・・・」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、モデルID「モデル#1」が示すモデルをDSID「DS#1」が示すDSが作成し、そのモデルが利用目的ID「U#1」を満たすモデルである旨を示す。また、このような情報は、モデルが提供日時「提供日時#1」が示す日時に提供され、利用目的に対する精度の値が「105」であり、利用情報「DID#1、DID#2・・・」が示す情報を用いて作成されたモデルである旨を示す。
変換テーブル36は、項目名や値の変換ルールを示すテーブルである。例えば、図12は、実施形態に係る変換テーブルの一例を示す図である。図12に示した例では、変換テーブル36には、「項目」、「対応項目」、「変換ルール」といった情報が対応付けて登録されている。なお、変換テーブル36には、図12に示す情報以外にも、提供処理において採用される各種の変換ルールが登録されていてよい。
ここで、「項目」とは、検索クエリが示すキー項目や取得項目を示す情報である。また、「対応項目」とは、対応付けられた「項目」と同じ種別の値(すなわち、意図を同じくする値)に付与されている項目名を示す情報である。また「変換ルール」とは、値の変換を行う際のルールを示す情報である。なお、図12に示す例では、「変換ルール#1」といった概念的な値を記載したが、実際には、値をどのように変換するかを示す文字列や条件式等が登録される。
例えば、図12に示す例では、変換テーブル36には、項目「性別」に対し、対応項目「sex」と変換ルール「変換ルール#3(1:男性、2:女性)」との組、および対応項目「性別情報」と変換ルール「変換ルール#4」との組が対応付けて登録されている。このような情報は、キー項目が「性別」である場合に、各事業者が登録した情報の中から、項目名が「性別」、「sex」、若しくは「性別情報」となる値の中からキー値と対応する値を検索する旨を示す。また、このような情報は、項目名が「sex」となる値を参照する場合には、「変換ルール#3」に従って、キー値と対応する値を検索する旨を示す。例えば、このような情報は、項目名「sex」が付与された値「1」が、項目名「性別」が付与された値「男性」と等価であり、項目名「sex」が付与された値「2」が、項目名「性別」が付与された値「女性」と等価である旨を示す。
図6に戻って説明を続ける。制御部40は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報管理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(通知プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図6に示すように、制御部40は、提示制御部50、選択制御部60、推定制御部70、提供制御部80、および算出制御部90(以下、「各制御部50〜90」と総称する場合がある。)を有する。ここで、提示制御部50は、上述した提示処理を実現する。また、選択制御部60は、上述した選択処理を実現する。また、推定制御部70は、上述した推定処理を実現する。また、提供制御部80は、上述した提供処理を実現する。また、算出制御部90は、上述した算出処理を実現する。
以下、図13〜図16を用いて、各制御部50〜90が有する機能構成の一例について説明する。図13は、実施形態に係る提示制御部の構成例を示す図である。図14は、実施形態に係る選択制御部の構成例を示す図である。図15は、実施形態に係る推定制御部の構成例を示す図である。図16は、実施形態に係る提供制御部の構成例を示す図である。
まず、図13を用いて、提示制御部50が有する機能構成の一例を説明する。図13に示すように、提示制御部50は、管理部51、受付部52、提示部53、設定部54、および分析結果提供部55を有する。管理部51は、複数の事業者が登録した情報を管理する。より具体的には、管理部51は、複数の事業者が登録した情報であってそれぞれ個別の形式の情報を、形式を保持したまま管理する。例えば、管理部51は、事業者から登録対象となる情報を受付けると、事業者IDとデータIDとを付与して、形式を変更することなく、すなわち、項目名や値の変換を行うことなくそのまま登録情報データベース33に登録する。
ここで、各事業者は、同一の事象に対し異なる値を付与したり、かかる値に異なる項目名を設定する場合がある。この結果、管理部51は、種別を示す項目名が設定される複数の値を含む情報であって、同一の種別の値に対して異なる項目名が設定される複数の形式の情報を管理することとなる。また、管理部51は、事業者から自身が登録した情報の参照要求を受付けた場合は、かかる情報を事業者に対して提供する。
また、管理部51は、DSに対して事業者が登録した情報を提供する。例えば、管理部51は、DS2から情報の提供要求を受付けた場合は、提供対象となる情報を登録した事業者を登録情報データベース33から特定し、特定した事業者に対し、情報の提供の可否を問い合わせる。この際、管理部51は、利用目的の内容や利用目的を登録した事業者の情報、DSの情報等を通知してもよい。そして、管理部51は、提供対象となる情報のうち、登録した事業者による許可が得られた情報のみを、DSに対して提供する。
受付部52は、複数の事業者が登録した情報の利用目的を任意の利用者から受付ける。例えば、受付部52は、事業者から利用目的の内容、利用可能データの指定、報酬の内容等を受付けると、受付けた利用目的の内容、利用可能データを示すDID、および報酬を利用目的データベース34に登録する。例えば、受付部52は、情報を用いた予測の内容として、予測対象となる所定の事象の登録を受付ける。このような場合、情報管理装置10は、所定の事象の予測を行うモデルの作成を各DSに対して要求することとなる。
提示部53は、複数の事業者が登録した情報の利用目的を受付けた場合は、利用目的に応じて情報の分析を行う複数のDSに対し、利用目的を提示する。例えば、提示部53は、各DSからの提示要求に応じて、利用目的データベース34に登録された利用目的を提示する。ここで、提示部53は、情報の登録を行った事象者、および、複数の事業者が登録した情報の管理を行う事業者とは異なるDSに対し、利用目的を提示する。すなわち、提示部53は、事業者Zに所属するDS1のみならず、外部のDS2にも利用目的を提示し、分析結果の作成を依頼する。
設定部54は、DSによる分析結果の提供が行われた場合は、DSに対する所定の報酬を設定する。また、設定部54は、分析結果の提供が行われた場合は、分析結果の作成に利用された情報を登録した事業者に対する所定の報酬を設定する。
例えば、設定部54は、DSから作成されたモデルが事業者に提供された場合は、事業者が利用目的とともに設定した報酬の一部をDSに振り分ける。例えば、設定部54は、提供されたモデルの精度に応じた報酬をDSに設定してもよく、予めDSから打診された割合の報酬を設定してもよい。また、設定部54は、算出制御部90により実行される算出処理の結果に基づいた報酬の設定を行ってもよい。
また、設定部54は、所定の事業者の紹介により他の事業者が情報を登録した場合は、所定の事業者に対する所定の報酬を設定してもよい。すなわち、設定部54は、データ管理サービスに情報を登録した事業者が他の事業者を勧誘し、かかる他の事業者が情報を登録した場合は、所定の報酬を設定してもよい。例えば、設定部54は、他の事業者として、所定の事業者と業種が類似する事業者が情報を登録した場合は、所定の事業者に対する所定の報酬を設定してもよい。
また、例えば、設定部54は、データ管理サービスに情報を登録した事業者が、推定制御部70が実行する推定処理により推定された事業者を勧誘し、推定された事業者が情報の登録を行った場合は、データ管理サービスに情報を登録した事業者に対する報酬額を増額してもよい。すなわち、設定部54は、分析結果の作成に要する新規な情報の登録が行われた場合は、その情報を登録させた事業者に対する報酬額を増額させてもよい。
分析結果提供部55は、複数の事業者が登録した情報に基づいて所定のDSが利用目的に沿って生成した分析結果を事業者に提供する。例えば、分析結果提供部55は、事業者Aが登録した利用目的を満たすモデル、すなわち、複数の事業者が登録した情報を用いて学習を行ったモデルや、所定の事業の予測を行うモデルをDS2が作成した場合は、DS2が作成したモデルを事業者Aに対して提供する。また、分析結果提供部55は、DS2のDSIDと対応付けて、DS2が作成したモデルの情報や提供日時、モデルの作成に用いた情報等をモデルデータベース35に登録する。
次に、図14を用いて、選択制御部60が有する機能構成の一例を説明する。図14に示すように、選択制御部60は、効果推定部61、選択部62、決定部63、および設定部64を有する。
効果推定部61は、情報の組み合わせ毎に、利用目的における効果を推定する。例えば、効果推定部61は、情報を登録した事業者の組み合わせを生成し、生成した事業者の組み合わせごとに、組み合わせに含まれる事業者が登録した情報の効果を推定する。例えば、効果推定部61は、事業者の全組み合わせについて、組み合わせに含まれる事業者が登録した情報の効果を推定する。なお、効果推定部61は、複数の事業者が登録した情報のサブセットの組み合わせを生成し、生成したサブセットの組み合わせごとに、組み合わせに含まれる情報の効果を推定してもよい。
例えば、効果推定部61は、モデルデータベース35を参照し、事業者に提供されたモデルの中から処理対象となるモデルを選択し、選択したモデルの作成に利用された情報を登録した事業者を特定する。続いて、効果推定部61は、特定した事業者の組み合わせを全て生成し、生成した事業者の組み合わせごとに、その事業者が登録した情報を用いてモデルを生成した際の精度を推定する。
選択部62は、推定された効果に基づいて、利用目的に用いられる情報を選択する。より具体的には、選択部62は、推定された効果が最大となる組み合わせに含まれる情報を利用目的に用いられる情報として選択する。例えば、選択部62は、効果推定部61によって推定された精度が最も高い事業者の組み合わせを選択する。
決定部63は、選択された情報の利用目的における効果に基づいて、情報を登録した複数の事業者に対する報酬の割合を決定する。例えば、決定部63は、上述した第1手法〜第3手法のいずれかの手法を用いて、選択部62により選択された事業者に対する報酬の設定を行う。
例えば、決定部63は、第1手法を採用する場合、選択部62により選択された全事業者が登録した情報を用いなかった場合の効果と、各事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定する。また、決定部63は、第2手法を採用する場合、選択部62により選択された全事業者が登録した情報を用いた場合の効果と、各事業者が登録した情報を利用しなかった場合の効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定する。
また、決定部63は、第3手法を採用する場合、選択部62により選択された複数の事業者から、所定の事業者と他の事業者との組合せとを生成する。また、決定部63は、生成した組み合わせのそれぞれについて、組み合わせに含まれる事業者が登録した場合の効果と選択された事業者が登録した情報を用いなかった場合の効果との差を算出する。また、決定部63は、選択された事業者が登録した情報を用いなかった場合の効果と、所定の事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果との差を算出する。そして、決定部63は、算出した差の平均値に基づいて、所定の事業者に対する報酬の割合を決定する。
設定部64は、利用目的を満たす分析結果の提供に対する報酬を原資として、決定部63により決定された割合に基づき、各事業者に対する報酬を設定する。例えば、設定部64は、効果推定部61が処理対象となるモデルとして選択したモデルが事業者に提供された場合は、事業者から提供された報酬の一部を、決定部63によって決定された割合で、処理対象となるモデルを作成する際に利用した情報を登録した事業者に対して提供する。なお、設定部64は、設定部54に統合されていてもよい。
続いて、図15を用いて、推定制御部70が有する機能構成の一例について説明する。図15に示すように、推定制御部70は、事業者推定部71、依頼部72、および設定部73を有する。
事業者推定部71は、利用目的と対応する種別の情報を所有する事業者を推定する。例えば、事業者推定部71は、予測に有用な種別の情報を所有する事業者を推定する。また、例えば、事業者推定部71は、所定の事業者が所有する情報と組み合わせた場合に利用目的を精度良く実現できる情報の種別を推定し、推定した種別の情報を所有する事業者を推定する。
例えば、事業者推定部71は、利用目的の登録が行われた場合、利用目的の内容に基づいて、利用目的を満たす分析結果を生成するために必要な情報の種別を推定する。なお、事業者推定部71は、分析結果の精度を向上させるために必要な情報の種別の推定を行ってもよい。このような推定は、過去において作成された分析結果の精度と、その分析結果の作成に用いられた情報の種別と、利用目的の内容との間の関係性を学習させたモデルにより実現可能である。
続いて、事業者推定部71は、事業者データベース31を参照し、推定した種別の情報を有していると推定される事業者を特定する。例えば、事業者推定部71は、推定した種別の情報を有していると推定される業種や業態を特定し、特定した業態や業種の事業者を特定する。
依頼部72は、推定された事業者に対し、利用目的と対応する情報の提供を依頼する。例えば、依頼部72は、事業者推定部71によって推定された事業者に対し、利用目的を満たす分析結果を生成するために必要な情報の種別や、分析結果の精度を向上させるために必要な情報の種別を通知するとともに、通知した種別の情報の登録を依頼する。なお、依頼部72は、登録情報データベース33を参照し、利用目的を満たす分析結果を生成するために必要な種別の情報や、分析結果の精度を向上させるために必要な種別の情報が登録されている場合は、かかる情報の利用の許可を依頼してもよい。すなわち、依頼部72は、利用目的と対応する情報の登録、または、事業者が登録した情報を利用する許可の提供を依頼する。
設定部73は、推定された事業者が提供した情報が利用目的に供された場合は、事業者に対して所定の報酬を設定する。例えば、設定部73は、依頼部72によって情報の登録を依頼された事業者が情報を登録した場合、事業者が情報の使用を許可した場合、事業者が登録した情報を用いて分析結果が作成された場合等には、事業者に対して所定の報酬を設定する。
なお、設定部73は、設定部54、64と同様の処理を実行してもよく、統合されてもよい。例えば、設定部73は、事業者が提供した情報の利用目的に対する貢献の度合いに応じて、事業者に対する報酬を設定してもよい。例えば、設定部73は、推定された事業者が提供した情報である提供情報を用いた場合の効果と、用いなかった場合の効果との差に基づいて、事業者に対する報酬を設定してもよい。また、設定部73は、事業者が提供した情報を用いて生成されたモデルの正解率に基づいて、事業者に対する報酬を設定してもよい。また、設定部73は、分析結果の精度に応じた報酬をDSに対して設定してもよい。また、設定部73は、分析結果の提供先から、分析結果に対応する実測情報の提供を受付けた場合は、提供先に対して所定の報酬を設定してもよい。
次に、図16を用いて、提供制御部80が有する機能構成の一例について説明する。図16に示すように、提供制御部80は、情報提供部81、および設定部82を有する。情報提供部81は、情報の参照要求を受付けた場合は、参照対象となる情報を所定の形式で提供する。例えば、情報提供部81は、参照対象となる情報の項目名を受付けた場合は、登録情報データベース33に登録された情報から項目名が示す種別の値を抽出し、抽出した値を提供する。
例えば、情報提供部81は、検索クエリとなる値と、検索クエリとなる値の項目名と、参照対象となる値の項目名とを受付けた場合は、検索クエリとなる値の項目名が示す種別の値が、検索クエリとなる値と一致する情報を検索し、検索した情報から、参照対象となる値の項目名が示す種別の値を抽出し、抽出した値を提供する。なお、情報提供部81は、検索クエリとなる値の項目名が示す種別の値が、検索クエリとなる値と一致する複数の情報が登録されている場合は、複数の情報が有する値のうち、参照対象となる値の項目名が示す種別の値をそれぞれ抽出し、抽出された複数の値に基づく1つの値を提供してもよい。
例えば、情報提供部81は、キー値(すなわち、検索クエリとなる値)と、キー項目(すなわち、検索クエリとなる値の項目名)と、取得項目(すなわち、参照対象となる値の項目名)とを受付ける。このような場合、情報提供部81は、変換テーブル36を参照し、キー項目と対応する項目名を特定し、登録情報データベース33に登録された情報のうち、特定した項目名の値がキー値と一致するレコードを検索する。なお、情報提供部81は、変換テーブル36を用いて、特定した項目名ごとに、キー値を項目名に応じた値に変換し、項目名と変換後のキー値との組合せを有するレコードを検索してもよい。
そして、情報提供部81は、変換テーブル36を参照し、取得項目と対応する項目名を特定し、検索したレコードのうち、特定した項目名の値を抽出する。また、情報提供部81は、変換テーブル36を用いて、抽出した値を所定の形式に揃える。例えば、情報提供部81は、項目名「sex」の値「2」を項目名「性別」の値「女性」に変換する。そして、情報提供部81は、所定の形式に揃えた各値のうち、共通する値が最も多い値を検索クエリの発行元に提供する。
設定部82は、登録情報データベース33に登録された情報の形式と、情報提供部81が提供する情報の形式とが同じ場合は、情報の提供先に所定の額の料金を設定し、各形式が異なる場合は、情報の提供先に所定の額よりも多い額の料金を設定する。また、設定部82は、事業者から受付けた情報の形式と、情報提供部81が提供する情報とが同じ場合は、事業者に所定の額の料金を設定し、各形式が異なる場合は、事業者に所定の額よりも多い額の料金を設定する。例えば、設定部82は、事業者から受付けた情報の形式と、情報提供部81が提供する情報の形式との一致度に応じた料金を事業者に対して設定する。
例えば、設定部82は、同一の事象を示す情報に付与される項目名が一致するか否か、同一の事象を示す値が一致するか否かに基づいて、形式の一致度を算出し、算出した一致度に応じた料金を事業者に対して設定する。なお、設定部82は、設定部54、64、73と同様の処理を実行してもよく、統合されてもよい。
図6に戻り、算出制御部90は、各DSが分析結果を利用者に提供した順番と、各分析結果の精度とに応じて、各DSに対する報酬を算出する。例えば、算出制御部90は、順番と精度とに応じて、所定の報酬のうち各DSに対して割り当てられる割合を算出し、算出した割合に基づいて、各DSに対する報酬を算出する。
例えば、算出制御部90は、所定のタイミングでモデルデータベース35を参照し、同一の利用目的に対して作成された複数のモデルと、各モデルが提供された日時と、各モデルを作成したDSと、各モデルの精度とを特定する。続いて、算出制御部90は、特定したモデルが提供された順番を特定する。また、算出制御部90は、利用目的データベース34を参照し、モデルデータベース35から特定した利用目的と対応付けられた利用可能データを特定する。そして、算出制御部90は、特定した利用可能データを用いて利用目的を満たすモデルを作成した際の精度を基準精度として推定する。
続いて、算出制御部90は、分析結果を最初に提供したDSに対する報酬として、そのDSによる分析結果の精度と、基準精度との差に基づいた報酬を算出する。例えば、算出制御部90は、最初に提供されたモデルの精度が基準精度よりも高い場合は、最初に提供されたモデルの精度と基準精度との差をそのモデルを提供したDSの貢献度とする。
また、算出制御部90は、2番目以降に分析結果を提供したDSに対する報酬として、DSによる分析結果の精度と、その分析結果よりも先に提供された分析結果の精度との比較結果に基づいた報酬を算出する。例えば、算出制御部90は、2番目以降に提供された分析結果の精度が、先に提供された全ての分析結果の精度よりも悪い場合には、その分析結果を作成したDSの貢献度を0にする。また、例えば、算出制御部90は、2番目以降に提供された分析結果の精度が、先に提供された全ての分析結果の精度よりも良い場合には、先に提供された全ての分析結果のうち最も高い精度の分析結果を特定する。そして、算出制御部90は、2番目以降に提供された分析結果の精度と、特定した分析結果の精度との差を、その分析結果を提供したDSの貢献度とする。
また、算出制御部90は、各DSの貢献度の比を、各DSに対して振り分けられる報酬の比と見做して、各DSに振り分けられる報酬の割合を決定する。そして、算出制御部90は、例えば、設定部54等に決定した報酬の割合を通知し、通知した割合で各DSに報酬を設定させる。
〔3.処理手順〕
次に、図17〜21を用いて、実施形態に係る情報管理装置10による各処理の流れの一例について説明する。まず、図17を用いて、提示処理の流れの一例について説明する。図17は、実施形態に係る提示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
例えば、情報管理装置10は、情報の登録要求を事業者から受付けたか否かを判定し(ステップS101)、受付けた場合には(ステップS101:Yes)、情報の形式を変更することなくそのまま登録を受付ける(ステップS102)。続いて、情報管理装置10は、利用目的を受付けたか否かを判定し(ステップS103)、受付けた場合は(ステップS103:Yes)、利用目的を登録する(ステップS104)。また、情報管理装置10は、DS等から利用目的の閲覧要求を受付けたか否かを判定し(ステップS105)、受付けた場合は(ステップS105:Yes)、利用目的をDSに提示する(ステップS106)。
なお、ステップS106を実行した情報管理装置10は、ステップS101を再度実行する。また、情報管理装置10は、情報の登録要求を受付けていない場合は(ステップS101:No)、ステップS102の実行をスキップする。また、情報管理装置10は、利用目的を受付けていない場合は(ステップS103:No)、ステップS104の実行をスキップする。また、情報管理装置10は、閲覧要求を受付けていない場合は(ステップS105:No)、ステップS106の実行をスキップし、ステップS101を実行する。
なお、図17に示す例では、提示処理の基本的な流れの一例を説明したが、情報管理装置10は、図17に示す処理以外にも、事業者に対して情報の登録や管理に伴う料金の設定、モデルの提供に伴う事業者への料金の設定、モデルの提供に伴う事業者やDSへの報酬の設定、情報の利用に伴う報酬の設定等を行う。
次に、図18を用いて、選択処理の流れの一例について説明する。図18は、実施形態に係る選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報管理装置10は、提供されたモデルから所定対象となるモデルを1つ選択し(ステップS201)、そのモデルを作成する際に用いた情報を登録した事業者の全組み合わせを生成する(ステップS202)。そして、情報管理装置10は、組み合わせごとに、その組み合わせに含まれる事業者の情報を利用した際の精度を推定する(ステップS203)。
続いて、情報管理装置10は、推定した精度が最も高い組み合わせを選択し(ステップS204)、選択した組み合わせに含まれる事業者の情報の貢献度を算出する(ステップS205)。その後、情報管理装置10は、貢献度に基づいて、各事業者に対して提供される報酬の分配割合を決定し(ステップS206)、処理を終了する。
次に、図19を用いて、推定処理の流れの一例について説明する。図19は、実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報管理装置10は、登録された利用目的から処理対象となる利用目的を一つ選択し(ステップS301)、選択した利用目的を満たすモデルを生成するための情報の種別を推定する(ステップS302)。そして、情報管理装置10は、推定された種別のうち、情報が登録されていない種別を特定する(ステップS303)。
また、情報管理装置10は、各事業者の業種や業態に基づいて、特定した種別の情報を有する事業者を推定し、(ステップS304)、推定した事業者に対して情報の登録を依頼して(ステップS305)、処理を終了する。
次に、図20を用いて、提供処理の流れの一例について説明する。図20は、実施形態に係る提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報管理装置10は、検索クエリを受付けたか否かを判定し(ステップS401)、受付けていない場合には(ステップS401:No)、検索クエリを受付けるまで待機する。
また、情報管理装置10は、検索クエリを受付けた場合は(ステップS401:Yes)、検索クエリとなる値の種別を示す項目を特定し(ステップS402)、特定した項目の値を検索クエリとなる値と一致する情報を抽出する(ステップS403)。そして、情報管理装置10は、要求対象となる値の種別を示す項目を特定し(ステップS404)、抽出した情報に含まれる値のうち、特定した項目の値を特定する(ステップS405)。そして、情報管理装置10は、特定した値を所定の形式に変換して出力し(ステップS406)、処理を終了する。
次に、図21を用いて、算出処理の流れの一例について説明する。図21は、実施形態に係る算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報管理装置10は、処理対象となるモデルを特定し(ステップS501)、特定したモデルが提供された順序と精度とを特定する(ステップS502)。そして、情報管理装置10は、特定した順序と精度とに基づいて、モデルを作成したDSに対する報酬を算出し(ステップS503)、算出した報酬を設定し(ステップS504)、処理を終了する。
〔4.変形例〕
上述した情報管理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。そこで、以下では、情報管理装置10の他の実施形態について説明する。
〔4−1.情報管理装置について〕
例えば、情報管理装置10は、提示処理を実行する提示装置、選択処理を実行する選択装置、推定処理を実行する推定装置、提供処理を実行する提供装置、および算出処理を実行する算出装置が協調して動作することにより実現されてもよい。例えば、図6に示す各制御部50〜90は、それぞれ独立した装置に設置されてもよい。また、記憶部30に登録された各データベース31〜35や変換テーブル36は、外部のストレージサーバに登録されていてもよい。
また、情報管理装置10は、各処理の全てを実行してもよく、上述した各処理のうち任意の処理のみを実行してもよい。また、情報管理装置10は、上述した各処理を組み合わせて実行してもよい。例えば、情報管理装置10は、提示制御部50が報酬を設定する際に、算出制御部90により実行される算出処理の結果を考慮してもよい。
また、上述した例では、情報管理装置10は、事業者から受付けた利用目的を満たす分析結果の提供を受けていたが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報管理装置10は、事業者以外にも、各種任意の利用者から利用目的の登録を受付け、かかる利用目的を満たす分析結果の提供をDSより受付け、DSより受付けた分析結果の提供を利用者に対して提供してもよい。また、情報管理装置10は、利用目的の登録を受付ける際に、必ず使用する情報の指定を受付けてもよく、受付けなくともよい。
〔4−2.報酬について〕
なお、情報管理装置10は、各事業者が登録する情報と同じ種別の情報が登録されているか否か、分析結果を作成する際の利用回数、利用のしやすさ、情報の新しさ、既に登録されている情報と同じ項目名を有する情報であるか、既に登録されている情報と同じ項目名の値が同じ形式であるか等、各種の基準に基づいて各事業者が登録する情報の価値を推定し、推定した価値に応じた報酬を事業者に対して提供してもよい。
〔4−3.分析結果を作成する際の要件について〕
ここで、情報管理装置10は、分析結果を作成する際に所定の要件を満たすようDSに対して要請してもよい。例えば、情報管理装置10は、データ管理サービスを提供する事業者Z、すなわち、各種のウェブサービスと共に、データ管理サービスを提供する事業者Zが取得した情報と、他の事業者が登録した情報とを組み合わせて分析結果を作成するよう、要請してもよい。すなわち、情報管理装置10は、事業者Zが取得した各種ウェブサービスのログを少なくとも利用するように、DSに対して要請してもよい。
〔4−4.情報について〕
ここで、情報管理装置10は、任意の情報の登録を受付けてよい。例えば、上述した例では、情報管理装置10は、各事業者のサービスを利用した利用者の情報の登録を受付けた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報管理装置10は、各地域における売り上げの履歴等、利用者を示す情報を含まない情報の登録を受付けてもよい。
また、上述した例では、各情報に利用者を識別するための識別子が登録されている例について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報管理装置10は、利用者と電話番号とを紐付けた情報と、電話番号と販売履歴とを紐付けた情報とを組み合わせることで、利用者と販売履歴とを紐付け、紐付け結果から販売予測等を行わせてもよい。すなわち、上述した各処理は、登録された情報の内容によらず、適用可能である。
〔4−5.データ管理サービスのアーキテクチャについて〕
ここで、上述した例では、情報管理装置10は、データ管理サービスとして、各事業者から登録された情報をそのまま管理していた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。情報管理装置10は、任意のアーキテクチャを用いて、情報の管理を行ってもよい。
例えば、各事業者が異なるプラットフォーム(例えば、それぞれ異なる事業者が運営するクラウドサービス)を利用している場合がある。例えば、Aクラウドサービス(以下、「Aクラウド」とする)、Bクラウドサービス(以下、「Bクラウド」とする)、Cクラウドサービス(以下、「Cクラウド」とする)およびDクラウドサービス(以下、「Dクラウド」とする)が提供されているものとする。なお、各クラウドサービスは、1つまたは複数のサーバにより提供されており、それぞれ異なる運営事業者により運営されているものとする。
ここで、事業者Aのデータが、Aクラウドにおけるプラットフォーム(以下、「Aプラットフォーム」と記載する)上に登録され、事業者Bのデータが、Bクラウドにおけるプラットフォーム(以下、「Bプラットフォーム」と記載する)上に登録され、事業Cのデータが、Cクラウドにおけるプラットフォーム(以下、「Cプラットフォーム」と記載する)上に登録され、事業者Dのデータが、Dクラウドにおけるプラットフォーム(以下、「Dプラットフォーム」と記載する)上に登録されているものとする。
このようなAプラットフォーム〜Dプラットフォームを連携させることで、情報管理装置10は、データ管理システムを実現してもよい。すなあち、情報管理装置10は、Aプラットフォーム〜Dプラットフォームを連携させたプラットフォーム(以下、連携プラットフォーム)を用いて、各事業者A〜Dのデータを管理する。そして、情報管理装置10は、連携プラットフォームを介して、異なるクラウドサービスを利用する事業者間におけるデータの相互利用を可能とする。
例えば、各事業者A〜Dは、各クラウドに配置されたデータを、いずれのクラウドからアクセス可能であってもよい。例えば、各事業者A〜Dは、情報管理装置10によって提供されるインターフェイスAPIを利用することにより、一のクラウド(例えばAクラウド)に配置されたデータを、他のクラウド(例えばBクラウド)からアクセス可能であってもよい。また、情報管理装置10は、連携プラットフォームに含まれる各プラットフォームの各々にアクセス可能であってもよい。
また、このような連携プラットフォームにおけるデータの共有は、メタデータを用いて行われてもよい。例えば、情報管理装置10は、各クラウドのプラットフォームに登録されたデータそのものではなく、データを説明するための付加的なデータであるメタデータを共有させてもよい。ここで、メタデータは、例えば、実体データと対応付けられたデータであるが、具体的な顧客情報等を含むものではなく、かかるデータが「顧客情報である」ということを示すための情報である。メタデータには、例えば、メタデータを登録した事業者名(事業者を識別する識別情報)や、登録した日時、メタデータに対応する実体データを特定するための情報、実体データのカテゴリ等が含まれてもよい。情報管理装置10は、メタデータを共有することにより、いずれのクラウドからでも事業者がプラットフォームPF内のデータにアクセス可能にしてもよい。
また、情報管理装置10は、各事業者A〜Cに対して、メタデータの登録を要求してもよく、自動的にメタデータの生成を行ってもよい。また、情報管理装置10は、メタデータに関するアクセス権限であって、各事業者A〜Dごとに異なるアクセス権限を設定可能としてもよい。すなわち、情報管理装置10は、共有空間からの持ち出しを承認制にしてもよい。また、情報管理装置10は、どの事業者が登録したデータにどの事業者がアクセスしたかといったデータの追跡を行えるようにしてもよい。
例えば、情報管理装置10は、共通空間を設定し、かかる共有空間に入力されたデータに対し、提供者となる事業者を示す情報を紐付ける。そして、情報管理装置10は、共有空間に入力されたデータにアクセスするためには、かかるデータの提供者となる全ての事業者に対して承認を問合せ、全ての事業者から承認を得た場合には、データの提供を行うようにしてもよい。また、情報管理装置10は、分析結果等、各事業者が登録したデータから各種処理の結果出力されたデータを持ち出すためには、処理対象となった全てのデータの提供者全ての承諾を得なければならないようにしてもよい。また、情報管理装置10は、分析結果を用いたさらに生成したデータ、すなわち、処理の結果を更に処理したデータは、全ての入力を遡り、参照された全ての情報の全ての提供者の承諾を得なければならないようにしてもよい。
また、例えば、情報管理装置10は、事業者の各々が所有するデータに対応したメタデータであって、データが管理されるプラットフォーム上にデータを所有する事業者から登録されるメタデータを統合した統合メタデータを生成してもよい。言い換えれば、情報管理装置10は、データ連携を行う各事業者が保有するデータのカタログのような情報を生成する。これにより、各事業者は、他の事業者が保有するデータの概要を参照できるので、複数の事業者間のデータ共有(データ連携)を円滑に行うことができる。
また、情報管理装置10は、メタデータに対応するデータの利用状況に基づいて、メタデータを登録した事業者に対して、メタデータに対するアクセス権限の設定に関する提案を行ってもよい。例えば、情報管理装置10は、事業者Aが持っているデータと事業者Cが持っているデータとの利用状況を学習し、利用状況に応じて、事業者Aに対し、事業者Cにデータの公開(アクセス権限の設定)を提案してもよい。また、情報管理装置10は、新たな事業者Eが新規に参入する場合、登録しなければならないデータの内容やメタデータの条件を設定してもよい。情報管理装置10は、データ連携に参加した各事業者に対して、積極的なデータの公開や利用を促進させることができる。結果として、情報管理装置10は、各事業者が所有する有用なデータの活用を進めることができる。
このようなアーキテクチャの場合、必ずしもデータ管理サービスを提供する事業者Zを経由せずとも、事業者同士でデータのやり取りを可能とするとともに、事業者Zがどのようにデータが使用されているかを把握することができる。
〔4−6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔4−7.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報管理装置10は、例えば図22に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図22は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000が情報管理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
〔5.効果〕
上述してきたように、情報管理装置10は、複数の事業者により登録された情報の利用目的を受付ける。そして、情報管理装置10は、情報の組み合わせ毎に、利用目的における効果を推定し、推定された効果に基づいて、利用目的に用いられる情報を選択する。このため、情報管理装置10は、所定の利用目的に対して有用な情報を選択し、選択した情報に応じた報酬を設定することができる。
また、情報管理装置10は、情報を登録した事業者の組み合わせを生成し、生成した事業者の組み合わせごとに、その組み合わせに含まれる事業者が登録した情報の効果を推定する。例えば、情報管理装置10は、事業者の全組み合わせについて、該組み合わせに含まれる事業者が登録した情報の効果を推定する。なお、情報管理装置10は、複数の事業者が登録した情報のサブセットの組み合わせを生成し、生成したサブセットの組み合わせごとに、その組み合わせに含まれる情報の効果を推定してもよい。そして、情報管理装置10は、推定された効果が最大となる組み合わせに含まれる情報を利用目的に用いられる情報として選択する。このため、情報管理装置10は、所定の利用目的に対して有用な情報を選択し、選択した情報に応じた報酬を設定することができる。
また、情報管理装置10は、選択された情報の利用目的における効果に基づいて、その情報を登録した複数の事業者に対する報酬の割合を決定する。例えば、情報管理装置10は、選択された情報を用いなかった場合の効果と、各事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定する。また、例えば、情報管理装置10は、選択された情報を用いた場合の効果と、各事業者が登録した情報を利用しなかった場合の効果との差に基づいて、各事業者に対する報酬の割合を決定する。
また、例えば、情報管理装置10は、選択された情報を登録した複数の事業者から、所定の事業者と他の事業者との組合せとを生成し、生成した組み合わせのそれぞれについて組み合わせに含まれる事業者が登録した場合の効果と選択された情報を用いなかった場合の効果との差を算出するとともに、選択された情報を用いなかった場合の効果と、所定の事業者が登録した情報のみを利用した場合の効果との差を算出し、算出した差の平均値に基づいて、所定の事業者に対する報酬の割合を決定する。そして、情報管理装置10は、利用目的を満たす分析結果の提供に対する報酬を原資として、決定部により決定された割合に基づき、各事業者に対する報酬を設定する。これらの処理の結果、情報管理装置10は、選択した情報の有用性に応じた報酬を設定することができる。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。