以下に、本願に係る情報取引装置、情報取引方法及び情報取引プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報取引装置、情報取引方法及び情報取引プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.情報取引処理〕
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る情報取引処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報取引処理の一例を示す図である。図1では、情報流通システム1を例に挙げて、情報取引処理について説明する。
図1に示すように、情報流通システム1には、提供者端末101〜103と、利用者端末20と、情報取引装置100とが含まれる。情報取引装置100は、図示しないネットワーク(例えば、インターネット)を介して、提供者端末101〜103及び利用者端末20と通信可能に接続される。なお、情報流通システム1に含まれる提供者端末101〜103や利用者端末20の台数は、図1に示した例に限られない。
提供者端末101〜103は、それぞれ情報提供者U1〜U3によって利用される情報処理装置である。利用者端末20は、情報利用者Rによって利用される情報処理装置である。提供者端末101〜103及び利用者端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。図1の例の場合、提供者端末101〜103は、移動端末であるものとする。
ここで、情報提供者U1〜U3は、例えば、スマートフォン等を有する一般的なユーザであり、ユーザ情報を情報利用者Rに有償で提供することにより利益を得る。また、情報利用者Rは、例えば、情報提供者U1〜U3から購入したユーザ情報を分析する企業や団体等である。なお、以下では、情報提供者U1〜U3を区別する必要がない場合には、これらを総称して「情報提供者U」と表記する場合がある。また、以下では、提供者端末101〜103を区別する必要がない場合には、これらを総称して「提供者端末10」と表記する場合がある。
情報取引装置100は、情報取引処理を行うサーバ装置である。具体的には、情報取引装置100は、以下に説明するように、情報提供者Uと情報利用者Rとの間におけるユーザ情報の取引処理を行う。
図1に示した例において、情報取引装置100は、ユーザ情報に関するメタ情報を提供者端末10から受信する(ステップS11)。ここで、ユーザ情報とは、提供者端末10に関する情報や、情報提供者Uに関する情報である。詳しくは後述するが、ユーザ情報は、例えば、提供者端末10によって取得される位置情報等に該当する。また、メタ情報とは、例えば、提供者端末10において取得可能なユーザ情報の種別や、ユーザ情報を取得する取得期間や、ユーザ情報を取得する取得頻度などである。なお、提供者端末10は、情報取引装置100に送信したメタ情報に対応するユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報を自装置(提供者端末10)に蓄積する。
そして、情報取引装置100は、提供者端末10から受信したメタ情報を記憶部120に格納する。すなわち、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報自体を蓄積するのではなく、各提供者端末10によって取得可能なユーザ情報の種別等を記憶部120に蓄積する。
続いて、情報取引装置100は、記憶部120に記憶されているメタ情報に基づいて、提供者端末10に提供可能なユーザ情報の販売価格を算定し、算定した販売価格を利用者端末20に提供する(ステップS12)。この販売価格は、情報利用者Rがユーザ情報を取得する対価として情報取引装置100の管理者等に支払う金銭の価格を示す。
続いて、利用者端末20は、情報利用者Rによる操作に従って、ユーザ情報の取得要求を情報取引装置100に送信する(ステップS13)。例えば、利用者端末20は、取得対象のユーザ情報を特定するための特定情報を含む取得要求を情報取引装置100に送信する。
続いて、情報取引装置100は、利用者端末20から取得要求を受け付けた場合に、記憶部120に記憶されているメタ情報に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報を保持する情報提供者Uを検索する(ステップS14)。具体的には、情報取引装置100は、取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集できるように、ユーザ情報を提供する情報提供者Uの候補を決定する。なお、以下では、情報取引装置100によって決定される「ユーザ情報を提供する情報提供者Uの候補」を「収集対象者」と表記する場合がある。すなわち、情報取引装置100は、全ての収集対象者からユーザ情報を取得できた場合には、少なくとも取得要求に対応するユーザ情報を収集できるように、メタ情報を送信した情報提供者Uの中から1人以上の収集対象者を決定する。
続いて、情報取引装置100は、取得要求に対応するユーザ情報の暫定的な価格を算定する(ステップS15)。ここでいう暫定的な価格とは、後述する処理において変動する可能性がある価格を示し、ユーザ情報を提供した情報提供者U(すなわち、収集対象者)が情報取引装置100の管理者等から得られる報酬額を示す。以下では、情報取引装置100により算定される暫定的な価格を「仮報酬額」と表記する場合がある。ここで、情報取引装置100は、ステップS12において提示した販売価格よりも低額である仮報酬額を算定することが望ましい。すなわち、情報取引装置100は、情報取引装置100の管理者等が赤字とならないように、「販売価格≧仮報酬額」を満たす仮報酬額を算定することが望ましい。
続いて、情報取引装置100は、ステップS14において検索された収集対象者の提供者端末10に対して、ステップS15において算定された仮報酬額や、取得要求において要求されているユーザ情報の種別などを含む需要情報を送信する(ステップS16)。
続いて、提供者端末10は、情報取引装置100から需要情報を受信した場合に、需要情報をディスプレイ等の表示部に表示する。これにより、収集対象者は、ユーザ情報を情報利用者Rへ提供することに同意するか否かを判断する。例えば、収集対象者は、需要情報に含まれるユーザ情報の種別や仮報酬額などを参照することで、ユーザ情報の提供に同意するか否かを判断する。そして、提供者端末10は、収集対象者によって同意する旨の操作が行われた場合に、同意を示す同意情報を情報取引装置100に送信する(ステップS17)。
続いて、情報取引装置100は、提供者端末10から受信した同意情報が同意を示す場合に、提供者端末10からユーザ情報を収集し(ステップS18)、収集したユーザ情報を記憶部120に格納する(ステップS19)。このようにして、情報取引装置100は、取得要求に対応するユーザ情報を提供者端末10から収集する。
続いて、情報取引装置100は、記憶部120を参照することで、取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集したか否かを判定する。そして、情報取引装置100は、全てのユーザ情報を収集していない場合に、ユーザ情報の取得状況に応じて、仮報酬額を新たに算定する(ステップS20)。
例えば、情報取引装置100は、利用者端末20にユーザ情報を提供する日時の期限である納期までに全てのユーザ情報を収集できる確度が低い場合には、ステップS15において算定した仮報酬額を割り増しする。すなわち、情報取引装置100は、収集対象者から同意を得られるように、収集対象者に支払う報酬額を割り増しする。なお、情報取引装置100は、「販売価格≧仮報酬額」を満たすように、仮報酬額を割り増しすることが望ましい。
また、例えば、情報取引装置100は、納期前に全てのユーザ情報を収集できる確度が高い場合には、ステップS15において算定した仮報酬額を割り引く。すなわち、情報取引装置100は、多くの収集対象者から同意を得られている場合には、多くの収集対象者から同意を得る必要性が低いので、収集対象者に支払う報酬額を割り引く。
このようにして、情報取引装置100は、ユーザ情報の取得状況に応じて、取得要求に対応するユーザ情報を収集できる範囲で仮報酬額を調整する。なお、情報取引装置100は、ステップS15の算定処理を行う場合に、後の算定処理(ステップS20)において仮報酬額を増額する可能性があることを考慮して、販売価格よりも低額な仮報酬額を算定することが望ましい。
そして、情報取引装置100は、ステップS20において新たな仮報酬額を算定した後に、ステップS16〜S19における処理を行う。そして、情報取引装置100は、取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集するまでステップS16〜S20における処理を繰り返し行う。
続いて、情報取引装置100は、取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集した場合に、収集したユーザ情報を利用者端末20に提供する(ステップS21)。このとき、情報取引装置100は、ステップS12において提示した販売価格を情報利用者Rに請求する。ただし、この例に限られず、情報取引装置100は、ユーザ情報の収集時に調整した仮報酬額に応じて、ステップS12において提示した販売価格よりも割り引いた価格を情報利用者Rに請求してもよい。
また、図1では図示することを省略したが、ステップS21の後に、情報利用者Rは、ユーザ情報の利用料として、情報取引装置100から請求された販売価格を情報取引装置100の管理者等に支払う。そして、情報取引装置100の管理者等は、ステップS21において利用者端末20に提供したユーザ情報の送信元である収集対象者に対して、かかる収集対象者が同意した時点における仮報酬額として支払う。ここで収集対象者に支払われる仮報酬額は、正式な報酬額となる。
このように、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、情報提供者Uに報酬額を提示した上で、同意を得られた情報提供者Uに対応するユーザ情報のみを情報利用者Rに提供する。このため、情報取引装置100は、情報提供者Uが判断したユーザ情報の価値に見合った報酬を情報提供者Uに提供することができる。この結果、情報取引装置100は、情報提供者Uが適正な利益を享受することを実現することができる。
また、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報の取得状況に応じて、仮報酬額を調整するので、ユーザ情報の提供に同意する情報提供者の数やタイミングを制御することができる。また、情報取引装置100は、仮報酬額を調整することで、情報提供者が自らユーザ情報を情報取引装置100に提供することを促進できる。この結果、情報取引装置100は、取得要求に対応するユーザ情報を収集する可能性を高めることができるとともに、情報取引装置100の管理者等が多くの利益(販売価格から正式な報酬額を減算した価格の金銭)を得ることを可能にする。そして、情報取引装置100は、情報提供者から同意を得ることで、情報提供時に情報提供者と情報利用者とが取引の確認と取引契約の締結を行うことができるので、適切な取引や適正な情報利用を促進することができる。
さらに、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報を保持せずにメタ情報を保持するだけであるので、情報取引装置100からユーザ情報が漏洩することを防止できる。すなわち、情報取引装置100は、情報提供者Uが適正な利益を享受することができるとともに、セキュリティの高い情報取引処理を実現することができる。
〔2.提供者端末の構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る提供者端末10の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る提供者端末10の構成例を示す図である。図2に示すように、提供者端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、記憶部15と、提供制御部16とを有する。
通信部11は、ネットワークと有線又は無線で接続され、情報取引装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、提供者端末10の側壁等に備えられたハードキー等によって実現される。表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、提供者端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、提供者端末10に関する各種情報を検知する。具体的には、検知部14は、ユーザ情報として、提供者端末10の物理的な状態を検知する。図2に示した例では、検知部14は、測位部14aと、圧力センサ14bとを有する。
測位部14aは、提供者端末10の現在位置を取得する。具体的には、測位部14aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて提供者端末10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。圧力センサ14bは、提供者端末10の周囲の気圧を検知する。
なお、検知部14は、測位部14a及び圧力センサ14bに限られず、提供者端末10の物理的な状態を検知する各種機器を有してもよい。例えば、検知部14は、提供者端末10の周囲の音を収集するマイクロフォンや、提供者端末10の周囲の照度を検知する照度センサや、提供者端末10の物理的な動きを検知する加速度センサ(又は、ジャイロセンサなど)や、提供者端末10の周囲の湿度を検知する湿度センサや、提供者端末10の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を有してもよい。また、検知部14は、測位部14aや圧力センサ14bを有さずに、マイクロフォン、照度センサ、湿度センサ、地磁気センサ等を有してもよい。
記憶部15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部15は、検知部14によって検知されるユーザ情報を記憶する。
提供制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、提供者端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、提供制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
このような提供制御部16は、情報取引装置100にユーザ情報を提供する処理を制御する。例えば、提供制御部16は、ユーザ情報の提供処理を実現するための情報提供アプリケーションを実行制御する。情報提供アプリケーションは、予め提供者端末10にインストールされていてもよいし、提供者端末10を有する情報提供者による操作に従ってサーバ装置(例えば、情報取引装置100、又は、各種アプリケーションを提供するサーバ装置)からダウンロードされることで提供者端末10にインストールされてもよい。
図2に示すように、提供制御部16は、取得部17と、確認部18と、送信部19とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。例えば、提供制御部16は、RAMを作業領域として上述した情報提供アプリケーションを実行することにより、取得部17、確認部18及び送信部19を実現する。なお、提供制御部16の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、提供制御部16が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
取得部17は、ユーザ情報を取得する。具体的には、取得部17は、検知部14を制御することにより、検知部14によって検知される各種情報をユーザ情報として取得し、取得したユーザ情報を記憶部15に格納する。例えば、取得部17は、測位部14aを制御することにより、ユーザ情報として、提供者端末10の現在位置を示す位置情報を取得する。また、例えば、取得部17は、圧力センサ14bを制御することにより、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の気圧を示す気圧情報を取得する。
また、上記例に限られず、取得部17は、検知部14が有するセンサ等の機器に応じて、それぞれの機器から各種ユーザ情報を取得する。例えば、取得部17は、検知部14がマイクロフォンを有する場合には、ユーザ情報として、マイクロフォンによって収集された音の大きさを示す収音情報を取得する。また、取得部17は、検知部14が照度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の照度を示す照度情報を取得する。また、取得部17は、検知部14が加速度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の傾度を示す傾度情報を取得する。また、取得部17は、検知部14が湿度センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の周囲の湿度を示す湿度情報を取得する。また、取得部17は、検知部14が地磁気センサを有する場合には、ユーザ情報として、提供者端末10の所在位置における磁場を示す磁場情報を取得する。
なお、情報提供者Uは、取得部17によって取得されるユーザ情報の種別を設定することができる。具体的には、情報提供者Uは、提供者端末10が複数種別のユーザ情報を取得する機能を有する場合であっても、取得部17に取得させるユーザ情報の種別を設定することができる。例えば、情報提供者Uは、位置情報、気圧情報、収音情報、照度情報、傾度情報、湿度情報、磁場情報などの種別に分けられる各ユーザ情報のうち、情報利用者に流通することを許可するユーザ情報の種別のみを取得対象として設定することができる。そして、取得部17は、情報提供者Uによって設定された種別に対応するユーザ情報のみを取得する。
また、取得部17が各種ユーザ情報を取得する取得期間や取得頻度は、提供制御部16によって予め決められている。例えば、取得部17は、所定の期間に、上述した各種ユーザ情報を定期的(5分毎、10分毎、1時間毎、1日毎、1週間毎など)に取得する。また、取得部17が各種ユーザ情報を取得する取得期間や取得頻度は、情報提供者Uによって設定されてもよい。例えば、取得部17は、情報提供者Uによって設定された所定の日時になるたびに、上述した各種ユーザ情報を取得する。また、情報提供者Uは、ユーザ情報の種別毎に、かかるユーザ情報の取得期間や取得頻度を設定することができる。
確認部18は、情報取引装置100から需要情報を受信した場合に、受信した需要情報を表示部13に表示することで、ユーザ情報の提供に同意するか否かを情報提供者Uに確認させる。そして、確認部18は、情報提供者Uによって同意する旨の操作が行われた場合に、同意を示す同意情報を生成し、生成した同意情報を送信部19に出力する。なお、確認部18が受信する需要情報には、ユーザ情報の種別や仮報酬額などが含まれる。
送信部19は、ユーザ情報に関するメタ情報を情報取引装置100に送信する。具体的には、送信部19は、取得部17によって取得されるユーザ情報の種別や、取得部17によってユーザ情報が取得される取得期間や、取得部17によってユーザ情報が取得される取得頻度などを含むメタ情報を情報取引装置100に送信する。なお、送信部19は、メタ情報に加えて、提供者端末10又は情報提供者Uを識別するための提供者識別子などを情報取引装置100に送信する。ここで、送信部19が情報取引装置100にメタ情報を送信するタイミングは、任意であってよい。また、提供者端末10が送信するメタ情報は、情報提供者Uによって設定されてもよい。
また、送信部19は、確認部18から同意情報が入力された場合に、かかる同意情報を情報取引装置100に送信する。なお、送信部19は、同意情報に加えて、情報提供者U又は提供者端末10を識別するための提供者識別子などを情報取引装置100に送信する。
また、送信部19は、情報取引装置100からユーザ情報の収集要求を受信した場合には、収集要求に対応するユーザ情報のうち、情報提供者Uが提供することに同意したユーザ情報を記憶部15から取得する。そして、送信部19は、記憶部15から取得したユーザ情報を情報取引装置100に送信する。なお、送信部19は、ユーザ情報に加えて、提供者識別子や、ユーザ情報が取得部17によって取得された取得日時などを情報取引装置100に送信する。
〔3.情報取引装置の構成〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る情報取引装置100の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る情報取引装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報取引装置100は、通信部110と、取引履歴記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、制御部130とを有する。
通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続され、提供者端末10及び利用者端末20との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、NIC等によって実現される。
取引履歴記憶部121及びユーザ情報記憶部122は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。なお、取引履歴記憶部121及びユーザ情報記憶部122は、図1に示した記憶部120に対応する。
取引履歴記憶部121は、情報提供者Uと情報利用者Rとの間におけるユーザ情報の取引に関する履歴情報を記憶する。ここで、図4に、第1の実施形態に係る取引履歴記憶部121の一例を示す。図4に示した例では、取引履歴記憶部121は、「利用者識別子」、「要求日時」、「要求対象」、「納期」、「提供者情報」といった項目を有する。
「利用者識別子」は、ユーザ情報の取得要求を送信した情報利用者R又は利用者端末20を識別するための識別情報を示す。「要求日時」は、情報取引装置100が利用者端末20から取得要求を受信した日時を示す。「要求対象」は、取得要求によって要求されているユーザ情報の条件を示す。「納期」は、情報取引装置100が利用者端末20にユーザ情報を提供する日時の期限を示す。
「提供者情報」は、需要情報の送信先となる情報提供者U(すなわち、収集対象者)に関する各種情報を示す。図4の例では、「提供者情報」は、「提供者識別子」、「同意情報」、「収集情報」といった項目に分けられる。「提供者識別子」は、収集対象者又は収集対象者の提供者端末10を識別するための識別情報を示す。「同意情報」は、需要情報を受信した収集対象者がユーザ情報の提供に同意したか否かを示す。なお、図4では、同意情報が「OK」である場合には、収集対象者が同意していることを示す。また、同意情報が「NG」である場合には、収集対象者が同意していないか、又は、同意情報を提供者端末10から受信していないことを示す。「収集情報」は、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。
なお、以下では、提供者識別子が「UX」である情報提供者を「情報提供者UX」と表記する場合がある。また、利用者識別子が「RX」である情報利用者を「情報利用者RX」と表記する場合がある。
例えば、図4では、情報取引装置100が、「2013年11月1日」に、情報利用者R01の利用者端末20から、「2013年に取得された100人分の位置情報」に該当するユーザ情報の取得要求(ここでは、取得要求X1とする)を受信した例を示す。また、図4では、情報取引装置100が、取得要求X1に応答して、情報提供者U01の提供者端末10に需要情報を送信し、同意を示す同意情報を提供者端末10から受信した例を示す。一方、図4では、情報取引装置100が、取得要求X1に応答して、情報提供者U02の提供者端末10に需要情報を送信し、同意を示す同意情報を提供者端末10から受信していない例を示す。
なお、図4では、「収集情報」の「値」に「A01」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、位置情報として、「緯度及び経度」や「住所(例えば、都道府県や市区町村)」や、これらの情報を取得した日時等が記憶される。
ユーザ情報記憶部122は、提供者端末10から提供されるユーザ情報のメタ情報を記憶する。ここで、図5に、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す。図5に示した例では、ユーザ情報記憶部122は、「提供者識別子」、「ユーザ情報」といった項目を有する。
「提供者識別子」は、図4に示した提供者識別子に対応する。「ユーザ情報」は、「位置情報」、「気圧情報」といった種別に分けられる。なお、図5では図示することを省略したが、「ユーザ情報」は、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」、「湿度情報」、「磁場情報」などの種別を有してもよい。
また、図5に示したユーザ情報は、種別毎に、「状態」、「取得期間」、「取得頻度」、「提供回数」といった項目に分けられる。「状態」は、提供者端末10によってユーザ情報が取得されているか否かを示す。図5の例の場合、「状態」に「有」が記憶されている場合には、提供者端末10によってユーザ情報が取得されていることを示し、「状態」に「無」が記憶されている場合には、提供者端末10によってユーザ情報が取得されていないことを示す。「取得期間」は、提供者端末10がユーザ情報を取得する期間を示す。「取得頻度」は、提供者端末10がユーザ情報を取得する時間間隔を示す。「提供回数」は、過去にユーザ情報が利用者端末20に提供された回数を示す。
例えば、図5では、情報提供者U01の提供者端末10に位置情報及び気圧情報が蓄積されている例を示す。また、例えば、図5では、情報提供者U01の提供者端末10が、2013年に30分間隔で位置情報を取得する例を示す。また、例えば、図5では、情報提供者U01の提供者端末10によって取得された位置情報が過去に利用者端末20に対して30回提供された例を示す。また、例えば、図5では、情報提供者U02の提供者端末10に位置情報が蓄積されているものの、気圧情報が蓄積されていない例を示す。ここで挙げた2つの例のように、提供者端末10により取得されるユーザ情報の種別は提供者端末10毎に異なる。
図3の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、情報取引装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報取引プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、受信部131と、格納部132と、要求受付部133と、算定部134と、生成部135と、同意確認部136と、取得部137と、提供部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受信部131は、提供者端末10から、情報提供者U又は提供者端末10に関するユーザ情報のメタ情報を受信する。例えば、受信部131は、提供者端末10から、提供者識別子とメタ情報とを受信する。
格納部132は、受信部131によって受信された提供者識別子とメタ情報とを対応付けて、ユーザ情報記憶部122に格納する。図5の例の場合、格納部132は、メタ情報に含まれるユーザ情報の種別に対応するユーザ情報記憶部122の「状態」に「有」を格納するとともに、メタ情報に含まれる取得期間及び取得頻度をユーザ情報記憶部122に格納する。一方、格納部132は、メタ情報に含まれないユーザ情報の種別に対応する「状態」に「無」を格納し、取得期間及び取得頻度をユーザ情報記憶部122に格納しない。
要求受付部133は、利用者端末20から、ユーザ情報の取得要求を受け付ける。具体的には、要求受付部133は、利用者識別子や、納期や、取得対象のユーザ情報を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。例えば、要求受付部133は、ユーザ情報の種別を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。また、例えば、要求受付部133は、ユーザ情報が取得された取得日時の期間を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。また、例えば、要求受付部133は、取得対象とするユーザ情報に対応する情報提供者Uの人数を特定するための特定情報を含む取得要求を受け付ける。一例を挙げて説明すると、要求受付部133は、ユーザ情報の種別が「位置情報」であり、かつ、取得日時が「2013年」であり、これらの条件を満たす100人分のユーザ情報を要求する取得要求を受け付ける。
そして、要求受付部133は、ユーザ情報記憶部122に記憶されているメタ情報に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報を収集できるように収集対象者を決定する。具体的には、要求受付部133は、取得要求に含まれる特定情報と合致するユーザ情報を保持する情報提供者Uのうち、取得要求に対応するユーザ情報の収集に必要となる情報提供者Uを収集対象者として決定する。そして、要求受付部133は、取得要求に含まれる利用者識別子、納期及び特定情報と、収集対象者の提供者識別子とを対応付けて取引履歴記憶部121に格納する。このとき、要求受付部133は、取得要求を受け付けた日時を取引履歴記憶部121の「要求日時」に格納し、取得要求に含まれる特定情報を取引履歴記憶部121の「要求対象」に格納する。
また、要求受付部133は、図1に示したステップS11に対応する処理を行う。具体的には、要求受付部133は、算定部134によって算定された販売価格を利用者端末20に提示する。算定部134による販売価格の算定処理については後述する。
算定部134は、利用者端末20に提供可能なユーザ情報の価格を算定する。具体的には、算定部134は、ユーザ情報の価格として、販売価格及び仮報酬額を算定する。ここで、算定部134は、「販売価格≧仮報酬額」を満たすように、販売価格及び仮報酬額を算定する。例えば、算定部134は、定期的に販売価格を算定し、算定した販売価格から所定の割合だけ割り引いた価格を仮報酬額とする。以下、算定部134による販売価格及び仮報酬額の算定処理について説明する。
算定部134は、ユーザ情報記憶部122にメタ情報が記憶されているユーザ情報の価値に影響を与える要因を示す要因情報に基づいて、利用者端末20に提供可能なユーザ情報の販売価格を算定する。具体的には、算定部134は、販売価格を算定する処理を行う時点での要因情報を動的に評価し、評価した要因情報に基づいてユーザ情報の販売価格を算定する。第1の実施形態に係る算定部134は、要因情報として各ユーザ情報の市場状況を評価する。具体的には、算定部134は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供回数を用いることで、現時点での各ユーザ情報の市場状況を評価する。例えば、算定部134は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている「提供回数」が大きい値であるほど、ニーズが高いユーザ情報であると評価し、「提供回数」が小さい値であるほど、ニーズが低いユーザ情報であると評価する。そして、算定部134は、このような評価結果に基づいて、ニーズが高いユーザ情報ほど販売価格を高く算定し、ニーズが低いユーザ情報ほど販売価格を低く算定する。
なお、算定部134は、情報提供者U毎に、各種別に対応するユーザ情報の販売単価を算定してもよい。ここでいう販売単価とは、1つのユーザ情報当たりの販売価格を示す。図5の例の場合、算定部134は、情報提供者U01によって提供される位置情報及び気圧情報の販売単価を算定する。同様に、算定部134は、情報提供者U02〜U05についても位置情報の販売単価を算定する。例えば、図5に示した位置情報に着目すると、情報提供者U01の位置情報が最も多く利用者端末20に提供されている。このため、算定部134は、情報提供者U01〜U05によって提供される位置情報のうち、情報提供者U01によって提供される位置情報の販売単価を最も高く算定する。
算定部134は、上述したような販売価格の算定処理を所定のタイミングで行う。例えば、算定部134は、1日毎、1週間毎、又は、1ヶ月毎に、販売価格の算定処理を行う。すなわち、算定部134は、利用者端末20に提供可能なユーザ情報(ユーザ情報記憶部122にメタ情報が記憶されているユーザ情報)の販売価格を定期的に更新する。そして、上述した要求受付部133は、算定部134によって算定された販売価格を利用者端末20に提示する。例えば、要求受付部133は、利用者端末20からユーザ情報の条件(種別、取得期間、取得頻度など)を含む販売価格の提示要求を受信した場合に、かかる条件を満たすユーザ情報の販売単価を利用者端末20に提示する。
また、算定部134は、要求受付部133によって取得要求が受け付けられた場合に、現時点での販売価格に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報の仮報酬額を算定する。具体的には、算定部134は、取引履歴記憶部121の提供者情報を参照することで、収集対象者を特定する。続いて、算定部134は、ユーザ情報記憶部122を参照することで、収集対象者が保持するユーザ情報を特定する。続いて、算定部134は、収集対象者が保持するユーザ情報に対応する販売価格に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報の仮報酬額を算定する。このとき、算定部134は、「販売価格≧仮報酬額」を満たすように、仮報酬額を算定する。例えば、算定部134は、取得要求に対応するユーザ情報の販売価格から所定の割合だけ割り引いた価格を仮報酬額として算定する。
ここで、算定部134は、ユーザ情報の価値を反映した仮報酬額を算定する。具体的には、算定部134は、販売価格が高いユーザ情報ほど仮報酬額を高く算定し、販売価格が低いユーザ情報ほど仮報酬額を低く算定する。例えば、算定部134は、各ユーザ情報の販売価格(又は、販売単価)から予め決められている所定割合だけ割り引いた価格を仮報酬額とする。これにより、算定部134は、販売価格に対する収集対象者の貢献度に応じて、収集対象者に支払う報酬額を算定することができる。
また、算定部134は、ユーザ情報を収集する取得部137から新たな仮報酬額を算定するように指示された場合に、取得部137におけるユーザ情報の取得状況に応じて、新たな仮報酬額を動的に算定する。具体的には、算定部134は、取引履歴記憶部121の収集情報を参照することで、取得部137におけるユーザ情報の取得状況を取得する。そして、算定部134は、取得状況に基づいて、取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集できる確度が低いと判定した場合には、前回算定した仮報酬額を割り増した新たな仮報酬額を算定する。一方、算定部134は、全てのユーザ情報を収集できる確度が高いと判定した場合には、前回算定した仮報酬額を割り引いた新たな仮報酬額を算定する。すなわち、算定部134は、取得部137における取得状況に加えて、要因情報に基づいて仮報酬額を算定することとなる。
なお、算定部134による新たな仮報酬額の算定処理は上記例に限られない。例えば、算定部134は、取引履歴記憶部121に記憶されている納期に応じて、新たな仮報酬額を算定してもよい。例えば、算定部134は、納期までの日数が多いほど、前回の仮報酬額から割り増しする割増率を低くする。言い換えれば、算定部134は、納期までの日数が少ないほど割増率を高くする。また、例えば、算定部134は、納期までの日数が多いほど、前回の仮報酬額から割り引く割引率を高くする。言い換えれば、算定部134は、納期までの日数が少ないほど割引率を低くする。これにより、算定部134は、納期に間に合う範囲で仮報酬額を適切に調整することができる。
また、算定部134は、ユーザ情報の増加速度(1次微分量)に応じて、新たな仮報酬額を算定してもよい。具体的には、算定部134は、取引履歴記憶部121の収集情報を参照することで、増加速度として、例えば1日当たりのユーザ情報の増加量を取得する。そして、算定部134は、増加速度が速いほど割増率を低くする。言い換えれば、算定部134は、増加速度が遅いほど割増率を高くする。また、算定部134は、増加速度が速いほど割引率を高くする。言い換えれば、算定部134は、増加速度が遅いほど割引率を低くする。これにより、算定部134は、ユーザ情報の取得状況に応じて、仮報酬額を適切に調整することができる。
また、算定部134は、ユーザ情報の増加加速度(2次微分量)に応じて、新たな仮報酬額を算定してもよい。具体的には、算定部134は、取引履歴記憶部121の収集情報を参照することで、増加加速度として、例えば1日毎のユーザ情報の増加量における変化率を取得する。そして、算定部134は、増加加速度が速いほど割増率を低くする。また、算定部134は、増加加速度が速いほど割引率を高くする。これにより、算定部134は、ユーザ情報の取得状況に応じて、仮報酬額を適切に調整することができる。
生成部135は、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に関する情報である需要情報を生成する。言い換えれば、生成部135は、情報提供者Uと情報利用者Rとの間におけるユーザ情報の取引に関する情報を需要情報として生成する。第1の実施形態に係る生成部135は、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に対応するユーザ情報の提供によって情報提供者Uが得られる報酬に関する報酬情報を含む需要情報を生成する。具体的には、生成部135は、算定部134によって算定された仮報酬額(報酬情報の一例)や、取得要求において要求されているユーザ情報の種別などを含む需要情報を生成する。このとき、生成部135は、算定部134によって仮報酬額が算定されるたびに、算定された仮報酬額を含む需要情報を生成する。すなわち、生成部135は、取得部137におけるユーザ情報の取得状況に応じて、需要情報を動的に生成することとなる。
同意確認部136は、生成部135によって生成された需要情報を受け付けた提供者端末10から、ユーザ情報の提供に同意するか否かを示す同意情報を提供者端末10から受信する。具体的には、同意確認部136は、取引履歴記憶部121を参照することで収集対象者を特定し、特定した収集対象者の提供者端末10に対して、需要情報を提供する。そして、同意確認部136は、需要情報の応答として提供者端末10から同意情報を受信し、受信した同意情報が示す同意有無を取引履歴記憶部121に格納する。
取得部137は、同意確認部136によって受信された同意情報に基づいて、同意情報の送信元である提供者端末10に対応するユーザ情報を取得する。具体的には、取得部137は、取引履歴記憶部121に記憶されている同意情報に基づいて、ユーザ情報の提供に同意した収集対象者を特定し、特定した収集対象者の提供者端末10からユーザ情報を取得する。例えば、取得部137は、取引履歴記憶部121の要求対象に記憶されているユーザ情報の種別や取得期間や取得頻度を含む収集要求を提供者端末10に送信することで、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に対応するユーザ情報を提供者端末10から取得する。そして、取得部137は、提供者端末10から収集したユーザ情報を取引履歴記憶部121の収集情報に格納する。
ここで、取得部137は、取引履歴記憶部121の要求対象及び収集情報を参照することで、取得要求に対応するユーザ情報が収集できているか否かを定期的に監視する。そして、取得部137は、取得要求に対応するユーザ情報を収集できる確度に応じて、算定部134に対して新たな仮報酬額を算定するよう指示する。例えば、取得部137は、納期までにユーザ情報を収集できる確度が低い場合や、納期よりも所定日数以上ユーザ情報を早く収集できる確度が高い場合に、算定部134に対して新たな仮報酬額を算定するよう指示する。
また、取得部137は、取引履歴記憶部121の要求対象及び収集情報を参照することで、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に対応する全てのユーザ情報を収集したか否かを判定する。そして、取得部137は、全てのユーザ情報を収集した場合には、利用者端末20にユーザ情報を提供するよう提供部138に指示する。
提供部138は、要求受付部133によって受け付けられた取得要求の送信元である利用者端末20に対して、かかる取得要求に対応するユーザ情報を提供する。具体的には、提供部138は、取得部137からユーザ情報の提供を指示された場合に、取引履歴記憶部121の収集情報に記憶されているユーザ情報を、取引履歴記憶部121の利用者識別子に対応する利用者端末20に提供する。そして、提供部138は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている各ユーザ情報に対応する提供回数のうち、利用者端末20に提供したユーザ情報の提供回数に「1」を加算する。
なお、提供部138は、ユーザ情報だけでなく、ユーザ情報と提供者識別子との組合せを利用者端末20に提供してもよい。この場合、提供部138は、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供者識別子ではなく、提供者識別子を他の情報に変換し、変換後の提供者識別子を利用者端末20に提供してもよい。
〔4.情報取引処理手順〕
次に、図6を用いて、第1の実施形態に係る情報取引装置100による情報取引処理の手順について説明する。図6は、第1の実施形態に係る情報取引装置100による情報取引処理手順を示すフローチャートである。なお、図6では、情報取引装置100が提供者端末10からメタ情報を取得済みであるものとする。
図6に示すように、情報取引装置100は、ユーザ情報の取得要求を利用者端末20から受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。そして、情報取引装置100は、取得要求を受け付けていない場合には(ステップS101;No)、取得要求を受け付けるまで待機する。
一方、情報取引装置100は、取得要求を受け付けた場合には(ステップS101;Yes)、取得要求に対応するユーザ情報に基づいて、取引履歴記憶部121にメタ情報が記憶されている情報提供者Uの中から収集対象者を決定する(ステップS102)。
続いて、情報取引装置100は、ステップS102において決定した収集対象者のユーザ情報に対応する仮報酬額を算定する(ステップS103)。具体的には、情報取引装置100は、現時点でのユーザ情報の販売価格に基づいて、仮報酬額を算定する。なお、情報取引装置100は、ユーザ情報のニーズを示す市場状況などの要因情報に基づいて、ユーザ情報の販売価格を定期的に算定する。
続いて、情報取引装置100は、収集対象者の提供者端末10に対して、仮報酬額などを含む需要情報を送信する(ステップS104)。続いて、情報取引装置100は、需要情報を送信した後に、提供者端末10から同意情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。そして、情報取引装置100は、同意情報を受信していない場合には(ステップS105;No)、同意情報を受信するまで待機する。
一方、情報取引装置100は、同意情報を受信した場合には(ステップS105;Yes)、同意を示す同意情報を送信した提供者端末10からユーザ情報を取得する(ステップS106)。続いて、情報取引装置100は、ステップS101において受信した取得要求に対応する全てのユーザ情報を取得したか否かを判定する(ステップS107)。
そして、情報取引装置100は、全てのユーザ情報を取得していない場合には(ステップS107;No)、仮報酬額の調整を要するか否かを判定する(ステップS108)。例えば、情報取引装置100は、納期までにユーザ情報を収集できる確度が低い場合や、納期よりも所定日数以上ユーザ情報を早く収集できる確度が高い場合に、仮報酬額の調整を要すると判定する。
そして、情報取引装置100は、仮報酬額の調整を要すると判定した場合には(ステップS108;Yes)、ユーザ情報の取得状況に応じて、新たな仮報酬額を算定し(ステップS109)、ステップS104における処理に戻る。一方、情報取引装置100は、仮報酬額の調整を要しないと判定した場合には(ステップS108;No)、新たな仮報酬額を算定することなく、ステップS105における処理に戻る。
また、情報取引装置100は、取得要求に対応する全てのユーザ情報を取得した場合には(ステップS107;Yes)、ステップS101において受け付けた取得要求の送信元である利用者端末20に対して、ステップS106において取得したユーザ情報を提供する(ステップS110)。
〔5.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、同意確認部136と、取得部137と、生成部135とを有する。同意確認部136は、情報提供者U又は情報提供者Uの提供者端末10に関するユーザ情報の取得要求に対応する需要情報を受け付けた提供者端末10から、取得要求に対応するユーザ情報の提供に同意するか否かを示す同意情報を受信する。取得部137は、同意確認部136によって受信された同意情報に基づいて、提供者端末10に対応するユーザ情報を収集する。生成部135は、取得部137におけるユーザ情報の取得状況に応じて、同意確認部136によって提供される需要情報を動的に生成する。
これにより、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、情報提供者Uの判断に基づいてユーザ情報を提供するので、情報提供者Uが適正な利益を享受することを実現することができる。また、情報取引装置100は、ユーザ情報の取得状況に応じて需要情報を動的に変動させるので、取得要求に対応するユーザ情報を収集する可能性を高めることができるとともに、情報取引装置100の管理者等が多くの利益を得ることを可能にする。
また、第1の実施形態に係る同意確認部136は、取得要求に対応するユーザ情報の提供によって情報提供者が得られる報酬に関する報酬情報を含む需要情報を提供者端末10に提供する。また、生成部135は、取得部137における取得状況に応じて、報酬情報を動的に生成する。
また、第1の実施形態に係る算定部134は、取得部137における取得状況に応じて、取得要求に対応するユーザ情報の提供によって情報提供者Uが得られる報酬額を算定する。また、生成部135は、算定部134によって算定された報酬額を報酬情報とする。
これにより、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、情報提供者Uが判断したユーザ情報の価値に見合った報酬を情報提供者Uに提供することができるので、情報提供者Uが適正な利益を享受することを実現することができる。
また、第1の実施形態に係る算定部134は、取得部137における取得状況と、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報とに基づいて報酬額を算定する。
これにより、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報を用いることで、ユーザ情報の価値に見合った報酬額を算定することができるので、ユーザ情報の価値に見合った報酬を情報提供者Uに提供することができる。
また、第1の実施形態に係る算定部134は、要因情報としてユーザ情報の市場状況を評価し、評価した市場状況に基づいて報酬額を算定する。例えば、算定部134は、取得要求に対応するユーザ情報における需要の度合い又は供給の度合いに応じて市場状況を評価する。
これにより、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報の市場状況に基づいて、ユーザ情報の適正な価格を算定することができるので、ユーザ情報の価値に見合った報酬を情報提供者Uに提供することができる。
また、第1の実施形態に係るユーザ情報記憶部122は、提供者端末10が保持するユーザ情報に関するメタ情報(属性情報の一例)を記憶する。また、同意確認部136は、ユーザ情報記憶部122に記憶されているメタ情報に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報を保持する提供者端末10を特定し、特定した提供者端末10に需要情報を提供することで同意情報を受信する。また、取得部137は、同意確認部136によって受信された同意情報が同意を示す場合に、同意情報の送信元である提供者端末10から、取得要求に対応するユーザ情報を収集する。
これにより、第1の実施形態に係る情報取引装置100は、ユーザ情報を保持せずにメタ情報を保持するだけであるので、情報取引装置100からユーザ情報が漏洩することを防止できる。
〔6.変形例〕
上記第1の実施形態では、実際にユーザ情報が利用者端末20に提供された提供回数がユーザ情報記憶部122に記憶される例を示した。そして、上記第1の実施形態では、算定部134が、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供回数に基づいて、ユーザ情報の価格を算定する例を示した。しかし、ユーザ情報記憶部122は、実際に利用者端末20に提供されたか否かに関係なく、ユーザ情報が利用者端末20から要求された要求回数を記憶してもよい。具体的には、利用者端末20は、取得要求を情報取引装置100に送信した場合であっても、ユーザ情報の価格によっては情報取引装置100からユーザ情報を取得しないことがある。しかし、取得要求の対象となったユーザ情報はニーズ(すなわち、需要の度合い)が高いといえる。このため、算定部134は、上述した提供回数の代わりに、ユーザ情報記憶部122に記憶される要求回数を用いて、ユーザ情報の価格を算定してもよい。また、ユーザ情報記憶部122は、提供回数及び要求回数の双方を記憶してもよい。この場合、算定部134は、ユーザ情報記憶部122に記憶される提供回数及び要求回数の双方を用いて、ユーザ情報の価格を算定してもよい。
また、上記第1の実施形態では、算定部134が、ユーザ情報記憶部122に記憶されている提供回数が多いユーザ情報ほど価格を高く算定する例を示した。しかし、算定部134は、提供回数が少ないユーザ情報ほど価格を高く算定してもよい。これは、利用者端末20に提供された回数が少ないユーザ情報は、広く知られていない情報であるともいえ、情報利用者にとって有益となる可能性があるからである。同様の理由により、算定部134は、ユーザ情報記憶部122に上記の要求回数が記憶される場合には、要求回数が少ないユーザ情報ほど価格を高く算定してもよい。
また、上記第1の実施形態では、報酬情報が仮報酬額であるものとして、ユーザ情報の取得状況に応じて仮報酬額を変動させる例を示した。しかし、情報取引装置100は、情報提供者Uが得られる特典を変動させてもよい。具体的には、生成部135は、情報提供者Uが得られる特典に関する報酬情報を含む需要情報を生成する。例えば、生成部135は、情報提供者Uが得られる特典として、情報取引装置100を利用することで付与されるポイントや、情報取引装置100によって提供されるアプリケーションの無料利用や体験利用などに関する報酬情報を需要情報に含める。そして、生成部135は、ユーザ情報の取得状況に応じて、このような特典の内容を変動させる。このとき、生成部135は、ユーザ情報の取得状況に応じて、仮報酬額及び特典の双方を変動させてもよい。なお、生成部135は、タイムセールスにより特典を付与することを示す報酬情報を需要情報に含めてもよい。
また、生成部135は、情報利用者Rに関する利用者情報を含む需要情報を生成してもよい。例えば、生成部135は、情報利用者Rの名称や、情報利用者Rが取得要求に対応するユーザ情報を利用する利用目的に関する利用者情報を需要情報に含める。そして、生成部135は、ユーザ情報の取得状況に応じて、需要情報に含まれる利用者情報を変動させてもよい。例えば、生成部135は、最初の段階では、利用者情報を含まない需要情報を生成するが、ユーザ情報を収集できる確度が低いほど、多くの利用者情報が含まれる需要情報を生成する。これにより、情報取引装置100は、情報提供者Uに対して情報利用者Rに関する詳細な情報を提供することができるので、情報提供者Uから同意を得られる可能性を高めることができる。
また、上記第1の実施形態では、需要情報にユーザ情報の種別などが含まれる例を示した。しかし、生成部135は、ユーザ情報の種別だけでなく、より詳細な情報を需要情報に含めてもよい。例えば、取得要求において要求されているユーザ情報が「2013年の関東地方における位置情報」である場合に、生成部135は、ユーザ情報の種別「位置情報」、取得日時「2013年」、取得地域「関東地方」といった情報を含む需要情報を生成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、同意確認部136が、需要情報を提供者端末10に提供する例を示した。しかし、同意確認部136は、提供者端末10からアクセスされた場合に、需要情報を提供者端末10に提供してもよい。例えば、同意確認部136は、需要情報が閲覧可能なウェブページ(掲示板など)を提供者端末10に提供してもよい。
また、上記第1の実施形態では、要求受付部133が、取得要求を受け付けた際に収集対象者を決定する例を示した。ここで、要求受付部133は、取引履歴記憶部121に記憶されている取引の履歴情報に基づいて、収集対象者を決定してもよい。具体的には、要求受付部133は、同意情報と、ユーザ情報の提供実績とに基づいて、情報提供者Uの信頼性を評価し、評価結果に基づいて収集対象者を決定してもよい。例えば、要求受付部133は、同意したにもかかわらずユーザ情報を提供しなかった情報提供者Uの評価ランクを低く設定する。また、例えば、要求受付部133は、メタ情報と合致するユーザ情報を提供した情報提供者Uの評価ランクを高く設定する。そして、要求受付部133は、このような評価ランクが高い情報提供者Uほど優先的に収集対象者として決定する。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、情報取引装置100がユーザ情報のメタ情報を保持する例を示したが、この例に限られない。第2の実施形態では、情報取引装置がメタ情報ではなくユーザ情報を保持する例について説明する。なお、第2の実施形態に係る情報流通システム1の構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
〔1.情報取引処理〕
第2の実施形態では、情報取引装置200によって情報取引処理が行われる。ここで、第2の実施形態に係る提供者端末10の送信部19は、情報提供者Uがユーザ情報の提供に同意しているか否かにかかわらず、取得部17によって取得されたユーザ情報を情報取引装置200に送信する。例えば、送信部19は、提供者識別子と、取得部17によって取得されたユーザ情報と、かかるユーザ情報が取得部17によって取得された取得日時とを情報取引装置200に送信する。これにより、情報取引装置200は、提供者端末10から受信したユーザ情報をデータ資産として蓄積する。なお、提供者端末10の送信部19は、取得部17によってユーザ情報が取得されるたびにユーザ情報等を情報取引装置200に送信してもよいし、所定の期間毎にユーザ情報等を情報取引装置200に送信してもよい。
そして、情報取引装置200は、利用者端末20からユーザ情報の取得要求を受信した場合に、需要情報を提供者端末10に提供することで、提供者端末10から同意情報を受信する。そして、情報取引装置200は、蓄積しているユーザ情報から、ユーザ情報の提供に同意した情報提供者Uに対応するユーザ情報を収集し、収集したユーザ情報を利用者端末20に提供する。
〔2.情報取引装置の構成〕
次に、図7を用いて、第2の実施形態に係る情報取引装置200の構成について説明する。図7は、第2の実施形態に係る情報取引装置200の構成例を示す図である。図7に示すように、情報取引装置200は、取引履歴記憶部221と、ユーザ情報記憶部222と、制御部230とを有する。
取引履歴記憶部221は、ユーザ情報の取引に関する履歴情報を記憶する。ここで、図8に、第2の実施形態に係る取引履歴記憶部221の一例を示す。図8に示すように、取引履歴記憶部221は、第1の実施形態に係る取引履歴記憶部121と同様に、「利用者識別子」、「要求日時」、「要求対象」、「納期」、「提供者情報」といった項目を有する。ただし、取引履歴記憶部221は、取引履歴記憶部121と比較して、「提供者情報」に「収集情報」といった項目を有しない。
ユーザ情報記憶部222は、提供者端末10から提供されるユーザ情報を記憶する。ここで、図9に、第2の実施形態に係るユーザ情報記憶部222の一例を示す。図9に示した例では、ユーザ情報記憶部222は、「取得日時」、「提供者識別子」、「ユーザ情報」といった項目を有する。
「取得日時」は、ユーザ情報が取得された日時を示す。例えば、「取得日時」は、提供者端末10の送信部19によってユーザ情報とともに送信される取得日時に対応する。「提供者識別子」は、ユーザ情報を送信した情報提供者又は提供者端末10を識別するための識別情報を示す。例えば、「提供者識別子」は、提供者端末10の送信部19によってユーザ情報とともに送信される提供者識別子に対応する。
「ユーザ情報」は、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。図9の例の場合、「ユーザ情報」は、「位置情報」、「気圧情報」、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」といった種別に分けられる。「位置情報」、「気圧情報」、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」は、上述した提供者端末10の検知部14によって検知される各種ユーザ情報を示す。また、ユーザ情報は、種別毎に「値」と「提供回数」といった項目に分けられる。「値」は、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。「提供回数」は、過去にユーザ情報が情報取引装置200から利用者端末20に提供された回数を示す。
例えば、図9では、「2013年11月1日12時0分0秒」に、情報提供者U01の提供者端末10によって、位置情報「A01」、気圧情報「B01」、収音情報「C01」、照度情報「D01」、傾度情報「E01」が取得された例を示す。また、図9では、位置情報「A01」の提供回数が3回であり、気圧情報「B01」の提供回数が「1回」であり、収音情報「C01」の提供回数が「3回」であり、照度情報「D01」の提供回数が「1回」であり、傾度情報「E01」の提供回数が「1回」である例を示す。
なお、図9では、「気圧情報」の「値」に「B01」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、気圧を示す数値が記憶される。また、実際には、図9に示した「収音情報」には音の大きさを示す数値が記憶され、「照度情報」には照度を示す数値が記憶され、「傾度情報」には傾度を示す数値が記憶される。
図7の説明に戻って、制御部230は、受信部231と、格納部232と、算定部234と、同意確認部236と、取得部237と、提供部238とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受信部231は、提供者端末10から、情報提供者又は提供者端末10に関するユーザ情報を受信する。格納部232は、受信部231によって受信されたユーザ情報をユーザ情報記憶部222に格納する。具体的には、格納部232は、提供者識別子と取得日時とに対応付けて、ユーザ情報をユーザ情報記憶部222に格納する。
なお、上記例では、提供者端末10がユーザ情報の取得日時を情報取引装置200に送信する例を示したが、この例に限られず、提供者端末10は、取得日時を情報取引装置200に送信しなくてもよい。この場合、格納部232は、ユーザ情報を受信した受信日時をユーザ情報記憶部222の取得日時に格納する。
算定部234は、第1の実施形態に係る算定部134と同様に、販売価格及び仮報酬額を算定する。ここで、第2の実施形態に係る算定部234は、ユーザ情報記憶部222にユーザ情報毎に記憶されている提供回数を用いて、現時点での各ユーザ情報の市場状況を評価する。そして、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報の数と、評価結果である市場状況とに基づいて、取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を算定する。なお、算定部234は、第1の実施形態に係る算定部134と同様に、販売単価を算定してもよいが、以下に説明するように、ユーザ情報毎に販売価格を算定してもよい。
具体的には、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報の数が多いほどユーザ情報の販売価格を高く算定し、取得要求に対応するユーザ情報の数が少ないほどユーザ情報の販売価格を低く算定する。また、算定部234は、ユーザ情報記憶部222に記憶されている「提供回数」に基づいて、取得要求に対応するユーザ情報における需要の度合い又は供給の度合い(言い換えれば、ニーズや人気度)を市場状況として評価する。具体的には、算定部234は、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に対応するユーザ情報の「提供回数」をユーザ情報記憶部222から取得し、取得した「提供回数」が大きい値であるほど、かかるユーザ情報のニーズ(すなわち、需要の度合いや供給の度合い)が高いと評価し、取得した「提供回数」が小さい値であるほど、かかるユーザ情報のニーズが低いと評価する。そして、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報にニーズが高いユーザ情報が多く含まれるほどユーザ情報の販売価格を高く算定し、取得要求に対応するユーザ情報にニーズが低いユーザ情報が多く含まれるほどユーザ情報の販売価格を低く算定する。
一例を挙げて説明すると、要求受付部133によって受け付けられた取得要求に対応するユーザ情報が位置情報「A11」、「A12」、「A13」、「A14」、「A15」であるものとする。また、位置情報「A11」に対応する提供回数が「3」であり、位置情報「A12」に対応する提供回数が「3」であり、位置情報「A13」に対応する提供回数が「2」であり、位置情報「A14」に対応する提供回数が「1」であり、位置情報「A15」に対応する提供回数が「1」であるものとする。また、ここでは1個の位置情報当たりの販売価格である基準単価が「Y円」であるものとする。なお、この基準単価は、ユーザ情報の種別によって異なる値であってもよい。
この場合、算定部234は、ユーザ情報記憶部222を参照することで、全ての位置情報に対応する提供回数の平均値を算出する。ここでは、算定部234は、位置情報に対応する提供回数の平均値として、「2」を算出したものとする。そして、算定部234は、提供回数の平均値「2」に基づいて、取得要求に対応する位置情報「A11」、「A12」、「A13」、「A14」、「A15」の基準単価「Y円」を補正する。上記例では、位置情報「A11」の提供回数「3」は、提供回数の平均値「2」の1.5倍である。この場合、算定部234は、例えば、位置情報「A11」の基準単価を「1.5・Y円」に補正する。同様にして、算定部234は、例えば、位置情報「A12」の基準単価を「1.5・Y円」に補正する。また、算定部234は、例えば、提供回数の平均値「2」よりも提供回数が多くない位置情報「A13」、「A14」及び「A15」については基準単価を補正せずに「Y円」のままとする。そして、算定部234は、補正後の各基準単価「1.5・Y円」、「1.5・Y円」、「Y円」、「Y円」及び「Y円」を加算することにより、取得要求に対応する位置情報「A11」、「A12」、「A13」、「A14」、「A15」の総販売価格「6.0・Y円」を算定する。
上記例において、算定部234は、提供回数の平均値「2」よりも少ない位置情報「A14」及び「A15」の基準単価を低い販売価格に補正してもよい。例えば、位置情報「A14」の提供回数「1」は、提供回数の平均値「2」の0.5倍である。この場合、算定部234は、例えば、位置情報「A14」の基準単価を「0.5・Y円」に補正する。同様にして、算定部234は、例えば、位置情報「A15」の基準単価を「0・5・Y円」に補正する。この場合、算定部234は、補正後の各基準単価「1.5・Y円」、「1.5・Y円」、「Y円」、「0.5・Y円」及び「0.5・Y円」を加算することにより、取得要求に対応する位置情報の総販売価格「5.0・Y円」を算定する。
なお、上述した算定部234による算定処理は一例であって、上記例に限られない。例えば、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報の提供回数をユーザ情報記憶部222から取得し、取得した提供回数の総和や平均値に基づいて、利用者端末20に提供するユーザ情報の総販売価格を算定してもよい。一例を挙げると、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報の平均提供回数が、ユーザ情報記憶部222に記憶されている全ての位置情報の平均提供回数よりも多いほど、ユーザ情報の総販売価格を高く算定する。
このようにして、算定部234は、取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を算定する。そして、算定部234は、第1の実施形態に係る算定部134と同様に、販売価格から所定の割合だけ割り引いた価格を仮報酬額とする。
同意確認部236は、第1の実施形態に係る同意確認部136と同様に、生成部135によって生成された需要情報を提供者端末10に提供することで、同意情報を提供者端末10から受信する。
取得部237は、取引履歴記憶部221の要求対象及び同意情報を参照することで、取得要求に対応するユーザ情報を提供することに同意が得られているか否かを定期的に監視する。そして、取得部237は、例えば、納期までに同意が得られる確度に応じて、算定部234に対して新たな仮報酬額を算定するよう指示する。
また、取得部237は、取得要求に対応する全てのユーザ情報を提供することに同意が得られている場合には、同意した情報提供者Uのユーザ情報をユーザ情報記憶部222から収集し、収集したユーザ情報を提供部238に出力する。
提供部238は、要求受付部133によって受け付けられた取得要求の送信元である利用者端末20に対して、取得部237によって収集されたユーザ情報を提供する。そして、提供部238は、ユーザ情報記憶部222に記憶されている各ユーザ情報に対応する提供回数のうち、利用者端末20に提供したユーザ情報の提供回数に「1」を加算する。
〔3.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る情報取引装置200は、ユーザ情報自体を蓄積する。このため、情報取引装置200は、取得要求を受け付けた後に提供者端末10からユーザ情報を収集することはない。したがって、情報取引装置200は、取得要求を受け付けてから短期間でユーザ情報を利用者端末20に提供することができる。また、第2の実施形態に係る情報取引装置200は、ユーザ情報毎の提供回数を用いることで、販売価格を高精度に算定することができる。
〔4.変形例〕
上記第1の実施形態の変形例で説明した例と同様に、ユーザ情報記憶部222は、ユーザ情報が利用者端末20から要求された要求回数を記憶してもよい。また、算定部234は、提供回数が少ないユーザ情報ほど価格を高く算定してもよい。また、算定部234は、ユーザ情報記憶部222に要求回数が記憶される場合には、要求回数が少ないユーザ情報ほど価格を高く算定してもよい。
また、図9に示した例では、ユーザ情報記憶部222が、1個のユーザ情報毎に提供回数を記憶する例を示したが、この例に限られない。例えば、情報取引装置200によっては、1ヶ月単位でユーザ情報(例えば、取得日時が2013年11月であるユーザ情報や、取得日時が2013年10月〜12月であるユーザ情報)を利用者端末20に提供することが決められている場合がある。このような場合には、ユーザ情報記憶部222は、月毎に提供回数を記憶すればよい。
(第3の実施形態)
上記第1及び第2の実施形態では、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報として、ユーザ情報の市場状況を用いる例を示した。しかし、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報は、ユーザ情報の精度、粒度、希少性といったユーザ情報の特性を示す特性情報であってもよい。第3の実施形態では、ユーザ情報の特性情報を要因情報として、ユーザ情報の販売価格を算定する例について説明する。なお、第3の実施形態では、特性情報に基づく価格算定処理を第2の実施形態に適用する例を示すが、かかる価格算定処理を第1の実施形態に適用することもできる。また、第3の実施形態に係る情報流通システム1の構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
〔1.情報取引装置の構成〕
まず、図10を用いて、第3の実施形態に係る情報取引装置300の構成について説明する。図10は、第3の実施形態に係る情報取引装置300の構成例を示す図である。図10に示すように、情報取引装置300は、ユーザ情報記憶部322と、制御部330とを有する。
ユーザ情報記憶部322は、提供者端末10から提供されるユーザ情報を記憶する。ここで、図11に、第3の実施形態に係るユーザ情報記憶部322の一例を示す。図11に示した例では、ユーザ情報記憶部322は、「取得日時」、「提供者識別子」、「ユーザ情報」といった項目を有する。
「取得日時」は、図9に示した取得日時に対応する。「提供者識別子」は、図9に示した提供者識別子に対応する。「ユーザ情報」は、図9の例と同様に、「位置情報」、「気圧情報」といった種別に分けられる。なお、図11では図示することを省略したが、「ユーザ情報」は、「収音情報」、「照度情報」、「傾度情報」などの種別を有してもよい。
また、図11に示したユーザ情報は、種別毎に、「値」、「精度」、「粒度」、「希少性」といった項目に分けられる。「値」は、図9に示した値と同様に、提供者端末10から受信したユーザ情報を示す。「精度」、「粒度」及び「希少性」は、ユーザ情報の特性を示す特性情報に該当し、すなわち、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報に該当する。具体的には、「精度」は、ユーザ情報の正確性を示す。「粒度」は、ユーザ情報の詳細度や細かさを示す。「希少性」は、ユーザ情報の同一種別の中で、他のユーザ情報と比較した場合におけるユーザ情報の希少価値を示す。
なお、図11に示した「精度」、「粒度」及び「希少性」には、「1」〜「5」の5段階によって示される評価値が記憶される。ここの例では、評価値「1」が最も低い価値を示し、評価値「5」が最も高い価値を示すものとする。
例えば、「精度」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、提供者端末10の検知部14によって高精度に取得されたことを示す。例えば、提供者端末10の検知部14によっては、ユーザ情報の取得処理における精度を算出する場合がある。第3の実施形態に係る情報取引装置300は、このような取得処理における精度を提供者端末10から受信し、受信した精度に応じてユーザ情報記憶部322の精度を更新する。
また、例えば、「粒度」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、ユーザ情報自体が詳細であることを示す。位置情報を例に挙げて説明すると、提供者端末10によっては、位置情報として、位置を詳細に特定することが可能な経度及び緯度を情報取引装置300に送信する場合がある。また、提供者端末10によっては、位置情報として、都道府県のみを情報取引装置300に送信する場合がある。また、提供者端末10によっては、位置情報として、都道府県及び市区町村を情報取引装置300に送信する場合がある。第3の実施形態に係る情報取引装置300は、このようなユーザ情報自体の粒度に応じてユーザ情報記憶部322の粒度を更新する。
また、例えば、「希少性」に大きい値が記憶されているユーザ情報は、他のユーザ情報と比較して大きく異なるユーザ情報であることを示す。位置情報を例に挙げて説明すると、情報取引装置300が各提供者端末10から受信した複数の位置情報の中で、東京都内を示す位置情報が最も多く、岐阜県内を示す位置情報が最も少なかったものとする。この場合、東京都内を示す位置情報は、情報取引装置300での保持数が多いので希少性が低いことから、ユーザ情報記憶部322の希少性には低い評価値(例えば、「1」など)が格納される。一方、岐阜県内を示す位置情報は、情報取引装置300での保持数が少ないので希少性が高いことから、ユーザ情報記憶部322の希少性には高い評価値(例えば、「5」など)が格納される。
図10の説明に戻って、制御部330は、受信部331と、格納部332と、要求受付部333と、算定部334と、更新部339とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部330の内部構成は、図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部330が有する各処理部の接続関係は、図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
受信部331は、第2の実施形態に係る受信部231と同様に、提供者端末10から、提供者識別子と、ユーザ情報と、ユーザ情報の取得日時とを受信する。また、上記の通り、提供者端末10の検知部14によっては、ユーザ情報の取得処理における精度を算出する場合がある。第3の実施形態に係る受信部331は、提供者端末10から、ユーザ情報とともに、ユーザ情報の取得処理における精度を受信してもよい。
格納部332は、提供者端末10から受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部322に格納する。ここで、第3の実施形態に係る格納部332は、提供者端末10からユーザ情報の精度を受信した場合には、受信された精度に基づいてユーザ情報記憶部322の精度に評価値(上記例では、「1」〜「5」のいずれか)を格納する。また、格納部332は、提供者端末10から受信したユーザ情報の粒度を判定し、判定結果に基づいてユーザ情報記憶部322の粒度に評価値を格納する。
例えば、格納部332は、ユーザ情報の種別毎に、各要因情報の評価値を決定するための閾値等を保持する。そして、格納部332は、提供者端末10から受信したユーザ情報と閾値等とを比較することで、各ユーザ情報の評価値を決定する。位置情報を例に挙げて説明すると、格納部332は、例えば、精度の各評価値に対応する閾値の範囲を保持する。また、格納部332は、例えば、位置情報が経度及び緯度である場合には粒度の評価値「5」、位置情報が都道府県のみである場合には粒度の評価値「1」といった情報を保持する。格納部332は、このような各評価値に対応する閾値等に基づいて、各要因情報の評価値を特定する。
更新部339は、ユーザ情報記憶部322に記憶されている要因情報を更新する。具体的には、更新部339は、ユーザ情報記憶部322に記憶されている要因情報のうち、動的に変動する可能性のある要因情報を定期的(例えば、1日毎)に更新する。図11の例を用いて説明すると、ユーザ情報記憶部322に記憶されている要因情報「精度」、「粒度」、「希少性」のうち、他のユーザ情報との比較で決定される「希少性」は、ユーザ情報記憶部322に新たなユーザ情報が記憶されることで変動する可能性がある。したがって、図11の例の場合、更新部339は、ユーザ情報記憶部322の「希少性」を定期的に更新する。
位置情報を例に挙げて説明すると、更新部339は、ユーザ情報記憶部322の項目「値」に記憶されている位置情報を参照することで、例えば都道府県毎に位置情報の数を計数する。そして、計数結果が最も少ない位置情報に対応する希少性を評価値「5」に更新し、計数結果が最も多い位置情報に対応する希少性を評価値「1」に更新する。また、この例に限られず、更新部339は、計数結果の平均値を算出し、算出した平均値と計数結果との差異が大きい位置情報ほど希少性を高い評価値に更新する。また、更新部339は、例えば、LOF(local outlier factor)などの外れ値検出法を用いて、希少性の評価値を更新してもよい。この例の場合、更新部339は、LOFの値が大きい位置情報ほど希少性を高い評価値に更新する。
なお、更新部339は、希少性に限らず、ユーザ情報記憶部322に記憶されている「精度」や「粒度」についても定期的に更新してもよい。例えば、上述した取得部237は、図10には図示しない記憶部に、提供者端末10から受信したユーザ情報の精度を格納する。そして、更新部339は、かかる記憶部を定期的に参照することで、ユーザ情報の種別毎に、精度の平均値を算出し、平均値よりも精度が高いユーザ情報ほど精度を高い評価値に更新する。同様にして、更新部339は、粒度の評価値についても定期的に更新してもよい。
要求受付部333は、第1及び第2の実施形態に係る要求受付部133と同様に、利用者端末20からユーザ情報の取得要求を受け付ける。ここで、第3の実施形態に係る要求受付部333は、取得対象のユーザ情報を特定するための特定情報として、要因情報の評価値を受け付けてもよい。例えば、要求受付部333は、ユーザ情報の種別が「位置情報」であり、かつ、要因情報「精度」が「3」以上であり、かつ、取得日時が「2013年11月1日〜11月15日」である特定情報を含む取得要求を受け付ける。
算定部334は、販売価格及び仮報酬額を算定する。ここで、第3の実施形態に係る算定部334は、要求受付部333によって受け付けられた取得要求に対応するユーザ情報の要因情報に基づいて、かかるユーザ情報の販売価格を算定する。具体的には、算定部334は、ユーザ情報記憶部322に記憶されている要因情報「精度」、「粒度」及び「希少性」に基づいて、ユーザ情報の販売価格を算定する。
より具体的に説明すると、算定部334は、取得要求に対応するユーザ情報の要因情報(精度、粒度、希少性)が示す評価値をユーザ情報記憶部322から取得する。そして、算定部334は、取得要求に対応するユーザ情報に評価値が高いユーザ情報が多く含まれるほど、かかる取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を高く算定する。一方、算定部334は、取得要求に対応するユーザ情報に評価値が低いユーザ情報が多く含まれるほど、かかる取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を低く算定する。
一例を挙げて説明すると、取得要求によって要求されているユーザ情報が位置情報であるものとする。この場合、算定部334は、ユーザ情報記憶部322から、全ての位置情報に対応する精度の評価値を取得し、取得した評価値の平均値を算出する。そして、算定部334は、評価値の平均値よりも、取得要求によって要求されているユーザ情報の精度の評価値が高いほど、かかるユーザ情報の販売価格を高く算定する。一方、算定部334は、評価値の平均値よりも、取得要求によって要求されているユーザ情報の精度の評価値が低いほど、かかるユーザ情報の販売価格を低く算定する。同様にして、算定部334は、粒度や希少性の評価値を用いて、取得要求によって要求されているユーザ情報の販売価格を算定する。
なお、算定部334は、1個のユーザ情報当たりの販売価格である基準単価が決まっている場合には、第2の実施形態において説明した例と同様に、評価値の平均値と各ユーザ情報の評価値との差異に応じて、基準単価を補正することで、ユーザ情報毎の販売価格を算定してもよい。また、上記例に限られず、算定部334は、評価値毎に予め決められている係数を基準単価に乗算することで、ユーザ情報毎の販売価格を算定してもよい。
このようにして、算定部334は、取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を算定する。そして、算定部334は、第2の実施形態に係る算定部234と同様に、販売価格から所定の割合だけ割り引いた価格を仮報酬額とする。
〔2.効果〕
上述してきたように、第3の実施形態に係る情報取引装置300は、要因情報としてユーザ情報の特性を示す特性情報を評価し、評価した特性情報に基づいて報酬額を算定する。また、例えば、情報取引装置300は、ユーザ情報の正確性を示す精度、ユーザ情報の詳細度を示す粒度、及び、ユーザ情報の希少価値を示す希少性のうち少なくとも1以上を要因情報として用いることにより、ユーザ情報の販売価格や仮報酬額を算定する。
これにより、第3の実施形態に係る情報取引装置300は、ユーザ情報の価値に見合った販売価格及び報酬額を算定することができるので、情報提供者に対してユーザ情報の価値に見合った報酬を提供することができる。
〔3.変形例〕
上記第3の実施形態では、要因情報として、「精度」、「粒度」、「希少性」を例に挙げて説明した。しかし、この例に限られず、要因情報は、ユーザ情報の取得日時に基づく「鮮度」や、ユーザ情報が収集された期間に基づく「収集期間」や、収集期間における「取得日時の分布」などであってもよい。具体的には、「鮮度」は、ユーザ情報の新しさを示す。例えば、ユーザ情報の取得日時が現在日時に近いほど、「鮮度」の評価値は高く設定される。また、「収集期間」は、同一の利用者端末20によって同一種別のユーザ情報が定期的又は連続的に取得された期間を示す。例えば、同一の利用者端末20によって定期的にユーザ情報が取得された期間が長いほど、「収集期間」の評価値は高く設定される。また、例えば、同一の利用者端末20によって取得されたユーザ情報における取得日時の間隔が短いほど、「収集期間」の評価値は高く設定される。
この場合、算定部334は、「鮮度」の評価値が高いほど(すなわち、ユーザ情報が新しいほど)、ユーザ情報の販売価格を高く算定する。これは、新しいユーザ情報ほど、情報利用者によって有益な情報となる可能性が高いからである。または、算定部334は、「鮮度」の評価値が高いほど(すなわち、ユーザ情報が新しいほど)、ユーザ情報の販売価格を低く算定してもよい。これは、古いユーザ情報ほど取得困難な可能性が高く、情報利用者によって有益な情報となる可能性があるからである。また、算定部334は、「収集期間」の評価値が高いほど、ユーザ情報の販売価格を高く算定する。これは、長期間に渡って高密度に取得されたユーザ情報群は、情報利用者によって有益な情報となる可能性が高いからである。
また、上記第3の実施形態において、算定部334は、取得要求によって要求されているユーザ情報の種別の組合せに基づいて、ユーザ情報の販売価格を算定してもよい。例えば、利用者端末20によっては、位置情報のみを要求する場合もあれば、位置情報と気圧情報と収音情報と照度情報と傾度情報との全てを要求する場合もあれば、位置情報等のユーザ情報に加えて提供者識別子を要求する場合もある。ここで、算定部334は、例えば、取得対象のユーザ情報の種別数が多いほど、ユーザ情報の販売価格を割高に算定してもよい。また、算定部334は、ニーズの高い種別の組合せほど、ユーザ情報の販売価格を割高に算定してもよい。
また、上記第3の実施形態を第1の実施形態に適用する場合、情報取引装置100は、取引履歴記憶部121の収集情報に「精度」、「粒度」、「希少性」などを保持することができる。そして、算定部134は、取引履歴記憶部121に記憶されている「精度」などを用いることで、算定部334と同様の算定処理を行うことができる。
(第4の実施形態)
上記第1〜第3の実施形態では、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報として、ユーザ情報の市場状況や特性情報を用いる例を示した。しかし、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報は、提供者端末10又は利用者端末20との間で過去にユーザ情報を取引した状況を示す取引状況であってもよい。例えば、ユーザ情報の販売価格は、情報流通システム1の利用頻度に応じた情報提供者や情報利用者のランクに基づいて算定されてもよい。第4の実施形態では、提供者端末10又は利用者端末20との間における取引状況に基づいて、ユーザ情報の販売価格を算定する例について説明する。なお、第4の実施形態では、取引状況に基づく価格算定処理を第2の実施形態に適用する例を示すが、かかる価格算定処理を第1又は第3の実施形態に適用することもできる。また、第4の実施形態に係る情報流通システム1の構成は、図1に示した例と同様であるので、以下では説明を省略する。
〔1.情報取引装置の構成〕
まず、図12を用いて、第4の実施形態に係る情報取引装置400の構成について説明する。図12は、第4の実施形態に係る情報取引装置400の構成例を示す図である。図12に示すように、情報取引装置400は、提供者情報記憶部423と、利用者情報記憶部424と、制御部430とを有する。
提供者情報記憶部423は、情報取引装置400にユーザ情報を提供する情報提供者に関する情報を記憶する。ここで、図13に、第4の実施形態に係る提供者情報記憶部423の一例を示す。図13に示した例では、提供者情報記憶部423は、「提供者識別子」、「提供回数」、「提供者ランク」といった項目を有する。
「提供者識別子」は、図8に示した提供者識別子に対応する。「提供回数」は、提供者識別子によって識別される提供者端末10(すなわち、情報提供者U)のユーザ情報が利用者端末20に提供された回数を示す。なお、「提供回数」は、利用者端末20に提供されたユーザ情報の数であってもよい。「提供者ランク」は、取引状況に応じて決定され、情報提供者のランクを示す。言い換えれば、「提供者ランク」は、情報取引装置400と提供者端末10との間で過去にユーザ情報及び報酬を取引した状況を示す取引状況に該当する。具体的には、「提供者ランク」には、提供回数が多いほど大きい値が記憶され、提供回数が少ないほど小さい値が記憶される。図13に示した「提供者ランク」には、「1」〜「5」の5段階によって示されるランクが記憶される。ここの例では、提供者ランク「1」が最もランクが低いことを示し、提供者ランク「5」が最もランクが高いことを示すものとする。
すなわち、図13では、情報提供者U01のユーザ情報が、情報取引装置400によって利用者端末20に200回提供された例を示す。また、図13では、情報提供者U01のランクが最も高い「5」である例を示す。
利用者情報記憶部424は、情報取引装置400からユーザ情報を取得する情報利用者に関する情報を記憶する。ここで、図14に、第4の実施形態に係る利用者情報記憶部424の一例を示す。図14に示した例では、利用者情報記憶部424は、「利用者識別子」、「利用回数」、「利用者ランク」といった項目を有する。
「利用者識別子」は、図8に示した利用者識別子に対応する。「利用回数」は、利用者識別子によって識別される利用者端末20(すなわち、情報利用者R)が情報取引装置400を利用した回数を示す。なお、「利用回数」は、利用者端末20が情報取引装置400から取得したユーザ情報の数であってもよいし、情報取引装置400からユーザ情報を取得した回数であってもよい。「利用者ランク」は、取引状況に応じて決定され、情報利用者のランクを示す。言い換えれば、「利用者ランク」は、情報取引装置400と利用者端末20との間で過去にユーザ情報及び利用料を取引した状況を示す取引状況に該当する。具体的には、「利用者ランク」には、利用回数が多いほど大きい値が記憶され、利用回数が少ないほど小さい値が記憶される。図14に示した「利用者ランク」には、「1」〜「5」の5段階によって示されるランクが記憶される。ここの例では、利用者ランク「1」が最もランクが低いことを示し、利用者ランク「5」が最もランクが高いことを示すものとする。
すなわち、図14では、情報取引装置400が、情報利用者R01の利用者端末20に対してユーザ情報を15回提供した例を示す。また、図14では、情報利用者R01のランクが最も高い「5」である例を示す。
図12の説明に戻って、制御部430は、算定部434と、提供部438とを有する。算定部434は、第2の実施形態に係る算定部234と同様に、ユーザ情報記憶部222に記憶されている要因情報(すなわち、提供回数)を用いて各ユーザ情報の市場状況を評価し、評価結果である市場状況に基づいて、各ユーザ情報の販売価格を算定する。さらに、算定部434は、提供者端末10や利用者端末20との間で過去にユーザ情報を取引した状況を示す取引状況を評価し、評価した取引状況に応じて、利用者端末20に提供するユーザ情報の販売価格を算定する。具体的には、算定部434は、提供者情報記憶部423に記憶されている提供者ランクを参照し、過去にユーザ情報が利用者端末20に提供された回数が多い情報提供者に対応するユーザ情報ほど販売価格を高く算定する。さらに、算定部434は、利用者情報記憶部424に記憶されている利用者ランクを参照し、過去にユーザ情報が提供された回数が多い利用者端末20に提供するユーザ情報ほど販売価格を低く算定する。
より具体的に説明すると、算定部434は、提供者情報記憶部423から、取得要求に対応するユーザ情報の送信元である情報提供者の提供者ランクを取得する。そして、算定部434は、提供者ランクが高いほどユーザ情報を高く算定し、提供者ランクが低いほどユーザ情報を低く算定する。すなわち、算定部434は、情報利用者にユーザ情報が提供された回数が多い情報提供者ほど、かかる情報提供者に対応するユーザ情報の価値が高いと評価し、ユーザ情報の販売価格を割り増して算定する。また、算定部434は、利用者情報記憶部424から、取得要求の送信元である情報利用者の利用者ランクを取得する。そして、算定部434は、利用者ランクが高いほどユーザ情報を低く算定し、利用者ランクが低いほどユーザ情報を高く算定する。すなわち、算定部434は、情報取引装置400からユーザ情報を取得した回数が多い情報利用者に対しては、割り引いた利用料を算定する。
このようにして、算定部434は、取得要求に対応するユーザ情報の販売価格を算定する。そして、算定部434は、第2の実施形態に係る算定部234と同様に、販売価格から所定の割合だけ割り引いた価格を仮報酬額とする。
提供部438は、第2の実施形態に係る提供部238と同様に、ユーザ情報を利用者端末20に提供する。また、提供部438は、利用者端末20にユーザ情報を提供した場合に、かかるユーザ情報の送信元である情報提供者に対応する提供者情報記憶部423の提供回数に「1」を加算する。また、提供部438は、利用者端末20にユーザ情報を提供した場合に、提供先の情報利用者に対応する利用者情報記憶部424の利用回数に「1」を加算する。
なお、提供部438は、提供者情報記憶部423の提供回数を更新するたびに、更新後の提供回数に基づいて、提供者情報記憶部423の提供者ランクを更新してもよい。または、提供部438は、定期的に、提供者情報記憶部423の提供者ランクを更新してもよい。また、提供部438は、利用者情報記憶部424の利用回数を更新するたびに、更新後の利用回数に基づいて、利用者情報記憶部424の利用者ランクを更新してもよい。または、提供部438は、定期的に、利用者情報記憶部424の利用者ランクを更新してもよい。
〔2.効果〕
上述してきたように、第4の実施形態に係る情報取引装置400は、過去にユーザ情報が利用者端末20に提供された回数が多い情報提供者に対応するユーザ情報ほど販売価格を高く算定する。また、情報取引装置400は、過去にユーザ情報が提供された回数が多い利用者端末20に提供するユーザ情報ほど販売価格を低く算定する。
これにより、第4の実施形態に係る情報取引装置400は、情報取引装置400の利用頻度に応じた割引サービス等を提供することができるので、情報取引装置400の利用者数の増加を促進することができる。
〔3.変形例〕
上記第4の実施形態では、提供者情報記憶部423の提供回数(利用者端末20にユーザ情報が提供された回数)に応じて、取引状況の一例である提供者ランクが決定される例を示した。しかし、この例に限られず、提供者ランクは、ユーザ情報の提供先となった情報利用者の数に応じて決定されてもよい。また、例えば、提供者ランクは、ユーザ情報が要求された情報利用者の数に応じて決定されてもよい。このとき、提供者ランクは、同一の情報利用者については「1」として計数された情報利用者の数に応じて決定されてもよい。
また、上記第4の実施形態において、提供者情報記憶部423の提供回数は、提供者端末10が情報取引装置400にユーザ情報を提供した回数や、提供者端末10が情報取引装置400に提供したユーザ情報の数であってもよい。
また、上記第4の実施形態では、提供者情報記憶部423の「提供回数」に応じて提供者ランクが決定される例を示した。しかし、提供者ランクは、提供回数ではなく、情報提供者のユーザ属性に応じて決定されてもよい。例えば、提供者ランクは、情報提供者の年齢や、居住地、職業、家族構成、性別などによって決定されてもよい。一例を挙げて説明すると、情報取引装置400を利用する情報提供者に高齢者が少ない場合には、高齢者である情報提供者ほど希少価値の高いユーザ情報を提供することになるので、高い提供者ランクが設定されてもよい。同様に、希少価値の高い居住地、職業、家族構成などのユーザ属性を有する情報提供者ほど高い提供者ランクが設定されてもよい。
(他の実施形態)
上述した各実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。なお、以下で情報取引装置100を例に挙げて他の実施形態を説明する場合であっても、以下に説明する他の実施形態は、情報取引装置200、300及び400にも適用することができる。
〔1.算定処理〕
上述してきた第1〜第4の実施形態は、組み合わせることができる。例えば、情報取引装置100は、ユーザ情報の価値に影響を与える要因情報として、「市場状況」、「精度」、「粒度」、「希少性」、「鮮度」、「収集期間」、「取得対象となっているユーザ情報の種別の組合せ」、「提供者ランク」、「利用者ランク」のうち一部又は全てを用いて、ユーザ情報の販売価格及び報酬額を算定することができる。また、情報取引装置100は、複数の要因情報を用いる場合には、重要度に応じた要因情報毎の重みを用いて、ユーザ情報の販売価格及び報酬額を算定してもよい。
〔2.加工処理〕
また、上述してきた情報取引装置100は、ユーザ情報自体を提供するのではなく、ユーザ情報を加工した上で利用者端末20に提供してもよい。例えば、情報取引装置100は、位置情報に基づいて地域毎の人口分布を求めたり、位置情報及び収音情報に基づいて地域毎の騒音分布などを求めてもよく、これらの人口分布や騒音分布などを利用者端末20に提供してもよい。また、情報取引装置100は、加工後のユーザ情報を利用者端末20に提供する場合には、ユーザ情報の販売価格を割高に算定してもよい。
〔3.同意情報〕
また、上述してきた同意情報は、任意の形式であってよい。例えば、情報取引装置100は、利用者端末20に対するユーザ情報の提供を無条件に許可することを示す同意情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に無条件で提供する。また、例えば、情報取引装置100は、利用者端末20への提供を許可するユーザ情報の種別を含む同意情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、同意情報に含まれる種別に対応するユーザ情報のみを利用者端末20に提供する。また、例えば、情報取引装置100は、ユーザ情報の提供先となる情報利用者の業種を含む同意情報を提供者端末10から受信する。この場合、情報取引装置100は、情報利用者毎の業種を予め保持しておくか、ユーザ情報の取得要求とともに情報利用者の業種を利用者端末20から受け付ける。そして、情報取引装置100は、同意情報に含まれる業種と、情報利用者の業種とが一致する場合に、かかる同意情報を送信した提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する。
また、情報取引装置100は、提供者端末10から予め同意情報を受信しておいてもよい。例えば、情報取引装置100は、提供者端末10が情報取引装置100を利用することが決まった段階で、提供者端末10から同意情報を受信する。この場合、情報取引装置100は、予め受信しておいた同意情報に基づいて、提供者端末10に対応するユーザ情報を利用者端末20に提供する。
〔4.仮報酬額〕
また、上記実施形態では、情報取引装置100が「販売価格≧仮報酬額」を満たす仮報酬額を算定することが望ましい例を示した。しかし、情報取引装置100は、「販売価格<仮報酬額」となる仮報酬額を算定してもよい。すなわち、情報取引装置100は、販売価格と仮報酬額との差分が情報取引装置100の管理者等にとって赤字となるような仮報酬額を算定してもよい。
ここで、情報取引装置100は、情報提供者に対して、広告とともに需要情報を送信することが考えられる。この場合、情報取引装置100の管理者等は、広告主から広告料を得ることができる。これにより、情報取引装置100は、販売価格と仮報酬額との差分では赤字となる場合であっても、広告料を得ることで総合的には黒字となる取引サービスを実現することができる。
また、情報取引装置100の管理者等は、価値の高いユーザ情報などを重点的に収集することを所望する場合がある。例えば、情報取引装置100の管理者等は、ニーズの高いユーザ情報や、情報利用者におけるビジネス戦略やビジネスポリシーにとって重要となる可能性の高いユーザ情報などを重点的に収集することを所望する場合がある。この場合、情報取引装置100は、重要なユーザ情報を収集するために、赤字となっても「販売価格<仮報酬額」となる仮報酬額を算定することが考えられる。このとき、情報取引装置100は、上述してきた要因情報にビジネス戦略やビジネスポリシーといった要素を含めてもよい。具体的には、情報取引装置100は、ビジネス戦略やビジネスポリシーにおいて重要度の高いユーザ情報ほど仮報酬額を高く算定してもよい。この場合、情報取引装置100は、重要度の高いユーザ情報に関する情報(例えば、ユーザ情報の種別など)を情報利用者から受信するなどして所定の記憶部に保持しておく。そして、情報取引装置100は、所定の記憶部を参照することで上記の算定処理を行う。
〔5.ユーザ情報〕
また、上記実施形態では、ユーザ情報として、位置情報や気圧情報や収音情報や照度情報や傾度情報などを例に挙げて説明したが、ユーザ情報の例はこれに限られない。例えば、ユーザ情報は、情報提供者の個人情報(例えば、「年齢」、「職業」、「年収」など)であってもよい。
〔6.その他〕
また、上述した各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した取引履歴記憶部121やユーザ情報記憶部122は、情報取引装置100が保持せずに、図示しないストレージサーバ等が保持してもよい。この場合、情報取引装置100は、ストレージサーバからユーザ情報等を取得する。
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報取引装置100、200、300及び400は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報取引装置100を例に挙げて説明する。図15は、情報取引装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る情報取引装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、取引履歴記憶部121及びユーザ情報記憶部122内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
なお、コンピュータ1000が第2の実施形態に係る情報取引装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。また、HDD1400には、取引履歴記憶部221及びユーザ情報記憶部222内のデータが格納される。
また、コンピュータ1000が第3の実施形態に係る情報取引装置300として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部330の機能を実現する。また、HDD1400には、取引履歴記憶部221及びユーザ情報記憶部322内のデータが格納される。
また、コンピュータ1000が第4の実施形態に係る情報取引装置400として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部430の機能を実現する。また、HDD1400には、取引履歴記憶部221、ユーザ情報記憶部222、提供者情報記憶部423、及び、利用者情報記憶部424内のデータが格納される。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。