JP6096252B2 - ラベル - Google Patents

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Description

この発明は、ラベル製造方法およびラベルに関する。
従来、所定の形状にラベルシールを切り抜く方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図6〜図8を用いて従来技術の一例を説明する。
図6は従来のフローチャート、図7はラベル上がりを示す斜視図、図8はラベル上がりを示す平面図である。
S1は粘着剤塗布工程、S3は切断工程である。2はカス上げ前のラベル連続体、4はラベル片、4aはラベル上がりのラベル片、7はセパレータ、8は欠落部分、9はラベルカス、10はラベル連続体、83、84はカス取りロールである。
従来は、図6に示すように、粘着剤塗布工程S1の後、切断工程S3で、金属などの刃を用いて粘着剤の層を切断する。
しかし、この方法は粘着剤を完全に切断できないことがあった。
したがって、図7に示すように、ラベル片4aがラベルカス9に付いたまま一緒に剥ぎ取られる「ラベル上がり」が発生することがあった。
この場合、ラベル連続体10には、図8に示すように、ラベル片4が無い「歯抜け」と呼ばれる欠落部分8(仮想線示)が生じるため、歩留り低下や生産性阻害の原因になっていた。
さらに、ラベル片4の枚数不足によってユーザートラブルをも引き起こしかねない。
実開平7−39062号公報
本発明は、このような問題点を解決するために為されたものであり、その課題は、粘着剤を確実に切断できるラベル製造方法およびラベルを提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1)基材シートに粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する粘着剤塗布工程と、前記粘着剤層上に部分的にアクリレート系接着剤を塗布し、該粘着剤層を硬化させて硬化部とする硬化工程と、前記硬化部を切断する切断工程と、を有するラベル製造方法。
(2)基材シートに粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する粘着剤塗布工程と、前記粘着剤層上に部分的にアクリレート系接着剤を塗布し、該粘着剤層を硬化させて硬化部とする硬化工程と、前記硬化部を切断する切断工程と、不要部分を除去するカス上げ工程と、を有するラベル製造方法。
(3)前記アクリレート系接着剤は、ラジカル重合性の紫外線硬化型組成物であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のラベル製造方法。
(4)前記硬化部は、厚さ1μm以上30μm以下であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のラベル製造方法。
(5)前記硬化部は、前記切断工程で切断する線およびその近傍に形成されていることを特徴とする前記(1)または(2)記載のラベル製造方法。
(6)前記硬化部は、前記切断工程で切断する線を含む幅0.1mm以上3mm以下の範囲に形成されていることを特徴とする前記(1)または(2)記載のラベル製造方法。
(7)基材シートに粘着剤層を積層し、該粘着剤層の一部が硬化して硬化部となっているラベルであって、
前記硬化部は、アクリレート系接着剤により硬化していることを特徴とするラベル。
(8)前記アクリレート系接着剤は、シアノアクリレート系接着剤であることを特徴とする前記(7)記載のラベル。
本発明によれば、粘着剤を確実に切断できるラベル製造方法およびラベルを提供することができる。
また、刃への糊付着を抑え、ラベル端からの粘着剤の染み出しを防ぐことができるラベル製造方法およびラベルを提供することができる。
本発明のフローチャート ラベル製造工程を示す模式図 実施形態1の粘着紙連続体およびラベル連続体を示す断面図 本発明のカス上げを示す斜視図 実施形態2の粘着紙連続体およびラベル連続体を示す断面図 従来のフローチャート ラベル上がりを示す斜視図 ラベル上がりを示す平面図
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
図1は本発明のフローチャートである。
図1に示すように、本発明のラベル製造方法は、基材シートに粘着剤を塗布して粘着剤層を形成する粘着剤塗布工程(S1)と、粘着剤層上に部分的にアクリレート系接着剤を塗布し、該粘着剤層を硬化させて硬化部とする硬化工程(S2)と、硬化部を切断する切断工程(S3)と、を有する。
切断工程の後に、不要部分を除去するカス上げ工程を有してもよい。
硬化工程を有することで、粘着剤層を硬化部とし、切断を確実なものとすることができる。
これにより、ラベル上がりを防止できる。
そして、歩留り低下や生産性阻害の原因を取り除くことができる。
さらに、刃が硬化前の粘着剤と接触しないので、刃への糊付着を抑え、刃の劣化や刃に付着した粘着剤によるラベルの汚れを防ぐこともできる。
本発明のラベルは、基材シートに粘着剤層を積層し、該粘着剤層の一部が硬化して硬化部となっているラベルであって、前記硬化部は、アクリレート系接着剤により硬化していることを特徴とする。ラベルはセパレータから剥離されたラベル片であり、一般的にはセパレータに連続的に付着されたラベル連続体として取引される。
基材シートの種類や材質は、紙や合成樹脂フィルムなど特に限定されるものではなく、粘着紙として一般的に用いられているものである。例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材とした合成樹脂フィルムや、前記の合成樹脂を複数種組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シートも使用できる。感熱紙(サーマル紙)でも構わない。
粘着剤は、例えば、エマルジョン系(粘着剤を水に分散したもの)、ソルベント系(粘着剤を溶剤に溶解したもの)、ホットメルト系(熱可塑性を利用したもの)等である。材質としては、合成ゴム系や天然ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等の粘着剤があげられる。粘着剤の粘着力は任意である。
アクリレート系接着剤は、例えば、(メタ)アクリレートを主成分とする活性エネルギー線硬化型の組成物を用いることができる。活性エネルギー線としては、電子線、可視光線または紫外線などがある。
また、アクリルをベースとし、光重合開始剤、重合防止剤、増粘剤、可塑剤、着色剤等の添加剤を含んだものであってもさしつかえない。
なお、本発明に使用されるアクリル系接着剤は、粘着剤層上に塗布して硬化させる都合上、取り扱いの容易なラジカル重合性の紫外線硬化型組成物が好ましい。
例えば、東亜合成化学社製の商品名「アロニックス(R)」などである。
アクリル系接着剤は、粘着剤層上に部分的に塗布することで、粘着剤層に浸透して硬化する。アクリル系接着剤と粘着剤が混じり合って硬化した部分が硬化部となる。
硬化部を刃で切断することは、粘着剤を刃で切断するデメリットを回避することができるので好ましい。
また、アクリレート系接着剤は、シアノアクリレート系接着剤であってもよい。
例えば、東亜合成化学社製の商品名「アロンアルフア(R)」などである。
硬化部は、厚さ1μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
この範囲であることは、切断しやすさによい影響がある。
また、硬化部は、切断工程で切断する線およびその近傍に形成されていることが好ましい。
刃が確実に硬化部を切断することができるためである。
また、硬化部がラベル片の縁に存在することで、ラベル端からの粘着剤の染み出しを防ぐことができるからである。
さらに、硬化部がラベル片の縁に存在することで、どの方向からでも台紙から容易に剥離できるので、自動貼り機での貼着が容易になる。
硬化部は、切断工程で切断する線を含む幅0.1mm以上3mm以下の範囲に形成されていることが好ましい。
刃が粘着剤に接触せず、粘着剤の染み出しは適切に回避でき、ラベルの粘着力に大きな影響を及ぼさない範囲であるからである。
刃が粘着剤に接触せず、粘着剤の染み出しは適切に回避できるからである。
また、貼り付け機能に大きな影響を及ぼさない範囲だからである。
本発明は、通常であれば粘着力を弱めるために印刷インキやニス等を用いる処を、逆の発想により強力な接着剤を塗布して粘着剤を硬化させ、硬化部とするものである。
また、本発明の硬化部は粘着力が完全に失われていることが好ましい。
(実施形態1)
次に、図2〜図4を用いて実施形態1を説明する。
図2は、ラベル製造工程を示す模式図、図3は、実施形態1の粘着紙連続体およびラベル連続体を示す断面図、図4は、本発明のカス上げを示す斜視図である。
1は巻き出し軸、2b,2cは、カス上げ前のラベル連続体、4はラベル片、7はセパレータ、9b,9cはラベルカス、10はラベル連続体である。
12は粘着剤層、13は基材シート、14,14a,14b,14cは硬化部、15はハーフカット線である。
21は、基材シート13に粘着剤12を塗布し、粘着剤12にセパレータ7を貼着した粘着紙連続体、22は、セパレータ7を剥離した粘着紙連続体、23b,23cは、一部硬化した粘着紙連続体、24b,24cは、セパレータ7に再貼着した粘着紙連続体である。
32はアキューム装置、33,34はガイドローラである。
41は印刷ユニット、42は版胴、43は圧胴、44はUVランプ、51は印刷ユニット、52は版胴、53は圧胴、54はUVランプ、61は印刷ユニット、62は版胴、63は圧胴、64はUVランプ、71は印刷ユニット、72は版胴、73は圧胴、74はUVランプである。
81は、刃付きロールであるダイロール、82はアンビルロール、83および84はカス取りロールである。
91は巻き取り軸、96はカス巻き取り軸、120は確認エリアである。
N1,N2はニップローラ、Rは搬送ローラである。
ラベル連続体10は以下のようにして加工する。
まず、巻き出し軸1から粘着紙連続体21が巻き出される。
粘着紙連続体21は、基材シート13に粘着剤12を塗布し、粘着剤12にセパレータ7を貼着したものである(図3(a))。
セパレータ7は汎用のものである。例えば、紙やフィルムに紫外線硬化型のシリコーン、熱硬化型のシリコーン、溶剤型のシリコーン、アルキルペンダントポリマーの他、フッ素系の剥離剤を塗工したものがあげられる。
次に、粘着紙連続体21は裏面印刷工程40へ送られる。
そして、版胴42と圧胴43とで粘着紙連続体21を挟圧して搬送するとともに、印刷ユニット41から版胴42に紫外線硬化型インキ(紫外線の照射により瞬時に硬化するインキ)を供給して粘着紙連続体21に印刷を行う。
それから、UVランプ44から紫外線を照射して印刷したインキを硬化させることにより、粘着紙連続体21のセパレータ7側にタイミングマークが印刷される。
続いて、粘着紙連続体21は、ニップローラN1で粘着紙連続体22とセパレータ7とに分離される(図3(b))。
そして、版胴52と圧胴53とで粘着紙連続体22を挟圧して搬送するとともに、印刷ユニット51から版胴52にアクリレート系接着剤を供給して、粘着紙連続体21の粘着剤層14の所定の部分にアクリレート系接着剤を塗布する。
この時点では、アクリレート系接着剤と粘着剤とが混ざった状態となる。
それから、UVランプ54から紫外線を照射して、アクリレート系接着剤および粘着剤を硬化させることにより、硬化部14を形成された粘着紙連続体23bが得られる(図3(c))。
一方、ニップローラN1で分離されたセパレータ7は、アキューム装置32を経てガイドローラ33、34に従って迂回し、ニップローラN2で粘着紙連続体23bと貼り合わされる。
これにより、粘着紙連続体24bが得られる(図3(d))。
このようにして硬化部14が設けられた粘着紙連続体24bは、下流の印刷工程へと進み、必要に応じて、印刷ユニット61、版胴62、圧胴63、UVランプ64、印刷ユニット71、版胴72、圧胴73、UVランプ74などによって表裏に印刷が施される。
そして、粘着紙連続体24bはダイロール81によってハーフカットが施される。
ハーフカット線15は、例えば、ダイロール81と呼ばれる刃付きロールとアンビルロール82との間に粘着紙連続体24bを鋏み、ダイロール81を基材シート13に押し当てて回転させることにより形成する。
このとき、刃は硬化部14を切断するので、確実な切断ができる。
粘着紙連続体24bは、ハーフカットが施されることでカス上げ前のラベル連続体2bとなる(図3(e))。
ダイロール81の下流には、ラベル連続体2bからラベルカス9bを分離する一対のカス取りロール83、84が配置されている。
そして、カス取りロール83でラベルカス9bが引き剥がされる(図3(f))。
引き剥がされたラベルカス9bは、カス巻き取り軸96に巻き取られる。
完成したラベル連続体10は、ガイドローラRを経て巻き取り軸91に巻き取られる。
図4に示すように、ラベル連続体2bは、セパレータ7上にラベル片4が一定間隔で並んだラベル連続体10となる。
また、ラベルカス9bは、カス取りロール83で引き剥がされる。
各ラベル片4は、ハーフカット線により確実に切断されているのでラベル上がりを生じない。
なお、本発明のラベル連続体10からラベル片4を剥がして被着体に貼付ける際は、ラベル片4の端部を掴めばセパレータ7から容易に剥がすことができる。
(実施形態2)
次に、図5を用いて実施形態2を説明する。
図5は、実施形態2の粘着紙連続体およびラベル連続体を示す断面図である。
実施形態2では、図5(c)〜図5(f)に示すように、硬化部14をハーフカット線15およびその近傍にのみ形成していることが実施形態1と異なる。
これは、アクリレート系接着剤を塗布する部分および紫外線を照射する部分を調節することで可能となる。
実施形態2では、加工範囲を必要最小限とすることで、省資源と省エネの効果を得ることができる。
なお、本発明が前述した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状、配置等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
発明者らは以下の実験を行った。
[実施例1]
基材シート(市販のフィルム基材、ポリエチレンテレフタレート製、85mm×85mm、厚さ75μm)を用意した。
基材シート上に、粘着剤(市販の強粘着剤、粗面用、粘着力9800mN/25mm以上、なお、粘着力の測定はJIS Z−1538 0237による。)をハケを用いて厚さ20μmとなるように塗布して乾燥し、粘着剤層を形成した。
そして、粘着剤層上の周囲10mmの枠状の部分に、ラジカル重合性アクリレート系接着剤(東亜合成化学社製、商品名「アロンアルフア(R)」)をハケにより塗布し、硬化部を形成した。
そして、セパレータ(市販の剥離フィルム、85mm×85mm、厚さ75μm)を貼着した。
次に、基材シート側から基材シートの周囲8mmの枠状の部分について、基材シートおよび硬化部を切断するように市販のカッターによりハーフカットを施した。
そして、切断した線の外側部分をカス上げし、ラベル片を製造した。
以上により、実施例1のラベルを製造した。
[実施例2]
粘着剤層の周囲から6mm以上10mm以下の部分(へりを除いた枠状の部分)について、ラジカル重合性アクリレート系接着剤(東亜合成化学社製、商品名「アロンアルフア(R)」)をハケにより塗布し、硬化部を形成した。
それ以外の条件は実施例1と同様にして、実施例2のラベルを製造した。
[比較例1]
ラジカル重合性アクリレート系接着剤をニス(T&K TOKA社製、商品名「UV ハクリOPニス」)に変更した。ニスの硬化には紫外線を用いた。
それ以外の条件は実施例1と同様にして、比較例1のラベルを製造した。
実施例および比較例の主な条件を表1に示す。
Figure 0006096252
(評価)
<ラベル上がり>
実施例および比較例のラベルについて、手でカス上げを行ってラベル上がりの有無を調べた。
<刃への糊付着>
実施例および比較例のラベルについて、10枚続けて切断を行い、刃への糊付着が無いか目視で調べた。
<粘着剤の染み出し>
実施例および比較例のラベルについて、常温常湿で10日放置し、ラベル周囲からの粘着剤の染み出しの有無を調べた。
<接着剤使用量>
実施例および比較例のラベルについて接着剤の使用量を比較した。
Figure 0006096252
表2から明らかなように、実施例1および実施例2では、ラベル上がり、刃への糊付着、粘着剤の染み出しについて、いずれも良好な結果を得られた。
なお、接着剤使用量については、実施例2がより優れていた。
これに対し、比較例1では、ラベル上がり、刃への糊付着、粘着剤の染み出しについて、いずれも実用上問題があった。
以上のように、本発明によれば、粘着剤を確実に切断でき、ラベル上がりを防止できるラベル製造方法およびラベルを提供することができる。
また、刃への糊付着を抑え、ラベル端からの粘着剤の染み出しを防ぐことができるラベル製造方法およびラベルを提供することができる。
1 巻き出し軸
2b,2c カス上げ前のラベル連続体
4 ラベル片
7 セパレータ
8 欠落部分
9,9b,9c ラベルカス
10 ラベル連続体
12 粘着剤層
13 基材シート
14,14a,14b,14c 硬化部
15 ハーフカット線
21,22,23b,23c,24b,24c 粘着紙連続体
32 アキューム装置
33,34 ガイドローラ
41,51,61,71 印刷ユニット
42,52,62,72 版胴
43,53,63,73 圧胴
44,54,64,74 UVランプ
81 ダイロール
82 アンビルロール
83,84 カス取りロール
91 巻き取り軸
96 カス巻き取り軸
120 確認エリア
N ニップローラ
R 搬送ローラ

Claims (3)

  1. 基材シートに粘着剤層を積層し、該粘着剤層の一部が硬化して硬化部となっているラベルであって、
    前記硬化部は、該粘着剤層上に部分的に塗布したアクリレート系接着剤により硬化していることを特徴とするラベル。
  2. 基材シートに粘着剤層を積層し、該粘着剤層の一部が硬化して硬化部となっているラベルであって、
    前記硬化部は、該粘着剤層上に部分的に塗布したアクリレート系接着剤により硬化しているとともに、
    前記硬化部を切断してあることを特徴とするラベル。
  3. 前記アクリレート系接着剤は、シアノアクリレート系接着剤であることを特徴とする請求項1または2記載のラベル。
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