JP6094849B2 - ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物 - Google Patents

ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP6094849B2
JP6094849B2 JP2012139121A JP2012139121A JP6094849B2 JP 6094849 B2 JP6094849 B2 JP 6094849B2 JP 2012139121 A JP2012139121 A JP 2012139121A JP 2012139121 A JP2012139121 A JP 2012139121A JP 6094849 B2 JP6094849 B2 JP 6094849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic filler
major axis
resin
particle size
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012139121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014001347A (ja
JP2014001347A5 (ja
Inventor
広瀬 隆之
隆之 広瀬
人見 美也子
美也子 人見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2012139121A priority Critical patent/JP6094849B2/ja
Publication of JP2014001347A publication Critical patent/JP2014001347A/ja
Publication of JP2014001347A5 publication Critical patent/JP2014001347A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094849B2 publication Critical patent/JP6094849B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、半導体モジュール素子に使用される絶縁封止樹脂硬化物を得るためのナノコンポジット樹脂組成物およびこれを硬化してなるナノコンポジット樹脂硬化物に関する。
近年、大容量、高電圧環境下でも動作可能なIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)などのパワーモジュールが、民生用機器や産業用機器に広範に使用されている。これらの半導体素子を用いる各種のモジュール(以下、「半導体モジュール」という)の中には、搭載している半導体素子によって生成される熱が高温に達するものがある。その理由としては、半導体素子が扱う電力が大きい場合、半導体素子における回路の集積度が高い場合、または回路の動作周波数が高い場合などが挙げられる。この場合、半導体モジュールを構成している絶縁封止樹脂には、発熱温度以上のガラス転移温度(Tg)が必要となる。
Tgを向上させるためには、樹脂の分子運動を抑制することが有効である。このため、樹脂に、1nm〜99nmの平均粒径を有する無機ナノフィラーを混合する方法が用いられている(例えば特許文献1、特許文献2)。また、一般的には、無機フィラーと樹脂との結合を強くするために、シランカップリング剤が用いられている(例えば、非特許文献1、特許文献3)。
一方、半導体モジュールの絶縁封止樹脂には高耐熱性だけでなく、さまざまな物性が同時に要求され、例えば、曲げ弾性率や線膨張係数といった機械的物性、密着性、低吸湿性(低含水化)などの多くの要件を充足する必要がある。樹脂の用途によっては、さらに熱伝導率も重要な物性となる。
これらの物性のなかで、特に機械的物性や熱伝導率については、その特性の向上や制御を目的として、例えば1nm〜99nmの平均粒径を有する無機フィラーの他に、0.1μm〜100μmの平均粒径を有する無機フィラーとしてAl(アルミナ)、MgO(マグネシア)などを樹脂に混合して、ナノコンポジット樹脂を構成することが提案されている。このような従来技術によるナノコンポジット樹脂の模式図を図3に示す。従来技術によるナノコンポジット樹脂4は、1nm〜99nmの平均粒子径を有する第1の無機粒子5と、0.1μm〜100μmの平均粒子径を有する第2の無機粒子6と樹脂7とから構成されている。そして、上記の無機フィラー5、無機フィラー6と樹脂7との密着性を向上させるために、通常、シランカップリング剤が用いられている。
特開2009−292866号公報 特開2009−13227号公報 特開平11−35801号公報
シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社カタログ、2008年10月発行)
無機フィラーとしてAlやMgOをそのまま使用した場合、これらのフィラーは、SiO(シリカ)のフィラーと比較してシランカップリング剤の効果が得られにくい。すなわち、AlやMgOの無機フィラーと樹脂との界面で剥離が発生しやすくなることが分かった。そのため、機械的物性や熱伝導率について所望の特性が得られなかったり、制御することが困難になったりするという問題があった。また、無機フィラーと樹脂との界面の密着性が弱いために、ナノコンポジット樹脂の製造初期には無機フィラーと樹脂との界面が密着していても長期間の使用においてその界面で剥離が発生し、それに伴う特性変動・劣化、クラック発生などが生じ、長期の信頼性には問題があった。また、無機フィラーとしてTiO(チタニア)を用いた場合、さらには、AlN(窒化アルミニウム)などの金属窒化物を用いた場合も、上述のAlやMgOを用いた場合と同様な問題があった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、SiOのみならず、無機フィラーであるAl、MgO、TiOなどの金属酸化物またはAlNなどの金属窒化物と樹脂の密着性を向上させ、機械的物性や熱伝導率といった特性を向上させたり、制御したりできるようにすること、及び長期信頼性を確保することを目的とする。
本発明に係る第1の形態は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる樹脂と、シランカップリング剤と、無機フィラーとを含み、前記無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物である。
本発明に係る第2の形態は、上記第1の形態のナノコンポジット樹脂組成物を硬化させてなる、ナノコンポジット樹脂硬化物である。
本発明に係るナノコンポジット樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物においては、無機フィラーと樹脂との密着性が向上しており、その結果、機械的物性や熱伝導率特性を向上させ、及びそれらの特性を制御することができるようになった。このようなナノコンポジット樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、絶縁材として長期信頼性を得ることが可能になる。
アミノ基が導入されている無機フィラーの表面状態を示す模式図である。 実施例及び比較例のナノコンポジット樹脂のヒートサイクル試験結果を示すグラフである。 従来技術によるナノコンポジット樹脂を示す模式図である。
以下に、本発明の実施の形態について、その一態様を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物は、樹脂と、シランカップリング剤と、無機フィラーとを基本構成とする。樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる。
熱硬化性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が比較的高く、誘電率が、約4〜7といった低誘電率のものを用いることができる。好ましい熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂を挙げることができるが、これらには限定されない。樹脂成分が熱硬化性樹脂であるときは、樹脂成分は、熱硬化性樹脂主剤と、硬化剤と、必要に応じて硬化促進剤とを含む。硬化促進剤は、硬化反応を制御するために有効に用いることができる。
好ましい熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の主剤としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂を単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
熱硬化性樹脂の硬化剤は、熱硬化性樹脂主剤との関係で選択することができる。例えば、熱硬化性樹脂主剤として、エポキシ樹脂主剤を用いる場合には、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に使用されているものを用いることができる。特には、硬化剤としては、アミン硬化剤、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、酸無水物系、フェノールノボラック型、フェノールアラルキル、トリフェノールメタン型フェノール樹脂を用いることができるが、これらには限定されない。
なお、エポキシ樹脂の硬化剤として、さらには、分子構造中に−NH、−NH、−NH、のいずれか一種、または複数の官能基が含まれる分子、または酸無水物を特に好適に使用することができる。具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジンなどのグアニジン系硬化剤、チオ尿素付加アミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジドなどのジヒドラジド系硬化剤、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤およびそれらの異性体、変成体を用いることができる。また、硬化剤は、これらのうち1種のものを単独で用いることができ、あるいは、2種以上のものを混合して用いることができる。
硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、トリフェニルフォスフィン等の芳香族フォスフィン類、三フッ化ホウ素モノエチルアミン等のルイス酸、ホウ酸エステル等を用いることができるが、これらには限定されない。
硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂主剤のエポキシ当量及び硬化剤のアミン当量もしくは酸無水物当量から決定することができる。エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂主剤を用いる場合にも、同様に、各樹脂主剤の反応当量、硬化剤の反応当量に基づき、配合割合を決定することができる。また、硬化促進剤を用いる場合には、硬化促進剤の配合割合は、エポキシ樹脂主剤の重量を100%としたときに、0.1〜5重量%とすることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂を使用することができるが、これらには限定されない。熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を混合して用いることも可能であり、両樹脂の相溶性の観点から、例えばエポキシやフェノール等により変性した熱可塑性樹脂等も使用することができる。
次に、ナノコンポジット樹脂組成物を構成するシランカップリング剤としては、樹脂成分と反応する官能基と、加水分解により無機フィラー表面の水酸基と結合するアルコキシ基とを備えるものを使用することができる。例えば、樹脂成分にエポキシ樹脂を用いる場合には、シランカップリング剤は、アミノ基、メルカプト基、またはエポキシ基を備え、かつアルコキシ基を備えることが好ましい。樹脂成分に、ポリイミド樹脂を用いる場合には、シランカップリング剤は、アミノ基とアルコキシ基とを備えることが好ましい。シランカップリング剤の添加量範囲は、フィラー重量に対して、例えば0.01〜30重量%とすることができるが、これに限定されるものではない。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物は、前記無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むことを特徴とする。無機フィラーに、アミノ基を導入すれば、シランカップリング剤との結合性が向上するからである。これに加えて、シランカップリング剤は、樹脂と無機フィラーとを接合する役割を果たすことから、アミノ基とシランカップリング剤との相乗効果により、樹脂と無機フィラーという異種材料間の付着性が向上することとなるからである。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物のある態様において、無機フィラーは、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーがSiOからなる無機粒子を含み、前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーがAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子を含み、少なくとも前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むことが好ましい。このような無機フィラーであれば、ナノコンポジット樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物の機械的物性や熱伝導率特性を向上させ、及びそれらの特性を制御することができるからである。
Al、MgO、TiOおよびAlNといった金属酸化物または金属窒化物からなる無機粒子は、樹脂のガラス転移温度[Tg]を高め、室温で高い電気絶縁性(1011Ω・m以上)を与え、ナノコンポジット樹脂の機械的物性や熱伝導率の特性の向上に寄与する。これらの無機粒子は、一種類であってもよく、これらの二種類以上を混合したものであってもよい。
ここで、粒径は、各々の無機粒子そのものの粒子の直径であり、各々の粒子を完全な球体と仮定した場合にその直径に相当する値である。粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)やBET法により測定することができる。例えば、本発明のナノコンポジット樹脂組成物あるいはナノコンポジット樹脂硬化物の断面を研磨した後、SEMにより粒径を測定することができる。いっぽう、長径とは、例えば細長い針状粒子では長手方向の粒子の長さのことであり、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定して得られた値をいうものとする。
本発明において、無機粒子にアミノ基を導入するのは、シランカップリング剤との結合性が向上するからである。これに加えて、シランカップリング剤は、樹脂と無機フィラーとを接合する役割を果たすことから、アミノ基とシランカップリング剤との相乗効果により、樹脂と無機フィラーという異種材料間の付着性が向上することとなるからである。
前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーの粒径もしくは長径は、好ましくは、5nm〜30nmであり、さらに好ましくは、10nm〜20nmである。かかる無機フィラーの形状は、典型的には球形であるが、球形に限定されず、楕円形状、針状、板状のものであってもよい。前記無機フィラーの形状が、球形ではない場合、長径が、上記のサイズの範囲にあることが好ましい。また、前記無機フィラーは、多孔性(気孔率が70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、または、95%以上)であってもよく、非多孔性(気孔率が70%未満、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、または、20%以下)であってもよい。
前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの粒径もしくは長径は、好ましくは、10μm〜100μmであり、さらに好ましくは、10μm〜60μmである。かかる無機フィラーの形状は、典型的には球形であるが、球形に限定されず、楕円形状、針状、板状のものであってもよい。前記無機フィラーの形状が、球形ではない場合、粒径ではなく、長径が100nm〜100μmであることが好ましい。また前記無機フィラーは、多孔性(気孔率が70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、または、95%以上)であってもよく、非多孔性(気孔率が70%未満、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、または、20%以下)であってもよい。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物中の前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの混合の割合は、それぞれ、硬化前のナノコンポジット樹脂組成物全体の重量を100%としたとき、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーが0.1重量%〜7重量%、前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーが70重量%〜85重量%であることが好ましいが、これに限定されるものではない。ここで、ナノコンポジット樹脂組成物は、硬化剤を含んだ状態の樹脂組成物である。
「アミノ基が導入されている無機粒子」とは、例えば下記の方法により無機フィラーにアミノ基を導入した無機粒子をいう。無機フィラーにアミノ基を導入する方法としては、無機フィラー表面の水酸基をアミノ基に置換する方法が挙げられる。無機フィラー表面の水酸基をアミノ基に置換する際、事前に加熱処理を行うことが好ましい。これにより無機フィラー表面に通常存在する水酸基が除去され、アミノ基による置換が容易になるからである。加熱は、例えばベーク炉といった加熱炉により行うことができる。特には、加熱による無機フィラーの凝集により、水酸基の除去が阻害されないよう、無機フィラーを予め底の浅いトレー上に薄く敷き詰めて加熱することができる。また、無機フィラーを容器に充填して加熱する場合には、必要に応じて加熱炉から取り出し、無機フィラー粉末を撹拌して再度加熱炉に戻すことによっても、水酸基の除去の阻害を防ぐことができる。
加熱温度は、1000℃〜1200℃とすることが好ましく、加熱時間は、無機フィラーの量にもよるが、通常、10分から120分程度とすることが好ましい。このような加熱温度ならびに加熱時間であれば、無機フィラー表面の水酸基を効果的に除去することができる。ただし、ここで示した加熱温度や時間、方法に限定するものではなく、無機フィラーの組成や材質によって適宜決めることができる。
無機フィラー表面の水酸基を除去した後、無機フィラーをアミノ化試薬と接触させることにより、無機フィラーにアミノ基を導入することができる。アミノ化試薬と無機フィラーとの接触は、無機フィラー表面の水酸基が極力低減される条件下で連続的または断続的に攪拌しながら行うことが好ましい。アミノ化試薬と無機フィラーとを接触させる際、上記水酸基除去工程における事前の加熱処理後に水酸基の再結合が起らないように、アミノ基への置換処理温度に設定した別の加熱炉に投入して、無機フィラーの温度を例えば100℃〜300℃といった所望の温度にしてから、アミノ基への置換処理を行うことが好ましい。ただし、アミノ基への置換処理方法や温度についてはこれに限定されるものではなく、アミノ化試薬またはアンモニア発生剤によって適宜決めることができる。
アミノ化試薬は、アンモニアであってもよく、アンモニア発生剤も使用することができる。アンモニア発生剤は、必要に応じて加熱し、また必要に応じて適切な触媒に接触させて分解することでアンモニアを生じるものであり、例えば、ジメチルアミン、尿素、塩化アンモニウム等が挙げられる。ただし、アミン系シランカップリング剤はアミノ化試薬には含まれない。アンモニア発生剤の加熱温度は、上述した水酸基除去工程における無機フィラーの予備加熱温度より高くてもよいし、低くてもよい。
本願でアミノ化試薬として最終生成するアンモニアは、上記置換処理前に乾燥して用いることが好ましい。水蒸気が含まれている場合、原料フィラーの表面へのシラノール基生成を助長しないようにするためである。乾燥剤としては、塩基性乾燥剤であることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム、ゼオライト、モレキュラーシーブ等の物理的乾燥剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム等の化学的乾燥剤を単独で使用、または2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
具体的には、無機フィラー表面の水酸基をアミノ基に置換する方法の一例としては、表面の水酸基を除去した無機フィラーを、底の浅いトレー上に薄く敷き詰め、水酸基の再結合が起こらないよう250℃前後に保持したベーク炉に2時間程度放置した後、室温条件下のアンモニア雰囲気の容器内にトレーごと移動させて置換する方法である。アンモニア雰囲気は、例えば25%アンモニア水をガラス容器に入れたものを、前記容器内に入れることでアンモニア雰囲気とすることができる。容器中の温度は例えば室温とし、容器内にトレーを移動させて30分経過後、一度トレーを取り出し、ステンレス棒で無機フィラーをかき混ぜ、再度薄く敷き詰めた後、再度アンモニア雰囲気の容器にトレーを投入する操作を5回ほど繰り返すことで、無機フィラー表面の水酸基をアミノ基に置換することができる。
図1は、アミノ基が導入されている無機フィラーの表面状態を示す模式図である。無機フィラー1の表面の金属2にはアミノ基3が配位している。上記したように、無機フィラー表面の水酸基をアミノ基に置換する方法により、無機フィラーの表面にはアミノ基が導入される。なお、すべての無機フィラー表面にアミノ基が導入されていない場合も含む。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物は、上記の樹脂成分と、シランカップリング剤と、無機フィラーとからなり、他の成分を含まないものであってもよい。あるいは、さらなる任意成分として、従来公知のガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維等の強化繊維を含んでいてもよい。その他、本発明の目的の範囲内でナノコンポジット樹脂組成物の物性を損なわない、その他の添加物を含んでいても良い。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物の無機フィラーは、上記態様の他、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーがAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子を含み、前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーがSiOからなる無機粒子を含み、少なくとも前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含む態様とすることができる。このような無機フィラーを用いることによっても、ナノコンポジット樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物の機械的物性や熱伝導率特性を向上させ、及びそれらの特性を制御することができる。また、粒径が1nm〜99nmの無機粒子として、SiO粒子に比べて熱伝導率の良いAl、MgO、TiOなどの金属酸化物またはAlNなどの金属窒化物を使用しているため、樹脂内で微細に分散され、熱伝導の均一性といった観点で有利となることが期待できる。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物の無機フィラーは、上記態様の他、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーともにAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子であり、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの両方が、アミノ基が導入されている無機粒子である態様とすることができる。このような無機フィラーを用いることによっても、ナノコンポジット樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物の機械的物性や熱伝導率特性を向上させ、及びそれらの特性を制御することができる。また、SiO粒子に比べ熱伝導率の良いAl、MgO、TiOなどの金属酸化物またはAlNなどの金属窒化物を粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして使用しているため、熱伝導の均一性といった観点で有利となることがさらに期待できる。
本発明のナノコンポジット樹脂組成物の無機フィラーは、上記態様の他、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーともにSiOからなる無機粒子であり、前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの少なくとも一方が、アミノ基が導入されている無機粒子を含む態様とすることができる。
本発明のナノコンポジット樹脂硬化物は、上記のナノコンポジット樹脂組成物を硬化させてなる。熱硬化性樹脂を用いたナノコンポジット樹脂組成物の場合、硬化剤等を混合することにより、熱の作用によって分子間を架橋させ、硬化させることができる。また、熱可塑性樹脂を用いたナノコンポジット樹脂組成物の場合、かかる樹脂組成物を加熱して軟化させ、所定形状にした後に冷却させることで、硬化させることができる。
次に、本発明のナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物について、製造方法の一態様を例示することにより、製造方法の観点から説明する。ナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物の製造方法は、第1の工程から第4の工程を踏まえる。
第1の工程は、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび/または粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの表面の水酸基をアミノ基に置換する工程であり、第2の工程は、熱硬化性樹脂主剤もしくは熱可塑性樹脂と、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーと、シランカップリング剤とを混合し、分散させる工程である。熱硬化性樹脂を用いたナノコンポジット樹脂組成物の場合、熱硬化性樹脂硬化剤と、任意選択的に硬化促進剤とを混合する第3の工程と、第3の工程で得られた混合物を加熱硬化させる第4の工程とをさらに備える。
前記第1の工程は、上記無機フィラーについて説明したように、無機粒子の表面水酸基をアミノ基に置換する方法に従って粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび/または粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの表面をアミノ基に置換することができる。
前記第2の工程では、分散の際に、市販の微粒化装置、粉体混合装置、もしくは超微粒子複合化装置を用いることができ、例えば、ナノマイザー株式会社製のナノマイザー(高圧湿式メディアレス微粒化装置)、ホソカワミクロン株式会社製のノビルタやナノキュラ等を用いることができるが、これらには限定されない。ナノマイザーを用いる場合の処理条件としては、処理圧力を100MPa〜150MPaとし、5分〜10分の処理を2回〜5回繰り返すことで分散を行うことができる。なお、処理圧力や処理時間は適宜変更することは可能である。
続く前記第3の工程では、さらに手動撹拌やディスパー等を用いた自動撹拌により、分散させた樹脂混合物に、硬化剤や硬化促進剤を、混合することができる。
前記第4の工程では、通常の方法にしたがって、前記第3の工程で混合した混合物を、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度で加熱し、硬化させてナノコンポジット樹脂硬化物とする。加熱は、例えばエポキシ樹脂の場合には、100℃〜250℃において、1時間〜20時間程度行うことが好ましい。なお、樹脂成分として、熱可塑性樹脂を使用する場合には、硬化剤の添加及び加熱の必要はない。
なお、ナノコンポジット樹脂組成物を半導体モジュールの絶縁封止に用いる場合には、通常、ナノコンポジット樹脂硬化物は、半導体モジュールと一体になって製造される。よって、本発明は、別の局面によれば、半導体モジュールの製造方法をも提供する。半導体モジュールの製造方法は、具体的には、主として、金属ブロックと、絶縁層と、回路素子とを含んでなる半導体素子組立体を、金型内もしくはケース内に設置する工程と、本発明のナノコンポジット樹脂組成物を、金型内もしくはケース内で加熱硬化する工程とにより得ることができる。本発明のナノコンポジット樹脂硬化物の製造方法を用いて、半導体素子を封止することにより、生成される熱が高温に達する半導体素子であっても有効に封止することができ、好ましい絶縁破壊特性をも得ることができる。
以下、本発明を実施例と比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
前記第1の工程から第4の工程により、ナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
第1の工程として、無機フィラーの表面水酸基をアミノ基に置換した。無機フィラーとしては、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーである平均粒子径が30μmのAlを使用し、このAlの粒子を底の浅いトレー上に薄く敷き詰め、それを約1100℃に保持したベーク炉に投入した。1時間後にベーク炉からトレーを取り出し、さらに、250℃に保持したベーク炉に2時間程度静置した。その後、アンモニア雰囲気の容器内にトレーごと移動させた。アンモニア雰囲気は、25%アンモニア水をガラス容器に入れたものを、前記容器内に入れることでアンモニア雰囲気とした。容器中の温度は室温とした。30分経過後、一度トレーを取り出し、ステンレス棒でAl粒子をかき混ぜ、再度薄く敷き詰めた後、再度アンモニア雰囲気の容器に投入した。Al粒子をかき混ぜて薄く敷き詰めた後、容器に投入する操作を、5回ほど繰り返すことで、Al表面の水酸基をアミノ基に置換した。なお、平均粒子径は、BET法により測定して得られた値である。
第2の工程として、樹脂と、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーと、シランカップリング剤とを混合し、分散させた。粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーとしては、平均粒子径が12nmのSiO粒子を使用した。エポキシ樹脂主剤にはビスフェノールA型エポキシ樹脂(品番:828、三菱化学社製)を用いた。そして、硬化剤を含むナノコンポジット樹脂組成物の総重量を100%としたときに、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーの配合割合が3重量%、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの配合割合が、85重量%となるように、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーを、エポキシ樹脂主剤に混合した。また、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製、品番:Z−6011)を、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの総重量に対して、1重量%となるように混合した。そして、この混合物を攪拌することによって、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーをエポキシ樹脂主剤中に分散させた。ここでは、ナノマイザー株式会社製のナノマイザーを用いて分散させた。その際、処理圧力を130MPaとし、1回6分の分散処理を3回繰り返した。
第3の工程として、上記分散させた樹脂混合物100gに、手動撹拌にて硬化剤32gを混合した。硬化剤には変性脂環族アミン(品番:113、三菱化学社製)を用いた。
その後、第4の工程として、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度で加熱し、硬化させてナノコンポジット樹脂硬化物とした。加熱条件は、まず80℃で1時間保持した後、150℃で3時間保持する条件とした。
[実施例2]
粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーとして、平均粒子径が7nmのSiO粒子を使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例3]
粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーとして、平均粒子径が30nmのSiO粒子を使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例4]
粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして、平均粒子径が10μmのAlを使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例5]
粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして、平均粒子径が60μmのAlを使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例6]
粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして、平均粒子径が30μmのMgOを使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例7]
粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして、平均粒子径が10μmのMgOを使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[実施例8]
粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとして、平均粒子径が60μmのMgOを使用した他は、実施例1と同様にナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。
[比較例1]
無機フィラーとしては、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーである平均粒子径が30μmのAlを無処理で使用し、無機フィラーの表面水酸基をアミノ基に置換する第1の工程を行うことなく、第2の工程ないし第4の工程により、ナノコンポジット樹脂組成物及びナノコンポジット樹脂硬化物を製造した。粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーとしては、平均粒子径が12nmのSiO粒子を使用した。第2の工程ないし第4の工程は、実施例1と同様に行った。
[ヒートサイクル試験]
実施例1〜実施例8と比較例1のナノコンポジット樹脂硬化物について、ヒートサイクル試験を行った。この試験は、長期間の使用後の界面剥離を確認する目的で行った。低温側は、−40℃で30分保持、高温側は150℃で30分保持を1サイクルとし、これを1000サイクル実施した。試験途中のサンプルを抜取り、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび第2の無機フィラーと樹脂との界面剥離の発生の有無を評価した。界面剥離の発生の有無は、ナノコンポジット樹脂硬化物の断面観察によって剥離発生数を観察することによって確認した。具体的にはナノコンポジット樹脂硬化物を切断、研磨することによって断面を出し、電子顕微鏡によって無機フィラーと樹脂の界面を観察し、100個の界面において剥離の有無を評価した。
実施例1ならびに比較例1の界面剥離の評価結果を図2に示す。
実施例1では、1000サイクル試験後も、第1の無機フィラーおよび第2の無機フィラーと樹脂との界面に剥離は発生しなかった。図2には示していないものの、実施例2〜実施例8についても、同様に界面の剥離は発生しなかった。
一方、比較例1では、ヒートサイクル試験開始以前からすでに界面剥離が発生しており、試験サイクル数の増加とともに剥離の発生率が増加し、1000サイクル後には、サンプルの約60%程度に第2の無機フィラーと樹脂との界面に剥離が発生していた。
ヒートサイクル試験による界面剥離の発生は長期間の使用によって特性が変化しやすいことを示す。よって、比較例1の樹脂硬化物では、長期信頼性に問題があることが示された。一方、実施例1〜実施例8では、ヒートサイクル試験で界面剥離の発生は見られなかったことから、長期間の使用によって特性変化がなく、長期信頼性が得られることがわかった。
[曲げ弾性率の評価]
実施例1〜実施例8と比較例1のナノコンポジット樹脂硬化物について、曲げ試験方法によって曲げ弾性率を評価した。評価対象は、ヒートサイクル試験を行う前のサンプルと、1000サイクル後のサンプルとした。
ヒートサイクル試験前のサンプルの曲げ弾性率は、実施例1では15GPaであったが、比較例1では13GPaとなり、実施例1より低い値を示していた。ヒートサイクル試験1000サイクル後のサンプルの曲げ弾性率は、実施例1では変化が見られなかった。実施例2〜実施例8についても同様に、1000サイクル後のサンプルの曲げ弾性率は変化しなかった。
一方、比較例1のサンプルでは、曲げ弾性率がヒートサイクル試験前の13GPaから10GPa程度に低下していた。粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーと樹脂との界面剥離が、曲げ弾性率に影響していることが分かった。
本発明によるナノコンポジット樹脂組成物は、半導体モジュールの絶縁封止、太陽電池などの電気部品、電気製品といった、発熱温度が高くなるおそれがある機器において有効に使用することができる。
1 無機フィラー
2 無機フィラー表面の金属
3 金属に配位したアミノ基
4 ナノコンポジット樹脂硬化物
5 第1の無機粒子
6 第2の無機粒子
7 樹脂成分

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる樹脂と、
    シランカップリング剤と、
    粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーおよび/または前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーが、表面水酸基がアミノ基に置換されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる樹脂と、
    シランカップリング剤と、
    無機フィラーと
    を含み、前記無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物であって、
    前記無機フィラーが、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーがSiOからなる無機粒子を含み、前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーがAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子を含み、
    少なくとも前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物。
  3. 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる樹脂と、
    シランカップリング剤と、
    無機フィラーと
    を含み、前記無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物であって、
    前記無機フィラーが、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーがAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子を含み、前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーがSiOからなる無機粒子を含み、
    少なくとも前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物。
  4. 熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかまたはこれらの組み合わせからなる樹脂と、
    シランカップリング剤と、
    無機フィラーと
    を含み、前記無機フィラーが、アミノ基が導入されている無機粒子を含むナノコンポジット樹脂組成物であって、
    前記無機フィラーが、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーともにAl、MgO、TiOの群から選択される金属酸化物もしくはAlN、あるいはそれらの混合物からなる無機粒子であり、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの両方が、アミノ基が導入されている無機粒子であるナノコンポジット樹脂組成物。
  5. 前記無機フィラーが、粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと、粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーとを含み、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーともにSiOからなる無機粒子であり、
    前記粒径もしくは長径が1nm〜99nmの無機フィラーと前記粒径もしくは長径が100nm〜100μmの無機フィラーの少なくとも一方が、表面水酸基がアミノ基に置換されている無機粒子を含む請求項1記載のナノコンポジット樹脂組成物。
  6. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノコンポジット樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載のナノコンポジット樹脂組成物を硬化させてなる、ナノコンポジット樹脂硬化物。
JP2012139121A 2012-06-20 2012-06-20 ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物 Active JP6094849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139121A JP6094849B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139121A JP6094849B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014001347A JP2014001347A (ja) 2014-01-09
JP2014001347A5 JP2014001347A5 (ja) 2015-07-16
JP6094849B2 true JP6094849B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=50034824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012139121A Active JP6094849B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094849B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021112845A1 (en) * 2019-12-04 2021-06-10 W. L. Gore & Associates, Inc. Capacitors encapsulated with at least one polymer having high thermal stability
CN113773613B (zh) * 2021-11-15 2022-02-08 北京高科宏烽电力技术有限公司 一种高填充超高导热环氧树脂材料及制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4053152B2 (ja) * 1998-09-07 2008-02-27 住友ベークライト株式会社 熱硬化性樹脂組成物及びその半導体装置
JP5142617B2 (ja) * 2007-07-31 2013-02-13 日揮触媒化成株式会社 金属酸化物粒子の表面処理方法、該表面処理金属酸化物粒子を含む分散液、透明被膜形成用塗布液および透明被膜付基材
JP5598343B2 (ja) * 2011-01-17 2014-10-01 信越化学工業株式会社 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014001347A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6022061B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性シートの製造方法、及びパワーモジュール
WO2012070289A1 (ja) 熱伝導性シート及びパワーモジュール
CN107636071B (zh) 对镍表面具有高粘合力的环氧模塑化合物、其制备方法和用途
TWI701298B (zh) 含矽氧化物被覆氮化鋁粒子之製造方法及含矽氧化物被覆氮化鋁粒子
WO2012043751A1 (ja) 樹脂組成物
US20150322242A1 (en) Nanocomposite resin composition
JP2011178894A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性シート及びパワーモジュール
JP6025966B2 (ja) 熱伝導性絶縁シート、パワーモジュール及びその製造方法
JP2015196823A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、熱伝導性樹脂シート及びその製造方法、並びにパワーモジュール
JP6606628B1 (ja) ガラス被覆窒化アルミニウム粒子の製造方法及びそのガラス被覆窒化アルミニウム粒子を含有する放熱性樹脂組成物の製造方法
JP6094849B2 (ja) ナノコンポジット樹脂組成物およびナノコンポジット樹脂硬化物
JP6657784B2 (ja) 複合樹脂組成物、成形体、熱伝導材料及び熱伝導材料
JP6508384B2 (ja) 熱伝導性シートおよび半導体装置
JP2014001347A5 (ja)
JP6011056B2 (ja) ナノコンポジット樹脂組成物
JP6739669B2 (ja) ガラス被覆窒化アルミニウム粒子、その製造方法およびそれを含む放熱性樹脂組成物
JPH0450256A (ja) エポキシ樹脂組成物およびその製法
JP2012171975A (ja) ナノコンポジット樹脂とその製造方法
JP6347644B2 (ja) 表面改質シリカ粉末及びスラリー組成物
JP2015040260A (ja) ナノコンポジット樹脂組成物
JP5761628B2 (ja) ナノコンポジット樹脂組成物
JP5254359B2 (ja) 硬化可能な反応性樹脂系
JP5830990B2 (ja) ナノコンポジット樹脂硬化物の製造方法
JP2014136798A (ja) 樹脂組成物
JP2018044072A (ja) 窒化アルミニウム含有硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6094849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250