JP6093738B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明はトロイダル型無段変速機に関し、より詳細には、パワーローラを回転自在に支持してなるトラニオンを揺動軸の軸方向に沿って直線移動させて駆動するためのアクチュエータ機構を備えたトロイダル型無段変速機に関する。
従来のトロイダル型無段変速機は、例えば特許文献1に示すように、入力ディスク及び出力ディスクと、これら入力ディスクと出力ディスクとの間に狭持された複数のパワーローラと、パワーローラを回転自在に支持した状態で揺動軸を中心とする揺動変位を自在とするトラニオンと、トラニオンを駆動するための油圧アクチュエータとを備える。油圧アクチュエータは、シリンダ内にピストンを油密に嵌装した構成であって、ピストンを軸方向の両側から挟む状態でこのシリンダ内に設けられた1対の油圧室内への圧油の給排に基づいて、トラニオンを揺動軸の軸方向に沿って変位させる。トロイダル型無段変速機の変速比を変化させる場合には、油圧アクチュエータに設けた一方の油圧室に圧油を送り込み、他方の油圧室から圧油を排出する。
しかしながら、上記のような油圧アクチュエータを備えたトロイダル型無段変速機では、変速比を変化させる速度(変速速度)が速い場合には、一方の油圧室への圧油の送り込みが勢い良く行なわれる。そのため、油圧アクチュエータによるトラニオンの変位が急激に行なわれ、アクチュエータ(ピストン)を所望の位置で停止させることが難しい。また、一方の油圧室内への圧油の急激な送り込みと他方の油圧室からの圧油の急激な排出とに伴い、ピストンが所望の位置を通り過ぎた位置まで移動し、それからこの所望位置に戻る動作を小刻みに繰り返す現象(いわゆるハンチング)を発生するおそれがあった。
また、トロイダル型無段変速機を通過する力(トルク)が急激に変動した場合(トロイダル無段変速機にいわゆる外乱が入力した場合)には、当該トルク変動がパワーローラからトラニオンに伝わることで、このトルク変動による付勢力がピストンに作用する。このトルク変動が急激であった場合には、油圧室から給排路を通して圧油が排出されることで、ピストン及びトラニオンの急激な移動を生じてしまう。
このような変速動作のハンチングやピストン及びトラニオンの急激な移動を抑制するための従来技術として、特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機がある。この特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機では、油圧アクチュエータが備えるピストンの両側の油圧室内に圧油を給排するための給排路の途中に、該給排路を流れる圧油の流量を絞る絞り手段と、給排路を油圧室内に向けて圧油が流れる場合にのみ開く逆止弁とを互いに並列に設けている。
この構成によれば、絞り手段が油圧室からの圧油排出に対する抵抗になる。したがって、油圧アクチュエータを構成するピストン及びトラニオン及びパワーローラの揺動軸の軸方向に関する変位が過度に急速に行なわれることはない。このため、アクチュエータを所望の位置で停止させることができ、変速動作にハンチングが発生することを抑制できる。また、トロイダル型無段変速機を通過する力(トルク)が急激に変動した場合でも、絞り手段によって油圧室から圧油が急激に抜けることを防止できるので、ピストン及びトラニオンの急激な移動を抑制する緩衝作用を得ることができる。
特開2006−292153号公報
上記特許文献1に記載のトロイダル型無段変速機では、既述のように、ピストンの両側に設けた油圧室に連通する給排路の途中に絞り手段と逆止弁とを並列に設けている。そのため、油圧室に圧油を供給する際には、当該圧油が逆止弁を順方向に流れることで、油圧室に圧油を迅速に供給することができる。したがって、油圧室への給圧側の応答性は確保できる。その一方で、油圧室から圧油を排出する際には、当該圧油が絞り手段を通過するため、油圧室からの圧油の迅速な排出が妨げられる。したがって、当該絞り手段によって油圧室からの排圧側の応答性が不十分となるおそれがある。また、排圧側の応答性が不十分であると、トラニオンの軸方向の移動を迅速に行うことができないため、トロイダル型無段変速機による変速速度が遅くなるおそれもある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、変速比を急激に変化させた場合や通過するトルクが急激に変動した場合にも、変速動作のハンチングを軽減しつつ、変速動作の高い応答性を得ることができるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、駆動源(10)からの駆動力が伝達される入力軸(2)と、前記入力軸(2)と共に回転する入力ディスク(51)と、前記入力軸(2)に相対回転自在に支持された出力ディスク(52)と、前記入力ディスク(51)と前記出力ディスク(52)との間に狭持された複数のパワーローラ(53)と、揺動軸(54b)を中心に揺動自在に支持されて、前記複数のパワーローラ(53)それぞれを回転自在に支持してなる複数のトラニオン(54)と、前記複数のトラニオン(54)それぞれを前記揺動軸(54b)の軸方向に沿って直線移動させて駆動するアクチュエータ機構(20)と、を備え、前記アクチュエータ機構(20)で前記複数のトラニオン(54)を駆動することで、前記入力ディスク(51)の回転数に対する出力ディスク(52)の回転数を変化させて変速を行うトロイダル型の無段変速機(5)であって、前記アクチュエータ機構(20)が有する油圧アクチュエータは、一つの前記トラニオン(54)の動作を制御するための第1アクチュエータ部(21)及び第2アクチュエータ部(22)を備え、前記第1アクチュエータ部(21)は、前記トラニオン(54)の前記直線移動に連動する第1ピストン部材(31)と、前記第1ピストン部材(31)が収容された第1シリンダ室(32)と、前記第1シリンダ室(32)内における前記軸方向の両側で前記第1ピストン部材(31)を挟むように区画された一対の第1油室(33a,33b)と、前記第1油室(33a,33b)に作動油を供給・排出するための第1油路(122,132)と、を備え、前記第2アクチュエータ部(22)は、前記トラニオン(54)の前記直線移動に連動する第2ピストン部材(41)と、前記第2ピストン部材(41)が収容された第2シリンダ室(42)と、前記第2シリンダ室(42)内における前記軸方向の両側で前記第2ピストン部材(41)を挟むように区画された一対の第2油室(43a,43b)と、前記第2油室(43a,43b)に作動油を供給・排出するための第2油路(113,114)と、を備え、前記第1油路(122,132)と前記第2油路(113,114)のうち、前記第2油路(113,114)にのみ該第2油路(113,114)を流通する作動油の流量を絞る絞り部(115,116)を設けていることを特徴とする。
特許文献1に示す従来のトロイダル型無段変速機では、一つのトラニオンの動作を制御するための単一のアクチュエータ部を備えた油圧アクチュエータ機構において、当該アクチュエータ部の油圧室に連通する油路に絞り部を設けていた。そのため、油圧室から排圧する際の応答速度が不十分であった。これに対して、本発明にかかるトロイダル型無段変速機では、一つのトラニオンの動作を制御するための油圧アクチュエータ機構として第1アクチュエータ部と第2アクチュエータ部の二つのアクチュエータ部を備えた構成を採用し、第1アクチュエータ部の第1油室に連通する第1油路には作動油の流量を絞る絞り部を設けていないため、第1アクチュエータ部への作動油の供給・排出による油圧アクチュエータ機構の応答速度を効果的に向上させることができる。
そのうえで、本発明にかかるトロイダル型無段変速機では、第2アクチュエータ部の第2油室に連通する第2油路にのみ作動油の流量を絞る絞り部を設けている。この絞り部によって、第2油室からの作動油の排出に伴う作動油の流量の急激な変化が抑制される。よって、トロイダル型無段変速機の変速比を急激に変化させる場合や、トロイダル型無段変速機に入力したトルクがパワーローラを介してトラニオンに作用する場合であっても、第2アクチュエータ部にはその変位方向と逆方向に油圧反力が作用することで、第2アクチュエータ部によって当該油圧反力による緩衝作用を奏することができる。したがって、油圧アクチュエータ機構及びトラニオンの動きが緩やかになる。
すなわち、第1油室に連通する第1油路には絞り部を設けず、第2油室に連通する第2油路にのみ絞り部を設けることで、第1アクチュエータ部をトロイダル型無段変速機による変速動作を主体的に行うための変速用アクチュエータ部とし、第2アクチュエータ部をトラニオンに作用する外力に伴う変位の減衰を主体的に行うための減衰用アクチュエータ部とすることができる。これらによって、トラニオンによる変速動作のハンチングを効果的に軽減しながらも、変速動作の高い応答性を得ることが可能となる。
また、上記のトロイダル型無段変速機では、前記トラニオン(54)は、前記揺動軸(54b)の軸方向に延びる軸部(54c)を備え、前記第1アクチュエータ部(21)と前記第2アクチュエータ部(22)は、前記軸部(54c)における軸方向で互いに隣接した位置に設けられていてよい。
この構成によれば、第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ部が軸部の軸方向に沿って互いに隣接した位置に設けられているため、第2油室から第2アクチュエータ部に作用する油圧反力が第1アクチュエータ部に伝わり易くなる。したがって、第1アクチュエータ部に緩衝作用を及ぼし易くなることで、変速動作のハンチングや外乱によるトラニオンの急激な移動をより効果的に抑制できる。
また、上記のトロイダル型無段変速機では、前記複数のトラニオン(54)それぞれを傾転自在かつ前記軸方向に変位自在に支持すると共に、前記複数のトラニオン(54)の変位により揺動する支持部材(55)を備え、前記第2アクチュエータ部(22)の前記第2ピストン部材(41)は、前記支持部材(55)の揺動に連動して前記第2シリンダ室(42)内を直線移動するように構成されていてよい。
この構成によれば、第1アクチュエータ部からの駆動力でトラニオンが変位した場合、支持部材(55)の揺動に連動して第1ピストン部材が第2シリンダ室内を直線移動することで、第2アクチュエータ部による緩衝作用を得ることができる。したがって、変速動作のハンチングをより効果的に軽減することができる。
また、上記のトロイダル型無段変速機では、前記パワーローラ(53)を潤滑するための潤滑油が供給される潤滑用油路(110)を備え、前記潤滑用油路(110)は、前記第2油路(113,114)に連通していてよい。
この構成によれば、パワーローラを潤滑するための潤滑油が供給される潤滑用油路が第2アクチュエータ部に通じる第2油路に連通している。そして、第2油路には絞り部が設けられていることで、第2油路に供給される潤滑油で第2アクチュエータ部による緩衝作用を得ることができる。したがって、トロイダル型無段変速機の構成の簡素化を図りながらも、変速動作のハンチングや外乱によるトラニオンの急激な移動を抑制できる。
またこの場合、前記潤滑油路(110)は、前記第2油路(113,114)と前記パワーローラ(53)に潤滑油を供給するための第3油路(117)とに分岐する分岐部(111,112)を備えていてよい。
上記構成では、潤滑油路が第2アクチュエータ部に連通する第2油路とパワーローラに連通する第3油路とに分岐している。したがって、簡単な構成でありながら、潤滑油供給源から供給された潤滑油を第2アクチュエータ部の緩衝用とパワーローラの潤滑用との両方に効率的に利用することが可能となる。
また、上記のトロイダル型無段変速機では、前記油圧アクチュエータ機構(20)を駆動するための作動油が供給される駆動用油路(120,130)を備え、前記駆動用油路(120,130)は、前記第2油路(113,114)に連通していてよい。
この構成によれば、油圧アクチュエータ機構を駆動するための作動油が供給される駆動用油路が第2油路に連通している。そして、第2油路には絞り部が設けられていることで、第2油路に供給される駆動用の作動油で第2アクチュエータ部による緩衝作用を得ることができる。したがって、トロイダル型無段変速機の構成の簡素化を図りながらも、変速動作のハンチングや外乱によるトラニオンの急激な移動を抑制できる。
またこの場合、前記駆動用油路(120,130)は、前記第2油路(113,114)と前記第1油路(122、132)とに分岐する第2分岐部(125,126、135,136)を備えていてよい。
上記構成では、駆動用油路が第1アクチュエータ部に作動油を供給する第1油路と第2アクチュエータ部に作動油を供給する第2油路との両方に連通していることで、第1アクチュエータ部と第2アクチュエータ部との両方をトロイダル型無段変速機による変速動作を主体的に行うための変速用アクチュエータ部として機能させることができる。さらにこの場合、第1アクチュエータ部と第2アクチュエータ部との両方をトラニオンに作用する外力に伴う変位の減衰を副次的に行うための減衰用アクチュエータ部としても機能させることができる。
このように、第1アクチュエータ部と第2アクチュエータ部の両方を変速用アクチュエータ部として機能させることで、第1アクチュエータ部と第2アクチュエータ部それぞれの容量を小さく抑えることができる。したがって、油圧アクチュエータ機構及びそれを含むトロイダル型無段変速機の小型化及び軽量化を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明によれば、変速比を急激に変化させた場合や通過するトルクが急激に変動した場合にも、変速動作に伴うトラニオンやピストン部材のハンチングを軽減しつつ、変速動作の高い応答性を得ることが可能なトロイダル型無段変速機を実現できる。
本発明の第1実施形態に係るトロイダル型無段変速機を有する変速機のスケルトン図である。 トロイダル型無段変速機を示す斜視図である。 図2のX−X矢視断面を示す図で、トロイダル型無段変速機の側断面図である。 第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ部の動作を説明するための図で、第1アクチュエータ部に供給する作動油の油圧で第1ピストンを作動させてトラニオンを駆動するときの動作を示す図である。 第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ部の動作を説明するための図で、トロイダル型無段変速機に外部から入力したトルク(いわゆる外乱)が第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ部に作用するときの動作を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るトロイダル型無段変速機の側断面図(図2のX−X矢視に対応する部分の断面図)である。 本発明の第3実施形態に係るトロイダル型無段変速機の側断面図(図2のX−X矢視に対応する部分の断面図)である。 第3実施形態に係るトロイダル型無段変速機が備えるヨークの平面図である。 第3実施形態にかかるトロイダル型無段変速機の他の側断面図(図6のY−Y矢視に対応する部分の断面図)である。 第2アクチュエータ部及びその周辺を示す部分拡大斜視図(一部断面図)である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るトロイダル型無段変速機を有する変速機のスケルトン図である。同図に示す変速機1は、駆動源としてのエンジン(内燃機関)10を備える車両に搭載される変速機であって、エンジン10の動力がフライホイール11及び発進クラッチ12を介して伝達されるインプットシャフト(入力軸)2と、インプットシャフト2と平行に配置されたアウトプットシャフト3と、インプットシャフト2及びアウトプットシャフト3と平行に配置された中間軸4と、トロイダル型無段変速機5と、アイドルギア列6と、差動機構としての遊星歯車機構7とを備えて構成されている。
図2は、トロイダル型無段変速機を示す斜視図である。図1及び図2に示すトロイダル型無段変速機5は、インプットシャフト2上に並列に配設された第1トロイダル変速ユニット5aと第2トロイダル変速ユニット5bとを備えるダブルキャビティ型のトロイダル変速機である。このトロイダル型無段変速機5では、インプットシャフト2と同心であって一体に回転する一対の入力ディスク51と、入力ディスク51の間であってインプットシャフト2に対して同心且つ回転自在に配置された出力ディスク52と、入力ディスク51と出力ディスク52との間に配置され、入力ディスク51と出力ディスク52との間で動力を伝達させるパワーローラ53とを備える。
パワーローラ53は、入力ディスク51の内面に形成されたトロイダル面51bと、出力ディスク52の内面に形成されたトロイダル面52bを転動するための回転軸53aを備えると共に、回転軸53aと直交し紙面垂直方向に延びるトラニオン54の揺動軸54bに対して揺動自在となっており、パワーローラ53を揺動軸54bの周りで揺動させて傾斜角度を変化させることで、トロイダル面51b,52bに対する接触圧(摩擦力)を変化させながら該トロイダル面51b,52bを転動する。これにより、トロイダル型無段変速機5の速度比(レシオ)を無段階に変化できるように構成されている。また、出力ディスク52の外周には、出力用の外歯52aが設けられている。この外歯52aには、中間軸4に一体回転するように固定された第1伝達ギア81が噛合している。
遊星歯車機構7は、中間軸4に同心に固定されたサンギア71と、リングギア72と、サンギア71及びリングギア72に噛合するピニオン73を自転及び公転自在に軸支するキャリア74との3つの要素を備える。
アイドルギア列6は、インプットシャフト2に固定された第1中間ギア61と、中間軸4と同心であってキャリア74に連結された第2中間ギア62と、第1中間ギア61と第2中間ギア62とに噛合し、アイドル軸64を介して変速機ケース(図示せず)に回転自在に軸支された第3中間ギア63とで構成される。
中間軸4には、第2伝達ギア82が回転自在に軸支されている。また、変速機1には、第1クラッチ91と、第2クラッチ92とが設けられている。第1クラッチ91は、第2伝達ギア82と第1伝達ギア81とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第2クラッチ92は、第2伝達ギア82とリングギア72とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第1クラッチ91及び第2クラッチ92は、湿式多板クラッチで構成されている。なお、本発明の第1クラッチ及び第2クラッチは湿式多板クラッチに限らず、他のクラッチを用いてもよい。
第2伝達ギア82は、アウトプットシャフト3に固定された第3伝達ギア83と噛合している。アウトプットシャフト3には、デファレンシャルギア13と噛合するアウトプットギア3aが固定されている。また、アウトプットギア3aと第3伝達ギア83との間に位置させてパーキングギア3bがアウトプットシャフト3に固定されている。
図3は、図2のX−X矢視に対応する部分の断面図で、トロイダル型無段変速機の側断面図である。なお図3では、図1及び図2に示すトロイダル型無段変速機5の構成に加えて、トラニオン54を駆動するための油圧アクチュエータ機構20及び該油圧アクチュエータ機構20に油圧を供給するための油圧回路100も合わせて図示している。
図3に示すように、各パワーローラ53を支持するトラニオン54は、その上下の端部に1対の揺動軸54bを一体に備えている。一方、トラニオン54の上下には、トラニオン54の変位により揺動する一対の支持板(ヨーク)55が設置されている。トラニオン54の揺動軸54bは、それぞれヨーク(支持板)55,55に対してラジアルニードル軸受55c,55cにより各方向の揺動及び軸方向の変位を可能に支持されている。また、ヨーク55,55は、パワーローラ53の間に設けたポスト58に揺動自在に支持されている。
各トラニオン54の下側には、トラニオン54を駆動するための油圧アクチュエータ機構20が設けられている。油圧アクチュエータ機構20は、トラニオン54の下側の揺動軸54bに結合固定したピストンロッド(軸部)54cと、アクチュエータボディ8に内蔵されてピストンロッド54cを軸方向(図の上下方向)に沿って進退駆動するための第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22を備えて構成されている。
第1アクチュエータ部21は、トラニオン54のピストンロッド54cに固定された第1ピストン部材31と、アクチュエータハウジング7に形成されて第1ピストン部材31が収容された第1シリンダ室32と、第1シリンダ室32内における軸方向(図の上下方向)の両側で第1ピストン部材31を挟むように区画された上側油室33aと下側油室33bとからなる第1油室33とを備えている。
また、第2アクチュエータ部22は、トラニオン54のピストンロッド54cにおける第1ピストン部材31よりも上側の位置に固定された第2ピストン部材41と、アクチュエータハウジング7に形成されて第2ピストン部材41が収容された第2シリンダ室42と、第2シリンダ室42内における軸方向(図の上下方向)の両側で第2ピストン部材41を挟むように区画された上側油室43aと下側油室43bからなる第2油室43とを備えている。
また、油圧回路100には、潤滑油供給源101から供給された潤滑油(潤滑用の作動油)をトロイダル型無段変速機5に供給するための潤滑用油路110と、変速動作を行うための作動油(駆動用の作動油)をトロイダル型無段変速機5に供給する駆動用油路120,130とが設けられている。駆動用油路120、130は、高圧供給源102から供給された比較的に高圧の作動油を第1アクチュエータ部21の第1油室33に供給するための高圧油路120と、低圧供給源103から供給された比較的に低圧の作動油を第1アクチュエータ部21の第1油室33に供給するための低圧油路130とを備える。
潤滑用油路110(117)は、トロイダル型無段変速機5のパワーローラ53に連通している。そして、この潤滑用油路110の途中には、2つの分岐部(第1分岐部)111,112が設けられており、各分岐部111,112から第2アクチュエータ部22が備える第2油室43の上側油室43aに連通する油路113と下側油室43bに連通する油路114とが分岐している。したがって、潤滑油供給源101から潤滑用油路110を通して供給される潤滑油は、その一部が油路113及び油路114を介して第2アクチュエータ部22の第2油室43に供給され、残りがトロイダル型無段変速機5のパワーローラ53に供給される。
高圧油路120の途中には分岐部121が設けられており、この分岐部12から一方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の上側油室33aに連通する油路122と、他方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の下側油室33bに連通する油路123とが分岐している。また、低圧油路130の途中には分岐部131が設けられており、この分岐部131から一方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の下側油室33bに連通する油路132と、他方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の上側油室33aに連通する油路133とが分岐している。
そして、分岐部111から第2油室43の上側油室43aに連通する油路113と、分岐部112から第2油室43の下側油室43bに連通する油路114とには、これら油路113,114を流通する作動油(潤滑油)の流量を絞るための絞り部115,116が設けられている。絞り部115,116は、油路113,114の他の部分よりも小さな断面積に設定された部分で、油路113,114を流れる潤滑油に対して抵抗を付与する作用を有している。
その一方で、高圧油路120の分岐部121から第1アクチュエータ部21の第1油室33に連通する油路122,123と、低圧油路130の分岐部131から第1アクチュエータ部21の第1油室33に連通する油路132,133とには絞り部が設けられていない。
上記構成の油圧アクチュエータ機構20を備えたトロイダル型無段変速機5では、入力ディスク51と出力ディスク52の間の変速比を変える際には、第1アクチュエータ部21に設けた上側油室33aと下側油室33bのうちの一方の油室33a(又は33b)に変速用の作動油(圧油)を送り込み、他方の油室33b(又は33a)から圧油を排出して、各トラニオン54を揺動軸54bの軸方向に変位させる。この結果、各パワーローラ53の周面と入力ディスク51及び出力ディスク52の内側面との転がり接触部に作用する接線方向の力の向きが変化して、各トラニオン54が揺動軸54bを中心に揺動し、各パワーローラ53の周面と入力ディスク51及び出力ディスク52の内側面との接触位置が変化する。
そして、本実施形態のトロイダル型無段変速機5では、油圧アクチュエータ機構20として、一つのトラニオン54の動作を制御するための第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22との二つのアクチュエータ部を備えた構成を採用し、第1アクチュエータ部21の第1油室33に連通する油路(第1油路)122(123),132(133)には作動油の流量を絞る絞り部を設けていないため、第1アクチュエータ部21への作動油の供給・排出による油圧アクチュエータ機構20の応答速度を効果的に向上させることができる。
そのうえで、本実施形態のトロイダル型無段変速機5では、第2アクチュエータ部22の第2油室43に連通する油路113,114に作動油の流量を絞る絞り部115,116を設けている。この絞り部115,116によって第2油室43からの作動油の排出に伴う作動油の流量の急激な変化が抑制される。よって、トロイダル型無段変速機5の変速比を急激に変化させる場合や、トロイダル型無段変速機5に入力したトルクがパワーローラ53を介してトラニオン54に作用する場合であっても、第2アクチュエータ部22にはその変位方向と逆方向に油圧反力が作用することで、当該油圧反力による緩衝作用を奏することができる。したがって、油圧アクチュエータ機構20及びトラニオン54の動きが緩やかになる。
すなわち、第1油室33に連通する油路122(123),132(133)には絞り部を設けず、第2油室43に連通する油路113,114にのみ絞り部115,116を設けることで、第1アクチュエータ部21をトロイダル型無段変速機5による変速動作を主体的に行うための変速用アクチュエータ部とし、第2アクチュエータ部22をトラニオン54に作用する外力に伴う変位の減衰を主体的に行うための減衰用アクチュエータ部とすることができる。これらによって、トラニオン54による変速動作のハンチングを効果的に軽減しながらも、変速動作の高い応答性を得ることが可能となる。
この点をより詳細に説明する。図4及び図5は、第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22の動作を説明するための図で、図4は、第1アクチュエータ部21に供給する作動油の油圧で第1ピストン部材31を作動させてトラニオン54を駆動するときの動作を示す図であり、図5は、トロイダル型無段変速機5に外部から入力したトルク(いわゆる外乱)が第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22に作用するときの動作を示す図である。
第1アクチュエータ部21に供給する作動油の油圧で第1ピストン部材31を作動させてトラニオン54を駆動するときは、流量制御弁(図示せず)に変速信号を入力することで、例えば、図4(a)に示すように、高圧油路120から第1アクチュエータ部21の第1油室33の上側油室33aに作動油が導入される。これにより、同図(b)に示すように、上側油室33aからの油圧で第1ピストン部材31が図の下方向に力を受けて移動する。そしてこのとき、第2アクチュエータ部22の第2ピストン部材41も連動して下方向に移動することで、同図(c)に示すように、第2アクチュエータ部22の第2油室43の下側油室43bの作動油が抜けようとする。しかしながら、油路114には絞り部116が設けられているため、この絞り部116によって下側油室43bの作動油が抜けることが抑制される。これにより、第2ピストン部材41に下側への移動を抑える緩衝作用を持たせることができる。
すなわち、第1油室33の上側油室33aと下側油室33bに連通する油路122,132に絞り部を設けていないことで、図4(b)に示す動作の時点では、第1油室33の上側油室33aに対して迅速に作動油を供給でき、かつ第1油室33の下側油室33bから迅速に作動油を排出することができる。したがって、変速動作の応答性を効果的に向上させることができる。その一方で、第2油室43の上側油室43aと下側油室43bに連通する油路113,114には絞り部115,116を設けていることで、第1アクチュエータ部21による変速動作に対して第2アクチュエータ部22で緩衝作用を奏することができる。これにより、変速動作の安定性を向上させることができる。これらによって、変速動作の応答性の向上と安定性の向上との両立を図ることができる。
また、トロイダル型無段変速機5に外部から入力したトルク(いわゆる外乱)が第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22に作用するときは、まず、第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22にトルクが作用すると、当該トルクで第1ピストン部材31及び第2ピストン部材41が図の下方向に移動する。これにより、第2アクチュエータ部22の第2油室43の下側油室43bの作動油が抜けようとする。しかしながら、下側油室43bに通じる油路114には絞り部116が設けられているため、この絞り部116によって下側油室43bの作動油が抜けることが抑制される。これにより、第2ピストン部材41に下側への移動を抑える緩衝作用を持たせることができる。その後、変速動作を行う際には、同図(c)に示すように、流量制御弁(図示せず)に変速信号を入力することで、低圧油路130から第1アクチュエータ部21の第1油室33の下側油室33bに作動油が導入される。これにより、下側油室33bからの油圧で第1ピストン部材31が図の上方向に力を受けて移動する。
すなわち、この場合にも、第2油室43の上側油室43aと下側油室43bに連通する油路113,114には絞り部115,116を設けていることで、外乱によって第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22に作用する力に対して第2アクチュエータ部22で緩衝作用を奏することができる。これにより、外乱に対する頑健性を向上させることができる。その一方で、第1油室33の上側油室33aと下側油室33bに連通する油路122,132には絞り部を設けていないことで、第1油室33の下側油室33bに対して迅速に作動油を供給でき、かつ第1油室33の上側油室33aから迅速に作動油を排出することができる。したがって、変速動作の応答性を効果的に向上させることができる。これらによって、外乱に対する頑健性を向上と変速動作の応答性の向上との両立を図ることができる。
また、本実施形態のトロイダル型無段変速機5では、トラニオン54は、揺動軸54bの軸方向に延びるピストンロッド54cを備え、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22は、このピストンロッド54cにおける軸方向で互いに隣接した位置に設けられている。
この構成によれば、第1アクチュエータ部21及び第2アクチュエータ部22がピストンロッド54cの軸方向に沿って互いに隣接した位置に設けられているため、第2油室43から第2アクチュエータ部22に作用する油圧反力が第1アクチュエータ部21に伝わり易くなる。したがって、第1アクチュエータ部21に緩衝作用を及ぼし易くなることで、変速動作のハンチングや外乱によるトラニオンの急激な移動をより効果的に抑制できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかるトロイダル型無段変速機について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、以下の他の実施形態においても同様である。
図6は、本発明の第2実施形態に係るトロイダル型無段変速機5−2の側断面図であり、第1実施形態の図2におけるX−X矢視断面に対応する図である。
本実施形態のトロイダル型無段変速機5−2は、第1実施形態のトロイダル型無段変速機5と比較して、油圧アクチュエータ機構20に作動油を供給するための油圧回路100−2の構成が異なっている。
すなわち、本実施形態の油圧回路100−2が備える潤滑用油路110(117)は、トロイダル型無段変速機5−2のパワーローラ53に連通している。そして、この潤滑用油路110の途中には、分岐部が設けられていない。したがって、潤滑油供給源101から潤滑用油路110を通して供給される潤滑油は、その全量がトロイダル型無段変速機5のパワーローラ53に供給される。
また、本実施形態の油圧回路100−2が備える高圧油路120の途中には、3箇所の分岐部125,126,127が設けられている。分岐部125からは、一方のトラニオン54に対応する第2アクチュエータ部22が備える第2油室43の上側油室43aに連通する油路113が分岐しており、分岐部126からは、当該一方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の上側油室33aに連通する油路122が分岐しており、分岐部127からは、他方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部22が備える第1油室33の下側油室33bに連通する油路128と、第2アクチュエータ部22が備える第2油室43の下側油室43bに連通する油路129とが分岐している。
また、油圧回路100−2が備える低圧油路130の途中には、3か所の分岐部135,136,137が設けられている。分岐部135からは、一方のトラニオン54に対応する第2アクチュエータ部22が備える第2油室43の下側油室43bに連通する油路114が分岐しており、分岐部136からは、当該一方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部21が備える第1油室33の下側油室33bに連通する油路132が分岐しており、分岐部137からは、他方のトラニオン54に対応する第1アクチュエータ部22が備える第1油室33の上側油室33aに連通する油路138と、第2アクチュエータ部22が備える第2油室43の上側油室43aに連通する油路139とが分岐している。
そして、高圧油路120の分岐部125から第2油室43の上側油室43aに連通する油路113と、低圧油路130の分岐部135から第2油室43の下側油室43bに連通する油路114とには、これら油路113,114を流通する作動油(潤滑油)の流量を絞るための絞り部115,116が設けられている。絞り部115,116は、油路113,114の他の部分よりも小さな断面積に設定された部分で、油路113,114を流れる潤滑油に対して抵抗を付与する作用を有している。
その一方で、高圧油路120の分岐部126から第1油室33の上側油室33aに連通する油路122と、分岐部127から第1油室33の下側油室33bに連通する油路128とには絞り部が設けられていない。また、低圧油路130の分岐部136から第1油室33の下側油室33bに連通する油路132と、分岐部137から第1油室33の上側油室33aに連通する油路138とにも絞り部が設けられていない。
上記構成の油圧回路100−2を備えたトロイダル型無段変速機5−2では、油圧アクチュエータ機構20を駆動するための作動油が供給される駆動用油路である高圧油路120及び低圧油路130が連通している油路113,114に絞り部115,116が設けられていることで、油路113,114に供給される駆動用の作動油で第2アクチュエータ部22による緩衝作用を得ることができる。したがって、トロイダル型無段変速機5−2の構成の簡素化を図りながらも、変速動作のハンチングや外乱によるトラニオンの急激な移動を抑制できる。
また、本実施形態では、駆動用油路である高圧油路120及び低圧油路130が第1アクチュエータ部21に作動油を供給する油路122,132と第2アクチュエータ部22に作動油を供給する油路113,114との両方に連通していることで、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22との両方を、トロイダル型無段変速機5−2による変速動作を主体的に行うための変速用アクチュエータ部として機能させることができる。さらにこの場合、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22との両方をトラニオン54に作用する外力に伴う変位の減衰を副次的に行うための減衰用アクチュエータ部としても機能させることができる。
このように、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22の両方を変速用アクチュエータ部として機能させることで、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22それぞれの容量を小さく抑えることができる。したがって、油圧アクチュエータ機構20及びそれを含むトロイダル型無段変速機5−2の小型化及び軽量化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかるトロイダル型無段変速機について説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係るトロイダル型無段変速機の側断面図(図2のX−X矢視に対応する部分の断面図)である。また、図8は、第3実施形態に係るトロイダル型無段変速機が備えるヨークの平面図である。また、図9は、第3実施形態にかかるトロイダル型無段変速機の他の側断面図(図8のY−Y矢視に対応する部分の断面図)である。また、図10は、第2アクチュエータ部及びその周辺を示す部分拡大斜視図(一部断面図)である。
本実施形態のトロイダル型無段変速機5−3では、図7に示すように、トラニオン54を駆動するための第1アクチュエータ部(変速動作用アクチュエータ)21をトラニオン54のピストンロッド54c上に設ける一方で、図9に示すように、トラニオン54の動作を減衰させるための第2アクチュエータ部(減衰用アクチュエータ)22を上下の一対のヨーク55それぞれの両端部とそれらの上下に配置したハウジング(ケーシング)9との間に配設している。
各図に示すように、ヨーク55は略平板状の部材であり、その長手方向の両端部55aに設けたピン56を介してU字部材57が揺動自在に支持されている。また、ヨーク55の長手方向の中央には、出力ディスク52、トラニオン54、ポスト58など(図7参照)を配置するための貫通孔55bが設けられている。第2アクチュエータ部22が備える第2ピストン部材41は、U字部材57及びピン56を介してヨーク55の端部55aに接続されている。
第2アクチュエータ部22は、U字部材57に固定された第2ピストン部材41と、ハウジング9に形成されて第2ピストン部材41が収容された第2シリンダ室42と、第2シリンダ室42内における軸方向(図の上下方向)の上側又は下側で第2ピストン部材41と第2シリンダ室42との間に区画された第2油室43とを備えている。本実施形態のトロイダル型無段変速機5−3では、第2アクチュエータ部22は、上下一対のヨーク55それぞれの両端部55aに対応する合計4か所に設けられている。
また、本実施形態では、潤滑油供給源101から供給された潤滑油が流通する潤滑用油路110は、各第2アクチュエータ部22の第2シリンダ室42に連通している。すなわち、潤滑用油路110に設けた分岐部151から分岐した油路110a,110bはそれぞれ、左上の第2アクチュエータ部22の第2シリンダ室42と右上の第2アクチュエータ部22の第2シリンダ室42とに連通し、分岐部152から分岐した油路110c,110dはそれぞれ、左下の第2アクチュエータ部22の第2シリンダ室42と右下の第2アクチュエータ部22の第2シリンダ室42とに連通している。そして、各油路110a,110b,110c,110dには、これら各油路を流通する作動油(潤滑油)の流量を絞るための絞り部141a,141b,141c,141dが設けられている。
本実施形態のトロイダル型無段変速機5−3では、第1アクチュエータ部21の駆動によってトラニオン54が傾転する際に、ヨーク55のピン56に係合するU字部材57によってヨーク55の動きにおける垂直成分(上下方向の動き成分)が取り出されることで、第2アクチュエータ部22が作動する。
第2アクチュエータ部22が作動する際に第2油室43内の作動油が油路110a,110b,110c,110dに排出されるが、絞り部141a,141b,141c,141dによってその流量が抑制される。そのため、第2アクチュエータ部22がヨーク55及びトラニオン54の動作に対する緩衝作用を奏することができる。そのため、ヨーク55の動きが緩やかになり、第1アクチュエータ部21の動作も緩やかになる。したがって、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明にかかるトロイダル型無段変速機の一例として、第1アクチュエータ部21をピストンロッド54cの軸方向の下側に配置し、第2アクチュエータ部22をピストンロッド54cの軸方向の上側に設けた場合を示したが、第1アクチュエータ部21と第2アクチュエータ部22は軸方向において互いに隣接する位置であれば、これらの軸方向の配置(上下の配置)を逆の配置としてもよい。
また、第3実施形態では、上下一対のヨーク55それぞれの両端部55aに対応する合計4か所の位置に第2アクチュエータ部22を設けた場合を示したが、これ以外にも、上側のヨーク55の両端部に対応する2か所の第2アクチュエータ部のいずれか一方を省略するか、又は下側のヨーク55の両端部55aに対応する2か所の第2アクチュエータ部22のいずれか一方を省略することも可能である。
1 変速機
2 インプットシャフト
3 アウトプットシャフト
5 トロイダル型無段変速機
7 遊星歯車機構
20 油圧アクチュエータ機構
21 第1アクチュエータ部
22 第2アクチュエータ部
31 第1ピストン部材
32 第1シリンダ室
33 第1油室
33a 上側油室
33b 下側油室
41 第2ピストン部材
42 第2シリンダ室
43 第2油室
43a 上側油室
43b 下側油室
51 入力ディスク
52 出力ディスク
53 パワーローラ
53a 回転軸
54 トラニオン
54b 揺動軸
54c ピストンロッド(軸部)
55 ヨーク(支持板)
55a 端部
57 U字部材
100 油圧回路
101 潤滑油供給源
102 高圧供給源
103 低圧供給源
110 潤滑用油路
120 高圧油路(駆動用油路)
130 低圧油路(駆動用油路)
141 絞り部

Claims (7)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と共に回転する入力ディスクと、
    前記入力軸に相対回転自在に支持された出力ディスクと、
    前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間に狭持された複数のパワーローラと、
    揺動軸を中心に揺動自在に支持されて、前記複数のパワーローラそれぞれを回転自在に支持してなる複数のトラニオンと、
    前記複数のトラニオンそれぞれを前記揺動軸の軸方向に沿って直線移動させて駆動するアクチュエータ機構と、を備え、
    前記アクチュエータ機構で前記複数のトラニオンを駆動することで、前記入力ディスクの回転数に対する出力ディスクの回転数を変化させて変速を行うトロイダル型の無段変速機であって、
    前記アクチュエータ機構が有する油圧アクチュエータは、一つの前記トラニオンの動作を制御するための第1アクチュエータ部及び第2アクチュエータ部を備え、
    前記第1アクチュエータ部は、前記トラニオンの前記直線移動に連動する第1ピストン部材と、前記第1ピストン部材が収容された第1シリンダ室と、前記第1シリンダ室内における前記軸方向の両側で前記第1ピストン部材を挟むように区画された一対の第1油室と、前記第1油室に作動油を供給・排出するための第1油路と、を備え、
    前記第2アクチュエータ部は、前記トラニオンの前記直線移動に連動する第2ピストン部材と、前記第2ピストン部材が収容された第2シリンダ室と、前記第2シリンダ室内における前記軸方向の両側で前記第2ピストン部材を挟むように区画された一対の第2油室と、前記第2油室に作動油を供給・排出するための第2油路と、を備え、
    前記第1油路と前記第2油路のうち、前記第2油路にのみ該第2油路を流通する作動油の流量を絞る絞り部を設けている
    ことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記トラニオンは、前記揺動軸の軸方向に延びる軸部を備え、
    前記第1アクチュエータ部と前記第2アクチュエータ部は、前記軸部における軸方向で互いに隣接した位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記複数のトラニオンそれぞれを傾転自在かつ前記軸方向に変位自在に支持すると共に、前記複数のトラニオンの変位により揺動する支持部材を備え、
    前記第2アクチュエータ部の前記第2ピストン部材は、前記支持部材の揺動に連動して前記第2シリンダ室内を直線移動するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記パワーローラを潤滑するための潤滑油が供給される潤滑用油路を備え、
    前記潤滑用油路は、前記第2油路に連通している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記潤滑油路は、前記第2油路と前記パワーローラに潤滑油を供給するための第3油路とに分岐する第1分岐部を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機。
  6. 前記油圧アクチュエータ機構を駆動するための作動油が供給される駆動用油路を備え、
    前記駆動用油路は、前記第2油路に連通している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトロイダル型無段変速機。
  7. 前記駆動用油路は、前記第2油路と前記第1油路とに分岐する第2分岐部を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載のトロイダル型無段変速機。
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