JP4617863B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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この発明は、自動車用の自動変速機として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関する。具体的には、シフトレバーの動きを伝達する為の伝達手段を構成する部材(回転伝達軸)を効率良く配置する事により、下方への突出量を小さくし、搭載した車両の悪路走破性の向上を図るものである。
自動車用変速機としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば非特許文献1、2に記載される等により従来から広く知られ、又、一部で実施されている。又、変速比の変動幅をより大きくすべく、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献1等に記載される等により従来から広く知られている。又、例えば特許文献2、3には、所謂ギヤードニュートラルと呼ばれ、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる無段変速装置が記載されている。この様な無段変速装置の場合には、流体で動力を伝達するトルクコンバータ等の発進機構を省略して、上記無段変速装置にエンジンからの動力を直接伝達させる事ができる。この為、変速装置の小型・軽量化を図れる他、上記トルクコンバータを設ける事による伝達効率の低下等を防止して、発進時の応答性能の向上を図れる。
又、特許文献4、5には、上述の様なギヤードニュートラルを実現できる無段変速装置のより具体的な構造が記載されている。図7〜9は、上記特許文献4、5に記載された無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機1と、遊星歯車式変速機2とを組み合わせて成り、入力軸3と出力軸4とを有する。これら入力軸3と出力軸4との間には、上記トロイダル型無段変速機1の入力回転軸5と伝達軸6とを、これら両軸3、4と同心に設けている。そして、上記遊星歯車式変速機2のうちの前段ユニット7と中段ユニット8とを上記入力回転軸5と上記伝達軸6との間に掛け渡す状態で、後段ユニット9をこの伝達軸6と上記出力軸4との間に掛け渡す状態で、それぞれ設けている。
上記トロイダル型無段変速機1は、それぞれが特許請求の範囲に記載した外側ディスクに相当する、1対の入力側ディスク10a、10bと、同じく特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する、一体型の出力側ディスク11と、複数のパワーローラ12、12とを備える。そして、上記1対の入力側ディスク10a、10bは、上記入力回転軸5を介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、上記出力側ディスク11は、上記両入力側ディスク10a、10b同士の間に、これら両入力側ディスク10a、10bと同心に、且つ、これら両入力側ディスク10a、10bに対する相対回転を自在として支持されている。
更に、上記各パワーローラ12、12は、上記出力側ディスク11の軸方向両側面と上記両入力側ディスク10a、10bの軸方向片側面との間に、それぞれ複数個(図示の例の場合は2個)ずつ挟持されている。そして、これら両入力側ディスク10a、10bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク10a、10bから上記出力側ディスク11に動力を伝達する。又、この出力側ディスク11はその軸方向両端部を、ケーシング13内に、それぞれ1対ずつの支柱14、14と、スラストアンギュラ玉軸受である転がり軸受15、15とにより、回転自在に支持している。又、上記両支柱14、14の両端部近傍に設けた各支持ポスト部16a、16bに、それぞれ支持板17a、17bを支持している。
又、上記両支持板17a、17b同士の間には、複数のトラニオン(支持部材)18、18の両端部に互いに同心に設けられた枢軸19、19を、揺動及び軸方向(図8の上下方向)の変位を可能に支持している。そして、上記各トラニオン18、18の内側面(互いに対向する面)に上記各パワーローラ12、12を、それぞれ支持軸20、20並びに複数組の転がり軸受を介して、回転並びに前記入力回転軸5の軸方向に関する若干の変位を自在に支持している。そして、上記各パワーローラ12、12の周面と、上記両入力側ディスク10a、10bの入力側面及び上記出力側ディスク11の出力側面とを転がり接触させている。
前記トロイダル型無段変速機1に変速動作を行なわせる際には、上記両支柱14、14の下端部を結合固定したアクチュエータボディー21に内蔵した、各油圧式のアクチュエータ22、22により、上記各トラニオン18、18を上記各枢軸19、19の軸方向に変位させる。この結果、上記入力側、出力側各面と上記周面との転がり接触部(トラクション部)でサイドスリップが発生し、上記各トラニオン18、18が上記各枢軸19、19を中心として揺動する。そして、上記各ディスク10a、10b、11の径方向に関する、上記各転がり接触部の位置が変化し、上記両入力側ディスク10a、10bと上記出力側ディスク11との間の変速比が変化する。尚、上記各アクチュエータ22、22への圧油の給排は、上記アクチュエータボディー21の下方に設けたバルブボディー23に内蔵した変速比制御弁24(後述する図9参照)の切換により行なう。
又、図示の無段変速装置の場合は、前記入力回転軸5の基端部(図7の左端部)を図示しないエンジンのクランクシャフトに、前記入力軸3を介して結合し、このクランクシャフトにより上記入力回転軸5を回転駆動する様にしている。又、上記入力回転軸5の基端部と上記入力側ディスク10aとの間に、油圧式の押圧装置25を設け、上記両入力側ディスク10a、10bの軸方向片側面(入力側面)及び上記出力側ディスク11の軸方向両側面(出力側面)と前記各パワーローラ12、12の周面との転がり接触部に適正な面圧を付与している。
又、上記出力側ディスク11に、中空回転軸26の基端部(図7の左端部)をスプライン係合させている。そして、この中空回転軸26を、エンジンから遠い側(図7の右側)の入力側ディスク10bの内側に挿通して、上記出力側ディスク11の回転力を取り出し自在としている。更に、上記中空回転軸26の先端部(図7の右端部)で上記入力側ディスク10bの外側面から突出した部分に、前記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7を構成する為の、第一太陽歯車27を固設している。
一方、上記入力回転軸5の先端部(図7の右端部)で上記中空回転軸26から突出した部分と上記入力側ディスク10bとの間に、第一キャリア28を掛け渡す様に設けて、この入力側ディスク10bと上記入力回転軸5とが、互いに同期して回転する様にしている。そして、上記第一キャリア28の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4個所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である上記遊星歯車式変速機2の前段ユニット7及び前記中段ユニット8を構成する為の遊星歯車29〜31を、回転自在に支持している。更に、上記第一キャリア28の片半部(図7の右半部)周囲に第一リング歯車32を、回転自在に支持している。
上記各遊星歯車29〜31のうち、前記トロイダル型無段変速機1寄り(図7の左寄り)で上記第一キャリア28の径方向に関して内側に設けた遊星歯車29は、上記第一太陽歯車27に噛合している。又、上記トロイダル型無段変速機1から遠い側(図7の右側)で上記第一キャリア28の径方向に関して内側に設けた遊星歯車30は、前記伝達軸6の基端部(図7の左端部)に固設した、第二太陽歯車33に噛合している。又、上記第一キャリア28の径方向に関して外側に設けた、残りの遊星歯車31は、上記内側に設けた遊星歯車29、30よりも軸方向寸法を大きくして、これら両遊星歯車29、30に噛合させている。更に、上記残りの遊星歯車31と上記第一リング歯車32とを、互いに噛合させている。
一方、前記後段ユニット9を構成する為の第二キャリア34を、前記出力軸4の基端部(図7の左端部)に結合固定している。そして、この第二キャリア34と上記第一リング歯車32とを、クラッチ装置の一部である低速用クラッチ35を介して結合している。又、上記伝達軸6の先端寄り(図7の右端寄り)部分に第三太陽歯車36を固設している。又、この第三太陽歯車36の周囲に、第二リング歯車37を配置し、この第二リング歯車37と前記ケーシング13等の固定の部分との間に、クラッチ装置の残部である高速用クラッチ38を設けている。更に、上記第二リング歯車37と上記第三太陽歯車36との間に配置した複数組の遊星歯車39、40を、上記第二キャリア34に回転自在に支持している。これら各遊星歯車39、40は、互いに噛合すると共に、上記第二キャリア34の径方向に関して内側に設けた遊星歯車39を上記第三太陽歯車36に、同じく外側に設けた遊星歯車40を上記第二リング歯車37に、それぞれ噛合している。
上述の様に構成する無段変速装置の場合、入力回転軸5から1対の入力側ディスク10a、10b、各パワーローラ12、12を介して一体型の出力側ディスク11に伝わった動力は、前記中空回転軸26を通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ35を接続し、上記高速用クラッチ38の接続を断った状態では、前記トロイダル型無段変速機1の変速比を変える事により、上記入力回転軸5の回転速度を一定にしたまま、前記出力軸4の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。
即ち、この状態では、上記入力回転軸5と共に正方向に回転する第一キャリア28と、上記中空回転軸26と共に逆方向に回転する前記第一太陽歯車27との差動成分が、前記第一リング歯車32から、上記低速用クラッチ35、上記第二キャリア34を介して、上記出力軸4に伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を所定値にする事で上記出力軸4を停止させられる他、このトロイダル型無段変速機1の変速比を上記所定値から増速側に変化させる事により上記出力軸4を、車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を上記所定値から減速側に変化させる事により上記出力軸4を、車両を前進させる方向に回転させられる。
これに対して、上記高速用クラッチ38を接続し、上記低速用クラッチ35の接続を断った状態では、上記出力側ディスク11の回転が、上記中空回転軸26、前記遊星歯車式変速機2の第一太陽歯車27、前記各遊星歯車29〜31、前記伝達軸6、前記第二太陽歯車33、前記各遊星歯車39、40、上記第二キャリア34を介して、上記出力軸4に伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速機1の変速比を増速側に変化させる程、無段変速装置全体としての変速比も増速側に変化する。
図9は、上述の様に構成し作用する無段変速装置の油圧制御回路を示している。ケーシング13の下端部に設けたオイルパン41(図7、8参照)等の油溜に貯溜された潤滑油(トラクションオイル)は、高圧ポンプ42と低圧ポンプ43とに吸引され、それぞれ加圧された状態で吐出される。このうちの高圧ポンプ42から吐出された潤滑油は、リリーフ弁式の加圧用圧力調整弁44により圧力調整された状態で、変速比制御弁24を介して、変速比調節の為にトラニオン18、18を枢軸19、19(図8参照)の軸方向に変位させる、アクチュエータ22の油圧室45a、45bに送り込まれる。又、上記加圧用圧力調整弁44により圧力調整された潤滑油は、入力側ディスク10a、10bを出力側ディスク11(図7参照)に向け押圧する為の油圧式の押圧装置25の油圧室にも送り込む。
これに対して、上記低圧ポンプ43から吐出された潤滑油は、リリーフ弁式の低圧側圧力調整弁46により、比較的低い所定圧に調整された状態で、無段変速装置内で潤滑油を必要とする部分に供給して、これら各部分を潤滑する。上記低圧ポンプ43から吐出されて上記低圧側圧力調整弁46により圧力調整された潤滑油を上記各部分に送り込む流路の途中には、上記加圧用圧力調整弁44のリリーフ回路部分(吐出ポート)に通じさせている。又、この加圧用圧力調整弁44のパイロット回路には、上記アクチュエータ22に設けた1対の油圧室45a、45b内の油圧の差を、差圧信号として導入している。これら両油圧室45a、45b同士の間の油圧の差は、入力側ディスク10a、10bから上記出力側ディスク11(或は出力側ディスク11から入力側ディスク10a、10b)に伝達する力2Ftに比例する。従って、上記加圧用圧力調整弁44のパイロット回路に導入される油圧は、トロイダル型無段変速機1を通過する動力の大きさに比例する。
又、図示の例では、上記加圧用圧力調整弁44に、温度やアクセル開度等、上記トロイダル型無段変速機1の使用状態に対応する補正信号を入力して、このトロイダル型無段変速機1の運転状況に応じて、上記押圧装置25の油圧室に送り込む油圧に補正を加える様にしている。即ち、第一の電磁弁47の開閉制御により、上記加圧用圧力調整弁44の別のパイロット室内の油圧を調整して、この加圧用圧力調整弁44の開弁圧を調整自在としている。そして、加圧用圧力調整弁44から上記アクチュエータ22及び上記押圧装置25に導入する油圧を、上記トロイダル型無段変速機1を通過する動力の大きさに比例して大きくする事に加え、このトロイダル型無段変速機1の運転状況に応じて補正する様にしている。
又、図9に示した油圧回路では、前記変速比制御弁24を、ステッピングモータ48による他、差圧シリンダ49によっても調節自在として、トロイダル型無段変速機1を通過するトルクを目標値に調節すべく、このトロイダル型無段変速機1の変速比を微調節自在としている。又、上記差圧シリンダ49への圧油の給排は、第二の電磁弁50により制御される差圧制御弁51a、51bにより、前後進切換弁52を介して行なう様にしている。又、低速用、高速用両クラッチ35、38への圧油の給排を、第三の電磁弁53と、高速用、低速用両切換弁54、55と、シフト用切換弁56とにより行なう様にしている。更に、運転席に設けたシフトレバーにより操作される手動切換弁57により、各部の連通状態を切り換えられる様にしている。尚、上記変速比制御弁24を初めとする、油圧式の弁44、46、51a、51b、52、54〜56、58は、前記バルブボディー23(図7〜8参照)内に組み込んでいる。
前述の図7〜8に示した様な無段変速装置の場合、出力側ディスク11の回転力を、この出力側ディスク11並びに入力回転軸5と同心に設けた中空回転軸26により取り出している。この為、例えば前記特許文献1に記載された構造の様に、出力側ディスクの回転力を、出力側ディスクの径方向外側で、且つ、入力回転軸と平行に設けた伝達軸(カウンターシャフト)により取り出す必要がなくなり、上記無段変速装置を小型に構成できる。
ところで、前述の様な無段変速装置を実際に自動車等の車両に組み込む場合、運転席に設けたシフトレバーの動きを、前記バルブボディー23内に組み込まれた前記手動切換弁57に伝達し、この手動切換弁57の切り換えに応じて前記低速用クラッチ35や前記高速用クラッチ38の断接を行なう。又、上記シフトレバーがPレンジ(駐車位置)に操作された場合には、このシフトレバーの動きに応じ、前記出力軸4の回転を阻止する為の制動手段(パーキングロック機構)を作動させる事が好ましい。但し、前述の各特許文献や各非特許文献には、上述の様なシフトレバーの動きを上記手動切換弁57に伝達する部分の構造や、上記制動手段を作動させる部分の構造に就いては記載されていない。
上述の様なシフトレバーの動きを上記手動切換弁57やパーキングロック機構に伝達する為の伝達手段の構造は、電動式とするよりも、リンク機構等により構成する機械式とする事が、故障しにくさ等の面からは好ましい。例えば、シフトレバーの動き(揺動)を、リンク腕等を介して回転伝達軸(マニュアルシャフト)に回転運動として伝達し、この回転伝達軸の回転に基づき、上記手動切換弁57のスプールや上記制動手段を作動させる為の部材を変位させる事が考えられる。この様な機械式の構造を採用すれば、上記伝達手段を簡素に構成でき、しかも信頼性も十分に確保できると考えられる。ところが、前述の図7〜9に示す様な無段変速装置の場合、上記伝達手段を構成する上記回転伝達軸をただ単に設けただけでは、装置が大型化したり、構造が複雑になる他、上記回転伝達軸の配設位置によっては各部の強度を確保しにくくなる可能性がある。特に、上記無段変速装置が大型化すると、車両に搭載した状態でこの無段変速装置の下方への突出量が大きくなり、搭載した車両の悪路走破性を低下させる等、好ましくない。
例えば前述した特許文献1に記載された構造の様に、トロイダル型無段変速機の径方向外側に、出力側ディスクの回転力を伝達する為の伝達軸を設けると共に、高速用、低速用クラッチに加えて前後進切り換えクラッチ(後退用クラッチ)や発進クラッチを設けた構造の場合には、無段変速装置全体として大型のものになる。この為、上記伝達手段を構成する回転伝達軸等を配置するスペースが十分に余っており、この回転伝達軸を設ける場合に、装置が更に大型化したり、各部の強度を確保しにくくなる様な事はなかった。ところが、前述の図7〜8に示した無段変速装置の場合には、上述の様な伝達軸や前後進切り換えクラッチが必要ない分、上述の様な構造に比べて無段変速装置を小型に構成できる。この為、上記伝達手段を構成する回転伝達軸をただ単に配置するだけでは、上述の様な不都合が顕著になる。
又、従来から実施されている様な、自動変速装置をトロイダル型無段変速機単独で構成した場合や、入力軸とトロイダル型無段変速機との間に発進クラッチを設けた構造の場合には、出力軸と、上述の様な伝達軸と、出力側ディスクとが、それぞれ同期して回転する。この為、シフトレバーが駐車位置(Pレンジ)である場合にこのシフトレバーの動きに基づいて作動する制動手段を設ける場合には、上記出力軸と伝達軸と出力側ディスクとのうちの何れかの部材の回転を阻止するものであれば良かった。この為、上述の様な制動手段を設置し易い。これに対して、前述の図7〜8に示した無段変速装置の場合には、出力軸4と遊星歯車式変速機2の構成部材との間に低速用、高速用各クラッチ35、38を設けており、これら各クラッチ35、38は、上記シフトレバーがPレンジに切り換えられた状態で接続を断たれる。
この為、上述の様な制動手段を設ける場合、上記出力軸4又はこの出力軸4と共に回転する部材の回転を阻止する様に構成する必要があり、上述した様な各構造に比べて上記制動手段を設置しにくい。しかも、この制動手段を構成する場合に、上記シフトレバーの動きを伝達する為の伝達手段を構成する回転伝達軸の配設位置によっては、この回転伝達軸の回転を上記制動手段に伝達する部材と他の部材とが干渉し易くなったり、この制動手段にシフトレバーの動きを伝達する部分の構造が複雑化、大型化する可能性もある。この為、この様な制動手段を設ける面からも、上記伝達手段を構成する回転伝達軸をただ単に配置するだけでは、上述の様な不都合が生じ、好ましくない。
特開平11−63146号公報 米国特許第5607372号明細書 特開2002−139124号公報 特開2004−169719号公報 特開2004−211744号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、シフトレバーの動きを伝達する為の伝達手段を構成する部材を効率良く配置する事により、下方への突出量を小さくし、搭載した車両の悪路走破性の向上を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、前述した従来の無段変速装置と同様に、回転軸の周囲にこの回転軸と同期した回転を自在に支持した1対の外側ディスク、及びこの回転軸の中間部周囲でこれら両外側ディスクの間部分にこの回転軸に対する相対回転を自在に設けられた内側ディスク、及びこの内側ディスクと上記外側ディスクとの互いに対向する側面同士の間に挟持された複数個のパワーローラ、及び変速比変更の為のアクチュエータへの油圧制御を行なう為の変速比制御弁を収納したバルブボディーを備えたトロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを、互いに同軸に、且つ、この遊星歯車式変速機と上記トロイダル型無段変速機の回転軸及び内側ディスクとの間で動力を伝達する状態で組み合わせている。そして、このうちのトロイダル型無段変速機の回転軸に入力軸を、上記遊星歯車式変速機の構成部材に出力軸を、それぞれ繋げる。又、これと共に、動力の伝達経路を切り換えるクラッチ装置を有し、このクラッチ装置への圧油の導入状態を切り換える為の手動切換弁を、上記バルブボディーに収納している。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、運転席に設けたシフトレバーの操作に基づいて上記手動切換弁の切り換え状態を切り換える為の伝達手段を構成する回転伝達軸(マニュアルシャフト)を、上記各外側ディスクのうちの上記出力軸に近い側の外側ディスクよりもこの出力軸側で、上記遊星歯車式変速機の径方向外側に、この遊星歯車式変速機の中心軸に対し捻れの位置となる状態で設ける。
更に本発明の場合には、上記シフトレバーの切り換え位置が駐車位置(Pレンジ)である場合に、上記出力軸又はこの出力軸と共に回転する部材と係合する事によりこの出力軸の回転を阻止する係合部材を、上記回転伝達軸の動きに基づいて、この出力軸又はこの出力軸と共に回転する部材と係脱するものとする。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、シフトレバーの動きを伝達する為の伝達手段を構成する回転伝達軸を、効率良く配置でき、この回転伝達軸を設ける事に伴う、各部の強度の低下や、下方への突出量の増大を防止できる。この為、搭載した車両の悪路走破性の向上を図れる。又、悪路走破性を同程度とした場合には、下方への突出量を小さくできる分、上記無段変速装置を下方に搭載する事ができ、車内空間の拡大も図れる。
しかも、上記シフトレバーが駐車位置に操作された場合に作動する制動手段(パーキングロック機構)を簡素に構成できる。即ち、この様な制動手段により回転を阻止する上記出力軸又はこの出力軸と共に回転する部材と、上記回転伝達軸との距離を小さくできる。この為、この回転伝達軸の動き(回転)を上記係合部材に伝達する為の部材(例えばリンク腕、揺動腕、パーキングロッド等)の小型・短縮化を図れると共に、この部材を周囲の部材と干渉しにくくでき、設計の自由度が増す。又、この部材を含む上記制動手段を、大型化、複雑化する事なく簡素に構成できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、回転伝達軸を、遊星歯車式変速機の下端部とバルブボディーの上面との間に設ける。
この様に構成すれば、バルブボディーに収納した、クラッチ装置への圧油の導入状態を切り換える為の手動切換弁と上記回転伝達軸との距離を小さくできる。この為、この回転伝達軸の動き(回転)を上記手動切換弁のスプールに伝達する為の部材(例えば揺動腕)の小型・短縮化を図れると共に、この部材を周囲の部材と干渉しにくくでき、設計の自由度が増す。又、この部材を配置する部分を小さくでき、ケーシングを含む装置の大型化、複雑化を防止できる。
図1〜5は、本発明の実施例を示している。尚、本実施例の特徴は、運転席に設けたシフトレバー58の動きを手動切換弁57(図9参照)に伝達する為の伝達手段59を構成する回転伝達軸60の配置を工夫する事により、各部の強度が低下する事を防止しつつ、装置の小型・簡素化を図る点にある。無段変速装置自体の構造及び作用は、前述の図7〜9に示した従来構造と同様である為、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合には、上記シフトレバー58の操作に基づき手動切換弁57の連通状態を切り換える為の上記伝達手段59を、上記シフトレバー58の側から順に、第一のリンク腕61と、第一の揺動腕62と、上記回転伝達軸60と、第二の揺動腕63とにより構成している。このうちの第一のリンク腕61は、一端寄り(図2、3の右端寄り部、図4の左端寄り)部分に設けた係合孔64に、上記シフトレバー58の基端部を係合すると共に、他端部(図2、3の左端部、図4の右端部)を、上記第一の揺動腕62の先端部に揺動自在に支持している。従って、上記シフトレバー58が運転者の操作に基づき、支点αを中心に図2の矢印イで示す様に揺動すると、この揺動に基づき上記第一のリンク腕61は、図2〜4の矢印ロで示す様に、上記無段変速装置の配設方向(車両に搭載した状態で前後方向)に、ほぼ直線的に変位する。
又、上記第一の揺動腕62は、上述の様に先端部を上記第一のリンク腕61の他端部に揺動自在に支持すると共に、基端部を、上記回転伝達軸60の軸方向一端部(車両に搭載した状態でこの車両の幅方向に関し運転席に近い側の端部であり、図3の左端部、図4の左下端部)に、この回転伝達軸60に対し回転不能に結合している。又、この回転伝達軸60は、トロイダル型無段変速機を構成する1対の出力側ディスク10a、10bのうちの出力軸4に近い側の出力側ディスク10bよりも、この出力軸4側に設けている。より具体的には、上記回転伝達軸60を、この出力側ディスク10bと隣接する状態で設けられた遊星歯車式変速機2の前段ユニット7乃至中段ユニット8の下側で、この遊星歯車式変速機2の下端部とバルブボディー23の上面との間に、この遊星歯車式変速機2の中心軸に対し捻れの位置となる状態で、ほぼ水平方向に設けている。この為に、本実施例の場合は、上記回転伝達軸60の軸方向両端部を、無段変速装置を構成するケーシング13の幅方向両側壁部65、65(図8参照)に、それぞれ回転自在に支持している。従って、上記第一の揺動腕62は、上記第一のリンク腕61の変位に基づき、上記回転伝達軸60との結合部を支点として図2〜4の矢印ハで示す様に揺動しつつ、この回転伝達軸60を図3〜4の矢印ニで示す様に回転させる。
又、この回転伝達軸60の軸方向中間部で、前記手動切換弁57を構成するスプール66の中心軸と整合する位置に、上記第二の揺動腕63の基端部を、この回転伝達軸60に対し回転不能に結合している。又、これと共に、この第二の揺動腕63の先端部に設けた係合凸部67を、上記手動切換弁57のスプール66の端部に設けた係合凹部68に係合させている。従って、上記第二の揺動腕63は、上記回転伝達軸60の回転に基づき、この回転伝達軸60を支点として図2〜4の矢印ホで示す様に揺動し、この揺動に基づき上記手動切換弁57のスプール66を、図2〜4の矢印ヘで示す様に軸方向に変位させる。
又、上記回転伝達軸60の軸方向中間部で、上記第二の揺動腕63と隣り合う位置に、この回転伝達軸60の回転量を規制する為のディテント機構を構成するディテント部材69を、この回転伝達軸60に対し回転不能に結合している。このディテント部材69の外周面には、図示しない球状の係合子(ディテントボール)と係合する為の、複数の係合溝70、70を形成している。そして、これら係合子と何れかの係合溝70との係合に基づき、上記回転伝達軸60の回転量を規制する事により、上記第二の揺動腕63の揺動に基づき軸方向に変位する上記手動切換弁57のスプール66の位置決めを行なう。
上述の様な本実施例の場合、運転者の操作に基づき前記シフトレバー58が、図2の矢印イで示す様に揺動すると、このシフトレバー58の操作に基づき上記第一のリンク腕61が、図2〜4の矢印ロで示す様に変位する。そして、この変位に基づき上記第一の揺動腕63が、上記回転伝達軸60との結合部を支点に図2〜4の矢印ハで示す様に揺動しつつ、この回転伝達軸60を図3〜4の矢印ニで示す様に回転させる。そして、この回転に基づき上記第二の揺動腕63が、図2〜4の矢印ホで示す様に揺動し、この第二の揺動腕63の揺動に基づき、上記手動切換弁57のスプール66が、図2〜4の矢印ヘで示す様に軸方向に変位する。この際、上記ディテント部材69の外周面に設けた何れかの係合溝70と図示しない係合子とが係合する事により、上記回転伝達軸60の回転量が規制され、上記手動切換弁57のスプール66が、上記シフトレバー58の選択位置に応じた切り換え位置に位置決めされる。
又、本実施例の場合、上記シフトレバー58がPレンジ(駐車位置)に操作された際に出力軸4の回転を阻止する為の制動手段である、パーキングロック機構71を設けている。このパーキングロック機構71は、上記シフトレバー58がPレンジに操作された際に、上記出力軸4と共に回転する部材、即ち、前記遊星歯車式変速機2を構成する後段ユニット9の構成部材のうちで、上記出力軸4と繋がる第二キャリア34の回転を阻止するものである。この為に、この第二キャリア34を構成する1対の側壁部72a、72bのうちで上記出力軸4から遠い側の側壁部72aの外周面に複数個の凹部73、73を、円周方向に亙り間欠的に設けている。又、これと共に、これら各凹部73、73と係脱自在の係合突部74を設けた係合部材75を、上記第二キャリア34の径方向外側で、上記各凹部73、73と対向する位置に設けている。この様な係合部材75は、基端部を上記第二キャリア34の中心軸と平行に設けた揺動中心軸76に支持している。そして、この揺動中心軸76と上記係合部材75の基端部との間に掛け渡す状態で、弾性部材である捩りコイルばね77を設け、この係合部材75に、上記係合突部74が上記各凹部73から離れる方向(揺動中心軸76を中心に、図3で時計回りの方向)の弾力を付与している。
又、上記係合部材75の中間部で、上記第二キャリア34の径方向に関し上記係合突部73を設けた面と反対側の面に、上記シフトレバー58の操作に応じて上記係合部材75を、上記揺動中心軸76を中心に揺動させる為のガイド部材78を当接させている。このガイド部材78は、上記シフトレバー58が駐車位置(Pレンジ)に位置する場合に、上記係合部材75を、上記捩りコイルばね77の弾力に抗して、上記係合突部74が上記凹部73に係合する方向に揺動させるものである。この様なガイド部材78は、基端部外周面を他の部分よりも大径とした大径円筒面部79とすると共に、先端部外周面をこの大径円筒面部79よりも小径の小径円筒部80としている。そして、これら大径円筒面部79と小径円筒面部80とを傾斜円筒面部81により連続させている。尚、上記大径円筒面部79と小径円筒面部80との外径寸法の差H(図2)は、上記第二キャリア34に設けた上記各凹部の深さ寸法h(図3)よりも大きく(H>h)している。
この様なガイド部材78を上記シフトレバー58の操作に応じて軸方向に変位させるべく、本実施例の場合には、このガイド部材78を第二のリンク腕82の先端寄り部に支持すると共に、この第二のリンク腕82の基端部と前記回転伝達軸60とを、第三の揺動腕83により連結している。即ち、上記回転伝達軸60の軸方向中央部で、前記ディテント機構を構成するディテント部材69と隣り合う位置に、上記第三の揺動腕83の基端部を、この回転伝達軸60に対し回転不能に結合している。そして、この第三の揺動腕83の先端部に、上記第二のリンク腕82の基端部を揺動自在に支持すると共に、この第二のリンク腕82の先端寄り部に上記ガイド部材78を支持している。
尚、本実施例の場合、このガイド部材78を、弾性部材である圧縮コイルばね84により上記第二のリンク腕82の先端に向かう方向の弾力を付与した状態で、この第二のリンク腕82の先端寄り部分に支持している。即ち、上記ガイド部材78は、上記第二のリンク腕82に軸方向の相対変位を自在に外嵌すると共に、上記圧縮コイルばね84により弾力を付与された状態で、上記第二のリンク腕82の先端部に固定された、上記ガイド部材78の小径円筒面部80と同じ外径を有する固定円筒部材85の軸方向端面に、その端面を突き当てている。従って、上記ガイド部材78に上記固定円筒部材85の端面から離れる方向の大きな力が加わった場合には、このガイド部材78が上記圧縮コイルばね84の弾力に抗して、上記第二のリンク腕82の軸方向に相対変位する。
この様な本実施例の場合、上記シフトレバー58の操作に基づき上記回転伝達軸60が回転すると、この回転に基づき上記第三の揺動腕83が上記回転伝達軸60を支点として、図2〜3の矢印トで示す様に揺動し、この揺動に基づき上記第二のリンク腕82が、図2〜4の矢印チで示す様に、無段変速装置の配設方向(車両に搭載した状態で前後方向)に直線的に変位する。そして、この様な第二のリンク腕82と共に上記ガイド部材78が変位する事により、上記係合部材75が前記揺動中心軸76を中心に揺動する。例えば、上記シフトレバー58がPレンジ以外、即ち、R、N、D、Lレンジに位置する場合には、上記係合部材75は上記捩りコイルばね77の弾力に基づき上記ガイド部材78の小径円筒面部80乃至上記固定円筒部材85の外周面に当接する。この状態では、上記係合部材75の先端面は、前記各凹部73、73を設けた第二キャリア34の側壁部72aの外周面(各凹部73、73同士の間の凸部により構成される外周面)よりも径方向外側に退避する。この為、上記係合部材75の係合突部74と何れかの上記凹部73とが係合する事はなく、上記第二キャリア34並びにこの第二キャリア34に繋がる前記出力軸4の回転が阻止される事はない。
一方、上記シフトレバー58がPレンジに操作されると、上記係合部材75が、上記ガイド部材78の傾斜円筒面部81乃至大径円筒面部79の外周面により、前記捩りコイルばね77の弾力に抗して押し上げられる方向(揺動中心軸76を中心に反時計方向)に揺動する。そして、この揺動に基づき上記係合部材75の係合突部74が、上記第二キャリア34の側壁部72aの外周面に設けた各凹部73、73の何れかに係合し、この第二キャリア34延いてはこの第二キャリア34に繋がる上記出力軸4の回転が阻止される。尚、上述の様に係合部材75が揺動する際、上記係合突部74と係合すべき凹部73との位相がずれていると、この係合突部74が上記各凹部73同士の間の凸部に当接したまま、上記係合部材75がそれ以上揺動しなくなる。この状態では、上記ガイド部材78が前記圧縮コイルばね84の弾力に拘らず、上記第二のリンク腕82の先端部に固定した固定円筒部材85に近付かない(大径円筒面部79が係合部材75の下側に進入しない)。但し、上記圧縮コイルばね84の弾力、及び、上記傾斜円筒面部81と上記係合部材75の下線との係合に基づき、この係合部材75に、上記係合突部74が上記各凹部73、73に係合する方向(揺動中心軸76を中心に、図3で反時計方向)の力が加わる。この力は、上記係合部材75の重量及び前記捩りコイルばね77の弾力により、図3で時計方向に加わる力よりも大きい。この為、上記係合突部74と何れかの凹部73との位相が合致する位置にまで上記第二キャリア34が回転した時点で、上記係合部材75が揺動し、上記係合突部74と何れかの凹部73、73とが係合する。この状態で、上記第二キャリア34延いてはこの第二キャリア74に繋がる出力軸4の回転が阻止される。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、シフトレバー58の動きを伝達する為の伝達手段59を構成する回転伝達軸60を効率良く配置でき、この回転伝達軸60を設ける事に伴う、各部の強度低下や、下方への突出量の増大を防止できる。即ち、上記回転伝達軸60を、例えば図5に示す様に、アクチュエータボディー21とバルブボディー23との間部分に設けた場合には、これら各ボディー21、23の互いに対向する面に上記回転伝達軸60を挿通する為の凹溝86、86を形成する必要がある。この様に凹溝86、86を形成した場合には、上記バルブボディー23並びにアクチュエータボディー21の強度が低下する可能性がある。上記バルブボディー23内には、スプールとシリンダとの隙間が十数μm程度である複数の切換弁{例えば図9の変速比制御弁24、手動切換弁57、高速用切換弁54、低速用切換弁55、シフト用切換弁56、差圧制御弁51a、51b、前後進切換弁52等}を収納している。
この為、上述の様にバルブボディー23の強度が低下した場合には、上記各切換弁を構成するスプールが上記シリンダ内で円滑に摺動しにくくなり、好ましくない。又、上記アクチュエータボディー21に設けたアクチュエータ22(図8、9参照)の油圧室45a、45b内には、トロイダル型無段変速機1を通過するトルク等に基づく大きな油圧が加わる。特に、入力軸3を一方向に回転させたまま、出力軸4の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる、所謂ギヤードニュートラルと呼ばれる無段変速装置の場合には、この様に出力軸4を停止乃至極低速で回転させる際に、上記トロイダル型無段変速機1を大きなトルクが通過する。この為、上述の様にアクチュエータボディー21の強度が低下すると、上記アクチュエータ22の駆動に基づくトラニオン18(図8参照)の位置決め精度が低下し、上記トロイダル型無段変速機1の変速比制御を安定して行なえなくなる可能性がある。これに対して、本実施例の場合には、前述の様に回転伝達軸60を遊星歯車式変速機2の径方向外側に設けている為、上述の様な強度低下を防止できる。
又、上記回転伝達軸60を、上記遊星歯車式変速機2と上記バルブボディー23との間に設けている為、このバルブボディー23に収納した手動切換弁57と上記回転伝達軸60との距離を小さくできる。この為、この回転伝達軸60の動き(回転)をこの手動切換弁57に伝達する為の部材である第二の揺動腕63の小型・短縮化を図れると共に、この揺動腕63を周囲の部材と干渉しにくくでき、設計の自由度が増す。又、この揺動腕63を配置する部分を小さくでき、ケーシング13を含む装置の大型化、複雑化を防止できる。
又、上述の様な位置に回転伝達軸60を設ける事により、パーキングロック機構71を簡素に構成できる。即ち、上記回転伝達軸60を、例えば図6に示す様に、トロイダル型無段変速機を構成する1対の出力側ディスク10a、10bのうちの入力軸3に近い側の出力側ディスク10aよりもこの入力軸3側に設けた場合には、上記回転伝達軸60と上記パーキングロック機構71を構成する係合部材75との距離Lが大きくなる。これに対して本実施例の場合には、図1に示す様に、上記回転伝達軸60と係合部材75との距離Lを小さくできる。この為、この回転伝達軸60の動き(回転)を上記係合部材75に伝達する為の部材である第二のリンク腕82並びに第三の揺動腕83の小型・短縮化を図れると共に、これら第二のリンク腕82並びに第三の揺動腕83を周囲の部材と干渉しにくくでき、設計の自由度が増す。又、これら第二のリンク腕82並びに第三の揺動腕83を含む上記パーキングロック機構71を、大型化、複雑化する事なく簡素に構成できる。この結果、上記無段変速装置を小型に構成でき、この無段変速装置を搭載した車両の悪路走破性の向上を図れる。又、悪路走破性同程度とした場合には、下方への突出量を小さくできる分、上記無段変速装置を下方に搭載する事ができ、車内空間の拡大も図れる。
本発明は、無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機の種類がハーフトロイダル型であるかフルトロイダル型であるかを問わず、実施できる。
本発明の実施例を示す断面図。 要部を取り出して図1と同方向から見た図。 図2の左方から見た斜視図。 図3の逆側から見た斜視図。 回転伝達軸の配設位置の別例の第1例を示す、図1と同様の断面図。 同第2例を示す、図1と同様の断面図。 従来から知られている、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置の1例を示す断面図。 図7のA−A断面図。 無段変速装置に組み込む油圧回路図。
符号の説明
1 トロイダル型無段変速機
2 遊星歯車式変速機
3 入力軸
4 出力軸
5 入力回転軸
6 伝達軸
7 前段ユニット
8 中段ユニット
9 後段ユニット
10a、10b 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 ケーシング
14 支柱
15 転がり軸受
16a、16b 支持ポスト部
17a、17b 支持板
18 トラニオン
19 枢軸
20 支持軸
21 アクチュエータボディー
22 アクチュエータ
23 バルブボディー
24 変速比制御弁
25 押圧装置
26 中空回転軸
27 第一太陽歯車
28 第一キャリア
29 遊星歯車
30 遊星歯車
31 遊星歯車
32 第一リング歯車
33 第二太陽歯車
34 第二キャリア
35 低速用クラッチ
36 第三太陽歯車
37 第二リング歯車
38 高速用クラッチ
39 遊星歯車
40 遊星歯車
41 オイルパン
42 高圧ポンプ
43 低圧ポンプ
44 加圧用圧力調整弁
45a、45b 油圧室
46 低圧側圧力調整弁
47 第一の電磁弁
48 ステッピングモータ
49 差圧シリンダ
50 第二の電磁弁
51a、51b 差圧制御弁
52 前後進切換弁
53 第三の電磁弁
54 高速用切換弁
55 低速用切換弁
56 シフト用切換弁
57 手動切換弁
58 シフトレバー
59 伝達手段
60 回転伝達軸
61 第一のリンク腕
62 第一の揺動腕
63 第二の揺動腕
64 係合孔
65 側壁部
66 スプール
67 係合凸部
68 係合凹部
69 ディテント部材
70 係合溝
71 パーキングロック機構
72a、72b 側壁部
73 凹部
74 係合突部
75 係合部材
76 揺動中心軸
77 捩りコイルばね
78 ガイド部材
79 大径円筒面部
80 小径円筒面部
81 傾斜円筒面部
82 第二のリンク腕
83 第三の揺動腕
84 圧縮コイルばね
85 固定円筒部材
86 凹溝

Claims (2)

  1. 回転軸の周囲にこの回転軸と同期した回転を自在に支持した1対の外側ディスク、及びこの回転軸の中間部周囲でこれら両外側ディスクの間部分にこの回転軸に対する相対回転を自在に設けられた内側ディスク、及びこの内側ディスクと上記外側ディスクとの互いに対向する側面同士の間に挟持された複数個のパワーローラ、及び変速比変更の為のアクチュエータへの油圧制御を行なう為の変速比制御弁を収納したバルブボディーを備えたトロイダル型無段変速機と、遊星歯車式変速機とを、互いに同軸に、且つ、この遊星歯車式変速機と上記トロイダル型無段変速機の回転軸及び内側ディスクとの間で動力を伝達する状態で組み合わせ、このうちのトロイダル型無段変速機の回転軸に入力軸を、上記遊星歯車式変速機の構成部材に出力軸を、それぞれ繋げると共に、動力の伝達経路を切り換えるクラッチ装置を有し、このクラッチ装置への圧油の導入状態を切り換える為の手動切換弁を上記バルブボディーに収納した無段変速装置に於いて、運転席に設けたシフトレバーの操作に基づいて上記手動切換弁の切り換え状態を切り換える為の伝達手段を構成する回転伝達軸を、上記各外側ディスクのうちの上記出力軸に近い側の外側ディスクよりもこの出力軸側で、上記遊星歯車式変速機の径方向外側に、この遊星歯車式変速機の中心軸に対し捻れの位置となる状態で設けると共に、上記シフトレバーの切り換え位置が駐車位置である場合に、上記出力軸又はこの出力軸と共に回転する部材と係合する事によりこの出力軸の回転を阻止する係合部材を、上記回転伝達軸の動きに基づいて、この出力軸又はこの出力軸と共に回転する部材と係脱するものとした事を特徴とする無段変速装置。
  2. 回転伝達軸が、遊星歯車式変速機の下端部とバルブボディーの上面との間に設けられた、請求項1に記載した無段変速装置。
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