JP3394346B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はトロイダル型無段変速
機、特に入、出力ディスク間に圧接状態で配置されたパ
ワーローラの支持構造に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車などに搭載される変速機としてト
ロイダル型無段変速機が知られている。このトロイダル
型無段変速機は、例えば特開平1−193454号公報
に示されているように、エンジン出力が入力される入力
ディスクと、該入力ディスクに同軸上に対向配置された
出力ディスクと、該出力ディスクと上記入力ディスクと
の間に両ディスクに圧接した状態で傾動可能に配置され
たパワーローラとを有する単一もしくは複数のトロイダ
ル変速ユニットを備え、上記パワーローラを傾動させる
ことにより、両ディスクに対するパワーローラの接触位
置を変化させて変速比を無段階に変化させるように構成
したものであるが、この種のトロイダル型無段変速機に
おいては、例えばローディングカムによって回転力をス
ラスト力に変換して入力ディスク側に伝達することによ
り、入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラとの
接触面間に大きな押付力を与えて高面圧状態とし、ガラ
ス状態に遷移するトラクションオイルにより動力を伝達
するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のト
ロイダル無段変速機においては、パワーローラをトルク
反力やディスク側から作用する押付力反力に抗して支持
するために、トラニオンと称する支持部材を用いてパワ
ーローラを回転自在に支持すると共に、パワーローラを
傾動させるために、トラニオンをパワーローラの回転軸
と入、出力ディスクの回転軸とを含む面と直交する方向
を軸心(以下、トラニオンセンターという)として回動
自在に支持するようになっている。その場合に、従来に
おいては、イニシャルセット状態(無負荷、減速比=
1)におけるパワーローラの回転中心(以下、パワーロ
ーラセンターという)がトラニオンセンターを通るよう
に、両者の関係が設定されていたことから、特に変速比
が大きい減速域において次のような不都合を生じること
が判明した。 【0004】すなわち、例えば図11に示すように、ト
ロイダル変速ユニット101を構成する入力ディスク1
02に対してローディングカム103を介してFaの押
付力が作用しているものとすると、パワーローラ104
に対しては、入力ディスク102との接触楕円部Siを
介して押付力Fbが、出力ディスク105との接触楕円
部Soを介して押付力Fcがそれぞれ作用する。そし
て、これらの押付力Fb,Fcの合力Fsが上記パワー
ローラ104を支持するトラニオン106に作用するこ
とになる。その場合に、伝達トルクが大きいときには、
入、出力ディスク102,105からパワーローラ10
4に作用する押付力Fb,Fcも大きくなることから、
出力ディスク105は実際には2点鎖線のように変形す
ると共に、パワーローラ104を支持するトラニオン1
06も上記合力Fsの方向に変形することになる。した
がって、パワーローラセンターCが、トラニオンセンタ
ーOを通る1点鎖線の状態から2点鎖線で示すように出
力ディスク105側に偏倚することになり、入力ディス
ク102及び出力ディスク105とパワーローラ104
と間の各接触楕円部Si,Soが、1点鎖線で示す理想
変速状態から2点鎖線で示す状態へ移動する。 【0005】つまり、図12に示すように、例えば入力
ディスク102とパワーローラ104との間の入力側接
触点Piは、幾何学的に見れば入力ディスク102の曲
率中心Ciとパワーローラ4の曲率中心Cpとを結ぶ線
上に存在する。 【0006】その場合に、出力ディスク105が2点鎖
線のように変形すると、ローディングカム103から作
用する押付力Faによって入力ディスク102が2点鎖
線で示すように軸方向へ移動することから、それに伴っ
て入力ディスク102の曲率中心Ciも、符号(ア)で
示すように軸方向へ移動する。一方、上記パワーローラ
104は、入、出力間の押付力を均等化させるために、
符号(イ)で示すように、パワーローラセンターCに対
して垂直な方向に移動自在に支持されていることから、
変形後におけるパワーローラ4の曲率中心Cpは、上記
移動方向(イ)と符号(ウ)で示すトラニオン106の
変形方向とを合成した方向に移動することになる。 【0007】したがって、入力ディスク102とパワー
ローラ104との間の入力側接触点Piは、2点鎖線で
示すように変形後における入力ディスク102の曲率中
心Ciとパワーローラ104の曲率中心Cpとを結ぶ線
上へ移動することになるのである。 【0008】このため、パワーローラ104のエッジ部
104aが例えば入力ディスク102に乗り上げて耐久
性を低下させたり、前述したようにパワーローラセンタ
ーCがトラニオンセンターOからずれることから、パワ
ーローラ105に大きな傾転モーメントが作用して動力
損失の要因となるのである。 【0009】このことは、図13に示す幾何学的な解析
結果によっても裏づけられる。 【0010】すなわち、所定の減速比(例えば2.4)
の状態において最大負荷を印加したときに、破線で示す
理想変速状態におけるパワーローラセンターCoに対し
て、パワーローラセンターCが出力ディスク側に距離x
だけ平行移動したとする。この場合には、入力ディスク
とパワーローラとの間の入力側接触点Piが理想変速状
態における入力側接触点Pi’に対して時計回りに移動
し、また出力ディスクとパワーローラとの間の出力側接
触点Poが理想変速状態における出力側接触点Po’に
対して反時計回りに移動する。その場合に、入力ディス
クの移動量が大きいことから、入力側接触点Piが大き
く移動することになり、該接触点Piを中心とする入力
側の接触楕円部Siにパワーローラのエッジ境界線yが
入り込むことになる。 【0011】また、入力ディスク側の押付力Fbのパワ
ーローラセンター方向に沿った垂直分力をFiとし、出
力ディスク側の押付力Fcのパワーローラセンター方向
に沿った垂直分力をFoとすると、パワーローラセンタ
ーCの偏倚量はxであることから、パワーローラに作用
する傾転モーメントMは、次の関係式(1)であらわさ
れる。 【0012】 M=(Fi+Fo)・x …(1) その場合に、入力側接触点Piからパワーローラセンタ
ーCに下ろした垂線をHi、出力側接触点Poからパワ
ーローラセンターCに下ろした垂線をHoとすると、垂
線Hiの足が垂線Hoの足よりも原点0に設定したトラ
ニオンセンター側に近づくことから、上記両押付力F
b,Fcがほぼ等しいものとすれば、入力ディスク側の
押付力Fbの垂直分力Fiが、出力ディスク側の押付力
Fcの垂直分力Foよりも小さくなる。したがって、符
号(エ)で示すように、原点0(トラニオンセンター
O)を中心とする反時計回りの傾転モーメントMが生じ
ることになる。 【0013】そして、これらの接触点の移動量及び傾転
モーメントは、出力ディスクやトラニオンの変形量が大
きくなるほど大きくなるのである。 【0014】この発明は、同軸上に対向配置された入力
ディスク及び出力ディスクと、両ディスク間に圧接状態
で傾動可能に配置されたパワーローラと、このパワーロ
ーラを回転自在に支持するトラニオンとを有するトロイ
ダル型無段変速機において、出力ディスクやトラニオン
などの変形に起因する上記の問題に対処するもので、パ
ワーローラのエッジ部がディスクに乗り上げることを防
止してパワーローラなどの耐久性を向上させると共に、
パワーローラに大きな傾転モーメントが作用することに
よって生じる動力損失を軽減させることを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】すなわち、本願に係る発
明は、同軸上に対向配置された入力ディスク及び出力デ
ィスクと、両ディスク間に圧接状態で傾動可能に配置さ
れたパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支
持するトラニオンとを有するトロイダル型無段変速機に
おいて、上記パワーローラの回転中心を、変速比が1で
無負荷のイニシャルセット状態において、その傾転中心
に対して入力ディスク側にオフセットさせた状態で配置
したことを特徴とする。 【0016】 【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。 【0017】高負荷減速域において出力ディスクやトラ
ニオンなどが変形することによりパワーローラの回転中
心が出力ディスク側に移動したとしても、パワーローラ
の回転中心が、イニシャルセット状態において傾転中心
に対して入力ディスク側にオフセットしていることか
ら、傾転中心に対するパワーローラの回転中心の実際の
偏倚量が少なくなり、これによって例えば入力ディスク
とパワーローラとの間の接触点のパワーローラのエッジ
側への移動が抑制され、パワーローラのエッジ部が入力
ディスクに乗り上げることが防止されることになって、
パワーローラなどの耐久性が向上することになる。ま
た、傾転中心に対するパワーローラの回転中心の偏倚量
が少なくなることから、パワーローラに作用する傾転モ
ーメントが軽減されることになって、動力損失も低減さ
れることになる。 【0018】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【0019】図1、図2に示すように、この実施例に係
る自動車のパワートレイン1は、エンジン2と、エンジ
ン出力軸2aに連結されたトルクコンバータ3と、この
トルクコンバータ3の出力が伝達される減速装置10
と、上記エンジン2の回転が入力されるトロイダル型無
段変速機30とを有し、上記減速装置10もしくはトロ
イダル型無段変速機30の出力、あるいはその両者の出
力が出力軸4を介して駆動輪(図示せず)に伝達される
ようになっている。 【0020】上記トルクコンバータ3は、エンジン出力
軸2aに連結されたケーシング3aと一体のポンプ3b
と、このポンプ3bに対向配置されたタービン3cと、
該タービン3cと上記ポンプ3bとの間に介設されたス
テータ3dとを有し、上記タービン3cと一体回転する
タービンシャフト3eと、該タービンシャフト3eに外
嵌され、かつ一端にワンウェイクラッチ3fを介して上
記ステータ3dが連結されて変速機ケーシング60に一
体とされた第1中空シャフト3gとが上記減速装置10
に連結されている。さらに、上記第1中空シャフト3g
に外嵌され、かつ一端が上記ケーシング3aに連結され
た第2中空シャフト3hの軸端部にはオイルポンプ5が
設けられており、このオイルポンプ5がケーシング3a
を介して上記エンジン2により駆動されるようになって
いる。 【0021】そして、上記減速装置10は、上記タービ
ンシャフト3eと同軸上に直列配置された第1遊星歯車
機構11及び第2遊星歯車機構12を有し、エンジン2
側に配置された第1遊星歯車機構11が後退用とされ、
また、第2遊星歯車機構12が前進用とされている。上
記第1遊星歯車機構11は、シングルピニオン式とされ
て、上記タービンシャフト3eに結合されたサンギヤ1
3を有し、該サンギヤ13に噛合するピニオン14を回
転自在に支持するキャリヤ15が、変速機ケーシング6
0に固定された上記第1中空シャフト3gに結合されて
いると共に、上記ピニオン14に噛合するリングギヤ1
6がリバースクラッチ17を介してタービンシャフト3
eと同一軸線上に配置された上記出力軸4に連結されて
いる。 【0022】また、上記第2遊星歯車機構12は、ダブ
ルピニオン式とされて、インナピニオン18が上記第1
遊星歯車機構11のピニオン14と一体化されていると
共に、該第1遊星歯車機構11のサンギヤ13が第2遊
星歯車機構12のサンギヤに共用されている。また、上
記インナピニオン18とアウタピニオン19とを固定支
持するキャリヤ20は、上記第1遊星歯車機構11のキ
ャリヤ15と一体化されて第1中空シャフト3gを介し
て変速機ケーシング60に固定されている。さらに、こ
の第2遊星歯車機構12を構成するリングギヤ21は、
フォワードクラッチ22及びワンウェイクラッチ23を
介して上記出力軸4に連結されている。したがって、上
記リバースクラッチ17を締結したときには、タービン
シャフト3eの出力が第1遊星歯車機構11を介して上
記出力軸4に伝達されて、該出力軸4を後退方向に回転
駆動する。また、フォワードクラッチ22を締結したと
きには、上記タービンシャフト3eの出力が第2遊星歯
車機構12を介して上記出力軸4に伝達されて、該出力
軸4を前進方向に回転駆動する。 【0023】一方、上記トロイダル型無段変速機30
は、上記出力軸4上に直列に配置された一対の第1、第
2トロイダル変速ユニット31,32を有する。これら
のトロイダル変速ユニット31,32は同様の構成とさ
れており、上記出力軸4上に該軸4に対して回転自在に
設けられた入力ディスク33と、各入力ディスク33に
対向配置されて出力軸4と一体回転する出力ディスク3
4と、該出力ディスク34と入力ディスク33との間に
両ディスク33,34にそれぞれ接触した状態で回転及
び傾動可能に配置された一対のパワーローラ35,35
とを有する。 【0024】そして、上記第1、第2トロイダル変速ユ
ニット31,32における入力ディスク33,33間に
は、これらの入力ディスク33に対して相対回転可能と
された中間ディスク36が配置されていると共に、この
中間ディスク36と各入力ディスク33,33との間に
複数のローディングカム37…37がそれぞれ介装され
ている。これらのローディングカム37…37は、各入
力ディスク33に入力される入力トルクが大きくなるほ
ど、各カム37による各入力ディスク33に対する押付
力が増大するようになっている。 【0025】さらに、上記中間ディスク36を介して各
入力ディスク33にエンジン2の出力を入力するための
入力軸51が上記出力軸4に平行に配置されている。こ
の入力軸51のトルクコンバータ3側に位置する端部に
は第1ギヤ52が設けられて、該第1ギヤ52が中間ギ
ヤ53に噛合されていると共に、この中間ギヤ53が、
動力分配クラッチ54を介して上記第2中空シャフト3
hに接続される出力ギヤ55に噛合されている。また、
上記入力軸51の他方の端部には、上記中間ディスク3
6と一体的に設けられた入力ギヤ56に噛合する第2ギ
ヤ57が一体的に設けられている。したがって、上記動
力分配クラッチ54を締結した場合には、エンジン2の
出力が入力ギヤ56を介してトロイダル型無段変速機3
0における第1、第2トロイダル変速ユニット31,3
2を構成する各入力ディスク33,33に入力され、各
パワーローラ35…35の傾動角度に応じた所定の変速
比(減速比)で各入力ディスク33,33の回転が変速
されて各出力ディスク34,34に伝達されるようにな
っている。 【0026】次に、トロイダル型無段変速機30を構成
する第1、第2トロイダル変速ユニット31,32の構
成をさらに具体的に説明する。なお、第1トロイダル変
速ユニット31及び第2トロイダル変速ユニット32
は、上記したように同様の構成であるので、第1トロイ
ダル変速ユニット31を代表して説明する。 【0027】すなわち、第1トロイダル変速ユニット3
1には、図3に示すように、上下方向に配置された第
1、第2トラニオン38,39が設けられており、これ
らのトラニオン38,39に偏心軸40,40を介して
パワーローラ35,35がそれぞれ回転自在に支持され
ている。変速機ケーシング60にリンクポスト61を介
して取り付けられた支持部材62には、上記第1、第2
トラニオン38,39の上端部がそれぞれ球面軸受6
3,63を介して回動自在に支持されていると共に、変
速機ケーシング60と一体の仕切壁64にリンクポスト
65を介して取り付けられた支持部材66には、上記第
1、第2トラニオン38,39の下端部がそれぞれ球面
軸受67,67を介して回動自在に支持されている。そ
して、第1、第2トラニオン38,39には、上記出力
軸4と直交する方向に延長されたトラニオンシャフト4
1a,41bがそれぞれ一体的に取り付けられている。
これらのトラニオンシャフト41a,41bの先端側
は、それぞれ上記仕切壁64を貫通してオイルパン68
で覆われた下部空間に突出している。 【0028】また、上記仕切壁64には、第1、第2ト
ラニオン38,39を上下にスライドさせるための第
1、第2油圧シリンダ71,72が設けられている。こ
れらの油圧シリンダ71,72は、仕切壁64に形成さ
れた隔壁部64a,64aにより、それぞれ上部油圧室
71a,72aと下部油圧室71b,72bとにそれぞ
れ分割されている。このうち、第1トラニオン38側の
第1油圧シリンダ71における上部及び下部油圧室71
a,71bには、それぞれトラニオンシャフト41aに
遊嵌合された環状の変速ピストン73a,73bが内挿
されている。そして、上部油圧室71aに内挿された変
速ピストン73aと上記第1トラニオン38の下端との
間にはスラストベアリング42が介装されている。ま
た、上記下部油圧室71bに内挿された変速ピストン7
3bの下面には、上記トラニオンシャフト41aの下端
部分に外装されたスラストベアリング43が隣接配置さ
れている。そして、このトラニオンシャフト41aの下
端部分には、変速制御機構80を構成するプリセスカム
81が、上記スラストベアリング43に隣接してスプラ
イン嵌合されていると共に、そのボス部の下面に当接し
た状態でトラニオンシャフト41aに装着されたサーク
リップ44により、該プリセスカム81ないし上記変速
ピストン73bが支持されている。 【0029】一方、第2トラニオン39側の第2油圧シ
リンダ72における上部及び下部油圧室72a,72b
についても、それぞれトラニオンシャフト41bに遊嵌
合された環状の変速ピストン74a,74bが内挿され
ている。そして、この場合においても、上部油圧室72
aに内挿された変速ピストン74aと上記第2トラニオ
ン39の下端との間にはスラストベアリング42が介装
されている。また、上記下部油圧室72bに内挿された
変速ピストン74bの下面には、上記トラニオンシャフ
ト41bの下端部分に外装されたスラストベアリング4
3が隣接配置されていると共に、このスラストベアリン
グ43に隣接配置されたカラー45の下端に当接した状
態でトラニオンシャフト41bにサークリップ44を装
着することにより、該カラー45ないし上記変速ピスト
ン74bが支持されている。 【0030】したがって、例えば第1油圧シリンダ71
における上部油圧室71aの作動圧を下部油圧室71b
の作動圧よりも相対的に高くすれば、上部油圧室71a
に内挿された変速ピストン73aにより第1トラニオン
38が押し上げられて上方へスライドすることになる。
これに対して、上記上部油圧室71aの作動圧を下部油
圧室71bの作動圧よりも相対的に低くすれば、下部油
圧室71bに内挿された変速ピストン73bによりトラ
ニオンシャフト41aが押し下げられることになり、そ
れに伴って第1トラニオン38が下方へスライドするこ
とになる。 【0031】次に、第1トロイダル変速ユニット31に
おける上記第1、第2油圧シリンダ71,72の各油圧
室に対する作動圧の給排を制御することにより変速比を
変化させる上記変速制御機構80の構成について説明す
る。 【0032】すなわち、上記仕切壁64の下面には、中
間ボディ69を介して上記第1、第2油圧シリンダ7
1,72に対する作動圧の給排を切り換える変速制御バ
ルブ82のバルブボディ83が固定されている。このバ
ルブボディ83内にはスリーブ84が軸方向に移動可能
に挿通されていると共に、該スリーブ84内にスプール
85が軸方向に移動可能に挿通されている。 【0033】上記オイルパン68の側壁部にはステッピ
ングモータ86が固定されていると共に、該ステッピン
グモータ86の回転軸86aに回転運動を往復運動に変
換する変換機構87が連動連結されている。そして、こ
の変換機構87に上記スリーブ84の基端側が連結され
ている。したがって、ステッピングモータ86を回転駆
動すれば、上記スリーブ84が軸方向に進退することに
なる。 【0034】一方、上記変速制御バルブ82の前方には
揺動自在に支持されたL形リンク88が配置されてい
る。このL形リンク88の一端側は、上記第1トラニオ
ン38におけるトラニオンシャフト41aの下端部分に
固設されたプリセスカム81のカム面に対接配置される
と共に、該リンク88の他端側が上記スプール85の先
端側に係合されている。そして、該スプール85の基端
側にはスプリング89が配置されており、このスプリン
グ89の付勢力により、該スプール85の先端側がL形
リンク88に当接するように付勢される。 【0035】このような構成によれば、定常状態におい
ては、変速制御バルブ82におけるスプール85の先端
側にL形リンク88を介して作用する押付力と、該スプ
ール85の基端側に作用するスプリング89による押付
力とがバランスして、上記第1、第2油圧シリンダ7
1,72に対する作動圧の給排が停止された状態で保持
されるようになっている。 【0036】そして、上記ステッピングモータ86を駆
動して、例えばスリーブ84を図3における図面上の右
側(a方向)に移動したとすると、図示しない油圧源か
らのライン圧が、上記第1油圧シリンダ71における下
部油圧室71bと第2油圧シリンダ72における上部油
圧室72aとに導かれる一方、第1油圧シリンダ71に
おける上部油圧室71a及び第2油圧シリンダ72にお
ける下部油圧室72bの作動圧が排圧されることにな
る。これにより、上記第1トロイダル変速ユニット31
における第1トラニオン38が下方へスライドし、また
第2トラニオン39が上方にスライドすることになり、
第1、第2トラニオン38,39に取り付けたパワーロ
ーラ35,35の接触位置が変化することになって傾転
力が発生する。その場合に、例えば入力ディスク33が
図3における反時計回りのb方向に回転しているものと
すると、第1トラニオン38側のパワーローラ35は図
1におけるc方向に回動し、また第2トラニオン39側
のパワーローラ35はd方向に回動することになる。こ
れにより、第1トロイダル変速ユニット31における
入、出力ディスク33,34間の変速比(減速比)が増
大することになる。 【0037】そして、上記パワーローラ35の傾転に伴
う第1トラニオン38の3次元的な変位がトラニオンシ
ャフト41aの上下方向の変位として変換され、その変
位がプリセスカム81を介してL形リンク88に伝達さ
れて、該リンク88を図3における時計回りの方向(e
方向)へ回動させる。したがって、スプール85がスプ
リング89の付勢力に抗して右側(f方向)へ移動する
と共に、該スプール85がスリーブ84の移動量だけ移
動したときに、その移動が停止して変速制御が終了す
る。これにより、上記ステッピングモータ86の操作量
に応じた所定の目標変速比が実現されることになる。 【0038】その場合に、トラニオンセンターに対して
パワーローラセンターが出力ディスク34側に偏倚して
いると、パワーローラに変速比を増大させる方向に傾転
モーメントが作用することになり、その傾転モーメント
を打ち消すために変速制御機構80が増速側に作動する
ことになって、動力が徒に消費されることになるのであ
る。 【0039】そこで、この実施例においては上記第1、
第2トロイダル変速ユニット31,32を構成するパワ
ーローラ35を、例えば図4に拡大して示すように、変
速比が1で無負荷のイニシャルセット状態において、パ
ワーローラセンターCがトラニオンセンターOに対して
入力ディスク側に所定のオフセット量zだけずらして配
置している。 【0040】なお、この実施例においては、図2に示す
ように、上記中間ディスク36が分離可能に配置された
第1、第2部材36a,36bで構成されていると共
に、これら両部材36a,36b間にディッシュプレー
ト48が介設されている。 【0041】次に、例えばオフセット量zを例えば−
0.5mmに設定した場合を例に実施例の作用を説明す
る。ここで、符号は、トラニオンセンターOに対して出
力ディスク側を(+)、入力ディスク側を(−)と規定
する。 【0042】すなわち、変速比が1で無負荷のイニシャ
ルセット状態においては、図5に示すように、入力側及
び出力側接触点Pi,Poの移動はない。この状態か
ら、減速側(減速比=2.4)にパワーローラを傾転さ
せると、図6に示すように、エッジのある位置と逆方向
に各接触点Pi,Poが移動する。 【0043】このようにパワーローラを傾転させた状態
において、最大負荷を印加すると、出力ディスクやトラ
ニオンなどの変形によって、図7に示すようにパワーロ
ーラセンターCが出力ディスク方向に変位し、それに伴
って入力側及び出力側接触点Pi,Poがエッジ側に移
動することになる。その場合に、出力ディスクやトラニ
オンの変形量に対して、パワーローラセンターCや入力
側及び出力側接触点Pi,Poの絶対的な移動量は従来
と変わりはないが、パワーローラセンターCが予め入力
ディスク側にオフセットされていることから、トラニオ
ンセンターOに対する偏倚量xはオフセットのない状態
と比べて小さくなる。これにより、エッジ側への入力側
及び出力側接触点Pi,Poの移動が抑制されることに
なって、例えば入力側接触点Piを中心とする接触楕円
部Siにパワーローラのエッジ境界線yが入り込むこと
はない。 【0044】また、トラニオンセンターOに対するパワ
ーローラセンターCの偏倚量xがオフセットのない状態
と比べて小さくなることから、パワーローラに作用する
傾転モーメントMも低減することになる。 【0045】比較例として、オフセット量zを例えば+
0.5mmに設定した場合を説明する。 【0046】つまり、イニシャルセット状態に対して、
減速側(減速比=2.4)にパワーローラを傾転させる
と、図8に示すように、入力側及び出力側接触点Pi,
Poがエッジの方向に移動する。 【0047】そして、この状態において、最大負荷を印
加すると、図9に示すようにパワーローラセンターCが
出力ディスク方向に変位し、それに伴って入力側及び出
力側接触点Pi,Poがさらにエッジ側に移動すること
になって、例えば入力側接触点Piを中心とする接触楕
円部Siにパワーローラのエッジ境界線yが入り込むと
共に、パワーローラの傾転モーメントMも大きくなって
しまう。 【0048】図10は無負荷状態におけるオフセット量
と入力ディスクの移動量との関係を示す特性図である。 【0049】この特性図からも明らかなように、オフセ
ット量zが大きくなるほどイニシャルセット状態におけ
る入力ディスク移動量が大きくなることから、ディッシ
ュプレート48で吸収するストローク量を大きくする必
要がある。また、次の表1に示すように、オフセット量
zを−1.0mmに設定した場合には、最大負荷におけ
る傾転モーメントは大きく低減されることになるが、常
用域の部分負荷において逆方向の傾転モーメントが大き
く作用する。したがって、オフセット量zは−0.1〜
−0.5mm程度が望ましい。 【0050】 【表1】 【0051】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、高負荷減
速域において出力ディスクやトラニオンなどが変形する
ことによりパワーローラの回転中心が出力ディスク側に
移動したとしても、パワーローラの回転中心が、イニシ
ャルセット状態において傾転中心に対して入力ディスク
側にオフセットしていることから、傾転中心に対するパ
ワーローラの回転中心の実際の偏倚量が少なくなり、こ
れによって例えば入力ディスクとパワーローラとの間の
接触点のパワーローラのエッジ側への移動が抑制され、
パワーローラのエッジ部が入力ディスクに乗り上げるこ
とが防止されることになって、パワーローラなどの耐久
性が向上することになる。また、傾転中心に対するパワ
ーローラの回転中心の偏倚量が少なくなることから、パ
ワーローラに作用する傾転モーメントが軽減されること
になって、動力損失も低減されることになる。
機、特に入、出力ディスク間に圧接状態で配置されたパ
ワーローラの支持構造に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車などに搭載される変速機としてト
ロイダル型無段変速機が知られている。このトロイダル
型無段変速機は、例えば特開平1−193454号公報
に示されているように、エンジン出力が入力される入力
ディスクと、該入力ディスクに同軸上に対向配置された
出力ディスクと、該出力ディスクと上記入力ディスクと
の間に両ディスクに圧接した状態で傾動可能に配置され
たパワーローラとを有する単一もしくは複数のトロイダ
ル変速ユニットを備え、上記パワーローラを傾動させる
ことにより、両ディスクに対するパワーローラの接触位
置を変化させて変速比を無段階に変化させるように構成
したものであるが、この種のトロイダル型無段変速機に
おいては、例えばローディングカムによって回転力をス
ラスト力に変換して入力ディスク側に伝達することによ
り、入力ディスク及び出力ディスクとパワーローラとの
接触面間に大きな押付力を与えて高面圧状態とし、ガラ
ス状態に遷移するトラクションオイルにより動力を伝達
するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のト
ロイダル無段変速機においては、パワーローラをトルク
反力やディスク側から作用する押付力反力に抗して支持
するために、トラニオンと称する支持部材を用いてパワ
ーローラを回転自在に支持すると共に、パワーローラを
傾動させるために、トラニオンをパワーローラの回転軸
と入、出力ディスクの回転軸とを含む面と直交する方向
を軸心(以下、トラニオンセンターという)として回動
自在に支持するようになっている。その場合に、従来に
おいては、イニシャルセット状態(無負荷、減速比=
1)におけるパワーローラの回転中心(以下、パワーロ
ーラセンターという)がトラニオンセンターを通るよう
に、両者の関係が設定されていたことから、特に変速比
が大きい減速域において次のような不都合を生じること
が判明した。 【0004】すなわち、例えば図11に示すように、ト
ロイダル変速ユニット101を構成する入力ディスク1
02に対してローディングカム103を介してFaの押
付力が作用しているものとすると、パワーローラ104
に対しては、入力ディスク102との接触楕円部Siを
介して押付力Fbが、出力ディスク105との接触楕円
部Soを介して押付力Fcがそれぞれ作用する。そし
て、これらの押付力Fb,Fcの合力Fsが上記パワー
ローラ104を支持するトラニオン106に作用するこ
とになる。その場合に、伝達トルクが大きいときには、
入、出力ディスク102,105からパワーローラ10
4に作用する押付力Fb,Fcも大きくなることから、
出力ディスク105は実際には2点鎖線のように変形す
ると共に、パワーローラ104を支持するトラニオン1
06も上記合力Fsの方向に変形することになる。した
がって、パワーローラセンターCが、トラニオンセンタ
ーOを通る1点鎖線の状態から2点鎖線で示すように出
力ディスク105側に偏倚することになり、入力ディス
ク102及び出力ディスク105とパワーローラ104
と間の各接触楕円部Si,Soが、1点鎖線で示す理想
変速状態から2点鎖線で示す状態へ移動する。 【0005】つまり、図12に示すように、例えば入力
ディスク102とパワーローラ104との間の入力側接
触点Piは、幾何学的に見れば入力ディスク102の曲
率中心Ciとパワーローラ4の曲率中心Cpとを結ぶ線
上に存在する。 【0006】その場合に、出力ディスク105が2点鎖
線のように変形すると、ローディングカム103から作
用する押付力Faによって入力ディスク102が2点鎖
線で示すように軸方向へ移動することから、それに伴っ
て入力ディスク102の曲率中心Ciも、符号(ア)で
示すように軸方向へ移動する。一方、上記パワーローラ
104は、入、出力間の押付力を均等化させるために、
符号(イ)で示すように、パワーローラセンターCに対
して垂直な方向に移動自在に支持されていることから、
変形後におけるパワーローラ4の曲率中心Cpは、上記
移動方向(イ)と符号(ウ)で示すトラニオン106の
変形方向とを合成した方向に移動することになる。 【0007】したがって、入力ディスク102とパワー
ローラ104との間の入力側接触点Piは、2点鎖線で
示すように変形後における入力ディスク102の曲率中
心Ciとパワーローラ104の曲率中心Cpとを結ぶ線
上へ移動することになるのである。 【0008】このため、パワーローラ104のエッジ部
104aが例えば入力ディスク102に乗り上げて耐久
性を低下させたり、前述したようにパワーローラセンタ
ーCがトラニオンセンターOからずれることから、パワ
ーローラ105に大きな傾転モーメントが作用して動力
損失の要因となるのである。 【0009】このことは、図13に示す幾何学的な解析
結果によっても裏づけられる。 【0010】すなわち、所定の減速比(例えば2.4)
の状態において最大負荷を印加したときに、破線で示す
理想変速状態におけるパワーローラセンターCoに対し
て、パワーローラセンターCが出力ディスク側に距離x
だけ平行移動したとする。この場合には、入力ディスク
とパワーローラとの間の入力側接触点Piが理想変速状
態における入力側接触点Pi’に対して時計回りに移動
し、また出力ディスクとパワーローラとの間の出力側接
触点Poが理想変速状態における出力側接触点Po’に
対して反時計回りに移動する。その場合に、入力ディス
クの移動量が大きいことから、入力側接触点Piが大き
く移動することになり、該接触点Piを中心とする入力
側の接触楕円部Siにパワーローラのエッジ境界線yが
入り込むことになる。 【0011】また、入力ディスク側の押付力Fbのパワ
ーローラセンター方向に沿った垂直分力をFiとし、出
力ディスク側の押付力Fcのパワーローラセンター方向
に沿った垂直分力をFoとすると、パワーローラセンタ
ーCの偏倚量はxであることから、パワーローラに作用
する傾転モーメントMは、次の関係式(1)であらわさ
れる。 【0012】 M=(Fi+Fo)・x …(1) その場合に、入力側接触点Piからパワーローラセンタ
ーCに下ろした垂線をHi、出力側接触点Poからパワ
ーローラセンターCに下ろした垂線をHoとすると、垂
線Hiの足が垂線Hoの足よりも原点0に設定したトラ
ニオンセンター側に近づくことから、上記両押付力F
b,Fcがほぼ等しいものとすれば、入力ディスク側の
押付力Fbの垂直分力Fiが、出力ディスク側の押付力
Fcの垂直分力Foよりも小さくなる。したがって、符
号(エ)で示すように、原点0(トラニオンセンター
O)を中心とする反時計回りの傾転モーメントMが生じ
ることになる。 【0013】そして、これらの接触点の移動量及び傾転
モーメントは、出力ディスクやトラニオンの変形量が大
きくなるほど大きくなるのである。 【0014】この発明は、同軸上に対向配置された入力
ディスク及び出力ディスクと、両ディスク間に圧接状態
で傾動可能に配置されたパワーローラと、このパワーロ
ーラを回転自在に支持するトラニオンとを有するトロイ
ダル型無段変速機において、出力ディスクやトラニオン
などの変形に起因する上記の問題に対処するもので、パ
ワーローラのエッジ部がディスクに乗り上げることを防
止してパワーローラなどの耐久性を向上させると共に、
パワーローラに大きな傾転モーメントが作用することに
よって生じる動力損失を軽減させることを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】すなわち、本願に係る発
明は、同軸上に対向配置された入力ディスク及び出力デ
ィスクと、両ディスク間に圧接状態で傾動可能に配置さ
れたパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支
持するトラニオンとを有するトロイダル型無段変速機に
おいて、上記パワーローラの回転中心を、変速比が1で
無負荷のイニシャルセット状態において、その傾転中心
に対して入力ディスク側にオフセットさせた状態で配置
したことを特徴とする。 【0016】 【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。 【0017】高負荷減速域において出力ディスクやトラ
ニオンなどが変形することによりパワーローラの回転中
心が出力ディスク側に移動したとしても、パワーローラ
の回転中心が、イニシャルセット状態において傾転中心
に対して入力ディスク側にオフセットしていることか
ら、傾転中心に対するパワーローラの回転中心の実際の
偏倚量が少なくなり、これによって例えば入力ディスク
とパワーローラとの間の接触点のパワーローラのエッジ
側への移動が抑制され、パワーローラのエッジ部が入力
ディスクに乗り上げることが防止されることになって、
パワーローラなどの耐久性が向上することになる。ま
た、傾転中心に対するパワーローラの回転中心の偏倚量
が少なくなることから、パワーローラに作用する傾転モ
ーメントが軽減されることになって、動力損失も低減さ
れることになる。 【0018】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【0019】図1、図2に示すように、この実施例に係
る自動車のパワートレイン1は、エンジン2と、エンジ
ン出力軸2aに連結されたトルクコンバータ3と、この
トルクコンバータ3の出力が伝達される減速装置10
と、上記エンジン2の回転が入力されるトロイダル型無
段変速機30とを有し、上記減速装置10もしくはトロ
イダル型無段変速機30の出力、あるいはその両者の出
力が出力軸4を介して駆動輪(図示せず)に伝達される
ようになっている。 【0020】上記トルクコンバータ3は、エンジン出力
軸2aに連結されたケーシング3aと一体のポンプ3b
と、このポンプ3bに対向配置されたタービン3cと、
該タービン3cと上記ポンプ3bとの間に介設されたス
テータ3dとを有し、上記タービン3cと一体回転する
タービンシャフト3eと、該タービンシャフト3eに外
嵌され、かつ一端にワンウェイクラッチ3fを介して上
記ステータ3dが連結されて変速機ケーシング60に一
体とされた第1中空シャフト3gとが上記減速装置10
に連結されている。さらに、上記第1中空シャフト3g
に外嵌され、かつ一端が上記ケーシング3aに連結され
た第2中空シャフト3hの軸端部にはオイルポンプ5が
設けられており、このオイルポンプ5がケーシング3a
を介して上記エンジン2により駆動されるようになって
いる。 【0021】そして、上記減速装置10は、上記タービ
ンシャフト3eと同軸上に直列配置された第1遊星歯車
機構11及び第2遊星歯車機構12を有し、エンジン2
側に配置された第1遊星歯車機構11が後退用とされ、
また、第2遊星歯車機構12が前進用とされている。上
記第1遊星歯車機構11は、シングルピニオン式とされ
て、上記タービンシャフト3eに結合されたサンギヤ1
3を有し、該サンギヤ13に噛合するピニオン14を回
転自在に支持するキャリヤ15が、変速機ケーシング6
0に固定された上記第1中空シャフト3gに結合されて
いると共に、上記ピニオン14に噛合するリングギヤ1
6がリバースクラッチ17を介してタービンシャフト3
eと同一軸線上に配置された上記出力軸4に連結されて
いる。 【0022】また、上記第2遊星歯車機構12は、ダブ
ルピニオン式とされて、インナピニオン18が上記第1
遊星歯車機構11のピニオン14と一体化されていると
共に、該第1遊星歯車機構11のサンギヤ13が第2遊
星歯車機構12のサンギヤに共用されている。また、上
記インナピニオン18とアウタピニオン19とを固定支
持するキャリヤ20は、上記第1遊星歯車機構11のキ
ャリヤ15と一体化されて第1中空シャフト3gを介し
て変速機ケーシング60に固定されている。さらに、こ
の第2遊星歯車機構12を構成するリングギヤ21は、
フォワードクラッチ22及びワンウェイクラッチ23を
介して上記出力軸4に連結されている。したがって、上
記リバースクラッチ17を締結したときには、タービン
シャフト3eの出力が第1遊星歯車機構11を介して上
記出力軸4に伝達されて、該出力軸4を後退方向に回転
駆動する。また、フォワードクラッチ22を締結したと
きには、上記タービンシャフト3eの出力が第2遊星歯
車機構12を介して上記出力軸4に伝達されて、該出力
軸4を前進方向に回転駆動する。 【0023】一方、上記トロイダル型無段変速機30
は、上記出力軸4上に直列に配置された一対の第1、第
2トロイダル変速ユニット31,32を有する。これら
のトロイダル変速ユニット31,32は同様の構成とさ
れており、上記出力軸4上に該軸4に対して回転自在に
設けられた入力ディスク33と、各入力ディスク33に
対向配置されて出力軸4と一体回転する出力ディスク3
4と、該出力ディスク34と入力ディスク33との間に
両ディスク33,34にそれぞれ接触した状態で回転及
び傾動可能に配置された一対のパワーローラ35,35
とを有する。 【0024】そして、上記第1、第2トロイダル変速ユ
ニット31,32における入力ディスク33,33間に
は、これらの入力ディスク33に対して相対回転可能と
された中間ディスク36が配置されていると共に、この
中間ディスク36と各入力ディスク33,33との間に
複数のローディングカム37…37がそれぞれ介装され
ている。これらのローディングカム37…37は、各入
力ディスク33に入力される入力トルクが大きくなるほ
ど、各カム37による各入力ディスク33に対する押付
力が増大するようになっている。 【0025】さらに、上記中間ディスク36を介して各
入力ディスク33にエンジン2の出力を入力するための
入力軸51が上記出力軸4に平行に配置されている。こ
の入力軸51のトルクコンバータ3側に位置する端部に
は第1ギヤ52が設けられて、該第1ギヤ52が中間ギ
ヤ53に噛合されていると共に、この中間ギヤ53が、
動力分配クラッチ54を介して上記第2中空シャフト3
hに接続される出力ギヤ55に噛合されている。また、
上記入力軸51の他方の端部には、上記中間ディスク3
6と一体的に設けられた入力ギヤ56に噛合する第2ギ
ヤ57が一体的に設けられている。したがって、上記動
力分配クラッチ54を締結した場合には、エンジン2の
出力が入力ギヤ56を介してトロイダル型無段変速機3
0における第1、第2トロイダル変速ユニット31,3
2を構成する各入力ディスク33,33に入力され、各
パワーローラ35…35の傾動角度に応じた所定の変速
比(減速比)で各入力ディスク33,33の回転が変速
されて各出力ディスク34,34に伝達されるようにな
っている。 【0026】次に、トロイダル型無段変速機30を構成
する第1、第2トロイダル変速ユニット31,32の構
成をさらに具体的に説明する。なお、第1トロイダル変
速ユニット31及び第2トロイダル変速ユニット32
は、上記したように同様の構成であるので、第1トロイ
ダル変速ユニット31を代表して説明する。 【0027】すなわち、第1トロイダル変速ユニット3
1には、図3に示すように、上下方向に配置された第
1、第2トラニオン38,39が設けられており、これ
らのトラニオン38,39に偏心軸40,40を介して
パワーローラ35,35がそれぞれ回転自在に支持され
ている。変速機ケーシング60にリンクポスト61を介
して取り付けられた支持部材62には、上記第1、第2
トラニオン38,39の上端部がそれぞれ球面軸受6
3,63を介して回動自在に支持されていると共に、変
速機ケーシング60と一体の仕切壁64にリンクポスト
65を介して取り付けられた支持部材66には、上記第
1、第2トラニオン38,39の下端部がそれぞれ球面
軸受67,67を介して回動自在に支持されている。そ
して、第1、第2トラニオン38,39には、上記出力
軸4と直交する方向に延長されたトラニオンシャフト4
1a,41bがそれぞれ一体的に取り付けられている。
これらのトラニオンシャフト41a,41bの先端側
は、それぞれ上記仕切壁64を貫通してオイルパン68
で覆われた下部空間に突出している。 【0028】また、上記仕切壁64には、第1、第2ト
ラニオン38,39を上下にスライドさせるための第
1、第2油圧シリンダ71,72が設けられている。こ
れらの油圧シリンダ71,72は、仕切壁64に形成さ
れた隔壁部64a,64aにより、それぞれ上部油圧室
71a,72aと下部油圧室71b,72bとにそれぞ
れ分割されている。このうち、第1トラニオン38側の
第1油圧シリンダ71における上部及び下部油圧室71
a,71bには、それぞれトラニオンシャフト41aに
遊嵌合された環状の変速ピストン73a,73bが内挿
されている。そして、上部油圧室71aに内挿された変
速ピストン73aと上記第1トラニオン38の下端との
間にはスラストベアリング42が介装されている。ま
た、上記下部油圧室71bに内挿された変速ピストン7
3bの下面には、上記トラニオンシャフト41aの下端
部分に外装されたスラストベアリング43が隣接配置さ
れている。そして、このトラニオンシャフト41aの下
端部分には、変速制御機構80を構成するプリセスカム
81が、上記スラストベアリング43に隣接してスプラ
イン嵌合されていると共に、そのボス部の下面に当接し
た状態でトラニオンシャフト41aに装着されたサーク
リップ44により、該プリセスカム81ないし上記変速
ピストン73bが支持されている。 【0029】一方、第2トラニオン39側の第2油圧シ
リンダ72における上部及び下部油圧室72a,72b
についても、それぞれトラニオンシャフト41bに遊嵌
合された環状の変速ピストン74a,74bが内挿され
ている。そして、この場合においても、上部油圧室72
aに内挿された変速ピストン74aと上記第2トラニオ
ン39の下端との間にはスラストベアリング42が介装
されている。また、上記下部油圧室72bに内挿された
変速ピストン74bの下面には、上記トラニオンシャフ
ト41bの下端部分に外装されたスラストベアリング4
3が隣接配置されていると共に、このスラストベアリン
グ43に隣接配置されたカラー45の下端に当接した状
態でトラニオンシャフト41bにサークリップ44を装
着することにより、該カラー45ないし上記変速ピスト
ン74bが支持されている。 【0030】したがって、例えば第1油圧シリンダ71
における上部油圧室71aの作動圧を下部油圧室71b
の作動圧よりも相対的に高くすれば、上部油圧室71a
に内挿された変速ピストン73aにより第1トラニオン
38が押し上げられて上方へスライドすることになる。
これに対して、上記上部油圧室71aの作動圧を下部油
圧室71bの作動圧よりも相対的に低くすれば、下部油
圧室71bに内挿された変速ピストン73bによりトラ
ニオンシャフト41aが押し下げられることになり、そ
れに伴って第1トラニオン38が下方へスライドするこ
とになる。 【0031】次に、第1トロイダル変速ユニット31に
おける上記第1、第2油圧シリンダ71,72の各油圧
室に対する作動圧の給排を制御することにより変速比を
変化させる上記変速制御機構80の構成について説明す
る。 【0032】すなわち、上記仕切壁64の下面には、中
間ボディ69を介して上記第1、第2油圧シリンダ7
1,72に対する作動圧の給排を切り換える変速制御バ
ルブ82のバルブボディ83が固定されている。このバ
ルブボディ83内にはスリーブ84が軸方向に移動可能
に挿通されていると共に、該スリーブ84内にスプール
85が軸方向に移動可能に挿通されている。 【0033】上記オイルパン68の側壁部にはステッピ
ングモータ86が固定されていると共に、該ステッピン
グモータ86の回転軸86aに回転運動を往復運動に変
換する変換機構87が連動連結されている。そして、こ
の変換機構87に上記スリーブ84の基端側が連結され
ている。したがって、ステッピングモータ86を回転駆
動すれば、上記スリーブ84が軸方向に進退することに
なる。 【0034】一方、上記変速制御バルブ82の前方には
揺動自在に支持されたL形リンク88が配置されてい
る。このL形リンク88の一端側は、上記第1トラニオ
ン38におけるトラニオンシャフト41aの下端部分に
固設されたプリセスカム81のカム面に対接配置される
と共に、該リンク88の他端側が上記スプール85の先
端側に係合されている。そして、該スプール85の基端
側にはスプリング89が配置されており、このスプリン
グ89の付勢力により、該スプール85の先端側がL形
リンク88に当接するように付勢される。 【0035】このような構成によれば、定常状態におい
ては、変速制御バルブ82におけるスプール85の先端
側にL形リンク88を介して作用する押付力と、該スプ
ール85の基端側に作用するスプリング89による押付
力とがバランスして、上記第1、第2油圧シリンダ7
1,72に対する作動圧の給排が停止された状態で保持
されるようになっている。 【0036】そして、上記ステッピングモータ86を駆
動して、例えばスリーブ84を図3における図面上の右
側(a方向)に移動したとすると、図示しない油圧源か
らのライン圧が、上記第1油圧シリンダ71における下
部油圧室71bと第2油圧シリンダ72における上部油
圧室72aとに導かれる一方、第1油圧シリンダ71に
おける上部油圧室71a及び第2油圧シリンダ72にお
ける下部油圧室72bの作動圧が排圧されることにな
る。これにより、上記第1トロイダル変速ユニット31
における第1トラニオン38が下方へスライドし、また
第2トラニオン39が上方にスライドすることになり、
第1、第2トラニオン38,39に取り付けたパワーロ
ーラ35,35の接触位置が変化することになって傾転
力が発生する。その場合に、例えば入力ディスク33が
図3における反時計回りのb方向に回転しているものと
すると、第1トラニオン38側のパワーローラ35は図
1におけるc方向に回動し、また第2トラニオン39側
のパワーローラ35はd方向に回動することになる。こ
れにより、第1トロイダル変速ユニット31における
入、出力ディスク33,34間の変速比(減速比)が増
大することになる。 【0037】そして、上記パワーローラ35の傾転に伴
う第1トラニオン38の3次元的な変位がトラニオンシ
ャフト41aの上下方向の変位として変換され、その変
位がプリセスカム81を介してL形リンク88に伝達さ
れて、該リンク88を図3における時計回りの方向(e
方向)へ回動させる。したがって、スプール85がスプ
リング89の付勢力に抗して右側(f方向)へ移動する
と共に、該スプール85がスリーブ84の移動量だけ移
動したときに、その移動が停止して変速制御が終了す
る。これにより、上記ステッピングモータ86の操作量
に応じた所定の目標変速比が実現されることになる。 【0038】その場合に、トラニオンセンターに対して
パワーローラセンターが出力ディスク34側に偏倚して
いると、パワーローラに変速比を増大させる方向に傾転
モーメントが作用することになり、その傾転モーメント
を打ち消すために変速制御機構80が増速側に作動する
ことになって、動力が徒に消費されることになるのであ
る。 【0039】そこで、この実施例においては上記第1、
第2トロイダル変速ユニット31,32を構成するパワ
ーローラ35を、例えば図4に拡大して示すように、変
速比が1で無負荷のイニシャルセット状態において、パ
ワーローラセンターCがトラニオンセンターOに対して
入力ディスク側に所定のオフセット量zだけずらして配
置している。 【0040】なお、この実施例においては、図2に示す
ように、上記中間ディスク36が分離可能に配置された
第1、第2部材36a,36bで構成されていると共
に、これら両部材36a,36b間にディッシュプレー
ト48が介設されている。 【0041】次に、例えばオフセット量zを例えば−
0.5mmに設定した場合を例に実施例の作用を説明す
る。ここで、符号は、トラニオンセンターOに対して出
力ディスク側を(+)、入力ディスク側を(−)と規定
する。 【0042】すなわち、変速比が1で無負荷のイニシャ
ルセット状態においては、図5に示すように、入力側及
び出力側接触点Pi,Poの移動はない。この状態か
ら、減速側(減速比=2.4)にパワーローラを傾転さ
せると、図6に示すように、エッジのある位置と逆方向
に各接触点Pi,Poが移動する。 【0043】このようにパワーローラを傾転させた状態
において、最大負荷を印加すると、出力ディスクやトラ
ニオンなどの変形によって、図7に示すようにパワーロ
ーラセンターCが出力ディスク方向に変位し、それに伴
って入力側及び出力側接触点Pi,Poがエッジ側に移
動することになる。その場合に、出力ディスクやトラニ
オンの変形量に対して、パワーローラセンターCや入力
側及び出力側接触点Pi,Poの絶対的な移動量は従来
と変わりはないが、パワーローラセンターCが予め入力
ディスク側にオフセットされていることから、トラニオ
ンセンターOに対する偏倚量xはオフセットのない状態
と比べて小さくなる。これにより、エッジ側への入力側
及び出力側接触点Pi,Poの移動が抑制されることに
なって、例えば入力側接触点Piを中心とする接触楕円
部Siにパワーローラのエッジ境界線yが入り込むこと
はない。 【0044】また、トラニオンセンターOに対するパワ
ーローラセンターCの偏倚量xがオフセットのない状態
と比べて小さくなることから、パワーローラに作用する
傾転モーメントMも低減することになる。 【0045】比較例として、オフセット量zを例えば+
0.5mmに設定した場合を説明する。 【0046】つまり、イニシャルセット状態に対して、
減速側(減速比=2.4)にパワーローラを傾転させる
と、図8に示すように、入力側及び出力側接触点Pi,
Poがエッジの方向に移動する。 【0047】そして、この状態において、最大負荷を印
加すると、図9に示すようにパワーローラセンターCが
出力ディスク方向に変位し、それに伴って入力側及び出
力側接触点Pi,Poがさらにエッジ側に移動すること
になって、例えば入力側接触点Piを中心とする接触楕
円部Siにパワーローラのエッジ境界線yが入り込むと
共に、パワーローラの傾転モーメントMも大きくなって
しまう。 【0048】図10は無負荷状態におけるオフセット量
と入力ディスクの移動量との関係を示す特性図である。 【0049】この特性図からも明らかなように、オフセ
ット量zが大きくなるほどイニシャルセット状態におけ
る入力ディスク移動量が大きくなることから、ディッシ
ュプレート48で吸収するストローク量を大きくする必
要がある。また、次の表1に示すように、オフセット量
zを−1.0mmに設定した場合には、最大負荷におけ
る傾転モーメントは大きく低減されることになるが、常
用域の部分負荷において逆方向の傾転モーメントが大き
く作用する。したがって、オフセット量zは−0.1〜
−0.5mm程度が望ましい。 【0050】 【表1】 【0051】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、高負荷減
速域において出力ディスクやトラニオンなどが変形する
ことによりパワーローラの回転中心が出力ディスク側に
移動したとしても、パワーローラの回転中心が、イニシ
ャルセット状態において傾転中心に対して入力ディスク
側にオフセットしていることから、傾転中心に対するパ
ワーローラの回転中心の実際の偏倚量が少なくなり、こ
れによって例えば入力ディスクとパワーローラとの間の
接触点のパワーローラのエッジ側への移動が抑制され、
パワーローラのエッジ部が入力ディスクに乗り上げるこ
とが防止されることになって、パワーローラなどの耐久
性が向上することになる。また、傾転中心に対するパワ
ーローラの回転中心の偏倚量が少なくなることから、パ
ワーローラに作用する傾転モーメントが軽減されること
になって、動力損失も低減されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係る自動車のパワートレインを示す
骨子図である。 【図2】 トロイダル型無段変速機の断面図である。 【図3】 図2におけるA−A線よりみた第1トロイダ
ル変速ユニットの断面図である。 【図4】 トロイダル変速ユニットの要部拡大断面図で
ある。 【図5】 オフセット量を−0.5mmに設定した場合
のイニシャルセット状態における幾何学的解析結果を示
す模式図である。 【図6】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの無負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式図
である。 【図7】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの最大負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式
図である。 【図8】 オフセット量を+0.5mmに設定した場合
にパワーローラを減速側に傾転させたときの無負荷状態
における幾何学的解析結果を示す模式図である。 【図9】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの最大負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式
図である。 【図10】 無負荷状態におけるオフセット量と入力デ
ィスクの移動量との関係を示す特性図である。 【図11】 従来の問題点を示すトロイダル変速ユニッ
トの模式図である。 【図12】 接触点の移動のメカニズムを示す模式図で
ある。 【図13】 従来におけるパワーローラを減速側に傾転
させたときの最大負荷状態における幾何学的解析結果を
示す模式図である。 【符号の説明】 30 トロイダル型無段変速機 33 入力ディスク 34 出力ディスク 35 パワーローラ 38,39 トラニオン O トラニオンセンター C パワーローラセンター
骨子図である。 【図2】 トロイダル型無段変速機の断面図である。 【図3】 図2におけるA−A線よりみた第1トロイダ
ル変速ユニットの断面図である。 【図4】 トロイダル変速ユニットの要部拡大断面図で
ある。 【図5】 オフセット量を−0.5mmに設定した場合
のイニシャルセット状態における幾何学的解析結果を示
す模式図である。 【図6】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの無負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式図
である。 【図7】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの最大負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式
図である。 【図8】 オフセット量を+0.5mmに設定した場合
にパワーローラを減速側に傾転させたときの無負荷状態
における幾何学的解析結果を示す模式図である。 【図9】 同じくパワーローラを減速側に傾転させたと
きの最大負荷状態における幾何学的解析結果を示す模式
図である。 【図10】 無負荷状態におけるオフセット量と入力デ
ィスクの移動量との関係を示す特性図である。 【図11】 従来の問題点を示すトロイダル変速ユニッ
トの模式図である。 【図12】 接触点の移動のメカニズムを示す模式図で
ある。 【図13】 従来におけるパワーローラを減速側に傾転
させたときの最大負荷状態における幾何学的解析結果を
示す模式図である。 【符号の説明】 30 トロイダル型無段変速機 33 入力ディスク 34 出力ディスク 35 パワーローラ 38,39 トラニオン O トラニオンセンター C パワーローラセンター
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フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16H 15/00 - 15/56
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 同軸上に対向配置された入力ディスク及
び出力ディスクと、両ディスク間に圧接状態で傾動可能
に配置されたパワーローラと、このパワーローラを回転
自在に支持するトラニオンとを有するトロイダル型無段
変速機であって、上記パワーローラの回転中心が、変速
比が1で無負荷のイニシャルセット状態において、その
傾転中心に対して入力ディスク側にオフセットされた状
態で配置されていることを特徴とするトロイダル型無段
変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30972194A JP3394346B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30972194A JP3394346B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08145138A JPH08145138A (ja) | 1996-06-04 |
JP3394346B2 true JP3394346B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=17996503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30972194A Expired - Fee Related JP3394346B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3394346B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5516858B2 (ja) * | 2009-10-30 | 2014-06-11 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
JP6093738B2 (ja) * | 2014-08-28 | 2017-03-08 | 本田技研工業株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
JP6515693B2 (ja) * | 2015-06-12 | 2019-05-22 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
JP7002283B2 (ja) * | 2017-10-27 | 2022-01-20 | 川崎重工業株式会社 | トロイダル無段変速機 |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP30972194A patent/JP3394346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08145138A (ja) | 1996-06-04 |
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