JP6092877B2 - パイプサポート - Google Patents

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Description

本発明は、パイプサポートに関する。
建物又は他の構造物の内側において、又は、これらに対して、消火散水装置のパイプのようなパイプ類を保持又は固定することが望ましいことが多い。多くの場合には、耐震建築基準法及び規定又は地震建築基準法及び規定にしたがってパイプ類が保持されることが必要とされている。こうした法的規定は、パイプに関する保持具(restraint)の場所と個数についての要件を説明する。例えば、法律が、ジョイント(joint)又はパイプ継手(pipe fitting)の間の中間区域内で使用されることがあるパイプハンガーのような適切なパイプサポートに関する要件を規定することがある。さらに、法的規定が、ジョイント又はパイプ継手に近接して使用されることがあるブレースのような適切なパイプサポートに関する要件を規定することがある。こうした要件は、典型的には、パイプサポートが耐えることが可能な最小荷重を規定し、ジョイントに近接しているパイプサポートは、例えば、ジョイントの相互間の中間区域内のパイプサポートよりも大きな荷重要求基準を典型的に有する。特に、ジョイント又はパイプ継手に近接して使用するためのパイプサポートのような従来のパイプサポートは、クランプ及び複数の留め具のような複数の個別的な構成要素を含み、したがって、こうしたパイプサポートは、据え付け時点において多大な時間を要する組み立てを必要とする。さらに、典型的なパイプサポートは、ジョイント又はパイプ継手に近接して使用されなければならない場合には、ジョイントの付近でのパイプサポートの据え付けに起因するジョイントに対する曲げ荷重の発生を防止するために、別個のスペーサーを必要とする。
原文に記載なし
本発明の特徴と利点とが、例えば本発明の特徴を共に例示的に図示する添付図面に関連付けられた、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
図1Aは、本発明の典型的な実施形態によるパイプサポートシステムの例示的な説明図である。 図1Bは、図1Aのパイプサポートシステムの側面図である。 図2Aは、本発明の典型的な実施形態によるパイプサポートの例示図である。 図2Bは、閉じた形状構成の形の図2Aのパイプサポートの側面図である。 図2Cは、開いた形状構成の形の図2Aのパイプサポートの側面図である。 図3Aは、本発明の典型的な実施形態によるパイプサポートの立上り部(Riser)とプラットホームの例示的な説明図である。 図3Bは、本発明の別の典型的な実施形態によるパイプサポートの立上り部とプラットホームの例示的な説明図である。 図3Cは、本発明のさらに別の典型的な実施形態によるパイプサポートの立上り部とプラットホームの例示的な説明図である。 図4Aは、本発明の別の典型的な実施形態によるパイプサポートの例示的な説明図である。 図4Bは、図4Aのパイプサポートの側面図である。 図5は、本発明の別の典型的な実施形態によるパイプサポートの例示的な説明図である。
以下において、図示されている典型的な実施形態に言及し、及び、こうした実施形態を説明するために特定の術語を使用する。しかし、この説明では、本発明の範囲の限定は意図されていないということを理解されたい。
本明細書で使用される場合に、術語「実質的に(Substantially)」は、完全な程度又は度合い、又は、概ね完全な程度又は度合いの、動作、性質、特性、状態、構造、物品、又は、結果を意味する。例えば、「実質的に」密封されている物体は、この物体が完全に密封されているか又は概ね完全に密封されているということを意味する。絶対的な完全性からの実際の許容可能な逸脱の度合いは、場合によって、個別の状況に応じて決まるだろう。しかし、一般的に述べると、完全性の近似性は、絶対的で総合的な完全性が得られるのと同じ包括的結果が得られるようなものである。「実質的に」の使用は、同様に、否定的な含意で使用される時に、動作、性質、特性、状態、構造、物品、又は、結果の完全な欠落又は概ね完全な欠落に該当する。
技術的実施形態の最初の概観が次に示されており、及び、具体的な技術的実施形態がより詳細に後述される。この最初の概略的説明は、本技術を読者がより迅速に理解することを補助することを意図されているが、本技術の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することは意図されておらず、かつ、特許請求されている主題を限定することは意図されていない。
従来のパイプサポートは、適正に据え付けられる時には、その機能に適しており、及び、法的規制の要件を満たすが、スペーサーと複数の留め具とを含む多数の構成要素の組み立てが、据え付け工程を遅れさせる複雑性を生じさせる可能性がある。さらに、単一のパイプサポートの据え付けに使用されることが多いスペーサー及び留め具のような個別的な構成要素が多数あることは、多くの商業的建築物のために必要とされる量の故に多大なコストの原因となる可能性がある。さらに、パイプの周りの異なる支持場所において異なるタイプのパイプサポート(すなわち、ハンガー及びブレース)を使用することが一般的になっているので、据え付けコストが、必要とされる部品の数とタイプの増大のためにさらに増大させられる可能性がある。
したがって、パイプ及びパイプ継手によって形成されるジョイントに近接した位置でパイプを保持するためのパイプサポートが開示される。このパイプサポートは、物体(例えば、ビーム、梁、トラス、間柱等)又は支持表面(例えば、建物又は他の構造物)に固定されるように、かつ、パイプの外側表面に界接する(interface with)ように構成されている基部を備えることが可能である。このパイプは、さらに、パイプを保持するために基部と共に働くことが可能なクランプを備えることが可能であり、この基部とクランプは、配管のためのハンガー及び保持具又はブレースの両方としてパイプサポートが機能することが可能であるように、十分な強度を有し、及び、十分な剛性を有する。さらに、パイプサポートは、基部とクランプとを結合させるヒンジを備えることが可能であり、このヒンジは、基部とクランプとの間の相対的な動きを容易にする働きをする。基部は、パイプの外側表面とパイプ継手の外側表面との間の距離を少なくとも相殺するのに十分なだけの、支持表面からの予め決められた距離に、パイプの外側表面を位置させるように構成されることが可能であり、これによって、パイプサポートをパイプと支持表面とに固定する時に曲げ荷重がジョイントにおいて生じることを防止する。1つの例示的な実施形態では、パイプサポートは単一の一体状のアセンブリを備えることが可能である。
このパイプサポートは、さらに、据え付けのために単一の留め具だけを使用するように構成されることが可能である。実際に、このパイプサポートは、単一の留め具によって物体(例えば、ビーム、トラス、梁、間柱、壁等)に締め付け固定されるように設計されることが可能である。例えば、このパイプサポートは、本明細書で説明されているように、基部又は基部部分と、クランプと、ヒンジとを含むことが可能である。このヒンジは、初期の開放方向配置から据え付け方向配置にクランプが動かされるか操作されることを容易化し、及び、基部とクランプは共に、パイプを受け入れて収容するように構成されている内側空間を形成する。クランプは、単一の留め具がパイプサポートを据え付け方向配置の形で保持しかつそのパイプサポートを物体又は支持表面に固定することが可能であるように、据え付け方向配置の形で基部内の開口又は穴と整合する開口又は穴を備えることが可能である。こうした構成が、有利なことに、パイプサポートの据え付け時間を短縮させる。これは、典型的には多数のパイプハンガー及び/又は保持具(retainer)が1回の据え付けごとに使用されるので、各々のパイプサポート毎の据え付け時間のわずかな短縮でさえ、プロジェクト全体では大きな時間の節約を結果的にもたらすからである。
パイプサポートシステムも開示される。このパイプサポートシステムは、パイプと、ジョイントを形成するためにパイプと連結されるパイプ継手と、パイプ継手に近接してパイプを保持することが可能なパイプサポートとを備えることが可能である。このパイプサポートは、支持表面に対して固定されるように、かつ、パイプの外側表面に界接するように構成されている基部を含むことが可能である。このパイプサポートは、さらに、パイプを保持するために基部と共に働くことが可能なクランプと、基部とクランプとを連結するヒンジとを含むことが可能であり、及び、このヒンジは、基部とクランプとの間の相対的な動きを容易化する働きをする。基部は、パイプの外側表面とパイプ継手の外側表面との間の距離を少なくとも相殺するのに十分なだけの支持表面からの予め決められた距離に、パイプの外側表面を位置させるように構成されることが可能であり、これによって、パイプサポートをパイプと支持表面とに固定する時に曲げ荷重がジョイントにおいて生じることを防止する。
パイプサポートシステム100の例示的な一実施形態が、図1Aと図1Bとに示されている。このパイプサポートシステム100はパイプ101を含むことが可能である。パイプ101は、PVC、ABS、銅、鋳鉄、鋼等のような任意の材料で作られることが可能であり、及び、流体又は気体を搬送することのような任意の目的のために使用されることが可能である。パイプサポートシステム100は、さらに、ジョイント103を形成するためにパイプ101に連結されているパイプ継手102を含むことが可能である。パイプ継手102は、パイプ101と共にジョイントを形成するのに適している任意の材料で作られることが可能である。幾つかの側面では、接着剤、接合剤、接着剤(glue)、溶接、蝋付け(braze)等が、パイプ101をパイプ継手102に固定するために使用されるだろう。一実施形態では、パイプ101とパイプ継手102はPVCで形成されることが可能であり、及び、ジョイント103を形成するために接合剤によって互いに固定されることが可能である。このようなパイプとパイプ継手は、例えば、建物のための消火散水装置において使用されることが可能である。しかし、他のシステム、用途、又は、使用が想定されている。さらに、このパイプサポートシステム100は、パイプ継手102に近接してパイプ101を保持することが可能なパイプサポート110を含むことが可能である。本明細書に開示されているパイプサポートは、ジョイントの付近でのパイプの保持、又は、ジョイントの相互間のパイプの中間区域内のパイプの保持のための法規的な要件基準を満たすことが可能である。本明細書に開示されているパイプサポートのこの多用途又は二重目的の可能性が、据え付けにおける融通性を実現することが可能であり、及び、特定のプロジェクトのために必要とされるパイプサポートに関する製造と調達と在庫管理と据え付けとを容易にすることが可能である。
図2Aから図2Cを参照し、さらに、図1Aと図1Bとを参照すると、パイプサポート110が、支持表面104(例えば、建物又は他の構造物の構造的構成要素(例えば、壁))に固定されるように、かつ、パイプ101の外側表面に界接するように構成されている基部120を備えることが可能である。このパイプサポート110は、さらに、パイプ101を保持するために基部120と共に働くことが可能なクランプ130を備えることが可能である。この基部とクランプは、配管のためのハンガー及び保持具又はブレースの両方としてパイプサポートが機能することが可能であるように設計されることが可能である。明確に述べると、この基部120とクランプ130は、ハンガー又は保持具として(すなわち、パイプ継手に近接してパイプに固定されるように)パイプサポートが使用されることを可能にするように、十分な強度特性と十分な剛性特性とを有するように構成されることが可能である。さらに、パイプサポート110は、基部120とクランプ130とを連結させるヒンジ140を備えることが可能である。このヒンジ140は、基部120とクランプ130との間の相対的な動きを容易にするように働くことが可能である。ヒンジ140は、パイプサポート110の他の部品又は構成要素よりも容易に曲がるように構成されることが可能である。例えば、ヒンジ140は、パイプサポート110の近接部分に比較して減少した質量を有することが可能であり、このことは材料の除去又は材料の薄肉化又はこの両方を含むだろう。ヒンジは、回転軸線又は曲げ軸線(bending axis)に実質的に整合した方向に方向配置されているか又は延びている、1つ又は複数のスロットを含むことが可能である。
一実施形態では、パイプサポート110は単一のアセンブリを備えることが可能であり、この単一のアセンブリは、基部120とヒンジ140とクランプ130の、単一の、一体状の、モノリシックな、又は、単一構造の構成物によって形成されることが可能であり、及び、クランプは単一の留め具を使用して基部に固定されることが可能である。例えば、基部とクランプとの中に形成された穴が、パイプサポート110をパイプ101に固定するためにヒンジの作動時に互いに整合するように構成されることが可能であり、及び、単一の留め具が、支持表面又は物体にパイプサポート110を固定するために、その整合した穴の中を通して挿入される。
基部120は、この基部120から外方に延びる立上り部122a、122bのような1つ又は複数のリブ又は立上り部の周りに支持されている、プラットホーム121を備えることが可能である。この立上り部122a、122bは、支持表面104に界接して、支持表面104の上方の高い位置にプラットホーム121を支持するように構成されることが可能である。立上り部122a、122bは、適用可能な建築基準法にしたがった保持具又はブレースとしてパイプサポート110が機能することを可能にする、許容可能なレベルに基部120の強度及び剛性特性を増強するように構成されることも可能である。プラットホーム121は、(図1Bに示されているように)パイプ101、特にパイプ101の外側表面107とを受け入れて界接するように構成されることが可能である。1つの側面では、少なくとも2つの立上り部122a、122bは、プラットホーム121を支持するために互いに平行に配置されることが可能である。例えば、プラットホーム121と立上り部122a、122bは、基部120が溝又はU字形を形成するように構成されることが可能である。したがって、本明細書に示されかつ説明されているように、基部は1つ又は複数の立上り部を含むことが可能である。これに加えて、さらに詳細に後述するように、立上り部とプラットホームとが単一の一体状の構造の一部分であることが可能であり、又は、互いに連結されている別個の構造の一部分を形成することが可能であることが想定されている。
図3Aから図3Cに示されているように、単一の立上り部が、立上り部221a又は立上り部221bのような薄い狭幅の構造を備えることが可能であり(図3A)、又は、単一の立上り部が、立上り部322のような厚い中実の構造を備えることが可能である(図3B)。これに加えて、薄い立上り部221a、221bは、プラットホーム121に対して垂直に方向配置されていることが可能である。別の側面では、立上り部は、プラットホーム421に対して示されている薄い立上り部422a−422eの積み重ねのような、プラットホームに対して平行な方向配置にある複数の構造を備えることが可能である(図3C)。さらに、図3A−3Cは、プラットホームが少なくとも部分的に立上り部の上部表面を含むことが可能であるということを示す。例えば、プラットホーム221は少なくとも部分的に立上り部221a及び/又は立上り部221bの上部表面を含むことが可能である。同様に、プラットホーム221は、立上り部322の上部表面を含むことが可能である。プラットホーム421は立上り部422aの上部表面を含むことが可能である。これらの例は、基部がどのように形成され構成されることが可能かについての様々な異なる形状構成の幾つかを示すが、これらの例は、何らかの形で本発明を限定するものとは見なされてはならない。
特に図1Bを参照し、及び、さらに図1Aと図2A−2Cとを参照すると、パイプサポート110が、パイプ継手102に近接している形で示されている。基部120は、パイプ101が基部120の上に又は基部120の周りに支持されている時に、支持表面104から予め決められた距離105にパイプ101の外側表面107を位置させるように構成されることが可能である。ある意味では、基部120は、支持表面104から予め決められた距離105にパイプ101の外側表面107を位置させるための「組み込み式(built-in)」スペーサーを提供することが可能であると言うことができる。距離105は、パイプ101の外側表面105とパイプ継手102の外側表面108との間の距離106を少なくとも相殺するのに十分な大きさであることが可能であり、このことが、パイプ101と支持表面104とに対するパイプサポート110の固定の際にジョイント103において曲げ荷重が生じることを防止することが可能である。言い換えると、プラットホーム121は、例えば立上り部122a、122bによって、基部120の下部表面から予め決められた距離に位置させられることが可能であり、基部120の下部表面は支持表面104と接触していることが可能である。したがって、プラットホーム121は、予め決められた距離105だけ支持表面104から隔てられているか又は片寄っていることが可能であり、及び、この予め決められた距離は、パイプ101の外側表面107とパイプ継手102の外側表面108との間の距離106に等しいか又はこれより大きい。このことが、パイプ101がパイプサポート110によって固定される時に支持表面104がパイプ継手102に対して不要な力を及ぼすことを防止し、この不要な力は、ジョイント103内での曲げ荷重と、パイプ101とクランプ130との間の位置112における接触応力とを誘発する傾向があるだろう。距離105は、パイプサポート110がパイプ101と支持表面104とに固定される時に、曲げ荷重がジョイント103において生じることを防止するために、距離106と少なくとも同じ大きさであることが可能である。言い換えると、距離106に等しいか又は距離106よりも大きい距離105が、ジョイント103における曲げ荷重の発生可能性を減少させるか又は排除するだろう。一側面では、距離105と距離106は、パイプ継手102の外側表面と支持表面104との間に隙間109が生じるような距離であることが可能である。
図2A−2Cにさらに示されているように、パイプサポート110は、基部120をクランプ130に作動的に連結するヒンジ140を含むことが可能である。このヒンジは、パイプ101の周りにパイプサポート110を据え付けることを容易にすることが可能である。パイプサポート110がパイプ101の周りに据え付けられる時に、このパイプサポート110は、このパイプサポート110が(例えば、基部120をクランプ130に固定また締め付け固定することによって)パイプ101に固定される前にパイプ101上の適正な据え付け位置にパイプ101の長さに沿ってスライドすることが可能である。ヒンジ140は可撓性リガメント(compliant ligament)141を備えることが可能である。示されている具体例では、可撓性リガメント141は、基部120とクランプ130との間を延びる材料ストリップを備え、この材料ストリップは曲げられることが可能である。このストリップは金属又は別の適切な材料で形成されることが可能である。この場合には、材料ストリップ、すなわち、可撓性リガメント140と、基部120と、クランプ130は、一体状の構造を構成し、及び、可撓性リガメントは、その材料内の湾曲部によって形成及び画定され、及び、縮幅部143を有する。
一般的に、この可撓性リガメント141は、基部120の固定末端部分123とクランプ130の固定末端部分133とに連結されることが可能である。ヒンジ140の作動、すなわち、可撓性リガメント141の湾曲が、クランプ130の自由末端部分134が基部120の自由末端部分124に対して相対的に移動することを可能にすることができ、このことが、パイプサポート110がパイプ101を受け入れて固定することを可能にするだろう。言い換えると、基部120の固定末端部分123は、ヒンジ140によってクランプ130の固定末端部分133から隔てられることが可能である。ヒンジ140の可撓性リガメント141は、クランプ130と基部120とがヒンジ140の周りを互いに対して相対的に旋回することを可能にするように、任意の適切な長さ142であることが可能である。一側面では、可撓性リガメント141の長さ142と形状構成とが、クランプ130と基部120の間の相対的な回転によって引き起こされるリガメント内の応力を制限するように構成されることが可能である。例えば、可撓性リガメント141は、ヒンジ140が、パイプサポートが依然として使用可能である状態で、クランプ130と基部との間の少なくとも90度の相対的な回転114の位置に少なくとも10回の閉/開サイクルを受けることが可能であるように、構成されることが可能である。可撓性リガメントの他の形状構成が本明細書で想定されており、及び、図面に示されておりかつ本明細書に説明されているこうした形状構成は、本発明を限定するものでは全くないことが意図されている。
図2Bに示されているように、クランプ130は、パイプ101の周りを概ね半分だけ延びるように、かつ、パイプ101の半径を収容するように構成されている、湾曲区域又は半径135を含むことが可能である。このクランプは、パイプサポートが据え付けられた方向配置及び位置にある時に、パイプを収容する内側空間を少なくとも部分的に画定するように構成されることが可能である。一側面では、本発明を限定するものではないが、半径135はパイプ101の半径と実質的に同一であることが可能である。さらに別の側面では、半径135は、予め形成されており、及び、恒久的であるか固定されており、クランプ130がパイプ101を固定する時に実質的に影響されないままである。直線区域131、132が、クランプ130の湾曲区域又は半径135の各端部から延びることが可能である。直線部分131はクランプ130の固定末端部分133で終端することが可能であり、及び、直線部分132はクランプ130の自由末端部分134で終端することが可能である。直線区域131は、可撓性リガメント141の末端のようなヒンジ140に連結されることが可能である。直線区域132はタブ136に連結されることが可能であり、タブ136はクランプ130の自由末端部分134を基部120の自由末端部分124に固定するように構成されることが可能である。例えば、タブ136は、(図1Bに示されているように)例えば開口137によって、留め具150と界接するように構成されることが可能である。基部120は、さらに、タブ136内の開口137と整合させられる時に留め具150が中を通ることを可能にするための開口127を含むことが可能である。したがって、留め具150は、クランプ130の自由末端部分134を基部120の自由末端部分124に連結し、及び、パイプ101をパイプサポート110に固定するためにパイプサポート110を支持表面104に固定することが可能である。典型的なパイプサポートよりも優れた本開示のパイプサポートの利点の1つが、単一の留め具だけを使用することによって、クランプ130の自由末端部分134が基部120に固定又は連結されることが可能であるということである。実際に、図示されている実施形態では、パイプサポート110を閉じるために、クランプ130と基部120とが互いに対して相対的に移動させられる時に、タブ136は、クランプ130の自由端部から垂直に延びるので、基部120に対して係合及び連結させられることが可能である。基部120は、(閉じた位置におけるパイプサポート110を伴って)クランプ130の自由端部を越えて幾らかの距離を延びる一部分又はセグメントを備えることが可能であり、したがって、タブ136が基部120に界接して連結するための空間を提供することが可能である。この位置では、開口127、137は位置合わせされることが可能であり、及び、パイプ101の周りにパイプサポート110を固定するためにこれらの開口の中を通して留め具が挿入される。留め具150がボルト、ねじ、ナット、リベット、又は、他の任意の適切な取り付け構造又はシステム又は装置又は方法を含むことが可能であるということを理解されたい。
さらに、パイプサポート110が図2Bに示されている形状構成である時には、ヒンジ140の可撓性リガメント141が半径145を有することが可能である。可撓性リガメント141の半径145は、クランプ130を開位置(図2Cに示されている)から閉位置(図2Bに示されている)に動かすことによって結果的に生じることが可能である。したがって、半径145は、可撓性リガメント141の長さ142と、クランプ130と基部120との間の回転角度とによって結果的に生じることが可能である。図2Bに示されているように、可撓性リガメント141の半径145は、この半径145がクランプ130の半径135とは異なる(典型的には、半径135より小さい)ように形状構成されることが可能である。この特徴は、必要に応じて、パイプサポート110がパイプ101を固定している時に、ヒンジ140の可撓性リガメント141のどの部分もパイプ101に接触しないことを確実なものにする。
クランプ130が開位置と閉位置との間を動かされる時に、パイプサポート110は、ヒンジ140、特に可撓性リガメント141に対して実質的にすべての曲げ及び撓みを限定するように構成されることが可能である。言い換えると、パイプサポート110は、屈曲及び湾曲するのが、基部120及び/又はクランプ130でなく、可撓性リガメント141であるように構成されることが可能であり、及び、屈曲又は湾曲が、ヒンジ140と基部120とクランプ130との全体にわたって分布させられずにヒンジ140だけに制限又は隔離される。したがって、パイプサポート110の要素が、調節された撓みを実現するように構成され、このことは、パイプサポートが開放及び/又は閉鎖される時に、このパイプサポートの撓みがパイプサポート110の特定の構成要素又は場所又はセグメントの中にあるように、又は、こうした特定の構成要素又は場所又はセグメントに限定されるように調節されることを意味する。これを容易化することを補助するために、一側面では、可撓性リガメント141は、基部120及び/又はクランプ130に比較して横断面積を小さくするように、縮小された材料幅143及び/又は厚さ144を有することが可能である。別の側面では、可撓性リガメントは、基部120及び/又はクランプ130に比較して材料の削減を含むことが可能である(例えば、穴、スコーリング、穿孔等)。さらに別の側面では、基部120及び/又はクランプ130は、可撓性リガメント141に比較して増大した曲げ剛性を実現するように構成された特徴要素又は構造を有することが可能である。これの1つの特定の具体例では、クランプ130は、パイプ101にそのフレア形の端縁138が接触することを防止するように構成されている、フレア形の端縁138を備えることが可能である。このフレア形端縁138は、さらに、基部と共に働くことが可能な立上り部と同様の仕方で機能することが可能であり、すなわち、パイプサポートが単なるハンガーとしてだけでなく保持具又はブレースとしても使用されることを可能にするのに十分なだけクランプ130の強度及び剛性特性を増大させることが可能である。実際に、一側面では、フレア形端縁138は、使用中のクランプ130の湾曲を最小化又は防止するために、クランプ130の強度及び剛性を増強することが可能である。別の側面では、立上り部122a、122bは、使用中の基部120の湾曲を最小化又は防止するために、基部120の強度及び剛性を増強するように構成されることが可能である。ヒンジ140又は可撓性リガメント141に比較したクランプ130と基部120の十分な強度及び剛性が、本明細書で説明しているパイプサポートの機能性を増大させることが可能であり、及び、クランプ130が開位置と閉位置との間を動かされる時に、実質的にすべての湾曲と撓みをヒンジ140に限定することが可能である。
図4Aと図4Bとを参照すると、別の例示的なパイプサポート510が、複数の可撓性リガメント541a、541bを備えるヒンジ540と共に示されている。図2Aから図2Cの可撓性リガメント141と比較すると、可撓性リガメント541a、541bは相対的に短く、及び、相対的に小さい横断面積を有する。可撓性リガメント541a、541bの相対的に短い長さが、クランプ530が閉位置にある時に(図4B)、より小さい半径545を結果的にもたらす。したがって、可撓性リガメントの長さと横断面積(すなわち、共に、及び/又は、厚さ)が、大きな度合いで変化することが可能である。
図5を参照すると、分離可能な2部材型(two−piece)のヒンジ640を備える、さらに別の例示的なパイプサポート610が示されている。この実施形態では、ヒンジ640は、基部とクランプとを互いに恒久的に連結する上述した可撓性リガメントを欠いている。この代わりに、クランプ630は、ヒンジ640の組み立て時に基部620に着脱自在に取り付け可能である。他の設計又は構成が想定される時に、1つの例示的な実施形態では、この2部材型のヒンジ640は、クランプ630の固定末端部分633に形成されたT形材(T−bar)641と、基部620の固定末端部分623に形成されているスロット642とを備えることが可能である。T形材641は、ヒンジ640を組み立てるためにスロット642の中に取り外し可能な形で挿入されることが可能である。一側面では、スロット642はT形スロットを備え、及び、T形材641は「T」の交差部(cross)643の中に挿入可能である。このT形材641は、2部材型のヒンジ640の組み立てを完了するために、基部620の固定末端部分623に向かってスライドすることが可能である。T形材641内の間隙644が、基部620の下面の上にT形材641の交差部645を配置するように構成されることが可能であり、かつ、ヒンジ640によって容易化されるようにクランプ630が基部620に対して相対的に回転することが可能であるように、ヒンジ640の回転を可能にするように構成されることが可能である。T形材641は、さらに、ヒンジ640の回転及び/又は移動範囲を増強するために、又は、特定の位置にあるヒンジを伴うクランプに対して基部のより最適な位置決めを実現するために、特定の角度に配置されることが可能である。ヒンジ640が2部材型であるにも係わらずに、一側面では、パイプサポート610は単一のユニットを構成することが可能であり、この場合に、2部材型のヒンジ640は、ヒンジ640を介して互いに連結されている基部120とクランプ130と共に据え付け前に事前組立されることが可能である。このようにして、パイプサポートの据付者は、現場で構成要素を選択して組み立てる必要なしに、多数のパイプサポート610の容器又はパッケージから、単一のユニットとして、事前組立されたパイプサポート610を容易に選択することが可能である。他の実施形態と同様に、この場合には、パイプの周りにクランプ及び基部の自由端部を共に固定するために、及び、支持表面に固定するために、単一の留め具が使用されることが可能である。
パイプハンガー20は、任意の適切な製造プロセスによって任意の適切な材料から作られることが可能である。パイプハンガー20が、亜鉛メッキされたシート金属材料で作られることが好ましい。パイプハンガー20は、打抜き加工プロセスによって製造されることが好ましく、この打ち抜き加工プロセスは、単一の打抜きプレスで行われる多段階の漸進的な打ち抜き加工プロセスであってもよい。しかし、この打抜き加工プロセスは、同一の打抜きプレス又は異なる複数の打抜きプレス上での一連の個別的な段階として行われることもある。いずれの場合にも、パイプハンガー20が、概ね又は実質的に平らな被加工物(例えば、金属材料のストリップ又はロール)として始まり、(例えば、穿孔操作によって)開口44、46が形成され、ヒンジ部分50を形成するために材料を除去することを含む形で、適切な外形に切り取られ、パイプハンガー20の他の部分に対して湾曲させられたフランジ70を有し、及び、適切な形状に湾曲させられた保持部分42を有する。これらの段階は任意の適切な順序で行われるだろう。結果的に得られるパイプハンガーが、図3及び図4に示されているパイプハンガー20に実質的に類似しているか又は同一であることが好ましい。上述したように、パイプハンガー20は、エンドユーザによって、据え付け方向配置(図5及び図6)の形に曲げられる。
上述の方法は、自動化された打抜き加工ラインに特に適しており、及び、打抜き、プレス抜き、及び、曲げ加工の作業が効率的に行われることが可能である。この製造方法の単純性と速度が、製造において経済的である最終製品を結果的にもたらし、したがって、最終消費者にとってのコストを削減する。当然であるが、代替案として、パイプハンガー20は他の方法で製造されてもよいが、こうした代替的な方法は、より時間浪費的であり、したがって、より高コストであるだろう。
本発明の一実施形態によって、パイプとパイプ継手とによって形成されたジョイントに近接した位置でのパイプの保持を容易化する方法が開示されている。この方法は、支持表面に固定されるように、かつ、パイプの外側表面に界接するように構成されている基部と、パイプを保持するように基部と共に働くことが可能なクランプと、基部とクランプとを連結しかつ基部とクランプとの間の相対的な動きを容易化する働きをするヒンジとを有する、パイプサポートを提供することを含むことが可能である。この方法は、さらに、パイプの外側表面とパイプ継手の外側表面との間の距離を少なくとも相殺するのに十分な、支持表面から予め決められた距離に、パイプの外側表面を基部と共に位置させることを容易化することと、これによって、パイプサポートをパイプ及び支持表面に固定する時にジョイントにおいて曲げ荷重が生じることを防止することとを含むことが可能である。一側面では、この方法は、さらに、単一の留め具を使用して支持表面に対してパイプサポートを固定することを容易化することと、こうして据え付けを容易化することと、据え付け時間とこれに関連した据え付けコストとを削減することとを含むことが可能である。
開示されている本発明の実施形態が、本明細書に開示されている特定の構造、プロセス段階、又は、材料だけに限定されず、当業者によって認識されるように、こうした構造、プロセス段階、又は、材料の等価物をその範囲内に含むということを理解されたい。さらに、本明細書で使用されている術語が特定の実施形態を説明する目的でのみ使用されており、及び、本発明を限定することは意図されていないということも理解されたい。
本明細書全体における「一実施形態(one embodiment)」又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴要素、構造、又は、特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれているということを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における語句「一実施形態において(in one embodiment)」又は「実施形態において(in an embodiment)」のすべては、必ずしも同一の実施形態を指示しているわけではない。
本明細書で使用される場合に、複数の物品、構造要素、構成要素、及び/又は、材料が、利便性のために共通リストの形で示されている。しかし、これらのリストは、これらのリストの各構成要素が別個かつ一意的な構成要素として個別的に識別されるように解釈されるべきである。したがって、こうしたリストの個別的な構成要素は、反対に対する表示なしに、共通のグループ内のその表現にだけ基づいて同一リストのあらゆる他の構成要素の事実上の等価物と解釈されるべきである。さらに、本発明の様々な実施形態及び具体例が、これらの実施形態及び具体例の様々な構成要素の代替物と共に、本明細書で言及されるだろう。こうした実施形態と具体例と代替物とが互いの事実上の等価物と解釈されるべきではなく、本発明の別個で自立的な表現と見なされるべきであるということを理解されたい。
さらに、説明されている特徴、構造、又は、特質が、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な仕方で組み合わされてもよい。後続の説明では、本発明の実施形態の完全な理解をもたらすために、例えば長さ、幅、形状等の例のような様々な具体的な詳細事項が示されている。しかし、当業者は、本発明が、1つ又は複数のこうした具体的な詳細事項のなしに、又は、他の方法、構成要素、材料等を用いて、実施されることが可能であることを理解するだろう。他の例では、公知の構造、材料、又は、作業が、本発明の諸側面を不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されないか又は詳細に説明されないことがある。
上述の具体例が1つ又は複数の特定の用途における本発明の原理を示しているが、実施の形態と使用と詳細事項における様々な変更が、発明的才能の行使なしに、及び、本発明の原理と着想からの逸脱なしに、加えられることが可能であるということが、当業者には明らかだろう。したがって、以下で説明する特許請求項による限定を除いては、本発明が限定されることは意図されていない。

Claims (10)

  1. パイプとパイプ継手とによって形成されているジョイントに近接した位置で前記パイプを保持するためのパイプサポートにおいて、
    前記パイプサポートは、
    支持表面に固定されるように、かつ、前記パイプの外側表面に界接するように構成されている基部を備え
    前記基部は、
    対向する2つの長手軸線方向端部と、前記対向する2つの長手軸線方向端部の間で延びている長さと、対向する第1の側縁部と第2の側縁部と、前記第1の側縁部と前記第2の側縁部の間で延びている幅とを有する、平坦なプラットホームであって、前記平坦なプラットホームを通して延びている開口を有する、平坦なプラットホームと、
    前記第1の側縁部から下方に延びておりかつ前記平坦なプラットホームの長さに沿って延びている第1のフランジと、
    前記第2の側縁部から下方に延びておりかつ前記平坦なプラットホームの長さに沿って延びている第2のフランジであって、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジは、前記平坦なプラットホームに概ね直角であり、前記支持表面に係合するように構成されている、第2のフランジとを備え、
    前記パイプサポートは、
    前記パイプを保持するように前記基部と共に働くクランプであって、前記クランプは、湾曲セグメントと、前記平坦なプラットホームに接続された第1の端部と、前記第1の端部とは反対にある自由な第2の端部と、前記自由な第2の端部にあるタブとを有し、前記タブが、前記タブを通して延びている開口を有する、クランプと、
    前記基部と前記クランプとを連結し、かつ、前記基部に対する前記クランプの開位置と閉位置の間の動きを容易化する働きをするヒンジとをさらに備え、
    前記第1のフランジ及び前記第2のフランジは、前記パイプの外側表面と前記パイプ継手の外側表面との間の距離を相殺するのに十分なだけの前記支持表面からの予め決められた距離に、前記平坦なプラットホームを位置させ、これによって、前記パイプサポートを前記支持表面に固定する時に曲げ荷重が前記ジョイントで生じることを防止し、
    前記タブの前記開口は、前記クランプが前記閉位置にある時に前記平坦なプラットホームの前記開口に整列され、単一の留め具が前記クランプを前記閉位置に保持しかつ前記パイプサポートを前記支持表面に固定することができる、パイプサポート。
  2. 前記1のフランジ及び前記第2のフランジが前記プラットホームを支持するために互いに平行に配置されている請求項に記載のパイプサポート。
  3. 前記ヒンジは、前記基部と前記クランプとの間を延びる可撓性リガメントを備え、前記パイプサポート内の撓みが実質的に前記可撓性リガメントに限定される請求項1に記載のパイプサポート。
  4. 前記可撓性リガメントは、前記クランプと前記基部との間の少なくとも90度の相対的回転を含む少なくとも10回の開閉サイクルを前記ヒンジが受けることを可能にするの十分なだけ、前記可撓性リガメント内に応力を限定するように構成されている請求項に記載のパイプサポート。
  5. 前記可撓性リガメントは、前記クランプの半径とは異なる半径を備える請求項に記載のパイプサポート。
  6. 前記ヒンジは複数の可撓性リガメントを備える請求項1に記載のパイプサポート。
  7. 前記ヒンジは分離可能な2部材型のヒンジを備え、前記クランプは前記ヒンジの組み立て時に前記基部に取り付け可能である請求項1に記載のパイプサポート。
  8. 前記2部材型のヒンジは、前記クランプの固定末端部分に形成されているT形材と、前記基部の固定末端部分に形成されているスロットとを備え、前記T形材は、前記ヒンジを組み立てするために前記スロットの中に挿入可能である請求項に記載のパイプサポート。
  9. 前記スロットはT形スロットを備える請求項に記載のパイプサポート。
  10. 前記クランプは、前記クランプの端縁が前記パイプに接触することを防止するように構成されているフレア形端縁を備え、前記フレア形端縁は、湾曲セグメントの長さに沿って延びているフランジを有する、請求項1に記載のパイプサポート。
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