JP6092744B2 - セラミック体と金属体との接合体 - Google Patents

セラミック体と金属体との接合体 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック体と金属体との接合体に関する。
例えば平板型の固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel
Cell)は、平板型の固体酸化物からなる電解質層と、この電解質層の表裏面にそれぞれ形成した空気極および燃料極とで平板型の単セルを形成し、燃料極と空気極に燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ給排気する通路を有するセパレータ(以下、インターコネクタという)と前記単セルとを交互に複数個積層して電気的に直列に接続することにより燃料電池スタック(以下、セルスタックという)を形成している。このような固体酸化物型燃料電池では、ガスの給排気のための通路(以下、マニホールドという)からインターコネクタを介して各単セルの各極に燃料ガスと酸化剤ガスを供給することにより発電を行なっている。この固体酸化物型燃料電池は、他の燃料電池に比べて発電効率が高く、また作動温度が高い(700℃〜1000℃)ため高温の熱を利用することができるという利点を有している。
固体酸化物型燃料電池の出力電圧を高めるためには、各セル間の密着度を高めて接続部分での電力の伝達損失を低減する必要がある。また、各単セルに対して燃料ガスと酸化剤ガスの給排気を行なうためのマニホールドもガス漏れしないようにする必要がある。また、マニホールドは、高温において強い酸化性ガス(酸化剤側ガス)もしくは強い還元性ガス(燃料側ガス)に晒されても変性したり劣化しないこと、さらには加工性や経済性に優れた材料で構成されていることが要求される。
このような観点からインターコネクタと同様に、マニホールドを金属製のガス通路形成部材によって製作することが望ましいが、実際にマニホールドの構成部材の全てを金属製のガス通路形成部材で製作するとセルがマニホールドを介して短絡し、発電ができなくなる。そこで、絶縁材製のガス通路形成部材をマニホールドの中に設けることにより、セル間の短絡を防止する方法が採られている。このため、固体酸化物型燃料電池のセルスタックにガスを給排気するためのマニホールド等には、絶縁性を有する筒状のセラミック体と、このセラミック体の一方端部が挿入された開口端部を有する筒状の金属体とを有する、セラミック体と金属体との接合体が用いられている。
筒状の金属体と筒状のセラミック体とを交互に複数段積層してマニホールドを形成したマニホールドにおいては、金属体とセラミック体の熱膨張係数が異なる。すなわち、マニホールド全体が一様に昇温した場合に、セラミック体と金属体との熱膨張の差が異なる。例えば固体酸化物型燃料電池のように作動温度が高い(700℃〜1000℃)装置では、このようなセラミック体と金属体との熱膨張の差が大きくなる。例えば上述の固体酸化物型燃料電池では、この熱膨張差にともなう、セラミック体と金属体との接合部分でのガス漏れが課題となっている。例えば下記特許文献1には、セラミック体と金属体との接合強度を高くすることで、このようなガス漏れを抑制するために、筒状の金属体と筒状のセラミック体とをロウ付けによって接合して構成されたマニホールドの例が記載されている。特許文献1にはロウ材として、例えば活性金属を数%含んだ銀ロウ、ニッケルロウ、金ロウ、パラジウムロウ等が例示されている。
特開2007−53043号公報
上述のように、固体酸化物型燃料電池は例えば700℃〜900℃の高温領域で使用されるが、ここまでの高温領域では特許文献1に記載の各ロウ材は劣化してロウ材自体の機械強度が低下して、セラミック体と金属体との接合強度が弱まってしまう。このような高温領域では、セラミック体と金属体の熱膨張の差も大きいので、接合強度が弱まったロウ材ではセラミック体と金属体との接合が維持できない。このため、特許文献1記載の方法では、セラミック体と金属体との接合部分に隙間が生じてこの隙間からガスが漏出してしまうといった課題を十分に解決することができなかった。本発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明は、柱状のセラミック体と、該セラミック体の端部が挿入された開口端部を有する筒状の金属体と、該金属体の開口端部の外周面上に位置するセラミックからなる補強部材とを備え、前記セラミック体の端部と、前記金属体の開口端部とは第1の接合層を介して接合されており、前記金属体の開口端部の外周面と、前記補強部材の内周面とは第2の接合層を介して接合されていることを特徴とするセラミック体と金属体との接合体を提供する。
本発明のセラミック体と金属体との接合体は、例えば800℃以上の比較的高い温度雰囲気下に配置した場合であっても、接合強度を比較的高く保つことができる。
(a)および(b)は、本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態の概略図であり、(a)は部分斜視図、(b)は(a)に示す一部分の拡大断面図である。 図1に示す接合体の概略断面図であって、(a)は第1の接合層を含む一部分を拡大して示す図であり、(b)は(a)に示す一部分をさらに拡大して示している。 (a)は、図1に示す接合体の第1の接合層に対応する断面を、走査型電子顕微鏡で観察して得られた写真(断面SEM写真)であり、(b)は当該断面におけるAgの分布状態、(c)は当該断面におけるCuの分布状態、(d)は当該断面におけるTiの分布状態、(e)は当該断面におけるCrの分布状態、(f)は当該断面におけるNiの分布状態をそれぞれ示している。
以下、本発明のセラミック体と金属体との接合体について詳細に説明する。図1(a)および(b)は、本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態である接合体10の概略図であり、(a)は部分斜視図、(b)は図1(a)に示す一部分の拡大断面図である。
本実施形態の接合体10は、柱状のセラミック体12と、セラミック体12の端部12Aが挿入された開口端部14Aを有する筒状の金属体14と、金属体14の開口端部14Aの外周面14α上に位置するセラミックからなる補強部材16とを備え、セラミック体12の端部12Aと、金属体14の開口端部14Aとは第1の接合層22を介して接合されており、金属体14の開口端部14Aの外周面14αと、補強部材16の内周面16βとは第2の接合層24を介して接合されている。
セラミック体12および補強部材16は、例えばアルミナ(Al)を主成分とす
る。アルミナは比較的安価で耐熱性も高いセラミックスであり、例えば焼成炉や単結晶製造装置炉の炉壁など、1000℃以上の高温環境下で使用する部材の材料としてもよく利用されている。セラミック体12は貫通孔13を有する筒状体であり、補強部材16も貫通孔15を有する筒状体である。本明細書において柱状体とは、長さ方向に直交する断面形状が長さ方向に沿って略同一な形状全般のことをいう。本実施形態のセラミック体12および補強部材16は例えばAlを主成分とし、長さ方向に沿った貫通孔を有するいわゆる筒状(本明細書における柱形状に含まれる形状)の部材であるが、本発明のセラミック体の材質や形状については特に限定されない。
金属体14は、例えばNi−Cr−Fe合金を主成分とするものを用いればよい。より具体的には金属体14は、Niを76%、Crを16%、Feを8%含む合金(いわゆるインコネル)を主成分とする筒状の部材である。この合金(インコネル)は耐熱性が高く例えば900℃以上の高温でも酸化し難いことが知られている。またセラミック体12は、アルミナを主成分とするセラミックスである。
接合体10は、例えば固体酸化物型燃料電池のセルスタックにガスを給排気するためのマニホールドや、ディーゼルエンジン内に配置されるセンサの電極部材などのように、使用状態において全体の最高温度が700℃〜1000℃程度まで昇温する部分に用いられる部材である。
接合体10は、金属体14の開口端部14Aの外周面14α上に位置する補強部材16を備えているので、接合体10が例えば700℃〜1000℃程度の高温環境下に配置された場合も、セラミック体12と金属体14との接合部分に隙間が生じ難い。例えば700℃〜1000℃程度の高温環境下では、セラミック体12の熱膨張の程度と、金属体14の熱膨張の程度との差が大きくなるので、金属体14の開口端部14Aの内周面14βが、セラミック体12の端部12Aの外周面12αから離れるように膨張が進行する。このように本実施形態の接合体10では、金属体14よりも熱膨張係数が小さい補強部材16が金属体14の開口端部14Aの熱膨張を抑え込む。このため、金属体14の開口端部14Aの内周面14βは、セラミック体12の端部12Aの外周面14αから離れ難く、セラミック体12と金属体14との接合部分に隙間が生じ難い。また、セラミック体12の端部12Aと金属体14の開口端部14Aとが第1の接合層22を介して接合され、さらに金属体14の開口端部14Aの外周面14αと補強部材16の内周面16βとは第2の接合層24を介して接合されており、例えばネジ締め等の機械的な締結のみの場合と比べ、セラミック体12と金属体14とは強固に接合されているので、この点でもセラミック体12と金属体14とは隙間が生じ難くなっている。
また、接合体10では、側面透視において、第2の接合層24が、第1の接合層22の少なくとも一部と重なるように位置している。すなわち、セラミック体12の端部12Aと金属体14の開口端部14Aとを接合する第1の接合層22に対応する部分について、特に熱膨張を抑制するように補強部材16の内周面16βが配置され、かつその内周面16βが第2の接合層24を介して開口端部14Aの熱膨張を直接押さえこむことができるので、セラミック体12と金属体14との隙間は、より生じ難くなっている。
補強部材16の内周面16βは、金属体14の外周面14αに平行な第1領域32と、第1領域32に連なる、金属体14の外周面14αに対して傾斜した第2領域34とを有し、第2の接合層24は第1領域32と第2領域34とに被着している。第2領域34を有し、この第2領域34まで被着するように第2の接合層24が設けられているので、第2の接合層24の端部に集中してかかる、第2の接合層24と補強部材16との熱膨張差に起因する応力が、この第2領域34に沿って濡れ上がるように形成されたメニスカス部分36において分散される。これにより、接合体10を高温環境下に配置した場合であっ
ても、第2の接合層24の変形や剥がれ、および補強部材16や金属体14の変形や破壊がより確実に抑制されている。
また、接合体10では、セラミック体12が段差部11を備え、第1の接合層22は、セラミック体12の端部12Aの外周面12αからこの段差部11の側面11Bまで被着されている。より具体的には、この側面11Bと、金属体14の開口端部14Aの端面14Bとの間隙にまで、第2の接合層22が充填されている。これにより、セラミック体12と金属体14とが高強度に接合され、セラミック体12と金属体14との隙間が、より生じ難くなっている。
図2は、接合体10の概略断面図であって、(a)は第1の接合層22を含む一部分を拡大して示す図であり、(b)は図1(a)に示す一部分をさらに拡大して示している。なお、本実施形態の接合体10では、第1の接合層22と第2の接合層24とは同様の構成を有している。以下、第1の接合層22を例に説明するが、第2の接合層24も、以下の説明および図2に示すセラミック体12を補強部材16に置き換えた構成と同様の構成を有している。
また、図3(a)は、第1の接合層22に対応する断面を、走査型電子顕微鏡で観察して得られた写真(断面SEM写真)である。また、図3(b)は、図3(a)に示す断面SEM写真を取得する際に測定した、当該断面におけるAgの分布状態を示す図(EPMA象:Electron Probe Micro Analyzer象)である。また、
図3(c)は当該断面におけるCuの分布状態を示す図であり、図3(d)は当該断面におけるTiの分布状態を示す図であり、図3(e)は当該断面におけるCrの分布状態を示す図であり、図3(f)は当該断面におけるNiの分布状態を示す図である。走査型電子顕微鏡は、例えば日立製S−800を用い、加速電圧15kVで撮影した。
接合体10の第1の接合層22内には、セラミック体12に接する、Tiを主成分とする第1チタン層42と、第1チタン層42よりも金属体14に近い側に配置された、Agを主成分としてCuを含む第1中間層52と、第1中間層52よりも金属体14に近い側に配置され、かつ第1チタン層52と離れて配置された、Tiを主成分とする第2チタン層44とを有し、さらに、第2チタン層44よりも金属体14に近い側に少なくとも配置されて第2チタン層44に接する、NiとCrとを含むニッケル−クロム層46とを有する。なお、第1の接合層22は複数の層が積層されてもいいし、単層であってもよい。Agを主成分とする場合には、第1の接合層22全体でAgを50質量%以上であればよい。第1の接合層22における元素の含有割合や分布は、例えば公知のEDS(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)装置等を用いて測定することができる。例えば日本電子製EDZ分析装置JED−2300を用い、加速電圧15kVの条件で分析すればよい。本実施形態の第1の接合層22は、例えばAgを88.6質量%、Cuを8.6%、Tiを5質量%、Crを1.25質量%、Niを5質量%含んでいる。接合層におけるAgとCuとTiとCrとNiの含有割合は、例えばAgが60〜94.8質量%、Cuが1〜5質量%、Tiが1〜10質量%、Crが0.2〜5質量%、Niが3〜10質量%程度であれば好ましい。
第1チタン層42は、接合に寄与する活性金属であるTiが拡散してセラミック体12の側に集中することで形成された層であり、Alを主成分とするセラミック体12と高い強度で接合している。第1の接合層22は、セラミック体12と高い強度で接合されたこの第1チタン層42を有することで、本来は金属との濡れ性が低いセラミック体12の表面に比較的高強度に接合されている。第1中間層52は、第1チタン層42と第2チタン層44との間に配置されており、AgとCuとの共晶が含まれている。第1中間層52は、Tiを主成分とする第1チタン層42と、同じくTiを主成分とする第2チタン層44と高い強度で接合している。第2チタン層44は、活性金属であるTiのうちセラミック体12の側に拡散しなかった(セラミック体12との直接的な接合に寄与しなかった)分が集まって形成された層である。
Tiは比較的酸化し易く、かつ酸化することで脆くなり易い。第1の接合層22の形成過程で第1の接合層22に取り込まれた酸素がこの第2チタン層44に触れた場合は、第2チタン層44が酸化してこの第2チタン層44が脆くなってしまう。本実施形態の接合体10では、第2チタン層44に接するNiとCrとを含むニッケル−クロム層46が、第2チタン層44と酸素分子との接触を抑制するので、第2チタン層44が酸化し難く、接合体10を比較的高温雰囲気化に配置した場合であっても第2チタン層44が脆くなり難い。図2に示す実施形態ではニッケル−クロム層46は、第2チタン層44よりも金属体14に近い側のみに配置されているが、第2チタン層44よりもセラミック体12に近い側にももう一層配置されて、第2チタン層44を挟むように配置されていてもよい。ニッケル−クロム層46が第2チタン層44を挟むように配置されている場合は、第2チタン層44の酸化をより抑制することができる。また、ニッケル−クロム層46はCuを含んでおり、Cuを含有する第1中間層52との接合強度が高い。
また第1の接合層22はさらに、第2チタン層44と金属体14との間に配置された、Agを主成分としてCuを含む第2中間層54を有している。Agを主成分としてCuを含む第2中間層54は、第2チタン層44との接合強度が高く、また金属体14との接合強度も高い。また、NiとCrとを含むニッケル−クロム層46が第2チタン層44と酸素分子との接触を抑制しているので、高温雰囲気下に配置した場合でも、第2チタン層44の酸化が抑えられ、第2チタン層44自体が脆くなることが抑制されている。
以上、第1の接合層22を例に説明したが、第2の接合層44を構成する各層もそれぞれ接する隣り合った層との接合強度が高い。接合体10では、セラミック体12と金属体14とが第1の接合層22を介して比較的強固に結合しており、加えて、金属体14と補強部材16とが第2の接合層24を介して比較的強固に結合している。このような接合体10は、例えば800℃よりも高い高温雰囲気下に配置した場合であっても、セラミック体12と金属体14と補強部材16との接合強度を比較的高く保つことができる。
本実施形態の接合体10は、例えば以下に示す方法で製造することができる。まず、例えばAlを主成分とするセラミック体12を準備し、Agを主成分とし、Cu、TiさらにCrが含有された粉末と、焼成助剤とが混合されたペーストを、セラミック体12の端部12Aの外周面12αから段差部11の側面11Bにかけて塗布する。
具体的には、例えば、Agの粉末とCuの粉末とTiの粉末とCrの粉末を所定量計量し、エチルセルロースなどのバインダーをテルピネオールなどの有機溶剤で溶解したビヒクルと上記粉体をミキサーで混合し、ペーストを作成する。次に、このペーストをセラミック体12の外周面12αからこの段差部11の側面11Bにかけて塗布する。AgとCuとTiとCrの各粉末は、例えばAgが88質量%、Cuが5質量%、Tiが5質量%、Crが2質量%となるよう混合したものを用いればよい。AgとCuとTiとCrの各粉末は、例えばAgが70〜97.8質量%、Cuが1〜5質量%、Tiが1〜10質量%、Crが0.2〜5質量%程度であれば好ましい。
一般的ないわゆるAg−Cu−Tiメタライズに用いるペーストのAgとCuとTiの比率は、例えばAgが70質量%、Cuが20質量%、Tiが10%程度である。本実施形態では、一般的なAg−Cu−Tiメタライズに用いるペーストに対して、さらにCrを添加したものを用いている。また、一般的なAg−Cu−Tiメタライズに用いるペーストに対して、Cuの含有割合を比較的小さくしている。
次に、塗布したペーストを焼成してセラミック体12の外周面12αの表面に、Agを主成分とし、Cu、TiさらにCrが含有された金属膜を形成する。より具体的には、約1.0×10−5Paの真空雰囲気で、約1100℃で15分熱処理を行って金属膜64を形成する。金属膜64ではAgとCuとが共晶を形成している。Cuの融点は約1080℃であり、通常のAg−Cu−Tiメタライズ層を形成する際に1100℃まで昇温させて熱処理を行うと、溶融したCuが磁器中に拡散し易い。本実施形態では、AgとCuとTiに加えて、さらにCrを含有させており、このCrの作用によってCuの拡散が抑制されている。Crの作用に関しては明らかではないが、従来のAg−Cu−Tiメタライズ層で主に形成されていた共晶点が800℃程度であるAg−Cu共晶のみでなく、Ag−Cu−CrまたはAg−Cu−Cr−Tiといった高融点の液相が形成されることで、Cuの拡散が抑制されていると推測することができる。
次に、形成した金属膜の表面にNiを主成分とするニッケルメッキ層を形成する。ニッケルメッキ層は、例えば電界Niメッキなど従来公知の手法を用いて厚み1〜3μm程度に形成すればよい。
また、例えばAlを主成分とする補強部材16を準備し、この補強部材16の内周面16βにも、上述の工程と同様の工程によって、Agを主成分とし、Cu、TiさらにCrが含有された金属膜を形成し、その上にニッケルメッキ層を形成しておく。
次に、セラミック体12の上記ニッケルメッキ層の表面に、金属を主成分とするロウ材を配置した状態で、金属体14を配置する。具体的には、例えば厚さ0.6mmの、Agを主成分とするAgロウ材68をニッケルメッキ層上に配置し、このロウ材68を内周面14βで押さえこむように金属体14を配置する。Agロウ材68は、例えばAgを95質量%を含むとともにCuを5質量%含むものを使用すればよい。同様に、補強部材16の上記ニッケルメッキ層の表面に金属を主成分とするロウ材を配置した状態で、貫通孔15にセラミック体12および金属体14を挿通し、補強部材16の内周面16βと金属体14の外周面14αとでロウ材を挟み込むように補強部材16を配置する。
次に、この状態で全体を加熱してロウ材とニッケルメッキ層と金属膜とを溶融させ、その後に全体を降温させて固化して、第1の接合層22および第2の接合層24を形成する。具体的には、約1.0×10−5Paの真空雰囲気で、約1000℃で15分間全体を加熱した後、全体を室温まで降下させて、これら第1の接合層22および第2の接合層24を形成する。
第1の接合層22を例に説明すると、1100℃まで昇温させることで、融点が961℃であるAgを主成分としたロウ材と、同じくAgを主成分とする金属膜とが溶融して、これらロウ材と金属膜とに含まれる各成分が溶融層内で拡散するともに、ニッケルメッキ層に含まれるNi成分も溶融層内で拡散する。金属膜に含まれていたTiは、セラミック体12の側に集中することで第1チタン層42を形成するとともに、Tiのうちセラミック体12の側に拡散しなかった(セラミック体12との直接的な接合に寄与しなかった)分が、ニッケルメッキ層46の側(すなわち金属体14の側)に集中することで第2チタン層44を形成する。また、金属膜に含まれていたCrは拡散して主にNiメッキ層に含まれていたNiと反応し、NiとCrとを含むニッケル−クロム層46を形成する。金属膜に含まれていたCu成分は全体に拡散し、第1チタン層42と第2チタン層44との間に配置された、Agを主成分としてCuを含む第1中間層52と、第2チタン層44と金属体14との間に配置された、Agを主成分としてCuを含む第2中間層54が形成される。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
10 接合体
12 セラミック体
12A 端部
13 貫通孔
14 金属体
14A 開口端部
14α 外周面
16 補強部材
16β 内周面
22 第1の接合層
24 第2の接合層
32 第1領域
34 第2領域
42 第1チタン層
44 第2チタン層
46 ニッケル−クロム層
52 第1中間層
54 第2中間層
54 金属膜
56 ニッケルメッキ層

Claims (9)

  1. 柱状のセラミック体と、
    該セラミック体の端部が挿入された開口端部を有する筒状の金属体と、
    該金属体の開口端部の外周面上に位置するセラミックからなる補強部材と
    を備え、
    前記セラミック体の端部と、前記金属体の開口端部とは第1の接合層を介して接合されており、
    前記金属体の開口端部の外周面と、前記補強部材の内周面とは第2の接合層を介して接合されていることを特徴とするセラミック体と金属体との接合体。
  2. 側面透視において、前記第2の接合層が、第1の接合層の少なくとも一部と重なるように位置していることを特徴とする請求項1記載のセラミック体と金属体との接合体。
  3. 前記補強部材の前記内周面は、前記金属体の前記外周面に平行な第1領域と、前記第1領域に連なる、前記金属体の前記外周面に対して傾斜した第2領域とを有し、前記第2の接合層は前記第1領域と前記第2領域とに被着していることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック体と金属との接合体。
  4. 前記第1のメタライズ層および前記第2のメタライズ接合層の少なくともいずれか一方が、Agを主成分とし、Cu、Ti、Ni、さらにCrを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体。
  5. 前記第1の接合層および前記第2の接合層の少なくともいずれか一方が、
    前記セラミック体に接する、Tiを主成分とする第1チタン層と、
    前記第1チタン層よりも前記金属体に近い側に配置された、Agを主成分としてCuを含む第1中間層と、
    前記第1中間層よりも前記金属体に近い側に配置され、かつ前記第1チタン層と離れて配置された、Tiを主成分とする第2チタン層とを有し、
    さらに、前記第2チタン層よりも前記金属体に近い側に少なくとも配置されて前記第2チタン層に接する、NiとCrとを含むニッケル−クロム層とを有することを特徴とする請求項4記載のセラミック体と金属体との接合体。
  6. 前記ニッケル−クロム層はCuを含むことを特徴とする請求項5記載のセラミック体と金属体との接合体。
  7. 前記第2チタン層と前記金属体との間に配置された、Agを主成分としてCuを含む第2中間層を有することを特徴とする請求項5または6に記載のセラミック体と金属体との接合体。
  8. 前記セラミック体は、Alを主成分とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体。
  9. 前記金属体は、Ni−Cr−Fe合金を主成分とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体。
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