JP6091554B2 - 異常検知システム、及び、異常検知方法 - Google Patents

異常検知システム、及び、異常検知方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6091554B2
JP6091554B2 JP2015128370A JP2015128370A JP6091554B2 JP 6091554 B2 JP6091554 B2 JP 6091554B2 JP 2015128370 A JP2015128370 A JP 2015128370A JP 2015128370 A JP2015128370 A JP 2015128370A JP 6091554 B2 JP6091554 B2 JP 6091554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pair
electric wires
waveform
voltage
electric wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015128370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017009548A (ja
Inventor
利康 樋熊
利康 樋熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015128370A priority Critical patent/JP6091554B2/ja
Publication of JP2017009548A publication Critical patent/JP2017009548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091554B2 publication Critical patent/JP6091554B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Description

本発明は、電線の異常を検知する異常検知システム、及び、異常検知方法に関する。
空調機器などの設備機器は、電源線や信号線などの電線により、電源装置や他の設備機器と相互に接続される。このような電線に、断線、接触不良、短絡、酸化などの異常が発生すると、設備機器が正常に動作しなくなる恐れがある。そこで、現在、このような電線の異常を検知する種々の技術が知られている。
例えば、特許文献1には、ループ抵抗測定部と、インピーダンス測定部と、TDR(Time Domain Reflectometry)測定部と、絶縁抵抗測定部と、切替え装置部と、コントローラと、データ蓄積部と、を備える電線・ケーブル系統の異常検知装置が開示されている。特許文献1に開示された異常検知装置では、コントローラが出力する切替え動作信号に従って切替え装置部が電線・ケーブル系統と各測定部との結線を切り換え、各測定部の測定データがデータ蓄積部に蓄積保存される。特許文献1に開示された異常検知装置では、複数種類の測定が順に実行され、複数種類の測定結果に基づいて、電線・ケーブル系統の異常が検知される。
特開平6−194401号公報
しかしながら、特許文献1に開示された異常検知装置は、多くの種類の測定を実現するために複雑な構成となっており、また、実行する必要性が乏しい測定を無駄に実行することが多かった。このため、簡単な構成で効率的に電線の異常を検知する技術が望まれている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で効率的に電線の異常を検知する異常検知システム、及び、異常検知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る異常検知システムは、
一対の電線の一端間に電圧パルスを印加するパルス印加手段と、
前記電圧パルスの立ち上がり時刻を含む期間における前記一対の電線の一端間の電圧の変化を示す電圧波形を測定する波形測定手段と、
前記一対の電線の一端間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形と前記一対の電線の他端間が開放されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形とから求められる前記一対の電線のループ抵抗の理論値と、前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に前記抵抗値測定手段により測定された抵抗値に基づく前記一対の電線のループ抵抗の実測値と、の差が予め定められた閾値を超える場合、前記一対の電線の異常を検知したことを示す情報を出力する情報出力手段と、を備える。
本発明では、一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された電圧波形と一対の電線の他端間が開放されている期間に測定された電圧波形とから求められる一対の電線のループ抵抗の理論値と、一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された抵抗値に基づく一対の電線のループ抵抗の実測値と、の差が予め定められた閾値を超える場合、一対の電線の異常を検知したことを示す情報が出力される。従って、本発明によれば、簡単な構成で効率的に電線の異常を検知することができる。
本発明の実施形態に係る異常検知システムの構成図である。 本発明の実施形態に係る処理装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る異常検知システムの機能ブロック図である。 パルス発生装置が発生する電圧パルスを示す図である。 (A)は、波形測定装置により測定される短絡時波形を示す図である。(B)は、波形測定装置により測定される開放時波形を示す図である。(C)は、相関係数波形を示す図である。 本発明の実施形態に係る異常検知システムが実行する異常検知処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る異常検知システムをシールド付きケーブルに含まれる電線の異常の検知に適用する例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る異常検知システム1000について説明する。異常検知システム1000は、ケーブル500に含まれる一対の電線の異常を検知するシステムである。より詳細には、異常検知システム1000は、この一対の電線により構成される電路のループ抵抗の理論値とこの電路のループ抵抗の実測値との差に基づいて、この一対の電線に関わる断線、半断線、接触不良、短絡、酸化などの異常を検知するシステムである。
なお、ループ抵抗の実測値がループ抵抗の理論値よりも高くなるケースとして、この一対の電線に、断線、半断線、接触不良、酸化が生じた場合が考えられる。また、ループ抵抗の実測値がループ抵抗の理論値よりも低くなるケースとして、この一対の電線に、短絡、酸化が生じた場合が考えられる。本実施形態では、異常検知システム1000は、TDR(Time Domain Reflectometry)測定によりこの電路のループ抵抗の理論値を算出する。ループ抵抗の理論値は、ループ抵抗の定格値と考えることができる。
なお、本実施形態では、ケーブル500に含まれる絶縁部材560は経年劣化などにより劣化せず、絶縁部材560の比誘電率は定格値のままであるものとする。同様に、本実施形態では、絶縁部材560の比誘電率、断面形状、断面積などにより決定されるケーブル500の実効比誘電率も定格値のままであるものとする。図1に示すように、異常検知システム1000は、処理装置100と、パルス発生装置200と、波形測定装置300と、開閉切替装置400と、を備える。
異常検知システム1000は、ケーブル500に含まれる4本の電線(電線510、電線520、電線530、電線540)に対する異常検知処理を実行する。ここで、異常検知システム1000は、一対の電線(2本の電線)により構成される電路のループ抵抗や物理長の測定により電線の異常を検知する。このループ抵抗は、一対の電線の往復分の抵抗であり、この物理長は、一対の電線の片道分の物理的な長さである。異常検知システム1000は、4本の電線の中から選択される適切な2本の電線を同時にチェックする処理を、4本の電線の全てがチェックされるまで繰り返し実行する。
4本の電線の中から同時にチェックする2本の電線を選択する手法は、適宜、調整することができる。ただし、異常検知システム1000は、一対の電線により構成される電路に対してTDR測定を実行する。このため、TDR測定が適切に実行されやすい一対の電線が選択されることが好適である。本実施形態では、設備機器610と設備機器620とが電線510と電線520とを介して相互に接続され、設備機器630と設備機器640とが電線530と電線540とを介して相互に接続されるものとする。この場合、図1に示すように、設備機器610が電線510の一端と電線520の一端とに接続され、設備機器620が電線510の他端と電線520の他端とに接続され、設備機器630が電線530の一端と電線540の一端とに接続され、設備機器640が電線530の他端と電線540の他端とに接続される。
ここで、一対の電線のそれぞれに同一の設備機器が接続される場合、この設備機器の内部のキャパシタンス成分の影響により、この一対の電線間が完全に開放状態とならない。従って、このような一対の電線に対しては、TDR測定が正しく実行できない可能性が高い。そこで、同一の設備機器に接続されていない2本の電線により構成される一対の電線が選択されることが好適である。本実施形態では、電線510と電線520とに同一の設備機器(設備機器610、設備機器620)が接続され、電線530と電線540とに同一の設備機器(設備機器630、設備機器640)が接続されている。そこで、電線510と電線520との組合せ、及び、電線530と電線540との組合せは避けることが好適である。裏を返せば、電線510と電線530との組合せ、電線510と電線540との組合せ、電線520と電線530との組合せ、電線520と電線540との組合せが好適である。
本実施形態では、異常検知システム1000は、電線510と電線530との組合せにより構成される一対の電線に対して異常検知処理を実行するものとして説明する。そして、この一対の電線に対する検知結果が異常であれば、電線510と電線530とのうちの少なくとも一方の電線に異常があることが判る。また、異常検知システム1000は、電線520と電線540との組合せにより構成される一対の電線に対して異常検知処理を実行することにより、電線520と電線540とのうちの少なくとも一方の電線に異常があるか否かを判定することができる。つまり、本実施形態では、異常検知システム1000は、2回の異常検知処理により、4本の電線の中に異常な電線が存在するか否かを判定することができる。
処理装置100は、波形測定装置300から取得された情報などを処理して、一対の電線の異常を検知する装置である。処理装置100は、パルス発生装置200や波形測定装置300と通信する機能を有する。具体的には、処理装置100は、パルス発生装置200に電圧パルスを発生させる。また、処理装置100は、波形測定装置300に電圧波形を取得させ、波形測定装置300から電圧波形を示す情報(以下「波形情報」という)を取得する。処理装置100は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。以下、図2を参照して、処理装置100の構成について説明する。
図2に示すように、処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、フラッシュメモリ14、RTC(Real Time Clock)15、タッチスクリーン16、計測器インターフェース17、電気通信網インターフェース18を備える。処理装置100が備える各構成要素は、バスを介して相互に接続される。
CPU11は、処理装置100の全体の動作を制御する。なお、CPU11は、ROM12に格納されているプログラムに従って動作し、RAM13をワークエリアとして使用する。ROM12には、処理装置100の全体の動作を制御するためのプログラムやデータが記憶される。RAM13は、CPU11のワークエリアとして機能する。つまり、CPU11は、RAM13にプログラムやデータを一時的に書き込み、これらのプログラムやデータを適宜参照する。
フラッシュメモリ14は、各種の情報を記憶する不揮発性メモリである。例えば、フラッシュメモリ14には、タッチスクリーン16に対する操作により取得された情報、計測器インターフェース17により取得された情報、電気通信網インターフェース18により取得された情報などが記憶される。RTC15は、計時用のデバイスである。RTC15は、例えば、電池を内蔵し、処理装置100の電源がオフの間も計時を継続する。RTC15は、例えば、水晶発振子を備える発振回路を備える。
タッチスクリーン16は、ユーザによりなされたタッチ操作を検知し、検知の結果を示す信号をCPU11に供給する。また、タッチスクリーン16は、CPU11などから供給された画像信号に基づく画像を表示する。このように、タッチスクリーン16は、処理装置100のユーザインターフェースとして機能する。なお、処理装置100は、タッチスクリーン16に代えて、液晶ディスプレイ、マウス、キーボードなどを備えていてもよい。
計測器インターフェース17は、処理装置100を、パルス発生装置200、波形測定装置300などと接続するためのインターフェースである。計測器インターフェース17は、CPU11による指示に従って、パルス発生装置200を制御する。また、計測器インターフェース17は、波形測定装置300から取得した波形情報を、CPU11、RAM13、フラッシュメモリ14などに供給する。計測器インターフェース17は、例えば、LAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394などのインターフェースを備える。
電気通信網インターフェース18は、処理装置100を、図示しない電気通信網に接続するためのインターフェースである。この電気通信網は、LANであってもよいし、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であってもよい。電気通信網インターフェース18は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのLANインターフェースを備える。なお、CPU11は、電気通信網インターフェース18を介して、電気通信網に接続されたサーバが記憶する情報をダウンロードしたり、各種の情報をサーバにアップロードしたりする。
パルス発生装置200は、処理装置100による指示に従って、TDR測定のための電圧パルスを発生する。TDR測定は、立ち上がりの速い電圧パルスを2端子試料に印加して、試料に加わる電圧の時間的変化から、試料の内部構造を把握する測定手法である。本実施形態では、試料は、電線510と電線530とから構成される電路を含む回路である。パルス発生装置200は、電線510の一端に接続された出力端子と電線530の一端に接続された出力端子とを備える。つまり、パルス発生装置200は、電線510の一端と電線530の一端との間に電圧パルスを印加する。パルス発生装置200は、処理装置100と通信する機能を有する。
波形測定装置300は、電線510の一端と電線530の一端との間の電圧の時間的な変化を示す電圧波形を測定する。具体的には、波形測定装置300は、電線510の一端と電線530の一端との間の電圧を、電気信号がケーブル500を往復するのに要する時間に対して十分に短いサンプリング周期(例えば、数nsec程度)でサンプリングする。波形測定装置300は、エッジトリガ機能を有し、エッジトリガが発生した時刻を含む期間(以下「波形測定期間」という。)における電圧波形を測定する。エッジトリガは、電線510の一端と電線530の一端との間の電圧が予め定められた閾値を超えたときに発生する。
波形測定期間は、予め定められた時間長の期間であり、波形測定期間の先頭時刻は、エッジトリガが発生した時刻よりも予め定められた時間だけ前の時刻である。波形測定期間は、電圧パルスが電線510と電線530とにより構成される電路を往復する時間(以下「パルス往復時間」とする。)の予測値よりも長い時間に設定される。波形測定装置300は、測定した電圧波形を示す波形情報を処理装置100に送信する。
また、波形測定装置300は、電線510の他端と電線530の他端とが短絡されている状態において、電線510の一端と電線530の一端との間の抵抗値を測定する。つまり、波形測定装置300は、電線510と電線530とから構成される電路(ループ)の抵抗値を測定する。波形測定装置300は、測定した抵抗値を示す抵抗値情報を処理装置100に送信する。波形測定装置300は、処理装置100と通信する機能を有する。波形測定装置300は、例えば、オシロスコープやデジタルマルチメータである。
開閉切替装置400は、2つの出力端子間を、予め定められた周期(例えば、数sec程度)で、短絡状態と開放状態との間で切り替える。開閉切替装置400は、制御回路410と、リレー420と、を備える。制御回路410は、予め定められた周期が経過する毎に、リレー420の状態を切り替える。制御回路410は、例えば、RTCを備える。リレー420は、制御回路410の指示に従って、短絡・開放状態が切り替わる。リレー420の一端は、開閉切替装置400が備える一方の出力端子に接続され、リレー420の他端は、開閉切替装置400が備える他方の出力端子に接続される。そして、開閉切替装置400が備える一方の出力端子は電線510の他端に接続され、開閉切替装置400が備える他方の出力端子は電線530の他端に接続される。
ケーブル500は、異常検知処理の対象となる一対の電線を含むケーブルである。ケーブル500は、例えば、ビル等の設備に敷設され、電力の供給や電気信号の送信に用いられるケーブルである。一対の電線に対する異常検知処理は、ケーブル500が設備に敷設された状態で実行される。ケーブル500は、電線510と電線520と電線530と電線540と絶縁部材560とを備え、電線510と電線520と電線530と電線540とが絶縁部材560により被覆されて構成される4芯ケーブルである。
電線510と電線520と電線530と電線540とのそれぞれは、電力や電気信号を送信するための芯線であり、例えば、銅により構成される。電線510と電線520と電線530と電線540とのそれぞれは、絶縁部材560により被覆され、他の電線や外部空間から絶縁される。
絶縁部材560は、電線510と電線520と電線530と電線540とを被覆する絶縁体である。絶縁部材560は、例えば、塩化ビニール樹脂などにより構成される。本実施形態では、絶縁部材560は、経年劣化などにより劣化せず、絶縁部材560の比誘電率は定格値(例えば、新品時における比誘電率)を維持するものとする。絶縁部材560の比誘電率の定格値は、例えば、3.0程度である。
ケーブル500の実効比誘電率は、絶縁部材560の比誘電率とケーブル500の断面の形状とに依存する。ここで、ケーブル500の断面の形状が不変であり、絶縁部材560の比誘電率が不変であるものとすると、ケーブル500の実効比誘電率も不変となる。なお、絶縁部材560は、電線510、電線520、電線530、電線540などに流れる電流に起因する電界が発生している全ての空間を満たさない。このため、ケーブル500の実効比誘電率は、絶縁部材560の比誘電率よりも小さくなる。例えば、絶縁部材560の比誘電率が3.0であるとすると、ケーブル500の実効比誘電率は1.5〜1.7程度である。
本実施形態では、処理装置100は、電気通信網インターフェース18を介して、図示しないサーバなどから、ケーブル情報を取得するものとする。ケーブル情報は、例えば、ケーブルの型番と、ケーブルの実効比誘電率(定格値)と、ケーブルに含まれる電線の抵抗率と、ケーブルに含まれる電線の断面積と、を相互に対応付ける情報である。ケーブル情報は、適宜、フラッシュメモリ14などに記憶される。
設備機器610、設備機器620、設備機器630、設備機器640は、工場などに設置される空調機器などの機器である。本実施形態では、設備機器610と設備機器630とが室内機であり、設備機器620が設備機器610に対応する室外機であり、設備機器640が設備機器630に対応する室外機であるものとする。
次に、図3を参照して、異常検知システム1000の機能について説明する。異常検知システム1000は、機能的には、パルス印加部101、波形測定部102、抵抗値測定部103、情報出力部104、物理長算出部105、理論値算出部106、実測値決定部107、開閉部108を備える。
パルス印加部101は、一対の電線の一端間に電圧パルスを印加する。具体的には、パルス印加部101は、電線510の他端と電線530の他端との間が短絡されている期間(以下「短絡期間」という。)と、電線510の他端と電線530の他端との間が開放されている期間(以下「開放期間」という。)と、の双方の期間において、電線510の一端と電線530の一端との間に電圧パルスを印加する。パルス印加部101の機能は、例えば、パルス発生装置200の機能により実現される。
波形測定部102は、電圧パルスの立ち上がり時刻を含む期間(波形測定期間)における一対の電線の一端間の電圧の変化を示す電圧波形を測定する。具体的には、波形測定部102は、波形測定期間における電線510の一端と電線530の一端との間の電圧の変化を示す電圧波形を測定する。波形測定部102の機能は、例えば、波形測定装置300の機能により実現される。
抵抗値測定部103は、一対の電線の一端間の抵抗値を測定する。具体的には、抵抗値測定部103は、短絡期間と開放期間との双方の期間において、電線510の一端と電線530の一端との間の抵抗値を測定する。なお、抵抗値測定部103により測定された抵抗値は、予め定められた閾値よりも低い場合に短絡期間において測定された抵抗値とみなされ、予め定められた閾値よりも高い場合に開放期間において測定された抵抗値とみなされる。抵抗値測定部103の機能は、例えば、波形測定装置300の機能により実現される。
情報出力部104は、一対の電線のループ抵抗の理論値と一対の電線のループ抵抗の実測値との差が予め定められた閾値を超える場合、一対の電線の異常を検知したことを示す情報を出力する。一対の電線のループ抵抗の理論値は、一対の電線の他端間が短絡されている期間に波形測定部102により測定された電圧波形と一対の電線の他端間が開放されている期間に波形測定部102により測定された電圧波形とから求められる。一対の電線のループ抵抗の実測値は、一対の電線の他端間が短絡されている期間に抵抗値測定部103により測定された抵抗値に基づく値である。例えば、情報出力部104は、一対の電線の異常を検知したことを報知する画像を表示したり、一対の電線の異常を検知したことを示す情報をフラッシュメモリ14に出力したりする。情報出力部104の機能は、例えば、CPU11とタッチスクリーン16とが協働することにより実現される。
物理長算出部105は、短絡時波形と開放時波形とに基づいて、一対の電線の物理長を算出する。短絡時波形は、一対の電線の他端間が短絡されている期間(短絡期間)に波形測定部102により測定された電圧波形である。開放時波形は、一対の電線の他端間が開放されている期間(開放期間)に波形測定部102により測定された電圧波形である。物理長算出部105は、例えば、Lp=Tc×c÷(2×√εes)という式(以下「式(1)」という。)を用いて、一対の電線の物理長を算出する。ここで、Lpは一対の電線の物理長(m)であり、Tcはパルス往復時間(sec)であり、cは真空中における光の速さ(m/sec)であり、εesはケーブル500の実効比誘電率である。なお、Tcは、短絡時波形から抽出される比較用波形と開放時波形から抽出される比較用波形との相関係数に基づいて求められるが、詳細は後述する。物理長算出部105の機能は、例えば、CPU11がROM12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
理論値算出部106は、物理長算出部105により算出された物理長と一対の電線の単位物理長当たりの抵抗値の定格値とに基づいて、一対の電線のループ抵抗の理論値を算出する。一対の電線の単位物理長当たりの抵抗値の定格値は、一対の電線の抵抗率と一対の電線の断面積とから算出される。本実施形態では、4本の電線の抵抗率は同一であり、4本の電線の断面積も同一であるものとする。理論値算出部106は、例えば、Rloop=2×Lp×ρ÷Aという式(以下「式(2)」という。)を用いて、一対の電線のループ抵抗の理論値を算出する。ここで、Rloopはループ抵抗の理論値(Ω)であり、ρは電線の電気抵抗率(Ω・m)であり、Aは電線の断面積(m)である。理論値算出部106の機能は、例えば、CPU11がROM12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
実測値決定部107は、抵抗値測定部103による複数回の測定により得られた複数の抵抗値のうち予め定められた閾値以下の抵抗値に基づいて、一対の電線のループ抵抗の実測値を決定する。つまり、実測値決定部107は、開放期間において抵抗値測定部103により測定された抵抗値に基づいて、一対の電線のループ抵抗の実測値を決定する。例えば、実測値決定部107は、開放期間において抵抗値測定部103により測定された抵抗値の平均値や中央値を、一対の電線のループ抵抗の実測値として決定する。実測値決定部107の機能は、例えば、CPU11がROM12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
開閉部108は、予め定められた時間が経過する毎に一対の電線の他端間の短絡/開放状態を切り換える。具体的には、開閉部108は、短絡期間において電線510の他端と電線530の他端とを短絡させ、短絡期間と重複しない開放期間において電線520の他端と電線540の他端とを開放させる。短絡期間や開放期間の長さは、電圧パルスの幅に対して十分に長いことが望ましい。開閉部108の機能は、例えば、開閉切替装置400の機能により実現される。
次に、図4を参照して、パルス発生装置200が発生する電圧パルスについて説明する。図4に示すように、パルス発生装置200が発生する電圧パルスは、電圧がV1であり、幅がT1のパルスである。V1は、例えば、5Vである。また、T1は、パルス往復時間(電気信号がケーブル500を往復するのに要する時間)よりも十分に長い時間である。T1は、例えば、数msec程度の時間である。また、図4における枠Fr1は、波形測定期間を示している。T2は、波形測定期間の時間長を示し、枠Fr1の幅に対応する時間である。T2は、T1よりも短く、パルス往復時間よりも長い。
次に、図5を参照して、波形測定装置300が測定する電圧波形などについて説明する。パルス発生装置200が電圧パルスを印加する端子と、波形測定装置300が電圧波形を測定する端子とは、同じ端子(電線510の一端及び電線530の一端)である。しかしながら、この端子で測定される電圧は、この端子に印加された電圧に、電線510の他端(電線530の他端)において反射された電圧が重畳された電圧となる。このため、波形測定装置300が測定する電圧波形は、パルス発生装置200が発生した電圧パルスの波形とは、完全には一致しない。
より詳細には、特性インピーダンスが低下する箇所で負の反射が生じ、特性インピーダンスが上昇する箇所で正の反射が生じる。つまり、電線510の他端と電線530の他端とが短絡されている場合、電線510の他端(電線530の他端)において負の反射が生じる。一方、電線510の他端と電線530の他端とが開放されている場合、電線510の他端(電線530の他端)において正の反射が生じる。
図5(A)は、開閉切替装置400が短絡状態であるときに測定される短絡時波形を示す図である。図5(A)に示すように、短絡時波形は、t10からt11まで電圧が0Vであり、t11において電圧がV11に上昇し、t12において負の反射の影響により電圧がV12低下する波形である。V11は、基本的に、電圧パルスの電圧であるV1とほぼ等しく、5V程度の電圧である。V12は、基本的に、V11よりも小さい。図5(A)において、t10は波形測定期間の先頭の時刻であり、t11はエッジトリガが発生した時刻(パルス電圧が立ち上がった時刻)であり、t12は電線510の他端(電線530の他端)において生じた負の反射が電線510の一端(電線530の一端)に到達した時刻であり、t13は波形測定期間の末尾の時刻である。t11からt12までの時間がパルス往復時間である。また、t10からt13までの時間は、波形測定期間の時間長であるT2に等しい。
図5(B)は、開閉切替装置400が開放状態であるときに測定される開放時波形を示す図である。図5(B)に示すように、開放時波形は、t20からt21まで電圧が0Vであり、t21において電圧がV21に上昇し、t22において正の反射の影響により電圧がV22上昇する波形である。V21は、基本的に、電圧パルスの電圧であるV1とほぼ等しく、5V程度の電圧である。V22は、基本的に、V21よりも小さい。図5(B)において、t20は波形測定期間の先頭の時刻であり、t21はエッジトリガが発生した時刻(パルス電圧の立ち上がり時刻)であり、t22は電線510の他端(電線530の他端)において生じた正の反射が電線510の一端(電線530の一端)に到達した時刻であり、t23は波形測定期間の末尾の時刻である。t21からt22までの時間がパルス往復時間である。また、t20からt23までの時間は、波形測定期間の時間長であるT2に等しい。
ここで、パルス往復時間は、短絡時波形と開放時波形とのいずれか一方の電圧波形から求めることもできるが、短絡時波形と開放時波形との両方の電圧波形から求める方が正確に求めることが可能となる。例えば、短絡時波形と開放時波形との時間軸を合わせた場合、パルス電圧の立ち上がり時刻から電圧の変化の極性が短絡時波形と開放時波形とで逆となる時刻(以下「極性不一致時刻」とする。)までの時間を、パルス往復時間とすることが好適である。この場合、例えば、短絡時波形の時間軸と開放時波形の時間軸とを合わせ、短絡時波形と開放時波形とのそれぞれから相対的に同一の期間における部分波形(以下「比較用波形」とする。)を抽出する。そして、比較用波形を抽出する期間を後方にずらしながら短絡時波形から抽出した比較用波形と開放時波形から抽出した比較用波形との相関係数を求めていき、この相関係数が負の値となる抽出位置に対応する時刻を極性不一致時刻とすることができる。なお、比較用波形の時間長であるT3は、短絡時波形や開放時波形の時間長であるT2よりも短い。図5(A)や図5(B)において、枠Fr2は、比較用波形を抽出する領域を示している。
図5(C)は、相関係数波形を示す図である。相関係数波形は、比較用波形の抽出位置に対応する時刻と、短絡時波形から抽出した比較用波形と開放時波形から抽出した比較用波形との相関係数と、の関係を示す波形である。図5(C)に示すように、相関係数波形は、t30からt32まで相関係数が1であり、t32において相関係数が−1になる波形である。図5(C)において、t30は波形測定期間の先頭の時刻であり、t31はエッジトリガが発生した時刻(パルス電圧の立ち上がり時刻)であり、t32は電線510の他端(電線530の他端)において生じた反射が電線510の一端(電線530の一端)に到達した時刻である。そして、t31からt32までの時間であるT31をパルス往復時間とみなすことで、物理長の算出精度が高まる。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、異常検知システム1000が実行する異常検知処理について説明する。なお、CPU11は、ユーザから異常検知処理の開始指示を受け付けた後に、異常検知処理を開始する。一方、ユーザは、図1に示すように、パルス発生装置200と波形測定装置300と開閉切替装置400とをケーブル500に接続し、処理装置100とパルス発生装置200と波形測定装置300と開閉切替装置400との電源を投入した後に、異常検知処理の開始を指示する。本実施形態では、開閉切替装置400は、電源が投入されると、自動的に、短絡・開放状態を切り替えるものとする。
まず、CPU11は、ケーブルの型番の指定を受け付ける(ステップS101)。例えば、CPU11は、タッチスクリーン16を制御して、ケーブルの型番の入力を促す画面をユーザに提示する。そして、CPU11は、タッチスクリーン16を介して入力されたケーブルの型番を取得する。
CPU11は、ステップS101の処理を完了すると、ケーブル情報を取得する(ステップS102)。例えば、CPU11は、ステップS101において取得されたケーブルの型番に対応するケーブル情報を、電気通信網インターフェース18を介して、図示しないサーバから取得する。CPU11は、取得したケーブル情報をフラッシュメモリ14に記憶させる。
CPU11は、ステップS102の処理を完了すると、開閉切替装置400の開閉周期以上の期間に亘って抵抗値を測定する(ステップS103)。例えば、CPU11は、波形測定装置300を制御して、波形測定装置300に抵抗値の測定を開始させる。そして、CPU11は、開閉切替装置400の開閉周期以上の期間に亘って、開閉切替装置400から定期的に送信される抵抗値情報を受信してフラッシュメモリ14に記憶させる処理を継続する。
CPU11は、ステップS103の処理を完了すると、ループ抵抗の実測値を決定する(ステップS104)。例えば、CPU11は、フラッシュメモリ14に記憶された抵抗値情報により示される抵抗値のうち、短絡期間に測定された抵抗値を特定する。そして、CPU11は、特定した抵抗値の平均値又は中央値をループ抵抗の実測値として決定する。
CPU11は、ステップS104の処理を完了すると、電圧波形の測定を開始する(ステップS105)。具体的には、CPU11は、波形測定装置300を制御して、電圧波形の測定を開始させる。一方、波形測定装置300は、処理装置100による制御に従って、電圧波形の測定を開始する。以後、波形測定装置300は、電圧波形が取得される毎に、取得した電圧波形を示す波形情報を、処理装置100に送信する。
CPU11は、ステップS105の処理を完了すると、電圧パルスの出力を開始する(ステップS106)。例えば、CPU11は、パルス発生装置200を制御して、電圧パルスの出力を開始させる。一方、パルス発生装置200は、処理装置100による制御に従って、電圧パルスの出力を開始する。なお、パルス発生装置200は、定期的に、電圧パルスを出力する。
CPU11は、ステップS106の処理を完了すると、短絡時波形と開放時波形とを取得済であるか否かを判別する(ステップS107)。例えば、CPU11は、開閉切替装置400の開閉周期以上の期間に亘って、波形測定装置300から波形情報を取得した場合、短絡時波形と開放時波形とを取得済であると判別する。もしくは、CPU11は、波形測定装置300から取得した波形情報を参照して、短絡時波形と開放時波形との両方の電圧波形が取得済みであるか否かを判別してもよい。例えば、CPU11は、電圧の上昇後に電圧が下降する電圧波形を示す波形情報を取得済みである場合、短絡時波形を取得済みであると判別する。そして、CPU11は、電圧の上昇後に電圧が更に上昇する電圧波形を示す波形情報を取得済みである場合、開放時波形を取得済みであると判別する。
CPU11は、短絡時波形と開放時波形とを取得済でないと判別すると(ステップS107:NO)、ステップS107に処理を戻す。一方、CPU11は、短絡時波形と開放時波形とを取得済であると判別すると(ステップS107:YES)、電線の物理長を算出する(ステップS108)。例えば、CPU11は、上述したように、短絡時波形と開放時波形との双方に基づいて、パルス往復時間であるTcを求める。また、CPU11は、ステップS102において取得したケーブル情報を参照して、ケーブル500の実効比誘電率であるεesを特定する。そして、CPU11は、求めたTcと特定したεesとを上述した式(1)に当てはめることにより、電線510(又は、電線530)の物理長であるLpを算出する。
CPU11は、ステップS108の処理を完了すると、ループ抵抗の理論値を算出する(ステップS109)。例えば、CPU11は、ステップS102において取得したケーブル情報を参照して、電線510(又は、電線530)の電気抵抗率であるρと、電線510(又は、電線530)の断面積であるAと、を特定する。そして、CPU11は、ステップS108において算出したLpと特定したρとAとを上述した式(2)に当てはめることにより、ループ抵抗の理論値であるRloopを算出する。
CPU11は、ステップS109の処理を完了すると、ステップS104で決定したループ抵抗の実測値とステップS109で算出したループ抵抗の理論値との差が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS110)。この閾値は、例えば、ループ抵抗の理論値の数十パーセントとすることができる。
CPU11は、実測値と理論値との差が閾値以上であると判別すると(ステップS110:YES)、電線の異常が検知されたことを報知する(ステップS111)。例えば、CPU11は、タッチスクリーン16を制御して、電線の異常が検知されたことを報知する画面をタッチスクリーン16に表示させる。
一方、CPU11は、実測値と理論値との差が閾値以上でないと判別すると(ステップS110:NO)、電線の異常が検知されなかったことを報知する(ステップS112)。例えば、CPU11は、タッチスクリーン16を制御して、電線の異常が検知されなかったことを報知する画面をタッチスクリーン16に表示させる。CPU11は、ステップS111の処理又はステップS112の処理を完了すると、異常検知処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態では、一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された電圧波形と一対の電線の他端間が開放されている期間に測定された電圧波形とから求められる一対の電線のループ抵抗の理論値と、一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された抵抗値に基づく一対の電線のループ抵抗の実測値と、の差が予め定められた閾値を超える場合、一対の電線の異常を検知したことを示す情報が出力される。従って、本実施形態によれば、簡単な構成で効率的に電線の異常を検知することができる。また、本実施形態によれば、一対の電線の両端がユーザの確認が可能な場所に配置されていれば、一対の電線の中間部分がユーザの確認が困難な場所に配置されていたとしても、一対の電線に異常があるか否かが判別可能となる。
また、本実施形態では、短絡期間に測定された電圧波形と開放期間に測定された電圧波形とに基づいて一対の電線の物理長が算出され、算出された物理長と一対の電線の単位物理長当たりの抵抗値の定格値とに基づいて一対の電線のループ抵抗の理論値が算出される。従って、本実施形態によれば、電線の異常の検知の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、複数回の測定により得られた複数の抵抗値のうち予め定められた閾値以下の抵抗値に基づいて、一対の電線のループ抵抗の実測値が決定される。従って、本実施形態によれば、波形測定装置300と開閉切替装置400との同期が不要となり、システム構成を簡単にすることができる。
また、本実施形態では、予め定められた時間が経過する毎に一対の電線の他端間の短絡/開放状態が自動で切り換えられる。従って、本実施形態によれば、ユーザが一対の電線の他端間の短絡/開放状態を手動で切り換える手間をなくすことができる。
また、本実施形態では、一対の電線は、ケーブルに含まれる複数の電線のうち、同一の設備機器に接続されていない2つの電線により構成される。従って、本実施形態によれば、電線の異常の検知の精度を向上させることができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。
上記実施形態では、異常を検知する対象を、シールド線を含まないケーブルに含まれる電線を含む一対の電線とする例について説明した。本発明において、異常を検知する対象を、シールド線を含むケーブルに含まれる電線を含む一対の電線としてもよい。以下、図7を参照して、異常検知システム1000をシールド付きケーブルに含まれる電線の異常の検知に適用する例について説明する。
図7に示すように、ケーブル501は、電線510と電線520とシールド線550と絶縁部材560と絶縁部材570とを備える2芯ケーブルである。電線510と電線520とのそれぞれは、電力や電気信号を送信するための芯線であり、例えば、銅により構成される。電線510と電線520とのそれぞれは、絶縁部材560により被覆され、他の電線やシールド線550から絶縁され、シールド線550により遮蔽される。シールド線550は、電線510と電線520とを遮蔽する。シールド線550は、絶縁部材560と絶縁部材570とにより挟まれる。絶縁部材560は、電線510と電線520とを被覆する絶縁体である。絶縁部材570は、シールド線550を被覆する絶縁体である。絶縁部材560と絶縁部材570とのそれぞれは、例えば、塩化ビニール樹脂などにより構成される。
ここで、シールド線550は、いずれの設備機器にも接続されない。このため、異常を検知する対象の一対の電線に、シールド線550を含めることが好適である。このように、一対の電線にシールド線550を含める場合、一対の電線が同一の設備機器に接続されることがなくなり、ループ抵抗の理論値の精度の低下を抑制可能となる。
図7は、電線510の一端とシールド線550の一端とに、パルス発生装置200と波形測定装置300とのそれぞれを接続し、電線510の他端とシールド線550の他端とに、開閉切替装置400を接続する例を示している。かかる構成によれば、図6に示す異常検知処理により、電線510の異常、若しくは、シールド線550の異常を精度よく検知することができる。同様に、異常を検知する対象の一対の電線を、電線520とシールド線550とにより構成することで、電線520の異常、若しくは、シールド線550の異常を精度よく検知することができる。
なお、シールド線550は、電線510や電線520と同様に、電気抵抗率や断面積が把握される必要がある。従って、この場合、ケーブル情報に、シールド線の電気抵抗率や断面積を示す情報を含めることが好適である。
上記実施形態では、パルス発生装置200による電圧パルスの発生タイミングと、波形測定装置300による電圧波形の測定タイミングと、開閉切替装置400による開閉状態の切替タイミングとが、同期していない例について説明した。本発明において、これらのタイミングを同期させてもよい。この場合、例えば、処理装置100は、まず、リレー420が短絡状態になるように開閉切替装置400を制御し、次に、短絡波形を測定するように波形測定装置300を制御し、その後、電圧パルスを発生するようにパルス発生装置200を制御する。そして、処理装置100は、リレー420が開放状態になるように開閉切替装置400を制御し、次に、開放波形を測定するように波形測定装置300を制御し、その後、電圧パルスを発生するようにパルス発生装置200を制御する。
上記実施形態では、ケーブル情報が、タッチスクリーン16を介して取得される例について説明した。本発明において、ケーブル情報は、図示しない電気通信網に接続された図示しない端末装置などから取得されてもよい。
本発明に係る処理装置100の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る処理装置100として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、電線の異常を検知する異常検知システムに適用可能である。
11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 フラッシュメモリ、15 RTC、16 タッチスクリーン、17 計測器インターフェース、18 電気通信網インターフェース、100 処理装置、101 パルス印加部、102 波形測定部、103 抵抗値測定部、104 情報出力部、105 物理長算出部、106 理論値算出部、107 実測値決定部、108 開閉部、200 パルス発生装置、300 波形測定装置、400 開閉切替装置、410 制御回路、420 リレー、500,501 ケーブル、510,520,530,540 電線、550 シールド線、560,570 絶縁部材、610,620,630,640 設備機器、1000 異常検知システム

Claims (7)

  1. 一対の電線の一端間に電圧パルスを印加するパルス印加手段と、
    前記電圧パルスの立ち上がり時刻を含む期間における前記一対の電線の一端間の電圧の変化を示す電圧波形を測定する波形測定手段と、
    前記一対の電線の一端間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
    前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形と前記一対の電線の他端間が開放されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形とから求められる前記一対の電線のループ抵抗の理論値と、前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に前記抵抗値測定手段により測定された抵抗値に基づく前記一対の電線のループ抵抗の実測値と、の差が予め定められた閾値を超える場合、前記一対の電線の異常を検知したことを示す情報を出力する情報出力手段と、を備える、
    異常検知システム。
  2. 前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形と前記一対の電線の他端間が開放されている期間に前記波形測定手段により測定された電圧波形とに基づいて、前記一対の電線の物理長を算出する物理長算出手段と、
    前記物理長算出手段により算出された物理長と前記一対の電線の単位物理長当たりの抵抗値の定格値とに基づいて、前記一対の電線のループ抵抗の理論値を算出する理論値算出手段と、を更に備える、
    請求項1に記載の異常検知システム。
  3. 前記抵抗値測定手段による複数回の測定により得られた複数の抵抗値のうち予め定められた閾値以下の抵抗値に基づいて、前記一対の電線のループ抵抗の実測値を決定する実測値決定手段を更に備える、
    請求項1又は2に記載の異常検知システム。
  4. 予め定められた時間が経過する毎に前記一対の電線の他端間の短絡/開放状態を切り換える開閉手段を更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  5. 一対の電線の一端間に電圧パルスを印加し、
    前記電圧パルスの立ち上がり時刻を含む期間における前記一対の電線の一端間の電圧の変化を示す電圧波形を測定し、
    前記一対の電線の一端間の抵抗値を測定し、
    前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された電圧波形と前記一対の電線の他端間が開放されている期間に測定された電圧波形とから求められる前記一対の電線のループ抵抗の理論値と、前記一対の電線の他端間が短絡されている期間に測定された抵抗値に基づく前記一対の電線のループ抵抗の実測値と、の差が予め定められた閾値を超える場合、前記一対の電線の異常を検知したことを示す情報を出力する、
    異常検知方法。
  6. 前記一対の電線は、ケーブルに含まれる複数の電線のうち、同一の設備機器に接続されていない2本の電線により構成される、
    請求項5に記載の異常検知方法。
  7. 前記一対の電線は、シールド付きケーブルに含まれるシールド線と、前記シールド付きケーブルに含まれ前記シールド線によりシールドされた複数の電線のうちのいずれか1本の電線と、により構成される、
    請求項5に記載の異常検知方法。
JP2015128370A 2015-06-26 2015-06-26 異常検知システム、及び、異常検知方法 Active JP6091554B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015128370A JP6091554B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 異常検知システム、及び、異常検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015128370A JP6091554B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 異常検知システム、及び、異常検知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017009548A JP2017009548A (ja) 2017-01-12
JP6091554B2 true JP6091554B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=57763596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015128370A Active JP6091554B2 (ja) 2015-06-26 2015-06-26 異常検知システム、及び、異常検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6091554B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6846948B2 (ja) * 2017-03-01 2021-03-24 三菱電機株式会社 ケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法
JP7175136B2 (ja) * 2017-08-24 2022-11-18 三菱電機株式会社 配線長計測装置、及び、配線長計測方法
JP7004583B2 (ja) * 2018-01-24 2022-02-04 三菱電機株式会社 配線異常検出装置、及び、配線異常検出方法
JP7109323B2 (ja) * 2018-09-20 2022-07-29 三菱電機株式会社 劣化度推定装置、及び、劣化度推定方法
JP7123768B2 (ja) * 2018-11-28 2022-08-23 一般財団法人電力中央研究所 線路定数測定装置及び線路定数測定方法
JP7278149B2 (ja) * 2019-05-21 2023-05-19 三菱電機株式会社 電線検査システム、及び、電線検査方法
JP7270485B2 (ja) * 2019-07-01 2023-05-10 三菱電機株式会社 判定システム
CN114156985B (zh) * 2021-12-03 2022-07-22 艾科微电子(深圳)有限公司 基于充电器的检测方法、充电器和控制器

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06194401A (ja) * 1992-04-01 1994-07-15 Pentek Inc 電線・ケーブル系統の異常検知装置
JP4417762B2 (ja) * 2004-04-08 2010-02-17 日置電機株式会社 回路配線検査方法およびその装置
JP2009175092A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Denso Corp 断線検出装置
JP5191805B2 (ja) * 2008-05-30 2013-05-08 日置電機株式会社 検査装置および検査方法
JP5517906B2 (ja) * 2010-12-09 2014-06-11 三菱電機株式会社 ハーネス検査装置
JP2015007552A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 三菱電機株式会社 プリント基板の検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017009548A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6091554B2 (ja) 異常検知システム、及び、異常検知方法
EP2889630B1 (en) Wireless test measurement
JP2021148778A (ja) 非接地配電システムのための過渡状態に基づいた故障位置特定方法
CN109932592B (zh) 用于电力设备的故障确定的方法与装置
ES2908116T3 (es) Un método para identificar un evento de falla en un sector de la red de distribución de energía eléctrica
JP6272379B2 (ja) ケーブル検査装置及びケーブル検査システム
WO2016088175A1 (ja) 絶縁ケーブル残寿命推定装置
JP2015001461A (ja) 絶縁寿命推定方法および絶縁寿命推定装置
KR20110133512A (ko) 활선 케이블 절연감시장치
JP7004583B2 (ja) 配線異常検出装置、及び、配線異常検出方法
JP6226857B2 (ja) 劣化度推定システム、劣化度推定方法、及び、プログラム
EP3064955B1 (en) Apparatus and methods for field testing an electrical panel meter system
CN109919390B (zh) 预测电力设备的接触点的温升的方法与装置
JP5844015B1 (ja) 電力開閉制御装置
JP6846948B2 (ja) ケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法
CN109900387B (zh) 用于确定电力设备的报警温升阈值的方法与装置
Mulroy et al. Continuous online monitoring of PD activity in the medium voltage distribution network
JP2015161666A (ja) 漏電検出装置、漏電検出方法、及び、プログラム
KR102006186B1 (ko) 디지털 보호 계전기
JP2022153071A5 (ja)
CN107533098B (zh) 用于在外部防雷装置中安装的绝缘引下线上进行状态确定和故障定位的方法
JP6332685B2 (ja) パルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出装置及びパルス電圧を用いた電力ケーブルの水トリー劣化検出方法
JP6378585B2 (ja) 過渡電流測定方法、過渡電流測定可能な商用配電系判定方法、並びに過渡電流測定不可能な商用配電系への対策方法及びそのための装置
US20240264212A1 (en) Remote Calculation of Earth Connection Impedance
CN111077360B (zh) 一种目标电阻带电测量方法、装置及相关组件

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091554

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250