JP6846948B2 - ケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法 - Google Patents

ケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、ケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法に関する。
現在、ケーブルの一端に電圧を印加し、ケーブルの他端において発生した反射波をケーブルの一端において測定することにより、ケーブルの長さを求める技術が知られている。
例えば、特許文献1には、ケーブルの一端に印加された交流電圧とケーブルの他端で反射されてケーブルの一端に戻った交流電圧とが合成された合成交流電圧をケーブルの一端で測定し、測定結果に基づいてケーブルの長さを求めるケーブル長検出回路が開示されている。
特開平9−166406号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたケーブル長検出回路では、ケーブルの一端に電圧が印加されてから、ケーブルの他端で発生した反射波がケーブルの一端に戻るまでの時間を正確に特定することができず、ケーブルの長さを正確に計測することができなかった。このため、ケーブルの長さを正確に計測する技術が望まれている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ケーブルの長さを正確に計測するケーブル長計測装置、及び、ケーブル長計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るケーブル長計測装置は、
ケーブルに含まれる一対の電線の一端間が開放されているときに前記一対の電線の他端間に第1の電圧パルスを印加し、前記一対の電線の一端間が短絡されているときに前記一対の電線の他端間に第2の電圧パルスを印加するパルス印加手段と、
前記第1の電圧パルスの立ち上がりから予め定められた測定時間が経過するまでの前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第1の電圧波形と、前記第2の電圧パルスの立ち上がりから前記測定時間が経過するまでの前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第2の電圧波形と、を測定する波形測定手段と、
波形抽出位置を前記第1の電圧波形又は前記第2の電圧波形の先頭から予め定められたシフト量分シフトさせながら、前記第1の電圧波形から第1の部分波形を抽出するとともに、前記第2の電圧波形から第2の部分波形を抽出する波形抽出手段と、
前記第1の部分波形と前記第2の部分波形とが抽出される毎に、前記第1の部分波形と前記第2の部分波形との相関係数を算出する相関係数算出手段と、
前記相関係数算出手段により初めて負の値が算出されたときの波形抽出位置と、前記初めて算出された負の値と、前記初めて算出された負の値の直前に算出された正の値と、に対応する時間長を特定する時間長特定手段と、
前記時間長特定手段により特定された時間長から前記ケーブルの長さを算出するケーブル長算出手段と、
前記ケーブル長算出手段により算出された前記ケーブルの長さを示す情報を出力する情報出力手段と、を備える。
本発明では、第1の電圧波形と第2の電圧波形とから抽出される部分波形同士の相関係数が負の値である波形抽出位置の中で、第1の電圧波形又は第2の電圧波形の先頭に最も近い波形抽出位置に対応する長さを示す情報が、ケーブルの長さを示す情報として出力される。従って、本発明によれば、ケーブルの長さを正確に計測することができる。
本発明の実施形態に係るケーブル長計測装置の構成図 本発明の実施形態に係る処理装置の構成図 本発明の実施形態に係るケーブル長計測装置の機能ブロック図 相関係数をチェックする様子を示す図 本発明の実施形態に係るケーブル長計測装置が実行するケーブル長計測処理を示すフローチャート 図5に示す時間長特定処理を示すフローチャート 相関係数が0になるタイミングを算出する手法を説明するための図 開放時波形と短絡時波形とを示す図 開放時波形と短絡時波形とから算出された相関係数の波形を示す図 開放時波形と短絡時波形とから相関係数を算出する様子を示す図
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るケーブル長計測装置1000について説明する。ケーブル長計測装置1000は、開放時のTDR(Time Domain Reflectometry)波形(以下、適宜「開放時波形」という。)と短絡時のTDR波形(以下、適宜「短絡時波形」という。)とに基づいて、電圧パルスが一対の電線を含むケーブル400を往復するのに要した時間長を求め、求めた時間長からケーブル400の長さを求めるシステムである。
開放時波形は、一対の電線の一端間が開放されている状態で一対の電線の他端間に電圧パルスを印加したときに、一対の電線の他端間の電圧を測定することにより得られる電圧波形である。一方、短絡時波形は、一対の電線の一端間が短絡されている状態で一対の電線の他端間に電圧パルスを印加したときに、一対の電線の他端間の電圧を測定することにより得られる電圧波形である。開放状態である一対の電線の他端は自由端と考えることができ、短絡状態である一対の電線の他端は固定端と考えることができる。なお、電圧波形は、予め定められた周期でサンプリングされた電圧値を順に並べたものである。
ケーブル長計測装置1000は、開放時波形と短絡時波形とのそれぞれから比較区間に対応する部分波形を抽出し、抽出された部分波形同士の相関係数を求める。そして、ケーブル長計測装置1000は、比較区間をシフトさせながら相関係数を求める処理を繰り返し、相関係数が正から負になる前後の比較区間を特定する。そして、ケーブル長計測装置1000は、特定した前後の比較区間のTDR波形上における位置に対応する時間長から、ケーブル400の長さ(以下、適宜「ケーブル長」という。)を求める。なお、比較区間は、相関係数の算出対象となるTDR波形上の区間であり、TDR波形上における波形抽出位置に対応する区間である。
図1に示すように、ケーブル長計測装置1000は、処理装置100と、TDR計測装置200と、開閉装置300とを備える。つまり、処理装置100とTDR計測装置200と開閉装置300とが協働して、ケーブル長計測装置1000として機能する。なお、ケーブル長計測装置1000は、ケーブル長計測システムと考えることもできる。
処理装置100は、ケーブル長計測装置1000が実行する基本的な処理を実行する装置である。処理装置100は、TDR計測装置200と開閉装置300とのそれぞれと通信する。処理装置100は、開閉装置300を制御して、ケーブル400の一端の開閉状態(開放状態又は短絡状態)を制御する。そして、処理装置100は、TDR計測装置200を制御して、TDR計測装置200にTDR測定を実行させる。つまり、処理装置100は、TDR計測装置200に電圧パルスを発生させ、TDR計測装置200にTDR波形を測定させる。
処理装置100は、TDR計測装置200から取得された情報(例えば、TDR波形を示す情報)に基づいて、ケーブル長を求める。処理装置100は、求めたケーブル長を示す情報を出力する。例えば、処理装置100は、ケーブル長を示す情報を、記憶装置(例えば、フラッシュメモリ14)に記憶したり、表示装置(例えば、タッチスクリーン16)に表示したりする。処理装置100は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。以下、図2を参照して、処理装置100の構成について説明する。
図2に示すように、処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、フラッシュメモリ14、RTC(Real Time Clock)15、タッチスクリーン16、計測器インターフェース17、無線通信インターフェース18を備える。処理装置100が備える各構成要素は、バスを介して相互に接続される。
CPU11は、処理装置100の全体の動作を制御する。なお、CPU11は、ROM12に格納されているプログラムに従って動作し、RAM13をワークエリアとして使用する。ROM12には、処理装置100の全体の動作を制御するためのプログラムやデータが記憶される。RAM13は、CPU11のワークエリアとして機能する。つまり、CPU11は、RAM13にプログラムやデータを一時的に書き込み、これらのプログラムやデータを適宜参照する。
フラッシュメモリ14は、各種の情報を記憶する不揮発性メモリである。例えば、フラッシュメモリ14には、タッチスクリーン16に対する操作により取得された情報、計測器インターフェース17により取得された情報、無線通信インターフェース18により取得された情報などが記憶される。RTC15は、計時用のデバイスである。RTC15は、例えば、電池を内蔵し、処理装置100の電源がオフの間も計時を継続する。RTC15は、例えば、水晶発振子を備える発振回路を備える。
タッチスクリーン16は、ユーザによりなされたタッチ操作を検知し、検知の結果を示す信号をCPU11に供給する。また、タッチスクリーン16は、CPU11から供給された画像信号に基づく画像を表示する。このように、タッチスクリーン16は、処理装置100のユーザインターフェースとして機能する。なお、処理装置100は、タッチスクリーン16に代えて、液晶ディスプレイ、マウス、キーボードなどを備えていてもよい。
計測器インターフェース17は、処理装置100を、TDR計測装置200と接続するためのインターフェースである。計測器インターフェース17は、CPU11による指示に従って、TDR計測装置200を制御する。また、計測器インターフェース17は、TDR計測装置200から取得した情報を、CPU11、RAM13、フラッシュメモリ14などに供給する。本実施形態では、計測器インターフェース17は、USB(Universal Serial Bus)用のインターフェースである。計測器インターフェース17は、LAN(Local Area Network)用のインターフェース、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394用のインターフェースであってもよい。
無線通信インターフェース18は、処理装置100を、開閉装置300と接続するためのインターフェースである。無線通信インターフェース18は、CPU11による指示に従って、開閉装置300を制御する。本実施形態では、無線通信インターフェース18は、Bluetooth(登録商標)用のインターフェースである。無線通信インターフェース18は、Wi−Fi用のインターフェース、無線LAN用のインターフェースであってもよい。
TDR計測装置200は、処理装置100による制御に従って、TDR測定を実行する装置である。また、TDR計測装置200は、TDR測定により得られたTDR波形を示す情報を、処理装置100に供給する。TDR測定は、立ち上がりの速い電圧パルスを2端子試料に印加して、試料に加わる電圧の時間的変化から、試料の内部構造を把握する測定手法である。本実施形態では、試料は、一対の電線を含むケーブル400である。なお、本実施形態では、ケーブル400を分布定数回路とみなして、TDR測定を実行する。TDR計測装置200は、通信インターフェース210と、信号発生器220と、波形測定器230と、プローブ240とを備える。
通信インターフェース210は、TDR計測装置200を、処理装置100と接続するためのインターフェースである。通信インターフェース210は、処理装置100と信号発生器220との通信を中継し、処理装置100と波形測定器230との通信を中継する。通信インターフェース210は、例えば、USBハブである。
信号発生器220は、通信インターフェース210を介した処理装置100による制御に従って、TDR測定のための電圧パルスを発生する。信号発生器220は、発生した電圧パルスを、プローブ240を介して、ケーブル400が備える一対の電線の他端間に印加する。信号発生器220は、プローブ240を介して電線410の一端に接続される信号端子(図示せず)と、プローブ240を介して電線420の一端に接続される接地端子(図示せず)とを備える。信号発生器220は、USBケーブル(図示せず)により、通信インターフェース210と接続される。信号発生器220は、例えば、DDS(Direct Digital Synthesis)信号発生器である。
波形測定器230は、通信インターフェース210を介した処理装置100による制御に従って、電線410の他端と電線420の他端との間の電圧の時間的な変化を示すTDR波形を測定する。波形測定器230は、プローブ240を介して電線410の一端に接続される信号端子(図示せず)と、プローブ240を介して電線420の一端に接続される接地端子(図示せず)とを備える。波形測定器230は、プローブ240を介して、電線410の他端と電線420の他端との間の電圧を、電圧パルス(電気信号)がケーブル400を往復するのに要する時間(以下、適宜、「ケーブル往復時間」とする。)の予測値に対して十分に短いサンプリング周期(例えば、数nsec程度)でサンプリングする。
波形測定器230は、エッジトリガ機能を有し、エッジトリガが発生した時刻から予め定められた測定時間が経過する時刻までの期間(以下、適宜、「波形測定期間」という。)における電圧波形を測定する。エッジトリガは、電線410の他端と電線420の他端との間の電圧が予め定められた閾値を超えたときに発生する。波形測定期間は、ケーブル往復時間の予測値よりも長い時間に設定される。波形測定器230は、通信インターフェース210を介して、TDR測定により得られたTDR波形を示す情報を、処理装置100に供給する。波形測定器230は、例えば、オシロスコープやデジタルマルチメータである。
プローブ240は、信号発生器220の信号端子と電線410の他端とを接続し、信号発生器220の接地端子と電線420の他端とを接続する。また、プローブ240は、波形測定器230の信号端子と電線410の他端とを接続し、波形測定器230の接地端子と電線420の他端とを接続する。プローブ240の特性インピーダンスは、信号発生器220の出力インピーダンスと波形測定器230の入力インピーダンスとケーブル400の特性インピーダンスとに整合する。つまり、TDR計測装置200とケーブル400との間では、インピーダンス整合がとれているものとする。プローブ240は、プローブ回路と考えてもよい。
開閉装置300は、処理装置100による制御に従って、リレー330が備える2つの接点(図示せず)間の開放・短絡状態を、開放状態と短絡状態との間で切り替える。開閉装置300は、通信インターフェース310と、制御回路320と、リレー330とを備える。通信インターフェース310は、開閉装置300を、処理装置100と接続するためのインターフェースである。制御回路320は、通信インターフェース310を介した処理装置100による制御に従って、リレー330の状態を切り替える。リレー330は、制御回路320による制御に従って、2つの接点間の開放・短絡状態を切り替える。一方の接点は、電線410の一端に接続され、他方の接点は、電線420の一端に接続される。
ケーブル400は、ケーブル長の計測対象であるケーブルであり、電線410と電線420とにより構成される一対の電線を備える。本実施形態では、ケーブル400の長さは、電線410の長さ及び電線420の長さと等しいものとする。電線410と電線420との間隔は均一であり、ケーブル400の長さは、電線410と電線420との間の距離に対して十分に長く、ケーブル400は、分布定数回路と見做されるものとする。電線410と電線420とは、銅、アルミ、銀などの金属により構成される芯線である。
ケーブル400は、例えば、ビルや工場の設備に敷設され、電力の供給や電気信号の送信に用いられるケーブルである。ケーブル長計測処理は、ケーブル400が設備に敷設された状態で実行される。ケーブル400は、電線410を被覆する絶縁部材(図示せず)、電線420を被覆する絶縁部材(図示せず)、電線410と電線420とを外部空間から遮蔽するシールド線(図示せず)を備えていてもよい。本実施形態では、ケーブル400は、導体径が1.2mmである2芯のCPEVケーブルであり、途中に継ぎ目はなく、100mの長さを有するものとする。
次に、図3を参照して、ケーブル長計測装置1000の機能について説明する。ケーブル長計測装置1000は、機能的には、開閉部101、パルス印加部102、波形測定部103、波形抽出部104、相関係数算出部105、時間長特定部106、ケーブル長算出部107、情報出力部108を備える。
開閉部101は、ケーブル400が備える一対の電線の一端間の開放・短絡状態を切り替える。つまり、開閉部101は、電線410の一端と電線420の一端との間の開放・短絡状態を切り替える。開閉部101の機能は、例えば、CPU11と制御回路320とリレー330とが協働することにより実現される。
パルス印加部102は、ケーブル400に含まれる一対の電線の一端間が開放されているときに一対の電線の他端間に第1の電圧パルスを印加する。つまり、パルス印加部102は、電線410の一端と電線420の一端とが開放されているときに、電線410の他端と電線420の他端との間に、第1の電圧パルスを印加する。また、パルス印加部102は、ケーブル400に含まれる一対の電線の一端間が短絡されているときに一対の電線の他端間に第2の電圧パルスを印加する。つまり、パルス印加部102は、電線410の一端と電線420の一端とが短絡されているときに、電線410の他端と電線420の他端との間に、第2の電圧パルスを印加する。第1の電圧パルスと第2の電圧パルスとは、例えば、電圧値がLレベル→Hレベル→Lレベルと変化するステップ信号であり、Hレベルの期間が波形測定期間よりも長い電圧信号である。パルス印加部102の機能は、例えば、CPU11と信号発生器220とが協働することにより実現される。
波形測定部103は、第1の電圧波形と第2の電圧波形とを測定する。第1の電圧波形は、第1の電圧パルスの立ち上がりから予め定められた測定時間が経過するまでの一対の電線の他端間の電圧値を含む電圧波形である。第2の電圧波形は、第2の電圧パルスの立ち上がりから上記測定時間が経過するまでの一対の電線の他端間の電圧値を含む電圧波形である。なお、第1の電圧波形は、第1の電圧パルスの立ち上がりを含む電圧波形であってもよい。同様に、第2の電圧波形は、第2の電圧パルスの立ち上がりを含む電圧波形であってもよい。波形測定部103は、電線410の他端と電線420の他端との間の電圧を測定することにより、第1の電圧波形と第2の電圧波形とを測定する。第1の電圧波形の長さと第2の電圧波形の長さとは等しい。波形測定部103の機能は、例えば、CPU11と波形測定器230とが協働することにより実現される。
波形抽出部104は、波形抽出位置を第1の電圧波形又は第2の電圧波形の先頭から予め定められたシフト量分シフトさせながら、第1の電圧波形から第1の部分波形を抽出するとともに、第2の電圧波形から第2の部分波形を抽出する。シフト量は、例えば、何サンプリング分という形で表現される。波形抽出位置は、第1の電圧波形又は第2の電圧波形中における位置であり、予め定められた長さの部分波形を抽出する位置である。部分波形の長さは、例えば、何サンプリング分という形で表現される。波形抽出位置は、例えば、第1の電圧波形(又は、第2の電圧波形)の先頭から何サンプリング目から何サンプリング目までという形で表現される。なお、第1の電圧波形における波形抽出位置と第2の電圧波形における波形抽出位置とは同じである。波形抽出部104の機能は、例えば、CPU11の機能により実現される。
相関係数算出部105は、第1の部分波形と第2の部分波形とが抽出される毎に、第1の部分波形と第2の部分波形との相関係数を算出する。相関係数算出部105は、例えば、以下の式(1)から式(6)を用いて、相関係数を算出する。相関係数算出部105の機能は、例えば、CPU11の機能により実現される。
式(1)は、開放時波形の波高値平均であるmVjを算出するための計算式である。なお、波高値は、波形を構成する電圧値である。また、Vjは開放時波形を示す。また、nは、開放時波形(又は、短絡時波形)を構成するデータの個数(サンプリング数)である。式(2)は、短絡時波形の波高値平均であるmVkを算出するための計算式である。なお、Vkは短絡時波形を示す。式(3)は、開放時波形の分散であるσ Vjを算出するための計算式である。式(4)は、短絡時波形の分散であるσ Vkを算出するための計算式である。式(5)は、開放時波形と短絡時波形との共分散であるSVjVkを算出するための計算式である。式(6)は、開放時波形と短絡時波形との相関係数であるγを算出するための計算式である。
Figure 0006846948
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時間長特定部106は、相関係数算出部105により初めて負の値が算出されたときの波形抽出位置に対応する時間長を特定する。例えば、時間長特定部106は、第1の電圧波形(又は、第2の電圧波形)の先頭から、初めて負の値が算出されたときの波形抽出位置までの長さに対応する時間長をケーブル往復時間として特定する。例えば、時間長特定部106は、初めて負の値が算出されたときの波形抽出位置と、初めて算出された負の値と、初めて算出された負の値の直前に算出された正の値と、に対応する時間長を特定する。時間長特定部106の機能は、例えば、CPU11の機能により実現される。
ケーブル長算出部107は、時間長特定部106により特定された時間長からケーブル長を算出する。ケーブル長算出部107は、例えば、Lp=Tc×c÷(2×√ε)という式(7)を用いて、ケーブル長を算出する。ここで、Lpはケーブル長(m)である。また、Tcは、ケーブル往復時間(sec)であり、時間長特定部106により特定された時間長である。cは、真空中における光の速さ(m/sec)である。また、εはケーブル400の実効比誘電率である。ケーブル長算出部107の機能は、例えば、CPU11の機能により実現される。
情報出力部108は、ケーブル長算出部107により算出されたケーブル長を示す情報を出力する。具体的には、情報出力部108は、特定の波形抽出位置に対応する長さを示す情報を、ケーブル長を示す情報として出力する。特定の波形抽出位置は、第1の部分波形と第2の部分波形との相関係数が負の値である波形抽出位置の中で、第1の電圧波形又は第2の電圧波形の先頭に最も近い波形抽出位置である。情報出力部108の機能は、例えば、CPU11とタッチスクリーン16とが協働することにより実現される。情報出力部108の機能は、CPU11とフラッシュメモリ14とが協働することにより実現されてもよい。
次に、図4を参照して、開放時波形と短絡時波形とから相関係数を求める手法について説明する。まず、開放時波形と短絡時波形とについて説明する。開放時波形は、信号発生器220により印加された第1の電圧パルスと、第1の電圧パルスがケーブル400の一端で反射することにより発生する反射波との合成波である。なお、ケーブル400の特性インピーダンスは均一であり、ケーブル400の途中では第1の電圧パルスや第2の電圧パルスの反射は発生しないものとする。ここで、ケーブル400の一端が開放されている場合、ケーブル400の一端ではインピーダンスが急激に上昇し、正の反射が生じる。従って、開放時波形のレベルは、第1の電圧パルスの立ち上がり時刻(t0)においてLレベルからHレベルとなり、ケーブル400の一端で発生した反射波がケーブル400の他端に到達した時刻(t1)からレベル変化が終了する時刻(t2)にかけてレベルが上昇し、その後、一定のレベルに落ち着く。
短絡時波形は、信号発生器220により印加された第2の電圧パルスと、第2の電圧パルスがケーブル400の一端で反射することにより発生する反射波との合成波である。ここで、ケーブル400の一端が短絡されている場合、ケーブル400の一端ではインピーダンスが急激に下降し、負の反射が生じる。従って、短絡時波形のレベルは、第2の電圧パルスの立ち上がり時刻(t0)においてLレベルからHレベルとなり、ケーブル400の一端で発生した反射波がケーブル400の他端に到達した時刻(t1)からレベル変化が終了する時刻(t2)にかけてレベルが下降し、その後、一定のレベルに落ち着く。
なお、開放時波形と短絡時波形との時間軸を合わせるため、開放時波形の先頭と短絡時波形の先頭とを合わせる。ここで、第1の電圧パルスの移動速度と第2の電圧パルスの移動速度とは等しい。従って、第1の電圧パルスがケーブル400を往復する時間と第2の電圧パルスがケーブル400を往復する時間とは等しい。そして、第1の電圧パルスがケーブル400を往復する時間に対応する時間長は、t0から、t1とt2との間の時刻(td)までの長さに対応する。t1からt2までの時間が長い場合、t1からt2までのどの当たりがtdとなるのかを特定することは重要となる。本実施形態は、開放時波形と短絡時波形とで部分的に相関係数を求めることによりtdを正確に特定する。
具体的には、開放時波形又は短絡時波形の先頭から末尾にかけて波形抽出位置を一定量ずつシフトさせながら、開放時波形から抽出された第1の部分波形と短絡時波形から抽出された第2の部分波形とで相関係数を求める。図4において、比較区間は、相関係数を求める対象の区間であり、波形抽出位置に対応する区間である。なお、本実施形態では、比較区間の末尾に対応する位置を、波形抽出位置とする。
t0からt1までの間、開放時波形と短絡時波形とのいずれにおいても、一定のレベルが維持される。従って、波形抽出位置が先頭位置(t0に対応する位置)から変化開始位置(t1に対応する位置)までの間に設定される間、相関係数はほぼ1となる。一方、t1からt2までの間、開放時波形ではレベルは上昇し、短絡時波形のレベルは下降する。つまり、t1からt2までの間、開放時波形と短絡時波形とでは、電圧の変化の極性が逆となる。なお、相関係数がほぼ1とは、相関係数が0よりも1に十分に近いこと(例えば、相関係数が0.8以上1以下であること。)を意味する。また、相関係数がほぼ1であることは、2つの波形に正の相関があることを意味する。
このため、波形抽出位置が変化開始位置(t1に対応する位置)を超えると、相関係数はほぼ−1になるまで小さくなる。そして、t2を超えると、開放時波形と短絡時波形とのいずれにおいても、一定のレベルが維持される。従って、相関係数は、ほぼ−1になった後、再び大きくなり、最終的に、ほぼ1に戻る。ここで、ケーブル長計測装置1000は、相関係数が正の値から負の値になるとき、つまり、相関係数が0になるときの波形抽出位置(tdに対応する位置)を特定し、t0からtdまでの時間長を特定する。そして、ケーブル長計測装置1000は、特定した時間長をケーブル往復時間として、ケーブル長を算出する。なお、相関係数がほぼ−1とは、相関係数が0よりも−1に十分に近いこと(例えば、相関係数が−0.8以下−1以上であること。)を意味する。また、相関係数がほぼ−1であることは、2つの波形に負の相関があることを意味する。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、ケーブル長計測装置1000が実行するケーブル長計測処理について説明する。なお、ユーザは、図1に示すように、ケーブル400の一端にリレー330を接続し、ケーブル400の他端に、プローブ240を接続した後に、ケーブル長計測処理の開始を指示する。一方、CPU11は、ユーザからケーブル長計測処理の開始指示を受け付けた後に、ケーブル長計測処理を開始する。
まず、CPU11は、TDR波形の測定を開始する(ステップS101)。例えば、CPU11は、TDR計測装置200を制御して、TDR計測装置200にTDR波形の測定を開始させる。具体的には、CPU11は、波形測定器230に立ち上がりエッジトリガを設定し、波形測定器230にTDR波形の測定を開始させる。以後、波形測定器230は、第1の電圧パルスの立ち上がりを検出したことに応答して、測定時間分の開放時波形を取得する。また、波形測定器230は、第2の電圧パルスの立ち上がりを検出したことに応答して、測定時間分の短絡時波形を取得する。
CPU11は、ステップS101の処理を完了すると、電線対の一端を開放する(ステップS102)。例えば、CPU11は、開閉装置300を制御して、リレー330が有する2つの接点間を開放状態にする。CPU11は、ステップS102の処理を完了すると、第1の電圧パルスを印加する(ステップS103)。例えば、CPU11は、TDR計測装置200を制御して、信号発生器220に、一対の電線の他端間に第1の電圧パルスを印加させる。CPU11は、ステップS103の処理を完了すると、開放時波形を取得する(ステップS104)。例えば、CPU11は、波形測定器230により測定された開放時波形を示す情報を、TDR計測装置200から取得する。
CPU11は、ステップS104の処理を完了すると、電線対の一端を短絡する(ステップS105)。例えば、CPU11は、開閉装置300を制御して、リレー330が有する2つの接点間を短絡状態にする。CPU11は、ステップS105の処理を完了すると、第2の電圧パルスを印加する(ステップS106)。例えば、CPU11は、TDR計測装置200を制御して、信号発生器220に、一対の電線の他端間に第2の電圧パルスを印加させる。CPU11は、ステップS106の処理を完了すると、短絡時波形を取得する(ステップS107)。例えば、CPU11は、波形測定器230により測定された短絡時波形を示す情報を、TDR計測装置200から取得する。
CPU11は、ステップS107の処理を完了すると、時間長特定処理を実行する(ステップS108)。時間長特定処理に関しては、図6に示すフローチャートを参照して、詳細に説明する。時間長特定処理は、第1の部分波形と第2の部分波形との相関係数が正から負になる波形抽出位置に対応する時刻(tz)を、第1の電圧パルス(又は、第2の電圧パルス)の反射波がケーブル400の他端に到達した時刻(td)と見做し、t0(t(1)と同義)からtdまでの時間長をケーブル往復時間に対応する時間長(Ta)と見做す処理である。
以下、図7から図10を参照して、時間長特定処理に関連する説明をする。図7は、相関係数が0になるタイミングを算出する手法を説明するための図である。図8は、開放時波形と短絡時波形とを示す図である。図9は、開放時波形と短絡時波形とから算出された相関係数を示す図である。図10は、開放時波形と短絡時波形とから相関係数を算出する様子を示す図である。
図7には、相関係数が正である最後の波形抽出位置(相関係数が負になる直前の波形抽出位置)に対応する時刻がt(n+14)であり、相関係数が負である最初の波形抽出位置(相関係数が正でなくなった直後の波形抽出位置)に対応する時刻がt(n+15)である様子を示している。この場合、相関係数が0となる波形抽出位置に対応する時刻(tz)は、t(n+14)とt(n+15)との間の時刻となる。ここで、波形抽出位置のシフト量が小さい場合、t(n+14)とt(n+15)とのいずれを波形抽出位置に対応する時刻(tz)と見做しても精度上の問題は生じにくい。しかしながら、波形抽出位置のシフト量が小さい場合、相関係数の演算量が増大し、処理速度が低下する。
そこで、本実施形態では、波形抽出位置のシフト量を処理装置100の処理能力に応じて適切に設定した上で、相関係数が0となる波形抽出位置に対応する時刻(tz)が、t(n+14)とt(n+15)との間のどの時刻であるのかを正確に求める手法を採用する。つまり、本実施形態では、図7に示すように、相関係数が負になる直前の正の相関係数(γ(n+14))の絶対値と、相関係数が負になった直後の負の相関係数(γ(n+15))の絶対値との比率から、tzを正確に求める。
次に、図8を参照して、波形測定器230による実測により得られた、開放時波形と短絡時波形とについて説明する。図8において、開放時波形を太線810で示し、短絡時波形を細線820で示す。開放時波形における電圧は、立ち上がり時に0Vから0.45V程度に上昇した後に徐々に低下し、立ち上がりから0.96μsが経過したときに急激に上昇する。一方、短絡時波形における電圧は、立ち上がり時に0Vから0.6V程度に上昇した後に徐々に低下し、立ち上がりから0.96μsが経過したときに急激に低下する。この場合、立ち上がりから0.96μsが経過した部分が、相関係数が正から負になる部分となる。
図9に、開放時波形から抽出された第1の部分波形と短絡時波形から抽出された第2の部分波形とから算出された相関係数を示す。図9において、相関係数を示す波形を太線910で示す。相関係数は、立ち上がりから0.96μsが経過するまではほぼ1を維持し、立ち上がりから0.96μsが経過した直後に急激にほぼ−1まで低下し、その後、しばらくしてからほぼ1まで上昇する。
次に、図10を参照して、波形抽出位置を先頭からシフトさせながら、第1の部分波形と第2の部分波形との相関係数を算出する手法について説明する。図10には、処理装置100が備える表計算ソフト上で、相関係数が算出される様子を示している。図10に示す例では、5列(AからE)×366行(1から366)の表に、相関係数に関わるデータが表示されている。A列には、開放時波形又は短絡時波形の立ち上がり時刻を基準とした時刻であって、電圧値がサンプリングされた時刻が示されている。B列には、開放時波形を構成する電圧値(サンプリング値)が示されている。C列には、開放時波形を構成する電圧値(サンプリング値)が示されている。E列には、波形抽出位置毎に算出された相関係数が示されている。
本実施形態では、比較区間の長さ(第1の部分波形の長さであり、第2の部分波形の長さ)は、16サンプリング分の長さであるものとする。比較区間の長さは、8サンプリング分の長さであってもよいし、32サンプリング分の長さであってもよい。比較区間の長さが長いと、ノイズ成分が除去されやすいが、相関係数が0となる位置の検出精度が低下する。一方、比較区間の長さが短いと、ノイズ成分が除去されにくいが、相関係数が0となる位置の検出精度が向上する。従って、比較区間の長さは、ノイズ除去と検出精度との双方の観点から調整されることが好適である。なお、本実施形態では、サンプリング周期は、0.005μsであり、開放時波形及び短絡時波形が364個の電圧値を含み、波形抽出位置のシフト量は1サンプリング分であるものとする。
最初に抽出される第1の部分波形は、B3からB18に配置された電圧値(開放時波形を構成する1番目から16番目までの電圧値)により構成される。また、最初に抽出される第2の部分波形は、C3からC18に配置された電圧値(短絡時波形を構成する1番目から16番目までの電圧値)により構成される。ここで、最初に抽出される第1の部分波形と最初に抽出される第2の部分波形との相関係数は、最初に選択された波形抽出位置(16番目の電圧値に対応する位置)における相関係数として、E18に配置される。
2番目に抽出される第1の部分波形は、B4からB19に配置された電圧値(開放時波形を構成する2番目から17番目までの電圧値)により構成される。また、2番目に抽出される第2の部分波形は、C4からC19に配置された電圧値(短絡時波形を構成する2番目から17番目までの電圧値)により構成される。ここで、2番目に抽出される第1の部分波形と2番目に抽出される第2の部分波形との相関係数は、2番目に選択された波形抽出位置(17番目の電圧値に対応する位置)における相関係数として、E19に配置される。
3番目に抽出される第1の部分波形は、B5からB20に配置された電圧値(開放時波形を構成する3番目から18番目までの電圧値)により構成される。また、3番目に抽出される第2の部分波形は、C5からC20に配置された電圧値(短絡時波形を構成する3番目から18番目までの電圧値)により構成される。ここで、3番目に抽出される第1の部分波形と3番目に抽出される第2の部分波形との相関係数は、3番目に選択された波形抽出位置(18番目の電圧値に対応する位置)における相関係数として、E20に配置される。
以後、同様にして、相関係数を求める。そして、相関係数が正から負に変化した直後の波形抽出位置と、負に変化する直前の相関係数と、負に変化した直後の相関係数とに基づいて、相関係数が0となる位置を求める。
図6の説明に戻る。時間長特定処理では、まず、CPU11は、nに0を代入する(ステップS201)。CPU11は、ステップS201の処理を完了すると、nにn+1を代入する(ステップS202)。CPU11は、ステップS202の処理を完了すると、Vj(n)からVj(n+15)とVk(n)からVk(n+15)とからγ(n+15)を算出する(ステップS203)。ここで、Vj(n)は、開放時波形を構成する電圧値のうちn番目の電圧値である。また、Vk(n)は、短絡時波形を構成する電圧値のうちn番目の電圧値である。γ(n+15)は、開放時波形又は短絡時波形の先頭からn+15番目のサンプリング位置を波形抽出位置としたときの相関係数である。CPU11は、ステップS203の処理を完了すると、γ(n+15)が0未満であるか否かを判別する(ステップS204)。
CPU11は、γ(n+15)が0未満でないと判別すると(ステップS204:NO)、ステップS202に処理を戻す。一方、CPU11は、γ(n+15)が0未満であると判別すると(ステップS204:YES)、tzを求める(ステップS205)。具体的には、tz=t(n+14)+(t(n+15)−t(n+14))×|γ(n+14)|/(|γ(n+15)|+|γ(n+14)|)を算出する。tzは、相関係数が0となる波形抽出位置に対応する時刻である。t(n)は、n番目の電圧値がサンプリングされた時刻である。CPU11は、ステップS205の処理を完了すると、tdにtzを代入する(ステップS206)。tdは、開放時波形又は短絡時波形の立ち上がり部分に対応する反射波が観測される時刻である。CPU11は、ステップS206の処理を完了すると、Tcにtd−t0を代入する(ステップS207)。なお、Tcは、ケーブル往復時間である。CPU11は、ステップS207の処理を完了すると、時間長特定処理を完了する。
CPU11は、ステップS108の時間長特定処理を完了すると、ケーブル長を算出する(ステップS109)。CPU11は、例えば、式(7)を用いて、ケーブル往復時間に対応する時間長からケーブル長を求める。CPU11は、ステップS109の処理を完了すると、ケーブル長を示す情報を表示する(ステップS110)。例えば、CPU11は、タッチスクリーン16上に、ケーブル長を明示する画面を表示する。CPU11は、ステップS110の処理を完了すると、ケーブル長計測処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態では、開放時波形と短絡時波形とから抽出される部分波形同士の相関係数が0となる波形抽出位置から求められるケーブル往復時間から、ケーブル長が算出される。従って、本実施形態によれば、ケーブル400の長さを正確に計測することができる。
ここで、本実施形態では、開放時波形と短絡時波形とに基づいて、ケーブル長が自動的且つ正確に算出される。従って、作業者が、開放時波形と短絡時波形とを目視して、ケーブル長を推定する場合に比べ、手間が減るだけでなく、精度の向上も期待できる。作業者が、オシロスコープ上に表示された波形を参照すると、作業者の主観が排除できず、精度にばらつきが生じる可能性が高いためである。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。
上記実施形態では、ケーブル長計測装置1000に開閉装置300が含まれる例について説明した。本発明において、ケーブル長計測装置1000に開閉装置300が含まれていなくてもよい。この場合、例えば、作業者が、ケーブル400に含まれる一対の電線の一端間を、開放したり、短絡したりすればよい。
上記実施形態では、波形抽出位置のシフト量が、1サンプリング分のシフト量である例について説明した。本発明において、波形抽出位置のシフト量は、2サンプリング分以上のシフト量であってもよい。
上記実施形態では、ケーブル400が電線410と電線420との2本の電線を含む例について説明した。本発明において、ケーブル400に含まれる電線の本数は3本以上であってもよい。この場合、3本以上の電線から選択された2本の電線を上述した一対の電線とみなして、上述したケーブル長計測処理を実行することができる。
上記実施形態では、開放時波形又は短絡時波形の先頭から後方に向けて波形抽出位置をシフトさせる例について説明した。本発明において、波形抽出位置をシフトさせる方向は、この例に限定されない。例えば、本発明において、開放時波形又は短絡時波形の後方から先頭に向けて波形抽出位置をシフトさせてもよい。
上記実施形態では、ケーブル長計測処理における殆どの処理が、処理装置100によって実行される例について説明した。本発明において、ケーブル長計測処理のうちの一部の処理が作業者によって実行されてもよい。例えば、作業者は、汎用的なコンピュータにインストールされた表計算ソフトを用いて、第1の部分波形や第2の部分波形を抽出する処理、第1の部分波形と第2の部分波形とから相関係数を算出する処理、波形抽出位置からケーブル長を算出する処理を実行することができる。
本発明に係る処理装置100の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る処理装置100として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、ケーブルの長さを計測するケーブル長計測装置に適用可能である。
11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 フラッシュメモリ、15 RTC、16 タッチスクリーン、17 計測器インターフェース、18 無線通信インターフェース、100 処理装置、101 開閉部、102 パルス印加部、103 波形測定部、104 波形抽出部、105 相関係数算出部、106 時間長特定部、107 ケーブル長算出部、108 情報出力部、200 TDR計測装置、210 通信インターフェース、220 信号発生器、230 波形測定器、240 プローブ、300 開閉装置、310 通信インターフェース、320 制御回路、330 リレー、400 ケーブル、410,420 電線、810,910 太線、820 細線、1000 ケーブル長計測装置

Claims (2)

  1. ケーブルに含まれる一対の電線の一端間が開放されているときに前記一対の電線の他端間に第1の電圧パルスを印加し、前記一対の電線の一端間が短絡されているときに前記一対の電線の他端間に第2の電圧パルスを印加するパルス印加手段と、
    前記第1の電圧パルスの立ち上がりから予め定められた測定時間が経過するまでの前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第1の電圧波形と、前記第2の電圧パルスの立ち上がりから前記測定時間が経過するまでの前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第2の電圧波形と、を測定する波形測定手段と、
    波形抽出位置を前記第1の電圧波形又は前記第2の電圧波形の先頭から予め定められたシフト量分シフトさせながら、前記第1の電圧波形から第1の部分波形を抽出するとともに、前記第2の電圧波形から第2の部分波形を抽出する波形抽出手段と、
    前記第1の部分波形と前記第2の部分波形とが抽出される毎に、前記第1の部分波形と前記第2の部分波形との相関係数を算出する相関係数算出手段と、
    前記相関係数算出手段により初めて負の値が算出されたときの波形抽出位置と、前記初めて算出された負の値と、前記初めて算出された負の値の直前に算出された正の値と、に対応する時間長を特定する時間長特定手段と、
    前記時間長特定手段により特定された時間長から前記ケーブルの長さを算出するケーブル長算出手段と、
    前記ケーブル長算出手段により算出された前記ケーブルの長さを示す情報を出力する情報出力手段と、を備える、
    ケーブル長計測装置。
  2. ケーブルに含まれる一対の電線の一端間が開放されているときに前記一対の電線の他端間に第1の電圧パルスを印加し、前記一対の電線の一端間が短絡されているときに前記一対の電線の他端間に第2の電圧パルスを印加し、
    前記第1の電圧パルスの立ち上がりを含む期間における前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第1の電圧波形と、前記第2の電圧パルスの立ち上がりを含む期間における前記一対の電線の他端間の電圧値を含む第2の電圧波形と、を測定し、
    波形抽出位置を予め定められたシフト量分シフトさせながら前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とから抽出される部分波形同士の相関係数を算出する処理を繰り返し、
    算出された相関係数が負の値である波形抽出位置の中で、前記第1の電圧波形又は前記第2の電圧波形の先頭に最も近い波形抽出位置である第1抽出位置と、前記波形抽出位置が前記第1抽出位置であるときに算出された相関係数と、前記波形抽出位置が前記第1抽出位置よりも前記シフト量だけ前記第1の電圧波形又は前記第2の電圧波形の先頭寄りの抽出位置であるときに算出された相関係数と、に対応する時間長を特定し、
    特定された時間長に対応する長さを示す情報を、前記ケーブルの長さを示す情報として出力する、
    ケーブル長計測方法。
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