JP6089699B2 - 調湿装置 - Google Patents
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この実施形態の調湿装置(10)は、液体吸収剤を用いて室内の調湿を行う。この調湿装置(10)は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿運転を行う。また、調湿装置(10)は、室外の空気(OA)を取り込み、この空気を供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、室内の空気(RA)を取り込み、この空気を排出空気(EA)として室外へ排出する。
−ケーシング−
本実施形態の調湿装置(10)は、図1に示すように、ケーシング(20)を備えている。ケーシング(20)は、直方体の箱状に形成されている。ケーシング(20)の一方の端面には、外気吸込口(21)と排気口(24)とが形成されている。ケーシング(20)の他方の端面には、給気口(22)と内気吸込口(23)とが形成されている。
給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)は、液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿モジュールである。これら各モジュール(40a,40b)は、図2及び図3に示すように、複数の内側部材(60)と、外側ケース(50)と、伝熱部材(46a, 46b)とを備えている。
調湿装置(10)は、図4に示すように、冷媒回路(35)を備えている。冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と、四路切換弁(37)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)と、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)とが接続された閉回路である。この冷媒回路(35)では、圧縮機(36)の吐出側が四路切換弁(37)の第1のポートに、圧縮機(36)の吸入側が四路切換弁(37)の第2のポートに、それぞれ接続される。また、この冷媒回路(35)では、四路切換弁(37)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが配置されている。冷媒回路(35)は、該冷媒回路(35)に封入された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。そして、冷媒回路(35)は、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)に対して、冷媒を熱媒体として供給する。
吸収剤回路(11)は、図4に示すように、排気側モジュール(40b)内の吸収剤通路(41)(排気側流路(41b))と、給気側モジュール(40a)内の吸収剤通路(41)(給気側流路(41a))とが接続される閉回路である。吸収剤回路(11)には、液体吸収剤として、例えば塩化リチウム水溶液が充填されている。この吸収剤回路(11)には、循環ポンプ(12)と、液タンク(13)とが接続されている。
本実施形態の調湿装置(10)は、液面センサ(14)と、液温センサ(16)と、給気湿度センサ(111)と、外気湿度センサ(112)と、制御部としてのコントローラ(100)とを備えている。
調湿装置(10)は、調湿運転として、除湿運転と加湿運転とを選択的に行う。また、調湿装置(10)は、調湿運転の停止中において、吸収剤回路(11)内の液体吸収剤が凝固することを防止する凝固防止運転を行う。
除湿運転では、コントローラ(100)により四方切換弁(37)が第1状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、除湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、排気側モジュール(40a)の伝熱部材(46b)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。また、除湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して除湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して放湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
加湿運転では、コントローラ(100)により四方切換弁(37)が第2状態に設定され、圧縮機(36)が運転される。これにより、加湿運転では、圧縮機(36)で圧縮された冷媒が、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)で放熱し、膨張弁(38)で減圧される。減圧後の冷媒は、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)で蒸発し、圧縮機(36)に吸入される。また、加湿運転では、給気ファン(27)と排気ファン(28)とが運転される。これにより、室外空気(OA)が給気通路(25)に取り込まれ、室内空気(RA)が排気通路(26)に取り込まれる。室外空気(OA)は、給気側モジュール(40a)を通過して加湿された後、室内空間へ供給空気(SA)として供給される。室内空気(RA)は、排気側モジュール(40b)を通過して吸湿された後、室外空間へ排出空気(EA)として排出される。
凝固防止運転は、液温センサ(16)で検出した液体吸収剤の温度が上記駆動温度以下となったときに開始され、液温センサ(16)で検出した液体吸収剤の温度が上記停止温度に達したときに終了する。
この実施形態によれば、調湿装置(10)の停止中において、液温センサ(14)で検出した液体吸収剤の温度が液体吸収剤の状態変化温度に達する前に、循環ポンプ(12)が運転されるので、循環ポンプ(12)のモータの発熱が液体吸収剤に付与される。これによって、液体吸収剤の温度低下が抑えられるので、調湿運転の停止中において液体吸収剤の凝固を防止することができる。その結果、調湿運転の開始時に液体吸収剤の流れが阻害されることを回避でき、正常な調湿運転を直ちに行うことが可能な状態で調湿装置(10)を待機させることができる。
上述した実施形態については、以下のような変形例の構成としてもよい。
本変形例の調湿装置(10)では、運転制御部(103)は、調湿装置(10)が凝固防止運転を行っている場合においても、前記液温センサ(16)で検出した液体吸収剤の温度が低下していることをコントローラ(100)で検知したときには、循環ポンプ(12)の回転数を多くするように当該循環ポンプ(12)の運転を制御して、該循環ポンプ(12)の発熱量を増加させる。
本変形例の調湿装置(10)について、図5を参照しながら説明する。本実施形態の調湿装置(10)では、図5に示すように、循環ポンプ(12)から吐出された液体吸収剤の流量を制御する流量制御弁(15)が、吸収剤回路(11)における循環ポンプ(12)の下流側に設けられている。この流量制御弁(15)は、液体吸収剤の流量を制限する弁であって、例えば絞り弁や流量調整弁を採用することができる。この流量制御弁(15)は、凝固防止運転を行うときに、その開度が運転制御部(103)により絞られる。運転制御部(103)は、凝固防止運転を行うときに、この流量制御弁(103)の開度を絞るように当該流量制御弁(103)の動作を制御して、循環ポンプ(12)にかかる負荷を大きくし、該循環ポンプ(12)の発熱量を増加させる。
上記実施形態では、液面センサ(14)で検出した液タンク(13)内の液面高さに基づいて液体吸収剤の濃度を検出しているが、本発明はこれに限らない。例えば、調湿装置(10)には、液面センサ(14)に代えて、給気ファン(27)の回転数を検出する回転数検出手段が設けられ、演算部(101)が、調湿運転時において、この回転数検出手段と給気湿度センサ(111)及び外気湿度センサ(112)との検出値に基づき、吸収剤回路(11)内の液体吸収剤の濃度を検出しておき、その液体吸収剤の濃度を凝固防止運転で利用するようになっていてもよい。
11 吸収剤回路
12 循環ポンプ
13 液タンク
14 液面センサ(濃度検出手段)
15 流量制御弁
16 液温センサ(温度検出手段)
100 コントローラ(制御部)
101 演算部(濃度検出手段)
Claims (4)
- 液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿運転を行う調湿装置であって、
前記液体吸収剤を循環させるための循環ポンプ(12)が設けられた吸収剤回路(11)と、
前記吸収剤回路(11)内の液体吸収剤の温度を検出する温度検出手段(16)と、
前記吸収剤回路(11)内の液体吸収剤の濃度を検出する濃度検出手段(14, 101)と、
前記濃度検出手段(14, 101)で検出した濃度に基づいて前記液体吸収剤に含まれる水分が凍結する凝固点を算出する演算部(101)を有し、該演算部(101)で算出した凝固点よりも高い温度に駆動温度を設定し、前記調湿運転の停止中において、前記温度検出手段(16)で検出した液体吸収剤の温度が前記駆動温度以下となったときに、前記循環ポンプ(12)を運転させて前記吸収剤回路(11)内に液体吸収剤を循環させる凝固防止運転を行う制御部(100)と、を備え、
前記制御部(100)は、前記凝固防止運転を行っている場合においても前記温度検出手段で検出した液体吸収剤の温度が低下しているときには、前記循環ポンプ(12)の回転数を多くして、該循環ポンプ(12)の発熱量を増加させる
ことを特徴とする調湿装置。 - 液体吸収剤を用いて空気を調湿する調湿運転を行う調湿装置であって、
前記液体吸収剤を循環させるための循環ポンプ(12)が設けられた吸収剤回路(11)と、
前記吸収剤回路(11)内の液体吸収剤の温度を検出する温度検出手段(16)と、
前記吸収剤回路(11)内の液体吸収剤の濃度を検出する濃度検出手段(14, 101)と、
前記濃度検出手段(14, 101)で検出した濃度に基づいて前記液体吸収剤に含まれる水分が凍結する凝固点を算出する演算部(101)を有し、該演算部(101)で算出した凝固点よりも高い温度に駆動温度を設定し、前記調湿運転の停止中において、前記温度検出手段(16)で検出した液体吸収剤の温度が前記駆動温度以下となったときに、前記循環ポンプ(12)を運転させて前記吸収剤回路(11)内に液体吸収剤を循環させる凝固防止運転を行う制御部(100)と、を備え、
前記吸収剤回路(11)には、前記循環ポンプ(12)から吐出された液体吸収剤の流量を制御する流量制御弁(15)が設けられ、
前記制御部(100)は、前記凝固防止運転を行うときに、前記流量制御弁(15)の開度を絞ることで、前記循環ポンプ(12)にかかる負荷を大きくし、該循環ポンプ(12)の発熱量を増加させる
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1又は2に記載された調湿装置において、
前記吸収剤回路(11)には、前記液体吸収剤を貯留する液タンク(13)が設けられ、
前記濃度検出手段(14,101)は、前記液タンク(13)における液体吸収剤の液面高さに基づいて液体吸収剤の濃度を検出する
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載された調湿装置において、
前記制御部(100)は、前記駆動温度を、前記液体吸収剤に含まれる吸収剤成分が析出する析出温度よりも高い温度に設定する
ことを特徴とする調湿装置。
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