JP6372518B2 - 調湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、調湿装置に関する。
従来より、室内空間の湿度調節を行う調湿装置が知られている。この調湿装置として、水分を吸着する吸着剤が担持された吸着熱交換器を備えた調湿装置がある。特許文献1には、この種の調湿装置が開示されている。
この調湿装置は、圧縮機、第1と第2の吸着熱交換器、膨張弁、四方切換弁が接続された冷媒回路を備え、2つの吸着熱交換器がケーシング内に収容される。調湿装置では、四方切換弁及び複数のダンパの状態が切り換わることで、第1動作と第2動作とが交互に繰り返し行われる。
例えば除湿運転の第1動作では、第1吸着熱交換器が凝縮器となり、第2吸着熱交換器が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。同時に室外空気が第2吸着熱交換器を通過し、室内空気が第1吸着熱交換器を通過する。第2吸着熱交換器では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が除湿される。除湿された空気は室内へ供給される。第1吸着熱交換器では、吸着剤から空気へ水分が放出される。水分が放出された空気は室外へ排出される。
例えば除湿運転の第2動作では、第2吸着熱交換器が凝縮器となり、第1吸着熱交換器が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。同時に室外空気が第1吸着熱交換器を通過し、室内空気が第2吸着熱交換器を通過する。第1吸着熱交換器では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が除湿される。除湿された空気は室内へ供給される。第2吸着熱交換器では、吸着剤から空気へ水分が放出される。水分が放出された空気は室外へ排出される。
また、同文献の調湿装置は、圧縮機を停止しながら室内空間を換気する換気運転(単純換気運転)が行われる。つまり、換気運転では、2つの吸着熱交換器が実質的に機能せず、空気の調湿は行われない。具体的に、換気運転では、室外空気が一方の吸着熱交換器をそのまま通過した後、室内へ供給される。同時に、室内空気が他方の吸着熱交換器をそのまま通過した後、室外へ排出される。
特開2013−36731号公報
特許文献1に開示の調湿装置の換気運転では、吸着熱交換器を空気が通過するため、冷却された冷媒が吸着熱交換器の内部で液冷媒として溜まっていく。この場合、次回の調湿運転において、蒸発器となる方の吸着熱交換器に液冷媒が溜まる可能性もある。従って、このような状態で調湿運転が実行され、圧縮機が運転されると、蒸発器側の吸着熱交換器の液冷媒が圧縮機に吸入され、液圧縮が行われてしまう。
そこで、特許文献1の調湿装置では、換気運転において、取り込んだ室外空気と室内空気のうち温度が低い方の空気を、次回の調湿運転で凝縮器となる方の吸着熱交換器に通過させるようにしている。これにより、凝縮器側の吸着熱交換器に液冷媒が溜まる一方、蒸発器側の吸着熱交換器に液冷媒が溜まることを回避できる。この結果、その後の調湿運転の開始時における液圧縮を回避できる。
ところが、換気運転において、凝縮器側の吸着熱交換器に所定量以上の液冷媒が溜まった状態で調湿運転を開始すると、圧縮機の起動に伴い冷媒回路の低圧圧力(蒸発圧力)がかなり低い圧力まで低下してしまうことがある。このようにして蒸発器側の吸着熱交換器の温度が低下すると、その表面に担持される吸着剤やバインダが凍結してしまい、これらが劣化してしまうという問題があった。
本発明は、このような点に着目しなされたものであり、その目的は、換気運転の後の調湿運転の開始時において、蒸発器側の吸着熱交換器の表面の温度が低くなりすぎることを抑制することである。
第1の発明は、調湿装置を対象とし、圧縮機(53)、吸着剤がそれぞれ担持された2つの吸着熱交換器(51,52)、膨張弁(55)が接続された冷媒回路(50)と、上記2つの吸着熱交換器(51,52)を通過する空気の流路を切り換える流路切換機構(40)と、上記圧縮機(53)が停止され且つ室外空気が一方の吸着熱交換器(51,52)を通過し且つ室内空気が他方の吸着熱交換器(51,52)を通過する換気運転と、上記圧縮機(53)が運転され且つ室外空気と室内空気の一方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過し他方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過する調湿運転とを行うように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御する制御部(80)とを備え、上記制御部(80)は、上記換気運転において、次回の調湿運転で凝縮器となる凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒を溜めるように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御するとともに、上記換気運転の後の上記調湿運転の開始時において、上記凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立していない場合、上記膨張弁(55)の初期開度を第1開度としながら上記圧縮機(53)を起動する第1起動制御を行い、上記調湿運転の開始時において、上記条件が成立している場合、上記膨張弁(55)の初期開度を上記第1開度より大きい第2開度としながら上記圧縮機(53)を起動する第2起動制御を行うことを特徴とする。
第1の発明の調湿装置では、調湿運転と換気運転とが行われる。調湿運転では、冷媒回路(50)の圧縮機(53)が運転され、一方の吸着熱交換器(51,52)が凝縮器となり他方の吸着熱交換器(51,52)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。例えば室外空気が蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過すると、この空気の水分が吸着剤に吸着される。このようにして除湿された空気は室内へ供給される。同時に室内空気が凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過すると、吸着剤の水分がこの空気へ放出され吸着剤が再生される。また、例えば室外空気が凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過すると、吸着剤の水分がこの空気へ放出される。このようにして加湿された空気は室内へ供給される。同時に室内空気が蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過すると、この空気中の水分が吸着剤に吸着される。
換気運転では、冷媒回路(50)の圧縮機(53)が停止すると同時に、室外空気が一方の吸着熱交換器(51,52)を通過し且つ室内空気が他方の吸着熱交換器(51,52)を通過する。この換気運転では、次の調湿運転において凝縮器となる方の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒を溜めるような制御が行われる。
その後の換気運転の開始時には、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立しているか否かの判定が行われる。この条件が成立しない場合、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)にもある程度の冷媒が溜まっている。従って、この状態において圧縮機(53)を起動しても、冷媒回路(50)の低圧圧力が急激に低下することがない。そこで、この場合には、膨張弁(55)の初期開度を比較的小さい第1開度とする第1起動制御が行われる。なお、この第1開度は、膨張弁(55)の開度をゼロ(即ち、全閉状態)とすることも含む意味である。膨張弁(55)の開度を比較的小さい第1開度として圧縮機(53)を起動することで、冷媒回路(50)の高低差圧がつきやすくなり、調湿運転を速やかに立ち上げることができる。この際、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)にもある程度の冷媒が溜まっているため、冷媒回路(50)に低圧圧力が急激に低下してしまうこともない。
一方、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立する場合、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)にはほとんど冷媒が残っていない。従って、圧縮機(53)の起動に伴い冷媒回路(50)の低圧圧力が急激に低下してしまう可能性がある。そこで、この条件が成立する場合、膨張弁(55)の初期開度を第1開度より大きい第2開度とする第2起動制御が行われる。こうすると、冷媒回路(50)の低圧圧力が急激に低下することがない。従って、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の表面の温度が急激に低下することを防止しつつ、調湿運転を立ち上げることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数とし、上記第2起動制御において上記圧縮機(53)の初期回転数を上記第1回転数より小さい第2回転数とすることを特徴とする。
第2の発明では、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立しない場合、膨張弁(55)の開度が比較的小さい第1開度となり、且つ圧縮機(53)の回転数は比較的大きい第1回転数となる。従って、調湿装置の運転の立ち上げ時間を更に短縮できる。
一方、上記の条件が成立する場合、膨張弁(55)の開度が第1開度より大きい第2開度となり、且つ圧縮機(53)の回転数は第1回転数より小さい第2回転数となる。従って、低圧圧力の急激な低下を抑制でき、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の表面の温度が急激に低下することを確実に防止できる。
第3の発明は、調湿装置を対象とし、圧縮機(53)、吸着剤がそれぞれ担持された2つの吸着熱交換器(51,52)、膨張弁(55)が接続された冷媒回路(50)と、該2つの吸着熱交換器(51,52)を通過する空気の流路を切り換える流路切換機構(40)と、上記圧縮機(53)が停止され且つ室外空気が一方の吸着熱交換器(51,52)を通過し且つ室内空気が他方の吸着熱交換器(51,52)を通過する換気運転と、上記圧縮機(53)が運転され且つ室外空気と室内空気の一方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過し他方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過する調湿運転とを行うように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御する制御部(80)とを備え、上記制御部(80)は、上記換気運転において、次回の調湿運転で凝縮器となる凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒を溜めるように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御するとともに、上記換気運転の後の上記調湿運転の開始時において、上記凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立していない場合、上記膨張弁(55)の初期開度を第1開度としながら上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数として起動する第1起動制御を行い、上記調湿運転の開始時において、上記条件が成立している場合、上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数より小さい第2回転数として起動する第2起動制御を行うことを特徴とする。
第3の発明では、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立しない場合、膨張弁(55)の開度が第1開度となり、且つ圧縮機(53)の回転数は比較的大きい第1回転数となる。従って、調湿装置の運転の立ち上げ時間を更に短縮できる。
一方、上記の条件が成立する場合、圧縮機(53)の回転数は第1回転数より小さい第2回転数となる。従って、低圧圧力の急激な低下を抑制でき、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の表面の温度が急激に低下することを確実に防止できる。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか1つの発明において、上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記圧縮機(53)の回転数を第1変化率で増大させ、上記第2起動制御において上記圧縮機(53)の回転数を上記第1変化率より小さい第2変化率で増大させることを特徴とする。
第4の発明では、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立しない場合、膨張弁(55)の開度が比較的小さい第1開度となり、且つ圧縮機(53)の回転数が比較的大きな第1変化率で増大する。従って、調湿装置の運転の立ち上げ時間を更に短縮できる。
一方、上記の条件が成立する場合、膨張弁(55)の開度が第1開度より大きい第2開度となり、且つ圧縮機(53)の回転数は第1変化率より小さい第2変化率で増大する。従って、低圧圧力の急激な低下を抑制でき、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の表面の温度が急激に低下すること確実に防止できる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記膨張弁(55)を上記第1開度である全閉状態とすることを特徴とする。
第5の発明では、第1起動制御において、膨張弁(55)を全閉とするため、冷媒回路(50)の高低差圧を速やかに増大でき、調湿運転の立ち上げ時間を短縮できる。
本発明によれば、調湿運転の開始時において、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に所定量の液冷媒が溜まっている条件が成立すると、膨張弁(55)の初期開度を大きくするため、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の表面の温度が急激に低下することを防止できる。この結果、吸着熱交換器(51,52)の吸着剤やバインダ等が劣化することを防止でき、調湿装置の信頼性を確保できる。
図1は、実施形態の調湿装置の概略構造を示す平面図、右側面図、及び左側面図である。 図2は、冷媒回路の構成を示す配管系統図である。 図3は、膨張弁及び空気の流通経路の状態に応じた冷媒回路を比較した図であり、冷媒の流れ及び空気の流れを示している。 図4は、実施形態の調湿装置のコントローラの構成を示すブロック図である。 図5は、除湿運転の第1動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図6は、除湿運転の第2動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図7は、加湿運転の第1動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図8は、加湿運転の第2動作中の空気の流れを示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図9は、単純換気運転中に空気の流通経路が第1経路に設定された状態を示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図10は、単純換気運転中に空気の流通経路が第2経路に設定された状態を示す調湿装置の概略の平面図、右側面図、及び左側面図である。 図11は、単純換気運転の状態遷移図である。 図12は、単純換気運転の開始時の判定条件を表した図である。 図13は、単純換気運転の判定条件を表した図である。 図14は、通常制御と凍結防止制御の状態遷移図である。 図15は、膨張弁の状態遷移図である。 図16は、調湿運転の開始時における圧縮機の回転数と時間とを、通常制御と凍結防止制御とで比較したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の調湿装置(10)は、室内空間の湿度調節と共に室内空間の換気を行うものであり、吸い込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内空間へ供給すると同時に、吸い込んだ室内空気(RA)を室外空間へ排出する。
〈調湿装置の全体構成〉
調湿装置(10)について、図1を参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細は後述する。
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。外気吸込口(24)及び排気口(21)は、それぞれダクトを介して室外空間と連通する。内気吸込口(23)および給気口(22)は、それぞれダクトを介して室内空間と連通する。
外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、ケーシング(11)の背面パネル部(13)に設けられている。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に設けられている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に設けられている。給気口(22)は、ケーシング(11)の第1側面パネル部(14)に設けられている。第1側面パネル部(14)において、給気口(22)は、ケーシング(11)の前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、ケーシング(11)の第2側面パネル部(15)に設けられている。第2側面パネル部(15)において、排気口(21)は、前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)とが設けられている。これらの仕切板(71〜73)は、何れもケーシング(11)の底板に起立した状態で設置されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行な姿勢で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は、背面パネル部(13)寄りに配置されている。下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)寄りに配置されている。中央仕切板(73)の配置については、後述する。
ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下二つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は内気吸込口(23)と連通し、外気側通路(34)は外気吸込口(24)と連通する。
内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と、内気温度センサ(91)と、内気湿度センサ(92)とが設置されている。内気温度センサ(91)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の温度を計測する。内気湿度センサ(92)は、内気側通路(32)を流れる室内空気の相対湿度を計測する。一方、外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と、外気温度センサ(93)と、外気湿度センサ(94)とが設置されている。外気温度センサ(93)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の温度を計測する。外気湿度センサ(94)は、外気側通路(34)を流れる室外空気の相対湿度を計測する。なお、図5〜図8では、内気温度センサ(91)、内気湿度センサ(92)、外気温度センサ(93)、及び外気湿度センサ(94)の図示を省略している。内気温度センサ(91)は、室内空気の温度(内気温度Tr)を検出する内気検出部を構成する。外気温度センサ(93)は、室外空気の温度(外気温度To)を検出する外気温度検出部を構成する。
ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持させたものである。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水分を吸着できる材料が用いられている。なお、本明細書の「吸着剤」には、水蒸気の吸着と吸収の両方を行う材料(いわゆる収着剤)も含まれる。
各吸着熱交換器(51,52)は、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。そして、各吸着熱交換器(51,52)は、その前面及び背面が上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と平行になる姿勢で、熱交換器室(37,38)内に起立した状態で設置されている。
ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が四つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が四つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
上述した八つのダンパ(41〜48)は、空気の流通経路を切り換える流路切換機構(40)を構成している。流路切換機構(40)は、八つのダンパ(41〜48)をそれぞれ開閉させることで、空気の流通経路を第1経路と第2経路との間で切り換える。
第1経路を形成するときには、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。この状態では、室外空気が第1吸着熱交換器(51)を通過した後、室内へ供給されると同時に、室内空気が第2吸着熱交換器(52)を通過した後、室外へ排出される。
第2経路を形成するときには、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。この状態では、室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過した後、室内へ供給されると同時に、室内空気が第1吸着熱交換器(51)を通過した後、室外へ排出される。
ケーシング(11)内において、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
〈冷媒回路の構成〉
図2に示すように、冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。また、図示しないが、冷媒回路(50)には、複数の温度センサ及び圧力センサが取り付けられている。
冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出管が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入管が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、四方切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(51)と、電動膨張弁(55)(膨張弁)と、第2吸着熱交換器(52)とが配置されている。
四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図2の実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
圧縮機(53)は、圧縮機構とそれを駆動する電動機とが一つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(53)の電動機には、インバータを介して交流が供給される。インバータの出力周波数(即ち、圧縮機(53)の運転周波数)を変更すると、電動機とそれによって駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、圧縮機(53)の運転容量が変化する。圧縮機構の回転速度を上昇させると圧縮機(53)の運転容量が増加し、圧縮機構の回転速度を低下させると圧縮機(53)の運転容量が減少する。
冷媒回路(50)には、吐出圧力センサ(61)、吸入圧力センサ(62)、吐出温度センサ(63)、及び吸入温度センサ(64)が設けられている。吐出圧力センサ(61)は、圧縮機(53)から吐出された吐出冷媒(高圧冷媒)の圧力を検出する。吸入圧力センサ(62)は、圧縮機(53)に吸入される吸入冷媒(低圧冷媒)の圧力を検出する。吐出温度センサ(63)は、圧縮機(53)から吐出される吐出冷媒の温度を検出する。吸入温度センサ(64)は、圧縮機(53)に吸入される吸入冷媒の温度を検出する。
〈コントローラの構成〉
調湿装置(10)には、制御部であるコントローラ(80)が設けられている。コントローラ(80)には、内気湿度センサ(92)、内気温度センサ(91)、外気湿度センサ(94)、及び外気温度センサ(93)の計測値が入力される。コントローラ(80)には、冷媒回路(50)に設けられた各圧力センサ(61,62)や各温度センサ(63,64)の計測値が入力される。コントローラ(80)は、入力されたこれらの計測値や信号に基づいて、調湿装置(10)の流路切換機構(40)や冷媒回路(50)を制御する。具体的には、コントローラ(80)は、各ダンパ(41〜48)、各ファン(25,26)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)、及び四方切換弁(54)を制御する。
図4に示すように、コントローラ(80)は、圧縮機制御部(81)、四方切換弁制御部(82)、膨張弁制御部(83)、ダンパ制御部(84)、及びタイマ部(85)を有している。圧縮機制御部(81)は、圧縮機(53)の起動及び停止の切換や、圧縮機(53)の回転速度を調節する制御を行う。四方切換弁制御部(82)は、四方切換弁(54)を第1状態と第2状態の間で切り換える制御を行う。膨張弁制御部(83)は、電動膨張弁(55)の開度を調節する制御を行う。ダンパ制御部(84)は、流路切換機構(40)(各ダンパ(41〜48))の開閉を切り換える制御を行う。タイマ部(85)は、詳細は後述する凍結防止制御を実行するための時間をカウントする。
−運転動作−
まず、調湿装置(10)の基本的な運転動作について説明する。調湿装置(10)は、除湿運転と、加湿運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿運転および加湿運転は、室内空間へ供給される室外空気の絶対湿度の調節を目的とした調湿運転である。つまり、除湿運転および加湿運転は、主に室内空間の潜熱負荷(除湿負荷または加湿負荷)を処理するための運転である。単純換気運転は、室内空間の換気だけを行うための運転である。
除湿運転、加湿運転、および単純換気運転のそれぞれでは、給気ファン(26)及び排気ファン(25)が作動する。そして、調湿装置(10)は、吸い込んだ室外空気(OA)を供給空気(SA)として室内空間へ供給し、吸い込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外空間へ排出する。
〈除湿運転〉
除湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれる。冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、除湿運転中の調湿装置(10)は、第1動作と第2動作を3分間ずつ交互に繰り返し行う。
図3(B)及び図5に示すように、除湿運転の第1動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。また、この第1動作中には、四方切換弁(54)が第1状態に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器として機能する。
外気側通路(34)へ流入した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。また、第2吸着熱交換器(52)では、第1空気の温度が幾分低下する。第2吸着熱交換器(52)において除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)において水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
図3(C)及び図6に示すように、除湿運転の第2動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。また、この第2動作中には、四方切換弁(54)が第2状態に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器として機能する。
外気側通路(34)へ流入した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。また、第1吸着熱交換器(51)では、第1空気の温度が幾分低下する。第1吸着熱交換器(51)において除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)において水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
〈加湿運転〉
加湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として吸い込まれ、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として吸い込まれる。また、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)が作動し、電動膨張弁(55)の開度が調節される。そして、加湿運転中の調湿装置(10)は、後述する第1動作と第2動作を3分30秒ずつで交互に繰り返し行う。
図3(A)及び図7に示すように、加湿運転の第1動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第1経路に設定する。また、この第1動作では、四方切換弁(54)が第1状態に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(52)が蒸発器として機能する。
内気側通路(32)へ流入した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)において水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。また、第1吸着熱交換器(51)では、第2空気の温度が幾分上昇する。第1吸着熱交換器(51)において加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
図3(D)及び図8に示すように、加湿運転の第2動作では、切換機構(40)が空気の流通経路を第2経路に設定する。また、この第2動作では、四方切換弁(54)が第2状態に設定される。そして、冷媒回路(50)では冷凍サイクルが行われ、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器として機能する。
内気側通路(32)へ流入した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)において水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外空間へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。また、第2吸着熱交換器(52)では、第2空気の温度が幾分上昇する。第2吸着熱交換器(52)において加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内空間へ供給される。
〈単純換気運転〉
単純換気運転は、室内空間を換気する運転である。単純換気運転中の調湿装置(10)では、冷媒回路(50)の圧縮機(53)が停止する。また、空気の流通経路が第1経路に設定されている場合、調湿装置(10)では、図9に示すように室外空気と室内空気が流れる。つまり、室外空気が第1吸着熱交換器(51)を通過後に室内空間へ供給され、室内空気が第2吸着熱交換器(52)を通過後に室外空間へ排出される。
一方、空気の流通経路が第2経路に設定されている場合、調湿装置(10)では、図10に示すように室外空気と室内空気が流れる。つまり、室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過後に室内空間へ供給され、室内空気が第1吸着熱交換器(51)を通過後に室外空間へ排出される。
単純換気運転中において、吸着熱交換器(51,52)は、そこを通過する空気との間で水分や熱の授受は行わない。従って、室外空気は、温度と絶対湿度を調節されることなく、そのままの状態で室内空間へ供給される。また、室内空気は、温度と絶対湿度を調節されることなく、そのままの状態で室外空間へ排出される。
−単純換気運転の制御動作−
単純換気運転では、その後の調湿運転において、吸着熱交換器(51,52)に溜まり込んだ冷媒が圧縮機(53)に吸入されることを防止するために、四方切換弁(54)、ダンパ(41〜48)、及び電動膨張弁(55)の制御動作が行われる。この制御動作について、図11〜図13を参照しながら説明する。
図11に示すように、単純換気運転が開始されると、まず、コントローラ(80)は、条件A、条件B、条件Cのいずれが成立するかを判定する。これらの判定は、内気温度センサ(91)で検出した内気温度Trと、外気温度センサ(93)で検出した外気温度Toとに基づいて行われる。
図12に示すように、単純換気運転が開始されると、まず、条件Bが成立するか否かの判定が行われる。内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態(図2の実線で示す状態)である場合には、条件Bが成立する。
四方切換弁(54)が第1状態であるということは、次の調湿運転の開始時において、第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となり、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となる。四方切換弁(54)は、冷媒回路(50)の高低差圧を利用して駆動されるため、単純換気運転における四方切換弁(54)の状態が、調湿運転の開始時にも維持されるからである。
一方、調湿運転の開始時において、圧縮機(53)に液冷媒が吸入されることを防止するためには、次の調湿運転で凝縮器となる方の第2吸着熱交換器(52)に液冷媒を溜める必要がある。蒸発器となる方の第1吸着熱交換器(51)に液冷媒が溜まり込むと、圧縮機(53)の起動時において、この液冷媒がほとんど蒸発せずに圧縮機(53)に吸い込まれてしまうからである。
そこで、四方切換弁(54)が第1状態であり、且つ内気温度Tr≧外気温度To+3℃以上である場合には、条件Bが成立し状態2へ遷移する。状態2では、電動膨張弁(55)が所定開度で開放されるとともに、空気の流通経路が第2経路に設定される。第2経路に設定されると、室外空気が第2吸着熱交換器(52)を通過すると同時に室内空気が該第1吸着熱交換器(51)を通過する。つまり、この状態では、次の調湿運転で凝縮器となる第2吸着熱交換器(52)を、室外空気と室内空気のうち温度が3℃以上低い室外空気が通過する。同時に、次の調湿運転で蒸発器となる第1吸着熱交換器(51)を、室外空気と室内空気のうち温度が3℃以上高い室内空気が通過する。この際、冷媒回路(50)では、電動膨張弁(55)が開状態である。従って、第1吸着熱交換器(51)や配管の内部の冷媒は、凝縮器になる第2吸着熱交換器(52)へ移動し、液冷媒の状態で第2吸着熱交換器(52)の内部に溜まり込んでいく。これにより、次の調湿運転で蒸発器となる第1吸着熱交換器(51)に液冷媒が溜まることを回避できる。
図12に示すように、内気温度Trに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態(図2の破線で示す状態)である場合にも、条件Bが成立し状態2へ遷移する。これにより、次の調湿運転で凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)を、室外空気と室内空気のうち温度が3℃以上低い室内空気が通過する。同時に、次の調湿運転で蒸発器となる第2吸着熱交換器(52)を、室外空気と室内空気のうち温度が3℃以上高い室外空気が通過する。これにより、次の調湿運転で凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)に液冷媒を溜めることができる。
条件Bが成立しない場合、条件Cが成立するか否かの判定が行われる。具体的に、室外空気と室内空気の差(絶対値)が所定温度T1(例えばT1=3℃)より小さく、内気温度Trが45℃以下であり、外気温度が45℃以下である場合、条件Cが成立し、状態3へ遷移する。
条件Cは、内気温度Trと外気温度Toとの差が比較的小さく、且つ内気温度Tr及び外気温度Toが極めて高くないときに成立する。所定温度T1は、内気温度センサ(91)及び外気温度センサ(93)の検出誤差を考慮した値である。つまり、内気温度Trと外気温度Toとの差がさほど大きくない場合、内気温度センサ(91)及び外気温度センサ(93)の検出誤差に起因して、室内空気及び室外空気の実際の温度の大小関係と、検出した内気温度Trと外気温度Toとの大小関係とが逆転する可能性がある。従って、このような状況化で状態2へ遷移すると、蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)に逆に液冷媒が溜まってしまい、かえって圧縮機(53)の液圧縮を助長させる可能性がある。
これに対し、条件Cのように、内気温度Trと外気温度Toとの差が比較的小さい場合、状態2へ遷移せず状態3へ遷移する。状態3へ遷移すると、電動膨張弁(55)が全閉となる。従って、内気温度センサ(91)や外気温度センサ(93)の検出誤差に起因して、蒸発器となる方の吸着熱交換器(51,52)に温度が低い方の空気が流れたとしても、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)が電動膨張弁(55)を通過して蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に移動してしまうことがない。従って、内気温度センサ(91)及び外気温度センサ(93)の検出誤差に起因して、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が偏ってしまうことを確実に回避できる。
調湿運転の開始時において、条件B及び条件Cが成立しない場合、条件Aが成立し、状態1へ遷移する。状態1では、電動膨張弁(55)が所定開度で開放されるとともに、空気の流通経路が第1経路に設定される。
ここで、条件Aは、内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態である場合に成立する。従って、この条件が成立するときに状態1に遷移することで、凝縮器となる第2吸着熱交換器(52)を比較的低温の室外空気が通過し、蒸発器となる第1吸着熱交換器(51)を比較的高温の室内空気が通過する。この結果、凝縮器となる第2吸着熱交換器(52)に液冷媒を溜めることができる。
条件Aは、内気温度Trに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態である場合にも成立する。従って、この条件が成立するときに状態1に遷移することで、凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)を比較的低温の室外空気が通過し、蒸発器となる第2吸着熱交換器(52)を比較的高温の室内空気が通過する。この結果、凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)に液冷媒を溜めることができる。
次いで、状態1、状態2、及び状態3のそれぞれの遷移について、図11及び図13を参照しながら詳細に説明する。上述したように、状態1では、電動膨張弁(55)が開状態となり、空気の流通経路が第1経路となる。状態2では、電動膨張弁(55)が開状態となり、空気の流通経路が第2経路となる。状態3では、電動膨張弁(55)が全閉状態となり、空気の流通経路が第1経路又は第2経路となる。
状態2において、条件Dが成立すると状態1に遷移する。条件Dは、内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態である場合に成立する。従って、この条件が成立するときに状態1に遷移することで、凝縮器となる第2吸着熱交換器(52)を比較的低温の室外空気が通過する。
また、条件Dは、内気温度Trに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態である場合にも成立する。従って、この条件が成立するときに状態1に遷移することで、凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)を比較的低温の室外空気が通過する。
状態1において、条件Eが成立すると状態2に遷移する。条件Eは、内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態である場合に成立する。従って、この条件が成立するときに状態2に遷移することで、凝縮器となる第1吸着熱交換器(51)を比較的低温の室外空気が通過する。
また、条件Eは、内気温度Trに所定温度T1(例えばT1=3℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態である場合にも成立する。従って、この条件が成立するときに状態2に遷移することで、凝縮器となる第2吸着熱交換器(52)を比較的低温の室外空気が通過する。
状態1において、条件Fが成立すると状態3に遷移する。条件Fは、内気温度Trと外気温度Toとの差(絶対値)が所定温度T1(例えばT1=3℃)より小さく、且つ内気温度Trが45℃以下であり、且つ外気温度が45℃以下である場合に成立する。即ち、このように外気温度Toと内気温度Toの差が比較的小さい条件下では、検出誤差に起因して蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が溜まり込む可能性がある。このため、このような条件下では、電動膨張弁(55)を全閉とし、液冷媒が蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)へ移動するのを防止する。
状態3において、条件Gが成立すると状態1に遷移する。条件Gは、以下の4つのいずれかにより成立する。G−1)内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T2(例えばT2=3.5℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態である。G−2)内気温度Trに所定温度T2(例えばT2=3.5℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態である。G−3)内気温度Trが所定温度T3(例えばT3=45℃)より大きい。G−4)外気温度Toが所定温度T3(例えばT3=45℃)より大きい。
上記G−1)及び上記G−2)は、内気温度Tr及び外気温度Toの温度差が、検出誤差に影響を受けない程度に大きくなったことを意味する。即ち、これらの条件が成立すると、誤って蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が溜まることがないと判断できるので、状態1へ遷移し、電動膨張弁(55)が開状態となる。ここで、条件Fにおいては、TrとToの温度差が3℃より小さい場合に状態3へ遷移するのに対し、条件G−1及び条件G−2では、この温度差が3.5℃以上になるまで、状態1へは遷移しない。つまり、本実施形態では、状態3から状態1へ遷移させるための温度差(即ち、T2)を、状態1から状態3へ遷移させるための温度差(即ち、T1)よりも大きくしている。このような、いわゆるディファレンシャルを設定することで、検出誤差に起因して蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が移動することを確実に防止している。
上記G−3)及び上記G−4)は、吸着熱交換器(51,52)を通過する空気温度が極めて高い場合に、所定のラインに溜まった冷媒の容積が増大することに起因して内圧が耐圧を越えてしまうことを回避するための条件である。具体的に、電動膨張弁(55)が閉状態であるときに、例えば外気温度Toが45℃より大きくなると、第1吸着熱交換器(51)側のラインの冷媒の温度が高くなり、この冷媒の容積が増大する。この結果、このラインの内圧が急上昇してしまう。そこで、この場合には、第1状態に遷移し、電動膨張弁(55)を開状態とする。これにより、冷媒回路(50)が均圧されるため、上記ラインの内圧の急上昇を速やかに解消できる。内気温度Trが45℃より大きくなる場合も同様である。
状態2において、条件Hが成立すると状態3に遷移する。条件Hは、内気温度Trと外気温度Toとの差(絶対値)が所定温度T1(例えばT1=3℃)より小さく、且つ内気温度Trが45℃以下であり、且つ外気温度が45℃以下である場合に成立する。即ち、TrとToとの温度差が比較的小さい場合、検出誤差に起因して蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が溜まる可能性があるため、状態3へ遷移し電動膨張弁(55)を全閉とする。
状態3において、条件Iが成立すると状態2に遷移する。条件Iは、以下の4つのいずれかにより成立する。I−1)内気温度Trが、外気温度Toに所定温度T2(例えばT2=3.5℃)を加えた値以上であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第1状態である。I−2)内気温度Trに所定温度T2(例えばT2=3.5℃)を加えた値が、外気温度To以下であり、且つ現在の四方切換弁(54)が第2状態である。I−3)内気温度Trが所定温度T3(例えばT3=45℃)より大きい。I−4)外気温度Toが所定温度T3(例えばT3=45℃)より大きい。即ち、条件Iでは、条件Gと同様、TrとToとの温度差が比較的大きい場合や、内気温度Trや外気温度Toの温度が極めて高い場合、状態2へ遷移し電動膨張弁(55)を開状態とする。
状態1や状態2においては、内気温度Trや外気温度Toが極めて高く(45℃より大きく)、且つこれらの温度差が3℃より小さい状態が1時間続くと、条件Jが成立する。つまり、この条件が成立する場合にも、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に冷媒が溜まっていく可能性がある。そこで、このような場合には、空気の流通経路を切り換えることで、一方の吸着熱交換器(51,52)に冷媒が溜まってしまうことを回避する。
状態3においては、内気温度Trと外気温度Toの温度差が3℃より小さい状態が1時間続くと、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)に冷媒が溜まっていく可能性がある。そこで、このような場合には、空気の流通経路を切り換えることで、一方の吸着熱交換器(51,52)に冷媒が溜まってしまうことを回避する。
−調湿運転の起動制御−
上記のような換気運転の後に調湿運転を実行する場合、冷媒回路(50)の蒸発圧力の急低下を防止するための起動制御が行われる。この起動制御について、図14〜図16を参照しながら詳細に説明する。
上述した換気運転が実行されると、原則としては、次の調湿運転において凝縮器となる方の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が溜まっていく。これにより、調湿運転の開始時に圧縮機(53)が起動した際、液冷媒が圧縮機(53)に直接吸入されてしまうことを回避できる。一方、このように凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まった状態で圧縮機(53)を起動すると、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の蒸発圧力(冷媒回路(50)の低圧圧力)が急低下してしまう。この結果、この吸着熱交換器(51,52)の表面の吸着剤やバインダが凍結してしまい、吸着剤が剥がれ落ちてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、このように凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が溜まっている場合には、凍結防止制御を行い、蒸発圧力の急低下を防止するようにしている。
まず調湿運転の開始時には、凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)に所定量以上の液冷媒が溜まっているか否かの判定が行われる。図14に示すように、この判定はタイマ部(85)でカウントされた時間に基づいて行われる。具体的には、換気運転の実行時に給気ファン(26)及び排気ファン(25)が運転中であり、且つ内気温度Trと外気温度Toとの差(絶対値)が所定温度(例えば10℃)以上であり、且つ外気温度Toが所定温度(例えば10℃)以下である場合に、タイマ部(85)は、カウンタを積算していく。
調湿運転の開始時において、タイマ部(85)でカウントされた積算時間が所定時間t1(例えば1時間)以上である場合、凍結防止制御(第2起動制御)のフラグが成立し、そうでない場合には通常制御(第1起動制御)のフラグが成立する。なお、凍結防止制御のフラグは、その後の調節運転等において、四方切換弁(54)の切換動作が行われることで、通常制御のフラグに変更される。
〈通常制御〉
調湿運転の開始時に通常制御が実行されると、圧縮機(53)が起動するとともに、電動膨張弁(55)が全閉状態となる。従って、通常制御では、冷媒回路(50)の高低差圧が比較的早く大きくなっていく。通常制御は、上述のようにタイマ部(85)でカウントされた積算時間が1時間未満であり、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に多くの液冷媒が溜まっていない。このため、電動膨張弁(55)を全閉状態としながら圧縮機(53)を起動しても、冷媒回路(50)の蒸発圧力が急低下することがない。この結果、通常制御では、吸着熱交換器(51,52)の吸着剤やバインダの凍結を防止しつつ、調湿運転を速やかに定常状態まで立ち上げることができる。
通常制御が実行された後、次のいずれか1つの条件が成立すると、電動膨張弁(55)が所定開度に開放される。a−1:蒸発圧力Peが所定値(例えば5.0kg/cm)より低く、且つ通常制御が実行されてから10秒経過した。a−2:蒸発圧力Peが所定値(例えば2.0kg/cm)より低い。a−3:凝縮圧力Pcが所定値(例えば30kg/cm)より大きい。a−4:通常制御を開始してから30秒経過した。
電動膨張弁(55)が開放された後、次の全ての条件が成立すると、電動膨張弁(55)が再び全閉状態となる。b−1:吸入過熱度(SH)が5℃より小さい。b−2:吐出過熱度が5℃より小さい。b−3:凝縮圧力Pcが所定値(例えば28kg/cm)より小さい。b−4:蒸発圧力Peが所定値(例えば5.0kg/cm)以上である。b−5:通常制御を開始してから30秒が経過した。
また、通常制御では、図16に示すように、圧縮機(53)の初期の回転数がR2(第2回転数)に設定される。この回転数R2は、圧縮機(53)の最低起動回転数R1(第1回転数)よりも大きい値である。また、通常制御では、圧縮機(53)の回転数が2ステップ(ΔS2)ずつ増大していく。つまり、通常制御では、圧縮機(53)の回転数が第2変化率で増大していく。
このように、通常制御では、圧縮機(53)の回転数が比較的早く増大していく。通常制御は、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が多く溜まっていないときに実行されるため、このように圧縮機(53)の回転数を早く増大させたとしても、冷媒回路(50)の蒸発圧力が急低下することがない。このため、通常制御では、吸着熱交換器(51,52)の吸着剤やバインダの凍結を防止しつつ、調湿運転を速やかに定常状態まで立ち上げることができる。
〈凍結防止制御〉
図15に示すように、凍結防止制御のフラグが成立している場合、調湿運転の開始とともに電動膨張弁(55)が所定開度(例えば72パルス)で開いた状態となる。つまり、調湿運転が開始されると圧縮機(53)が起動するが、このタイミングに併せて電動膨張弁(55)が所定の開度に調節される。
電動膨張弁(55)の開度が所定の固定開度になった状態において、次の条件が成立すると、電動膨張弁(55)の開度が吸入過熱度(SH)に基づいて制御される。この条件は、図15に示すように次の条件に基づいて判定される。条件c−1:吐出過熱度(DSHi)が10℃より大きい。条件c−2:吸入過熱度(SH)が10℃より大きい。条件c−3:凍結防止制御を開始してから10秒経過した。条件c−4:蒸発圧力Paが所定値(例えば5.0kg/cm)以上に変化した。条件c−5:凍結防止制御を開始してから30秒経過した。条件c−6:凝縮圧力Pc−蒸発圧力Peが所定値(例えば5.0kg/cm)である。条件c−7:吸入過熱度(SH)が5℃以上である。
即ち、吸入過熱度が比較的大きくなる、あるいは冷媒回路(50)の高低差圧が比較的大きくなる、あるいは凍結防止制御を開始してからある程度の時間が経過した等の条件が成立すると、電動膨張弁(55)の開度が過熱度制御される。
以上のように、凍結防止制御では、圧縮機(53)の起動の開始時に電動膨張弁(55)を所定の開度で開放している。このため、調湿運転の立ち上がり時において、蒸発圧力が急低下することを防止でき、ひいては吸着熱交換器(51,52)の吸着剤やバインダの凍結を確実に防止できる。
また、凍結防止制御では、図16に示すように、圧縮機(53)の初期の回転数がR1に設定される。この回転数R1は、通常制御時の所定の回転数R2よりも小さく、最低起動回転数である。また、凍結防止制御では、圧縮機(53)の回転数が1ステップ(ΔS1)ずつ増大していく。つまり、制御では、圧縮機(53)の回転数が第2変化率よりも小さい第1変化率で増大していく。
このように、凍結防止制御では、通常制御よりも圧縮機(53)の回転数が緩やかに増大していく。このため、調湿運転の立ち上がり時において、蒸発圧力が急低下することを防止でき、ひいては吸着熱交換器(51,52)吸着剤やバインダの凍結を確実に防止できる。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、調湿運転の開始時において、タイマ部(85)でカウントした積算値が1時間を越えると、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に所定量以上の液冷媒が溜まっていると判定し、凍結防止制御が実行される。凍結防止制御では、膨張弁(55)の初期開度が比較的大きい第2開度となるため、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の蒸発圧力が急低下することを防止できる。この結果、吸着熱交換器(51,52)の表面の吸着剤やバインダの劣化を防止できる。また、凍結防止制御では、圧縮機(53)の初期回転数R2を、通常制御の初期回転数R1より小さくしている。加えて、凍結防止制御では、圧縮機(53)の回転数の増大変化率ΔS2を、通常制御の増大変化率ΔS1よりも小さくしている。これにより、蒸発圧力の急激な低下を一層確実に防止できる。
〈実施形態の変形例〉
上記実施形態では、凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に所定量以上の液冷媒が溜まったことを示す条件が成立すると、電子膨張弁(55)の初期開度(第2開度)を、通常制御(第1起動制御)の初期開度(第1開度)よりも大きくする凍結防止制御(第2起動制御)を行っている。しかし、凍結防止制御において、電子膨張弁(55)の初期開度を通常制御と同じ開度に維持してもよいし、他の開度制御を行ってもよい。つまり、凍結防止制御において、電子膨張弁(55)の初期開度を必ずしも第1開度より大きくしなくてもよい。
この変形例においても、上記実施形態と同様、凍結防止制御における圧縮機(53)の初期回転数(第2回転数)を、通常制御における圧縮機(53)の初期回転数(第1回転数)よりも小さくする。更に、凍結防止制御における圧縮機(53)の回転数の増大変化率(第2変化率)を、通常制御における圧縮機(53)の回転数の増大変化率(第1変化率)よりも小さくする。これにより、蒸発器側の吸着熱交換器(51,52)の蒸発圧力の急低下を防止でき、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。この変形例において、通常制御における電子膨張弁(55)の初期開度(第1開度)は、全閉状態とするのが好ましい。
以上説明したように、本発明は、調湿装置について有用である。
10 調湿装置
40 流路切換機構
50 冷媒回路
51 第1吸着熱交換器
52 第2吸着熱交換器
53 圧縮機
55 電動膨張弁(膨張弁)
80 コントローラ(制御部)

Claims (5)

  1. 調湿装置であって、
    圧縮機(53)、吸着剤がそれぞれ担持された2つの吸着熱交換器(51,52)、膨張弁(55)が接続された冷媒回路(50)と、
    上記2つの吸着熱交換器(51,52)を通過する空気の流路を切り換える流路切換機構(40)と、
    上記圧縮機(53)が停止され且つ室外空気が一方の吸着熱交換器(51,52)を通過し且つ室内空気が他方の吸着熱交換器(51,52)を通過する換気運転と、上記圧縮機(53)が運転され且つ室外空気と室内空気の一方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過し他方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過する調湿運転とを行うように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御する制御部(80)とを備え、
    上記制御部(80)は、
    上記換気運転において、次回の調湿運転で凝縮器となる凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒を溜めるように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御するとともに、
    上記換気運転の後の上記調湿運転の開始時において、上記凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立していない場合、上記膨張弁(55)の初期開度を第1開度としながら上記圧縮機(53)を起動する第1起動制御を行い、
    上記調湿運転の開始時において、上記条件が成立している場合、上記膨張弁(55)の初期開度を上記第1開度より大きい第2開度としながら上記圧縮機(53)を起動する第2起動制御を行う
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数とし、上記第2起動制御において上記圧縮機(53)の初期回転数を上記第1回転数より小さい第2回転数とする
    ことを特徴とする調湿装置。
  3. 調湿装置であって、
    圧縮機(53)、吸着剤がそれぞれ担持された2つの吸着熱交換器(51,52)、膨張弁(55)が接続された冷媒回路(50)と、
    上記2つの吸着熱交換器(51,52)を通過する空気の流路を切り換える流路切換機構(40)と、
    上記圧縮機(53)が停止され且つ室外空気が一方の吸着熱交換器(51,52)を通過し且つ室内空気が他方の吸着熱交換器(51,52)を通過する換気運転と、上記圧縮機(53)が運転され且つ室外空気と室内空気の一方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち凝縮器となる吸着熱交換器(51,52)を通過し他方が上記2つの吸着熱交換器(51,52)のうち蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)を通過する調湿運転とを行うように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御する制御部(80)とを備え、
    上記制御部(80)は、
    上記換気運転において、次回の調湿運転で凝縮器となる凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒を溜めるように上記冷媒回路(50)及び流路切換機構(40)を制御するとともに、
    上記換気運転の後の上記調湿運転の開始時において、上記凝縮器側の吸着熱交換器(51,52)に液冷媒が所定量以上溜まったことを示す条件が成立していない場合、上記膨張弁(55)の初期開度を第1開度としながら上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数として起動する第1起動制御を行い、
    上記調湿運転の開始時において、上記条件が成立している場合、上記圧縮機(53)の初期回転数を第1回転数より小さい第2回転数として起動する第2起動制御を行う
    ことを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記圧縮機(53)の回転数を第1変化率で増大させ、上記第2起動制御において上記圧縮機(53)の回転数を上記第1変化率より小さい第2変化率で増大させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(80)は、上記第1起動制御において上記膨張弁(55)を上記第1開度である全閉状態とする
    ことを特徴とする調湿装置。
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