以上の例では、室内温度が低温状態であるなど着霜が起こりやすい条件では、乾燥運転(除霜運転)が終了後、再度着霜状態を判断するまでの所定時間の間に、吸熱器104の着霜が進み、吸熱器104が閉塞してしまう可能性があるという課題があった。また、吸熱器104の氷や霜が所定時間内に融けきらず、乾燥運転(除霜運転)、除湿運転を交互に繰り返しているうちに着霜が進み、吸熱器104が閉塞、氷により排水路が塞がれ結露水の漏洩、等の不具合の可能性があるという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、着霜が起こりやすい条件では吸熱器104への着霜量を減少させ、乾燥運転(除霜運転)が開始された時に効率よく確実に除霜が行える信頼性の高い除湿装置を得ることを目的としている。
上記目的を達成するために本発明が講じた第1の課題解決手段は、冷媒を圧縮する圧縮機(101)と冷媒が供給空気に放熱する放熱器(102)と冷媒を膨張させて減圧する膨張機構(103)と冷媒が供給空気から吸熱する吸熱器(104)とを配管接続した蒸気圧縮式のヒートポンプ(105)と、駆動手段(2)によって回転し吸湿領域(106)では供給空気から吸湿するとともに放湿領域(107)では加熱されて水分を放出するデシカントローター(108)と、を備え、室内空気を放熱器(102)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)の順に供給し、除湿運転を行う除湿装置において、吸熱器(104)の着霜状態を予測する着霜予測手段(27)を備え、着霜予測手段(27)は、室内温度と室内相対湿度を測定するとともに、該室内温度又は該室内相対湿度若しくは該室内温度と室内相対湿度の両方が、予め定めた条件を満たした場合に着霜が予測されると判断し、前記着霜予測手段(27)が前記吸熱器(104)の着霜を予測した時、吸熱器104に流入する空気の水分量を低減させることで吸熱器(104)の着霜量を抑制しながら除湿運転を行うものである。
そして、上記第1の課題解決手段による作用は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測し、予め吸熱器(104)の着霜を抑制しながら除湿運転を行うものである。
また、第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、放湿領域(107)でのデシカントローター(108)の水分放出を低減させることで吸熱器(104)の着霜量を抑制するものである。
そして、第2の課題解決手段による作用は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、意図的に放湿領域(107)でのデシカントローター(108)の水分放出を低減させることにより吸熱器(104)への水分流入量を減少させ、吸熱器(104)表面での水分の氷結、着霜の量が抑制させるものである。
また、第3の課題解決手段は、上記第1または第2の課題解決手段において、放湿領域(107)を加熱する加熱手段(109)を備え、加熱手段(109)の出力を低減するものである。
そして、第3の課題解決手段による作用は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、放湿領域(107)を加熱しデシカントローター(108)の放湿を担っている加熱手段(109)の出力を低減させることにより、デシカントローター(108)の放湿を抑制し、吸熱器(104)に流入する水分量を低減し吸熱器(104)での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることにより着霜を抑制するものである。
また、第4の課題解決手段は、上記第1乃至第3のいずれかの課題解決手段において、吸熱器(104)に供給する空気の風量を増加させるものである。
そして、第4の課題解決手段による作用は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、吸熱器(104)に供給する空気の風量を増加させることにより、吸熱器(104)での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器(104)での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることにより着霜を抑制するものである。
また、第5の課題解決手段は、上記第1乃至第4のいずれかの課題解決手段において、放熱器(102)の放熱量を減少させるものである。
そして、第5の課題解決手段による作用は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、放熱器(102)の放熱量を減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑制することにより吸熱器(104)の着霜を抑制するものである。
また、第6の課題解決手段は、上記第5の課題解決手段において、室内空気を放熱器(102)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)の順に供給するメイン風路(7)と、室内空気を前記放熱器(102)に供給する第1バイパス風路(8)を備え、第1バイパス風路(8)の風量を減少させるものである。
そして、第6の課題解決手段による作用は、室内空気を放熱器(102)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)の順に供給するメイン風路(7)と、室内空気を放熱器(102)に供給する第1バイパス風路(8)を備え、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路(8)の風量を減少させることにより、放熱器(102)に供給される風量を減少し、放熱器(102)の放熱量減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑制することにより吸熱器(104)の着霜を抑制するものである。
また、第7の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、メイン風路(7)と第1バイパス風路(8)に室内空気を供給する1つの送風手段(6)を備え、第1バイパス風路(8)に風路抵抗を付加するものである。
そして、第7の課題解決手段による作用は、メイン風路(7)と第1バイパス風路(8)に室内空気を供給する1つの送風手段(6)を備え、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路(8)に風路抵抗を付加することにより、放熱器(102)に供給される風量を減少させ冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑えるとともに、送風手段(6)の回転数が上がり、メイン風路(7)では流れる風量が上昇し、吸熱器(104)に供給される風量が増えるので、吸熱器(104)での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器(104)での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることになり、吸熱器(104)の着霜を抑制するものである。
また、第8の課題解決手段は、上記第1乃至第7のいずれかの課題解決手段において、吸熱器(104)の前段に室内空気を直接取り入れる第2バイパス風路(11)を有する除湿装置において、除霜運転時は第2バイパス風路(11)の空気抵抗を調整することにより吸熱器(104)への空気供給量を減少させるものである。
そして、第8の課題解決手段による作用は、吸熱器(104)の前段に室内空気を直接取り入れる第2バイパス風路(11)を有することにより放湿領域(107)から流出する高温多湿の空気に室内空気を混ぜることにより空気の温度を下げ、相対湿度を上げることにより吸熱器(104)での凝縮効率を向上させ、しかも吸湿領域(106)により多くの空気を流入させることによりデシカントローター(108)の吸放湿の効率を向上させることにより除湿効率を向上している除湿装置において、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第2バイパス風路(11)の空気抵抗を調整することにより前記吸熱器(104)への空気供給量を減少させることにより前述の除湿効率向上の作用を弱め、意図的に除湿量を低減させることになり吸熱器(104)の着霜を抑制するものである。
また、第9の課題解決手段は、上記第1乃至第8のいずれかの課題解決手段において、吸熱器(104)に付着した霜を取り除く除霜運転を備え、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜状態を予測した場合は、運転開始時は、除霜運転から行うものである。
そして、第9の課題解決手段による作用は、吸熱器(104)に付着した霜を取り除く除霜運転を備え、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜状態を予測した場合は、運転開始時は、除霜運転から行うことにより、着霜状態のまま再度運転した場合の吸熱器(104)の着霜量が通常より増加するのを抑制するものである。
また、第10の課題解決手段は、上記第1乃至第7のいずれかの課題解決手段において、運転開始から所定時間経過後に吸熱器(104)の冷媒温度が所定温度以下であることを検知して着霜を判断する着霜判断手段(26)を備え、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜を予測した場合、運転後1回目の着霜判断手段(26)の着霜判断までの所定時間を、2回目以降の着霜判断までの時間より短くするものである。
そして、第10の課題解決手段による作用は、運転開始から所定時間経過後に吸熱器(104)の冷媒温度が所定温度以下であることを検知して着霜を判断する着霜判断手段(26)を備えた除湿装置においては、着霜状態のまま運転停止している除湿装置を再度運転した場合、着霜判断手段(26)の着霜判断までの時間が事実上長くなり、通常より吸熱器(104)の着霜量が増加する可能性があるが、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜を予測した場合、運転後一回目の着霜判断手段の着霜判断までの所定時間を、2回目以降の着霜判断までの時間より短くすることにより吸熱器(104)での着霜量の極端な増加を抑制できるものである。
また、第11の課題解決手段は、上記第9または第10の課題解決手段において、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を供給することにより除霜運転を行う除湿装置において、除霜運転時は前記デシカントローター(108)の駆動速度を遅くするものである。
そして、第11の課題解決手段による作用は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷や霜を融解する除霜運転において、除霜運転時はデシカントローター(108)の駆動速度を遅くすることにより、デシカントローター(108)に与えられた加熱手段(109)の熱量がデシカントローター(108)の回転により吸湿領域(106)に持ち込まれ、室内に放出されるという無駄を抑制し、無駄なく加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に投入するものである。
また、第12の課題解決手段は、上記第9乃至第11のいずれかの課題解決手段において、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を供給することにより除霜運転を行う除湿装置において、除霜運転時は吸熱器(104)への空気供給量を増加させるものである。
そして、第12の課題解決手段による作用は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷や霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は吸熱器(104)への空気供給量を増加させることにより、吸熱器(104)での熱交換量を増加し、氷、霜の融解を促進するものである。
また、第13の課題解決手段は、上記第8乃至第13のいずれかの課題解決手段において、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を供給することにより除霜運転を行う除湿装置において、除霜運転時は加熱手段(109)の加熱量を増加させるものである。
そして、第13の課題解決手段による作用は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は加熱手段(109)の加熱量を増加させることにより、吸熱器(104)への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進するものである。
また、第14の課題解決手段は、上記第13の課題解決手段において、除霜運転に切り替わってから所定時間経過後に加熱手段(109)の加熱量を増加させるものである。
そして、第14の課題解決手段による作用は、除霜運転に切り替わってから所定時間経過後に加熱手段(109)の加熱量を増加させることにより、まず、圧縮機(101)の駆動を停止し、ある程度吸熱器(104)の氷や霜が融解してから加熱手段(109)の加熱量を増加させるので、除湿運転中に吸熱器(104)に着霜し、氷や霜により通風抵抗が増し風量が減少しているところに急激に加熱量が増加することで加熱手段(109)周辺や風路に高温による不具合を発生させることなく、吸熱器(104)への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進するものである。
また、第15の課題解決手段は、上記第1乃至14のいずれかの課題解決手段において、室内空気の温度または温湿度を検測定する測定手段(12、13)を備え、着霜予測手段(27)は、測定手段(12、13)の測定値を元に前記吸熱器(104)の着霜を予測するものである。
そして、第15の課題解決手段による作用は、室内空気の温度あるいは温湿度により、吸熱器(104)の着霜状態は予測できるので、室内空気の温度または温湿度を測定する測定手段(12、13)を備え、測定手段の測定値を元に前記吸熱器(104)の着霜を予測するものである。
本発明の請求項1記載の除湿装置は、着霜予測手段(27)により、吸熱器(104)の着霜が予測された場合には、予め吸熱器104に流入する空気の水分量を低減させることで吸熱器(104)の着霜を抑制しながら除湿運転を行うことができ、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2記載の除湿装置は、着霜予測手段(27)により、吸熱器(104)の着霜が予測された場合には、意図的に放湿領域(107)でのデシカントローター(108)の水分放出を低減させることにより吸熱器(104)への水分流入量を減少させ、吸熱器(104)表面での水分の氷結、着霜の量が抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項3記載の除湿装置は、着霜予測手段(27)により、吸熱器(104)の着霜が予測された場合には、放湿領域(107)を加熱しデシカントローター(108)の放湿を担っている加熱手段(109)の出力を低減させることにより、デシカントローター(108)の放湿を抑制し、除湿量を意図的に低減させることにより、吸熱器(104)の着霜を抑制しながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項4記載の除湿装置は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、吸熱器(104)に供給する空気の風量を増加させることにより、吸熱器(104)での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器(104)での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることにより着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項5記載の除湿装置は、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、放熱器(102)の放熱量を減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑制することにより吸熱器(104)の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項6記載の除湿装置は、室内空気を放熱器(102)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)の順に供給するメイン風路(7)と、室内空気を前記放熱器(102)に供給する第1バイパス風路(8)を備え、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路(8)の風量を減少させることにより、放熱器(102)に供給される風量を減少し、放熱器(102)の放熱量を減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑制することにより吸熱器(104)の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項7記載の除湿装置は、メイン風路(7)と第1バイパス風路(8)に室内空気を供給する1つの送風手段(6)を備え、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路(8)に風路抵抗を付加することにより、放熱器(102)に供給される風量を減少させ冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器(104)の過度の冷却を抑えるとともに、送風手段の回転数が上がり、メイン風路(7)では流れる風量が上昇し、吸熱器(104)に供給される風量が増えるので、吸熱器(104)での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器(104)での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることになり、吸熱器(104)の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項8記載の除湿装置は、吸熱器(104)の前段に室内空気を直接取り入れる第2バイパス風路(11)を有することにより放湿領域(107)から流出する高温多湿の空気に室内空気を混ぜることにより空気の温度を下げ、相対湿度を上げることにより吸熱器(104)での凝縮効率を向上させ、しかも吸湿領域(106)により多くの空気を流入させることによりデシカントローター(108)の吸放湿の効率を向上させることにより除湿効率を向上している除湿装置において、着霜予測手段(27)により吸熱器(104)の着霜を予測した場合には、第2バイパス風路(11)の空気抵抗を調整することにより前記吸熱器(104)への空気供給量を減少させることにより前述の除湿効率向上の作用を弱め、意図的に除湿量を低減させることになり吸熱器(104)の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項9記載の除湿装置は、吸熱器(104)に付着した霜を取り除く除霜運転を備え、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜状態を予測した場合は、運転開始時は、除霜運転から行うことにより、着霜状態のまま運転停止している除湿装置を再度運転した場合の吸熱器(104)の着霜量が通常より増加するのを抑制することにより吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項10記載の除湿装置は、運転開始から所定時間経過後の吸熱器(104)の冷媒温度が所定温度以下であることを検知して着霜を判断する着霜判断手段(26)を備えた除湿装置においては、着霜状態のまま運転停止している除湿装置を再度運転した場合、着霜判断手段(26)の着霜判断までの時間が事実上長くなり、通常より吸熱器(104)の着霜量が増加する可能性があるが、運転開始前に着霜予測手段(27)が着霜を予測した場合、運転後1回目の着霜判断手段(26)の着霜判断までの所定時間を、2回目以降の着霜判断までの時間より短くすることにより、吸熱器(104)での着霜量の極端な増加を抑制でき、除霜運転時に確実に除霜が完了することができるので吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項11記載の除湿装置は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時はデシカントローター(108)の駆動速度を遅くすることにより、デシカントローター(108)に与えられた加熱手段(109)の熱量がデシカントローター(108)の回転により吸湿領域(106)に持ち込まれ、室内に放出されるという無駄を抑制し、無駄なく加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に投入することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項12記載の除湿装置は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は吸熱器(104)への空気供給量を増加させることにより、吸熱器(104)での熱交換量を増加し、氷、霜の融解を促進することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項13記載の除湿装置は、圧縮機(101)を停止し、加熱手段(109)およびデシカントローター(108)を駆動し、室内空気を圧縮機(101)、放湿領域(107)、吸熱器(104)、吸湿領域(106)へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器(104)の吸熱を止め、加熱手段(109)の熱量を吸熱器(104)に導入することにより吸熱器(104)に生成した氷や霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は前記加熱手段(109)の加熱量を増加させることにより、吸熱器(104)への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項14記載の除湿装置は、除霜運転に切り替わってから所定時間経過後に加熱手段(109)の加熱量を増加させることにより、まず、圧縮機(101)の駆動を停止し、ある程度吸熱器(104)の氷や霜が融解してから加熱手段(109)の加熱量を増加させるので、除湿運転中に吸熱器(104)に着霜し、氷や霜により通風抵抗が増し風量が減少しているところに急激に加熱量が増加することで加熱手段(109)周辺や風路に高温による不具合を発生させることなく、吸熱器(104)への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進することができるので吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できる。
また、本発明の請求項15記載の除湿装置は、室内空気の温度または温湿度を測定する測定手段(12、13)を備え、測定手段(12、13)の測定値を元に前記吸熱器(104)の着霜を予測するので、運転を開始する前でも吸熱器(104)の着霜を予測でき、それに対応して着霜を抑制しながら運転を行うことができ、吸熱器(104)の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1を図1〜7に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図ある。図1に示すように、この除湿装置は本体1内に、圧縮機101、放熱器102、膨張機構103、吸熱器104を配管接続し密閉回路を形成している。この密閉回路内に作動流体である冷媒として例えば、HCFC系冷媒(分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む)、HFC系冷媒(分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む)、炭化水素、二酸化炭素等の自然冷媒などの何れかを充填して蒸気圧縮式のヒートポンプ105を形成している。吸熱器104および放熱器102は、ヘアピンチューブに複数枚のフィンを嵌入して空気流通を可能に構成したフィンチューブ型の熱交換器で構成され、吸熱器104と放熱器102を接続する配管中には膨張機構103として、例えば、キャピラリチューブや膨張弁等を介在させている。ここで、放熱器102は冷凍サイクルにおける、いわゆる凝縮器であり、吸熱器104は、いわゆる蒸発器である。
また、供給空気から吸湿する吸湿領域106および供給空気に対して放湿する放湿領域107を有するデシカントローター108を設けている。デシカントローター108は回動可能に立設されており、このデシカントローター108を周方向に毎時10回転から40回転程度の速度で回転させる駆動手段2をデシカントローター108の外周側に配設している。この駆動手段2は、デシカントローター108の外周に形設されたギアと、このギアと歯合する駆動モータを備えており、駆動モータの作動によってギアに回転力を加え、デシカントローター108を回転させるように動作するものである。このデシカントローター108は、軸方向に通風可能なハニカム構造もしくはコルゲート構造の円筒構造体に、シリカゲル、ゼオライトなどの無機質の吸着型吸湿剤、あるいは有機高分子電解質(イオン交換樹脂)などの吸湿剤、もしくは塩化リチウムなどの吸収型吸湿剤を1種類若しくは複数担持して構成されており、周囲の環境に応じて吸湿量が変化する特性を有している。
また、加熱手段109はデシカントローター108の放湿領域107に近接して配設されており、この加熱手段109の発熱によってデシカントローター108に供給される空気およびデシカントローター108自身が加熱されることになる。この加熱手段109は発熱動作を行い得るものであれば良く、例えば、ニクロムヒーター、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、シーズヒーター、PTCヒーター等を用いることができるが、輻射熱成分を多く放散する形式のものがデシカントローター108を直接高温に加熱して効率良く水分を放出させることが可能となり好ましい。
このデシカントローター108は駆動手段2によって回転しているので、デシカントローター108に担持されている吸湿剤は、吸湿領域106と放湿領域107を連続的に移動し、吸湿領域106における吸湿動作と放湿領域107における水分放出動作を連続的に行うことになる。
そして、本体1には吸込口3と第1吹出口4および第2吹出口5を開口し、送風手段6の運転によって、室内空気を吸込口3より本体1内に導入している。本体1内に供給された室内空気が、放熱器102、加熱手段109、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106に順に供給されて第1吹出口4より本体1外部に流出するメイン風路7と、吸込口3から導入された室内空気が、放熱器102に供給されて、第1吹出口4より本体1外部に流出する第1バイパス風路8を形成している。この送風手段6は、ケース内で羽根が回転駆動することにより送風するいわゆるシロッコファンとして構成されている。本実施例では、送風手段は、ケースにファン吸込口を2つ開口するとともに主板の両側にブレードを有し、2つの風路から吸込み、それぞれのブレードからの送風が混ざらないように吹出すことにより、1つの送風手段にて2つの風路から吸込み、それぞれ別々に吹き分ける構成としている。そして、メイン風路7には吹出口を切換える吹出口ダンパー9を設け、メイン風路7から室内に供給される空気が第1吹出口4から流出するか第2吹出口5から流出するかの切換を可能にしている。
吸込口3から吸引された空気は、放熱器102により加熱され、さらに加熱手段109により加熱され高温となってデシカントローター108の放湿領域107に供給され、その後、吸熱器104を通過し冷却され、デシカントローター108の吸湿領域106に供給される。このデシカントローター108に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域107において加熱された高温空気と接触することにより水分を放出して再生し、吸湿領域106において吸熱器104により冷却された空気から吸湿することになる。このデシカントローター108は駆動手段2によって回転しているので、デシカントローター108に担持されている吸湿剤は、吸湿領域106と放湿領域107を連続的に移動し、吸湿領域106における吸湿動作と放湿領域107における水分放出動作を連続的に行うことになる。放湿領域107において放出された水分を含んだ空気は、高温高湿状態となり風下側に配設された吸熱器104に供給される。この高温高湿空気はエンタルピーも上昇しているので、吸熱器104内の冷媒とのエンタルピー差が拡大して高効率な吸熱動作が行われ、供給空気は飽和温度以下まで冷却される。この冷却過程で飽和した水分は結露水として下方に滴下し、図示しないドレンパンで受け止められた後に本体1の下部に配設された排水タンク10に貯留される。
一方、吸湿領域106には、吸熱器104によりその飽和温度以下まで冷却され、相対湿度が高い状態(ほぼ飽和状態)となった空気が供給される。上述したようにデシカントローター108に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域107を通過する空気と吸湿領域106を通過する空気の相対湿度差を拡大させることができ、高効率な吸放湿動作を行うことができる。
さらに吸熱器104に直接室内空気を供給する第2バイパス風路11を形成している。メイン風路7の吸熱器104の上流に室内空気を混合することにより、吸熱器104に流入する空気の温度を下げ、相対湿度を増加させることができ水分凝縮を促進することができる。また、その下流のデシカントローター108の吸湿領域106に流入する空気量を増やすことになり、デシカントローター108の吸湿量を増加させることができるので、吸放湿の効率が良くなる。これにより、さらに高効率な除湿運転が可能となる。また、吸込口3の開口部近傍には、吸込口3から吸引される空気の温度を検出する室温センサー12と空気の湿度を検出する湿度センサー13が配設されており、吸熱器104および放熱器102の側部配管には、蒸発温センサー14および凝縮温センサー15が各々着設されている。室温センサー12、蒸発温センサー14、凝縮温センサー15の各センサーにはサーミスタ等が一般的に用いられる。湿度センサー13としては、高分子湿度センサーなどがある。これら室温センサー12、湿度センサー13、蒸発温センサー14、凝縮温センサー15の検出値は図示しない制御手段に出力するように構成されている。
また、第1バイパス風路8の送風手段6の吸込口近傍に風路抵抗として第1バイパス風路ダンパー16を備えている。この第1バイパス風路ダンパー16は、例えば、ダンパーをモータで動かすような構成を用いており、任意に風路抵抗の大きさを変更可能に構成されている。そして、ダンパーの駆動により風路抵抗を変更し、風量を調整することが可能となる。さらに、第2バイパス風路11の吸熱器104上流の近傍にも風路抵抗として第2バイパス風路ダンパー17を備えている。こちらも、ダンパーをモータで動かすような構成を用いており、任意に風路抵抗の大きさを変更可能に構成されており、任意に風量を調整することができる。このような構成とすることにより、送風手段6の出力を変更させずとも、各風路に流れる風量を変更することが可能となる。なお、本実施例では風路抵抗を、ダンパーをモータで駆動する構成としたが、この構成に限ったものではなく、風路抵抗を可変できる構成であればよく、その他の構成としても作用効果に差異はない。
図2は、除湿装置の制御ブロック図である。図に示すようにマイクロコンピュータから構成される制御手段18が、室温センサー12、湿度センサー13、蒸発温センサー14、凝縮温センサー15の各々の検出値および操作部19の運転指示を入力して、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2、加熱手段109、吹出口ダンパー9、第1バイパス風路ダンパー16および第2バイパス風路ダンパー17の各々の作動指示を出力することにより除湿装置の運転を制御するように構成されている。
図3は、操作部19の概略構成を示す図である。図に示すように操作部19には、複数の操作ボタンおよび表示ランプが配列されている。操作ボタン20は、除湿装置の主電源の入切スイッチであり、この操作ボタン20を「入」にして除湿装置の運転が可能となる。また、操作ボタン21は、運転切換スイッチであり、この操作ボタン21を操作することにより、「除湿乾燥モード」、「自動除湿モード」、「冷風除湿モード」の三種類の除湿モードを選択できる。この除湿モードの選択状態は操作ボタン21の上部にある表示ランプの点灯状況によって確認することができる。また、操作ボタン22は、除湿装置のタイマー運転を設定するスイッチであり、操作ボタン22の操作により、2時間後、4時間後、8時間後に除湿装置の運転を停止させることができる。この切タイマー選択状態は、操作ボタン22の上部にある表示ランプの点灯状況によって確認することができる。また、表示部23は、本体1が設置されている空間の湿度状態を表示するもので、湿度センサー13の検出値に基づいて、高湿状態、適湿状態、低湿状態の3段階の表示を行うものである。また、表示ランプ24は、排水タンク10が満水もしくは未設置の場合に点灯して報知するためのものであり、表示ランプ25は、異常温度上昇などの異常が検出された場合に点滅して異常報知を行うものである。
図4は、各々の除湿モードにおける制御動作を示す一覧表である。この一覧表に示した制御動作を実行するように制御手段18にプログラミングされている。図に示すように操作ボタン21により「除湿乾燥モード」が選択された場合は、制御手段18が、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2および加熱手段109を作動させるとともに、吹出口ダンパー9を図1中の実線位置に設定し、第1バイパス風路ダンパー16を風路抵抗が少なくなる位置に、第2バイパス風路ダンパー17を風路抵抗が少なくなる位置に設定する。そして送風手段6の運転により第1バイパス風路8では室内空気は、吸込口3から本体1内に吸引され、放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されて温度が上昇し、第1吹出口4から本体1外部に排出される。また、メイン風路7では室内空気は吸込口3から本体1内に吸引され、放熱器102にて冷媒の放熱により加熱されてデシカントローター108の放湿領域107に流入する。放湿領域107に流入した空気は、加熱手段109で二百度以上にさらに加熱された高温空気となってデシカントローター108に供給され、デシカントローター108が吸湿領域106において吸湿した水分の放出を促してデシカントローター108を再生する。デシカントローター108からの放出水分を含んだ高湿の空気はエンタルピーが上昇し下流にある吸熱器104に供給される。この吸熱器104では高エンタルピー状態の空気が冷媒の吸熱によって冷却され、冷却過程で飽和した水分は排水タンク10に回収される。吸熱器104で冷却され低温で相対湿度が高くなった空気は、デシカントローター108の吸湿領域106に供給され水分の吸着がなされる。そして、吹出口ダンパー9が第1吹出口4と連通させる図1中の実線の切換位置に設定されているため、メイン風路7から吹出す空気は第1バイパス風路8から吐出された空気とともに第1吹出口4から本体1外部に排出される。このようにして「除湿乾燥モード」では、デシカントローター108とヒートポンプ105を組み合せた除湿運転を実現しており、除湿能力が高く排気温度も高温になるので洗濯物等を素早く乾燥することができる。
また、操作ボタン21により「自動除湿モード」が選択された場合は、室温センサー12の検出値Trおよび湿度センサー13の検出値Hrによって場合分けされる。まず、湿度センサー13の検出値Hrが高湿、例えば40%以上で且つ室温センサー12の検出値Trが低温、例えば15℃未満の場合、前述した「除湿乾燥モード」と同じ除湿運転が実行される。このような周囲の環境湿度、即ち湿度センサー13の検出値Hrが高く、周囲の環境温度、即ち室温センサー12の検出値Trが低い場合は、除湿負荷が大きく且つヒートポンプ105のみの除湿では吸熱器104内の冷媒とのエンタルピー差が小さく除湿能力が確保し難い状況と判断し、ヒートポンプ105の冷却除湿とデシカントローター108の吸放湿作用を組み合せた除湿運転を実行することによって除湿能力を増加し速やかに除湿を行うように制御する。
また、湿度センサー13の検出値Hrが低湿、例えば40%未満の場合、あるいは湿度センサー13の検出値Hrが40%以上の高湿でも室温センサー12の検出値Trが高温、例えば15℃以上の場合は、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2を作動させ、加熱手段109の作動を停止する除湿運転を実行する。これにより加熱手段109に要する電力を削除でき、省エネルギーでの除湿運転が行われる。すなわち送風手段6の運転により第1バイパス風路8では吸込口3から本体1内に吸引された空気は、放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されて温度が上昇し、第1吹出口4から本体1外部に排出される。
また、メイン風路7では本体1内に吸引された空気は、放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されたあと、デシカントローター108の放湿領域107に流入する。放熱器102により加熱された空気が、デシカントローター108が吸湿領域106において吸湿した水分の放出を促してデシカントローター108を再生する。デシカントローター108からの放出水分を含んだ高湿の空気はエンタルピーが上昇し下流にある吸熱器104に供給される。そして冷媒の吸熱により冷却されて水分を除去された後、デシカントローター108の吸湿領域106に供給される。吸熱器104で冷却され低温で相対湿度が高くなった空気は、デシカントローター108の吸湿領域106に供給され水分の吸着がなされる。そして、吹出口ダンパー9が第1吹出口4と連通させる切換位置に設定されているため、メイン風路7から吹出す空気は第1バイパス風路8から吐出された空気とともに第1吹出口4から本体1外部に排出される。この除湿運転ではヒートポンプ105の除湿能力は室温条件に大きく依存するものであり、温度が高くなるに従って除湿能力は増加する傾向を示すため、周囲環境湿度、即ち、湿度センサー13の検出値Hrが低い場合、あるいは周囲環境湿度、即ち、湿度センサー13の検出値Hrが高くても周囲の環境温度、即ち室温センサー12の検出値Trが高い場合は、除湿負荷が小さい状況あるいは除湿負荷が大きくても除湿能力が確保できる状況と判断する。そして、加熱手段109を作動し放湿領域107の水分放出を促進せずとも除湿能力を確保できるので、加熱手段109を作動しない除湿運転を実行することによって加熱手段109に投入するエネルギーを削減して効率の良い除湿を行うように制御する。
また、操作ボタン21により「冷風除湿モード」が選択された場合は、圧縮機101、送風手段6を作動させ、駆動手段2および加熱手段109は停止させ、吹出口ダンパー9を図1中点線の切換位置にする除湿運転が実行される。送風手段6の運転により第1バイパス風路8では吸込口3から本体1内に吸引された空気は、放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されて温度が上昇し、第1吹出口4から本体1外部に排出される。また、メイン風路7では本体1内に吸引された空気は、放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されたあと、デシカントローター108の放湿領域107に流入する。ここでデシカントローター108は駆動を停止しているので空気は温度、湿度とも変化せず通り抜ける。そして下流にある吸熱器104に供給され冷媒の吸熱により冷却されて水分を除去された後、デシカントローター108の吸湿領域106に供給される。ここでもデシカントローター108の駆動は停止しているので水分の吸放湿は行われず空気は素通りする。そして、吹出口ダンパー9が第2吹出口5と連通させる点線の切換位置に設定されているため、メイン風路7から吹出す空気は第1バイパス風路8から吐出された空気とは混合しないで、第2吹出口5から本体1外部に排出される。したがって第1吹出口4からは放熱器102で加熱された高温の空気が排出され、第2吹出口5からは吸熱器104で冷却減湿された低温低湿の空気が排出される。この低温の空気により使用者が第2吹出口5側に位置する場合には冷風感を得ることができ、逆に使用者が第1吹出口4側に位置すれば高温空気による温風感を得ることができる。この第2吹出口5と第1吹出口4は本体1の異なる面に開口されているので、第2吹出口5から排出される低温空気と第1吹出口4から排出される高温空気が混ざりにくくなり、第1吹出口5から冷却された低温空気のみを供給する「冷風除湿モード」において使用者がより冷風感を得ることができる。
また、使用環境温度によっては、たとえば室内温度が低温であったり低湿であったりする場合、吸熱器104に供給される空気のエンタルピーが減少し吸熱器104での着霜現象が発生し除湿能力が大きく低下することになる。そこで吸熱器104の側部配管に具設した蒸発温センサー14の検出値Teにより着霜状態を判断する着霜判断手段26を備え、検出値Teが0.5℃未満となった場合には、吸熱器104の着霜状態を判断し、圧縮機101を停止させるとともに駆動手段2および加熱手段109を作動して除霜運転を行う。この除霜運転は、圧縮機101の停止により吸熱器104での吸熱動作を停止して吸熱器104の温度を上昇させ、さらに駆動手段2と加熱手段109の作動によりデシカントローター108を介して加熱手段109の熱を送風手段6により送風される空気に与えて高温にして吸熱器104に供給することで吸熱器104に付着した霜を速やかに溶解して除去するものである。ここでデシカントローター108の回転が停止したままだと加熱手段109の発熱がデシカントローター108の一部に常に供給され続けるため、デシカントローター108の温度が上昇し過ぎて吸湿剤が劣化してしまうため、駆動手段2によりデシカントローター108を回転させて吸湿領域106を利用してデシカントローター108を冷却するようにしている。
また、デシカントローター108の回転速度を遅くするように制御している。これにより、デシカントローター108に与えられた加熱手段109の熱量がデシカントローター108の回転により吸湿領域106に持ち込まれ、室内に放出されるという無駄を抑制し、無駄なく加熱手段109の熱量を吸熱器104に投入することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができる。このデシカントローター108の回転速度は、上記のように熱の無駄を少なくできればよく、例えば、通常運転時の半分の回転速度が適当である。
また、除霜運転時に加熱手段109の出力を増加させるよう制御している。これによりより多くの熱を吸熱器104に投入できるので、速やかに確実に吸熱器104の霜を溶解することができる。
さらに、第1バイパス風路ダンパー16を風路抵抗が大きくなるように調整している。本実施例のように、1つの送風手段6で2つの風路を吹き分ける構成とした場合、一方の風路に抵抗をかけた場合、抵抗が増加した方の風量は減少するが、もう一方の風路の風量は増加するという傾向になる。上記のように第1バイパス風路8に抵抗を加えた場合、メイン風路7の風量が増加することになるので、吸熱器104に流入する空気が増加することになる。そして吸熱器104での熱交換量が増加し、吸熱器104に付着した氷や霜をすばやく溶解する一助となる。また、第2バイパス風路ダンパー17を風路抵抗が大きくなるように調整している。これにより、室内空気をそのまま吸熱器104に供給する風量を減少し、吸熱器104に流入する空気の内、メイン風路7の空気の割合を多くすることにより、吸熱器104に流入する空気の温度を高く保つことになる。そして、吸熱器104に付着した氷や霜をすばやく溶解し、除去することになる。
その後、吸熱器104の霜が完全に除去されて蒸発温センサー14の検出値Teが所定値、例えば0℃以上に回復したら、または、除霜運転が所定時間、例えば10分間動作したら、再び圧縮機101を動作させ、所定の運転モードで運転を再開するようにしている。ここで除霜運転の間は室内空気を除湿していないことになる。通常、実質の除湿運転時間が全運転時間の70%以上になるように設定するので、除霜運転を最大10分行うならば、通常の除湿運転は25分以上行うように設定する。なお、この除湿運転時間、除霜運転時間は上記に限ったものではない。
また、吸熱器104の着霜が予測される場合、予め吸熱器104への着霜を抑制しておき、除霜運転に切り替わった時に速やかに除霜が完了するように「着霜抑制モード」を備えている。上記したように、通常の除湿運転を25分以上行うため、除湿運転開始後から、あるいは除霜運転が終了して除湿運転に切り替わってから、25分経過後に吸熱器104の着霜を判断する制御になっている。この場合、使用環境温度が着霜になる温度であれば、この25分間は、吸熱器において着霜が常に進行する状態となる。そして、大量に着霜した場合、吸熱器の閉塞などの不具合を起こす可能性がある。
そこで、使用環境温度から着霜を予測する着霜予測手段27を備え、着霜が予測された場合、予め吸熱器104の着霜を抑制しているのである。この場合、除霜運転の時に確実に除霜が完了するように、吸熱器104に付着する着霜量を減少することが目的となる。例えば、室内温度Trが9℃未満を検出した場合、着霜状態になると予測し、「着霜抑制モード」で運転を行う。この「着霜抑制モード」では、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2を作動させ、加熱手段109の出力を低減して除湿運転を実行する。着霜量を低減するためには、意図的に吸熱器104に流入する空気の水分量を低減させることが効果的であり、デシカントローター108の吸放湿を意図的に低減すればよい。すなわち、加熱手段109の出力を低下させ、放湿領域107でのデシカントローター108の水分放出を低減させることにより、吸熱器104への水分流入を制限している。これにより、吸熱器104の着霜量が抑制されることになる。
さらに、第1バイパス風路ダンパー16を第1バイパス風路8の風路抵抗が大きくなるように作動することにより、第1バイパス風路8に流れる風量を減少させ、ヒートポンプ105において、放熱器102の放熱量を減少させることにより、吸熱器104での吸熱量を減少させ、吸熱器104の温度低下を抑制することにより、着霜量を抑制させることになる。本実施例のように、1つの送風手段6で2つの風路を吹き分ける構成とした場合、一方の風路抵抗を増加した場合、抵抗を増加した方の風量は減少するが、もう一方の風路の風量は増加するという傾向になる。上記のように第1バイパス風路8に抵抗を加えた場合、メイン風路7の風量が増加することになるので、吸熱器104での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器104での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることにより着霜を抑制させている。
また、第2バイパス風路ダンパー17を第2バイパス風路11の風路抵抗が大きくなるように作動させることにより、第2バイパス風路11に流れる風量を減少させ、上述した第2バイパス風路11の除湿能力を向上する作用を抑制することにより、着霜量を減少させている。このように、「着霜抑制モード」では、着霜が予測された場合に、除霜運転にそなえ、予め着霜量を抑制するので、除霜運転時に効率よく、確実に除霜が行えるのである。
なお、着霜を予測する温度や、着霜状態を判断する温度は、構成するシステムによって異なるので、そのシステムに合致した温度を設定する必要がある。なお、本実施例ではメイン風路7、第1バイパス風路8の風量を調整するのにダンパー構造を用いたが、風量の調整ができればよいので、例えば、送風機をそれぞれの風路に各々設け、それぞれの送風機の出力を調整することで風量を調整する構成としても良い。
以上のように各々の除湿モードに応じて制御手段18が、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2、加熱手段109、吹出口ダンパー9、第1バイパス風路ダンパー16、第2バイパス風路ダンパー17を制御し、運転を適切に切換えることにより、使用環境や使用者の好みに応じた多様な運転形態を実現している。
第5図は、除霜運転時の運転状況を説明するために、室内温度が9℃未満の時の運転状況を圧縮機101、加熱手段109の動作と加熱手段109の温度との関係から示したグラフである。室内温度が9℃未満である場合、着霜予測手段27は、着霜を予測することになる。その場合、本実施例では、まず除霜運転から開始するよう制御する。例えば、吸熱器104に着霜した状態で運転を停止した直後に再度運転を行った場合、吸熱器104に氷や霜が付着した状態から運転を開始することになる。ここで、通常の除湿運転を行うと更に着霜が進行してしまい、除霜運転で取り除ける着霜量を超えて着霜が進行することが考えられる。この場合、吸熱器104の閉塞によりメイン風路7の風量が減ることによる加熱手段109の異常過熱や、排水口の閉塞などによる水漏れ、などの不具合の可能性がある。
これらを防ぐため、上述のように、着霜予測手段27が着霜を予測した場合は、まず除霜運転から開始する制御としている。そして、10分間除霜運手を行った後、除湿運転に切り替わる。ここで室内温度が9℃未満であるので、「着霜抑制モード」で運転する。第4図で説明したとおり、圧縮機101、送風手段6、駆動手段2を作動し、加熱手段109はLo出力で作動する。着霜を抑制しながら除湿運転を行っているが、吸熱器104の温度は0℃以下となるので、着霜は徐々に進行していく。吸熱器104に氷や霜が徐々に付着するので、吸熱器104の風路抵抗が増加し、メイン風路7の風量が減少する。そして加熱手段109の温度は徐々に高くなってくる。この「着霜抑制モード」での除湿運転を25分行った時、蒸発温センサー14による検出値Teが0.5℃以下であれば、着霜状態を判断する。そして再び除霜運転が開始される。
除霜運転では、第4図で説明したように、圧縮機101の停止し、送風手段6、駆動手段2を作動し、加熱手段109の出力を増加させるよう制御する。ここで、加熱手段109の出力の増加は除霜運転に切り替わってから所定の時間、本実施例では3分経過後に行われる。「着霜抑制モード」で除湿運転中に吸熱器104の風路抵抗が増え、加熱手段109の温度が上昇している状態から除霜運転に切り替わり、加熱手段109の出力を増加させると、急激に加熱手段109の温度が上昇し、周囲部品の耐熱温度を超えてしまうという不具合が発生する可能性がある。これを防止するために、上述のように加熱手段109の出力増加を3分経過後に行う。これにより、除霜運転に切り替わり圧縮機101が停止したことにより、ある程度吸熱器104の氷や霜が溶解し、風路抵抗が減少し、加熱手段109の温度が低下してから加熱手段109の出力を増加させることができ、急激な温度上昇が抑えられ、周囲部品の耐熱温度を超えて過熱されることがない。しかも除霜運転中の吸熱器104への流入熱量を増やせるので迅速に確実に吸熱器104の氷や霜を溶解することができる。除霜運転を10分間、もしくは吸熱器温度が16℃を超えるまで行った後、再び、除湿運転を行うことになる。
次に、着霜予測手段27が着霜を予測した場合、除湿運転から開始するように制御した場合の例を示す。図6は、室内温度が9℃未満の時の運転状況を圧縮機101、加熱手段109の動作と加熱手段109の温度との関係から示したグラフである。室内温度が9℃未満である場合、着霜予測手段27は、着霜を予測することになる。上述したように、直前に着霜状態で運転を終え、その直後に再度運転した場合の着霜の進行による不具合を防止するため、着霜予測手段27が着霜を予測した場合は、運転開始直後の除湿運転の運転時間を2回目以降の除湿運転よりも短くしている。
本実施例では、運転直後の除湿運転の時間を5分としている。この時間は、直前に着霜状態で運転を終え、その直後に再度運転して更に着霜が進んでも、その後の除霜運転で除霜が完了できる着霜量になるまでの時間が許容できるので、そのシステムに見合った時間とすることができる。これにより、吸熱器104での着霜量の極端な増加を抑制でき、除霜運転時に確実に除霜が完了することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがない。その後、図5で説明したように、除湿運転(この場合、室内環境温度が9℃未満なので「着霜抑制モード」)と除霜運転を交互に行うことになる。
図7は、着霜予測手段27が室内温度(室内環境温度)と室内相対湿度(室内環境相対湿度)により着霜を予測する場合の着霜予測範囲の一例を示した図である。室内温度および室内相対湿度が図中の斜線の部分に入る場合、着霜を予測することになる。図7の斜線の着霜予測範囲は、実験あるいは計算予測、シミュレーションなどによりもとめる。このように室内温度だけではなく室内相対湿度も加味して着霜を判断することにより、より細かく正確に着霜を判断することができる。
着霜予測手段27は、室温センサー12により検出、検知、計測された室内温度と、湿度センサー13により検出、検知、計測された室内相対湿度により、図7の一例に示す斜線の着霜予測範囲に入っているかどうかを判断し、着霜予測範囲に入っていれば、着霜を予測し、着霜予測範囲に入っていなければ、着霜を予測しないことになる。着霜予測手段27としては、上記内容、手順あるいは/および判断手順などがプログラムされたマイコンなどがある。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
着霜予測手段27により、吸熱器104の着霜が予測された場合には、予め吸熱器104の着霜を抑制しながら除湿運転を行うことができ、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、着霜予測手段27により、吸熱器104の着霜が予測された場合には、意図的に除湿量を低減させることにより吸熱器104の着霜を抑制しながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、着霜予測手段27により、吸熱器104の着霜が予測された場合には、放湿領域107を加熱しデシカントローター108の放湿を担っている加熱手段109の出力を低減させることにより、デシカントローター108の放湿を抑制し、除湿量を意図的に低減させることにより、吸熱器104の着霜を抑制しながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、着霜予測手段27により吸熱器104の着霜を予測した場合には、吸熱器104に供給する空気の風量を増加させることにより、吸熱器104での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器104での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることにより着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、着霜予測手段27により吸熱器104の着霜を予測した場合には、放熱器102の放熱量を減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器104の過度の冷却を抑制することにより吸熱器104の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、室内空気を放熱器102、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106の順に供給するメイン風路7と、室内空気を放熱器102に供給する第1バイパス風路8を備え、着霜予測手段27により吸熱器104の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路8の風量を減少させることにより、放熱器102に供給される風量を減少し、放熱器102の放熱量を減少させることにより、冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器104の過度の冷却を抑制することにより吸熱器104の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、メイン風路7と第1バイパス風路8に室内空気を供給する1つの送風手段6を備え、着霜予測手段27により吸熱器104の着霜を予測した場合には、第1バイパス風路8に風路抵抗を付加することにより、放熱器102に供給される風量を減少させ冷凍サイクルのサイクル圧力の低下を抑え、吸熱器104の過度の冷却を抑えるとともに、送風手段6の回転数が上がり、メイン風路7では流れる風量が上昇し、吸熱器104に供給される風量が増えるので、吸熱器104での水分凝縮に適した風速より速い風速を与え、湿った空気を素通りさせる(いわゆるバイパスファクターを増加させる)ことにより、吸熱器104での水分凝縮を減らし意図的に除湿量を低減させることになり、吸熱器104の着霜を抑制することにより吸熱器104の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、吸熱器104の前段に室内空気を直接取り入れる第2バイパス風路11を有することにより放湿領域107から流出する高温多湿の空気に室内空気を混ぜることにより空気の温度を下げ、相対湿度を上げることにより吸熱器104での凝縮効率を向上させ、しかも吸湿領域106により多くの空気を流入させることによりデシカントローター108の吸放湿の効率を向上させることにより除湿効率を向上している除湿装置において、着霜予測手段27により吸熱器104の着霜を予測した場合には、第2バイパス風路11の空気抵抗を調整することにより前記吸熱器104への空気供給量を減少させることにより前述の除湿効率向上の作用を弱め、意図的に除湿量を低減させることになり吸熱器104の着霜を抑制させながら除湿運転を行い、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、吸熱器104に付着した霜を取り除く除霜運転を備え、運転開始前に着霜予測手段27が着霜状態を予測した場合は、運転開始時は、除霜運転から行うことにより、着霜状態のまま運転停止している除湿装置を再度運転した場合の吸熱器104の着霜量が通常より増加するのを抑制することにより吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、運転開始から所定時間経過後に吸熱器104の冷媒温度が所定温度以下であることを検知して着霜を判断する着霜判断手段26を備えた除湿装置においては、着霜状態のまま運転停止している除湿装置を再度運転した場合、着霜判断手段26の着霜判断までの時間が事実上長くなり、通常より吸熱器104の着霜量が増加する可能性があるが、運転開始前に着霜予測手段27が着霜を予測した場合、運転後一回目の着霜判断手段26の着霜判断までの所定時間を、2回目以降の着霜判断までの時間より短くすることにより、吸熱器104での着霜量の極端な増加を抑制でき、除霜運転時に確実に除霜が完了することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、圧縮機101を停止し、加熱手段109およびデシカントローター108を駆動し、室内空気を圧縮機101、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器104の吸熱を止め、加熱手段109の熱量を吸熱器104に導入することにより吸熱器104に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時はデシカントローター108の駆動速度を遅くすることにより、デシカントローター108に与えられた加熱手段109の熱量がデシカントローター108の回転により吸湿領域106に持ち込まれ、室内に放出されるという無駄を抑制し、無駄なく加熱手段109の熱量を吸熱器104に投入することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、圧縮機101を停止し、加熱手段109およびデシカントローター108を駆動し、室内空気を圧縮機101、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器104の吸熱を止め、加熱手段109の熱量を吸熱器104に導入することにより吸熱器104に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は吸熱器104への空気供給量を増加させることにより、吸熱器104での熱交換量を増加し、氷、霜の融解を促進することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、圧縮機101を停止し、加熱手段109およびデシカントローター108を駆動し、室内空気を圧縮機101、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106へと供給する除霜運転、つまり冷凍サイクルの動作を停止し吸熱器104の吸熱を止め、加熱手段109の熱量を吸熱器104に導入することにより吸熱器104に生成した氷霜を融解する除霜運転において、除霜運転時は加熱手段109の加熱量を増加させることにより、吸熱器104への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進することにより効率的に除霜運転が可能となり確実に除霜が完了することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、除霜運転に切り替わってから所定時間経過後に加熱手段109の加熱量を増加させることにより、まず、圧縮機101の駆動を停止し、ある程度吸熱器104の氷や霜が融解してから加熱手段109の加熱量を増加させるので、除湿運転中に吸熱器104に着霜し、氷や霜により通風抵抗が増し風量が減少しているところに急激に加熱量が増加することで加熱手段109周辺や風路に高温による不具合を発生させることなく、吸熱器104への投入熱量を増加し、氷、霜の融解を促進することができるので吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できる。
また、室内空気の温度または温湿度を測定する測定手段を備え、測定手段の測定値を元に前記吸熱器104の着霜を予測するので、運転を開始する前でも吸熱器104の着霜を予測でき、それに対応して着霜を抑制しながら運転を行うことができ、吸熱器104の着霜による風路の閉塞、機器からの水漏れ等の不具合を起こすことがなく、信頼性の高い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
以上説明した内容は、発明を実施するための一形態についてのみ説明したものであり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、本体1の片側面に吸込口3、本体1の上面に第1吹出口4、吸込口3の反対側の側面に第2吹出口5を開口しているが、商品構成上任意の位置に設けてよく上記位置に限定するものではない。
また、上記実施の形態では、吹出口ダンパー9を、メイン風路7の吹出し先を第1吹出口に設定する実線位置と、第2吹出口に設定する点線位置との切換を行うように構成したが、吹出口ダンパー9の切換パターンは上記にとどまるものではない。例えば、第一バイパス風路の吹出し先を切換える構成としてもよく様々なパターンに適用することができる。
また、上記実施の形態では、「自動除湿モード」において室温センサー12の検出値Trが15℃未満で加熱手段109および駆動手段2を作動させてデシカントローター108の吸放湿作用を組み合せる除湿運転を行い、検出値Trが15℃以上で加熱手段109を停止させて除湿運転を実行する構成としたが、例えば、加熱手段109の出力を大、小の2段階に切換可能に構成し、検出値Trが10℃未満でヒーター21の出力を大に設定して除湿運転を実行し、検出値Trが10℃以上かつ20℃未満で加熱手段109の出力を小に設定して除湿運転を実行し、検出値Trが20℃以上で加熱手段を停止して除湿運転を実行するような多段階の運転形態にしてもよい。
また、吸込口3の開口面に着脱自在にフィルターを配設して本体1内部への異物流入を抑制する、あるいは第1吹出口4や第2吹出口5にルーバー機構を設け、吹出空気の吹出方向を変更可能に構成するなど適宜設計してもよい。
また、第1吹出口4に着脱自在に排気ダクトを設け、第1吹出口4から排出される高温空気を第2吹出口5から遠方に排出するように構成してもよい。この場合、排気ダクトからの排気を本体1が配置される空間とは別の空間に排出した場合には、本体1が置かれている空間に、第2吹出口5からの低温空気のみを供給することも可能となり、快適性をさらに向上できる。
また、吹出口ダンパー9や第1バイパス風路ダンパー16、第2バイパス風路ダンパー17などのの切換えを駆動モータによりダンパーを移動させて実行する構成としたが、ダンパーに連結したレバーを設けて手動で切換えるように構成してもよい。その場合は、ダンパーに磁石を設け、何れかの位置にホール素子などの位置検出器を配設して、ダンパーの設定位置を検出可能に構成することが望ましい。