JP6089519B2 - 光学シート、表示装置、及び光学シートの製造方法 - Google Patents

光学シート、表示装置、及び光学シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学シート、表示装置、及び光学シートの製造方法に関する。
液晶表示装置、プラズマ式の表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)式の表示装置等に代表される各種の表示装置では、表示すべき映像や画像を出射する映像源を備えるとともに、該映像源から出射される映像光の質を高めて観察者側に透過させる光学シートを備えている。当該光学シートは、より質の高い映像を観察者に提供するため、各種機能を有する層が積層されてなる場合が多い。この機能の1つとして、いわゆる覗き見防止を挙げることができ、そのための層が設けられていることがある。
例えば特許文献1、2には、コントラストの向上、及び映像光の明るさ向上を図る観点から、シート面に沿って一方向に延び、該一方向とは異なる方向に所定の間隔で配列された、光を透過する複数の部位(光透過部)と、該光を透過する部位の間に設けられた光を吸収する複数の部位(光吸収部)と、を備える光学シートが開示されている。このような層を備える光学シートでは光吸収部により視野角を制御し、上記した覗き見防止するように構成することもできる。
さらに特許文献1、2では、映像源の画素パターンと、光学シートの光吸収部及び光透過部の配列パターンと、の関係で生じる干渉縞(モアレ)を防止する観点から、光吸収部及び光透過部が延びる方向の角度(バイアス角)を所定の範囲に規定している。
特開2006−313360号公報 米国特許第7710036号
しかしながら、特許文献1、2に記載の発明のように、バイアス角を所定の範囲に設定してもバイアス角は映像源の画素配列パターンとの関係により決まるので、映像源ごとに設定する必要があるとともに、場合によっては同じ形態の映像源であってもモアレが発生してしまうこともあった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、バイアス角によらずモアレ発生を防止することができる光学シートを提供することを課題とする。また、この光学シートを備える表示装置、及び光学シートの製造方法を提供する。
以下、本発明について説明する。わかりやすさのため、図面の参照符号を括弧書きで付記するが本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、透光性を有する基材層(11)と、基材層の一方の面に積層された光学機能層(12)と、表面に複数の凸部(22a、22b)が形成された凹凸層(22)と、を有し、光学機能層は、基材層の面に沿って一方に延びるとともに、該一方とは異なる方向に配列される、光を透過する複数の光透過部(13)と、隣り合う光透過部の間に形成され、光透過部と同じ方向に延びるとともに、光透過部が配列される方向と同じ方向に配列される、光を吸収する複数の光吸収部(14)と、を備え、凹凸層の複数の凸部は第一凸部(22a)と第二凸部(22b)とを具備しており、第二凸部は、第一凸部の表面のうち頂部以外の少なくとも一部に形成されている、光学シート(10、10’)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シートにおいて、凹凸層(22)は基材層(11)の他方の面に直接積層されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学シートにおいて、凹凸層(22)は基材層とは異なる層である透光性を有するベース層(21)に積層されている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート(10)において、光透過部(13)及び光吸収部(14)が延びる方向が、光学機能層(12)の縁となる辺のうちの少なくとも1つの辺の方向に対して0度以上10度以下の角度を有していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、映像源(2)と、映像源の観察者側に配置された請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート(10)と、を備える、表示装置(50)である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の表示装置(50)において、光透過部(13)及び光吸収部(14)が延びる方向が、鉛直方向に対して0度以上10度以下の角度を有していることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の光学シートを製造する方法であって、基材層(11)と凹凸層用のロール金型との間に、硬化する前の凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて凹凸層(22)を形成する工程と、基材層及び凹凸層の積層体の基材層と光透過部用のロール金型との間に、硬化する前の光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の光透過部を形成する工程と、複数の光透過部の間に、硬化する前の光吸収部となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の光吸収部を形成する工程と、を含む、光学シートの製造方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の光学シート(10)を製造する方法であって、基材層(11)と光透過部(13)用のロール金型との間に、硬化する前の光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の光透過部を形成する工程と、複数の光透過部の間に、硬化する前の光吸収部となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の光吸収部(14)を形成する工程と、ベース層(21)と凹凸層(22)用のロール金型(120)との間に、硬化する前の凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて凹凸層を形成する工程と、基材層と光学機能層との積層体に、ベース層と凹凸層との積層体を貼り合わせる工程と、を含む、光学シートの製造方法である。
請求項9に記載の発明は、請求項3に記載の光学シート(10)を製造する方法であって、ベース層(21)と凹凸層(22)用のロール金型(120)との間に、硬化する前の凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて凹凸層を形成する工程と、ベース層と凹凸層との積層体に基材層(11)を貼り合わせる工程と、基材層、ベース層、及び凹凸層の積層体の基材層と光透過部(13)用のロール金型との間に、硬化する前の光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の光透過部を形成する工程と、複数の光透過部の間に、硬化する前の光吸収部(14)となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の光吸収部を形成する工程と、を含む、光学シートの製造方法である。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9に記載の光学シートの製造方法において、凹凸層(22)用のロール金型(120)の製造には、表面に研磨材を吹き付けるブラスト加工をおこなう第一ブラスト加工と、第一ブラスト加工の後に、該第一ブラスト加工に用いた研磨材より粒子径が大きい研磨材によりブラスト加工をおこなう第二ブラスト加工と、を含む。
本発明の光学シート、及び表示装置によれば、バイアス角によらずモアレ発生を防止することができる。
また、本発明の光学シートの製造方法によれば、このような光学シートを精度よく大量に、効率よく製造することが可能である。
1つの実施形態にかかる表示装置を模式的に表した分解斜視図である。 1つの実施形態にかかる光学シートを含む映像源ユニットの構成を説明する図である。 光学機能層の断面の一部を拡大して示した図である。 光学機能層を正面から見た図である。 モアレ防止層の構成を説明するための断面図である。 凹凸層用の金型ロールを模式的に示した斜視図である。 凹凸層用の金型ロールの表面形態を説明する断面図の一部である。 凹凸層用の金型ロールの製造過程におけるロールの表面形態を説明する断面図の一部である。 凹凸層の製造過程の1つを説明する図である。 他の実施形態にかかる映像源ユニットの構成を説明する図である。 図10のうち、基材層、光学機能層、及び凹凸層を拡大して示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。図面ではわかりやすさのため、各部材の構成を誇張、変形して記載することがある。また、図面の見易さのため、繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。
図1は1つの実施形態にかかる映像源ユニット1を具備する表示装置50を模式的に示した分解斜視図である。図1では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図1からわかるように、表示装置50は、前面側筐体51と背面側筐体52とにより形成される筐体の内側に映像源ユニット1を備えている。本実施形態の表示装置50はプラズマ表示装置であり、映像源ユニット1はプラズマディスプレイパネルユニットである。表示装置50には、映像源ユニット1の他にもその筐体内に表示装置に備えられるべき公知の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
図2は図1に表した映像源ユニット1のII−II断面(水平断面)を示し、その層構成を模式的に表した図である。図2では紙面右が観察者側である。
映像源ユニット1は、映像源2、及び光学シート10を備えている。以下に各層について説明する。
映像源2は映像情報を提供する機器であり、その形式により液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)パネル等が挙げられる。本実施形態では映像源2はプラズマディスプレイパネルである。ここには公知の映像源を用いることができる。
光学シート10は、映像源2より観察者側に配置され、映像源2からの映像光を観察者にとって見やすい映像となるように透過する機能を有する。本実施形態の光学シート10は、映像源2側から観察者側に向けて、保護層26、接着層25、光学機能層12、基材層11、接着層17、及びモアレ防止層20を備えている。以下、各層について説明する。
基材層11は、光学機能層12を形成するためのベースとなる層である。従って基材層11は平滑なシート状の部材であり、透光性を有するとともに所定のコシを備えるように形成されている。基材層11を構成する材料はこのような性質を有していれば特に限定されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」、及びポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
光学機能層12は、基材層11の一方の面に積層されるように形成され、映像源2からの光を偏向して観察者側に出射するとともに、観察者側からの光(いわゆる外光)の一部を吸収する機能を有する層である。本実施形態で光学機能層12は図2に示した断面において、光透過部13及び光吸収部14をそれぞれ複数備え、これらが基材層11の面に沿って交互に配列された形態を具備している。図3には光学機能層12の一部を拡大して2つの光吸収部14とこれに隣接する光透過部13を示した。また図4には、図2にIVで示した方向である正面側(観察者側)から見た光学機能層12を表した。
光透過部13は、光を透過する材料により構成された部位であり、図2、図3に表れた水平断面において矩形断面を備えている。その中でも本実施形態では、映像源2側に短い上底、観察者側に長い下底を有する台形断面である。当該台形断面における脚に相当する斜辺は光学機能層12の層面の法線に対してθの角度とされている。θの角度は特に限定されることはないが、0度より大きく15度以下であることが好ましい。
ただし、θが0度であることを妨げるものではなく、θが0度であるときには光透過部13は長方形又は正方形となる。
一方、光透過部13は、図4からわかるように、図2に示した断面を有して画面の上下に延びるように形成されている。従って、光透過部13は光学シート10のシート面(基材層11の面)に沿って1つの方向(本実施形態では上下方向)に延び、これとは異なる方向(本実施形態では水平方向)に所定の間隔で複数配列される形態を備えている。
ここで、図4にθで示したように、光透過部13(及び光吸収部14)が延びる方向は、光学機能層12の縁を形成する辺うち上下方向となる辺10aに対してθ傾いている。当該θがバイアス角と呼ばれる角度である。光学シート10が図1のように表示装置に設置された場合には、鉛直方向に対する光透過部13(及び光吸収部14)が延びる方向がバイアス角θとなる。
本発明では当該バイアス角θは特に限定されない。すなわちθが0度であってもよいし、他の角度であってもよい。ただし、さらに確実なモアレ発生の防止の観点からθは0度より大きく10度以下であることが好ましい。
光透過部13を構成する材料は透光性を有しており、効率よく光を透過することができれば特に限定されることはないが、成形性の観点からエポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の光硬化性樹脂を挙げることができる。
また、このような樹脂により、光透過部13の屈折率Nを1.49〜1.56とすることが好ましい。
光吸収部14は、隣接する2つの光透過部13間に形成され、光を吸収する部位である。従って、光吸収部14は光透過部13間の形状に沿ったものとなる。本実施形態では光吸収部は図2、図3に表れた水平断面において三角形となり、底辺が光透過部13の上底側、底辺に含まれない頂点が光透過部13の下底側に配置される。
そのため、光吸収部14の斜辺と光透過部13の斜辺とは一致し、ここで両者の界面が形成される。従って、光吸収部14の斜辺は、光透過部13の斜辺と同様、光学機能層12の層面の法線に対してθの角度とされている。θの角度は特に限定されることはないが、0度より大きく15度以下であることが好ましい。
そして、θが0度であるときは、光吸収部14は三角形断面でなく、長方形又は正方形の断面となる。また、隣接する光透過部13の間隔の形状によっては光吸収部は台形断面になることもある。
本実施形態では光吸収部14の当該断面が二等辺三角形である例、すなわち斜辺がいずれもθである例を示したが、必ずしも二等辺三角形である必要はなく、2つの斜辺がそれぞれ異なる角度であってもよい。
光吸収部14が配列されるピッチは30μm〜100μmであることが好ましい。ピッチがこれより小さいと光吸収部14の形状を細くせざるを得なくなり、金型の作製及び光吸収部14の形成のための材料の充填も困難となる。一方、ピッチをこれより大きくすると、光学機能層の作用を十分に発揮させるために光吸収部を14を太く、長くする必要があり、光学シートが厚くなったり、光吸収部が筋状に肉眼で見えることもあり外観上の問題が生じる虞がある。
一方、光吸収部14の長手方向についても光透過部13に沿った形態となる。すなわち、光吸収部14は、図4からわかるように、図2に示した断面を有して画面の上下に延びるように形成されている。従って、光吸収部14も光学シート10のシート面に沿って1つの方向(本実施形態では上下方向)に延び、これとは異なる方向(本実施形態では水平方向)に複数配列される形態を備えている。
ここで、光吸収部が延びる方向、及びバイアス角θについては光透過部13と同様である。
本実施形態では、光吸収部14は、光吸収粒子16を含有することにより光吸収性能を有するものとされている。すなわち、光吸収粒子16が分散されたバインダ15が光透過部13間に充填されている。
バインダ15を構成する材料は光吸収粒子16を分散させた状態で保持することができれば特に限定されることはないが、成形性の観点からウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、及びブタジエン(メタ)アクリレート等の光硬化性樹脂を挙げることができる。
一方、光吸収粒子16としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。
着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、後述するように光学機能層12の製造に際し、着色粒子がドクターブレードと光透過部13の上部との間の隙間を抜け難くなり、光透過部13の上部に着色粒子が残留することを防止できる。
本実施形態では光吸収部14は、バインダ15に光吸収粒子16を分散した形態を示したが、バインダ自体を染料や顔料により着色することにより光吸収性を備えるものとしてもよい。
光吸収部14の屈折率Nは、光透過部13の屈折率Nと同じ、又はNより小さいことが好ましい。NがNより小さいときにはその屈折率差に基づいて、光透過部と光吸収部との界面で、その入射角との関係で全反射により光を反射することができ、観察者に明るい映像を提供することが可能となる。
光吸収部14の屈折率はバインダ15の材料により決めることができ、上記した樹脂により、光吸収部14の屈折率Nを1.49〜1.56とすることが好ましい。
図2に戻って他の層について説明する。接着層17は、基材層11のうち光学機能層12が積層された側とは反対側に設けられた接着機能を有する層である。接着層17は、モアレ防止層20を基材層11に貼り付けるための層である。
接着層17に用いられる材料は特に限定されることはなく、このような目的を達し、透光性を備えていれば各種材料を用いることができる。これには例えば公知の粘着剤、接着剤、紫外線硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物を組み合わせた粘着剤を挙げることができる。
接着層17の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。接着層17が薄過ぎると基材層11とモアレ防止層20との密着性が低下する虞がある。また、接着層17が厚過ぎると接着層17の厚さを均一にすることが困難になる。
モアレ防止層20は、接着層17により基材層11の観察者側に貼り付けられ、映像源2の画素配置と、光学機能層12の光透過部13及び光吸収部14の配列と、に起因する干渉縞であるモアレを防止する機能を有する。本実施形態における具体的な形状を図5に示した。図5は、モアレ防止層20の構造を説明するための水平方向断面図である。図5からわかるように、モアレ防止層20はその厚さ方向に積層されるベース層21及び凹凸層22を備えている。
ベース層21は、凹凸層22を形成するためのベースとなる層である。従って平滑なシート状の部材であり、透光性を有するとともに所定のコシを備えるように形成されている。ベース層21を構成する材料はこのような性質を有していれば特に限定されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」、及びポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
凹凸層22は、モアレを防止する層である。凹凸層22は、図5からわかるようにベース層21の一方の面に積層される層であり、ベース層21に接しない側の面に所定の微細な凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は複数の第一凸部22a及び複数の第二凸部22bを備えている。
第一凸部22aは比較的粗い凹凸を形成する凸部である。一方、第二凸部22bは、第一凸部22aより細かい凹凸を形成する凸部である。
ここで、図5からわかるように第二凸部22bは、第一凸部22aの表面のうち頂部以外の少なくとも一部に形成されている。すなわち、図5に破線で示した第一凸部22aの表面の一部に第二凸部22bが形成されている。第一凸部22aの表面に占める第二凸部12bの存在の割合は特に限定されることはないが、第一凸部22aの表面積に対して0%より大きく80%以下であることが好ましい。この割合が0%であると第一凸部の表面に第二凸部が存在しないことになるので効果を奏しない。一方この割合が80%より大きくなると第二凸部の影響が大きくなりすぎる。
凹凸層22の凹凸は上記したような第一凸部22a及び第二凸部22bにより形成されていればよい。従って表面粗さも特に限定されるものではないが、凹凸層22に形成される凹凸は算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001)で0.20μm以上0.40μm以下であることが好ましい。上記した形態を有しつつこのような粗さの範囲の凹凸にすることにより、光を適切に散乱させることができモアレを効果的に防止することができる。また、凹凸層22のヘイズは20%以上40%以下となることが好ましい。ヘイズが20%より低いと外光の映り込みが多くなってしまう。一方、40%よりも高いと外観が白っぽくなる。
また、凹凸層22の形態により、防眩機能も奏するものとなる。第一凸部22aは、凸部の大きさ及び配置により、防眩機能を発揮しつつもコントラスト低下を抑制することができる。一方、第二凸部22bは、凸部の大きさ及び配置により、防眩機能を発揮しつつもシンチレーション発生を抑制することが可能となる。
以上のようなモアレ防止層20によれば、モアレを防止することができることに加え、コントラスト低下及びシンチレーション発生の不具合がバランスよく抑制された防眩機能を備える層となる。これは第一凸部22a及び第二凸部22bの大きさの関係及び配置に基づくモアレ解消の機能に加え、第一凸部22aによりコントラスト低下が抑制された防眩機能、第二凸部22bによりシンチレーション発生が抑制された防眩機能が発揮されることによる。特に、2種類の凸部を備えつつも、第二凸部22bが第一凸部22aの一部には形成されていないことにより顕著な効果を奏するものと考えられる。
凹凸層22を構成する材料は、特に限定されることはないが、凹凸層22が後述するように金型による賦形で製造されることが好ましいとの観点から、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の光硬化性樹脂を好適に用いることができる。
凹凸層22は、さらにハードコート機能を有するように構成してもよい。ハードコート機能は、擦り傷、表面汚染に対する耐性を向上させる機能であり、硬化性樹脂が硬化してなる材料を用いることができる。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー又は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマー等からなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
図2に戻って他の層について説明する。接着層25は、光学機能層12のうち基材層11が積層された側とは反対側に設けられた接着機能を有する層である。接着層25は、保護層26を光学機能層12に貼り付けるための層である。
接着層25を構成する材料や厚さ等については接着層17と同様である。
保護層26は、上記基材層11と対になり、光学機能層12を挟むように配置される層であり、基材層11と合わせて光学機能層12を保護する機能を有する。また、光学シート10に所定のコシを持たせることもできる。保護層26はこのような機能を有するものであれば、その材料は特に限定されることはなく、例えば上記した基材層11と同様の材料により構成することができる。
以上のような、光学シート10及びこれを備える表示装置1は次のように作用する。図3に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。以下同様である。
映像源2(図2参照)から投射された映像光Lは、光吸収部14に達することなく保護層26、接着層25、光学機能層12の光透過部13、基材層11、接着層17及びモアレ防止層20を透過して観察者側に出射され、映像光として観察者に提供される。
映像源2(図2参照)から投射された映像光Lは、保護層26、及び接着層25を透過して光学機能層12の光透過部13と光吸収部14との界面に達する。界面に達した映像光Lは、NとNの屈折率差に基づき、入射角との関係で当該界面で全反射して偏向され光透過部13を透過して基材層11、接着層17及びモアレ防止層20を透過して観察者側に出射され、映像光として観察者に提供される。このとき界面が図3のように傾斜していれば、映像光Lは画面の正面側に偏向されるので、映像光Lと相まって観察者に映像光Lが提供され、観察者は明るい映像を観察することができる。
また映像源2(図2参照)から投射された映像光Lは、光吸収部14の底面側から映像光Lよりも大きな角度で光吸収部14に入射する。このような映像光Lは光吸収粒子16により吸収され観察者には提供されない。
このように、光学機能層12によれば、直進的に観察者に提供される映像光Lに加え、正面側に偏向されて観察者に提供される映像光Lも正面の観察者に提供されるので、正面の観察者は明るい映像を観察することができる。一方、映像光Lからわかるように正面からはずれた位置には映像光が提供されなくなるので、斜め方向から画面を見たときに映像をみることができず、いわゆるのぞき見防止として機能する。
また、観察者側から光学シート10に照射された外光Lは、光吸収部14内を進み、光吸収部16に吸収される。これにより外光が映像光に与える影響を減じることができ、コントラストを向上させることが可能となる。
以上のように、光学シート10のうち、光学機能層12により、映像光の正面輝度の向上、視野角の制限、及びコントラストの向上を図ることができる。
一方、光学機能層12にはこのような効果があるが、光透過部と光吸収部とが交互に配置される縞模様を形成しているので、映像源2の画素の配列との関係でモアレ干渉縞が発生することがあった。これを解消するために従来はバイアス角が変更されており、一定の効果はあるものの、条件によっては同じバイアス角でもモアレが発生することがあった。
これに対して本発明によれば上記した凹凸層22を具備するモアレ防止層20を設けることにより、バイアス角には無関係にモアレの発生を防止することができる。
次に1つの実施形態に係る光学シート10の製造方法について説明する。ここでは光学機能層12の製造から説明する。
光学機能層12は金型ロールを用いる方法により形成する。すなわち、円筒状であるロールの外周面に光学機能層12の光透過部13を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層11となる基材を挿入する。このとき基材の一方の面には接着層17が予め形成されていてもよい。ただしその際には接着層が他に貼り付いてしまわないように剥離シートも貼られている。そして、基材のうち接着層17が配置されていない側の面と金型ロールとの間に光透過部13を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された凹凸の凹部内に光透過部13を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部13を構成する組成物としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。すなわち、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)を配合した光硬化型樹脂組成物を用いることができる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部13の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された光透過部13を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、光透過部13を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層11及び成形された光透過部13を離型する。
次に、光吸収部14を形成する。光吸収部14を形成するには、光透過部13間に形成された凹部上に光吸収部を構成する組成物を過剰に供給する。この組成物はバインダ15となる組成物中に光吸収粒子16が分散されたものである。その後、余剰分の当該組成物をドクターブレードで掻き落とす。そして、光吸収部間に残った組成物に基材の反対側から光を照射することによって、組成物に含まれるバインダ15を硬化させ、光吸収部14を形成することができる。
バインダ15となる組成物として用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)及び光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、及びブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、(メタ)アクリレート系のものを挙げられる。
また、光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)及び光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート及びメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)及び反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、又は光学機能層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いることができる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤及び溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
これにより基材層11、光学機能層12、及び接着層17が積層された積層体Aが形成される。
次に、モアレ防止層20の製造について説明する。本実施形態ではモアレ防止層20は、金型を製造する工程及びモアレ防止層を成型する工程を備えている。以下、それぞれについて説明する。
金型を製造する工程では、上記したモアレ防止層20の凹凸層22の凹凸形状を形成する(賦形する)面を有するロール金型120を製造する。図6に、ロール金型120の外観を概略的に示した斜視図を表した。また図7には、ロール金型120の外周面に形成された凹凸形状の断面の一部を拡大した図を示した。
図6に示すように、ロール金型120は、円柱状のいわゆるロール状の金型であり、円柱状のロール基体121の外周面に形成された凹部122を有している。ここで凹部122の形状は上記したモアレ防止層20の凹凸層22の第一凸部22a及び第二凸部22bを反転した形状を有する凹部である。以下に詳しく説明する。
ロール基体121は、ベースとなる基体及び該基体外表面に積層された被加工層を有している。
基体は、ロール金型120の剛性を確保するための部位で、ロール金型120の大部分を占めている。かかる観点から基体は、機械構造用の鉄系材料が用いられることが好ましい。また、必要な剛性を確保しつつも軽量化をする観点から、基体は両端に底を有する有底の円筒状であってもよい。また、ロール金型120の表面の温度調節ができるようにロール基体121の内部に冷水や温水、蒸気又は高温の油を循環できるように2重構造にするのが一般的である。
一方、被加工層は、基体の外表面を被覆するように積層された層である。基体は上記したように構造上の観点からその材料が選択されるので、加工が困難である場合が多い。そこで、実際に加工するのはロール基体121の表面付近のみでよいことから、加工される部分に比較的加工のしやすい被加工層を設ける。従って、被加工層は、銅メッキ層、ニッケルメッキ層等の加工が容易な材料によるメッキ層であることが好ましい。被加工層の厚さは、その性質上、加工されるべき形状により決められる。例えば銅メッキ層の厚さは、必要な形状の高さ以上あれば問題ないが、通常は0.3mmから1.0mmである。
本実施形態では、加工の容易性の観点から被加工層が銅メッキ層やニッケルメッキ層等の加工が容易な層を例示した。ただし被加工層は必ずしも加工が容易な層である必要はなく、例えばクロムメッキ等の硬質な被加工層を形成してもよい。硬質な被加工層は、加工の難易度は上がるが、硬いことにより、形成される形状が安定するという利点がある。
ロール金型120外周表面に設けられる凹部122は、図7を図5と対比させることからわかるように、モアレ防止層20の凹凸層22の第一凸部22a及び第二凸部22bを反転した形状を有する凹部である。第一凸部22aに対応する凹部が第一凹部122a、第二凸部22bに対応する凹部が第二凹部122bである。
凹部122は後述するように、ここに組成物を充填して硬化させることにより凹凸層22の凹凸形状が形成できるように構成されている。ただし、凹凸層22を成型するときにそのための材料に伸縮があること等を考慮すれば、ロール金型120の当該凹部122と凹凸層22の凸部との形状が完全に一致するとは限らないことはいうまでもない。
以上のようなロール金型120は次のように製造することができる。基体上に被加工層が積層されたロール体を準備し、これをロール体の回転軸を中心に回転させる。はじめに基準面を得るための前加工として、所定の切削工具(Rバイト)により、必要な切り込み深さ及び送りで鏡面加工をおこなう。Rバイトとは、先端の形状が円弧状のバイトであり、曲率半径が2mmから10mmのダイヤモンドバイトがよく用いられる。送りピッチは0.1mmから0.2mmが一般的である。ここで、ロール体の直径は特に限定されることはないが、300mm以上500mm以下であることが好ましい。
また、バフ研磨により表面を均一にしてもよい。このときには例えば平均表面粗さRaで0.01μm程度にまで表面を研磨する。
次に第一ブラスト加工を行う。第一ブラスト加工は凹凸層22のうち、第二凸部22bを賦型するための第二凹部122bをロール金型120に形成するためのブラスト加工である。当該第一ブラスト加工により図8に示したように、ロール表面に第二凸部22bに対応する大きさの凹部が形成される。
第一ブラスト加工の条件は、最終的に第二凸部22bに対応する第二凹部122bが形成されれば特に限定されることはないが、後述する第二ブラスト加工に用いられる研磨材よりも小さな粒子径の研磨材が用いられる。具体的には被加工層の材質やブラスト加工の条件にもよるが、平均粒子径が10μm以上45μm以下の研磨材を用いることが好ましい。平均粒子径を10μmより小さくすると、後述する第二ブラスト加工により第一ブラスト加工で形成された凹凸が少なくなりすぎる虞がある。一方粒子径を45μmより大きくすると、第二凹部122bにより形成される第二凸部22bについて、第一凸部22aとの差異が小さくなってしまう虞がある。
ここで、平均粒子径は、「レーザー回折・散乱法」により得ることができる。これは例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックMT3000II等により測定することが可能である。以下同様である。
第一ブラスト加工の後、第二ブラスト加工をおこなう。第二ブラスト加工は凹凸層22のうち、第一凸部22aを賦型するための第一凹部122aをロール金型120に形成するためのブラスト加工である。当該第二ブラスト加工により図7に示したロール表面が形成される。
第二ブラスト加工の条件は、最終的に第一凸部22aに対応する第一凹部122aが形成されれば特に限定されることはないが、第一ブラスト加工に用いられる研磨材よりも大きな粒子径の研磨材が用いられる。具体的には被加工層の材質やブラスト加工の条件にもよるが、平均粒子径が50μm以上200μm以下の研磨材を用いることが好ましい。平均粒子径を50μmより小さくすると形成される第一凹部122aについて、第二凹部122bとの差異が小さくなる虞がある。一方、平均粒子径を200μmより大きくすると、形成される凹部によりモアレ防止層を形成したときにモアレ防止効果が低減する虞や、シンチレーションが発生する虞がある。
このように、本実施形態では粒子径が小さい研磨材によるブラスト加工(第一ブラスト加工)の後に、これより大きい粒子径の研磨材によるブラスト加工(第二ブラスト加工)をおこなう。第二ブラスト加工により、第一凹部122aの深部に相当する部位に存在した第一ブラスト加工で形成された凹部を消滅させることができる。これにより上記したモアレ防止層20の凹凸層22を形成することが可能となる。
次にロール金型120を用いてモアレ防止層20を成型する工程について説明する。図9に説明のための概念図を示した。この工程ではベース層21上に凹凸層22を形成する。すなわち、図9からわかるようにロール金型120とこれに対向するように配置されたニップロール130との間に、図9にIXで示したようにベース層21を挿入する。このとき、ベース層21とロール金型120との間に凹凸層を構成する組成物22’を供給しながらロール金型120及びニップロール130を回転させる。これによりロール金型120の表面に形成された凹部122内に組成物22’が充填され、該組成物22’がロール金型120の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、組成物22’としては光透過部13と同様の光硬化型の組成物を用いることができる。このときには、ロール金型120とベース層21との間に挟まれ、ここに充填された組成物22’に対し、ベース層21側から光照射装置150により光を照射する。これにより、組成物22’を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロール140によりロール金型120からベース層21及び成型された凹凸層22を離型する。
以上により、同様の凹凸形状を有するモアレ防止層を精度よく大量に製造することができる。すなわち、製品となるべき光学シートごとに凹凸層を形成するに際して直接ブラスト加工を施して凹凸を形成する場合に比べて、製品の凹凸の形状の差異、ばらつきを抑制することが可能である。
これによりモアレ防止層20が製造される。上記説明した基材層11、光学機能層12、及び接着層17が積層された積層体Aに対して、接着層17によりモアレ防止層20を貼り付ける。そして光学機能層12のうち基材層11が配置された側とは反対側の面には、接着層25を設け、ここに保護層26を積層する。
以上により光学シート10を製造することができる。
ここで説明した製造方法の例では、基材層11、光学機能層12、及び接着層17が積層された積層体Aを作製し、これにモアレ防止層20を貼り付ける形態を説明した。しかしながらこれに限らず、基材層11、接着層17、及びモアレ防止層20の積層体Bを作製し、この基材層11に光学機能層12を形成してもよい。
以上のような光学シート10の製造方法によれば、光学機能層12、及びモアレ防止層20ともに同じ形状を有する光学シートを精度よく、大量に効率よく製造することができる。
図10は他の実施形態にかかる映像源ユニット1’の層構成を示した図で、図2に相当する図である。また図11は図10のうち基材層11、光学機能層12、及び凹凸層22に注目して一部を拡大した図である。映像源ユニット1’は映像源2及び光学シート10’を備えている。映像源2は上記した映像源ユニット1と同様である。
光学シート10’は、映像源2より観察者側に配置され、映像源2からの映像光を観察者にとって見やすい映像となるように透過する機能を有する。本実施形態の光学シート10’は、映像源2側から観察者側に向けて、保護層26、接着層25、光学機能層12、基材層11、及び凹凸層22を備えている。すなわち、光学シート10’は基材層11の面のうち光学機能層12が配置される側とは反対側の面に凹凸層22が直接積層されている点で光学シート10と異なる。かかる点以外は光学シート10’は光学シート10と同様である。
このような光学シート10’によっても光学シート10と同じ効果を奏する。さらに光学シート10’によれば光学シート10に比べて層の数を減らすことができる。
光学シート10’は例えば次のように製造することができる。初めに基材層11上に凹凸層22を形成する。すなわち、図9に示した例にならってロール金型120とこれに対向するように配置されたニップロール130との間に、基材層11を挿入する。このとき、基材層11とロール金型120との間に凹凸層を構成する組成物22’を供給しながらロール金型120及びニップロール130を回転させる。これによりロール金型120の表面に形成された凹部122内に組成物22’が充填され、該組成物22’がロール金型120の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、組成物22’としては光透過部13と同様の光硬化型の組成物を用いることができる。このときには、ロール金型120と基材層11との間に挟まれ、ここに充填された組成物22’に対し、基材層11側から光照射装置150により光を照射する。これにより、組成物22’を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロール140によりロール金型120から基材層11及び成型された凹凸層22を離型する。これにより基材層11上に凹凸層22が積層された積層体Cを得る。
次に、積層体Cの基材層11のうち凹凸層22が積層されていない側の面に光学機能層12を積層する。光学機能層12の形成は、光学シート10で説明した例を適用することができる。
このように、光学シート10’では基材層11の表裏に直接光学機能層12及び凹凸層22をそれぞれ積層することができ、生産性の観点からも効率の向上を図ることが可能となる。
10 光学シート
11 基材層
12 光学機能層
13 光透過部
14 光吸収部
17 接着層
20 モアレ防止層
21 ベース層
22 凹凸層
25 接着層
26 保護層

Claims (10)

  1. 透光性を有する基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層された光学機能層と、
    表面に複数の凸部が形成された凹凸層と、を有し、
    前記光学機能層は、
    前記基材層の面に沿って一方に延びるとともに、該一方とは異なる方向に配列される、光を透過する複数の光透過部と、
    隣り合う前記光透過部の間に形成され、前記光透過部と同じ方向に延びるとともに、前記光透過部が配列される方向と同じ方向に配列される、光を吸収する複数の光吸収部と、を備え、
    前記凹凸の前記複数の凸部は第一凸部と第二凸部とを具備しており、前記第二凸部は、前記第一凸部の表面のうち頂部以外の少なくとも一部に形成されている、光学シート。
  2. 前記凹凸層は前記基材層の他方の面に直接積層されている、請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記凹凸層は前記基材層とは異なる層である透光性を有するベース層に積層されている請求項1に記載の光学シート。
  4. 前記光透過部及び前記光吸収部が延びる方向が、前記光学機能層の縁となる辺のうちの少なくとも1つの辺の方向に対して0度以上10度以下の角度を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 映像源と、
    前記映像源の観察者側に配置された請求項1〜4のいずれかに記載の光学シートと、を備える、表示装置。
  6. 前記光透過部及び前記光吸収部が延びる方向が、鉛直方向に対して0度以上10度以下の角度を有していることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 請求項2に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記基材層と前記凹凸層用のロール金型との間に、硬化する前の前記凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて前記凹凸層を形成する工程と、
    前記基材層及び前記凹凸層の積層体の前記基材層と前記光透過部用のロール金型との間に、硬化する前の前記光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の前記光透過部を形成する工程と、
    複数の前記光透過部の間に、硬化する前の前記光吸収部となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の前記光吸収部を形成する工程と、を含む、光学シートの製造方法。
  8. 請求項3に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記基材層と前記光透過部用のロール金型との間に、硬化する前の前記光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の前記光透過部を形成する工程と、
    複数の前記光透過部の間に、硬化する前の前記光吸収部となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の前記光吸収部を形成する工程と、
    前記ベース層と前記凹凸層用のロール金型との間に、硬化する前の前記凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて前記凹凸層を形成する工程と、
    前記基材層と前記光学機能層との積層体に、前記ベース層と前記凹凸層との積層体を貼り合わせる工程と、を含む、
    光学シートの製造方法。
  9. 請求項3に記載の光学シートを製造する方法であって、
    前記ベース層と前記凹凸層用のロール金型との間に、硬化する前の前記凹凸層となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて前記凹凸層を形成する工程と、
    前記ベース層と前記凹凸層との積層体に前記基材層を貼り合わせる工程と、
    前記基材層、前記ベース層、及び前記凹凸層の積層体の前記基材層と前記光透過部用のロール金型との間に、硬化する前の前記光透過部となる組成物を供給し、該組成物を硬化させて複数の前記光透過部を形成する工程と、
    複数の前記光透過部の間に、硬化する前の前記光吸収部となる組成物を供給し、余剰分を掻き取った後に該組成物を硬化させて複数の前記光吸収部を形成する工程と、を含む、
    光学シートの製造方法。
  10. 前記凹凸層用のロール金型の製造には、
    表面に研磨材を吹き付けるブラスト加工をおこなう第一ブラスト加工と、前記第一ブラスト加工の後に、該第一ブラスト加工に用いた研磨材より粒子径が大きい研磨材によりブラスト加工をおこなう第二ブラスト加工と、を含む、
    請求項7〜9のいずれかに記載の光学シートの製造方法。
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