以下、遊技機をパチンコ機100に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ機100が略示されている。パチンコ機100の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、パチンコ機100の機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。
また、前枠Y3は、中央部に窓口Y3aを有するとともに、当該窓口Y3aの下方に遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)Y4を一体形成した構成とされている。前枠Y3の裏側には、機内部に配置された遊技盤10を保護し、且つ窓口Y3aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。なお、遊技盤10は、中枠Y2に装着される。また、前枠Y3の前面側には、複数の発光体(LED、ランプなど)から構成され、その発光(点灯や点滅)により発光演出を実行する演出装置としての装飾ランプSLが設けられている。また、外枠Y1の下部には、各種音声を音声出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う音声出力手段としてのスピーカSPが配置されている。
また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)Y5が装着されている。また、中枠Y2の前面側であって下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤10に発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される発射装置Y6が装着されている。遊技者が発射装置Y6の発射ハンドルY6aを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1個ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤10に向けて発射される。
また、発射装置Y6の発射ハンドルY6aの回動操作する回動量に応じて、遊技盤10に向けて遊技球を発射させる強さ(遊技球を打ち出す方向)が変化するようになっている。このため、遊技者は、発射ハンドルY6aを回動操作する回動量を調節して、遊技盤10において遊技球を打ち出す方向を調節することができる。
次に、遊技盤10の構成を詳しく説明する。
図2に示すように、パチンコ機100の遊技盤10のほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体HWが装着されている。本実施形態の表示枠体HWは、遊技盤10の前面側から当該遊技盤10に装着される前面側部材WAと、遊技盤10の後面側から当該遊技盤10に装着される裏面側部材WBとから構成されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口11aが形成されており、当該セット口11aに整合して表示枠体HWには、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特別図柄が、図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄とに分類される。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が原則として確定停止表示される。
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾り図柄から大当り又ははずれを認識し得る。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、例えば、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
特別図柄表示装置12の右方には、複数個の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。特図始動保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置13の右方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では下側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では上側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は、普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動検知手段としての始動口スイッチSW1が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、演出表示装置11の右方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
そして、本実施形態のパチンコ機100では、演出装置として、複数の可動体(演出用可動体)を備えており、これらの可動体を各別に設定された動作範囲(原位置から最大可動位置までの範囲)で動作させて行う可動体演出を実行可能となっている。以下、可動体について詳しく説明する。
図3に示すように、裏面側部材WBにおいてセット口11aの上方には、上下方向に動作可能な五角形状の上可動体K1が配設されている。また、上可動体K1は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第1モータMOT1と接続されている。この第1モータMOT1が駆動することにより、上可動体K1が上下方向に移動することとなる。なお、通常状態において(上可動体K1を使用した可動体演出が行われていないとき)、上可動体K1は、セット口11aよりも上方(図2に示す位置)に配置されている。上可動体K1が下方向に移動したとき、画像表示部GHの表示領域を覆うように画像表示部GHの前側に配置される。
また、図3に示すように、上可動体K1の後側には、上ランプH1と、該上ランプH1の周囲を回転する上リフレクタR1を、透過性を有するケースC1内に収容した上回転灯K2が配設されている。なお、上回転灯K2は、原位置に配置された上可動体K1より後側に位置しているため、上可動体K1が原位置(図2に示す位置)に位置しているときには、上回転灯K2を視認することができない。その一方で、上可動体K1が最大可動位置(図3に示す位置)に位置しているときには、上回転灯K2を視認することができるようになっている。また、上リフレクタR1は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第2モータMOT2と接続されている。第2モータMOT2が駆動することにより、上リフレクタR1が上ランプH1の周囲を回転し、恰も点滅しているかのように見せることができる。
また、図3に示すように、裏面側部材WBにおいてセット口11aの右上方には、ピストルの形を模したピストル可動体K3が上下方向に動作可能となるように配設されている。なお、ピストル可動体K3の原位置は、原位置に配置された上可動体K1よりも後側に位置しているため、上可動体K1及びピストル可動体K3が原位置(図2に示す位置)に位置しているときには、上可動体K1によってピストル可動体K3を視認することができない。その一方で、ピストル可動体K3は、上可動体K1よりも動作範囲が広いため、ピストル可動体K3が最大可動位置(図3に示す位置)に位置しているときには、上可動体K1の位置にかかわらず、ピストル可動体K3を視認できるようになっている。
また、ピストル可動体K3は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第3モータMOT3と接続されている。第3モータMOT3が駆動することにより、ピストル可動体K3が上下方向に移動する。
また、図2に示すように、表示枠体HWを構成する裏面側部材WBの左下方には、左可動体K4が配設されている。左可動体K4は、ディスク状の左台座D2を備えており、一方の面には、サーチライトを模した左発光灯K5が配置されており、他方の面には、左ランプH2と、該左ランプH2の周囲を回転する左リフレクタR2を、透過性を有するケースC2内に収容した左回転灯K6が配置されている。つまり、左発光灯K5と左回転灯K6は、左台座D2において表裏にそれぞれ配置されていることになる。
そして、左可動体K4の左台座D2は、遊技者から見て反時計回りに回転可能に固定されていると共に、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第4モータMOT4と接続されている。なお、左台座D2は、径方向の中心において、パチンコ機100の前後方向に伸びる回転軸を中心に回転可能に固定されている。この第4モータMOT4が駆動することにより、左台座D2を上下方向が反対となるように半回転させ、左発光灯K5及び左回転灯K6のいずれかを上側に移動させるようになっている。なお、通常、左発光灯K5が上側に位置するようになっている。
また、左発光灯K5は、左台座D2に対して回転可能となるように固定されている。そして、左発光灯K5及び左回転灯K6(の左リフレクタR2)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第5モータMOT5と接続されている。そして、第5モータMOT5が駆動することにより、左発光灯K5及び左回転灯K6の左リフレクタR2が回転するようになっている。つまり、左発光灯K5が回転しているときは、遊技者側からは視認できないが、左リフレクタR2も同方向に回転していることになる。
また、図2に示すように、表示枠体HWを構成する裏面側部材WBの右下方には、右可動体K7が配設されている。右可動体K7は、ディスク状の右台座D3を備えており、一方の面には、サーチライトを模した右発光灯K8が配置されており、他方の面には、右ランプH3と、該右ランプH3の周囲を回転する右リフレクタR3を、透過性を有するケースC3内に収容した右回転灯K9が配置されている。つまり、右発光灯K8と右回転灯K9は、右台座D3において表裏にそれぞれ配置されていることになる。
そして、右可動体K7の右台座D3は、遊技者から見て時計回りに回転可能に固定されていると共に、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第7モータMOT7と接続されている。なお、右台座D3は、その径方向の中心において、パチンコ機100の前後方向に伸びる回転軸を中心に回転可能に固定されている。この第7モータMOT7が駆動することにより、右台座D3を上下方向が反対となるように半回転させ、右発光灯K8及び右回転灯K9のいずれかを上側に移動させるようになっている。なお、通常、右発光灯K8が上側に位置するようになっている。
また、右発光灯K8は、右台座D3に対して回転可能となるように固定されている。そして、右発光灯K8及び右回転灯K9(の右リフレクタR3)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第8モータMOT8と接続されている。そして、第8モータMOT8が駆動することにより、右発光灯K8及び右回転灯K9の右リフレクタR3が回転するようになっている。つまり、右発光灯K8が回転しているときは、遊技者側からは視認できないが、右リフレクタR3も同方向に回転していることになる。
このような構成により、左発光灯K5が遊技者に視認可能となっている状態では、左回転灯K6は遊技者に視認不能な状態となっている(図2)。その一方で、左可動体K4が回転軸を中心に半回転すると、左回転灯K6が遊技者に視認可能な状態となる一方で、左発光灯K5が遊技者に視認不能な状態となる(図3)。同様に、右発光灯K8が遊技者に視認可能となっている状態では、右回転灯K9は遊技者に視認不能な状態となっている(図2)。その一方で、右可動体K7が回転軸を中心に半回転すると、右回転灯K9が遊技者に視認可能な状態となる一方で、右発光灯K8が遊技者に視認不能な状態となる(図3)。
なお、以下の説明では、上可動体K1、上回転灯K2、ピストル可動体K3、左可動体K4(左台座D2)、左発光灯K5、左回転灯K6(左リフレクタR2)、右可動体K7(右台座D3)、右発光灯K8、及び右回転灯K9(右リフレクタR3)を、それぞれ可動体K1〜K9と示すことがある。また、第1モータMOT1〜第5モータMOT5、第7モータMOT7、第8モータMOT8を、まとめてモータMOTと示す場合がある。また、上ランプH1、左ランプH2、右ランプH3をまとめて、ランプH1〜H3と示す場合がある。
また、パチンコ機100の機裏側には、遊技店の店員のみが操作できる位置に、現在時刻や日時などの時間情報を設定することができる設定スイッチSW10が設けられている。設定スイッチSW10を操作することにより、時間情報などの各種情報をパチンコ機100に設定することができるようになっている。
以下、本実施形態のパチンコ機100に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。そして、このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。また、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
次に、図4に基づき、パチンコ機100の制御構成について説明する。
パチンコ機100の機裏側には、パチンコ機100を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機100を制御するために各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11等の各種演出装置を制御する。また、遊技機の機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)を、遊技機を構成する各種構成部材に供給する電源基板50が装着されている。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動口スイッチSW1と、カウントスイッチSW2と、ゲートスイッチSW3が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12と、特別図柄保留表示装置13が接続されている。また、主制御基板30には、電気二重層コンデンサからなる主制御用バックアップ電源30eが備えられており、主制御用RAM30cに主制御用バックアップ電源30eが接続されている。また、主制御基板30には、ハードウェア乱数を生成する乱数生成器30dが設けられており、主制御用CPU30aに接続されている。
この乱数生成器30dでは、内部クロックの1周期毎に1更新されるハードウェア乱数が生成される。なお、本実施形態のパチンコ機100では内部クロックが10MHzに設定されているため、0.1マイクロ秒毎にハードウェア乱数の値が1更新される。また、ハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535までの全部で65536通りの整数となっている。そして、本実施形態のパチンコ機100において、ハードウェア乱数は当り判定用乱数及び普通当り判定用乱数として使用される。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)に用いる乱数である。普通当り判定用乱数は、普通当り抽選(普通当り判定)に用いる乱数である。
また、主制御用RAM30cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間よりも長い時間(例えば、4m秒))毎に主制御用CPU30aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。なお、本実施形態のパチンコ機100において主制御用RAM30cには、第1のソフトウェア乱数、第2のソフトウェア乱数、第3のソフトウェア乱数が記憶されており、各ソフトウェア乱数は取り得る数値の範囲が異なる。そして、本実施形態のパチンコ機100において、第1のソフトウェア乱数は特別図柄振分用乱数、第2のソフトウェア乱数はリーチ判定用乱数、第3のソフトウェア乱数は変動パターン振分用乱数としてそれぞれ使用される。
特別図柄振分用乱数は、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄の種類を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ判定(リーチ抽選)に用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ機100全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容(大当りの有無、リーチ演出の有無、当り遊技の種類など)及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、リーチ変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。
大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
また、主制御用RAM30cには、パチンコ機100の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。
また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数(第2のソフトウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。
次に、図4に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御基板31には、電気二重層コンデンサからなる演出用バックアップ電源31eが備えられており、演出制御用RAM31cに演出用バックアップ電源31eが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用CPU31aには、設定スイッチSW10が接続されている。
また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。そして、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、第1モータMOT1〜第5モータMOT5、第7モータMOT7及び第8モータMOT8等の各種モータが接続されている。そして、演出制御用ROM31bには、可動体演出用の各種制御データ(モータMOTの動作態様、すなわち、可動体K1〜K9の動作態様や動作タイミングを示すデータ)が記憶されている。
また、演出制御用CPU31aには、ランプH1〜H3や装飾ランプSL等の各種ランプが接続されている。そして、演出制御用ROM31bには、発光演出用の各種制御データ(ランプH1〜H3や装飾ランプSLの発光パターンや発光タイミングを示すデータ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSPが接続されている。そして、演出制御用ROM31bには、音声出力用の各種制御データ(スピーカSPによる音声出力の出力パターンを示すデータ)が記憶されている。
次に、電源基板50の具体的構成について説明する。
電源基板50には、遊技場の電源をパチンコ機100への供給電圧として電源電圧V1(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路51が設けられている。電源回路51には、主制御基板30と演出制御基板31が接続されている。そして、電源回路51は、変換処理された後の電源電圧V1を主制御基板30や演出制御基板31に対応する供給すべき所定の電源電圧V2〜V3にさらに変換処理し、変換後の電源電圧V2〜V3を主制御基板30や演出制御基板31に供給する。
また、電源基板50には、電源断監視回路52が設けられており、電源断監視回路52が電源回路51に接続されている。電源断監視回路52は、電源回路51から供給される電源電圧V1の電圧値を監視するようになっている。すなわち、電源断監視回路52は、電源電圧V1が所定の電圧V0(例えば、DC20V)に降下したか否かを判定している。なお、この電圧V0は、遊技に支障をきたすことなくパチンコ機100を動作させるために最低限必要な電圧とされる。ここで、電源電圧V1が電圧V0に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機100に電源が供給されなくなってしまうため、電源電圧V1から電圧V0に降下する。これとは逆に、電源投入(電源ON)時や復電(復旧電源)時の場合は、パチンコ機100に電源が供給されるので、電圧が上昇して電源電圧V1となる。
また、電源基板50には、リセット信号回路53が設けられており、リセット信号回路53は電源断監視回路52に接続されている。電源断監視回路52は、その判定結果が肯定(即ち、電源電圧V1≦電圧V0)である場合に、主制御基板30、演出制御基板31及びリセット信号回路53に対して電源電圧V1が電圧V0に降下したことを示す電源断信号SSを出力する。また、リセット信号回路53は、電源断信号SSの入力時に、主制御基板30及び演出制御基板31に対してリセット信号Reを出力し、電源供給が完全に途絶えるまで主制御基板30及び演出制御基板31の動作を規制する。また、リセット信号回路53は、電源供給の開始時(電源投入時或いは復電時)に、主制御基板30及び演出制御基板31に対してリセット信号Reを出力し、主制御基板30及び演出制御基板31の動作を所定期間(安定した電源供給が開始されるまでの間、又は初期設定が終了するまでの間)、規制する。なお、このリセット信号Reの出力が終了すると(ハイレベル状態からローレベル状態に遷移する)と、主制御用CPU30aと演出制御用CPU31aは、(電源が供給されていれば)起動を開始するようになっている。
また、電源基板50は、変換後の電源電圧V2〜V3を、主制御用バックアップ電源30eや、演出用バックアップ電源31eにもそれぞれ供給し、主制御用バックアップ電源30eや、演出用バックアップ電源31eを充電するようになっている。このため、主制御用RAM30cは、電源電圧V1(電源)の遮断時(電圧V0への降下時)において、主制御用バックアップ電源30eから供給された電源電圧VB(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持可能に構成されている。これにより、電源遮断時において、主制御用RAM30cに記憶される情報(遊技の進行に係わる情報など)をバックアップすることが可能となる。同様に、演出制御用RAM31cは、電源電圧V1(電源)の遮断時(電圧V0への降下時)において、演出用バックアップ電源31eから供給された電源電圧VB(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持可能に構成されている。これにより、電源遮断時において、演出制御用RAM31cに記憶される情報(演出内容に係わる情報など)をバックアップすることが可能となる。
また、電源基板50は、主制御基板30(主制御用RAM30c)や演出制御基板31(演出制御用RAM31c)に記憶保持され、遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種制御情報(記憶内容)を消去したい場合に操作されるRAMクリアスイッチ54が接続されている。そして、RAMクリアスイッチ54には、該RAMクリアスイッチ54の操作を受けて、記憶保持された記憶内容の消去(初期化処理)を指示する初期化指示信号ISを、主制御基板30及び演出制御基板31に出力するためのRAMクリアスイッチ回路55が接続されている。このRAMクリアスイッチ回路55は、電源基板50に配置されている。本実施形態では、RAMクリアスイッチ54は、遊技店の店員のみの操作が許容されるように機裏側に設けられており、該RAMクリアスイッチ54を操作すると、RAMクリアスイッチ回路55から初期化指示信号ISが出力されるようになっている。そして、該RAMクリアスイッチ54を操作しながら(操作と同時に)電源を投入すると、RAMクリアスイッチ回路55から初期化指示信号ISが出力されて、初期化処理が実行されるようになっている。
次に、電源断処理プログラムに基づく電源断時の主制御用CPU30aによる処理について説明する。主制御基板30(主制御用CPU30a)は、電源断監視回路52から電源断信号SSを入力すると、主制御基板30用の電源断処理プログラムに基づき、バックアップ処理を実行する。即ち、主制御用CPU30aは、電源断信号SSの入力を契機に電源断処理プログラムを実行し、電源断信号SSを入力していない場合には電源断処理プログラムを実行しない(バックアップ処理を実行しない)。バックアップ処理にて主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶保持されている各種制御情報に加えて、レジスタ及びスタックポインタなどの制御情報を主制御基板30用のバックアップ情報として主制御用RAM30cに記憶保持させる。
なお、主制御基板30用のバックアップ情報としては、遊技の進行に係わる情報が主に記憶されるようになっている。遊技の進行に係わる情報とは、例えば、特図始動保留記憶数の値、遊技状態(大当り遊技中であるか否かなど)、未払いの賞球数、当り判定用乱数の値、前回当選した大当りの種類(特別図柄の種類)、前回当選してから実行されたゲーム回数などが含まれる。
その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cへのアクセスを禁止し、リセット信号Reが入力される(ハイレベル状態になる)まで待機する。そして、リセット信号Reを入力すると、主制御用CPU30aの動作は規制される。電源断後は、主制御用バックアップ電源30eから主制御用RAM30cへ電源が供給されることにより、電源断時における主制御用RAM30cの記憶内容がバックアップ情報として保持される。
次に、電源断処理プログラムに基づく電源断時の演出制御用CPU31aによる処理について説明する。演出制御基板31(演出制御用CPU31a)は、電源断監視回路52から電源断信号SSを入力すると、演出制御基板31用の電源断処理プログラムに基づき、バックアップ処理を実行する。即ち、演出制御用CPU31aは、電源断信号SSの入力を契機に電源断処理プログラムを実行し、電源断信号SSを入力していない場合には電源断処理プログラムを実行しない(バックアップ処理を実行しない)。バックアップ処理にて演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶保持されている各種制御情報を演出制御基板31用のバックアップ情報として演出制御用RAM31cに記憶保持させる。
なお、演出制御基板31用のバックアップ情報としては、演出内容に係わる演出情報や遊技機毎に設定される設定情報が主に記憶されるようになっている。演出内容に係わる演出情報とは、例えば、背景画像の種類、停止表示させる飾り図柄の種類、演出制御用CPU31aが決定した図柄変動ゲームの具体的な演出内容などが含まれる。また、設定情報には、後述する現在時刻などの時間に関する時間情報や、デモ演出のモード(詳しくはエコモードに関する詳細な設定情報)、店舗情報、1日の最高大当り回数に関するランキング情報などが含まれる。本実施形態では、演出制御用RAM31cが、時間情報記憶手段となる。
その後、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cへのアクセスを禁止し、リセット信号Reが入力される(ハイレベル状態になる)まで待機する。そして、リセット信号Reを入力すると、演出制御用CPU31aの動作は規制される。電源断後は、演出用バックアップ電源31eから演出制御用RAM31cへ電源が供給されることにより、電源断時における演出制御用RAM31cの記憶内容がバックアップ情報として保持される。
次に、制御プログラムに基づく電源投入時の主制御用CPU30aによる処理について説明する。
主制御基板30は、電源供給の開始に伴い、初期設定を行う。その際、RAMクリアスイッチ54がオンされている場合には、主制御用RAM30cに記憶保持されたバックアップ情報を消去して、初期化する。一方、RAMクリアスイッチ54がオンされていない場合には、主制御用RAM30cに記憶保持されたバックアップ情報に基づき、制御を再開する。これにより、電源断される前の状態に復帰することができる。
次に、制御プログラムに基づく電源投入時の演出制御用CPU31aによる処理について説明する。
演出制御基板31は、電源供給の開始に伴い、初期設定を行う。その際、RAMクリアスイッチ54がオンされている場合には、演出制御用RAM31cに記憶保持されたバックアップ情報のうち設定情報以外の情報(演出情報など)を消去して、初期化する。一方、RAMクリアスイッチ54がオンされていない場合には、演出制御用RAM31cに記憶保持されたバックアップ情報に基づき、制御を再開する。これにより、電源断される前の状態に復帰することができる。
なお、設定情報は、RAMクリアスイッチ54がオン又はオフのいずれであっても、記憶保持されるようになっている。ここで設定情報における時間情報の設定方法について説明する。RAMクリアスイッチ54をオンとしながら電源投入すると、演出制御用RAM31cの設定情報を除くバックアップ情報が消去される。その後、演出制御用CPU31aは、クリアされたことを示す音声(ラムクリア音)を出力させる。遊技店の店員が、その際、設定スイッチSW10にて所定の操作(例えば長押し)を行うと、演出制御用CPU31aは、それに応じて時間情報等の各種設定を行うための設定画面を画像表示部GHに表示させる。遊技店の店員は、この設定画面を見ながら(設定画面の指示に従って)、設定スイッチSW10を操作することにより、現在の年月日、時刻を設定することができるようになっている。演出制御用CPU31aは、設定された時間情報を設定情報として演出制御用RAM31cに記憶する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(第1検知信号を入力しなかったと判定した場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第1検知信号を入力したと判定した場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。特図始動保留記憶数が「4」である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
特図始動保留記憶数が上限数「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数を1加算し、特図始動保留記憶数を書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。続いて、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30c及び乱数生成器30dから各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(特図始動保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する。このとき主制御用CPU30aは、乱数生成器30dから当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM30cから特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を取得する。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の特図始動保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、まず、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中であるか否か、及び大当り遊技中であるか否か判定する。この判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲーム中、又は大当り遊技中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、図柄変動ゲーム中でなく、且つ、大当り遊技中でもない場合、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数を読み出し、特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。特図始動保留記憶数が「0」であると判定した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、特図始動保留記憶数が「1」以上であると判定した場合、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数の数を「1」減算し、当該特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値を取得する。
より詳しくは、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した特図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出す。また、主制御用CPU30aは、乱数の値を読み出した後、特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を特図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。また、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数を1減算した際、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の特図始動保留記憶数を示す保留指定コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する。そして、主制御用CPU30aは、取得した特別図柄振分用乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定である場合、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的には、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口18の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口18を開放する。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口18を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。なお、大入賞口18を開放させる際には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口18の開放を示す開放コマンドを出力する。また、大入賞口18を閉鎖させる際には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口18の閉鎖を示す閉鎖コマンドを出力する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当りフラグに[0]を設定(クリア)し、大当り遊技を終了させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合、大当りの図柄組み合わせの中から図柄組み合わせを決定する。このため、大当りの図柄組み合わせが表示された場合、遊技者は、大当り遊技が付与されることを認識することができる。
また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを全図柄停止コマンドの入力に応じて確定停止表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドや大当り遊技に関する制御コマンド(例えば、オープニングコマンド)などの演出に係わる制御コマンドを入力すると、当該制御コマンドに基づき、図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置11を制御する。
例えば、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定された演出内容に表示演出が含まれている場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンに対応した画像データを読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した画像データに基づき、表示演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定された演出内容に可動体演出が含まれている場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンに対応した可動体演出用の各種制御データを読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した制御データに基づき、各種モータMOTを決められたタイミングで駆動させて、可動体K1〜K9に可動体演出を実行させる。
また、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定された演出内容に発光演出が含まれている場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンに対応した発光演出用の各種制御データを読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した制御データに基づき、各種ランプH1〜H3や装飾ランプSLを決められたタイミングで発光させて、発光演出を実行させる。
また、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定された演出内容に音声出力が含まれている場合、演出制御用CPU31aは、変動パターンに対応した音声出力用の各種制御データを読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、読み出した制御データに基づき、スピーカSPからの音声出力を決められたタイミングで実行させる。
次に、本実施形態におけるデモ演出に係わる制御について説明する。デモ演出は、大当り遊技及び図柄変動ゲームが所定時間実行されていないときに実行される演出であり、演出装置を使用して、遊技内容の説明や演出の一部などを実行することにより、遊技者に注目させ、遊技に対して興味を持たせる演出となっている。なお、本実施形態における演出装置とは、演出表示装置11、可動体K1〜K9、装飾ランプSL、ランプH1〜H3、スピーカSPのことを指す。
また、本実施形態では、複数種類の演出内容のデモ演出が実行可能となっている。
具体的には、多数の可動体K1〜K9及び複数のランプH1〜H3を使用した演出内容のデモ演出の実行を指定する第1デモパターンと、通常の演出内容のデモ演出の実行を指定する第2デモパターンと、電力消費が少ない演出内容のデモ演出の実行を指定する第3デモパターンが用意されている。本実施形態において、第1デモパターン〜第3デモパターンは、それぞれデモ演出の演出内容を指定するデモ演出パターンとなっている。
第1デモパターンに基づきデモ演出が実行されると、全ての可動体(可動体K1〜可動体K9)が順次動作すると共に、演出表示装置11の表示領域において各可動体K1〜K9の動作に対応した表示画像が表示されるようになっている。また、第1デモパターンに基づくデモ演出中、全てランプH1〜H3が予め決められた発光パターンで点灯するようになっている。また、第1デモパターンに基づくデモ演出中、装飾ランプSLが予め決められた発光パターンで点灯・消灯・点滅するようになっている。
具体的には、最初に上可動体K1を下方に移動させ、上回転灯K2を露出させる。そして、ランプH1を発光させると共に、上回転灯K2の上リフレクタR1を回転させる。次に、上可動体K1を上方向に移動させて上回転灯K2が収容されると共に、左可動体K4の左台座D2を回転させ、左回転灯K6を上方向に移動させる。同時に、右可動体K7の右台座D3を回転させ、右回転灯K9を上方向に移動させる。その後、ランプH2を発光させると共に、左回転灯K6の左リフレクタR2を回転させる。同様に、ランプH3を発光させると共に、右回転灯K9の右リフレクタR3を回転させる。
次に、左可動体K4の左台座D2を回転させ、左回転灯K6を下方向(すなわち、左発光灯K5を上方向)に移動させる。同時に、右可動体K7の右台座D3を回転させ、右回転灯K9を下方向(すなわち、右発光灯K8を上方向)に移動させる。その後、ピストル可動体K3を下方向に移動させるとともに、左発光灯K5及び右発光灯K8を回転させる。なお、画像表示部GHでは、各可動体K1〜K9の動きに合わせた表示演出が実行されるようになっている。また、装飾ランプSLは、デモ演出中、所定の発光パターンで発光し続けるようになっている。
そして、第2デモパターンに基づきデモ演出が実行されると、一部の可動体(可動体K1〜可動体K2)が動作すると共に、演出表示装置11の表示領域において可動体K1〜可動体K2の動作に対応した表示画像が表示されるようになっている。また、第2デモパターンに基づくデモ演出中、予め決められた一部のランプH1が予め決められた発光パターンで点灯するようになっている。
具体的には、上可動体K1を下方に移動させ、上回転灯K2を露出させる。そして、ランプH1を発光させると共に、上回転灯K2の上リフレクタR1を回転させる。その後、上可動体K1を上方向に移動させて上回転灯K2が収容され、画像表示部GHにおける表示演出のみが実行される。なお、画像表示部GHでは、可動体K1〜K2の動作中、各可動体K1〜K2の動きに合わせた表示演出が実行されるようになっている。また、装飾ランプSLは、デモ演出中、所定の発光パターンで発光し続けるようになっている。
このため、第1デモパターンに基づくデモ演出と比較して、第2デモパターンに基づくデモ演出では、消費電力が少なくなっている一方で、演出内容がおとなしい印象を受け、第1デモパターンに基づくデモ演出よりも目立たなくなっている。
そして、第3デモパターンにてデモ演出が実行されると、可動体K1〜K9を動作させることなく、演出表示装置11に所定の表示画像を表示させるようになっている。また、第3デモパターンに基づくデモ演出中、ランプH1〜H3を点灯させないようになっている。このため、第3デモパターン及び第2デモパターンに基づくデモ演出と比較して、第3デモパターンに基づくデモ演出では、消費電力がより少なくなっている一方で、第1デモパターンや第2デモパターンに基づくデモ演出よりも目立たなくなっている。
次に、デモ演出の開始を指示するためのデモ演出開始処理について説明する。デモ演出開始処理は、主制御用CPU30aによって所定周期毎に実行されるようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中、又は図柄変動ゲーム中であるか否かについて判定する。この判定結果が肯定の場合(大当り遊技中又は図柄変動ゲーム中である場合)、デモ演出開始処理を終了する。
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合(大当り遊技中でなく、且つ、図柄変動ゲーム中でない場合)、主制御用CPU30aは、特図始動保留記憶数の値が「0」であるか否かについて判定する。この判定結果が否定の場合(特図始動保留記憶数の値が「0」でない場合)、主制御用CPU30aは、デモ演出開始処理を終了する。
一方、特図始動保留記憶数の値が「0」である場合、主制御用CPU30aは、前回の図柄変動ゲームが終了してから、予め決められた時間(例えば、10秒)経過したか否かを判定する。経過していない場合には、主制御用CPU30aは、デモ演出を実行させることなく、デモ演出開始処理を終了する。
一方、経過していた場合には、主制御用CPU30aは、デモ演出の開始を指示するデモコマンドを演出制御用CPU31aに既に出力したか否かを判定する。出力していなかった場合には、主制御用CPU30aは、デモコマンドを演出制御用CPU31aに出力し、デモ演出開始処理を終了する。
次に、図5に従って、デモ演出を実行させるためのデモ演出実行処理について説明する。デモ演出実行処理は、演出制御用CPU31aがデモコマンドを入力した場合に実行されるようになっている。
演出制御用CPU31aは、デモコマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに記憶されている時間情報と、デモ演出に関するタイムテーブルを読み出す。タイムテーブルとは、時間情報毎(より詳しくは、時間帯毎)にデモ演出のデモパターンを決定するための処理が設定されている。本実施形態において、タイムテーブルには、予め決められた第1時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理と、第1時間帯とは異なる第2時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理が設定されている。
そして、演出制御用CPU31aは、タイムテーブルを参照して、時間情報に基づきデモ演出のデモパターンを決定するための処理を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、特定した処理を実行してデモパターンを決定する。
デモ演出のデモパターンを決定するための処理について詳しく説明する。まず、第1時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理について説明する。第1時間帯とは、経験上、遊技者が店内に多数いると思われる時間帯であり、例えば、午前中や18時台のことを指す。なお、第1時間帯は、遊技店が任意に設定することができるようになっている。
演出制御用CPU31aは、時間情報の現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合、第1時間帯における第1デモパターンの実行回数を示す第1デモ実行回数が所定回数(本実施形態では4回)以上であるか否かについて判定する(ステップS11)。
この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、エコモードであるか否かについて判定する(ステップS12)。なお、エコモードは、例えば、機裏側に設けられた設定スイッチSW10を操作することにより、時間情報を設定する際に、設定画面の案内に従って遊技店側が設定することができるようになっている。そして、エコモードの設定の有無は、演出制御用RAM31cにおいて設定情報として記憶されるため、RAMクリアスイッチ54が操作されても消去されないようになっている。
ステップS12の判定結果が肯定の場合(エコモードである場合)、演出制御用CPU31aは、第3デモパターンを決定する(ステップS13)。これにより、演出制御用CPU31aは、第3デモパターンに基づくデモ演出を実行させる。
一方、ステップS12の判定結果が否定の場合(通常モードである場合)、主制御用CPU30aは、第2デモパターンを決定する(ステップS14)。これにより、演出制御用CPU31aは、第2デモパターンに基づくデモ演出を実行させる。
ステップS11の判定結果が否定の場合(第1デモ実行回数が所定回数より少なかった場合)、主制御用CPU30aは、第1デモパターンを決定する(ステップS15)。これにより、演出制御用CPU31aは、第1デモパターンに基づくデモ演出を実行させる。また、ステップS15において、演出制御用CPU31aは、第1デモ実行回数に1加算し、その値を更新して演出制御用RAM31cに記憶する。なお、第1デモ実行回数は、演出情報に含まれ、電源投入時にRAMクリアスイッチ54がオンとされている場合には、消去されるようになっている。
次に、第2時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理について説明する。第2時間帯とは、第1時間帯でない時間帯を指す。なお、第2時間帯は、経験上、主に遊技者が店内に少ないと思われる時間帯であり、例えば、15時台や21時台のことを指す。
主制御用CPU30aは、第2時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理を開始すると、第1時間帯におけるデモ演出のデモパターンを決定するための処理におけるステップS12〜ステップS14の処理を実行する。すなわち、第1時間帯とは異なる第2時間帯においては、第2デモパターン又は第3デモパターンを指定するようになっている。
本実施形態において、タイムテーブルの内容は、時間情報を設定する際、設定画面において設定画面の指示に従って設定スイッチSW10を操作することにより、遊技店の店員等が自由に設定することができるように構成されている。すなわち、第1時間帯、第2時間帯を任意に設定することが可能となっている。また、時間帯の数を任意に設定することができる。また、時間帯毎の処理を任意に設定することができる。具体的には、第1デモ実行回数の所定回数などや実行させるデモパターンを任意に変更することができる。タイムテーブルの内容は、設定情報として記憶保持されており、電源投入時にRAMクリアスイッチ54がオンされていたとしても、消去されないようになっている。
以上のことから、主制御用CPU30a及び演出制御用CPU31aが、デモ演出を実行させるデモ演出制御手段となっている。また、演出制御用CPU31aが、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定手段となる。また、演出制御用RAM31cが、時間情報記憶手段となる。また、設定スイッチSW10が、時間設定手段となる。また、設定スイッチSW10が、パターン設定手段となる。
次に、このように設定されるデモ演出の作用について説明する。
遊技店内に遊技者が多いと思われる第1時間帯においては、第1デモパターンに基づくデモ演出が実行され、多数の可動体K1〜K9が動作し、全てランプH1〜H3が発光する。これにより、遊技者の注目を集め、遊技を開始させる意欲を持たせることができる。また、通常時においては、第1デモパターンに基づくデモ演出は実行されないため、第1デモパターンに基づくデモ演出が実行された場合には、より遊技者の注目を集めることができる。
さらに、エコモードが設定されていたとしても、所定の条件が成立したとき(第1時間帯であって第1デモ実行回数が所定回数以下である場合)、第1デモパターンに基づくデモ演出が実行される。このため、第1デモパターンに基づくデモ演出は、エコモードであるときに実行される第3デモパターンに基づくデモ演出と比較して、一層目立つため、より遊技者を引きつけることができる。
また、遊技店内に遊技者が多いと思われる第1時間帯であっても、第1デモパターンに基づくデモ演出が頻繁に実行されると、消費電力が多くなると共に、可動体K1〜K9などの演出装置の消耗が早まるため、第1デモパターンに基づくデモ演出が所定回数実行された場合には、実行されないようにしている。これにより、消費電力や、演出用可動体K1〜K9などの演出装置の消耗を抑えることができる。
また、遊技店内に遊技者が少ないと思われる第2時間帯においては、第2デモパターン又は第3デモパターンに基づくデモ演出が実行される。これにより、消費電力や、可動体K1〜K9などの演出装置の消耗を抑えることができる。その一方で、デモ演出が行われることにより、遊技者の注目を集めることも可能となっている。
また、遊技店側がエコモードを設定することにより、第3デモパターンに基づくデモ演出を中心に実行させることができる。これにより、エコモードでない通常モードよりも消費電力や、可動体K1〜K9などの演出装置の消耗をより抑えることができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)遊技店に来店する遊技者の数は、遊技店における時間帯により異なっている。そこで、主制御用CPU30aは、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、デモ演出を実行させる演出装置が多いデモ演出パターンを決定する。なお、第1時間帯とは、店内に遊技者が多いと思われる時間帯であり、遊技店側が設定可能に構成されている。その一方、現在時刻が予め決められた第2時間帯(本実施形態では、第1時間帯以外の時間帯)である場合には、デモ演出を実行させる演出装置が少ないデモ演出パターンを決定するようにした。また、第2時間帯とは、店内に遊技者が少ないと思われる時間帯であり、遊技店側が設定可能に構成されている。このため、店内の遊技者の数が多い第1時間帯に、実行させる演出装置が多く、演出内容が派手になりやすい第1デモパターンに基づくデモ演出を実行させることにより、効果的な集客を行うことができる。その一方で、店内の遊技者の数が比較的少ないと思われる第2時間帯に、実行させる演出装置が少なく、相対的におとなしめな第2デモパターン又は第3デモパターンを指定に基づくデモ演出を実行させることにより、パチンコ機100の消耗を抑えることができる。つまり、演出用可動体や消費電力を抑えることができる。また、時間情報は、バックアップ情報に含まれているため、パチンコ機100への電源供給毎に設定する必要が無く、手間を省くことができる。
(2)演出制御用CPU31aは、現在時刻に基づき、可動体演出が含まれるデモパターンを異ならせる。すなわち、演出制御用CPU31aは、現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、可動体演出が含まれるデモ演出パターン(第1デモパターン)を決定する。一方、現在時刻が予め決められた第2時間帯である場合には、可動体演出が含まれない(又は可動体演出が少ない)デモ演出パターン(第2デモパターン又は第3デモパターン)を決定する。第1デモパターンに基づくデモ演出を実行させる演出装置には、派手な演出効果を期待できる一方で、使用電力が大きく、消耗しやすい可動体K1〜K9が含まれる。このため、可動体演出が含まれるデモ演出パターンの種類を時間帯により変更することにより、効果的な集客を行うと共に、消耗を抑えることができる。
(3)演出制御用CPU31aは、原則として、エコモードが設定されていた場合には、第3デモパターンを決定し、通常モードが設定されていた場合には、第2デモパターンを決定する。一方で、演出制御用CPU31aは、現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、エコモードが設定されているときでも、第1デモパターンを決定する。すなわち、店内の遊技者が多いと思われる第1時間帯であるときには、第3デモパターンを実行させることにより、効果的に集客を行うことができる。その一方で、その他の時間帯であるときには、第3デモパターンを決定して消費電力を抑えることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態では、現在時刻が所定の時間帯である場合に、第1デモパターンに基づくデモ演出を実行可能に構成したが、第1デモパターンに基づくデモ演出を実行可能とする時間帯を任意に変更しても良い。また、時間情報が示す曜日が所定の曜日、例えば、土日や祝日である場合に、第1デモパターンに基づくデモ演出を実行可能としてもよい。また、時間情報が示す日にちが所定の日にち、例えば、7日や、25日などである場合に、第1デモパターンに基づくデモ演出を実行可能としてもよい。
・上記実施形態では、第2時間帯を第1時間帯以外の時間としたが、任意の時間帯を設定してもよい。なお、第2時間帯及び第1時間帯のいずれでもないときには、予め決められた第2デモパターンが決定されるようにしてもよい。
・上記実施形態では、第1デモパターンに基づくデモ演出が所定回数実行された場合には、実行させないようにしたが、実行させても良い。また、所定回数を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、変短状態又は確変状態を付与する機能を設けてもよい。そして、変短状態又は確変状態であるときには、遊技者が派手なデモ演出を行わなくても、再び行われる可能性が高いため、第3デモパターン(省電力デモパターン)を決定するようにしても良い。また、確変状態又は変短状態専用のデモ演出を実行させるデモパターンを決定するようにしてもよい。
・上記実施形態において、エコモードは設定できなくてもよい。
・上記実施形態において、第1時間帯及び第2時間帯は、遊技店側が設定可能に構成されていたが、設定できなくてもよい。例えば、予めプログラム上第1時間帯が設定されていてもよい。
・上記実施形態において、タイムテーブルの内容は、遊技店側が設定可能に構成されていたが、設定できなくてもよい。例えば、予めタイムテーブルが、演出制御用ROM31bや演出制御用RAM31cの設定情報に記憶されていても良い。
・上記実施形態において、設定情報に含まれる内容は、任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、アクチュエータにより物理的に動作させるものであるならば、可動体K1〜K9の動作態様、種類、数、消費電力、構成などを任意に変更しても良い。また、ランプH1〜H3の配置、数、発光パターン、発光色などを任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、第1デモパターンは、可動体K1〜K9を使用するものであるならば、演出内容を任意に変更しても良い。また、第2デモパターンは、第1デモパターンよりも消費電力及び使用する可動体K1〜K9の数が少ないものであるならば、演出内容を任意に変更しても良い。また、第3デモパターンは、第1デモパターン及び第2デモパターンよりも消費電力が少ないものであるならば、演出内容を任意に変更しても良く、装飾ランプSLや可動体K1〜K9を使用した演出内容に変更しても良い。また、スピーカSPによる音声出力をデモ演出中に行っても良い。
・上記実施形態において、時間情報は、バックアップ情報の設定情報に含まれなくてもよい。電源投入毎に設定してもよく、また、電源投入してからの時間によって第1時間帯であるか否かを判定しても良い。
・上記実施形態では、図柄変動ゲームが所定時間実行されていない場合に、デモ演出を開始させたが、デモ演出を開始させるか否かは任意の方法で行っても良い。例えば、発射ハンドルY6aに接触センサを設け、発射ハンドルY6aに設けられた接触センサから接触信号を入力しているか否かによって遊技中であるか否かを判定してもよい。また、発射装置から所定期間、遊技球が遊技領域に発射されていないときに遊技中でないと判定しても良い。また、アウト口などからパチンコ機100の外部に遊技球が所定期間排出されなかった場合に、遊技中でないと判定しても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は任意に変更しても良い。例えば、ラウンド遊技数や、入球上限数、開放時間、開放態様、インターバル時間、大当り判定の当選確率を変更する確変状態を付与するか否か、始動入賞口15への入球確率を変更する変短状態を付与するか否か、確変上限回数、変短上限回数等を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、リーチ判定の当選確率は、任意に変更してもよい。同様に、大当り判定の当選確率は、任意に変更してもよい。同様に普通当り判定の当選確率を任意に変更してもよい。同様に、普通当り遊技における開閉羽根16の開閉態様や開放時間は、任意に変更してもよい。
・上記実施形態において、演出制御基板31が、デモパターンを決定していたが、主制御基板30がデモパターンを決定しても良い。この場合、主制御基板30が、タイムテーブルをバックアップ情報として記憶することとなる。
・上記実施形態において、主制御用RAM30cにおいて記憶保持されるバックアップ情報の中に、電源投入時にRAMクリアスイッチ54が操作されても消去されない設定情報が含まれていても良い。
・上記実施形態において、現在時刻等の時間情報を記憶及び更新するリアルタイムクロック回路を演出制御基板31に設けても良い。そして、演出制御用CPU31aは、必要に応じて時間情報をリアルタイムクロック回路から読み出すように構成しても良い。なお、リアルタイムクロック回路には、演出用バックアップ電源31eが接続されていることが望ましい。このようにすれば、演出制御用RAM31cに時間情報を記憶する必要が無くなり、また、演出制御用CPU31aが時間情報を更新する必要が無くなる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、前記演出装置は、複数備えられ、前記デモ演出パターン決定手段は、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、デモ演出を実行させる演出装置が多いデモ演出パターンを決定する一方、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第2時間帯である場合には、デモ演出を実行させる演出装置が少ないデモ演出パターンを決定するようにしてもよい。
(ロ)上記遊技機において、前記演出装置には、可動体演出を行う可動体が含まれ、前記デモ演出パターン決定手段は、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、可動体演出が含まれるデモ演出パターンを決定する一方、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第2時間帯である場合には、可動体演出が含まれないデモ演出パターンを決定するようにしてもよい。
(ハ)上記遊技機において、消費電力が異なる複数種類の演出装置が備えられ、前記デモ演出パターン決定手段は、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第1時間帯である場合には、消費電力の多い演出装置を使用するデモ演出パターンを決定する一方、時間情報に含まれる現在時刻が予め決められた第2時間帯である場合には、消費電力の少ない演出装置を使用するデモ演出パターンを決定するようにしてもよい。
(ニ)始動入賞口に入球した遊技球を検知する始動検知手段と、前記始動検知手段により遊技球が検知されたことを契機に、複数種類の図柄を変動させる図柄変動ゲームを実行する演出装置と、少なくとも前記図柄変動ゲームが実行されていないときに、デモ演出を前記演出装置に実行させるデモ演出制御手段と、デモ演出の演出内容を特定するデモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定手段と、遊技機への電源供給が中断した際に電源を供給するバックアップ用電源に接続され、所定の契機で更新されるバックアップ情報を記憶しつづけるバックアップ情報記憶手段と、を備え、前記デモ演出パターン決定手段は、バックアップ情報に基づき、デモ演出パターンを決定することを特徴とする遊技機。